JP6599106B2 - リチウム二次電池用負極材料及びその製造方法、並びに該負極材料を用いたリチウム二次電池用の負極活物質層用組成物、リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池用負極材料及びその製造方法、並びに該負極材料を用いたリチウム二次電池用の負極活物質層用組成物、リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、リチウム二次電池用負極材料及びその製造方法、並びに該負極材料を用いたリチウム二次電池用の負極活物質層用組成物、リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池に関する。
携帯電話や携帯用情報機器(電子手帳、ノートパソコン、タブレット型コンピュータ等)等に代表される携帯用電子機器類の小型化・軽量化が目覚しく進展しつつある今日では、そのような携帯用電子機器類を駆動するための小型で軽量な二次電池の開発が要望されている。このような背景の下、小型に構成でき、しかも高エネルギー密度を有するリチウム二次電池(リチウムイオン二次電池等)が注目を集めており、その開発が盛んに行われている。このリチウム二次電池は、上記のような携帯用電子機器の他、電気自動車や再生可能エネルギーの電力貯蔵等にもニーズが広がっており、これらのニーズに対応するため、構成する電極材料の一層の高エネルギー密度化が求められている。
一般的なリチウム二次電池としては、デンドライトを生成し易いリチウムではなく、サイクル特性及び安全性に優れたリチウム二次電池を実現可能な負極材料として、リチウムイオンの出入り、すなわち挿入・脱離が可能な炭素材料からなるものが数多く提案されており、実用化されつつある。ここで、炭素材料からなるリチウム二次電池用の負極材料は、主として、1000℃程度で焼成された炭素系負極材料と、2000℃を超える温度で焼成された黒鉛系負極材料との2種類に分類することができるが、炭素系負極材料は、リチウムイオンの放出に伴う電位の変化が大きく、安定なリチウム二次電池を構成し難いという欠点がある。これに対し、黒鉛系負極材料は、このような電位の変化が小さく、安定なリチウム二次電池を構成可能であるため、炭素系の負極材料に比べて有利であり、リチウム二次電池用の負極材料として主流になりつつある。
上記の黒鉛系負極材料は、理論容量が372mAh/gである一方、シリコンは理論容量4200mAh/gであり、実に黒鉛系負極材料の約10倍の理論容量を有するため、シリコン負極の利用が期待されている(非特許文献1〜2)。しかしながら、シリコンは充放電に伴う体積変化が極めて大きいため、負極材料が割れたり、電極から剥がれたり(非特許文献3)して実際の容量が低下してしまうことから、十分な充放電容量及びサイクル特性を兼ね備える負極材料とはなり得なかった。
十分な充放電容量及びサイクル特性を兼ね備える負極材料を得るため、シリコンを炭素材と複合化させることが検討されている(非特許文献4〜5)。
Robert A. Huggins, Journal of Power Sources, 81-82 (1999) 13-19 B. A. Boukamp, G. C. Lesh, and R. A. Huggins, Journal of The Electrochemical Society, volume 128 (1981) 725-729 H. Li, X. J. Huang, L. Q. Chen, Z. G. Wu, and Y. Liang, Electrochemical. and Solid-State Letters, 2 (11) (1999) 547-549 T. Morita and N. Takami, Journal of Electrochemical Society, 153 (2) (2006) A425-A430 Xin Zhao, Cary M. Hayner, Mayfair C. Kung, Harold H. Kung, Advanced Energy Materials, 1 (2011) 1079-1084
しかしながら、十分な充放電容量及びサイクル特性を兼ね備える負極材料は、いまだ得られていない。そこで、本発明は、十分な充放電容量、クーロン効率及びサイクル特性を兼ね備えるリチウム二次電池用の負極材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題に鑑み、鋭意研究を重ねてきた。その結果、グラフェンシート、シリコン材料、及び単層カーボンナノチューブを含ませることで、上記の課題を解決し、クーロン効率を維持しつつ、十分な充放電容量及びサイクル特性を兼ね備えるリチウム二次電池用の負極材料が得られることを見出した。また、この負極材料は、黒鉛と混合することで、シリコンのみの場合と比較し、特にサイクル特性を向上させることが可能である。本発明は、このような知見に基づき、さらに研究を重ね、完成したものである。すなわち、本発明は、以下の構成を包含する。
項1.ナノ炭素、シリコン材料、及びカーボンナノチューブを含む、リチウム二次電池用負極材料。
項2.前記ナノ炭素の含有量が、前記シリコン材料100重量部に対して、1〜200重量部である、項1に記載のリチウム二次電池用負極材料。
項3.前記カーボンナノチューブの含有量が、前記シリコン材料100重量部に対して、1〜50重量部である、項1又は2に記載のリチウム二次電池用負極材料。
項4.前記ナノ炭素がグラフェンシートである、項1〜3のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極材料。
項5.前記グラフェンシートの層間に、前記シリコン材料及び前記カーボンナノチューブが存在する、項4に記載のリチウム二次電池用負極材料。
項6.前記シリコン材料が、シリコン粒子である、項1〜5のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極材料。
項7.前記シリコン粒子の平均粒子径が、1nm〜100μmである、項6に記載のリチウム二次電池用負極材料。
項8.前記カーボンナノチューブの平均外径が、1nm〜500nmである、項1〜7のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極材料。
項9.前記グラフェンシートにおけるグラフェンの大きさが100nm〜1000μmである、項4〜8のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極材料。
項10.前記ナノ炭素が、空孔を有する、項1〜9のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極材料。
項11.前記シリコン材料は、表面が酸化している、項1〜10のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極材料。
項12.ナノ炭素、シリコン材料、及びカーボンナノチューブを含むリチウム二次電池用負極材料の製造方法であって、
(1)ナノカーボン酸化物水分散液を第1有機溶媒で置換し、ナノカーボン酸化物分散液を得る工程、
(2)前記工程(1)で得たナノカーボン酸化物分散液に、シリコン材料及びカーボンナノチューブを添加し、ナノカーボン酸化物、シリコン材料及びカーボンナノチューブを含む分散液を得る工程、及び
(3)前記工程(2)で得た分散液に還元処理を施す工程
を備える、製造方法。
項13.前記ナノカーボン酸化物が酸化グラフェンである、項12に記載の製造方法。
項14.前記工程(2)において、カーボンナノチューブは、あらかじめ第2有機溶媒に分散されている、項12又は13に記載の製造方法。
項15.前記工程(3)は、800〜1000℃で焼成することにより、酸化グラフェンを還元する工程である、項12〜14のいずれかに記載の製造方法。
項16.項1〜11のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極材料、又は項12〜15のいずれかに記載の製造方法により製造されたリチウム二次電池用負極材料と、黒鉛とを含有する、リチウム二次電池用の負極活物質層形成用組成物。
項17.前記リチウム二次電池用負極材料と前記黒鉛との合計量100重量%に対して、前記リチウム二次電池用負極材料の含有量が3〜80重量%である、項16に記載のリチウム二次電池用の負極活物質層形成用組成物。
項18.集電体、及び前記集電体上に配置された項1〜11のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極材料、又は項12〜15のいずれかに記載の製造方法により製造されたリチウム二次電池用負極材料を含む負極活物質層を備える、リチウム二次電池用負極。
項19.集電体、及び前記集電体上に配置された項16又は17に記載のリチウム二次電池用の負極活物質層形成用組成物からなる負極活物質層を備える、リチウム二次電池用負極。
項20.項18又は19に記載のリチウム二次電池用負極を備えたリチウム二次電池。
本発明のリチウム二次電池用負極材料は、シリコン材料の膨張を、ナノ炭素の変形により吸収することができることから、体積膨張を原因として負極材料が割れたり、電極から剥がれたりすることを抑制することができると考えられる。また、ナノ炭素としてグラフェンシートを使用する場合は、グラフェンシートの層間隔をカーボンナノチューブにより拡張して、シリコン材料をその空間に閉じ込め、膨張時の体積変化を吸収しやすくし、体積膨張を原因として負極材料が割れたり、電極から剥がれたりすることを抑制することができると考えられる。
さらに、本発明のリチウム二次電池用負極材料は、カーボンナノチューブを含ませることにより、ナノ炭素同士を結着しやすくし、より高い電子伝導性を付与することができると考えられる。
このため、本発明のリチウム二次電池用負極材料は、従来のリチウム二次電池用のシリコン系負極材料に比べても、クーロン効率を維持しつつ、非常に高い充放電容量及びサイクル特性を有している。また、本発明のリチウム二次電池用負極材料を黒鉛と混合することで、シリコンのみの場合と比較し、特にサイクル特性を向上させることが可能である。
1.リチウム二次電池用負極材料
本発明のリチウム二次電池用負極材料は、ナノ炭素、シリコン材料、及びカーボンナノチューブを含む。
本発明で用いるナノ炭素は、直径100nm以下のナノ炭素粒子、又は10層以下(つまり1〜10層)のグラフェンが積層した層状構造を持つシート(グラフェンシート)が好ましい。なお、ナノ炭素として複数のグラフェンを有するグラフェンシートを使用する場合には、その層間に、グラフェン以外の物質を含有することも可能である。こうしたグラフェンは、多くの凸角と凹角をもつ平面形状をしているため、その大きさは一概には規定できない。本明細書では、一枚のグラフェンにおいて最も離れている凸角間の距離をそのグラフェンの大きさとする。
グラフェンの大きさとしては、100nm以上が好ましく、1000nm以上がより好ましい。この範囲とすることで、より十分な導電性が得られる。なお、グラフェンの大きさは、大きい方が電気的物性等の諸物性が優れていることが知られているため、大きさの上限は限定されないが、グラフェンの大きさは1000μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましい。なお、グラフェンの大きさは、顕微鏡(原子間力顕微鏡、レーザー顕微鏡、電子顕微鏡等、特に原子間力顕微鏡)観察により測定するものとする。
ナノ炭素は、空孔を有していてもよい。このように、ナノ炭素が空孔を有することにより、電解液の通りをよくし、レート特性の向上も期待できる。なお、ナノ炭素に空孔を空けるためには、例えば、ナノ炭素に酸化処理を施せばよい。
このようなナノ炭素(特にグラフェンシート)としては、CVD法、機械的剥離法等の公知の方法で得られた単層又は多層のグラフェン等が使用できる。また、グラファイトを酸化・剥離して得られる酸化グラフェンから化学的及び/又は熱的還元処理を経て作製されたナノ炭素(特にグラフェンシート)も使用できる。
本発明のリチウム二次電池用負極材料においては、ナノ炭素と後述のカーボンナノチューブとの高い親和性のため、カーボンナノチューブがバンドル状又は綿状になった状態、さらには、単独で直線性の高い状態でも、ナノ炭素(特にグラフェンシート)はカーボンナノチューブと接することができ、結果、ナノ炭素(特にグラフェンシート)の炭素面で挟まれ、カーボンナノチューブ単体又は集合体を、ナノ炭素(特にグラフェンシート)に挟まれた柱とするような、数nm〜数百nmの、隙間のある空間が確保され、そこにシリコン材料が入り込むことができ、シリコン材料の充放電に伴う体積膨張及び収縮に、ナノ炭素(特にグラフェンシート)が追従しながら電気コンタクトを保つ機構を有することができる。
シリコン材料としては、シリコンを含む材料(特にシリコンからなる材料)であれば特に制限されないが、結晶シリコン、アモルファスシリコン等のシリコン材料(好ましくはシリコン粒子)の粉末等が挙げられる。
結晶シリコン、アモルファスシリコン等のシリコン材料(好ましくはシリコン粒子)の粉末としては、特に制限されないが、汎用の結晶シリコン、アモルファスシリコン等を切削等により粒子(又は粉末)にしたもの等を用いることができる。結晶シリコン、アモルファスシリコン等の製造、加工等の過程において発生する規格外の製品、廃棄物等を使用してもよい。また、本発明において使用する結晶シリコン、アモルファスシリコン等は、形成時にリン系、ホウ素系化合物等の導入によりn型半導体又はp型半導体になっていてもよい。また、シリコン材料は、その表面が酸化されていてもよい。これらのシリコン材料は、単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
シリコン材料としてシリコン粒子を使用する場合、その平均粒子径は、特に制限されないが、通常1nm〜100μm程度が好ましく、5nm〜10μm程度がより好ましく、10nm〜5μm程度がさらに好ましい。シリコン材料の平均粒子径を上記範囲内とすることにより、割れが発生しにくくなる。なお、シリコン材料の平均粒子径は、電子顕微鏡(SEM)により測定されるものとする。
カーボンナノチューブは、黒鉛シート(即ち、黒鉛構造の炭素原子面又は単層のグラフェンシート)がチューブ状に閉じた中空炭素物質であり、その直径はナノメートルスケールであり、壁構造は黒鉛構造を有している。壁構造が一枚の黒鉛シート(単層のグラフェンシート)でチューブ状に閉じた形状のカーボンナノチューブは単層カーボンナノチューブと呼ばれている。一方、複数枚の黒鉛シートがそれぞれチューブ状に閉じて、入れ子状になっているカーボンナノチューブは入れ子構造の多層カーボンナノチューブと呼ばれている。本発明では、単層カーボンナノチューブ及び多層カーボンナノチューブいずれも採用できるが、多層カーボンナノチューブよりも単層カーボンナノチューブが好ましい。
カーボンナノチューブの平均外径は、柔軟で綿状にもなり、かつ、単独又はバンドル状と多様な形態になり得ることで、様々な粒径のシリコンが包埋できるようになるという観点から、1〜500nmが好ましく、1〜100nmがより好ましく、5〜50nmがさらに好ましい。
カーボンナノチューブの平均長さは、グラフェンシートの層間隔をより拡張し、シリコン材料の膨張時の体積変化をより吸収しやすくし、体積膨張を原因として負極材料が割れたり、電極から剥がれたりすることをより抑制する観点、及び膨張によって電気的導電コンタクトが離れないようする観点から、0.1〜100μmが好ましく、1〜10μmがより好ましい。
カーボンナノチューブの平均アスペクト比は、グラフェンシートの層間隔をより拡張し、シリコン材料の膨張時の体積変化をより吸収しやすくし、体積膨張を原因として負極材料が割れたり、電極から剥がれたりすることをより抑制する観点から、5〜100000が好ましく、10〜10000がより好ましい。
本発明のリチウム二次電池用負極材料は、上述のように、シリコン材料の膨張を、ナノ炭素とカーボンナノチューブの複合壁の変形により吸収することができることから、体積膨張を原因として負極材料が割れたり、電極から剥がれたりすることを抑制し、導電バスの欠落を抑制することができると考えられる。
また、ナノ炭素としてグラフェンシートを使用する場合はグラフェンシートの層間隔をカーボンナノチューブにより拡張して、シリコン材料をその空間に閉じ込め、膨張時の体積変化を吸収しやすくし、体積膨張を原因として負極材料が割れたり、電極から剥がれたりすることを抑制するとともに、導電ネットワークを形成することができると考えられる。
本発明のリチウム二次電池用負極材料において、各成分の含有量は、特に制限されない。
具体的には、ナノ炭素の含有量は、シリコン材料100重量部に対して、1〜200重量部が好ましく、3〜50重量部がより好ましい。ナノ炭素の含有量をこの範囲内とすることにより、シリコンの膨張収縮に追従してシリコンを包埋し、電気的コンタクトを保持することができると考えられ、同時に、高価なナノ炭素を過剰に使用せず代替導電材の添加が可能となる。また、カーボンナノチューブの含有量は、シリコン材料100重量部に対して、1〜50重量部が好ましく、3〜20重量部がより好ましい。カーボンナノチューブの含有量をこの範囲内とすることにより、シリコンの膨張収縮に際しても、電気的コンタクトを保持することができると考えられ、同時に、高価なカーボンナノチューブを過剰に使用せず代替導電材の添加が可能となる。
本発明のリチウム二次電池用負極材料は、上記のような構成を採用することにより、特にナノ炭素としてグラフェンシートを使用する場合には、シリコン材料の体積膨張を、カーボンナノチューブにより層間隔を拡張したグラフェンシートの変形により吸収することができるため、体積膨張を原因として負極材料が割れたり、電極から剥がれたりすることを抑制することができる。このため、従来のリチウム二次電池用負極材料と比較すると、クーロン効率を維持しつつ、充放電容量及びサイクル特性を向上させることができる。より具体的には、本発明のリチウム二次電池用負極材料は、
(I)シリコン材料の容量に対して1/40Cの定電流で0.01Vになるまで充電
(II)0.01Vの定電圧で、電流値がシリコン材料の容量に対して1/60Cになるまで充電
(III)シリコン材料の容量に対して1/40Cの定電流で1.5Vになるまで放電
(IV)1.5Vの定電圧で、電流値がシリコン材料の容量に対して1/60Cになるまで放電
の条件で8回充放電試験を行った際に、初期放電容量3000mAh/g以上、好ましくは3300mAh/g以上の放電容量でかつ、95.1%以上のクーロン効率(8回目)、及び初回から8回目までの放電容量比較で80%以上(好ましくは90%以上)の容量維持率を達成することができる。
2.リチウム二次電池用負極材料の製造方法
上記した本発明のリチウム二次電池用負極材料は、特に制限されるわけではない。例えば、上記各成分を混合することにより製造してもよいが、酸化グラフェン等のナノカーボン酸化物の水分散液を利用してもよい。特に、ナノ炭素は凝集しやすいため、ナノカーボン酸化物水分散液(特に酸化グラフェン水分散液)を利用する方法が好ましい。
このような観点から、本発明のリチウム二次電池用負極材料は、好ましくは、
(1)ナノカーボン酸化物水分散液(特に酸化グラフェン水分散液)を第1有機溶媒で置換し、ナノカーボン酸化物分散液(特に酸化グラフェン分散液)を得る工程、
(2)前記工程(1)で得たナノカーボン酸化物分散液に、シリコン材料及びカーボンナノチューブを添加し、ナノカーボン酸化物、シリコン材料及びカーボンナノチューブを含む分散液を得る工程、及び
(3)前記工程(2)で得た分散液に還元処理を施す工程
を備える方法により得ることができる。
工程(1)において、ナノカーボン酸化物(特に酸化グラフェン)は、従来公知の方法により、水分散液として製造することができる。例えば、酸化グラフェンを使用する場合は、ハマーズ法により酸化グラファイトを作製し、これを溶媒(水性溶媒)に展開して超音波を照射することで、酸化グラファイトが層方向に剥離され、酸化グラフェンの水分散液が得られる。
具体的には、グラファイトを濃硫酸中に浸し、過マンガン酸カリウムを加えて酸化させた後、反応物を希硫酸/過酸化水素でクエンチした後、蒸留水で洗浄して酸化グラファイトを得ることができる。グラファイトを濃硫酸中で過マンガン酸カリウムを加えて反応させることで、炭素原子に酸素原子が結合し、層間に酸素原子が導入されて酸化グラファイトが得られる。次いで、このようにして得られる酸化グラファイトを水性溶媒に分散させることで、層間に溶媒分子が挿入され、層方向にのみ剥離させることができ、面方向のサイズが大きい酸化グラフェンを高い収率で回収できる。必要に応じて、水性溶媒に分散後の溶液を遠心分離し、上澄み液を回収してもよい。
この際使用される水性溶媒としては、例えば、水、エタノール、メタノール、エチレングリコール、グリセリン、2−メトキシエタノール等が使用できる。
ナノカーボン酸化物水分散液中のナノカーボン酸化物の濃度は、0.001〜2重量%が好ましく、0.005〜1.5重量%がより好ましい。ナノカーボン酸化物の濃度をこの範囲とすることで、安定な分散液とすることができる。
ここで使用できる第1有機溶媒としては、ナノカーボン酸化物を分散させることができる溶媒であれば特に制限はないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)等のアルコール(特に炭素数1〜6の低級アルコール)、アセトン等が使用できる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
ナノカーボン酸化物水分散液と第1有機溶媒とを混合する際の混合比は特に限定されないが、安定な分散液を得る観点から、例えばナノカーボン酸化物水分散液10mLに対して第1有機溶媒は5〜1000mLが好ましく、10〜500mLがより好ましい。
工程(2)において、シリコン材料及びカーボンナノチューブは上記したものである。
シリコン材料及びカーボンナノチューブの形態は特に制限されない。例えば、シリコン材料及びカーボンナノチューブの片方又は双方は、そのまま投入してもよいし、第2有機溶媒に分散された状態で投入してもよい。
この際使用される第2有機溶媒としては、シリコン材料及び/又はカーボンナノチューブを分散させることができる溶媒であれば特に制限はないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)等のアルコール(特に炭素数1〜6の低級アルコール)、アセトン等が使用できる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
シリコン材料及びカーボンナノチューブの添加量は特に制限はなく、最終的に得られる本発明のリチウム二次電池用負極材料におけるシリコン材料及びカーボンナノチューブの含有量に応じた添加量とすればよい。具体的には、シリコン材料の添加量は、ナノカーボン酸化物水分散液中のナノカーボン酸化物100重量部に対して100〜10000重量部とすることが好ましく、200〜5000重量部とすることがより好ましい。また、カーボンナノチューブの添加量は、ナノカーボン酸化物水分散液中のナノカーボン酸化物100重量部に対して1〜100重量部とすることが好ましく、10〜50重量部とすることがより好ましい。
このようにして、ナノ炭素(特にグラフェンシート)、シリコン材料及びカーボンナノチューブを含む分散液が得られるが、この後、乾燥処理を施すことが好ましい。
より具体的には、例えば、上記の工程(2)で得た分散液を通常の固液分離を行ってもよく、濾過、又は溶媒溜去した後真空乾燥すること、あるいは基板上に塗布及び乾燥させることが好ましい。
基板上に上記分散液を塗布する場合の基板の形状や材質は特に限定されないが、例えば、アルミニウム等の金属;プラスチック;木;セラミック;紙等からなる板状、塊状(ブロック状等)、フィルム状、又はこれらが組み合わされた形状等が挙げられる。
基板表面は特に制限はなく、平滑でも多孔質でもよい。
塗布方法は基板の材質や形状によって適宜選択でき、特に限定されないが、例えば、キャスト、スピンコート、スプレーコート、ディップコート等を挙げることができる。特に、基材形状を選ばないこと、構造体を多孔質にすることもできること等からスプレーコートが好ましい。
塗布の際、基板を加熱して本発明のリチウム二次電池用負極材料の形成を促進することもできる。加熱方法は特に限定されないが、例えばヒーター等で間接又は直接基板を加熱することができる。この時の加熱温度は、30℃〜分散液の溶媒の沸点+30℃の範囲が好ましく、40℃〜有機分散液の有機溶媒の沸点+20℃の範囲がより好ましい。
塗布後の乾燥条件は、特に制限されないが、この後の工程で還元させるために酸素のない雰囲気が好ましく、具体的には、真空乾燥が好ましい。また、温度と時間は、特に制限されないが、30〜300℃の範囲で10分〜24時間が好ましく、基板の材質と分散液の溶媒の沸点に応じて適宜選択すればよい。
次に、工程(3)においては、工程(2)で得た分散液に還元処理を施す。
なお、本発明においては、カーボン材料であるカーボンナノチューブが弱い還元剤として機能するため、焼成処理の際に、不活性ガス雰囲気下での焼成としてもよく、あるいは、水素等の還元性ガス雰囲気としてもよい。さらには、還元剤を別途投入してもよいし、投入しなくてもよい。
還元剤を投入する場合、使用できる還元剤は、特に制限されないが、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム、シュウ酸、ギ酸等が挙げられる。
還元剤を投入する場合、還元剤の量は、より確実に還元させるために、ナノカーボン酸化物100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、1〜10重量部がより好ましい。
還元処理の際の処理条件は特に制限されないが、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の不活性気体雰囲気下での加熱処理(特に焼成処理)とすることが好ましい。
また、還元処理の際の圧力、温度及び時間は、特に制限されないが、SiCの生成を抑制するために温度は高すぎないほうがよく、大気圧下での不活性気体流通下において、800〜1000℃、好ましくは850〜970℃の範囲で30分〜10時間が好ましい。
3.リチウム二次電池用の負極活物質層形成用組成物
本発明のリチウム二次電池用負極材料は、上記のような構成を有するため、シリコン材料とナノ炭素、及びカーボンナノチューブのコンポジット自身が、シリコン材料の膨張や割れを抑制、捕捉するだけでなく、黒鉛と混合する場合は、シリコンコンポジットを囲む周りの黒鉛がシリコンの膨張や割れを抑制、捕捉するという理由から、黒鉛と混合したリチウム二次電池用の負極活物質層形成用組成物は、シリコン単独の場合と比較し、特にサイクル特性を向上させることができる。より具体的には、本発明のリチウム二次電池用の負極活物質層形成用組成物を負極に用いることで、充放電を行った際に、初期充電容量650mAh/g以上(特に670〜3000mAh/g)、初期放電容量600mAh/g以上(特に610〜3000mAh/g)で、且つ、初回から10回目までの充電容量比較で75%以上(特に80%以上)、初回から10回目までの充電容量比較で85%以上(特に90%以上)の容量維持率を達成することができる。
黒鉛としては、特に制限はなく、天然黒鉛及び人造黒鉛のいずれも使用できる。
黒鉛の形状は特に制限されず、例えば、球状、楕円状、方形等の他、鱗片、薄片状等の板状、ロッド状、無定形状等であってもよい。比表面積が高いものが好ましく、球状又は楕円状が好ましい。
本発明のリチウム二次電池用負極材料と、黒鉛との混合比率は、特に制限されないが、より充放電容量を維持しつつ、サイクル特性をより向上させる観点から、本発明のリチウム二次電池用負極材料と前記黒鉛との合計量100重量%に対して、前記リチウム二次電池用負極材料の含有量が3〜80重量%であることが好ましく、5〜50重量%がより好ましい。
本発明のリチウム二次電池用の負極活物質層形成用組成物には、本発明のリチウム二次電池用負極材料及び黒鉛以外にも、バインダーや、メソフェーズピッチ粉末、等方性ピッチ粉末、樹脂炭等の炭素前駆体を焼成したもの等の炭素材料等の導電材等を含ませてもよい。なお、これらの炭素材料は、単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
バインダーとしては、リチウム二次電池に使用されるバインダーであれば特に制限はないが、具体的には、フッ素系ポリマー(ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂等)、ポリオレフィン系ポリマー、合成ゴム等の公知のバインダーを使用することができる。
導電材の形状・形態は特に限定されるものではなく、鱗片状、塊状、繊維状、ウイスカー状、球状、破砕状等の各種のものが使用できる。なお、導電材は、2種以上の形状・形態のものの混合物であってもよい。
また、このような導電材の平均粒径は、特に制限されず、通常、1〜50μm程度が好ましく、5〜30μm程度がより好ましい。なお、黒鉛系炭素材料の平均粒子径は、電子顕微鏡(SEM)により測定されるものとする。
本発明のリチウム二次電池用の負極活物質層形成用組成物において、本発明のリチウム二次電池用負極材料及び黒鉛以外の含有量は、特に制限されないが、バインダーを0〜30重量%(特に3〜15重量%)、導電材を0〜40重量%(特に0〜5重量%)とすることが、容量、クーロン効率、繰り返し特性、エネルギー効率等の観点から好ましい。
4.リチウム二次電池用負極
本発明のリチウム二次電池用負極は、集電体及び前記集電体上に配置された負極活物質層を主に備えている。
集電体は、銅等の金属からなる、例えば箔状、メッシュ状等の部材である。
また、負極活物質層は、本発明のリチウム二次電池用負極材料を含んでいてもよいし、本発明のリチウム二次電池用の負極活物質層形成用組成物からなるものでもよい。
当該負極活物質層が本発明のリチウム二次電池用負極材料を含んでいる場合は、本発明のリチウム二次電池用負極材料以外にも、バインダーを含むことが好ましい。バインダーとしては、リチウム二次電池に使用されるバインダーであれば特に制限はないが、具体的には、フッ素系ポリマー(ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂等)、ポリオレフィン系ポリマー、合成ゴム等の公知のバインダーを使用することができる。
さらに、負極活物質層には、さらに、導電材として、炭素材料を含ませてもよい。
炭素材料は、炭素として一般に理解される範疇に入る材料であれば特に制限されないが、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ、メソフェーズピッチ粉末、等方性ピッチ粉末、樹脂炭等の炭素前駆体を焼成したもの等を挙げることができる。なお、これらの炭素材料は、単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
なお、本発明で用いられる炭素材料として特に好ましいものは、X線回折法により得られる(002)面の平均面間隔d002が0.340nm以下の炭素材料、特に、0.335〜0.340nmの炭素材料である。
上述の炭素材料の形状・形態は特に限定されるものではなく、鱗片状、塊状、繊維状、ウイスカー状、球状、破砕状等の各種のものが使用できる。なお、炭素材料は、2種以上の形状・形態のものの混合物であってもよい。
また、このような炭素材料の平均粒径は、特に制限されず、通常、1〜50μm程度が好ましく、5〜30μm程度がより好ましい。なお、黒鉛系炭素材料の平均粒子径は、電子顕微鏡(SEM)により測定されるものとする。
上記のような負極活物質層において、各成分の含有量は、特に制限されないが、本発明のリチウム二次電池用負極材料を50〜100重量部(特に70〜95重量部)、バインダーを0〜30重量部(特に3〜15重量部)、炭素材料を0〜40重量部(特に0〜5重量部)とし、合計を100重量部とすることが、容量、クーロン効率、繰り返し特性、エネルギー効率等の観点から好ましい。
また、負極活物質層の厚みは、特に制限されないが、イオンの浸透と電気伝導度を確保しかつロールした際にも剥がれが少ないという点では薄い方が良い一方で、電極あたりのエネルギー密度という点では厚い方が良いという観点から、5〜500μmが好ましく、10〜250μmがより好ましい。
このようなリチウム二次電池用負極を形成する場合は、本発明のリチウム二次電池用負極材料を、必要に応じてバインダー及び黒鉛系炭素材料と混合してペースト状にし、そのペーストを集電体上に塗布して負極活物質層を形成することが好ましい。また、本発明の負極活物質層が本発明のリチウム二次電池用の負極活物質層形成用組成物からなる場合は、同様に、本発明のリチウム二次電池用の負極活物質層形成用組成物を集電体上に塗布して負極活物質層を形成することが好ましい。
5.リチウム二次電池
本発明のリチウム二次電池は、上記した本発明のリチウム二次電池用負極を備えている。また、本発明のリチウム二次電池は、本発明のリチウム二次電池用負極以外に、公知のリチウム二次電池に適用される正極、電解液及びこれらを収納するための容器を備えることができる。
正極は、リチウムを含有する酸化物、例えば、LiCoO等のリチウム複合酸化物と公知のバインダーとを混合してペースト状にしたものを金属製等の正極集電体上に塗布したものである。なお、集電体は、一般的にはアルミ箔が用いられるが、負極集電体と同様のものを使用することもできる。
また、電解液は、非プロトン性有機溶媒に塩を溶解した電解液であって、正極と負極との間に配置されており、例えば、正極と負極との短絡を防止するための不織布等からなるセパレータに含浸されて保持されている。
なお、上述の電解液を構成する非プロトン性有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、ギ酸メチル、酢酸メチル等のエステル類;テトラヒドロフランや2−メチルテトラヒドロフラン等のフラン類;ジオキソラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、メトキシエトキシエタン等のエーテル類;ジメチルスルホキシド;スルホラン、メチルスルホラン等のスルホラン類;アセトニトリル等が挙げられる。これらの非プロトン性有機溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
一方、このような非プロトン性有機溶媒に溶解される塩は、例えば、過塩素酸リチウム、ホウフッ化リチウム、6フッ化リン酸リチウム、6フッ化砒酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ハロゲン化リチウム、塩化アルミン酸リチウム等のリチウム塩が挙げられる。これらの塩は、単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
このような本発明のリチウム二次電池は、負極に本発明の負極材料を用いているため、負極の充放電容量及びサイクル特性が高く、正極の活物質量を抑制することができる。このため、このリチウム二次電池は、多量の正極活物質を収容するための大型の容器を用いる必要がないので、従来のものに比べて小型化することができ、且つ充放電容量が大きく、また、負極が電解液と反応しにくいため安全性が高い。
なお、本発明のリチウム二次電池は、上述の電解液に代えて、公知の無機固体電解質や高分子固体電解質等の他の電解質を用いた場合も同様に実施することができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって制限されるものではない。
[実施例1]
<グラフェンの調製>
温度計及び冷却管を備えた500mL三口フラスコに濃硫酸23mLを入れ氷冷し、日本黒鉛工業株式会社製薄片化黒鉛粉末CMX(0.5g)を加え、撹拌した。ここに、NaNO(0.5g)、KMnO(3.0g)をゆっくり添加し、35℃で1時間撹拌した。さらに、蒸留水140mLを加え、30%H(3mL)を滴下し、90℃で30分間撹拌した。
得られた溶液を、18000rpmで90分間遠心分離し、固形分に蒸留水150mLを加えて撹拌し、再度遠心分離して固形分を得た。この遠心分離操作を計6回し、固形分を再度水に分散させ、酸化グラフェンの水分散液(0.57重量%)を得た。
<負極材料の調製>
上述で得られた酸化グラフェン水分散液(10.0mL)をイソプロピルアルコール(IPA)(11.5mL)で置換し、1重量%の酸化グラフェンIPA分散液(9.0g)を得た。
ここに、Nanostructured & Amorphous Materials, Inc.社製 Silicon Powder(平均粒子径30〜50nm)を0.21g、1重量%の単層カーボンナノチューブ(Nano Integris社製 Super Pure Tubs;平均外径1.4nm、平均長さ約0.5μm、平均アスペクト比357)のIPA分散液を3.0g加えて、氷冷下でホモジナイザー処理を2時間行い、グラフェン−ナノシリコン−単層カーボンナノチューブのIPA分散液を得た。この分散液をガラス基板上に滴下し、120℃で1.5時間真空乾燥した後、アルゴン雰囲気下で950℃に昇温し、1時間保持することで、実施例1の負極材料(グラフェン−ナノシリコン−単層カーボンナノチューブ複合体)を得た。この負極材料において、各成分の混合比率は、グラフェン:シリコン:単層カーボンナノチューブ=30:70:10(重量比)であった。
[比較例1]
単層カーボンナノチューブを用いなかったこと以外は実施例1と同様に、比較例1の負極材料を得た。この負極材料において、各成分の混合比率は、グラフェン:シリコン:単層カーボンナノチューブ=30:70:0(重量比)であった。
[比較例2]
単層カーボンナノチューブを用いず、1重量%の酸化グラフェンIPA分散液(9.0g)の代わりに1重量%のアセチレンブラックIPA分散液(9.0g)を用いたこと以外は実施例1と同様に、比較例2の負極材料を得た。この負極材料において、各成分の混合比率は、アセチレンブラック:シリコン:単層カーボンナノチューブ=30:70:0(重量比)であった。
[充放電試験用セルの製造(その1)]
上記の実施例1又は比較例1〜2で得た負極材料(シリコンとグラフェン又はアセチレンブラックの合計量を100重量部とする)に対し、バインダーとして20重量部のポリフッ化ビニリデン(PVDF)を加え、メノウ乳鉢で混合し、リチウム二次電池用負極合材を得た。
この合材12gを、東洋システム(株)製コインセル評価治具にセットした。セパレータにはグラスフィルターを使用し、1M LiPFを約300μL添加したエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート(EC/DEC)=1:1(体積比)を電解液 とし、対極はリチウム金属(φ16mm×1mm)を用いた。組み立ては、内部圧10N/cmとなるよう、アルゴン雰囲気下、露点−80℃以下のグローブボックス内で行った。
これにより、実施例1及び比較例1〜2について、充放電試験用セルを得た。
[試験例1:充放電試験]
上記で得た充放電試験用セルを30℃の恒温槽内に設置し、充放電試験を実施した。充放電の条件は以下:
(I)シリコン材料の容量に対して1/40Cの定電流で0.01Vになるまで充電
(II)0.01Vの定電圧で、電流値がシリコン材料の容量に対して1/60Cになるまで充電
(III)シリコン材料の容量に対して1/40Cの定電流で1.5Vになるまで放電
(IV)1.5Vの定電圧で、電流値がシリコン材料の容量に対して1/60Cになるまで放電
のとおりとした。
上記の(I)〜(IV)の充放電を8回繰り返し、特性評価を行った。充放電第1回目の初期充放電容量と初期クーロン効率、最終サイクル8回目の充放電容量とクーロン効率、放電容量の容量維持率を表1に示す。
Figure 0006599106
[実施例2:グラフェン+CNT]
<負極合材の調製>
黒鉛(大阪ガスケミカル(株)製のOMAC−R)80.0重量部、平均粒子径が2μmのシリコン粒子を用いたこと以外は実施例1と同様に作製したグラフェン−ナノシリコン−単層カーボンナノチューブ複合体9.0重量部、アセチレンブラック6.0重量部、バインダーとしてシリコンブタジエンゴム(SBR)2.0重量部、及び造粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)2.0重量部をメノウ乳鉢で混合し、実施例2のリチウム二次電池用負極合材(リチウム二次電池用の負極活物質層形成用組成物)を得た。
[比較例3:処理なし]
グラフェン−ナノシリコン−単層カーボンナノチューブ複合体ではなく、シリコン粒子(平均粒子径2μm)を使用したこと以外は実施例2と同様に、比較例3のリチウム二次電池用負極合材(リチウム二次電池用の負極活物質層形成用組成物)を得た。
[比較例4:ピッチベーパー]
シリコン粒子(平均粒子径2μm)と軟化点が285℃の石炭系等方性ピッチとを炭化炉内に別々に配置した。ここでは、炭化炉内に配置されたメッシュ上にシリコンを載置し、また、当該メッシュ下に、シリコンとピッチとの重量比が7:3となるように石炭系等方性ピッチを入れたトレーを配置した。そして、炭化炉内を窒素ガスで満たした後、炭化炉内の温度を300℃/時の昇温速度で950℃まで高めてシリコンを1.5時間加熱処理し、シリコンにピッチベーパーされたリチウム二次電池用負極材料を得た。
グラフェン−ナノシリコン−単層カーボンナノチューブ複合体ではなく、シリコンにピッチベーパーされたリチウム二次電池用負極材料を使用したこと以外は実施例2と同様に、比較例4のリチウム二次電池用負極合材(リチウム二次電池用の負極活物質層形成用組成物)を得た。
[比較例5:ピッチコート]
シリコン粒子(平均粒子径2μm)と軟化点が285℃の石炭系等方性ピッチとを炭化炉内に別々に配置した。ここでは、炭化炉内に配置されたメッシュ上にシリコンを載置し、また、当該メッシュ下に、シリコンとピッチとの重量比が5:5となるようにミル混合し、るつぼに入れて炭化炉にセットした。そして、炭化炉内を窒素ガスで満たした後、炭化炉内の温度を300℃/時の昇温速度で950℃まで高めてシリコンを1.5時間加熱処理し、シリコンにピッチコートされたリチウム二次電池用負極材料を得た。
グラフェン−ナノシリコン−単層カーボンナノチューブ複合体ではなく、シリコンにピッチコートされたリチウム二次電池用負極材料を使用したこと以外は実施例2と同様に、比較例5のリチウム二次電池用負極合材(リチウム二次電池用の負極活物質層形成用組成物)を得た。
[比較例6:グラフェン]
グラフェン−ナノシリコン−単層カーボンナノチューブ複合体ではなく、平均粒子径が2μmのシリコン粒子を用いたこと以外は比較例1と同様に作製した負極材料を使用したこと以外は実施例2と同様に、比較例6のリチウム二次電池用負極合材(リチウム二次電池用の負極活物質層形成用組成物)を得た。
[比較例7:グラフェン+VGCF]
単層カーボンナノチューブの代りに、平均繊維径が150nmの気相成長法炭素繊維を用い、平均粒子径が2μmのシリコン粒子を用いること以外は実施例1と同様に、負極材料を得た。
次に、グラフェン−ナノシリコン−単層カーボンナノチューブ複合体ではなく、上記で得た負極材料を使用したこと以外は実施例2と同様に、比較例7のリチウム二次電池用負極合材(リチウム二次電池用の負極活物質層形成用組成物)を得た。
[比較例8:膨張黒鉛(その1)]
SANYO SYZR502Hを、600℃で焼成(空気中、600℃/時間昇温−600℃保持1時間)したものを、1重量%でジオキサンに分散し、分散液(9.0g)を得た。
ここに、平均粒子径2μmのシリコンを0.21g加えて、氷冷下でホモジナイザー処理を2時間行い、膨張黒鉛−微粉シリコンのジオキサン分散液を得た。この分散液をガラス基板上に滴下し、120℃で1.5時間真空乾燥した後、アルゴン雰囲気下で950℃に昇温し、1時間保持することで、比較例8の負極材料(膨張黒鉛−微粉シリコン複合体)を得た。
次に、グラフェン−ナノシリコン−単層カーボンナノチューブ複合体ではなく、上記で得た負極材料を使用したこと以外は実施例2と同様に、比較例8のリチウム二次電池用負極合材(リチウム二次電池用の負極活物質層形成用組成物)を得た。
[比較例9:膨張黒鉛(その2)]
日本黒鉛(株)製のEXP−SMを、600℃で焼成(空気中、600℃/時間昇温−600℃保持1時間)したものを、1重量%でジオキサンに分散し、分散液(9.0g)を得た。この分散液をガラス基板上に滴下し、120℃で1.5時間真空乾燥した後、アルゴン雰囲気下で950℃に昇温し、1時間保持することで、比較例9の負極材料(膨張黒鉛−微粉シリコン複合体)を得た。
次に、グラフェン−ナノシリコン−単層カーボンナノチューブ複合体ではなく、上記で得た負極材料を使用したこと以外は実施例2と同様に、比較例9のリチウム二次電池用負極合材(リチウム二次電池用の負極活物質層形成用組成物)を得た。
[比較例10:アセチレンブラック]
グラフェン−ナノシリコン−単層カーボンナノチューブ複合体ではなく、比較例2で得た負極材料を使用したこと以外は実施例2と同様に、比較例10のリチウム二次電池用負極合材(リチウム二次電池用の負極活物質層形成用組成物)を得た。
[充放電試験用セルの製造(その2)]
実施例2及び比較例3〜10で得た負極合材12gを、コインセル評価治具にセットした。この際、電極厚みは50μm、電極密度は1.59g/cmとなるように調整した。セパレータにはグラスフィルターを使用し、1M LiPFを添加したエチレンカーボネート/メチルエチルカーボネート(EC/MEC)=3:7(体積比)を電解液 とし、対極はリチウム金属(φ16mm×1mm)を用いた。組み立ては、内部圧10N/cmとなるよう、アルゴン雰囲気下、露点−80℃以下のグローブボックス内で行った。
[試験例2:充放電試験]
上記で得た充放電試験用セルを30℃の恒温槽内に設置し、充放電試験を実施した。充放電の条件は以下:
(I)シリコン材料の容量に対して0.2Cの定電流で0.001Vになるまで充電
(II)0.001Vの定電圧で、8時間充電
(III)シリコン材料の容量に対して0.2Cの定電流で2.5Vになるまで放電
のとおりとした。
上記の(I)〜(III)の充放電を10回繰り返し、特性評価を行った。充放電第1回目の初期充放電容量と最終サイクル10回目の充放電を表2に示す。
Figure 0006599106

Claims (17)

  1. ナノ炭素、シリコン材料、及びカーボンナノチューブを含み、
    前記ナノ炭素がグラフェンシートであり、
    該グラフェンシートの層間に、前記シリコン材料及び前記カーボンナノチューブが存在する、
    リチウム二次電池用負極材料。
  2. 前記ナノ炭素の含有量が、前記シリコン材料100重量部に対して、1〜200重量部である、請求項1に記載のリチウム二次電池用負極材料。
  3. 前記カーボンナノチューブの含有量が、前記シリコン材料100重量部に対して、1〜50重量部である、請求項1又は2に記載のリチウム二次電池用負極材料。
  4. 前記シリコン材料が、シリコン粒子である、請求項1〜3のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極材料。
  5. 前記シリコン粒子の平均粒子径が、1nm〜100μmである、請求項4に記載のリチウム二次電池用負極材料。
  6. 前記カーボンナノチューブの平均外径が、1nm〜500nmである、請求項1〜5のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極材料。
  7. 前記グラフェンシートにおけるグラフェンの大きさが100nm〜1000μmである、請求項1〜6のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極材料。
  8. 前記ナノ炭素が、空孔を有する、請求項1〜7のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極材料。
  9. 前記シリコン材料は、表面が酸化している、請求項1〜8のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極材料。
  10. ナノ炭素、シリコン材料、及びカーボンナノチューブを含むリチウム二次電池用負極材料の製造方法であって、
    (1)ナノカーボン酸化物水分散液を第1有機溶媒で置換し、ナノカーボン酸化物分散液を得る工程、
    (2)前記工程(1)で得たナノカーボン酸化物分散液に、シリコン材料及びカーボンナノチューブを添加し、ナノカーボン酸化物、シリコン材料及びカーボンナノチューブを含む分散液を得る工程、及び
    (3)前記工程(2)で得た分散液に還元処理を施す工程
    を備え、
    前記ナノカーボン酸化物が酸化グラフェンである、製造方法。
  11. 前記工程(2)において、カーボンナノチューブは、あらかじめ第2有機溶媒に分散されている、請求項10に記載の製造方法。
  12. 前記工程(3)は、800〜1000℃で焼成することにより、酸化グラフェンを還元する工程である、請求項10又は11に記載の製造方法。
  13. 請求項1〜9のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極材料と、黒鉛とを含有する、リチウム二次電池用の負極活物質層形成用組成物。
  14. 前記リチウム二次電池用負極材料と前記黒鉛との合計量100重量%に対して、前記リチウム二次電池用負極材料の含有量が3〜80重量%である、請求項13に記載のリチウム二次電池用の負極活物質層形成用組成物。
  15. 集電体、及び前記集電体上に配置された請求項1〜のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極材料を含む負極活物質層を備える、リチウム二次電池用負極。
  16. 集電体、及び前記集電体上に配置された請求項13又は14に記載のリチウム二次電池用の負極活物質層形成用組成物からなる負極活物質層を備える、リチウム二次電池用負極。
  17. 請求項15又は16に記載のリチウム二次電池用負極を備えたリチウム二次電池。
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