JP6594454B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

Description

本発明は、引出式の扉によって開閉される貯蔵室を有する冷蔵庫に関する。

従来の冷蔵庫としては、例えば、特許文献１には、貯蔵室を区画する仕切壁の下面部にシール材を設けた冷蔵庫が開示されている。特許文献１の冷蔵庫のシール材は、シール材を仕切壁の下面部に取り付ける取付部と、取付部から延在する先端部とを有している。特許文献１では、引出式の扉の閉止時に、シール材の先端部を冷蔵庫の裏面に設けられた凸部と接触させることにより、冷蔵庫内の冷気が、扉の裏面と仕切壁との間の隙間を介して冷蔵庫の外部に流れ込むのを遮断している。

特開２００２−０２２３５１号公報

しかしながら、特許文献１の冷蔵庫では、シール材の取付部が仕切壁の下面から突出した構成となっているため、シール材のクリープ又はシール材の成形時の反りにより、シール材の取付部が貯蔵室に収容される食料品等の被貯蔵物に接触する場合がある。シール材の取付部が被貯蔵物と接触することにより、引出式の扉の操作性が悪化し、引出式の扉の操作時に異音が発生する。また、シール材の取付部が被貯蔵物と接触することにより、シール材の先端部が破損する可能性も高くなる。また、シール材の取付部が仕切壁の下面から突出することにより、貯蔵庫における収容空間が制限される。したがって、特許文献１の冷蔵庫では、使用における快適性及び保冷性能に対する信頼性を確保できないという課題があった。

本発明は、上述の課題を解決するためのものであり、使用における快適性及び保冷性能に対する信頼性を確保することが可能な冷蔵庫を提供することを目的とする。

本発明の冷蔵庫は、正面が開口した箱体と、前記箱体の内部の空間を仕切る仕切壁と、前記仕切壁の下壁面の下面側に位置し、前記仕切壁によって区画された貯蔵空間を開閉可能な引出式扉と、前記貯蔵空間への空気の流入を遮蔽するパッキンとを備え、前記パッキンは、前記仕切壁の下壁面の下面に取り付けられる取付部材と、前記取付部材から延在し、前記引出式扉が閉止された状態で前記引出式扉の前記貯蔵空間の側の面と接触させ、前記貯蔵空間への空気の流入を遮蔽する遮蔽部材とを有し、前記取付部材の下縁部は、正面視において、前記仕切壁の下縁部より上方に位置しており、前記仕切壁の下壁面の下面は、側面視において、正面方向から背面方向に延在する下面部と、上下方向に延在する側面部とが交互に設けられた、階段形状の壁面であり、前記仕切壁の下壁面の下面には、前記側面部から前記下面部に沿って延在し、前記取付部材の正面側の末端部を下方から挟んで支持する支持部材と、前記支持部材より上方に位置し、前記取付部材の背面側の末端部を固定する固定部材とが設けられている。
また、本発明の冷蔵庫は、正面が開口した箱体と、前記箱体の内部の空間を仕切る仕切壁と、前記仕切壁の下壁面の下面側に位置し、前記仕切壁によって区画された貯蔵空間を開閉可能な引出式扉と、前記貯蔵空間への空気の流入を遮蔽するパッキンとを備え、前記パッキンは、前記仕切壁の下壁面の下面に取り付けられる取付部材と、前記取付部材から延在し、前記引出式扉が閉止された状態で前記引出式扉の前記貯蔵空間の側の面と接触させ、前記貯蔵空間への空気の流入を遮蔽する遮蔽部材とを有し、前記仕切壁の下壁面の下面には、前記取付部材の背面側の末端部を固定する固定部材が設けられており、前記取付部材の背面側の末端部は、側面視においてＵ字形状の末端部として構成されており、前記固定部材は、前記Ｕ字形状の末端部をはめて固定することが可能な突起部材として構成されており、前記取付部材の下縁部は、正面視において、前記仕切壁の下縁部より上方に位置している。

本発明では、パッキンの取付部材の下縁部は、正面視において、仕切壁の下縁部より上方に位置しており、パッキンの取付部材が被貯蔵物に接触するのを回避できるため、引出式の扉の操作性を維持でき、異音の発生及びパッキンの破損を抑制することができる。また、パッキンにより、貯蔵庫における収容空間が制限されることを回避できる。したがって、本発明によれば、使用における快適性及び保冷性能に対する信頼性を確保することが可能な冷蔵庫を提供することができる。

本発明の実施の形態１に係る冷蔵庫１００の外観構成の一例を示す概略的な正面図である。 本発明の実施の形態１に係る冷蔵庫１００の図１のＡ−Ａ断面における概略的な縦断面図である。 本発明の実施の形態１に係る冷蔵庫１００の仕切壁１０の構造の一部の一例を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態１に係る冷蔵庫１００の仕切壁１０の下面視における構造の一例を示す概略図である。 本発明の実施の形態１に係る冷蔵庫１００の仕切壁１０の構造の一部の別の一例を概略的に示す断面図である。

実施の形態１．
本発明の実施の形態１に係る冷蔵庫１００について説明する。図１は、本実施の形態１に係る冷蔵庫１００の外観構成の一例を示す概略的な正面図である。なお、以下の説明における冷蔵庫１００の各々の構成部材同士の位置関係、例えば上下、左右、前後等の位置関係は、原則として、冷蔵庫１００を使用可能な状態に設置したときの位置関係とする。また、図１を含む以下の図面では各構成部材の寸法の関係及び形状が、実際のものとは異なる場合がある。また、以下の図面では、同一又は類似する部材又は部分には、同一の符号を付すか、あるいは符号を付すことを省略している。

図１に示されるように、冷蔵庫１００は、最上部に回転式の両開き扉２として、冷蔵室左扉２ａ及び冷蔵室右扉２ｂを備えている。また、冷蔵室左扉２ａの下方には製氷室扉３ａが設けられ、冷蔵室右扉２ｂの下方には切替室扉３ｂが設けられている。製氷室扉３ａ及び切替室扉３ｂの下方には冷凍室扉３ｃが設けられ、冷凍室扉３ｃの下方には野菜室扉３ｄが設けられている。製氷室扉３ａ、切替室扉３ｂ、冷凍室扉３ｃ、及び野菜室扉３ｄは、引出式扉３として構成されている。両開き扉２及び引出式扉３は、冷蔵庫内部の保冷性能を維持できる構成となっており、例えば、図１を含む以下の図面では図示しないが、扉内板と、扉外板と、扉内板と扉外板との間に充填された断熱材とを備える構成にできる。

なお、本実施の形態１においては、冷蔵庫１００は、少なくとも１つの引出式扉３を備える構成であればよい。例えば、冷蔵庫１００は、製氷室扉３ａ又は切替室扉３ｂを備えていない構成としてもよい。また、製氷室扉３ａ、切替室扉３ｂ、冷凍室扉３ｃ、及び野菜室扉３ｄの一部については、例えば、回転式の片開き扉として構成してもよい。

図２は、本実施の形態１に係る冷蔵庫１００の図１のＡ−Ａ断面における概略的な縦断面図である。図２に示すように、冷蔵庫１００は、冷蔵庫１００の外郭を構成する鋼板製の外箱５ａと、冷蔵庫１００の内壁を構成する樹脂製の内箱５ｂと、外箱５ａと内箱５ｂとの間に充填された断熱材５ｃを有し、正面が開口した断熱性の箱体５を備えている。

冷蔵庫１００は、箱体５の内部空間を仕切る断熱性の仕切壁１０が複数枚設けられおり、仕切壁１０によって仕切られた複数の貯蔵空間２０が区画されている。図２では、冷蔵庫１００は、第１の仕切壁１２と、第２の仕切壁１４と、第３の仕切壁１６とを備えている。第１の仕切壁１２で仕切られた空間の上方には、貯蔵空間２０の一例である冷蔵室２０ａが区画され、冷蔵室左扉２ａ及び冷蔵室右扉２ｂの回転動作により、冷蔵室２０ａが開閉される。第１の仕切壁１２及び第２の仕切壁１４で仕切られた、第１の仕切壁１２と第２の仕切壁１４との間の空間には、貯蔵空間２０の一例である製氷室２０ｂが区画され、製氷室扉３ａの押し引きにより製氷室２０ｂが開閉される。第２の仕切壁１４及び第３の仕切壁１６で仕切られた、第２の仕切壁１４と第３の仕切壁１６との間の空間には、貯蔵空間２０の一例である冷凍室２０ｃが区画され、冷凍室扉３ｃの押し引きにより冷凍室２０ｃが開閉される。第３の仕切壁１６で仕切られた空間の下方には、貯蔵空間２０の一例である野菜室２０ｄが区画され、野菜室扉３ｄの押し引きにより冷凍室２０ｃが開閉される。なお、図２を含む以下の図面では図示しないが、第１の仕切壁１２と第２の仕切壁１４との間の空間には、貯蔵空間２０の一例である切替室も区画されており、切替室扉３ｂの押し引きにより切替室が開閉される。

冷蔵室左扉２ａ及び冷蔵室右扉２ｂの裏面２ｃ側には、食品又は飲料等の被貯蔵物を収納するためのラック２２が複数設けられている。また、冷蔵室２０ａの背面側には被貯蔵物を載置するための棚２４が複数設けられている。冷蔵室２０ａの背面下側の棚２４の下方には、被貯蔵物の鮮度を保つように温度調整可能な空間が複数設けられており、該空間には収納容器２６である複数のチルドケース２６ａが収容されている。

製氷室２０ｂには、収納容器２６である製氷室ケース２６ｂが収容されている。製氷室ケース２６ｂは、図示しないが、例えば、製氷室扉３ａの裏面３ｅ側に設けられた鋼板製のフレームに製氷室ケース２６ｂの底面部が取り付けられるように構成できる。

冷凍室２０ｃには、収納容器２６である大容量冷凍室ケース２６ｃ及び小容量冷凍室ケース２６ｄが収容されている。小容量冷凍室ケース２６ｄは、例えば、大容量冷凍室ケース２６ｃよりも奥行き寸法が短くなるように構成し、大容量冷凍室ケース２６ｃの上縁部を前後に摺動できるように構成できる。大容量冷凍室ケース２６ｃは、例えば、図示しないが、冷凍室扉３ｃの裏面３ｅ側に設けられた鋼板製のフレームに大容量冷凍室ケース２６ｃの底面部が取り付けられるように構成できる。

野菜室２０ｄには、収納容器２６である大容量野菜室ケース２６ｅ及び小容量野菜室ケース２６ｆが収容されている。小容量野菜室ケース２６ｆは、例えば、大容量野菜室ケース２６ｅよりも奥行き寸法が短くなるように構成し、大容量野菜室ケース２６ｅの上縁部を前後に摺動できるように構成できる。大容量野菜室ケース２６ｅは、例えば、図示しないが、野菜室扉３ｄの裏面３ｅ側に設けられた鋼板製のフレームに大容量野菜室ケース２６ｅの底面部が取り付けられるように構成できる。

なお、図２を含む以下の図面には図示しないが、切替室には、収納容器２６である切替室ケースが収容されている。切替室ケースは、例えば、切替室扉３ｂの裏面３ｅ側に設けられた鋼板製のフレームに切替室ケースの底面部が取り付けられるように構成できる。

冷蔵庫１００の底面の背面側には、圧縮機等の冷凍サイクル回路の構成部品の一部が収容されている機械室２７が設けられている。また、機械室２７の上方には、冷却器２９ａ及びファン２９ｂを収容する冷却器室２９が設けられている。冷蔵庫１００では、圧縮機、凝縮器、減圧装置、及び冷却器２９ａを順に配管で接続されており、冷媒を循環させる冷凍サイクル回路が構成されている。冷却器２９ａにおいては、冷却器２９ａの内部を流れる冷媒と、冷却器２９ａを通過する空気との間で熱交換が行われ、貯蔵空間２０を冷却する冷気が冷却器室２９で生成される。冷却器室２９で生成された冷気は、ファン２９ｂによって、貯蔵空間２０に循環される。

冷却器２９ａでの熱交換によって、空気中の水分が冷却器２９ａにおいて結露し、着霜する。冷却器２９ａに付着した霜は、冷却器２９ａの性能を維持するために、例えば電気ヒータ等を用いて定期的に融解され、例えば冷蔵庫１００の底部に設けた蒸発皿に除霜水として貯留される。蒸発皿に貯留された除霜水は、例えば、凝縮器で加熱して蒸発させることにより、水蒸気として冷蔵庫１００の外に放出される。なお、図２を含む以下の図面においては、圧縮機、凝縮器、減圧装置、電気ヒータ、及び蒸発皿は図示していない。

次に、本実施の形態１に係る冷蔵庫１００の仕切壁１０の構造について説明する。

図３は、本実施の形態１に係る冷蔵庫１００の仕切壁１０の構造の一部の一例を概略的に示す断面図である。図３においては、仕切壁１０の一例として、製氷室２０ｂと冷凍室２０ｃとを区画する第２の仕切壁１４の一部の構造が、製氷室扉３ａ及び冷凍室扉３ｃの内部構造とともに拡大して図示されている。

図３においては、第２の仕切壁１４は、内箱５ｂによって形成され、冷蔵庫１００の背面から正面方向に水平に延在する突起形状の外郭部と、該外郭部に収容された充填発砲された断熱材とを有する本体部３０を備えている。また、本体部３０の前面側には、正面視において左右方向に延在し、内箱５ｂの側面部及び本体部３０の前面に連結される仕切体３２が配置されている。

仕切体３２は、貯蔵空間２０の内部の断熱性能を維持するとともに、引出式扉３と仕切壁１０との密封性を高める仕切壁１０の末端部として機能する。仕切体３２は、仕切壁１０の前壁面を構成し、製氷室扉３ａ及び冷凍室扉３ｃの裏面３ｅと対面する前面板３６を備えている。前面板３６は、例えば、鋼板等の磁性体材料で構成される。仕切体３２においては、前面板３６の後部には、前面板３６における結露及び着霜を除去するための防露パイプ３８が設けられている。防露パイプ３８は、例えば冷凍サイクル回路の冷媒配管の一部として構成し、高温高圧のホットガスを供給するように構成できる。仕切体３２には、仕切体断熱材４０が設けられており、仕切体断熱材４０の前面は前面板３６で覆われており、仕切体断熱材４０の上面、後面、及び下面は仕切カバー４２によって覆われている。すなわち、防露パイプ３８及び仕切体断熱材４０は、前面板３６と仕切カバー４２とによって取り囲まれた構成となっている。

仕切体３２は、仕切カバー４２の後面を本体部３０の前面に連結することにより、仕切壁１０を構成している。また、仕切カバー４２の下面側及び本体部３０の下面側は、本実施の形態１に係る冷蔵庫１００の仕切壁１０の下壁面の下面１０ａを構成している。

製氷室扉３ａ及び冷凍室扉３ｃの裏面３ｅの周縁面には、ガスケット４４が配置されている。ガスケット４４は、製氷室扉３ａ及び冷凍室扉３ｃの裏面３ｅの周縁面の全周にわたって配置されている。ガスケット４４には、ガスケット４４と仕切体３２の前面板３６とを磁力により連結するためのマグネット４６が設けられている。製氷室扉３ａ及び冷凍室扉３ｃが閉止した状態では、ガスケット４４と前面板３６とが磁力により連結されるため、製氷室２０ｂ及び冷凍室２０ｃを密封することができ、貯蔵空間２０に気密性を向上させることができる。

冷凍室扉３ｃの裏面３ｅの上面部には、正面方向から背面方向に水平方向に延在する凸部４９が設けられており、凸部４９と仕切壁１０の下壁面の下面１０ａとの間に空間が形成される。本実施の形態１においては、当該空間をスロート部５０と称する。本実施の形態１の冷蔵庫１００においては、冷凍室扉３ｃの裏面３ｅの凸部４９に接触させることにより、冷凍室２０ｃの内部への空気の流入を遮蔽するパッキン５２が、仕切壁１０の下壁面の下面１０ａに配置されている。上述のパッキン５２により、スロート部５０が、仕切壁１０の周囲に冷凍室２０ｃの内部を循環する冷気から分離された空間となり、冷凍室２０ｃの断熱性を高めることができる。

次に、本実施の形態１に係る冷蔵庫１００のパッキン５２の構造及び配置について説明する。

パッキン５２は、仕切壁１０の下壁面の下面１０ａに取り付けられる取付部材５２ａと、取付部材５２ａから延在し、引出式扉３が閉止された状態で引出式扉３の裏面３ｅと接触させることにより、貯蔵空間２０への空気の流入を遮蔽する遮蔽部材５２ｂとを有している。パッキン５２の取付部材５２ａの下縁部５２ｅは、正面視において、仕切壁１０の下縁部１０ｂより上方に位置するように仕切壁１０に配置されている。

仕切壁１０の下壁面の下面１０ａは、側面視において、冷蔵庫１００の正面方向から背面方向に延在する下面部と下面方向から上面方向に延在する側面部とが交互に設けられた、階段形状の壁面として構成できる。例えば、図３では、仕切壁１０の下壁面の下面１０ａは、第１の下面部４２ａと、第１の下面部４２ａより上方に位置する第２の下面部４２ｂと、第２の下面部４２ｂより上方に位置する第３の下面部４２ｃと、第１の下面部４２ａと第２の下面部４２ｂとを連結する第１の側面部４２ｄと、第２の下面部４２ｂと第３の下面部４２ｃとを連結する第２の側面部４２ｅとを有している。本実施の形態１においては、第１の下面部４２ａが正面視における仕切壁１０の下縁部１０ｂとなる。

仕切壁１０の下壁面の下面１０ａには、第１の側面部４２ｄから第２の下面部４２ｂに沿って延在し、取付部材５２ａの正面側の末端部５２ｆを下方から挟んで支持する支持部材５４が設けられている。また、仕切壁１０の下壁面の下面１０ａには、支持部材５４より上方に位置し、取付部材５２ａの背面側の末端部５２ｇを固定する固定部材５５が設けられている。例えば、固定部材５５は第２の側面部４２ｅに設ける構成にできる。なお、支持部材５４及び固定部材５５は、仕切壁１０の仕切カバー４２と同一の材料で一体化して構成してもよいし、仕切カバー４２と異なる材料で構成してもよい。

また、本実施の形態１の冷蔵庫１００においては、パッキン５２の取付部材５２ａの背面側の末端部５２ｇは、側面視においてＵ字形状の末端部５２ｃとすることができる。また、固定部材５５は、第２の側面部４２ｅから延在する突起部材５５ａとして構成できる。これによって、Ｕ字形状の末端部５２ｃを固定部材５５にはめて固定することが可能となる。なお、突起部材５５ａは、仕切壁１０の仕切カバー４２と一体化して構成してもよいし、仕切壁１０の仕切カバー４２と別体の部材として構成してもよい。突起部材５５ａを仕切壁１０の仕切カバー４２と別体の部材として構成することにより、突起部材５５ａを簡易に製造することが可能となる。

また、遮蔽部材５２ｂは、取付部材５２ａから下方に延在するフィン形状の部材として構成できる。遮蔽部材５２ｂは、取付部材５２ａの全域にわたり、冷凍室扉３ｃの裏面３ｅの上面部に設けられた凸部４９に接触するように配置されている。図３では、遮蔽部材５２ｂとして、３つのフィン形状の部材を有するパッキン５２が記載されている。

なお、パッキン５２の取付部材５２ａは、硬質ポリ塩化ビニル又はポリプロピレンといった、硬質性の樹脂製にできる。これにより、取付部材５２ａが支持部材５４から脱離するのを回避することができる。また、パッキン５２の遮蔽部材５２ｂは、軟質ポリ塩化ビニル又はオレフィン系エラストマといった軟質性の樹脂製にできる。これにより、遮蔽部材５２ｂによる食品等の被貯蔵物又は引出式扉３の損傷を回避することができる。

図４は、本実施の形態１に係る冷蔵庫１００の仕切壁１０の下面視における構造の一例を示す概略図である。図４においては、紙面上方が冷蔵庫１００の正面側となっている。

本実施の形態１の冷蔵庫１００では、支持部材５４及び固定部材５５は、それぞれ複数配置した構成としてもよい。図４では、支持部材５４は、仕切カバー４２の第１の側面部４２ｄの壁面の長手方向に沿って４つ、固定部材５５は、仕切カバー４２の第２の側面部４２ｅの壁面の長手方向に沿って５つ配置されている。また、図４に示すように、支持部材５４は、正面視において固定部材５５と配置位置が重ならないように配置されている。なお、支持部材５４及び固定部材５５は、第１の側面部４２ｄ及び第２の側面部４２ｅの長手方向に沿って複数の支持部材５４及び固定部材５５を一体化したものとしてもよい。

図５は、本実施の形態１に係る冷蔵庫１００の仕切壁１０の構造の一部の別の一例を概略的に示す断面図である。

本実施の形態１の冷蔵庫１００では、取付部材５２ａと遮蔽部材５２ｂとの連結部５２ｄは、正面視において、仕切壁１０の下縁部１０ｂより上方に位置するように配置される。具体的には、図５に示すように、取付部材５２ａと遮蔽部材５２ｂとの連結部５２ｄと、第１の下面部４２ａ、すなわち、正面視における仕切壁１０の下縁部１０ｂとの間の距離Ｘが、３ｍｍ以上となるように配置される。これにより、引出式扉３の開閉により、貯蔵空間２０に収納される食品等の被貯蔵物が連結部５２ｄに接触するのを回避できるため、遮蔽部材５２ｂの連結部５２ｄからの損傷を防ぐことができる。

また、図５では、取付部材５２ａの正面側の末端部５２ｆを支持部材５４と第２の下面部４２ｂとの間の空間に案内する誘導部材５６が支持部材５４の先端に設けられており、パッキン５２を取り付ける際の組み込みを容易にしている。

以上に説明したように、本実施の形態１の冷蔵庫１００は、正面が開口した箱体５と、箱体５の内部の空間を仕切る仕切壁１０と、仕切壁１０の下壁面の下面１０ａ側に位置し、仕切壁１０によって区画された貯蔵空間２０を開閉可能な引出式扉３と、貯蔵空間２０への空気の流入を遮蔽するパッキン５２とを備え、パッキン５２は、仕切壁１０の下壁面の下面１０ａに取り付けられる取付部材５２ａと、取付部材５２ａから延在し、引出式扉３が閉止された状態で引出式扉３の裏面３ｅ、すなわち貯蔵空間２０側の面と接触させ、貯蔵空間２０への空気の流入を遮蔽する遮蔽部材５２ｂとを有し、取付部材５２ａの下縁部５２ｅは、正面視において、仕切壁１０の下縁部１０ｂより上方に位置している。

上述の構成によれば、パッキン５２の取付部材５２ａの下縁部５２ｅは、正面視において、仕切壁１０の下縁部１０ｂより上方に位置しており、パッキン５２の取付部材５２ａが被貯蔵物に接触するのを回避できるため、引出式扉３の操作性を維持でき、異音の発生及びパッキン５２の破損を抑制することができる。また、上述の構成によれば、パッキン５２によって、冷蔵庫１００における収容空間が制限されることを回避できる。また、上述の構成によれば、パッキン５２以外の部材を設けることなく、パッキン５２の破損を抑制し、冷蔵庫１００における収容空間の制限を回避できる。したがって、本発明によれば、使用における快適性及び保冷性能に対する信頼性を安価に確保することが可能な冷蔵庫１００を提供することができる。また、パッキン５２の破損が抑制されるため、冷蔵庫１００におけるエネルギー消費量も削減できる。

また、仕切壁１０の下壁面の下面１０ａは、側面視において、正面方向から背面方向に延在する下面部と、上下方向に延在する側面部とが交互に設けられた、階段形状の壁面として構成できる。上述の構成によれば、パッキン５２の取付部材５２ａの下縁部５２ｅは、正面視において、仕切壁１０の下縁部１０ｂより上方に位置するように配置するのが簡易になる。

また、仕切壁１０の下壁面の下面１０ａには、側面部から下面部に沿って延在し、取付部材５２ａの正面側の末端部５２ｆを下方から挟んで支持する支持部材５４と、支持部材５４より上方に位置し、取付部材５２ａの背面側の末端部５２ｇを固定する固定部材５５とが設けられるように構成できる。上述の構成によれば、パッキン５２の取付部材５２ａの下縁部５２ｅは、正面視において、仕切壁１０の下縁部１０ｂより上方に位置するように配置するのが簡易になるとともに、パッキン５２の脱離が回避可能となる。また、支持部材５４及び固定部材５５を複数個設けることにより、パッキン５２の脱離に対する安定性を向上できる。

また、取付部材５２ａの背面側の末端部５２ｇは、側面視においてＵ字形状の末端部５２ｃとして構成し、固定部材５５は、Ｕ字形状の末端部５２ｃをはめて固定することが可能な突起部材５５ａとして構成することができる。上述の構成によれば、Ｕ字形状の末端部５２ｃをはめて固定することできるため、パッキン５２の脱離に対する安定性を更に向上させることができる。また、突起部材５５ａを仕切壁１０と別体の部材として構成することにより、突起部材５５ａを簡易に製造することができる。

また、取付部材５２ａと遮蔽部材５２ｂとの連結部５２ｄは、正面視において、仕切壁１０の下縁部１０ｂより上方に位置するように構成できる。上述の構成によれば、引出式扉３の開閉により、貯蔵空間２０に収納される食品等の被貯蔵物が連結部５２ｄに接触するのを回避できるため、遮蔽部材５２ｂの連結部５２ｄからの損傷を防ぐことができる。したがって、上述の構成によれば、冷蔵庫１００の保冷性能に対する信頼性を向上させることができる。

また、遮蔽部材５２ｂは、取付部材５２ａから下方に延在するフィン形状の部材として構成でき、引出式扉３の裏面３ｅ、すなわち貯蔵空間２０側の面には、フィン形状の部材を接触させる凸部４９が設けられるように構成できる。上述の構成によれば、凸部４９と仕切壁１０の下壁面の下面１０ａとの間の空間であるスロート部５０を遮蔽部材５２ｂで遮蔽することにより、貯蔵空間２０への空気の流入を遮蔽できる。したがって、上述の構成によれば、冷蔵庫１００の保冷性能に対する信頼性を向上させることができる。

また、取付部材５２ａは硬質性の樹脂製として構成し、遮蔽部材５２ｂは軟質性の樹脂製として構成できる。上述の構成によれば、取付部材５２ａが支持部材５４から脱離するのを回避し、遮蔽部材５２ｂによる食品等の被貯蔵物又は引出式扉３の損傷を回避することができる。

その他の実施の形態．
本発明は、上述の実施の形態１に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。例えば、冷蔵庫１００は、図１及び図２に示した構成のものに限られず、例えば、冷蔵室２０ａと冷凍室２０ｃのみを有する構成としてもよい。

２ 両開き扉、２ａ 冷蔵室左扉、２ｂ 冷蔵室右扉、２ｃ 裏面、３ 引出式扉、３ａ 製氷室扉、３ｂ 切替室扉、３ｃ 冷凍室扉、３ｄ 野菜室扉、３ｅ 裏面、５ 箱体、５ａ 外箱、５ｂ 内箱、５ｃ 断熱材、１０ 仕切壁、１０ａ 下壁面の下面、１０ｂ 下縁部、１２ 第１の仕切壁、１４ 第２の仕切壁、１６ 第３の仕切壁、２０ 貯蔵空間、２０ａ 冷蔵室、２０ｂ 製氷室、２０ｃ 冷凍室、２０ｄ 野菜室、２２ ラック、２４ 棚、２６ 収納容器、２６ａ チルドケース、２６ｂ 製氷室ケース、２６ｃ 大容量冷凍室ケース、２６ｄ 小容量冷凍室ケース、２６ｅ 大容量野菜室ケース、２６ｆ 小容量野菜室ケース、２７ 機械室、２９ 冷却器室、２９ａ 冷却器、２９ｂ ファン、３０ 本体部、３２ 仕切体、３６ 前面板、３８ 防露パイプ、４０ 仕切体断熱材、４２ 仕切カバー、４２ａ 第１の下面部、４２ｂ 第２の下面部、４２ｃ 第３の下面部、４２ｄ 第１の側面部、４２ｅ 第２の側面部、４４ ガスケット、４６ マグネット、４９ 凸部、５０ スロート部、５２ パッキン、５２ａ 取付部材、５２ｂ 遮蔽部材、５２ｃ Ｕ字形状の末端部、５２ｄ 連結部、５２ｅ 下縁部、５２ｆ 正面側の末端部、５２ｇ 背面側の末端部、５４ 支持部材、５５ 固定部材、５５ａ 突起部材、５６ 誘導部材、１００ 冷蔵庫。

Claims (9)

1. 正面が開口した箱体と、
   前記箱体の内部の空間を仕切る仕切壁と、
   前記仕切壁の下壁面の下面側に位置し、前記仕切壁によって区画された貯蔵空間を開閉可能な引出式扉と、
   前記貯蔵空間への空気の流入を遮蔽するパッキンと
   を備え、
   前記パッキンは、
   前記仕切壁の下壁面の下面に取り付けられる取付部材と、
   前記取付部材から延在し、前記引出式扉が閉止された状態で前記引出式扉の前記貯蔵空間の側の面と接触させ、前記貯蔵空間への空気の流入を遮蔽する遮蔽部材と
   を有し、
   前記取付部材の下縁部は、正面視において、前記仕切壁の下縁部より上方に位置しており、
   前記仕切壁の下壁面の下面は、側面視において、正面方向から背面方向に延在する下面部と、上下方向に延在する側面部とが交互に設けられた、階段形状の壁面であり、
   前記仕切壁の下壁面の下面には、前記側面部から前記下面部に沿って延在し、前記取付部材の正面側の末端部を下方から挟んで支持する支持部材と、前記支持部材より上方に位置し、前記取付部材の背面側の末端部を固定する固定部材とが設けられている
   冷蔵庫。
2. 正面が開口した箱体と、
   前記箱体の内部の空間を仕切る仕切壁と、
   前記仕切壁の下壁面の下面側に位置し、前記仕切壁によって区画された貯蔵空間を開閉可能な引出式扉と、
   前記貯蔵空間への空気の流入を遮蔽するパッキンと
   を備え、
   前記パッキンは、
   前記仕切壁の下壁面の下面に取り付けられる取付部材と、
   前記取付部材から延在し、前記引出式扉が閉止された状態で前記引出式扉の前記貯蔵空間の側の面と接触させ、前記貯蔵空間への空気の流入を遮蔽する遮蔽部材と
   を有し、
   前記仕切壁の下壁面の下面には、前記取付部材の背面側の末端部を固定する固定部材が設けられており、
   前記取付部材の背面側の末端部は、側面視においてＵ字形状の末端部として構成されており、
   前記固定部材は、前記Ｕ字形状の末端部をはめて固定することが可能な突起部材として構成されており、
   前記取付部材の下縁部は、正面視において、前記仕切壁の下縁部より上方に位置している
   冷蔵庫。
3. 前記突起部材は、前記仕切壁と別体の部材として構成されている
   請求項２に記載の冷蔵庫。
4. 前記仕切壁の下壁面の下面は、側面視において、正面方向から背面方向に延在する下面部と、上下方向に延在する側面部とが交互に設けられた、階段形状の壁面である
   請求項２又は３に記載の冷蔵庫。
5. 前記仕切壁の下壁面の下面には、前記側面部から前記下面部に沿って延在し、前記取付部材の正面側の末端部を下方から挟んで支持する支持部材が設けられており、前記固定部材は、前記支持部材より上方に位置している
   請求項４に記載の冷蔵庫。
6. 前記支持部材及び前記固定部材は複数個設けられている
   請求項１又は５に記載の冷蔵庫。
7. 前記取付部材と前記遮蔽部材との連結部は、正面視において、前記仕切壁の下縁部より上方に位置している
   請求項１〜６のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
8. 前記遮蔽部材は、前記取付部材から下方に延在するフィン形状の部材として構成され、前記引出式扉の前記貯蔵空間の側の面には、前記フィン形状の部材を接触させる凸部が設けられている
   請求項１〜７のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
9. 前記取付部材は硬質性の樹脂製であり、前記遮蔽部材は軟質性の樹脂製である
   請求項１〜８のいずれか一項に記載の冷蔵庫。

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