JP6601511B2 - 高炉操業方法 - Google Patents

高炉操業方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6601511B2
JP6601511B2 JP2018008795A JP2018008795A JP6601511B2 JP 6601511 B2 JP6601511 B2 JP 6601511B2 JP 2018008795 A JP2018008795 A JP 2018008795A JP 2018008795 A JP2018008795 A JP 2018008795A JP 6601511 B2 JP6601511 B2 JP 6601511B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coke
mixed
particle size
ore
blast furnace
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018008795A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018123426A (ja
Inventor
光輝 照井
佑介 柏原
喜代志 深田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Publication of JP2018123426A publication Critical patent/JP2018123426A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6601511B2 publication Critical patent/JP6601511B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Iron (AREA)
  • Blast Furnaces (AREA)
  • Waste-Gas Treatment And Other Accessory Devices For Furnaces (AREA)

Description

本発明は、鉱石に対する混合コークス粒径比に応じて、鉱石と混合コークスとからなる混合原料の装入範囲を調整する、高炉操業方法に関するものである。
銑鉄を製造する高炉では、通常、原料である鉄鉱石や焼結鉱(以後、これらを「鉱石」と記載する)と還元材であるコークスを交互に高炉の炉頂から装入し、図1に示すように、高炉10内に鉱石層12とコークス層14を交互に形成させている。そして、炉口径方向である矢印16方向の鉱石層12およびコークス層14の分布を調整することで、高炉10内でのガス流れ18を制御している。高炉10における安定操業を維持するには、高炉10内で良好な通気性を確保し、炉下部の羽口20から高炉10内に供給される高温のガス流れ18を安定化させることが重要である。高炉10内の通気性は、装入される鉱石およびコークスの性状、粒度、炉頂からのこれら原料の装入方法および高炉10内における鉱石層12およびコークス層14の分布に大きく影響を受ける。
高炉10内の通気性を改善する方法の一つとして、非特許文献1には、鉱石と粒径の小さいコークス(以後、「小塊コークス」と記載する)とを事前に混合した混合原料と、粒径の大きいコークス(以後、「塊コークス」と記載する)とを交互に高炉に装入し、混合原料からなるコークス混合鉱石層と、塊コークスからなるコークス層とを、層状に交互に形成させる高炉操業方法が開示されている。また、非特許文献2には、混合原料への小塊コークスの混合量を28kg/t−pigにする高炉操業方法が開示されており、非特許文献3には、混合原料への小塊コークスの混合量を30kg/t−pigにする高炉操業方法が開示されている。このように、混合原料の小塊コークスの混合量を規定することで炉下部の通気性が向上し、また、還元効率も向上することが報告されている。なお、「kg/t−pig」は、溶銑1トンを生産する際に鉱石中に混合した小塊コークスの混合質量を意味する。
高炉内に装入された鉱石は、高炉内を降下するにつれて昇温・還元され、相互に融着しあって融着層22と呼ばれる層を形成する。融着層22は、層内の空隙が少ないので通気性が著しく低下するが、コークス混合鉱石層に形成された融着層では通気性の低下が抑制される。コークス混合鉱石層中に混合された小塊コークスが融着層においてガスパスの役割を果たし、これにより、融着層の通気性の低下が抑制されると考えられている。
また、コークス混合鉱石層とコークス層とを層状に形成させた場合には、前述した融着層の通気性の改善に加え、ガス化開始温度の低下による還元効率の向上が期待される。これは、コークスのガス化開始温度を低下させて熱保存帯温度を低下させることができればFeO−Feの還元平衡点の制御が可能になる、という原理に基づくものである。これらをまとめると、鉱石とコークスとを混合した混合原料を用いてコークス混合鉱石層を形成させることで、融着帯の通気性の改善効果と、還元効率の改善効果が期待できる。
下村、外3名「鉄と鋼」、62(11)、S404、1976、p.28 奥田、外5名「鉄と鋼」、70(4)、S102、1989、p.102 阿南、外5名「CAMP−ISIJ」、12(1)、1999、p.234 佐藤、外2名「川崎製鉄技報」、29(1)、1997、p.30
コークス混合鉱石層を形成させることで得られる融着帯の通気性の改善効果および還元効率の改善効果を得るには、粒径や密度の異なる鉱石および小塊コークスを必要な位置に必要な量装入することが重要となる。しかしながら、鉱石および小塊コークスは粒状物であるので、粒径差または密度差によって、コークス混合鉱石層の鉱石および小塊コークスは偏析し、当該偏析によって、融着帯の通気性の改善効果および還元効率の改善効果は低減する。鉱石および小塊コークスの粒径は、原料性状の変動、コークス炉および焼結機等の稼働状態によって変動するので鉱石および小塊コークスの粒径差も変動し、これにより、小塊コークスと鉱石との偏析度合も非定常的に変動する。この対策として、オフラインにて鉱石および小塊コークスの粒径を日に数回測定しているが、基本的には人力による作業であるので迅速な測定は難しい。また、コークス混合鉱石層とコークス層の分布は、高炉の操業状態に応じて変更されるが、装入位置の決定は、未だ、操業者の経験と能力に頼るところが大きく、上述した原料性状の変動に対して迅速に対処できない、という課題があった。本発明は、このような従来技術の課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、原料性状等の変動等によって生じる鉱石または小塊コークスの粒径の変化によって生じるコークス混合鉱石層における小塊コークスの偏析を抑制できる高炉操業方法を提供することにある。
このような課題を解決する本発明の特徴は、以下の通りである。
(1)鉱石と混合コークスとからなる混合原料と塊コークスとを交互に装入して、高炉内にコークス混合鉱石層とコークス層とを交互に形成させて高炉操業を行う高炉操業方法であって、前記鉱石の平均粒径と前記混合コークスの平均粒径とを測定して前記鉱石に対する前記混合コークスの粒径比を算出し、前記粒径比に対応させて前記混合原料の装入範囲を定める、高炉操業方法。
(2)前記粒径比と、混合原料の装入範囲とを用いて、コークス混合鉱石層における前記混合コークスの混合度合を示す指標を算出し、前記指標が予め定められた目標を満足するように前記混合原料の装入範囲を定める、(1)に記載の高炉操業方法。
(3)前記鉱石の平均粒径および前記混合コークスの平均粒径は、前記鉱石および前記混合コークスのそれぞれを高炉へ搬送する搬送ラインに設けられた測定装置によって連続測定される、(1)または(2)に記載の高炉操業方法。
本発明に係る高炉操業方法により、原料性状等の変動等によって生じる鉱石および混合コークスの粒径を迅速に把握し、当該粒径の変化に対応して混合原料の装入範囲を変更する。これにより、コークス混合鉱石層における混合コークスの偏析を抑制することができ、この結果、融着帯の通気性の改善効果および還元効率の改善効果の低減が抑制される。
高炉の概略縦断面図である。 模型実験装置の概略図である。 コークス混合率Xkの分布を示すグラフである。 粒径比と混合率の偏差σとの関係を示すグラフである。 混合率の偏差σと高炉の通気性との関係を示すグラフである。 装入範囲と混合率の偏差σを確認する実験を説明する図である。 粒径比2.0の混合原料の装入範囲と混合率の偏差σとの関係を示すグラフである。 本実施形態に係る高炉操業方法が実施できる高炉設備における測定装置の設置場所および測定装置の一例を示す概略図である。 測定装置で測定された小塊コークスの平均粒径、焼結鉱の平均粒径および小塊コークスと焼結鉱の粒径比の時間推移を示すグラフである。 装入範囲と混合率の偏差σとの関係を示すグラフである。 高炉の通気性抵抗指数の時間推移を示すグラフである。
本発明者らは、鉱石に対する混合コークスの粒径比が大きくなるとコークス混合鉱石層におけるコークスの偏析が大きくなり、また、混合原料の装入範囲を拡大すると、コークス混合鉱石層における混合コークスの偏析が小さくなる、という関係を見出した。この関係を用いて、まず、鉱石および混合コークスの搬送ラインに、鉱石および混合コークスの粒径をオンラインで連続測定できる粒径測定装置を設けて鉱石に対する混合コークスの粒径比を把握し、コークス混合鉱石層における混合コークスの混合度合を予測する。次に、予測された混合コークスの混合度合が、目標として予め定められた混合度合を満足しない場合には、混合原料の装入範囲を拡大して、目標とする混合度合を満足するようにコークス混合鉱石層における混合コークスの混合度合を調整できることを見出して本発明を完成させた。以下、発明の実施形態を通じて本発明を説明する。
まず、本実施形態における用語を定義する。本実施形態の説明において、混合コークスは、鉱石に混合されるコークスを意味する。混合原料は、鉱石に混合コークスが混合された原料を意味する。本実施形態では、混合コークスとして平均粒径10〜40mmの小塊コークスを用い、コークス層に装入されるコークスとして、平均粒径40〜70mmの塊コークスを用いた。また、混合コークスが混合される鉱石としては焼結鉱、塊鉱石、ペレット等である。なお、小塊コークスは、塊コークスを篩分ける際に、篩下に篩分けされたコークスであってよい。また、本実施形態において、平均粒径は、他の別段の記載がない場合、算術平均粒径であって以下の式(1)で算出される粒径を意味する。
平均粒径=Σ(V×d)/Σ(V)・・・(1)
但し、(1)式において、Vは、粒子径dである粒子の存在比率であり、粒子径dは、各篩の篩目の中間径である。
はじめに鉱石に対する小塊コークスの粒径比が、コークス混合鉱石層における小塊コークスの偏析に及ぼす影響について確認した実験結果を説明する。図2は、模型実験装置の概略図である。模型実験装置30は、実高炉に対して1/17.8に縮尺した実験装置であり、模型実験装置30を用いて以下の実験を行った。
まず、炉頂バンカー32に塊コークスを貯留し、その後、集合ホッパー36を介して原料装入シュート38から炉体内に塊コークスを装入して、炉体内にコークス層48を形成させた。原料装入シュート38は、炉中心50を回転軸として旋回しながら炉体内の炉口径方向の全域に原料を装入できる。原料装入シュート38は、炉中心軸上に設けられたシュートピン40を回転軸として、炉中心50側から炉壁42側に向けて動作させることができ、また、炉壁42側から炉中心50側に向けて動作させることもできる。このように、原料装入シュート38が炉中心50側から炉壁42側に向けて動作することを傾動といい、炉壁42側から炉中心50側に向けて動作することを逆傾動といい、また、図2における角度θを傾動角という。
次に、炉頂バンカー34に、平均粒径1mmの焼結鉱と小塊コークスを混合した混合原料を貯留し、その後、集合ホッパー36を介して原料装入シュート38から炉体内に混合原料を装入して、炉体内にコークス層48とコークス混合鉱石層44とを交互に形成させた。
次に、炉体内に形成されたコークス混合鉱石層44を、炉口径方向に複数の領域に分割し、各領域における焼結鉱と小塊コークスの質量を測定した。測定された焼結鉱と小塊コークスの質量から、炉口径方向の各領域におけるコークス混合率Xkを以下の式(2)を用いて算出した。
Xk=[(小塊コークス質量)/(焼結鉱質量)]×1.6×1000・・・(2)
但し、(2)式において、焼結鉱質量を銑鉄質量に換算するための補正として1.6を乗じている。
図3は、コークス混合率Xkの分布を示すグラフである。図3において、横軸はr/R(−)であり、縦軸はコークス混合率Xkである。ここで、Rは炉口径であり、rは炉中心からの距離であり、r/R(−)は、炉中心50からの径方向の距離を0〜1で示す無次元距離である。図3における設定値とは、混合原料のコークス混合率である。コークス混合率Xkは、図3に示すように、炉中心50側および炉壁42側が設定値よりも高くなり、その間は、設定値よりも低くなる傾向が見られた。このことから、コークス混合鉱石層44において、小塊コークスは、炉中心50側および炉壁42側に偏析することがわかる。
模型実験装置30を用いて、炉中心50側から炉壁42側に向かって炉口半径の60%となる位置(図3におけるr/R=0.6)に、原料装入シュート38の傾動角を一定とした状態で60kg/t−pig相当の混合原料を装入し、炉口径方向に複数に分割された各領域のコークス混合率Xkの設定値に対する混合率の偏差σを算出した。混合率の偏差σは、炉口径方向の各領域における設定値とコークス混合率Xkとの差を2乗し、この平均値の平方根をとった値である。焼結鉱と小塊コークスの平均粒径の比を変えた混合原料を用いて同様の操作を行い、混合原料の粒径比と混合率の偏差σとの関係を確認した。
図4は、粒径比と混合率の偏差σとの関係を示すグラフである。図4において、横軸は小塊コークス/焼結鉱の粒径比(−)であり、縦軸は混合率の偏差σ(kg/t−pig)である。図4に示すように、粒径比が大きくなると混合率の偏差σも大きくなった。このことから、小塊コークス/焼結鉱の粒径比が小さくなると、小塊コークスの偏析が抑制され、小塊コークス/焼結鉱の粒径比が大きくなると、小塊コークスの偏析が悪化することがわかる。なお、図4において、混合率の偏差σが16.5kg/t−pigとなる混合原料の粒径比は1.5である。
図5は、混合率の偏差σと高炉の通気性との関係を示すグラフである。図5において、横軸は混合率の偏差σ(kg/t−pig)であり、縦軸は高炉の通気性指数である。高炉の通気性指数は、混合率の偏差σを変えたコークス混合鉱石層を再現した高炉で測定された送風圧、炉頂圧および送風量を用いて下記(3)式を用いて算出した。
通気抵抗指数=(P −P )/V1.7×100・・・(3)
但し、(3)式において、Pは送風圧(kPa)であり、Pは炉頂圧(kPa)であり、Vは送風量(Nm/min)である。
図5に示すように、混合率の偏差σが小さくなると、高炉の通気抵抗指数が低下したが、混合率の偏差σが16.5kg/t−pig以下となる領域では、混合率の偏差σが小さくなっても通気抵抗指数は低下せず、一定の値となった。混合鉱石層中の小塊コークスは、融着層中のガスパスの役割を果たすが、混合性が改善してガスパスの機能が確保されれば、さらに混合性が改善されても当該ガスパスの機能に影響しないからである。したがって、混合率の偏差σは、16.5kg/t-pig以下を目標とすればよいことがわかる。
次に、模型実験装置30を用いて、粒径比を2.0とした混合原料の装入範囲と混合率の偏差σとの関係を確認した。図6は、装入範囲と混合率の偏差σを確認する実験を説明する図である。図6に示すように、炉中心50側から炉壁42側に向けて原料装入シュート38を傾動させて混合原料を炉体内に装入した。混合原料の装入範囲Lは、原料装入シュート先端から排出された原料の主流落下位置が炉中心50から炉壁42へ80%移動した位置を終点として、主流落下位置の範囲で規定される混合原料の装入範囲である。本実験においては、終点位置は変えずに原料装入シュート38の傾動開始位置を変えることで、装入範囲を調整した。
図7は、粒径比2.0の混合原料の装入範囲と混合率の偏差σとの関係を示すグラフである。図7において、横軸は混合原料の装入範囲(%)であり、当該値は装入範囲Lを炉口径Rで除して100を乗ずることで算出される値である。縦軸は混合率の偏差σ(kg/t−pig)である。図7に示すように、径方向の装入範囲を拡大すると混合率の偏差σは小さくなった。このことから、混合原料の径方向の装入範囲を拡大することで、混合率の偏差σを抑制できる、すなわち、コークス混合鉱石層における小塊コークスの偏析を抑制できることがわかる。
一方、混合原料の径方向の装入範囲を拡大すると、装入後のコークス混合鉱石層の堆積角が低下し堆積形状がフラットな形状になる。さらに、フラット化したコークス混合鉱石層の上に装入されるコークス層もフラットな形状になる。このように、コークス混合鉱石層およびコークス層がフラットな形状になると、高炉内を流れるガスは炉壁42側を流れるようになる。高温のガスが炉壁42側を流れると、炉壁42によって抜熱される抜熱量が上昇するので、これを補償する熱量が必要となる。このため、常に混合原料の装入範囲を拡大することは操業効率の低下を招くことになるので、装入範囲の制御が必要になる。なお、図3〜5、図7に示した関係は、模型実験装置を用いた実験により確認されたものであるが、模型実験装置は実高炉を1/17.8に縮尺した実験装置であるので、当該関係は実高炉においても同様に成立する。
このように、模型実験装置を用いた実験から、混合原料の粒径比が大きくなるとコークス混合鉱石層の混合率の偏差σが大きくなり、混合原料の径方向の装入範囲を拡大するとコークス混合鉱石層の混合率の偏差σが小さくなることがわかった。このような特性を利用して、本実施形態に係る高炉操業方法では、例えば、混合率の偏差σが16.5kg/t−pigとなる粒径比と径方向の装入範囲との関係を把握しておき、混合コークスの粒径比を測定し、当該粒径比に対応させて混合原料の径方向の装入範囲を定める。これにより、混合率の偏差σが16.5kg/t−pigを超えて大きくなることを抑制できる。なお、本実施形態において、混合率の偏差σは、コークス混合鉱石層44における小塊コークスの混合度合を示す指標の一例である。
さらに、粒径比ごとに混合率の偏差σと混合原料の装入範囲との関係を把握しておき、粒径比と混合原料の装入範囲とからコークス混合鉱石層の混合率の偏差σを算出し、この混合率の偏差σが予め定められた目標を満足するように混合原料の径方向の装入範囲を定める。これにより、特定の値ではなく、任意に設定された混合率の偏差σの目標を満足するように、混合原料の径方向の装入範囲を定めることができる。例えば、予め定められた目標が、「混合率の偏差σが一定」である場合には、変化前の粒径比と混合原料の装入範囲とから目標となる混合率の偏差σを算出し、変化後の粒径比においてもコークス混合鉱石層の偏差σが一定になるように混合原料の径方向の装入範囲を定める。これにより、混合原料の粒径比が変わったとしてもコークス混合鉱石層の混合率の偏差σを一定にできる。
図8は、本実施形態に係る高炉操業方法が実施できる高炉設備における測定装置の設置場所および測定装置の一例を示す概略図である。図8(a)は、高炉10および測定装置62を含む高炉設備100の概略図を示し、図8(b)は、測定装置62の概略図を示す。図8(a)に示すように、測定装置62は、貯蔵用ホッパー60から切り出された焼結鉱および小塊コークスのそれぞれを、炉頂バンカー34へと搬送する搬送ラインである搬送コンベア64上に設けられる。測定装置62は、焼結鉱および小塊コークスの平均粒径をオンラインで連続測定する。測定装置62は、例えば、レーザー距離計を用いた粒子径分布測定装置である。
測定装置62は、枠体66と、レーザーを出力するセンサー68とを有する。枠体66は、図8に示すように、搬送コンベア64をまたぐように設置される。センサー68は、枠体66の上側に設置される。センサー68は、搬送コンベア64上の焼結鉱および小塊コークスにレーザーを連続的に照射してこれらの粒径と個数とをオンラインで測定して粒径分布を算出する。焼結鉱および小塊コークスの平均粒径は、当該測定によって得られた焼結鉱および小塊コークスの粒径分布から算出される。粒径比は、焼結鉱の平均粒径および小塊コークスの平均粒径から算出される。なお、本実施形態において、上記粒径分布を用いて算出される平均粒径は、例えば調和平均粒径である。
図8に示した高炉設備100を用いることで、焼結鉱の平均粒径および小塊コークスの平均粒径をオンラインで測定でき、これらを用いて混合原料の粒径比を算出できる。これにより、仮に、混合原料の粒径比が上昇してコークス混合鉱石層における混合率の偏差σが大きくなりそうな場合には、コークス混合鉱石層の混合率の偏差σが目標とする偏差σになるように、混合原料の装入範囲を拡大することで、コークス混合鉱石層における混合率の偏差σが大きくなることが抑制され、この結果、小塊コークスの偏析を抑制できる。これにより、コークス混合鉱石層に形成される融着帯の通気性の改善効果の低減を抑制でき、コークス混合鉱石層の還元効率の改善効果の低減も抑制できる。
図8に示した高炉設備100を用いて、実際に搬送コンベア64を用いて高炉10に搬送された焼結鉱および小塊コークスの平均粒径(調和平均粒径)を測定し、当該調和平均粒径を用いて小塊コークスと焼結鉱の粒径比を算出した。図9は、測定装置で測定された小塊コークスの平均粒径、焼結鉱の平均粒径および小塊コークスと焼結鉱の粒径比の時間推移を示すグラフである。図9(a)は小塊コークスの平均粒径の時間推移を示し、図9(b)は焼結鉱の平均粒径の時間推移を示し、図9(c)は小塊コークスと焼結鉱の粒径比の時間推移を示す。
図9(a)〜(c)に示すように、15時間経過前においては粒径比が2.0以下で操業されていたが、15時間経過後に小塊コークスの粒径が大きくなり、粒径比が2.5まで上昇した。これにより、焼結鉱に混合されている小塊コークスの偏析は悪化し、コークス混合鉱石層を形成させることで得られる融着帯の通気性の改善効果および還元効率の改善効果が得られなくなることが危惧された。そこで、コークス混合鉱石層の小塊コークスの混合率の偏差σを小さくするために、混合原料の装入範囲を拡大した。
図10は、装入範囲と混合率の偏差σとの関係を示すグラフである。図10において、横軸は装入範囲(%)であり、縦軸は混合率の偏差σである。図10には、粒径比2.0と粒径比2.5の場合における混合原料の装入範囲と、コークス混合鉱石層の混合率の偏差σとの関係を示すグラフが示されている。なお、破線は、図7に示したグラフのプロットを、最小二乗法を用いて直線近似した線である。また、点線は、粒径比2.5の混合原料を用いて測定された装入範囲と混合率の偏差σとの関係を示すプロットを同じく最小二乗法を用いて直線近似した線である。図10を用いて、混合原料の装入範囲の制御について説明する。
図10における15時間経過前の混合原料の粒径比は2.0であり、混合原料の径方向の装入範囲は50%であるので、図10の破線を用いて、コークス混合鉱石層44の混合率の偏差σは16.5kg/t−pigと算出できる。また、予め定められた目標は、粒径比が変動したとしてもコークス混合鉱石層44の混合率の偏差σが一定、であるとする。
図9(a)〜(c)に示すように、15時間経過後においては、小塊コークスの粒径が大きくなり、粒径比は2.5まで上昇した。粒径比が2.5まで上昇すると、コークス混合鉱石層の混合率の偏差σは、図10の点線から21.0kg/t−pigに悪化することが予測される。そこで、粒径比2.0の混合率の偏差σである16.5kg/t−pigを維持するという目標を満足するように、混合原料の径方向の装入範囲を定める。具体的には、図10の点線を参照し、粒径比が2.5になっても混合率の偏差σを16.5kg/t−pigに維持できる径方向の装入範囲を算出する。
図10から、混合原料の粒径比が2.5の場合には、混合原料の径方向の装入範囲が55%である場合にコークス混合鉱石層の混合率の偏差σが16.5kg/t−pigになることがわかる。このため、本実施例では、20時間が経過するタイミングで、当該混合原料の径方向の装入範囲を50%から55%に拡大した。これにより、粒径比2.5の混合原料が装入されることにより生じるコークス混合鉱石層の混合率の偏差σの悪化が抑制され、コークス混合鉱石層の混合率の偏差σは、粒径比2.0の混合原料が装入されたコークス混合鉱石層の混合率の偏差σに維持される。
図11は、高炉の通気性抵抗指数の時間推移を示すグラフである。図11において、横軸は時間経過(h)であり、縦軸は通気抵抗指数(−)である。図11は、図9に示した小塊コークスおよび焼結鉱を高炉に装入して実施した高炉操業の通気抵抗指数を示す。当該操業において、20時間経過する前は、混合原料の径方向の装入範囲を50%として混合原料を高炉に装入し、20時間経過後は、上述した装入範囲の制御に基づいて混合原料の径方向の装入範囲を50%から55%に拡大して混合原料を高炉に装入した。図11に示した通気抵抗指数は、上記(3)式を用いて計算した。
図9(c)に示すように、混合原料の粒径比は15時間経過後に上昇しはじめる。上述したように、混合原料の粒径比が上昇すると、コークス混合鉱石層における小塊コークスの偏析が大きくなり、混合率の偏差σが大きくなる。図11に示すように、15時間経過後から高炉内の通気抵抗指数は上昇しており、これは、混合原料の粒径比が大きくなることによってコークス混合鉱石層における混合率の偏差σも大きくなり、これにより、高炉内の通気抵抗指数が上昇したと考えられる。なお、通気抵抗指数が高いことは、高炉内の通気性が悪いことを示しており、高炉内の通気性が悪化すると高炉の操業は不安定になる。
一方、20時間経過する辺りから通気抵抗指数は低下しはじめ、21時間経過後には小塊コークスの粒径が大きくなる前の通気抵抗指数まで低下した。20時間経過後に、上述した装入範囲の制御に基づいてコークス混合鉱石層の混合率の偏差σが粒径比2.0と同じ混合率の偏差σになるように、径方向の装入範囲が50%から55%に拡大されたのでコークス混合鉱石層における混合率の偏差σが小さくなり、これにより、炉体内の通気抵抗指数が低下したと考えられる。
このように、本実施形態に係る高炉操業方法では、測定装置62を用いて焼結鉱と小塊コークスの平均粒径を連続測定し、高炉に装入される混合原料の粒径比を算出する。そして、当該混合原料が高炉内に装入されることで形成されるコークス混合鉱石層の混合率の偏差σを算出し、算出された混合率の偏差σが目標値を満足するように混合原料の径方向の装入範囲を定める。
特に、混合原料の粒径比が大きくなって小塊コークスの偏析が悪化すると考えられる場合には、当該粒径比に対応させて混合原料の装入範囲を拡大させることで、コークス混合鉱石層における小塊コークスの偏析を抑制できる。この結果、高炉内における融着層の通気性の改善効果を維持でき、さらには、コークス混合鉱石層の還元効率の改善効果も維持できる。
なお、混合原料の径方向の装入範囲の制御に当たっては、装入物分布を推定可能なシミュレータを使用してもよい。シミュレータとしては、例えば、非特許文献4に記載のシミュレータを用いてよい。このシミュレータには高炉の装入物分布予測モデルが含まれており、当該シミュレータを用いることで、高炉炉頂部に設置された原料装入シュートの傾動角、原料装入シュートの旋回数、対象とする高炉の寸法等に応じた落下軌跡がシミュレートできる。
10 高炉
12 鉱石層
14 コークス層
16 矢印
18 ガス流れ
20 羽口
22 融着層
30 模型実験装置
32 炉頂バンカー
34 炉頂バンカー
36 集合ホッパー
38 原料装入シュート
40 シュートピン
42 炉壁
44 コークス混合鉱石層
48 コークス層
50 炉中心
60 貯蔵用ホッパー
62 測定装置
64 搬送コンベア
66 枠体
68 センサー
100 高炉設備

Claims (2)

  1. 鉱石と混合コークスとからなる混合原料と塊コークスとを交互に装入して、高炉内にコークス混合鉱石層とコークス層とを交互に形成させて高炉操業を行う高炉操業方法であって、
    前記鉱石の平均粒径と前記混合コークスの平均粒径とを測定して前記鉱石に対する前記混合コークスの粒径比を算出し、
    前記粒径比と混合原料の装入範囲とを用いて、前記コークス混合鉱石層における混合率の偏差を算出し、
    前記粒径比が大きくなった場合に、予め定められた混合率の偏差と混合原料の装入範囲との関係に基づいて、前記混合率の偏差が予め定められた目標を満足するように前記混合原料の装入範囲を拡大する、高炉操業方法。
  2. 前記鉱石の平均粒径および前記混合コークスの平均粒径は、前記鉱石および前記混合コークスのそれぞれを高炉へ搬送する搬送ラインに設けられた測定装置によって連続測定される、請求項に記載の高炉操業方法。
JP2018008795A 2017-01-27 2018-01-23 高炉操業方法 Active JP6601511B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017013083 2017-01-27
JP2017013083 2017-01-27

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018123426A JP2018123426A (ja) 2018-08-09
JP6601511B2 true JP6601511B2 (ja) 2019-11-06

Family

ID=63110930

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018008795A Active JP6601511B2 (ja) 2017-01-27 2018-01-23 高炉操業方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6601511B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7074259B2 (ja) * 2019-10-31 2022-05-24 Jfeスチール株式会社 高炉操業方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018123426A (ja) 2018-08-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5522331B2 (ja) 高炉への原料装入方法
JP6447614B2 (ja) 高炉への原料装入方法
WO2015045369A1 (ja) 高炉への原料装入方法
WO2012164889A1 (ja) 高炉の原料装入装置およびそれを用いた原料装入方法
JP6601511B2 (ja) 高炉操業方法
JP2007051306A (ja) 高炉への原料装入方法
JP6167829B2 (ja) 高炉操業方法
JP5574064B2 (ja) 高炉への原料装入方法
JP5910735B2 (ja) 高炉への原料装入方法
JP5534118B2 (ja) 高炉への原料装入方法
JP2012172224A (ja) 高炉原料装入装置及び高炉原料装入方法
JP6747232B2 (ja) 高炉の原料混合比率推定方法
JP5601426B2 (ja) 高炉への原料装入方法
JP2019014951A (ja) 高炉における中心部へコークスを装入する原料装入方法
JP5861392B2 (ja) 高炉操業方法
JP6102462B2 (ja) 高炉への原料装入方法
JP2014224293A (ja) ベルレス高炉の原料装入方法
KR101707375B1 (ko) 고로 내 연화 융착대의 코크스 입경 예측 방법
JP5842738B2 (ja) 高炉操業方法
JP6558519B1 (ja) 高炉の原料装入方法
JP3514120B2 (ja) 高炉炉頂装入物の分布制御方法
JP5853904B2 (ja) ベル式高炉の原料装入方法
JP6152714B2 (ja) ベルレス高炉の原料装入方法
JP2020094283A (ja) 高炉操業方法
KR101388018B1 (ko) 소결광 분율 제어방법

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20180502

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20180509

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180824

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190327

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190514

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190515

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190704

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190910

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190923

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6601511

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250