JP6602817B2 - 焼成装置および炉 - Google Patents

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Description

この発明は、例えばフライアッシュ等の原粉を燃焼する焼成装置および炉に関する。
従来から、石炭火力発電所から排出されるフライアッシュは、セメント用混合材や、コンクリート用混和材として利用されている。しかしながら、セメント用混合材や、コンクリート用混和材としてフライアッシュを使用するためには、フライアッシュに含まれる未燃カーボンを除去する必要があった。
未燃カーボンを除去する技術としては、ロータリーキルンを用いたフライアッシュの処理装置や焼成装置がある。特許文献1に記載されたフライアッシュの処理装置は、攪拌板と塊状媒体とを内蔵した外熱式ロータリーキルンに、未燃カーボンを含むフライアッシュを供給し、フライアッシュと塊状媒体とを混合するとともに、かき上げながら、未燃カーボンを燃焼せしめるものである。
また、特許文献2に記載された焼成装置は、ロータリーキルンの加熱領域及び沈静化領域の内周面に、螺旋状の搬送部材及び衝立状の撹拌部材が設けられ、自燃領域の内周面に、棚状のリフター部材及び搬送リフター部材が設けられている。
しかしながら、上述のフライアッシュの処理装置や焼成装置に設けられた攪拌板や撹拌部材等は、ロータリーキルンと共に回転してフライアッシュを撹拌し、未燃カーボンを効率よく燃焼させるのに有効であったが、その一方で、フライアッシュ中の微粉を飛散させてしまうという問題点があった。
特開平7−19440号公報 特開2014−44026号公報
この発明は、上述の問題点に鑑みて、フライアッシュ中の微粉の飛散を抑制しつつ未燃カーボンを効率よく燃焼させる焼成装置および炉を提供することを目的とする。
この発明は、水平又は略水平の仮想回転軸にて回転される炉と、前記炉を回転させる回転駆動部と、前記炉内に酸素を供給する酸素供給部と、前記炉内を加熱する加熱部と、前記炉の一端側に設けられてフライアッシュと未燃カーボンを含む原粉が前記炉内に供給される原粉供給部と、前記炉の他端側に設けられて加熱済みの処理粉を排出する処理粉排出部と、を備えた焼成装置であって、前記炉は、断面が多角形若しくは略多角形状であり前記一端から前記他端へ向かって全体がねじれているねじれ多角筒状若しくはねじれ多角推台筒状に形成され、前記炉は、一端側に前記原粉を供給する原粉供給部が設けられ、他端側に燃焼後のフライアッシュを排出する排出部が設けられ、前記回転駆動部は、前記炉を、前記ねじれ平面における最下部となっている位置が前記一端側から徐々に他端側へ向かって移動する方向に回転させる構成であり前記加熱部および前記酸素供給部は、前記炉の他端側に設けられ、前記酸素供給部は、前記炉の他端側から前記炉内へ前記酸素を吹き込む構成であり、前記炉内を800〜900℃に加熱する構成であり、前記炉が回転すると、熱によって滑りやすくなっている前記原粉は、前記炉の前記ねじれ平面に重なり合って載置された状態で次のねじれ平面の存在によって滑り止めされる状態となってそのまま持ち上がっていき、ある程度持ち上げられて落下する際に、後続の前記原粉を斜め方向から逆V字状に折り畳み込むようにして次々と巻き込んでいく構成である焼成装置であることを特徴とする。
この発明により、フライアッシュ中の微粉の飛散を抑制しつつ未燃カーボンを効率よく燃焼させる焼成装置を提供できる。
フライアッシュの加熱改質システムの構成を示す構成図。 焼成装置の構成を示す構成図。 焼成装置の炉体を説明する説明図。
以下、本願発明の一実施形態を図面と共に説明する。
<フライアッシュの加熱改質システム>
図1は、未燃カーボンを燃焼させる焼成装置9(炭素高温酸化炉)を備えたフライアッシュの加熱改質システム1の構成を示すブロック図である。
フライアッシュの加熱改質システム1は、投入されたフライアッシュ原粉を貯留するフライアッシュ貯留設備3と、貯留されているフライアッシュ原粉を加熱装置2に定量的に供給する定量供給装置4と、フライアッシュ原粉が含有する未燃カーボンを誘導加熱により加熱する電力加熱装置8と未燃カーボンを燃焼させる焼成装置9とを有し、フライアッシュの改質を行う加熱装置2と、加熱装置2で改質された高温のフライアッシュを冷却する冷却設備5と、加熱、燃焼処理時に加熱装置2が排出する排気ガスに含まれる塵等を除去する除塵装置6と、除塵装置6で塵等が除去された排気ガスを加熱改質システム1外に排出する排気装置7と、を備えている。
<フライアッシュ貯留設備>
フライアッシュ貯留設備3は、予熱装置10が設けられた原料ホッパー3cを備えている。
原料ホッパー3cは、投入されたフライアッシュ原粉を一時貯留する。
予熱装置10は、フライアッシュ貯留設備3に設けられた余熱循環パイプ11と、余熱循環パイプ11内に排気ガスを循環させる余熱循環ファン12を備えている。余熱循環パイプ11には、余熱循環パイプ11内に200℃以上の高温の排気ガスを供給するための余熱供給パイプ13と、排気ガスを除塵装置6へ排出するための排出パイプ14が連結されている。さらに、余熱供給パイプ13は、加熱装置2を構成する焼成装置9の排気ガス口9aに連結されている。
これにより、焼成装置9が排出する200℃以上の高温の排気ガスの一部が、余熱供給パイプ13を介して、余熱循環パイプ11内に供給されるようになっている。余熱循環ファン12は、余熱循環パイプ11内に供給された高温の排気ガスを、余熱循環パイプ11内に循環させる。これにより、原料ホッパー3c内に貯留されているフライアッシュ原粉は、余熱循環パイプ11内を循環する高温の排気ガスからの熱伝導により予熱される。
排出パイプ14には、排気ガスの排気の実行/停止を切り替えるコントロール弁16が設けられている。コントロール弁16による排気の実行/停止の切り替え信号とする温度センサ15は、余熱循環パイプ11に設けられている。
原料ホッパー3cは、予熱されたフライアッシュ原粉を、重力落下により、下部の連結管3bの下端にある連結口3aを介して定量供給装置4に搬出する。
<定量供給装置>
定量供給装置4は、円筒状で、軸心が略水平方向を向いている供給管17と、供給管17の軸心上に配置され軸回りに回転可能なシャフト18と、シャフト18に周設されシャフト18と共に回転することにより供給管17内部において予熱されたフライアッシュ原粉を搬送するスクリュー19と、シャフト18を軸回りに回転駆動させる駆動装置20とを備えている。駆動装置20は、電動モータ20gを備えており、電動モータ20gのスプロケットとシャフト18のスプロケットに張架されたリング状のチェーン20eを介してシャフト18に回転力を伝達する。
定量供給装置4は、原料ホッパー3cから排出された予熱されたフライアッシュ原粉を、流入口17bを介して供給管17の前段に供給する。供給管17の前段に供給された予熱されたフライアッシュ原粉は、供給管17内部においてシャフト18の軸回りに回転するスクリュー19により、供給管17の後方側に徐々に送り出される。そして、供給管17の後端にまで送り出された予熱されたフライアッシュ原粉は、流出口17aを介して、電力加熱装置8に供給される。
<電力加熱装置>
電力加熱装置8は、軸心が略水平方向を向いた内部が中空の円筒状の加熱処理管21と、加熱処理管21の外周に巻き付けるように設けられ、加熱処理管21の前段から後段に向かって複数段設けられている誘導コイル22と、誘導コイル22に高周波の交流電流を出力する高周波誘導加熱電源(高周波インバータ)(図示せず)を備えている。
電力加熱装置8に供給された予熱されたフライアッシュ原粉は、定量供給装置4から加熱処理管21に供給される後続の予熱されたフライアッシュ原粉に押され、加熱処理管21内を移動する。予熱されたフライアッシュ原粉に含まれる未燃カーボンは、予熱されたフライアッシュ原粉が加熱処理管21内を移動する間に、誘導コイル22に誘起される交番磁界による誘導加熱により段階的に加熱される。すなわち、磁界に誘導されて磁性体金属である加熱処理管21に渦電流が流れ、これによって加熱処理管21の抵抗により熱を発生して誘導加熱が実現する。また、導電性を有する未燃カーボン自身も誘導加熱により加熱される。この段階的な加熱は、最終段階での加熱が発火温度(自燃温度)である600℃であればよく、例えば前段から順に200℃、400℃、及び600℃といった三段階とするなど、適宜の段階に設定されている。これにより、途中で発火(自燃)が始まり暴走することを防止している。含有する未燃カーボンが加熱されたフライアッシュ原粉は、加熱処理管21の後段部まで移動した後、投入部30(原粉供給部)から焼成装置9内に投入される。
<焼成装置>
焼成装置9は、フライアッシュ原粉に含まれる加熱された未燃カーボンを燃焼させる。詳細は後述する。
<除塵装置>
除塵装置6は、前段のサイクロン6aと後段のバグフィルター6bとを備えている。前段のサイクロン6aには、焼成装置9の排気ガス口9aから排出される高温の排気ガスを、予熱装置10で利用した後に排出する排出パイプ14と、熱交換器32で冷却した後に排出する排気ガス管31とが、連結されている。
除塵装置6は、排出パイプ14及び排気ガス管31を介して流入した焼成装置9からの排気ガスに含まれ粉塵等を、サイクロン6aとバグフィルター6bを用いて除去した後、粉塵等が除去された排気ガスを排気装置7に排出する。
<排気装置>
排気装置7は、除塵装置6で粉塵等が除去された排気ガスを誘引ファン7aで誘引した後、排気塔7bを介して加熱改質システム1外に排出する。
<冷却設備>
冷却設備5は、焼成装置9の排出口35(処理粉排出部)から排出された、含有する未燃カーボンが燃焼により減少したフライアッシュ原粉を受け入れ、冷却処理する。
<焼成装置の詳細>
図2は、焼成装置9の構成の詳細を示す説明図である。
図3(A)は、焼成装置9の炉体26(炉)の周壁内ライニング26a及び投入側フード内ライニング26bの形状を示す説明図である。
焼成装置9は、軸心方向が略水平方向を向いた内部が中空で外周壁26dが円筒状の窯である炉体26と、炉体26を軸心の回りに回転可能に支持する炉体支持部27と、炉体26の一端部を覆う投入側フード28と、炉体26の他端部を覆う排出側フード29とを備えた回転式の炉である。
炉体26は、外周壁26dと、外周壁26dを内側から覆う周壁内ライニング26aと、投入側フード28を内側から覆う投入側フード内ライニング26bとを備えている。
外周壁26dは、耐熱性及び耐食性の合金で形成されている。
周壁内ライニング26aと投入側フード内ライニング26bとは、酸化アルミ系の耐火材で形成され、耐火材の外方側は冷却されている。このため、炉体26は、フライアッシュ原粉が含有する酸化バナジュームに起因する高温下での金属腐食を回避することができ、これにより、1000℃程度(すなわち未燃カーボンを発火させて加熱改質処理を実施することに耐える十分な温度)の耐火性を有することができる。
炉体26は、横に寝かせた両端が正八角形の略筒状体(ねじれ多角筒状)を水平な中心線(図3(C)の仮想回転軸39)を回転軸としてねじって形成された形状となっており(図3(A)参照)、筒半径方向の幅よりも筒軸心方向の長さの方が長く形成されている。炉体26の内面には、周壁内ライニング26aが設けられている。
周壁内ライニング26aは、ねじれた四角形の形状である各周壁内ライニング側壁26e(ねじれ平面)が複数個(この実施例では8個)合わさった形状となっている。そして、炉体26の内部空間は、供給されるフライアッシュ原粉が半部以下の一部を占め、残りを供給された空気が占めて、空気中の酸素を取り込み燃焼(発火)するのに十分な広い空間に形成されている。
尚、上述の略筒状体は、略円錐台筒状体(ねじれ多角推台筒状)でもよく、また、断面の形状は正八角形に限るものではなく、正方形、正六角形、正10角形、正12角形、正20角形等であってもよく、また、正多角形ではない多角形であってもよい。また、ここでは、投入側端に対して排出側端を反時計回りにねじって形成しているが、ねじる方向は、逆方向の時計回りであってもよい。この場合は回転方向を逆にすると良い。ねじる角度は、ここでは45度になっている。そして、ねじる前に投入側端の各辺に対向していた排出側端の各辺は、ねじったことにより、ねじる前の投入側端の当該各辺の反時計回りの一つ隣の各辺に対向するようになっている。尚、ねじる角度は、0度より大きく30度以下が好ましく、0度より大きく10度以下がより好ましい。
炉体支持部27は、炉体26を回転可能に両端近傍でそれぞれ支持する複数の回転体27aを設置する設置台27bと、駆動モータ27fと、駆動モータ27gの駆動軸に取り付けられた駆動側スプロケット27eと一部の回転体27aに取り付けられた従動側スプロケット27cに張架されたチェーン27dとを備えている。これにより、炉体支持部27は、回転体27aを回転させてその上の炉体26を水平な仮想回転軸39(炉体26の中心軸,図3(C)参照)にて回転させる回転駆動部として機能する。また、炉体支持部27は、駆動モータ27fの回転数を制御することで、炉体26の軸心回りの回転速度を変えることができる。尚、炉体26の軸心回りの回転方向は、炉体26を排出側から投入側に視て時計回りになっている。すなわち、炉体26の軸心回りの回転方向は、上述の周壁内ライニング26aをねじって形成したねじる方向と逆になっている。
投入側フード28には、電力加熱装置8で加熱されたフライアッシュ原粉を炉体26内に投入するための投入部30と、炉体26内で発生した燃焼ガスを排気ガスとして排出するための排気ガス口9aとが設けられている。
投入部30は、投入側フード28を前後に貫通する管で、軸心が炉体26の中心軸である仮想回転軸39とほぼ一致し、一端が電力加熱装置8の加熱処理管21の後端のフランジ21eに連結され、他端が炉体26内で開口し投入口30a(原粉供給部)を形成している。
排気ガス口9aには、余熱供給パイプ13、及び余熱供給パイプ13から分岐された排気ガス管31が連結されている。そして、余熱供給パイプ13は、予熱装置10を経由し、また、排気ガス管31は、熱交換器32を経由して、それぞれ除塵装置6に連結されている(図1参照)。これにより、排気ガス口9aから排出された高温の排気ガスは、除塵装置6に送られる。
排出側フード29には、炉体26内に空気(一次エア、二次エア)と共に燃料を噴出させ燃焼させる助燃バーナー33(加熱部)と、炉体26内に空気(三次エア)を吹き込む複数の吹き込みノズル34(酸素供給部)と、排出口35(処理粉排出部)が設けられている。
助燃バーナー33は、炉体26内を高温に加熱する。助燃バーナー33は、炉体26の中心軸である仮想回転軸39上に位置し、燃料を噴出させる噴出孔33aがフライアッシュ原粉の投入口30aに対向するように配置されている。すなわち、炉体26の中心軸上の一端側に投入口30aが設けられ、炉体26の中心軸上の他端側に助燃バーナー33が設けられている。
複数の吹き込みノズル34は、助燃バーナー33を周りから囲むようにして配置されている。吹き込みノズル34は、炉体支持部27により炉体26が回転されると、この炉体26とともに、助燃バーナー33(すなわち仮想回転軸39)を中心として回転する。
助燃バーナー33に供給される空気(一次エア、二次エア)と吹き込みノズル34から炉体26内に吹き込まれる空気(三次エア)は、外の空気が押込ファン36により取り込まれ熱交換器32を介して炉体26内に送り込まれた空気である。そのため、空気(一次エア、二次エア)と空気(三次エア)は、熱交換器32において、排気ガス管31を流動する高温の排気ガスとの熱交換により加熱される。
排出口35は、未燃カーボンが燃焼により減少したフライアッシュ原粉を排出するための排出口であり、排出側フード29の下部に設けられ、冷却設備5に連結されている(図1参照)。
<フライアッシュ原粉の撹拌、未燃カーボンの燃焼動作>
図3(B)は、焼成装置9の排出側から視た炉体26、及び炉体26内のフライアッシュ原粉の動きを示す説明図である。
図3(C)は、焼成装置9の炉体26内のフライアッシュ原粉の動きを炉体側方(図1における正面と反対側)から視た縦断面で示す説明図である。
フライアッシュ原粉は、投入部30の投入口30aから焼成装置9の炉体26内に投入される。フライアッシュ原粉は、重力により、投入部30の投入口30a直下の周壁内ライニング側壁26eに自由落下する。こうして炉体26内に投入されたフライアッシュ原粉は、800〜900℃に加熱されている炉体26内で加熱され、吹き込みノズル34から供給される十分な酸素(空気中に含まれる)を受けて、フライアッシュ原粉中の未燃カーボンが発火温度である600℃で発火して自燃し、加熱改質が進行する。
炉体26は、排出側から投入側に視た軸心の回りに時計回りの方向に回転している。このため、周壁内ライニング側壁26eに落下したフライアッシュ原粉は、当該周壁内ライニング側壁26eに載った状態で、当該周壁内ライニング側壁26eと共に、炉体26の軸心を中心軸として時計回りに円周方向に回転移動する。(FA1参照)。
当該周壁内ライニング側壁26eは、当該回転移動により傾斜角度が徐々に大きくなり、略水平状態から略垂直状態に近づいていく。フライアッシュ原粉は、当該周壁内ライニング側壁26eとの間の摩擦力により、所定の傾斜角度に至るまで当該周壁内ライニング側壁26eに載った状態を維持し、時計回りの円周方向の回転移動をし続ける。フライアッシュ原粉は、傾斜角度が所定の値に達すると、当該周壁内ライニング側壁26eとの間の摩擦力を凌駕する重力により、当該周壁内ライニング側壁26e上を反時計回りの方向に滑り落ちる。上述のように、当該周壁内ライニング側壁26eは、ねじれた四角形となっている。このため、フライアッシュ原粉は、当該周壁内ライニング側壁26e上を、円周方向よりも投入側から排出側に少し傾いた方向に向けて滑り落ちる(FA2参照)。そして、当該周壁内ライニング側壁26eから滑り落ちたフライアッシュ原粉は、反時計回り方向の一つ隣の周壁内ライニング側壁26eに乗り移る。
フライアッシュ原粉は、当該滑り落ちる際に、当該周壁内ライニング側壁26e上に載った後続のフライアッシュ原粉を、斜めから逆V字状に次々と折り畳み込むようにして巻き込んでいく。そのため、フライアッシュ原粉は、効率よく撹拌され、しかも、微粉の飛散が抑制される。
フライアッシュ原粉は、上述のような回転移動(FA1参照)と滑落(FA2参照)を炉体26内で繰り返すことにより、投入側から排出側に向かって徐々に送り出される(Adv.参照)。そして、この送り出される間に、フライアッシュ原粉は、繰り返し撹拌される。これにより、フライアッシュ原粉に含まれる未燃カーボンは、高温の酸素雰囲気中に頻繁に露出することとなり、効率よく燃焼される。この時の炉体26内の温度は、800〜900℃になっている。そして、排出口35に到達したフライアッシュ原粉は冷却設備5に排出される(図1、2参照)。
尚、フライアッシュ原粉に含まれる未燃カーボン量は変動するため、燃焼時間は適宜増減させる必要が生じる。この場合、当該燃焼時間の増減は、周壁内ライニング26aの形状に基づいて、炉体支持部27の駆動モータ27fの回転数の調整することにより行われる。すなわち、周壁内ライニング26aの形状に合わせて、駆動モータ27fの回転数の調整することにより、炉体26の軸心回りの回転速度を変え、炉体26内を移動するフライアッシュ原粉の移動速度を調整する。これにより、フライアッシュ原粉の移動速度を小さくすれば、炉体26内での滞留時間が長くなり、燃焼時間が増加し、逆に移動速度を大きくすれば、炉体26内での滞留時間が短くなり、燃焼時間が減少する。
以上の構成と動作により、フライアッシュ中の微粉の飛散を抑制しつつ未燃カーボンを効率よく燃焼させる焼成装置9を提供することができる。特に、円筒形の炉であれば、いくら回転させても、熱によって滑りやすくなっているフライアッシュ原粉は炉体26の表面を滑るように移動する。このため、フライアッシュ原粉はあまり撹拌しないこととなる。これに対して、上述した焼成装置9は、回転する多角形の炉(炉体26)により、フライアッシュ原粉が炉体26のねじれ平面部分である周壁内ライニング26a上に載置されたそのままの状態で持ち上がり、落下する際に十分に撹拌する。すなわち、円筒形のように滑る心配がないために、十分な撹拌を実施することができる。
炉(炉体26)における周壁内ライニング26aを構成する四角形の各周壁内ライニング側壁26eは、平板状の四角形でもなく、部分円筒状の四角形でもない、ねじれた四角形となっている。これにより、炉(炉体26)を回転させると、各周壁内ライニング側壁26e上のフライアッシュ原粉は、重なり合って載置された状態でそのまま持ち上がっていき、ある程度持ち上がった段階で表面部分から順に底部分(周壁内ライニング側壁26eに接触している部分)までが落下する。すなわち、円筒形の炉と異なり、隣り合う周壁内ライニング側壁26eの間には屈曲部があるために、先に持ち上がっている周壁内ライニング側壁26e上のフライアッシュ原粉は、次の周壁内ライニング側壁26eの存在によって滑り止めされる状態となり、そのまま持ち上がる。そして、ある程度持ち上げられて落下する際に、フライアッシュ原粉は、後続のフライアッシュ原粉を斜め方向から逆V字状に折り畳み込むようにして次々と巻き込んでいく。このため、円筒形の炉のようにフライアッシュ原粉が炉内で滑る(滑る結果、リブ等に当たらない限りフライアッシュ原粉が持ち上がらない)といったことがなく、効率よく撹拌でき、しかも、微粉の飛散を抑制することができる。
このようにして、フライアッシュ原粉に含まれる未燃カーボンは、高温の酸素雰囲気中に頻繁に露出することになり、効率よく燃焼される。そして、フライアッシュ原粉に含まれる未燃カーボンを除去して1%未満にすることができる。
焼成装置9の炉体26は、断面が正多角形となっているため、フライアッシュ原粉の撹拌を定常的に連続して行うことができる。特に、炉体26の断面が正八角形となっていることにより、例えば断面が正方形のように辺の数が少ない場合よりも微粉の飛散を抑制でき、かつ、炉体26の断面が正20角形のように辺の数が多い場合よりも十分な撹拌効果が得られる。このように、炉体26の断面を正八角形とすることにより、撹拌の効率化と微粉の飛散の抑制とを両立することができる。
回転駆動部(炉体支持部27)は、炉(炉体26)を、ねじれ平面(周壁内ライニング側壁26e)における最下部となっている位置が一端側(投入口30a側)から徐々に他端側(排出口35)へ向かって移動する方向に回転させる。これにより、フライアッシュ原粉を落下させ撹拌する毎に少しずつ他端側(排出口35)へ移動させることができる。
また、炉体26は、円筒形でなく、単純な多角形でもなく、ねじれ多角筒状若しくはねじれ多角推台筒状であるため、フライアッシュ原粉の撹拌と送り出しを両方実施することができる。このため、従来のように円筒形の内面に撹拌板を設ける必要がなく、製造原価を抑制できるとともに、取り付けられた撹拌板が熱によって破損あるいは剥がれるといった不具合も防止することができる。
尚、本願発明は本実施形態に限られず他の様々な実施形態とすることができる。
例えば、焼成装置9は、炉体26が中心線方向に3段(前段、中段、後段)に分割するなど、複数に分割して構成してもよい。この場合、各段において、両端が多角形の同一形状の略筒状または略円錐台筒状を中心線を回転軸としてねじって形成する際のねじる角度をそれぞれ異なる角度にしてもよい。例えば、前段、中段、後段のねじる角度を、それぞれ、30度、45度、60度としてもよく、また、逆に60度、45度、30度としてもよい。これにより、各段における周壁内ライニング26aを構成する四角形の各周壁内ライニング側壁26eは、ねじれ角が異なるねじれた四角形となる。このため、フライアッシュ原粉が炉体26内を投入側から排出側に向かって徐々に送り出される(Adv.参照)過程において、各周壁内ライニング側壁26e上のフライアッシュ原粉の滑落による撹拌は、少なくとも各段ごとに異なったものにできる。これにより、炉体26内で送り出される(前進移動する)フライアッシュ原粉に含まれる未燃カーボンの燃焼状況に合わせて、フライアッシュ原粉の撹拌方法を変えることが可能となり、未燃カーボンの燃焼を効率よく行える。
本願発明は、フライアッシュを焼成(加熱改質)することを必要とする産業に利用することができる。
1…加熱改質システム
2…加熱装置
3…フライアッシュ貯留設備
4…定量供給装置
5…冷却設備
6…除塵装置
7…排気装置
8…電力加熱装置
9…焼成装置焼成装置
10…予熱装置
26…炉体
26a…周壁内ライニング
26b…投入側フード内ライニング
26d…外周壁
26e…周壁内ライニング側壁
27…炉体支持部
30…投入部
30a…投入口
33…助燃バーナー
34…吹き込みノズル
35…排出口

Claims (3)

  1. 水平又は略水平の仮想回転軸にて回転される炉と、前記炉を回転させる回転駆動部と、前記炉内に酸素を供給する酸素供給部と、前記炉内を加熱する加熱部と、前記炉の一端側に設けられてフライアッシュと未燃カーボンを含む原粉が前記炉内に供給される原粉供給部と、前記炉の他端側に設けられて加熱済みの処理粉を排出する処理粉排出部と、を備えた焼成装置であって、
    前記炉は、断面が多角形若しくは略多角形状であり前記一端から前記他端へ向かって全体がねじれているねじれ多角筒状若しくはねじれ多角推台筒状に形成され
    前記回転駆動部は、前記炉を、前記ねじれ平面における最下部となっている位置が前記一端側から徐々に他端側へ向かって移動する方向に回転させる構成であり、
    前記加熱部および前記酸素供給部は、前記炉の他端側に設けられ、
    前記酸素供給部は、前記炉の他端側から前記炉内へ前記酸素を吹き込む構成であり、
    前記炉内を800〜900℃に加熱する構成であり、
    前記炉が回転すると、熱によって滑りやすくなっている前記原粉は、前記炉の前記ねじれ平面に重なり合って載置された状態で次のねじれ平面の存在によって滑り止めされる状態となってそのまま持ち上がっていき、ある程度持ち上げられて落下する際に、後続の前記原粉を斜め方向から逆V字状に折り畳み込むようにして次々と巻き込んでいく構成である
    焼成装置。
  2. 前記炉は、前記断面における各辺が直線状であり、前記中心軸の一端から他端へ向かって全体がねじれていることによってこの直線状部分がねじれ平面を形成する
    請求項1記載の焼成装置。
  3. 前記炉は、前記各辺の長さが共通である正多角形に断面形状が形成された
    請求項1または2記載の焼成装置。
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