JP5492338B1 - ロータリーキルン及びその稼働方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃焼効率の向上、処理物の処理量増大、処理時間短縮、コンパクト化及び燃料不要を実現したロータリーキルンを提供する。
【解決手段】キルン本体10の内部空間が入口側の前段領域10aと出口側の後段領域10bとから構成されるロータリーキルン1であって、前段領域には、入口近傍にて軸Xに対し偏心した位置に配置されかつ空気を周方向に噴射する空気供給口22aと、軸に沿って複数箇所にそれぞれ設けられた撹拌部とを備える。各撹拌部の複数の撹拌羽根はキルン本体の内周上に分布配置されかつ内面から突出している。後段領域には、軸Xに沿って複数箇所にそれぞれ設けたステップを備える。各ステップはキルン本体の出口側の内径が入口側の内径よりも小さくなるように形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、焼却処理又は溶融処理を効率的に行うロータリーキルン及びその稼働方法に関する。
ロータリーキルンは、廃棄物の焼却や物質製造種々の処理物の燃焼又は溶融のために使用される回転式の円筒窯である。一般的に、出口側が低くなるように傾斜を設けて設置される。入口から投入された処理物は、ゆっくりと回転するキルンの内面上を転動しつつ徐々に出口へと移動する過程で燃焼し又は溶融する。ロータリーキルン内は1,000℃以上の高温とすることができるが、このような高温とするためには、通常、キルン内で石油やガスなどの燃料をバーナーを用いて燃焼させることが必要である。
ロータリーキルンの燃焼又は溶融の効率向上のために種々の技術が提供されている。特許文献1では、ロータリーキルン内で焼却物の撹拌が絶えず行われるように、キルン内面に螺旋状の突条であるリフタを形成している。特許文献2では、水平状態で回転するロータリーキルンのキルン内面に撹拌のための複数の羽根を螺旋状に配設している。特許文献3では、キルン内での金属スクラップの適切な滞留時間を実現するために滞留促進用ダムリングを形成している。特許文献4では、キルン内での処理物の適切な滞留時間を実現するため傾斜面をもつリフタをキルン内面に形成している。特許文献5では、溶融ゾーンの溶融物が燃焼ゾーンに浸入するのを防止するために入口側の燃焼ゾーンの内径を出口側の溶融ゾーンの内径より小さくして段差を形成している。特許文献6では、撹拌促進及び溶融物付着防止のために入口の内径をから出口の内径より大きくしている。特許文献7及び8では、燃焼効率を向上させるためにキルン内に燃焼空気を供給している。
特開平8−233234号公報 特開平10−54523号公報 特開平10−62070号公報 特開2008−122043号公報 特開2001−227723号公報 特開2001−272173号公報 特開2001−227720号公報 特許第4524387号公報
上記の通り、処理物の撹拌を促進し、適切な滞留時間を確保するためにキルン本体の内面に種々の羽根やリフタを形成した構造が提示されている。しかしながら、現状のロータリーキルンよりもさらに短時間で処理物を十分な高温に到達させて燃焼させ、またさらに短時間で溶融を完了させることが要望されている。
また、水分を含む処理物の場合、ロータリーキルン投入後に先ず乾燥させる必要があるため、キルン本体の内部空間において燃焼ゾーンの前段に乾燥ゾーンが必要となる。この結果、キルン本体の軸方向長さが長くなり大型化せざるを得ないという問題点もある。
さらに、ロータリーキルンのほとんどの用途において燃料供給を必要とすることから、コスト高となるという問題点もある。
以上の現状に鑑み、本発明は、従来よりも燃焼効率を向上させることにより、処理物の処理量を増大させ、処理時間を短縮するとともにキルン本体をコンパクト化し、さらに燃料供給を低減できるロータリーキルン及びその稼働方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明は、以下の構成を提供する。なお、括弧内の数字は、後述する図面中の符号であり、参考のために付するものである。
本発明の一態様は、水平方向に対して所定の勾配をもつ軸(X)の周りで回転駆動される円筒状のキルン本体(10)を有しかつ前記キルン本体(10)は内側が耐火壁(12)で形成され内部空間が入口側の前段領域(10a)と出口側の後段領域(10b)とから構成されるロータリーキルン(1)であって、前記前段領域(10a)には、入口近傍にて軸(X)に対し偏心した位置に配置されかつ空気を周方向に噴射する空気供給口(22a)と、前記空気供給口(22a)よりも出口側にて軸(X)に沿って複数箇所にそれぞれ設けられた撹拌部であって各撹拌部を構成する複数の撹拌羽根は前記キルン本体(10)の内周上に分布配置されかつ内面から突出している、複数の撹拌部(14a,14b,14c, 14d, 14e, 14f)と、を備え、前記後段領域(10b)には、軸(X)に沿って複数箇所にそれぞれ設けた複数のステップ(16a,16b,16c)を備え、前記複数のステップ(16a,16b,16c)のうち最も入口側に位置するステップ(16a)は、前記前段領域(10a)との境界に位置しかつ該境界における前段領域(10a)の内径よりもその内径が小さくなるように形成されており、他の各ステップ(16b,16c)は、前記キルン本体(10)の出口側の内径が入口側の内径よりも小さくなるように形成されていることにより、出口側に近づくほど前記耐火壁(12)の厚さがより厚くなることを特徴とする。
上記態様では、前記前段領域(10a)において、前記複数の撹拌部(14a,14b,14c, 14d, 14e, 14f)よりも入口側に前記キルン本体(10)の内周に沿って内面から環状に突出するショートパス防止ダム(13)をさらに備えることが好適である。
上記態様では、前記前段領域(10a)において、前記複数の撹拌部(14a,14b,14c, 14d, 14e, 14f)のうちのいずれか2つの隣り合う撹拌部(14c,14d)の間に前記キルン本体(10)の内周に沿って内面から環状に突出する整流ダム(15)をさらに備えることが好適である。
本発明の別の態様は、上記態様のロータリーキルンの稼働方法であって、処理物の燃焼及び溶融のために燃料を使用せず該処理物の自燃による保有熱のみを利用することを特徴とするものである。
本発明のロータリーキルンの態様においては、キルン本体の前段領域の入口近傍にて軸に対して偏心した位置に配置された空気供給口から空気を周方向に噴射することにより、螺旋状の空気流がキルン本体の入口から出口までの全体に亘って形成される。この螺旋状の空気流により、処理物の撹拌が促進されかつ処理物と空気との接触が良好となることにより、処理物の燃焼を促進することができる。
さらに、前段領域に設けた複数の撹拌羽根から構成される撹拌部を、軸に沿って複数箇所に設けたことにより、処理物の粉砕を伴って撹拌が促進され、空気との接触をさらに高めることができ、これによっても処理物の燃焼を促進する。
上記の前段領域の構成により、キルン本体の前段領域において1000℃以上の高温燃焼が実現され、前段領域において処理物の燃焼ないしは焼却がほぼ完了する。この結果、従来のように水分を含む処理物に対しても乾燥ゾーンを確保する必要がなくなるので、キルン本体の軸方向長さを短縮することができ、コンパクト化することができる。
さらに、キルン本体の後段領域に設けた複数のステップの各々は、出口側の内径が入口側の内径よりも小さくなるように形成されていることにより、処理物を堰き止めるダムとしての役割を果たすと同時に、内部空間の耐火壁の勾配が水平方向に近づくように補正される。この結果、後段領域における処理物の滞留時間が延長されて十分に溶融することが確保される。また、複数のステップの形成により、後段領域においてキルン本体の耐火壁の厚さがより厚くなり断熱性が向上する。この結果、伝熱面温度が高くなり、溶融のための温度がより高くなることから、安定した溶融かつより短時間での溶融が可能となる。
また好適には、前段領域において、複数の撹拌部よりも入口側に環状に突出するショートパス防止ダムを備えたことにより、入口から投入された処理物が、勢いよく滑ったり転がったりした場合に、一気に出口側に向かって進入することを阻止することができる。これにより、処理物が十分に燃焼されずに後段領域又は出口に到達することを防止でき、処理量の損失を低減できる。
さらにまた好適には、前段領域において、2つの隣り合う撹拌部の間に環状に突出する整流ダムを備えたことにより、処理物が時間的に間隔を空けて投入される場合に、内部空間内を通過する処理物の量の時間的変動を均して、一定量の処理物が連続的に移動することを確保できる。
本発明のロータリーキルンは、全体として燃焼効率及び溶融効率を高めるように構成されていることから、通常の稼働においては燃料を使用せずに自燃により生じる保有熱のみを利用して行うことができる。これは、溶融温度を保持できる熱量となるように処理物を組み合わせることにより可能となる。これにより、低コストで燃焼処理及び溶融処理を行うことができる。
本発明のロータリーキルンは、同じ外形及び同じ容量の内部空間をもつロータリーキルンであって少なくとも空気供給口、複数の撹拌部及び複数のステップを備えていないロータリーキルンと比べて、時間当たり約2倍の燃焼溶融処理能力を発揮することができる。
本発明のロータリーキルンの構成要素である空気供給口、複数の撹拌部及び複数のステップ、並びにショートパス防止ダム及び整流ダムは、これらを備えていない既存のロータリーキルンに追加して本発明の構成を実現できるので、低コストで実施可能である。
図1は、本発明のロータリーキルンの一例を示す概略断面図である。 図2は、図1の矢視A−A断面図である。 図3は、図1の矢視B−B断面図である。 図4は、図1の矢視C−C断面図である。 図5は、図1の矢視D−D断面図である。
以下、一例を示した図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する本発明のロータリーキルンは、特定の使用目的及び処理物に限定されるものではなく、多様なロータリーキルンとして実施可能である。よって、本発明の特徴的構成は、適用されるロータリーキルンの使用目的及び処理物の必要に応じて、その材質、数、寸法などを適宜、設計変更することが可能である。
本発明のロータリーキルンで行う処理は、燃焼(焼却)のみ、燃焼(焼却)と溶融、又は溶融のみのいずれであってもよい。処理物としては、有機物、無機物、プラスチック、金属又はこれらの混合物等、多種多様な物質を対象とすることが可能である。以下では、処理物の焼却と溶融を行うロータリーキルンへの適用例について説明する。
図1は、本発明のロータリーキルンの一例を示す概略断面図である。図2は、図1の矢視A−A断面図である。図3は、図1の矢視B−B断面図である。図4は、図1の矢視C−C断面図である。図5は、図1の矢視D−D断面図である。
図1を参照する。ロータリーキルン1は、キルン本体10と投入部20とを有する。キルン本体10は全体が略円筒状であり、一端が入口18であり、他端が出口19となっている。キルン本体10の円筒の軸Xは、通常、出口19側が入口18側より低くなるように水平方向Hに対して所定の勾配θをもって設置される。ロータリーキルン1の稼働中、キルン本体10は、軸Xの周りで黒矢印Rで示すように回転駆動される。
入口18の前段には、投入部20が設置される。投入部20は、処理物が投入される投入シュータ21を具備する。投入シュータ21は、キルン本体10の入口18に開口している。出口19の後段には、図示しないが、使用目的に応じて二次燃焼装置や溶融スラグ回収装置等が設置される。
キルン本体10は、鋼板からなる外殻円筒体11と、その内側に固着されたキャスタブル耐火物等の耐火材からなる耐火壁12とを具備する。入口18と出口19の間には、耐火壁12の内面で囲まれた略円柱状の内部空間が存在する。この内部空間は、機能的に、入口18側の前段領域10aと、出口19側の後段領域10bに分けられる。本例では、前段領域10aは、主として処理物を燃焼させるための領域であり、後段領域10bは、主として処理物を溶融させるための領域である。
図1及び図2を参照する。前段領域10aの入口近傍には、投入部20に取り付けられて内部空間内に延びる空気噴射ノズル22が設けられる。空気噴射ノズル22は、回転軸である軸Xから偏心した位置において軸Xに対しほぼ平行に延びており、先端近傍の側面には周方向を向いた空気供給口22aが開口している。稼働時には、空気供給口22aから周方向に処理物を撹拌するように空気が流れるため、白矢印Fで示すような螺旋状の空気の流れを生じる。この螺旋状の空気の流れは、入口18から出口19まで全長に亘って形成されることが好ましい。螺旋状の空気の流れにより、処理物と空気とが良好に接触し、燃焼及び溶融が促進されることとなる。
図1及び図3を参照する。前段領域10aにおいて、空気供給口22aよりも出口側にはショートパス防止ダム13が設けられる。ショートパス防止ダム13は、キルン本体10の耐火壁12の内周に沿って内面から環状に突出している。ショートパス防止ダム13は、入口18から投入された処理物が、勢いよく滑ったり転がったりした場合に、一気に出口側に向かって進入していくことを阻止するための堰の役割を果たす。これにより前段領域10aにおける処理物の適切な滞留時間を確保することができる。ショートパス防止ダム13の材質は耐火壁12と同じでよく、突出高さは、処理物及び使用目的に応じて適宜設計する。
図1及び図4を参照する。前段領域10aにおいて、ショートパス防止ダム13よりも出口側には、軸Xに沿って複数箇所に撹拌部がそれぞれ設けられている。図示の例では、所定の間隔を空けて6箇所に撹拌部14a、14b、14c、14d、14e、14fがそれぞれ設けられている。各撹拌部は複数の撹拌羽根から構成されている。図4を参照すると、例えば、入口側から5番目の撹拌部14eは、6枚の撹拌羽根14e1、14e2、14e3、14e4、14e5、14e6から構成されている。これら6枚の撹拌羽根は、キルン本体10の耐火壁12の内周上に等角度間隔で分布配置され、耐火壁12の内面から突出している。各撹拌羽根は平板状であり、その両側の平面は、軸Xの方向に適宜の長さにて延在している。キルン本体10が回転すると、各撹拌羽根の平面により処理物が掻き上げられては落下することを繰り返すことで処理物が十分に撹拌される。同時に処理物と空気が十分に接触することとなる。
なお、図示の例では、撹拌部が6箇所に設けられているが、その数は適宜設定してもよい。また、隣り合う撹拌部との軸方向間隔も適宜設定してよい。さらに、1つの撹拌部において円周上に分布配置される撹拌羽根の数も図示の6枚に限られず、その数は適宜設定してもよい。また、隣り合う撹拌羽根との角度間隔(等角度間隔に限られない)も適宜設定してよい。さらに、2つの異なる撹拌部においては、互いの撹拌羽根の枚数が異なっていてもよく、2つの異なる撹拌部においては、互いの撹拌羽根の円周上における角度位置が異なっていてもよい。例えば、千鳥配列のように隣り合う円周上の撹拌羽根が互い違いになっていてもよい。撹拌羽根の材質は、例えば鋼板等の耐熱性材料であればよく、突出高さは処理物及び使用目的に応じて適宜設計する。
さらに、前段領域10aにおいては、複数の撹拌部14a〜14fの存在する領域内に整流ダム15が設けられている。整流ダム15は、複数の撹拌部のうちのいずれか2つの隣り合う撹拌部、この場合は撹拌部14cと14dの間に設けられる。これ以外の位置に整流ダム15を設けてもよい。整流ダム15は、キルン本体10の耐火壁12の内周に沿って耐火壁12の内面から環状に突出している。整流ダム15は、処理物が時間的に間隔を空けて投入される場合に、内部空間内を移動する処理物の量の時間的変動を均して、一定量の処理物が連続的に移動することを確保するとともに、処理物の滞留時間を延長している。整流ダム15の突出部分の材質は耐火壁12と同じでよく、突出高さは、処理物及び使用目的に応じて適宜設計する。
図1及び図5を参照する。後段領域10bにおいては、軸Xに沿って3箇所にそれぞれ段部すなわちステップ16a、16b、16cがそれぞれ設けられている。各ステップは、キルン本体10の出口側の内径が入口側の内径よりも小さくなるように形成されている。ステップ16a、16b、16cの各々は、処理物を堰き止めるダムとしての役割を果たす。また、これらのステップ全体により、後段領域10bにおける耐火壁12の内面の勾配が水平方向Hに近づくように補正される。この結果、後段領域10bにおける処理物の滞留時間が延長されて十分に溶融することが確保される。
さらに、複数のステップの形成により、後段領域10bの出口側に近づくほど耐火壁12の厚さがより厚くなる。この結果、耐火壁12の断熱性が向上し、伝熱面温度が高くなり溶融のための温度がより高くなることから、安定した溶融が可能となる。加えて、より短時間での溶融も可能となる。
再び図1を参照すると、本発明のロータリーキルン1のキルン本体10は、前段領域10aの大きさを、入口18から最も出口側の撹拌部14fまでの軸方向長さLaとして規定でき、後段領域10bの大きさを、最も入口側のステップ16aから出口19までの軸方向長さLbとして規定することができる。図示の例では、キルン本体の全長に対してLaが約55%であり、Lbが約42%である。この例では、キルン本体10の全長の前半分より若干大きい領域が燃焼領域として機能し、全長の後半分より若干小さい領域が溶融領域として機能することとなる。燃焼と溶融を行う従来のロータリーキルンは、燃焼領域と溶融領域が必ずしも明確に区別されないものが多いが、本発明のロータリーキルンは、燃焼領域と溶融領域を構造上明確に区別することができるので、処理物及び使用目的に応じて燃焼領域と溶融領域の大きさを適切に設計することが容易であり、それにより最適な設計が可能となる。
本発明のロータリーキルンを稼働する場合、バーナーなどにより処理物に点火することにより処理物が自燃を開始する。従来は、稼働中に燃料を供給することが必要であったが、本発明のロータリーキルンは、処理物の自燃のみによって必要な燃焼温度又は溶融温度に到達するように設計することが可能である。具体的には、溶融温度を保持できる熱量となるように処理物の組み合わせを調整する。従って、正常に稼働している間の燃料供給は不要である。
以上に述べた本発明のロータリーキルンは、本発明の主旨に沿う限りにおいて種々の設計変更が可能である。また、空気供給口、ショートパス防止ダム、撹拌羽根、整流ダム及びステップの全て又は一部の構成要素を備えていない既存のロータリーキルンに対して、不足の構成要素を追加する改造を施すことにより、本発明のロータリーキルンを構築することも可能である。
<比較試験>
以下の本発明の実施例1〜3及び比較例のロータリーキルンを用いて、廃棄物の焼却処理を行うことにより、比較試験を行った。
(1)実施例1:図1のロータリーキルンの構成
(2)実施例2:図1のロータリーキルンの構成のうち後段領域のステップが無い構成。
(3)実施例3:図1のロータリーキルンの構成のうち後段領域のステップ及び前段領域の撹拌羽根の数がそれぞれ半数の構成。
(4)比較例:実施例1〜3のロータリーキルンと同じ外形及び同じ容量の内部空間をもちかつ空気供給口、ショートパス防止ダム、撹拌羽根、整流ダム及びステップを備えていない構成。
<試験結果>
(1)実施例1:稼働中に燃料を使用することなく、一貫して安定した溶融を行うことができた。処理能力は、120〜140トン/日であった。
(2)実施例2:稼働中に燃料を使用しなかったが、溶融には実施例1よりも時間を要した。処理能力は、100〜120トン/日であった。
(3)実施例3:稼働中に、溶融に必要な総熱量の5%弱を供給するために燃料バーナーを使用した。溶融には、実施例2よりもさらに時間を要した。処理能力は、90〜110トン/日であった。
(4)比較例:稼働中に、溶融に必要な総熱量の10%以上を供給するために燃料バーナーを使用した。溶融には、実施例1〜3のいずれよりも時間を要した。処理能力は、70〜80トン/日であった。
ロータリーキルンの処理能力は、実施例1では120〜140トン/日であったのに対し、比較例では70〜80トン/日であった。この結果、本発明のロータリーキルンは、燃料を使用しないにも拘わらず、本発明の構成を備えていないロータリーキルンに比べて約2倍の処理能力を発揮することが証明された。
実施例1では、図1の構成における空気供給口、ショートパス防止ダム、撹拌羽根、整流ダム及びステップによる複合的な効果により、最も良好な結果が得られている。実施例1と実施例2の結果の差は、後段領域のステップの有無による効果の違いと考えられ、後段領域のステップの有効性を証明している。
1 ロータリーキルン
10 キルン本体
10a 前段領域
10b 後段領域
11 外殻円筒体
12 耐火壁
13 ショートパス防止ダム
14a、14b、14c、14d、14e、14f 撹拌部
15 整流ダム
16a、16b、16c ステップ
18 入口
19 出口
20 投入部
21 投入シュート
22 空気噴射ノズル
22a 空気供給口

Claims (4)

  1. 水平方向に対して所定の勾配をもつ軸(X)の周りで回転駆動される円筒状のキルン本体(10)を有しかつ前記キルン本体(10)は内側が耐火壁(12)で形成され内部空間が入口側の前段領域(10a)と出口側の後段領域(10b)とから構成されるロータリーキルン(1)であって、
    前記前段領域(10a)には、
    入口近傍にて軸(X)に対し偏心した位置に配置されかつ空気を周方向に噴射する空気供給口(22a)と、
    前記空気供給口(22a)よりも出口側にて軸(X)に沿って複数箇所にそれぞれ設けられた撹拌部であって各撹拌部を構成する複数の撹拌羽根は前記キルン本体(10)の内周上に分布配置されかつ内面から突出している、複数の撹拌部(14a,14b,14c, 14d, 14e, 14f)と、を備え、
    前記後段領域(10b)には、
    軸(X)に沿って複数箇所にそれぞれ設けた複数のステップ(16a,16b,16c)を備え、前記複数のステップ(16a,16b,16c)のうち最も入口側に位置するステップ(16a)は、前記前段領域(10a)との境界に位置しかつ該境界における前段領域(10a)の内径よりもその内径が小さくなるように形成されており、他の各ステップ(16b,16c)は、前記キルン本体の出口側の内径が入口側の内径よりも小さくなるように形成されていることにより、出口側に近づくほど前記耐火壁(12)の厚さがより厚くなることを特徴とする
    ロータリーキルン。
  2. 前記前段領域(10a)において、前記複数の撹拌部(14a,14b,14c, 14d, 14e, 14f)よりも入口側に前記キルン本体(10)の内周に沿って内面から環状に突出するショートパス防止ダム(13)をさらに備えたことを特徴とする
    請求項1に記載のロータリーキルン。
  3. 前記前段領域(10a)において、前記複数の撹拌部(14a,14b,14c, 14d, 14e, 14f)のうちのいずれか2つの隣り合う撹拌部(14c,14d)の間に前記キルン本体(10)の内周に沿って内面から環状に突出する整流ダム(15)をさらに備えたことを特徴とする
    請求項1又は2に記載のロータリーキルン。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のロータリーキルンの稼働方法であって、処理物の燃焼及び溶融のために燃料を使用せず該処理物の自燃による保有熱のみを利用することを特徴とするロータリーキルンの稼働方法。
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