JP6601173B2 - 露光装置、基板製造システム、露光方法、および基板製造方法 - Google Patents
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Description
この課題を解決するために、半導体チップ(以下「チップ」と称する)を実装したプリント基板(以下「基板」と称する)の配線距離を短くすることが考えられる。そのための一つの手段として、「Multi−chip Mount」(マルチチップマウント)という基板の製造方式が提案されている。
Chip−First法では、基板に、電極を形成したチップを載せ(以下、「マウントする」ともいう)、次にチップの上にレジストを塗布し、チップの電極に接続する配線パターンを形成する。
RDL−First法では、まず基板上に配線パターンを形成し、次にその配線パターンの上に、電極が接触するようにチップをマウントする。
これら二つの製造方法には、長所及び短所があるが、現在のところ、Chip−First法を採用するユーザが多い。その理由について以下に説明する。
配線パターンを形成するための露光装置の露光精度(即ちパターンの形成精度)は、1μmまたはそれ未満であり、この精度で配線パターンを製作することができる(露光装置の利点)。
RDL−First法は、上記したように、先に基板に配線パターンを形成し、その上にチップをマウントする。そのため、露光装置が1μm以下の精度で配線パターンを形成しても、マウント装置は、チップ(の電極)を、その精度に合わせて配線パターン上に置くことができない。即ち、この方法では高精度で配線パターンの形成が可能な露光装置の利点を十分に発揮できない。
このような理由で、多くのユーザがChip−First法を採用している。
しかしながら、チップをマウントする位置が、電極のパッドで補える以上にずれてしまった場合には、配線パターン形成の露光装置における露光精度がいくら高くても配線をパッドに接続することができない。マウント装置の精度が悪い場合にはこのようなことが生じ得る。
この問題に対応する露光装置として、例えば特許文献1に記載の装置が提案されている。しかし、この特許文献1に記載されている装置は、直接描画装置と呼ばれているものであり、パターンを形成したマスクを使い、このパターンをワークに露光転写する方式のものではない。ユーザの中には、直接描画の方式を使わず、パターンを形成したマスクを使う方式で、上記の問題を解決すること望む場合も出てきた。
このような露光装置によれば、実際にチップが搭載された搭載位置と設計位置とに基づいてつなぎパターンの形成位置が決められるので、チップの搭載位置が設計位置から大きくずれていても、つなぎパターンによってチップの電極と配線パターンが確実に接続される。
本発明に係る露光装置はこのようにマスクを用いる露光方式にも応用可能である。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る基板製造システムの一態様は、基板上にチップを搭載する搭載装置と、前記チップの電極と該電極に接続される配線パターンとを繋ぐつなぎパターンを、前記基板上における該チップの搭載位置と該基板に対する該チップの設計位置とに基づいて決定した形成位置に形成するつなぎパターン形成部と、前記基板上に前記配線パターンを形成する配線パターン形成部と、を備える。
このような基板製造システムによれば、つなぎパターンによってチップの電極と配線パターンが確実に接続されるので、信頼性の高い基板が製造される。
さらに、上記課題を解決するために、本発明に係る基板製造方法は、基板上にチップを搭載する搭載工程と、前記チップの電極と、該電極に接続される配線パターンとを繋ぐつなぎパターンを、前記基板上における該チップの搭載位置と該基板に対する該チップの設計位置とに基づいて決定した形成位置に形成するつなぎパターン形成工程と、前記基板上に前記配線パターンを形成する配線パターン形成工程と、を有する。
このような基板製造方法によれば、つなぎパターンによってチップの電極と配線パターンが確実に接続されるので、信頼性の高い基板が製造される。
まず、製造対象となる基板について説明する。
図1は、本発明の実施形態によって製造される基板の例を示す図である。
製造対象のプリント基板1は、チップが実装され配線が形成された完成品の基板(回路基板)である。このプリント基板1上には多数のモジュール基板2が形成されており、これらのモジュール基板2はプリント基板1の完成後に分割されて他のプリント基板上などに搭載される。
図2は、プリント基板上に形成されるモジュール基板2の例を示す図である。
図2に示す例のモジュール基板2では、第1チップ3_1、第2チップ3_2、第3チップ3_3という例えば3つのチップが基板4上に実装されている。各チップ3_1、3_2、3_3には例えば6〜7個の電極5が形成されており、各チップ3_1、3_2、3_3の電極5が配線6によって互いに接続されることで1つのモジュールを形成している。
比較例の製造手順では、まず、基板にチップをマウントするマウント工程が実行される。
図3は、比較例のマウント工程を示す図である。
マウント工程では、基板4に、第1チップ3_1、第2チップ3_2、第3チップ3_3の3つのチップを、設計で決められた設計位置7_1、7_2、7_3にマウントする。上述したように各チップ3_1、3_2、3_3には例えば6〜7個の電極5が形成されている。チップ3_1、3_2、3_3は、電極5が紙面の上側になるように基板4上に載せられる。
基板4には複数(図3の例では例えば2個)のワーク・アライメントマーク(ワークマーク)8が形成されている。なお、このようなワークマーク8に換えて、ワークマーク8として使用できるパターン(他とは判別のつくユニークな形状をしたパターン)が形成される場合もある。
各チップ3_1、3_2、3_3が基板4上に載せられる際には、ワークマーク8を基準とした設計位置7_1、7_2、7_3に各チップ3_1、3_2、3_3が載せられる。
図4は、比較例の配線露光工程で用いられる配線マスク9の一例を示す図である。
この配線マスク9は、基板4に配線6(図2)を形成するための露光装置に用いるマスクである。配線マスク9には、基板4に形成する配線6のパターン10が形成されている。また、基板4との位置合せを行うための、マスク・アライメントマーク(マスクマーク)11が形成されている。
配線露光工程では、基板4上に塗布されたレジストを露光装置にて露光する。この比較例の場合、各チップ3_1、3_2、3_3が設計位置に理想的にマウントされることを前提としている。このため、露光装置では、ワークマーク8とマスクマーク11が一致するように位置合せを行い、図4に示す配線マスク9に形成されている配線パターン10を基板4に露光(転写)する。その後、現像工程、エッチング工程などを行い、各チップ3_1、3_2、3_3の電極5間に配線6が形成される。
各チップ3_1、3_2、3_3に形成されている電極5は、配線6の幅よりも大きな径を有するパッド状のものとなっている。そのため、チップ3_1、3_2、3_3を基板4にマウントする際、マウント位置が設計位置から多少ずれたとしても、形成される配線6は電極5と接続できる。
図6は、マウント位置が設計位置から大幅にずれた例を示す図である。
図6に示す例では、3つのチップ3_1、3_2、3_3のマウント位置が設計位置から大幅にずれている。第1チップ3_1は設計位置7_1に対して平行にずれており、第2チップ3_2と第3チップ3_3は、設計位置7_2と設計位置7_3に対して回転してずれている。その結果、いくつかの配線6がパッド状の電極5に届かない状態となっている。
本発明では、このような状態であっても全ての配線6を電極5に接続するために、後述するつなぎパターンを形成する。
図7は、本発明の基板製造システムの一実施形態を示す図である。
本実施形態の基板製造システム100は、マウント装置110と、つなぎパターン形成部120と、配線パターン形成部130を備えている。基板製造システム100の構成としては、つなぎパターン作成部120と配線パターン形成部130との間に例えば研磨装置などを備える構成や、マウント装置110の前に前工程部を備える構成や配線パターン形成部130の後に後工程部を備える構成も考えられるが、ここでは図7に示す構成例について説明する。
つなぎパターン形成部120の露光装置123が本発明の露光装置の一実施形態に相当する。また、図7に示す基板製造システム100で本発明の基板製造方法の一実施形態が実行され、つなぎパターン形成部120の露光装置123で本発明の露光方法の一実施形態が実行される。
このような基板製造システム100による基板製造の手順を、具体的な例を示して説明する。なお、この基板製造システム100により、図1に示すような、多数のモジュール基板2が形成されたプリント基板1が製造されるが、以下の説明では1つのモジュール基板に着目して製造手順を説明する。
基板製造システム100では、Chip−First法によって基板が製造され、マウント装置110でマウント工程が実行される。このマウント工程が、本発明にいう搭載工程の一例に相当する。
図8に示す例では、1つの基板150上に例えば2つのチップ160がマウントされるものとする。基板150上には、基板150の位置を確認するとともに基板上の位置の基準とするためのアライメントマーク(ワークマーク)151が例えば2つ形成されており、このワークマーク151の位置を基準として各チップ160の設計位置152が決められている。また、各チップ160には、各チップ160を基板150に対して位置決めするためのアライメントマーク(チップマーク)162が例えば2つずつ形成されている。図7に示すマウント装置110は、基板150上のワークマーク151と各チップ160のチップマーク162を検出し、各チップ160を設計位置152に位置決めして基板150上に置く。
このようなマウント工程の後、つなぎパターン形成部120で、つなぎパターンを形成するつなぎパターン形成工程が実行される。
つなぎパターン形成工程では、チップ160がマウントされた基板150全体に、図7に示す成膜装置121で導電性や絶縁性の必要な膜が成膜され、塗布装置122でレジストが塗布される。その後、露光装置123でつなぎパターン171が露光される。露光装置123では、つなぎパターン171を有するつなぎマスク170が用いられ、つなぎパターン171が基板150上に露光(転写)される。図9に示す例では、つなぎパターン171の形状は、チップ160上の電極161の形状と同一のパッド状となっている。
つなぎパターン171は、電極161と配線パターンとをつなぐ位置に露光(転写)される。露光位置の決め方の詳細は後述するが、露光装置123では、つなぎマスク170上のアライメントマーク(マスクマーク)172と、基板150上のワークマーク151と、チップ160上のチップマーク162が検出され、それらの位置に基づいて露光位置が決定される。チップマーク162を検出する工程が、本発明にいう検出工程の一例に相当し、つなぎパターン171を露光する工程が、本発明にいう露光工程の一例に相当する。
また、露光装置123では、基板150上にマウントされた各チップ160に対応した各つなぎマスク170が用いられてつなぎパターン171が露光される。図9では2つのチップ160のうち図の左側に示されたチップ160に対応したつなぎパターン171の露光について説明したが、その後、図9の右側に示されたチップ160についてもつなぎパターンが露光される。
ここでは、基板150上にマウントされた2つのチップ160のうち図10の右側に示されたチップ160に対応したつなぎパターン181を有するつなぎマスク180が露光装置123で用いられ、つなぎパターン181が基板150上に露光(転写)される。この場合も、つなぎパターン181の露光位置を決めるために、つなぎマスク180上のマスクマーク182と、基板150上のワークマーク151と、チップ160上のチップマーク162が検出される。また、図10に示すつなぎパターン181も、電極161と配線パターンとをつなぐ位置に露光(転写)される。
このようなつなぎパターン形成部120における工程が、本発明にいうつなぎパターン形成工程の一例に相当する。
このようにつなぎパターン形成部120でつなぎパターンの層が形成されると、次に、配線パターン形成部130で配線パターンが形成される。
図11は、本実施形態の配線パターン形成工程を示す図である。
配線パターン形成工程では、つなぎパターン171、181が形成された基板150全体に、図7に示す成膜装置131で導電性や絶縁性の必要な膜が成膜され、塗布装置132でレジストが塗布される。その後、露光装置133で配線パターン191が露光される。露光装置133では、配線パターン191を有する配線マスク190が用いられ、配線パターン191が基板150上に露光(転写)される。
配線パターン191の露光後、図7に示す現像装置134で配線パターンが現像され、エッチング装置135で配線パターンがエッチングされ、積層装置136で導電性や絶縁性の必要な層が更に積層されて、配線パターンの層が完成する。このような配線パターン形成部130における工程が、本発明にいう配線パターン形成工程の一例に相当する。
このように形成された配線パターン191は、チップ160のマウント位置が設計位置から大幅にずれた場合であっても、つなぎパターン171、181を介することで確実に
チップ160の電極161に接続されることになり、これによってモジュールの回路が確実に形成される。即ち、このように製造されたプリント基板(およびモジュール基板)は信頼性が高い。
図12は、つなぎパターンを作成するための露光装置123を示す図である。
露光装置123は、光照射装置210と、マスクステージ220と、投影レンズ230と、ワークステージ240と、アライメント顕微鏡250と、制御装置260と、モニタ270を備えている。マスクステージ220およびワークステージ240には、それぞれ、マスクステージ駆動機構225およびワークステージ駆動機構245が付設されている。
マスクステージ220には、つなぎパターン171(181)とマスクマーク172(182)が形成されたつなぎマスク170(180)が置かれて保持される。マスクステージ220は、マスクステージ駆動機構225により駆動されることでつなぎマスク170(180)の位置を変更する。
ワークステージ240には、図8に示すようにチップ160がマウントされ成膜やレジスト塗布を経た基板150がワークとして載置されて保持される。上述したように、基板150上の各チップ160にはチップマーク162が設けられており、基板150にはワークマーク151が設けられている。
マスクステージ220およびワークステージ240は、それぞれ、マスクステージ駆動機構225およびワークステージ駆動機構245により駆動され、マスクステージ220およびワークステージ240面に平行で互いに直交する2方向であるXY方向に移動するとともに、XY平面に垂直な軸を中心としたθ方向に回転する。
アライメント顕微鏡250は、投影レンズ230とワークステージ240との間に挿入自在なものであり、例えば2個所に設けられているが図12にはそのうちの1箇所のみが図示されている。アライメント顕微鏡250は、基板150がワークステージ240に載る前に投影レンズ230とワークステージ240との間に挿入され、つなぎマスク170(180)の位置を確認する為に、ワークステージ240のミラー241で反射されたマスクマーク172(182)の像を検出する。
アライメント顕微鏡250は、ハーフミラー251と、複数のレンズ252、253と、CCDカメラ254を備えている。ハーフミラー251を介してアライメント顕微鏡250内に取り込まれたチップマーク162などの像光はレンズ252、253を経てCCDカメラ254上に結像し、CCDカメラ254で受像されて受像データが制御部260に送られる。
演算部262により露光位置を決める工程は、本発明にいうつなぎ位置決定工程の一例に相当し、演算部262は本発明にいうつなぎ位置決定部の一例に相当する。露光位置を決める詳細な手順については後述する。
画像処理部261によって処理された画像や位置情報は、確認のためにモニタ270の画面に表示される。アライメント顕微鏡250と画像処理部261とを併せたものが、本発明にいう検出部の一例に相当する。
上述したマスクステージ駆動機構225およびワークステージ駆動機構245は、位置合わせ制御部265により制御され、マスクステージ220およびワークステージ240の双方あるいは一方を、演算部262によって決められた位置へと駆動する。これにより、つなぎマスク170(180)と基板150との位置関係がつなぎパターン171(181)の露光位置を実現する位置関係となる。そしてこの位置関係でつなぎパターン171(181)が基板150に露光される。露光は光照射装置210からワークステージ240に至る部分で実行され、光照射装置210とマスクステージ220と投影レンズ230とワークステージ240とを併せたものが、本発明にいう露光部の一例に相当する。
本実施形態では、電極161の具体的な位置や配線パターン191の具体的な形状を用いて露光位置を決めるのではなく、チップマーク162の検出位置などに基づいて露光位置を決める。
ここで、個々のチップマーク162や個々のマスクマーク172(182)などを互いに区別する表記方法を改めて定義する。
図13は、実装されたチップ160が有するチップマーク162を示す図である。
基板150上に実装されている各チップ160に設けられた各チップマーク162を個々に区別する為に、i番目のチップ160に設けられたj番目のチップマーク162をti,jと表記することとする。即ち、1番目(図13の左側)のチップ160の2番目(図13の下側)のチップマーク162はt1,2と表記し、2番目(図13の右側)のチップ160の1番目(図13の上側)のチップマーク162はt2,1と表記する。各チップマークti,jの具体的な位置は検出によって求められる。
基板150上に設定された設計位置152にチップが理想的に載っている場合の各チップマークを個々に区別する為に、i番目の設計位置152に在るチップに設けられたj番目のチップマーク162をsi,jと表記することとする。即ち、1番目(図14の左側)の設計位置152の2番目(図14の下側)のチップマーク162はs1,2と表記し、2番目(図14の右側)の設計位置152の1番目(図14の上側)のチップマーク162はs2,1と表記する。各チップマークsi,jの具体的な位置は、基板150のワークマーク151の検出位置と設計位置情報から算出される。
ここでは配線マスク190上の各マスクマーク192は、設計位置にチップが理想的に載っている場合の各チップマークsi,jと対応しており、配線マスク190が設計上の位置に配置されると各マスクマーク192が各チップマークsi,jに1対1で重なる配置になっているものとする。なお、このようなマスクマーク192の配置は、配線パターン191やつなぎパターンの露光位置決定を説明するために便宜的に決められた配置である。実際の露光に使用される配線マスク190には、ワークマークなどとの位置関係が明確に決められている限り任意の箇所にマスクマーク192が配置可能である。
各つなぎマスク170、180は、基板上に配置される各チップに対応しており、各つなぎマスク170、180上の各マスクマーク172、182は、つなぎパターン171、181がチップの電極に完全に重なった場合にチップマークs1,2と1対1で重なる配置になっているものとする。なお、このようなマスクマーク172、182の配置も、配線パターンやつなぎパターン171、181の露光位置決定を説明するために便宜的に決められた配置である。実際の露光に使用されるつなぎマスク170、180には、ワークマークなどとの位置関係が明確に決められている限り任意の箇所にマスクマーク172、182が配置可能である。
上記説明した定義によれば、実際のチップマークti,jと、理想位置のチップマークsi,jと、配線マスクのマスクマークmi,jと、つなぎマスクのマスクマークpi,jは、添え字i,jが一致しているマーク同士が互いに対応していることが分かる。
i番目のチップのj番目の実際のチップマークti,jと、配線マスクのマスクマークmi,jとのマーク間距離はri,jと定義する。例えば、1番目のチップの1番目のマークであればr1,1は、ワークマークt1,1とマスクマークm1,1の距離になる。
i番目のチップのj番目の理想位置のチップマークsi,jと、配線マスクのマスクマークmi,jとのマーク間距離はwi,jと定義する。
また、i番目のチップのj番目の実際のチップマークti,jと、つなぎマスクのマスクマークpi,jとのマーク間距離はui,jと定義し、つなぎマスクのマスクマークpi,jと、配線マスクのマスクマークmi,jとのマーク間距離はvi,jと定義する。
このような定義を用いて、まず、つなぎパターン無しで各チップの電極を配線パターンで接続可能な条件について考察する。
基板上に実際に載った各チップに対して配線マスクを最適に位置合わせする場合は、以下の式(1)の値を最小にすればよい。
式(2)の条件を満たしながら式(1)の値が最小値となるように配線マスクの位置を求めると、電極と配線パターンが接続される位置関係が得られることになる。そのような位置関係を演繹的に算出するためには、以下の式(3)を用いる。
このような解法を、つなぎパターンを用いる場合に拡張すると、以下の式(4)と式(5)が得られる。
上記の式(4)を、最大のui,j=toluかつ最大のvi,j=tolvという条件下でαおよびβについて解き、α+β≦1を満たす解が存在していれば、つなぎパターンを介して電極と配線パターンが接続される現実的な位置関係が存在することになる。つまり、そのような解のαおよびβに相当する露光位置でつなぎパターンおよび配線パターンの露光を行えばつなぎパターンを介して電極と配線パターンが接続されることになる。
図12に示す制御部260の演算部262では、このような解法によって露光位置が算出される。
さらに、上述した解法を、つなぎパターンを複数回用いる場合に拡張する事も出来る。この場合は、以下の式(6)と式(7)が得られる。
このような式(6)および式(7)も上記同様に解くことが出来る。
チップがワーク(基板)にマウントされる精度と、電極と配線とをつなぐのに必要な重ね合わせ精度が分かっていれば、つなぎパターンが最大で何層必要であるか(つなぎパターンを最大で何回形成すればよいか)は経験的にわかるはずであるから、つなぎパターンの層を実際のマウント位置に関わらず常にその層数分形成してもよい。
あるいは、露光装置でチップマークとワークマークを検出することで実際のマウント精度が得られるので、そのように得られたマウント精度に応じてつなぎパターンが何層必要か(つなぎパターンを何回形成するか)を演算し、その層数だけつなぎパターンを露光形成するようにしてもよい。
なお、つなぎパターンは、他の配線や他の電極と短絡しない位置に形成しなければならない。また、チップのマウントがあまりにも大きな位置ずれを生じていた場合、電極と配線端部の中間位置につなぎパターンを形成しても、両者を接続できない場合もある。これらについては、露光装置を以下のように制御することで対応する。
また、上記説明では、つなぎパターンとして、マウントの誤差で離れてしまった配線パターンと電極とを繋ぐための専用のつなぎパターンを例示したが、本発明にいうつなぎパターンは、例えば層の高さを合わせるためなどの他の目的で配線パターンと電極との間に設けられている中間のパターンを、チップの搭載位置に基づいて決められた箇所につなぎパターンとして形成したものであってもよい。
Claims (4)
- 基板上に搭載されたチップの搭載位置を検出する検出部と、
前記基板に対する前記チップの設計位置を記憶した記憶部と、
前記搭載位置および前記設計位置に基づいて、前記チップの電極と、該電極に接続される配線パターンとを繋ぐつなぎパターンの形成位置を決めるつなぎ位置決定部と、
前記形成位置に前記つなぎパターンを露光する露光部と、
を備え、
前記露光部が、前記つなぎパターンのマスクを前記形成位置に位置合わせして該つなぎパターンを露光するものであることを特徴とする露光装置。 - 基板上にチップを搭載する搭載装置と、
前記チップの電極と、該電極に接続される配線パターンとを繋ぐつなぎパターンを、前記基板上における該チップの搭載位置と該基板に対する該チップの設計位置とに基づいて決定した形成位置に形成するつなぎパターン形成部と、
前記基板上に前記配線パターンを形成する配線パターン形成部と、
を備え、
前記露光部が、前記つなぎパターンのマスクを前記形成位置に位置合わせして該つなぎパターンを露光するものであることを特徴とする基板製造システム。 - 基板上に搭載されたチップの搭載位置を検出する検出工程と、
前記基板に対する前記チップの設計位置および前記搭載位置に基づいて、前記チップの電極と、該電極に接続される配線パターンとを繋ぐつなぎパターンの形成位置を決めるつなぎ位置決定工程と、
前記形成位置に前記つなぎパターンを露光する露光工程と、
を有し、
前記露光工程が、前記つなぎパターンのマスクを前記形成位置に位置合わせして該つなぎパターンを露光する工程であることを特徴とする露光方法。 - 基板上にチップを搭載する搭載工程と、
前記チップの電極と、該電極に接続される配線パターンとを繋ぐつなぎパターンを、前記基板上における該チップの搭載位置と該基板に対する該チップの設計位置とに基づいて決定した形成位置に形成するつなぎパターン形成工程と、
前記基板上に前記配線パターンを形成する配線パターン形成工程と、
を有し、
前記つなぎパターン形成工程が、前記つなぎパターンのマスクを前記形成位置に位置合わせして該つなぎパターンを露光して形成する工程であることを特徴とする基板製造方法。
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