JP6591705B1 - 化粧板及び化粧板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】亀裂又は割れが目立たない意匠性に優れた化粧板及びその製造方法を提供する。【解決手段】表面に凹凸模様が形成された基材10と、該基材10の表面1上に形成された塗膜30とを備えた化粧板50において、塗膜30に繊維状の顔料を含ませ、該塗膜30を基材10の表面1に形成された凹凸模様に沿う凹凸形状に形成する。【選択図】図2

Description

本発明は、住宅等の建物の内装材、造作材、開口部材、家具等の化粧材として用いられる化粧板及び化粧板の製造方法に関するものである。
従来、住宅等の建物の内装材、造作材、開口部材、家具等の化粧板の基材として、エンボス型でプレス加工することによって化粧面となる表面に凹凸模様を形成し、さらに、表面に塗装を施した化粧板が用いられている(下記の特許文献1を参照)。
特許文献1では、化粧板は、以下の工程で製造される。鉱物質繊維と無機質紛状体と結合剤とを含むスラリーを湿式抄造して形成した湿潤マット(ウェットマット)で板状の湿潤基材を形成し、これを結合剤が硬化しない条件下で乾燥させて乾燥基材(ドライボード)を形成する。そして、乾燥基材の少なくとも表面に水又は樹脂水溶液を塗布して軟化させた後、乾燥基材をエンボス型で加熱圧縮(エンボス加工)して結合剤を硬化させて表面に凹凸模様が形成された無機質板を形成し、この無機質板の表面にさらに塗装を施すことにより、凹凸模様が形成された表面に化粧層が形成された化粧板が得られる。
特開2005−298988号公報
ところで、上記化粧板では、エンボス加工によって、表面に深くシャープな凹部を有する凹凸模様を形成する場合に、基材がエンボス型通りに変形できず、凸部のエッジにおいて微細な亀裂又は割れを生じることがある。このような亀裂又は割れは、薄塗りの塗装では隠蔽することができない。また、厚塗りの塗装では、亀裂又は割れを隠蔽することができても、凹凸模様を消失させて意匠性を損なう虞があった。つまり、従来の塗装手法では、エンボス加工によって生じた亀裂又は割れを、意匠性を損なうことなく隠蔽することができなかった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、亀裂又は割れが目立たない意匠性に優れた化粧板及びその製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明では、表面に凹凸模様が形成された基材の表面上に形成される塗膜に繊維状の顔料を含ませ、該塗膜を上記凹凸模様に沿う凹凸形状に形成することとした。
具体的には、第1の発明は、表面にエンボス型による凹凸模様が形成された加熱圧縮形成物からなる基材と、該基材の表面上に形成された塗膜とを備えた化粧板であって、上記塗膜は、繊維状の顔料を含み、上記凹凸模様に沿う凹凸形状に形成され、上記塗膜のうちの上記繊維状の顔料を含む塗膜層は、該繊維状の顔料を1重量%以上5重量%以下の範囲で含む塗料で形成されていることを特徴とするものである。
第1の発明では、塗膜が繊維状の顔料を含んでいる。そのため、基材の表面に微細な亀裂又は割れが生じていたとしても、亀裂又は割れの上に、繊維状の顔料が重なることにより、亀裂又は割れが目立ち難くなる。これにより、亀裂又は割れを隠蔽するために基材の表面上に分厚い塗膜を形成して細かな凹凸模様を消失させてしまうことなく、凹凸模様に沿う凹凸形状の薄い塗膜で亀裂又は割れを隠蔽することができる。よって、第1の発明によれば、亀裂又は割れが目立たない意匠性に優れた化粧板を提供することができる。
第2の発明は、第1の発明において、上記繊維状の顔料の繊維長は、500μm以下であることを特徴とするものである。
第2の発明では、塗膜に含まれる繊維状の顔料が、500μm以下の長さに形成されている。500μmを超える長さの繊維状の顔料を含む塗料では、スプレーノズルが詰まり易くなるため、スプレー塗装が行い難い。しかしながら、第2の発明によれば、繊維状の顔料を含む塗膜を、スプレー塗装によって容易に且つ安価に形成することができる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、上記塗膜は、光沢を有する薄片状の顔料及び濃色の薄片状の顔料の少なくとも一方を含んでいることを特徴とするものである。
第3の発明では、塗膜が、光沢を有する薄片状の顔料及び濃色の薄片状の顔料の少なくとも一方を含んでいる。このような塗膜により、基材の表面上には、光沢を有する薄片状の顔料又は濃色の薄片状の顔料が鏤められる。このようにして基材の表面上に鏤められた光沢を有する薄片状の顔料又は濃色の薄片状の顔料により、基材の表面上は、全体に一様な細かい模様が施されたように見える。そのため、基材の表面に微細な亀裂又は割れが生じていたとしても、亀裂又は割れが目立ち難くなる。よって、第3の発明によれば、亀裂又は割れが目立たない意匠性に優れた化粧板を提供することができる。
第4の発明は、第3の発明において、上記薄片状の顔料の粒子径は、500μm以下であることを特徴とするものである。
第4の発明では、塗膜に含まれる薄片状の顔料が、500μm以下の粒子径に形成されている。500μmを超える粒子径の薄片状の顔料を含む塗料では、スプレーノズルが詰まり易くなるため、スプレー塗装が行い難い。しかしながら、第4の発明によれば、薄片状の顔料を含む塗膜を、スプレー塗装によって容易に且つ安価に形成することができる。
また、他の発明では、上記の目的を達成するために、表面に凹凸模様が形成された基材の表面上に、繊維状の顔料を含む塗料を塗布することによって上記凹凸模様に沿う凹凸形状の塗膜を形成することとした。
具体的には、第5の発明は、表面に凹凸模様が形成された化粧板の製造方法であって、エンボス型で基材をプレスして該基材の表面に凹凸模様を形成するプレス工程と、上記プレス工程後、上記基材の表面上に上記凹凸模様に沿う凹凸形状の下塗り塗膜層を形成する下塗り塗装工程と、上記下塗り塗装工程後、上記下塗り塗膜層上に該下塗り塗膜層に沿う凹凸形状の上塗り塗膜層を形成する上塗り塗装工程とを備え、上記下塗り塗装工程及び上記上塗り塗装工程の少なくとも一方では、繊維状の顔料を1重量%以上5重量%以下の範囲で含む塗料を塗布することを特徴とするものである。
第5の発明では、エンボス型で凹凸模様が形成された基材の表面上に、凹凸模様に沿う凹凸形状の下塗り塗膜層と上塗り塗膜層とを形成するにあたり、少なくとも一方の塗膜層を、繊維状の顔料を含む塗料を塗布することによって形成することとした。そのため、エンボス型でのプレス加工によって基材の表面に微細な亀裂又は割れが生じていたとしても、下塗り塗装工程及び上塗り塗装工程の少なくとも一方において繊維状の顔料を含む塗料が塗布されることにより、亀裂又は割れの上に繊維状の顔料が重なり、亀裂又は割れが目立ち難くなる。これにより、亀裂又は割れを隠蔽するために基材の表面上に分厚い塗膜層を形成して細かな凹凸模様を消失させてしまうことなく、凹凸模様に沿う凹凸形状の薄い塗膜層を形成するだけで亀裂又は割れを隠蔽することができる。よって、第5の発明によれば、亀裂又は割れが目立たない意匠性に優れた化粧板を製造することができる。
第6の発明は、第5の発明において、上記繊維状の顔料の繊維長は、500μm以下であることを特徴とするものである。
第6の発明では、下塗り塗膜層及び上塗り塗膜層の少なくとも一方を形成するための塗料に含まれる繊維状の顔料が、500μm以下の長さに形成されている。500μmを超える長さの繊維状の顔料を含む塗料では、スプレーノズルが詰まり易くなるため、スプレー塗装が行い難い。しかしながら、第6の発明によれば、繊維状の顔料を含む塗料を、スプレー塗装によって容易に且つ安価に塗布することができる。
第7の発明は、第5又は第6の発明において、上記塗料には、光沢を有する薄片状の顔料及び濃色の薄片状の顔料の少なくとも一方が含まれ、上記薄片状の顔料の粒子径は、500μm以下であることを特徴とするものである。
以上説明したように、本発明によると、表面に凹凸模様が形成された基材の表面上に形成される塗膜に繊維状の顔料を含ませ、該塗膜を上記凹凸模様に沿う凹凸形状に形成することとしたため、亀裂又は割れが目立たない意匠性に優れた化粧板を提供することができる。
また、本願の他の発明によると、表面に凹凸模様が形成された基材の表面上に、繊維状の顔料を含む塗料を塗布することによって上記凹凸模様に沿う凹凸形状の塗膜を形成することとしたため、亀裂又は割れが目立たない意匠性に優れた化粧板を製造することができる。
図1は、本発明の実施形態1に係る無機質化粧板を示す斜視図である。 図2は、図1のII−II線方向の断面図である。 図3は、本発明の実施形態1に係る無機質化粧板の製造方法を示すフローチャートである。 図4Aは、本発明の実施形態1に係る無機質化粧板を製造する工程を示す工程図である。 図4Bは、本発明の実施形態1に係る無機質化粧板を製造する工程を示す工程図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態は、本質的に好ましい例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
図1及び図2は、本発明の実施形態1に係る化粧板50を示している。化粧板50は、エンボス加工によって表面1に凹凸模様が形成された基材10と、該基材10の表面1上に上記凹凸模様に沿う凹凸形状に形成された塗膜30とを備え、例えば、住宅等の建物の内装材、造作材、開口部材、家具等の化粧材として用いられる。
−基材の構成−
基材10は、本実施形態では、表面1側(図2の上側)に位置する表層(第1層)11と、裏面2側(図2の下側)に位置する裏層(第3層)12と、表層11と裏層12との間に位置する芯層(第2層)13とを有し、三層構造に構成されている。表層11と裏層12とは、互いに同じものであり、鉱物質繊維と無機質紛状体と結合剤とを主成分とする層である。一方、芯層13は、軽量骨材と結合剤と繊維を主成分とする層である。表層11と裏層12と芯層13とは、結合剤の硬化によって複合一体化されている。
基材10は、エンボス型20によって加熱圧縮されることにより、表層11側の表面1に、凹凸模様が形成されている。凹凸模様は、本実施形態では、深彫り形状の石目調のタイル模様に形成されている。なお、凹凸模様は、いかなるものであってもよい。本実施形態では、基材10の厚さは、最も薄い部分で6mm、最も厚い部分で9mmとなるように、凹凸模様が形成されている。
〈表層及び裏層の主成分〉
[鉱物質繊維]
表層11と裏層12の鉱物質繊維として、ロックウール、スラグウール、ミネラルウール、グラスウール等を用いることができる。これらは、単独で用いることも可能であり、複数を組み合わせて用いてもよい。鉱物質繊維は、粘りと強度とを持たせつつ、高い表面性を得るために添加されるものであり、固形成分全体の40重量%以上80重量%以下だけ添加される。鉱物質繊維は、添加量が40重量%未満になると、鉱物質繊維どうしの絡み合いが少なくなって曲げ強度が弱くなり、また、80重量%を超えると、無機質紛状体の添加割合が少なくなるため、表面の緻密性が低くなり、化粧性が損なわれるためである。
[無機質紛状体]
表層11と裏層12の無機質紛状体として、炭酸カルシウム、マイクロシリカ、水酸化アルミニウム、スラグ紛等を用いることができる。これらは、単独で用いることも可能であり、複数を組み合わせて用いてもよい。無機質紛状体は、防火性及び硬度を確保するために添加されるものであり、固形成分全体の20重量%以上60重量%以下だけ添加される。無機質紛状体は、添加量が20重量%未満になると、形成される化粧板50の表面の緻密性が低くなって化粧性が損なわれ、また、60重量%を超えると、鉱物質繊維の添加割合が少なくなるため、曲げ強度が弱くなるためである。
[結合剤]
表層11と裏層12の結合剤は、熱硬化性樹脂結合剤であり、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素メラミン樹脂等の粉末状、或いは水性結合剤を用いることができる。また、結合剤として、ポリビニルアルコール、スターチ類、ポリアクリルアミド、SBRラテックス、アクリル樹脂エマルジョン等の水溶性又は水分散性の高分子結合剤を、熱硬化性樹脂と併用することも可能である。結合剤は、鉱物質繊維及び無機質紛状体を含む成分を結合するために添加されるものであり、固形成分全体の5重量%以上20重量%以下、好ましくは、7重量%以上15重量%以下だけ添加される。結合剤は、添加量が5重量%未満になると、強度が不足する一方、20重量%を超えると、不燃性が損なわれるためである。
〈芯層の主成分〉
[軽量骨材]
芯層13の軽量骨材として、パーライト、シラス発泡体、シリカフラワー、ガラス発泡体等を用いることができる。軽量骨材は、圧縮強度を確保しつつ、軽量化するために添加されるものであり、固形成分全体の40重量%以上90重量%以下だけ添加される。軽量骨材は、添加量が40重量%未満になると、軽量化が不十分になり、また、散布時に均一に撒くことが難しくなる一方、90重量%を超えると、強度が弱くなり、また、圧縮時の圧力が高くなりすぎて生産性が低下するためである。
[結合剤]
芯層13の結合剤は、熱硬化性樹脂結合剤であり、表層11及び裏層12に用いることができるもの、即ち、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素メラミン樹脂等の粉末状、或いは水性結合剤を用いることができる。また、表層11及び裏層12の結合剤と同様に、ポリビニルアルコール、スターチ類、ポリアクリルアミド、SBRラテックス、アクリル樹脂エマルジョン等の水溶性又は水分散性の高分子結合剤を、熱硬化性樹脂と併用することも可能である。結合剤は、軽量骨材を含む成分を結合するために添加されるものであり、固形成分全体の5重量%以上20重量%以下、好ましくは、7重量%以上15重量%以下だけ添加される。結合剤は、添加量が5重量%未満になると、強度が不足する一方、20重量%を超えると、不燃性が損なわれる。
[繊維]
芯層13の繊維として、無機繊維又は有機繊維を用いることができる。具体的には、無機繊維として、ガラス繊維、ワラストナイト等を用いることができる。また、有機繊維として、ポリエステル、ポリプロピレン、ビニロン等の合成繊維、木質繊維、パルプ等を用いることができる。これらは、単独で用いることも可能であり、複数を組み合わせて用いてもよい。繊維は、粘りと強度とを持たせるために添加されるものであり、固形成分全体の1重量%以上10重量%以下だけ添加される。繊維は、添加量が1重量%未満になると、粘りが無くなり、補強効果が低くなり、10重量%を超えると、抄造時に凹凸が生じ、抄造時に凹凸が生じ、良好な湿潤マットを得ることができなくなるためである。
〈凹凸模様〉
基材10の表面1には、凹凸模様が形成されている。基材10の表面1は、この凹凸模様によって複数のブロック60に区画されている。
[溝]
具体的には、本実施形態1では、図1〜3に示すように、基材10の表面1には、凹凸模様の一部となる複数の溝3が形成されている。複数の溝3は、基材10の表面1において縦横に延びている。具体的には、複数の溝3は、基材10の表面1において横方向に延びる複数の横溝3と、隣り合う横溝3間に該横溝3に垂直に延びる複数の縦溝3とで構成され、これらの溝3が上述のタイル模様の目地部分となるように形成されている。この複数の溝3によって基材10が複数のブロック60に区画されている。
各溝3は、対向する2つの側壁面と底面とで区画されている。各溝3の底面の幅は、0.3〜1.0mmである。本実施形態では、各溝3の底面の幅は、0.5mmに形成されている。各溝3の少なくとも一方の側壁面は、基材10の裏面2に対する傾斜角度αが65度以上90度以下の急峻な斜面に形成されている。なお、本実施形態1では、各溝3の2つの側壁面が共に傾斜角度αが75度程度に形成されると共に、2つの側壁面のなす角度が30度程度に形成されている。
各溝3は、同程度の溝底深さに構成され、基材10の第1層の表層11だけでなく第2層の芯層13まで凹む溝底深さに形成されている。各溝3は、凹凸模様の最も深い凹部を構成している。つまり、基材10では、溝3が形成された部分が最も厚さの薄い部分となり、本実施形態では、溝3での基材10の厚さ(最小厚さ)は6mmである。一方、基材10では、最も分厚い部分(凹凸模様の最大凸部部分)での基材10の厚さは、9mmである。つまり、本実施形態では、基材10の最も分厚い部分の表面レベル(基材10の裏面2に対する表面1の高さ)と溝底レベル(基材10の裏面2に対する溝3の底面の高さ)とのレベル差を溝底深さとすると、各溝3は、溝底深さは3mmとなるように形成されている。溝3の底面は、基材10の表面1において裏面2に対する高さが最も低い部分となる。
また、基材10の表面1において複数の溝3によって囲繞される複数のブロック60の表面には、凹凸模様の一部となる凹凸状の表面模様4が形成されている。本実施形態1では、各ブロック60の表面には、石目調に仕上げるための細かな皺(しぼ)が形成され、この細かな皺によって石目調の表面模様4に構成されている。表面模様4は、溝3に比べて高低差が小さく形成されている(図2参照)。
なお、表面模様4は、本実施形態1では、石目調に仕上げるための細かな皺で構成されているが、表面模様に応じたいかなるものであってもよい。表面模様4は、例えば、布目柄に仕上げるための布地調の細かな凹凸で構成されていてもよい。
以上のように、基材10の表面に形成される凹凸模様は、基材10の表面において縦横に延び、溝底深さが3mm以上で且つ傾斜角度αが65度以上90度以下の側壁面を少なくとも1つ有する深くて鋭角な複数の溝3と、該複数の溝3によって囲繞される複数のブロック60の表面模様4とで構成されている。
このような凹凸模様により、基材10は、ブロック60の外縁部(溝3の外縁部)を除くブロック本体部分の最も分厚い部分(凹凸模様の最大凸部部分)において、表層11の厚さが3mm、芯層13の厚さが3.5mm、裏層12の厚さが2.5mm程度に形成されている。また、基材10は、最も薄い部分となる溝3の底面部分において、表層11の厚さが1mm、芯層13の厚さが3mm、裏層12の厚さが2mm程度になるように形成されている。つまり、凹凸模様の一部を構成する溝3は、溝底深さが表層11の最大厚さ(ブロック本体部分の最も分厚い部分の表層11の厚さ)以上に形成されている。
以上のように、基材10では、溝底深さが表層11の最大厚さ以上で且つ傾斜角度αが65度以上90度以下の側壁面を少なくとも1つ有する深くて鋭角な溝3と、複数のブロック60の表面模様4とにより、深彫りでシャープな凹凸模様が表面1に形成されている。
−塗膜の構成−
塗膜30は、下塗り塗膜層31と、上塗り塗膜層32とを有している。下塗り塗膜層31は、基材10の表面1に形成された凹凸模様に沿う凹凸形状に形成されている。一方、上塗り塗膜層32は、上記凹凸模様に沿う凹凸形状の下塗り塗膜層31に沿う凹凸形状に形成されている。つまり、塗膜30は、基材10の表面1に形成された凹凸模様に沿う凹凸形状に形成されている。
下塗り塗膜層31は、基材10の表面1の直上に下塗り塗料を塗布することによって形成されている。下塗り塗膜層31を形成する下塗り塗料は、着色顔料の他に、水性樹脂を結合剤として含む水性塗料である。水性樹脂としては、例えば、アクリルエマルジョンを用いることができる。
上塗り塗膜層32は、下塗り塗膜層31の上に形成されている。上塗り塗膜層32は、スプレー装置40によって上塗り塗料を塗布することによって形成されている。上塗り塗膜層32を形成する上塗り塗料には、着色顔料の他に、繊維状の顔料35と、光沢を有する薄片状の顔料36と、濃色の薄片状の顔料37とが含まれている。
具体的には、本実施形態では、繊維状の顔料35として、アクリル系樹脂やウレタン系樹脂等の樹脂からなる繊維長が500μm以下の繊維を上塗り塗料に含有させている。また、上塗り塗料に含まれる繊維状の顔料35は、100μm以上500μm以下の長さのものを含むように構成されている。繊維状の顔料35の上塗り塗料への添加率は、1〜5重量%である。
なお、基材10の表面1に生じる亀裂や割れの幅が100μm程度である。そのため、100μm以上の長さの繊維状の顔料を上塗り塗膜層32に含ませることにより、基材10の表面1に形成された亀裂や割れが隠蔽され易くなる。一方、500μmを超える長さの繊維状の顔料を含む塗料では、スプレーノズルが詰まり易くなるため、スプレー塗装が行い難い。そのため、500μm以下の長さの繊維状の顔料を上塗り塗料に含ませることにより、繊維状の顔料を含む上塗り塗膜層32を、スプレー塗装によって容易に且つ安価に形成することができる。
また、繊維状の顔料35の上塗り塗料への添加率が5重量%を超えると、スプレーノズルが詰まりやすくなる。一方、繊維状の顔料35の上塗り塗料への添加率が1重量%を下回ると、基材10の表面1の亀裂や割れを効果的に隠蔽できなくなる。そこで、本実施形態1では、繊維状の顔料35の上塗り塗料への添加率を1〜5重量%にしている。
本実施形態では、光沢を有する薄片状の顔料36として、粒子径が500μm以下のマイカフレークを上塗り塗料に含有させている。薄片状の顔料の上塗り塗料への添加率は、1〜5重量%である。
本実施形態では、濃色の薄片状の顔料37として、粒子径が500μm以下の黒色のポリエステルフレークを上塗り塗料に含有させている。薄片状の顔料の上塗り塗料への添加率は、1〜5重量%である。
ここで、濃色の薄片状の顔料37は、黒色の顔料に限られない。濃色の薄片状の顔料37は、上塗り塗膜層32に着色顔料が含まれる場合には、その着色顔料よりも濃色の顔料であればよく、上塗り塗膜層32が透明である場合には、下塗り塗膜層31よりも濃色の顔料であればよい。
また、光沢を有する薄片状の顔料36及び濃色の薄片状の顔料37の粒子径を500μm以下とするのは、500μmを超える粒子径の薄片状の顔料を含む上塗り塗料では、スプレーノズルが詰まり易くなり、スプレー塗装が行い難いためである。さらに、光沢を有する薄片状の顔料36及び濃色の薄片状の顔料37の上塗り塗料への添加率を1〜5重量%とするのは、添加率が5重量%を超えると、スプレーノズルが詰まりやすくなり、添加率が1重量%を下回ると、基材10の表面1の亀裂や割れを効果的に隠蔽できなくなるためである。
以上のような上塗り塗料で上塗り塗膜層32を形成することにより、上塗り塗膜層32には、繊維状の顔料35、光沢を有する薄片状の顔料36及び濃色の薄片状の顔料37が含まれることとなる。
−製造方法−
以下、本発明の実施形態1に係る化粧板50の製造方法(無機質化粧板の製造方法)について図4、図5A及び図5Bに基づいて説明する。
化粧板50の製造方法は、湿潤基材形成工程S1と、第1乾燥工程S2と、塗布工程S3と、加熱圧縮工程(プレス工程)S4と、下塗り塗装工程S5と、第2乾燥工程S6と、上塗り塗装工程S7とを有している。
(1)湿潤基材形成工程
まず、湿潤基材形成工程S1を行う。本実施形態では、湿潤基材形成工程S1は、裏層マット形成工程と、芯層マット形成工程と、表層マット形成工程とで構成されている。
〈裏層マット形成工程〉
裏層マット形成工程では、裏層12を形成するための材料、即ち、鉱物質繊維と無機質粉状体と結合剤とを水中に添加して攪拌し、鉱物質繊維と無機質粉状体と結合剤とを主成分とするスラリーを生成する。そして、生成したスラリーを長網式湿式抄造装置又は丸網式湿式抄造機で湿式抄造して裏層マット10c(第3層マット)を形成する。本実施形態では、裏層マット10cは、4mmの一様な厚さになるように形成する。
〈芯層マット形成工程〉
芯層マット形成工程では、芯層13を形成するための材料、即ち、軽量骨材と結合剤と繊維とを、水を噴霧しながら混合して芯層用組成物を生成する。そして、生成した芯層用組成物を、先に生成した裏層マット10cの上に均一に散布して芯層マット10b(第2層マット)を形成する。本実施形態では、芯層マット10bは、5mmの一様な厚さになるように形成する。
〈表層マット形成工程〉
表層マット形成工程では、裏層マット形成工程と同様に、表層11を形成するための材料、即ち、鉱物質繊維と無機質粉状体と結合剤とを水中に添加して攪拌し、鉱物質繊維と無機質粉状体と結合剤とを主成分とするスラリーを生成する。そして、生成したスラリーを長網式湿式抄造装置又は丸網式湿式抄造機で湿式抄造して表層マット10a(第1層マット)を形成し、この表層マット10aを、芯層マット10bの上に積層する。本実施形態では、表層マット10aは、5mmの一様な厚さになるように形成する。
以上のような湿潤基材形成工程S1を行うことにより、鉱物質繊維と無機質粉状体と結合剤とを主成分として含む湿潤マットからなる表層マット10a及び裏層マット10cで、軽量骨材と結合剤と繊維とを主成分として含む芯層マット10bを挟む三層構造の板状の湿潤基材10Aが形成される(図5A(a)を参照)。
(2)第1乾燥工程(乾燥工程)
次に、第1乾燥工程S2を行う。第1乾燥工程S2では、湿潤基材形成工程S1によって形成された湿潤基材10Aを熱風循環式ドライヤーに搬入し、含水率が10重量%未満、好ましくは、4重量%未満となるように乾燥し、乾燥基材(ドライボード)10Bを形成する(図5A(b)を参照)。このとき、湿潤基材10A中に含まれる結合剤(熱硬化性樹脂結合剤)がプレキュアー状態に至らないように、即ち、結合剤が硬化しない条件下で湿潤基材10Aを乾燥させる。これは、結合剤が完全に硬化しないまでもプレキュアー状態に至ると、プレキュアー状態の結合剤によって結合された組織が後の加熱圧縮工程S4で潰れることにより、得られる化粧板50が脆弱化するおそれがあるためである。
また、湿潤基材10Aは、熱風循環式ドライヤーによる乾燥の前に、加熱ロール、連続プレス、平板プレス等で加熱圧縮してもよい。このように乾燥前に予備的な加熱圧縮を行うことにより、強度の高い乾燥基材10Bに形成することができる。この予備的な加熱圧縮を行う場合も、湿潤基材10A中の結合剤がプレキュアー状態に至らない条件下で行う。
なお、結合剤がプレキュアー状態に至らない条件は、結合剤によって異なるが、例えば、結合剤として粉末フェノール樹脂を用いた場合、熱風循環式ドライヤーによる乾燥では、60℃〜140℃程度の温度条件、予備的な加熱圧縮では、80℃〜180℃程度の温度条件で行うことができる。
(3)塗布工程
次に、塗布工程S3を行う。塗布工程S3では、乾燥基材10Bの表面1B及び裏面2Bに、水からなる軟化剤を塗布する(図5A(c)を参照)。これにより、乾燥基材10Bの表面1B及び裏面2Bが軟化し、後の加熱圧縮工程S4において乾燥基材10Bの表面1B及び裏面2Bにおいて亀裂や割れが生じ難くなる。本実施形態では、乾燥基材10Bの表面1Bには、400g/mの軟化剤を塗布し、乾燥基材10Bの裏面2Bには、100g/mの軟化剤を塗布する。なお、乾燥基材10Bの表面1Bへの軟化剤の塗布量は、200g/m以上600g/m以下とするのが好ましく、乾燥基材10Bの裏面2Bへの軟化剤の塗布量は、50g/m以上100g/m以下とするのが好ましい。
(4)加熱圧縮工程
次に、加熱圧縮工程S4を行う。加熱圧縮工程S4では、表面1B及び裏面2Bに軟化剤が塗布された乾燥基材10Bを多段式ホットプレス等の加熱圧縮装置の熱盤間に挿入し(図5A(d)を参照)、表面1Bに所定の凹凸模様を形成するためのエンボス型20を用いて、結合剤(熱硬化性樹脂結合剤)の硬化温度以上の温度で加熱圧縮する(図5B(e)を参照)。本実施形態1では、温度180℃、圧力2.0N/mmで6分間、乾燥基材10Bを加熱圧縮する。
乾燥基材10Bを加熱圧縮すると、先の塗布工程S3において乾燥基材10Bの表面1B及び裏面2Bに塗布された軟化剤が、蒸気となって乾燥基材10B中に浸透する。ここで、乾燥基材10B中の表層マット10a、芯層マット10b及び裏層マット10cの結合剤は、プレキュアーしていない状態にあるため、乾燥基材10B中に浸透した軟化剤によって流動性を得て軟化剤と共に乾燥基材10B中に行き亘る。このとき、乾燥基材10Bは、エンボス型20を用いて加熱圧縮されるため、圧縮されると共に、裏面2Bは平滑に、表面1Bは凹凸模様形状に変形していく。
以上のようにして、乾燥基材10Bが変形した状態で、該乾燥基材10B中に行き亘った結合剤(熱硬化性樹脂結合剤)が硬化することにより、表面1に彫りの深いシャープな凹凸模様が形成され、裏面2が平滑に形成された基材10が形成される(図5B(f)を参照)。
(5)下塗り塗装工程
次に、下塗り塗装工程S5を行う。下塗り塗装工程S5では、乾燥基材10Bの表面1B上に、スプレー装置40によって下塗り塗料を噴射する(図5B(g)参照)。これにより、乾燥基材10Bの表面1B上に下塗り塗膜層31が形成される。
(6)第2乾燥工程
下塗り塗装工程S5の後、第2乾燥工程S6を行う。第2乾燥工程S6では、下塗り塗装工程S5で乾燥基材10Bの表面1Bに塗布された下塗り塗料(水性塗料)を乾燥させる。本実施形態では、乾燥基材10Bを140℃のオーブンで水分が無くなるまで乾燥させる(図5B(h)参照)。
(7)上塗り塗装工程
次に、上塗り塗装工程S7を行う。上塗り塗装工程S7では、凹凸模様が形成された基材10の表面1上に形成された下塗り塗膜層31上に、スプレー装置40によって上塗り塗料を噴射する(図5B(i)を参照)。
上述のように、上塗り塗料には、着色顔料の他に、繊維状の顔料35と、光沢を有する薄片状の顔料36と、濃色の薄片状の顔料37とが含まれている。このような上塗り塗料が、スプレー装置40によって塗布されることにより、繊維状の顔料35、光沢を有する薄片状の顔料36及び濃色の薄片状の顔料37が、それぞれ基材10の表面1上に鏤められる。
上塗り塗料の塗布後、上塗り塗料に含まれる合成樹脂を硬化させる。これにより、基材10の表面1上に形成された下塗り塗膜層31のさらに上に上塗り塗膜層32が形成される。なお、合成樹脂は、上塗り塗料を乾燥させることによって硬化させてもよく、紫外線照射によって硬化させることとしてもよい。
このような上塗り塗装工程S7により、基材10の表面1上に形成された下塗り塗膜層31上に、繊維状の顔料35と、光沢を有する薄片状の顔料36と、濃色の薄片状の顔料37とを含む上塗り塗膜層32が形成される。つまり、基材10の表面1上に、繊維状の顔料35と、光沢を有する薄片状の顔料36と、濃色の薄片状の顔料37とを含む塗膜30が形成される。
以上の工程S1〜S7により、化粧面に凹凸模様が形成されると共に塗装が施された化粧板50が製造される。
−実施形態1の効果−
以上のように、本実施形態1の化粧板50では、塗膜30が繊維状の顔料35を含んでいる。そのため、基材10の表面1に微細な亀裂又は割れが生じていたとしても、亀裂又は割れの上に、繊維状の顔料35が重なることにより、亀裂又は割れが目立ち難くなる。これにより、亀裂又は割れを隠蔽するために基材10の表面1上に分厚い塗膜30を形成して細かな凹凸模様を消失させてしまうことなく、凹凸模様に沿う凹凸形状の薄い塗膜30で亀裂又は割れを隠蔽することができる。よって、本実施形態1によれば、亀裂又は割れが目立たない意匠性に優れた化粧板50を提供することができる。
また、本実施形態1の化粧板50では、塗膜30に含まれる繊維状の顔料35が、500μm以下の長さに形成されている。500μmを超える長さの繊維状の顔料35を含む塗料では、スプレーノズルが詰まり易くなるため、スプレー塗装が行い難い。しかしながら、本実施形態1の化粧板50によれば、繊維状の顔料35を含む塗膜30を、スプレー塗装によって容易に且つ安価に形成することができる。
また、本実施形態1の化粧板50では、塗膜30が、光沢を有する薄片状の顔料36及び濃色の薄片状の顔料37を含んでいる。このような塗膜30により、基材10の表面1上には、光沢を有する薄片状の顔料36及び濃色の薄片状の顔料37が鏤められる。このようにして基材10の表面1上に鏤められた光沢を有する薄片状の顔料36又は濃色の薄片状の顔料37により、基材10の表面1上は、全体に一様な細かい模様が施されたように見える。そのため、基材10の表面1に微細な亀裂又は割れが生じていたとしても、亀裂又は割れが目立ち難くなる。よって、本実施形態1によれば、亀裂又は割れが目立たない意匠性に優れた化粧板50を提供することができる。
また、本実施形態1の化粧板50では、塗膜30に含まれる薄片状の顔料が、500μm以下の粒子径に形成されている。500μmを超える粒子径の薄片状の顔料を含む塗料では、スプレーノズルが詰まり易くなるため、スプレー塗装が行い難い。しかしながら、本実施形態1の化粧板50によれば、薄片状の顔料を含む塗膜30を、スプレー塗装によって容易に且つ安価に形成することができる。
また、本実施形態1の化粧板50の製造方法では、エンボス型20で凹凸模様が形成された基材10の表面1に、凹凸模様に沿う凹凸形状の下塗り塗膜層31と上塗り塗膜層32とを形成するにあたり、少なくとも一方の塗膜層(上塗り塗膜層32)を、繊維状の顔料35を含む塗料を塗布することによって形成することとした。そのため、エンボス型20でのプレス加工によって基材10の表面1に微細な亀裂又は割れが生じていたとしても、上塗り塗装工程S7において繊維状の顔料35を含む塗料が塗布されることにより、亀裂又は割れの上に繊維状の顔料35が重なり、亀裂又は割れが目立ち難くなる。これにより、亀裂又は割れを隠蔽するために基材10の表面1上に分厚い塗膜層31,32を形成して細かな凹凸模様を消失させてしまうことなく、凹凸模様に沿う凹凸形状の薄い塗膜層31,32を形成するだけで亀裂又は割れを隠蔽することができる。よって、本実施形態1の化粧板50の製造方法によれば、亀裂又は割れが目立たない意匠性に優れた化粧板50を製造することができる。
また、本実施形態1の化粧板50の製造方法では、上塗り塗膜層32を形成するための塗料に含まれる繊維状の顔料35が、500μm以下の長さに形成されている。500μmを超える長さの繊維状の顔料35を含む塗料では、スプレーノズルが詰まり易くなるため、スプレー塗装が行い難い。しかしながら、本実施形態1の化粧板50の製造方法によれば、繊維状の顔料35を含む塗料を、スプレー塗装によって容易に且つ安価に塗布することができる。
また、本実施形態1の化粧板50の製造方法では、上塗り塗膜層32を形成するための塗料に、光沢を有する薄片状の顔料36及び濃色の薄片状の顔料37を含ませることとした。これにより、上塗り塗装工程S7において、基材10の表面1上に光沢を有する薄片状の顔料36及び濃色の薄片状の顔料37が鏤められることとなる。このようにして基材10の表面1上に鏤められた光沢を有する薄片状の顔料36及び濃色の薄片状の顔料37により、基材10の表面1上は、全体に一様な細かい模様が施されたように見える。そのため、エンボス型20でのプレス加工によって基材10の表面1に微細な亀裂又は割れが生じていたとしても、亀裂又は割れが目立ち難くなる。よって、本実施形態1の化粧板50の製造方法によれば、亀裂又は割れが目立たない意匠性に優れた化粧板50を製造することができる。
また、本実施形態1の化粧板50の製造方法では、上塗り塗膜層32を形成するための塗料に含まれる薄片状の顔料が、500μm以下の粒子径に形成されている。500μmを超える粒子径の薄片状の顔料を含む塗料では、スプレーノズルが詰まり易くなるため、スプレー塗装が行い難い。しかしながら、本実施形態1の化粧板50の製造方法によれば、薄片状の顔料を含む塗料を、スプレー塗装によって容易に且つ安価に塗布することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態1では、繊維状の顔料35が、上塗り塗膜層32に含まれていたが、繊維状の顔料35は、塗膜30に含まれていればよい。そのため、下塗り塗膜層31のみが繊維状の顔料35を含むものであってもよく、下塗り塗膜層31と上塗り塗膜層32の両方が、繊維状の顔料35を含むものであってもよい。下塗り塗膜層31に繊維状の顔料35を含ませる場合、下塗り塗装工程S5において、基材10の表面1に塗布する下塗り塗料を、繊維状の顔料35を含む塗料とすればよい。
また、上記実施形態1では、光沢を有する薄片状の顔料36及び濃色の薄片状の顔料37が、上塗り塗膜層32に含まれていたが、光沢を有する薄片状の顔料36及び濃色の薄片状の顔料37は、塗膜30に含まれていればよい。そのため、下塗り塗膜層31のみが光沢を有する薄片状の顔料36及び濃色の薄片状の顔料37を含むものであってもよく、下塗り塗膜層31と上塗り塗膜層32の両方が、光沢を有する薄片状の顔料36及び濃色の薄片状の顔料37を含むものであってもよい。下塗り塗膜層31に光沢を有する薄片状の顔料36及び濃色の薄片状の顔料37を含ませる場合、下塗り塗装工程S5において、基材10の表面1に塗布する塗料を、光沢を有する薄片状の顔料36及び濃色の薄片状の顔料37を含む塗料とすればよい。
また、上記実施形態1では、塗膜30が、光沢を有する薄片状の顔料36及び濃色の薄片状の顔料37の両方を含むように構成されていたが、塗膜30は、いずれか一方の薄片状の顔料を含んでいればよい。つまり、上塗り塗膜層32が、光沢を有する薄片状の顔料36のみを含むものであってもよく、濃色の薄片状の顔料37のみを含むものであってもよい。また、下塗り塗膜層31が、光沢を有する薄片状の顔料36のみを含むものであってもよく、濃色の薄片状の顔料37のみを含むものであってもよい。さらに、上塗り塗膜層32が、光沢を有する薄片状の顔料36のみを含み、下塗り塗膜層31が、濃色の薄片状の顔料37のみを含むものであってもよく、逆に、上塗り塗膜層32が、濃色の薄片状の顔料37のみを含み、下塗り塗膜層31が、光沢を有する薄片状の顔料36のみを含むものであってもよい。
また、上記実施形態1では、表面1に凹凸模様が形成された基材10が無機質板である例について説明したが、基材10は無機質板に限られない。
また、上記実施形態1では、繊維状の顔料35及び薄片状の顔料を含む塗料を塗布する塗装工程(上塗り塗装工程S7)を、スプレー塗装によって行っていた。しかしながら、繊維状の顔料35及び薄片状の顔料を含む塗料を塗布する塗装工程は、スプレー塗装に限られない。上記塗装工程は、ロールコーター塗装等によって行われるものであってもよい。
以上説明したように、本発明は、住宅等の建物の内装材、造作材、開口部材、家具等の化粧材として用いられる化粧板及び化粧板の製造方法について有用である。
1 表面
10 基材
20 エンボス型
30 塗膜
31 下塗り塗膜層
32 上塗り塗膜層
50 化粧板
S4 加熱圧縮工程(プレス工程)
S5 下塗り塗装工程
S7 上塗り塗装工程

Claims (7)

  1. 表面にエンボス型による凹凸模様が形成された加熱圧縮形成物からなる基材と、該基材の表面上に形成された塗膜とを備えた化粧板であって、
    上記塗膜は、繊維状の顔料を含み、上記凹凸模様に沿う凹凸形状に形成され
    上記塗膜のうちの上記繊維状の顔料を含む塗膜層は、該繊維状の顔料を1重量%以上5重量%以下の範囲で含む塗料で形成されている
    ことを特徴とする化粧板。
  2. 請求項1において、
    上記繊維状の顔料の繊維長は、500μm以下である
    ことを特徴とする化粧板。
  3. 請求項1又は2において、
    上記塗膜は、光沢を有する薄片状の顔料及び濃色の薄片状の顔料の少なくとも一方を含んでいる
    ことを特徴とする化粧板。
  4. 請求項3において、
    上記薄片状の顔料の粒子径は、500μm以下である
    ことを特徴とする化粧板。
  5. 表面に凹凸模様が形成された化粧板の製造方法であって、
    エンボス型で基材をプレスして該基材の表面に凹凸模様を形成するプレス工程と、
    上記プレス工程後、上記基材の表面上に上記凹凸模様に沿う凹凸形状の下塗り塗膜層を形成する下塗り塗装工程と、
    上記下塗り塗装工程後、上記下塗り塗膜層上に該下塗り塗膜層に沿う凹凸形状の上塗り塗膜層を形成する上塗り塗装工程とを備え、
    上記下塗り塗装工程及び上記上塗り塗装工程の少なくとも一方では、繊維状の顔料を1重量%以上5重量%以下の範囲で含む塗料を塗布する
    ことを特徴とする化粧板の製造方法。
  6. 請求項5において、
    上記繊維状の顔料の繊維長は、500μm以下である
    ことを特徴とする化粧板の製造方法。
  7. 請求項5又は6において、
    上記塗料には、光沢を有する薄片状の顔料及び濃色の薄片状の顔料の少なくとも一方が含まれ、
    上記薄片状の顔料の粒子径は、500μm以下である
    ことを特徴とする化粧板の製造方法。
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