JP6595367B2 - 包装箱 - Google Patents
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Description
そこで、圧縮荷重への耐久性を向上させるために、強度の向上が図られた包装箱が開発されている。
そのほか、容器において、上下に弾性変形するクッション部が設けられた容器が提案されている。この容器によれば、上下方向の荷重を吸収することができるとされる(特許文献2参照)。
しかしながら、上記のように圧縮荷重に対して変形が抑えられた包装箱に、弾性変形して圧縮荷重を吸収する容器が収容されたときには、包装箱の変形が抑えられることから、容器が十分に弾性変形することができず、容器に圧縮荷重を十分に担わせることができないおそれがある。そのため、変形の抑えられた包装箱は、容器に圧縮荷重を分担させるための変形が許容されず、破損するおそれがある。
この包装箱は、前記胴部の底辺をなす第一罫線と、上下方向の圧縮荷重が作用した場合に折り曲げられて前記容器に前記圧縮荷重を分担させる、前記胴部において前記第一罫線の上方に並設された第二罫線とを備えることを特徴としている。
(3)前記胴部の縦辺をなす第三罫線を備えることが好ましい。この場合、前記第二罫線は、前記第三罫線に対して間隔をおいて設けられることが好ましい。
(4)前記第二罫線の端部と前記第一罫線とが前記底部の厚み寸法とほぼ等しい距離だけ上下に離隔して設けられることが好ましい。すなわち、前記底部の厚み寸法に応じて、前記第二罫線の端部と前記第一罫線との離隔寸法が設定されることが好ましい。
(5)なお、前記胴部は、少なくとも一部が切断された切断部を有することが好ましい。
なお、本実施形態では、重力の作用方向を下方とし、下方の反対方向を上方とする。また、包装箱およびこれに組み立てられるシート材は、水平面に載置されたものとする。
[1.包装箱および容器]
図1に示すように、包装箱100には容器90が収容される。
ここでは、直方体状の収容空間を形成する包装箱100を例示する。また、容器90は、包装箱100の短辺方向に二列で長辺方向に三つづつ並ぶ六本が収容される。なお、容器90のそれぞれは同様に構成されている。
以下、容器90,包装箱100の順に説明する。
この容器90には、上下方向の圧縮荷重を吸収するために、上下に弾性変形するクッション部91が設けられている。
上下方向の圧縮荷重が容器90に作用したときには、クッション部91が上下に弾性変形して圧縮され、容器90の高さ寸法が縮められる。そのため、クッション部91で弾性変形する容器90によって圧縮荷重が吸収される。
つぎに、包装箱100を説明する。
包装箱100には、側面に配置される胴部1と、上面および下面のそれぞれに配置されるフラップ30とが設けられる。胴部1の上下にフラップ30が連設されている。
この胴部1には、少なくとも一部が切断された切断部が設けられる。ここでは、切断部として、切欠片7,破断補助線8および持手部9を例に挙げて説明する。
切欠片7および破断補助線8は、周方向に破断した包装箱100の下部をトレイ状に残して利用するために設けられている。ここでは、側壁部11,12のそれぞれに切欠片7が形成され、胴部1の全周に亘って破断補助線8(一点鎖線および破線で示す)が形成されている。
破断補助線8は、切欠片7と同じ高さ位置に設けられる。この破断補助線8としては、断続的に切断線が形成されたミシン目,厚み方向の一部(たとえば裏ライナのみ)が切断された半切線といった補助的な切断線が設けられる。たとえば、切欠片7の二本の第一切欠切断線LC1のそれぞれを延長した線上に破断補助線8が設けられる。
また、第一端壁部21に対しては、上方に第一上側内フラップ37が連設され、下方に第一下側内フラップ38が連設されている。同様に、第二端壁部22に対しては、上方に第二上側内フラップ39が連設され、下方に第二下側内フラップ40が連設される。
つづいて、図2を参照して、包装箱100を展開したシート材110を説明する。このシート材110は、上述した切欠片7,破断補助線8,持手部9や種々の罫線50,60,70,80(破線で示す)が設けられ、所定の形状に切り取られた一枚の包装資材である。ここでは、シート材110として段ボールシートが用いられている。
シート材110の説明では、包装箱100が組み立てられた状態のもとで、壁部10,20における水平方向をX方向とし、壁部10,20における上下方向をY方向とする。さらに、壁部10,20の上方をY1方向とするとともに下方をY2方向とし、壁部10,20の水平方向のうち一方(図2では左方)をX1方向とするとともに他方(図2では右方)をX2方向とする。
これらの壁部10,20のY方向寸法は、容器90の高さ寸法とほぼ等しいかやや大きく設定されている。そのため、包装箱100に収容された容器90の頂部は、上側外フラップ32,34または上側内フラップ37,39に突き当てられるかやや隙間を空けて収容される。
シート材110には、Y方向に沿う縦罫線(第三罫線)50と、X方向に沿って互いに平行に設けられた二種の罫線60,70とが設けられる。二種の罫線60,70のうち、Y1方向側に設けられたものを上罫線60、Y2方向側に設けられたものを下罫線(第一罫線)70とする。これらの罫線50,60,70は、直線状に設けられる。さらに、シート材110には、下罫線70のY1方向側に並設された補助罫線(第二罫線)80が設けられる。補助罫線80は、壁部10,20(胴部1)に設けられる。
なお、第一補助罫線81および第三補助罫線83は同様の形状に設けられ、第二補助罫線82および第四補助罫線84は同様の形状に設けられる。そこで、第一補助罫線81および第二補助罫線82に着目して、補助罫線80を説明する。
第一補助罫線81は、第一下罫線71の近傍に並んで設けられている。この第一補助罫線81は、第一側壁部11のX方向領域のうちの一部に設けられる。そのため、第一補助罫線81は、X1方向側の一端部81aが糊代縦罫線59に対してX方向に第一間隔S1をおいて設けられ、X2方向側の他端部81bが第一縦罫線51に対してX方向に第二間隔S2をおいて設けられる。
ここでは、第一間隔S1および第二間隔S2が等しく設定される。たとえば、第一間隔S1あるいは第二間隔S2として、上述した容器90の幅方向(長辺方向)寸法W1(図1参照)の約半分程度の寸法が設定される。さらに、第一側壁部11のX方向中心に第一補助罫線81のX方向中心が一致して設けられ、X方向に線対称な形状に第一補助罫線81が設けられている。
さらに、第一補助罫線81は、第一下罫線71に対して上方に離隔して並設される。この第一補助罫線81の端部81a,81bそれぞれと第一下罫線71との離隔寸法は、シート材110(包装箱100の底部)の厚みに応じて設定される。ここでは、第一補助罫線81の端部81a,81bそれぞれと第一下罫線71とがシート材110の厚みとほぼ等しい距離だけY方向(図1では上下)に離隔して設けられる。そのため、シート材110が厚くなるほど、第一下罫線71に対して第一補助罫線81が離隔して設けられる。ただし、第一補助罫線81の端部81a,81bと下罫線70との離隔寸法は、シート材110の厚みよりもやや大きく(たとえば厚みの2倍以内)設定されてもよい。
ただし、第二補助罫線82は、第一補助罫線81をX方向に縮小した形状、あるいは、第一補助罫線81に沿う弧をもつ円の半径よりも小さな半径の円の弧状に設けられる。
つぎに、図4を参照して、圧縮荷重が作用したときの包装箱100の変形を説明する。
図4には、包装箱100の変位を横軸に規定し、荷重を縦軸に規定する。
なお、変位とは、包装箱100の頂部(ここでは上側外フラップ32,34の表面)の下方への位置の変化量を意味する。そのため、変位は、荷重が印加されていないときの包装箱100の上下方向の寸法(壁部10,20のY方向寸法に対応)に対して上下方向に圧縮された変形量とも言える。また、荷重とは、変位に応じて測定される上下方向に包装箱100(ここでは上側外フラップ32,34の表面)を圧縮する荷重である。また、ここでは、一定速度で包装箱100を圧縮して変位させて、変位ごとの荷重を記録している。
第一ピークP1までは、変位が大きくなるにつれて荷重も大きくなる。それから、第一ピークP1から第二ピークP2までは、変位が大きくなるにつれて荷重が低下して、極小値P3を経たのちに荷重が上昇する。第二ピークP2では、包装箱100の壁部10,20が折れ曲がる。そして、破線で示すように更に変位が大きくなると、荷重が低下して、包装箱100が大きく折り曲がって破損する。
上記の第一ピークP1に向けて荷重が大きくなるときには、壁部10,20が鉛直面に沿った状態が保持される。このとき、下罫線70の真上に補助罫線80に位置する。
それから、第一ピークP1から変位が大きくなるにつれて荷重が小さくなるときには、図5(A)に示すように、壁部10,20が補助罫線80で山折りされるように、補助罫線80が外側かつ下方へ向けて変位する。このとき、補助罫線80よりも下方の壁部10,20は、外側へ膨らむように変形する。また、補助罫線80よりも上方の壁部10,20は、内側へ凹むように変形する。
それから、第二ピークP2までは、補助罫線80あるいは下罫線70よりも上方の壁部10,20が更に内側へ凹むように変形する。そして、第二ピークP2では、補助罫線80よりも上方の壁部10,20が折れ曲がる。
本実施形態の包装箱100は、上述のように構成されるため、以下のような作用および効果を得ることができる。
(1)下罫線70の上方に並設された補助罫線80が壁部10,20に設けられるため、上下方向の圧縮荷重が包装箱100に作用した場合には、壁部10,20が補助罫線80で折り曲げられる。補助罫線80が設けられていない従来の包装箱では壁部が外側または内側だけに変形するのに比較して、壁部10,20を外側および内側のそれぞれに変形させることができるため、壁部10,20の水平方向への変位が抑えられる。このように、下罫線70とこの上方の補助罫線80との間の領域を変形代として機能させることにより、胴部1の縦辺を形成する縦罫線50の水平方向への変位も抑えられる。よって、包装箱100の上下変位による変形を許容することで、包装箱100の破損を抑えることができる。
更に言えば、包装箱100の圧縮変形による破損の発生が抑えられることで外観を良好に保つことができる。また、包装箱100の荷崩れの防止を図ることができる。
そのほか、下罫線70の近傍に補助罫線80が並んで設けられることで、圧縮荷重の作用時に補助罫線80が上下に潰れて下罫線70の水平方向外側に変位したとしても、包装箱100の外観上の変化が抑えられる。
(3)縦罫線50に対して間隔をおいて設けられる補助罫線80に作用する圧縮荷重は、補助罫線80から縦罫線50へ直接的に伝達されることがない。よって、包装箱100の破損を更に確実に抑えることができる。
そのうえ、圧縮荷重が作用したときに、補助罫線80と下罫線70との間の部位を円滑に変形させることができ、包装箱100の破損の抑制に寄与する。
最後に、本実施形態のその他の変形例について述べる。
たとえば、補助罫線80は、連続的に設けられるほか、断続的に設けられてもよい。たとえば、Y方向に凸の円弧状の曲線をY方向端部(頂点)で二分割した形状の補助罫線80を用いてもよい。更に言えば、Y方向端部以外で分割された円弧状曲線あるいは三つ以上に分割した円弧状曲線の形状をなす補助罫線80を用いてもよい。このような形状に補助罫線80を設けることで、圧縮荷重が作用したときの補助罫線80の変位や包装箱100の変形を円滑に推移させることができる。
更に言えば、Y方向に凸の円弧状に限らず、たとえば直線状や直線の組み合わせによる円弧状などの種々の形状の補助罫線80を用いることができる。
そのほか、補助罫線80の端部81a,81b,82a,82bそれぞれと下罫線70とを接続する接続罫線が設けられてもよい。たとえば接続罫線は、Y方向に沿う直線状に形成される。この場合には、接続罫線のY方向寸法がシート材110(包装箱100の底部)の厚みとほぼ等しく設定される。ただし、たとえばシート材110の厚みよりもやや大きく(たとえば厚みの2倍以内に)接続罫線のY方向寸法が設定されてもよい。
なお、接続罫線は、直線状に限らず、補助罫線80の円弧を連続的に延長させた形状,その他の曲線状,波線状といった種々の形状とすることもできる。
7 切欠片(切断部)
8 破断補助線(切断部)
9 持手部(切断部)
10 側壁部
20 端壁部
30 フラップ
50 縦罫線(第三罫線)
60 上罫線
70 下罫線(第一罫線)
80 補助罫線(第二罫線)
81 第一補助罫線
82 第二補助罫線
83 第三補助罫線
84 第四補助罫線
90 容器
91 クッション部
100 包装箱
110 シート材
D1 第一変位
D2 第二変位
P1 第一ピーク
P2 第二ピーク
P3 極小値
S1,S1′ 第一間隔
S2,S2′ 第二間隔
W1 容器90の幅方向(長辺方向)寸法
W2 容器90の奥行き方向(短辺方向)寸法
Claims (5)
- 上下に弾性変形するクッション部を有する容器が収容され、底部から上方に立設された筒状の胴部を有する包装箱であって、
前記胴部の底辺をなす第一罫線と、
上下方向の圧縮荷重が作用した場合に折り曲げられて前記容器に前記圧縮荷重を分担させる、前記胴部において前記第一罫線の上方に並設された第二罫線と
を備えたことを特徴とする包装箱。 - 前記第二罫線は、上に凸の円弧状に形成された
ことを特徴とする請求項1に記載された包装箱。 - 前記胴部の縦辺をなす第三罫線を備え、
前記第二罫線は、前記第三罫線に対して間隔をおいて設けられた
ことを特徴とする請求項1または2に記載された包装箱。 - 前記第二罫線の端部と前記第一罫線とが前記底部の厚み寸法とほぼ等しい距離だけ上下に離隔して設けられた
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載された包装箱。 - 前記胴部は、少なくとも一部が切断された切断部を有する
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載された包装箱。
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