JP6588051B2 - 変速機構 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載される変速機構に関する。
従来、車両に搭載される変速機構として、車両の動力源側から伝達された動力を車両の車輪側に伝達する2つの動力伝達系統、すなわち、奇数段用の歯車列からなる動力伝達系統、および、偶数段用の歯車列からなる動力伝達系統と、2つの動力伝達系統を切り替える切り替え用クラッチとを備えるデュアルクラッチトランスミッション(DCT)が知られている(例えば、特許文献1−3参照。)。
特表2007−534899号公報 特表2008−544161号公報 特開2010−196745号公報
しかしながら、従来のDCTにおいては、2つの動力伝達系統が切り替え用クラッチに対して同一の側に配置されているので、ギアのレイアウトの選択肢が少ないという問題がある。
そこで、本発明は、ギアの新たなレイアウトを可能にすることができる変速機構を提供することを目的とする。
本発明の変速機構は、車両の動力源側から伝達された動力を前記車両の車輪側に伝達する、奇数段用と偶数段用の2つの動力伝達系統と、前記2つの動力伝達系統にそれぞれ接続されて動力を伝達するようにタンデム配置した2つの動力伝達部と、前記2つの動力伝達部間に前記動力伝達部と同心となるタンデム配置されて、前記動力伝達部を切り替えることによって前記2つの動力伝達系統を切り替える切り替え用クラッチとを備えたことを特徴とする。
この構成により、本発明の変速機構は、切り替え用クラッチの両側で2つの動力伝達系統に接続するので、切り替え用クラッチの片側に2つの動力伝達系統の双方を配置した従来技術とは、2つの動力伝達系統に対する切り替え用クラッチの位置が異なる。したがって、本発明の変速機構は、ギアの新たなレイアウトを可能にすることができる。
本発明の変速機構は、前記動力源からの動力を前記2つの動力伝達系統に入力可能にするクラッチを備えても良い。
動力源からの動力を2つの動力伝達系統に入力可能にするクラッチは、ディスククラッチである場合、クラッチディスクの径が大きいので、慣性モーメントが大きい。そのため、動力源からの動力を2つの動力伝達系統に入力可能にするクラッチがディスククラッチである場合、ギア切り替えに伴う慣性モーメントの急激な変化抑制が必要となり、通常は、変速機構においてギアを切り替える動力切替装置として、シンクロメッシュ機構を備えたものを動力伝達系統が変速段ごとにそれぞれ備える必要がある。しかしながら、本発明の変速機構は、切り替え用クラッチがギア切り替えを行う2つの動力伝達系統の上流側にあって同期性能を発揮できるので、動力源からの動力を2つの動力伝達系統に入力可能にするクラッチがディスククラッチであっても、シンクロメッシュ機構を備えていない動力切替装置を動力伝達系統が備えることができる。したがって、本発明の変速機構は、小型化、軽量化および低コスト化することができる。
本発明の変速機構において、前記2つの動力伝達系統の少なくとも1つは、前記動力伝達系統自身における変速段を切り替える動力切替装置を備え、前記動力切替装置の少なくとも1つは、シンクロメッシュ機構を備えていなくても良い。
この構成により、本発明の変速機構は、シンクロメッシュ機構を備えていない動力切替装置を動力伝達系統が備えるので、小型化、軽量化および低コスト化することができる。
本発明の変速機構において、シンクロメッシュ機構を備えていない前記動力切替装置の少なくとも1つは、互いに変速比が異なる系統から動力が入力される複数の動力入力部材と、互いに変速比が異なる系統に動力を出力する複数の動力出力部材と、前記動力入力部材および前記動力出力部材との噛み合いによって前記動力入力部材および前記動力出力部材の接続の組み合わせを切り替える切替部材とを備え、前記切替部材は、複数の前記動力入力部材のそれぞれに対して複数の前記動力出力部材のそれぞれとの接続を切り替えても良い。
この構成により、本発明の変速機構は、少なくとも1つの動力切替装置において複数の動力入力部材のそれぞれに対して複数の動力出力部材のそれぞれとの接続を切り替えるので、全ての動力切替装置のそれぞれが動力入力部材および動力出力部材の少なくとも一方を1つのみ備えている構成と比較して、変速機構全体として動力入力部材および動力出力部材の総数を低減することができ、小型化、軽量化および低コスト化することができる。
本発明の変速機構において、前記切り替え用クラッチは、両側の前記動力伝達部を切り替えるシンクロメッシュ機構であっても良い。
シンクロメッシュ機構によるクラッチは、ドグクラッチであるので、摩擦力によって動力を伝達するディスククラッチと比較して、径を小さくして慣性モーメントを小さくすることが可能である。本発明の変速機構は、切り替え用クラッチが両側の動力伝達部を切り替えるシンクロメッシュ機構であるので、切り替え用クラッチがディスククラッチである場合と比較して、小型化および軽量化することができる。
本発明の変速機構は、ギアの新たなレイアウトを可能にすることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る変速機構を搭載した車両の概略構成を示すブロック図である。 切り替え用クラッチがシンクロメッシュ機構である場合の本発明の第1の実施の形態に係るFR用の4速の変速機構のスケルトン図である。 図2に示す変速機構の操作系の模式図である。 図3に示す操作系の側面模式図である。 図2に示す変速機構の制御系のブロック図である。 切り替え用クラッチが一対のディスククラッチである場合の本発明の第1の実施の形態に係るFR用の4速の変速機構のスケルトン図である。 本発明の第1の実施の形態に係るFR用の5速の変速機構のスケルトン図である。 本発明の第1の実施の形態に係るFR用の8速の変速機構のスケルトン図である。 本発明の第1の実施の形態に係るFF用の4速の変速機構のスケルトン図である。 本発明の第2の実施の形態に係る変速機構のスケルトン図である。 1速の状態である場合の本発明の第3の実施の形態に係る変速機構の断面図である。 図11に示す変速機構のスケルトン図である。 2速の状態である場合の図11に示す変速機構の断面図である。 3速の状態である場合の図11に示す変速機構の断面図である。 4速の状態である場合の図11に示す変速機構の断面図である。 2速から3速に切り替える直前の状態である場合の図11に示す変速機構の断面図である。 3速から4速に切り替える直前の状態である場合の図11に示す変速機構の断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
まず、第1の実施の形態に係る変速機構を搭載した車両の概略構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る変速機構10を搭載した車両1の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、車両1は、エンジンやモーターなどの動力源2と、車輪3と、動力源2側からの動力をトルク、回転数および回転方向を変更して車輪3側に伝達する変速機構10とを備えている。変速機構10と車輪3との間には、図示しないファイナルドライブと図示しないディファレンシャルギア等が介在されている。変速機構10は、動力源2側から変速機構10の動力伝達系統側への動力の伝達状態を変更するクラッチ11を備えている。なお、動力源2がモーターである場合、クラッチ11は不要である。
図2は、変速機構10のスケルトン図である。
図2に示す変速機構10は、FR(フロントエンジン・リアドライブ方式)用の4速の変速機構である。
変速機構10は、動力源2側からの動力を伝達するクランクシャフトなどのシャフト12に接続されたクラッチ11を備え、この出力側にそのインプットシャフト13が接続されている。クラッチ11は、車両1がアイドリングの停車状態にあっては、動力源2と変速機構10とを切り離す一方、停車状態から発進する場合に動力源2側および車輪3側を徐々に接続してスムーズな発進を可能とするため、また変速機構10のギア切り替え時に動力源2と変速機構10とを一時的に切り離してスムーズなギア切り替えを可能にするために用いられるクラッチである。クラッチ11は、例えばディスククラッチである。
変速機構10は、クラッチ11にシャフト12とは反対側に接続されたインプットシャフト13と、インプットシャフト13の外周に回転可能に支持された中空のサブシャフト14と、サブシャフト14に対してクラッチ11側とは反対側に配置されていてインプットシャフト13の外周に回転可能に支持された中空のサブシャフト15と、サブシャフト14およびサブシャフト15の間に配置されていてインプットシャフト13に対するサブシャフト14およびサブシャフト15の接続状態を切り替える切り替え用クラッチ16とを備えている。
インプットシャフト13は、サブシャフト14およびサブシャフト15の何れかに後述のスリーブ16aを介して接続されるハブ13aを備えている。ハブ13aは、この外周にスプラインが形成されていて、スリーブ16aの内周に形成したスプラインと嵌合されている。
サブシャフト14は、奇数段用の駆動ギア群をそれぞれ構成する1速を実現するためのギア14a及び3速を実現するためのギア14bと、テーパーコーン面およびスプラインが外周にそれぞれ形成されたドグギア14cとを備えている。
サブシャフト15は、偶数段用駆動ギア群をそれぞれ構成する2速を実現するためのギア15a及び4速を実現するためのギア15bと、後退を実現するためのリバースギア15cと、テーパーコーン面およびスプラインが外周にそれぞれ形成されたドグギア15dとを備えている。
切り替え用クラッチ16は、例えばイナーシャロック型などのシンクロメッシュ機構である。切り替え用クラッチ16は、ハブ13aの外周のスプラインに常時、またドグギア14cのスプライン、および、ドグギア15dのスプラインの一方と選択的に噛み合うことが可能なスプラインが内周に形成されたスリーブ16aと、ハブ13a、ドグギア14cおよびドグギア15dと、ハブ13aおよびドグギア14cの間に配置されてドグギア14cのテーパーコーン面に接触して摩擦力を発生させるシンクロナイザーリング(図示していない。)と、ハブ13aおよびドグギア15dの間に配置されてドグギア15dのテーパーコーン面に接触して摩擦力を発生させるシンクロナイザーリング(図示していない。)とを備えている。ドグギア14cは、動力源2側から伝達された動力をサブシャフト14に伝達する奇数段用の動力伝達部を構成している。ドグギア15dは、動力源2側から伝達された動力をサブシャフト15に伝達する偶数段用の動力伝達部を構成している。スリーブ16aは、軸方向に移動可能であり、後述のシフトフォークが嵌るために周方向に延在する環状の溝が外周に形成されている。これら奇数段用の動力伝達部と偶数段用の動力伝達部とは、軸方向にタンデム配置され、これらと同心に切り替え用クラッチ16が軸方向にタンデム配置される。
変速機構10は、さらにインプットシャフト13に対して平行に配置されたカウンターシャフト17と、カウンターシャフト17の外周に回転可能に支持されていてギア14a、15a、14b、15bとそれぞれ噛み合う被駆動ギアであるギア18、19、20、21と、カウンターシャフト17に回転可能に支持されていて後退を実現するためのリバースギア22とを備えている。
カウンターシャフト17は、ギア18およびギア20の何れかに後述のスリーブ24aを介して接続されるハブ17aと、ギア19およびギア21の何れかに後述のスリーブ25aを介して接続されるハブ17bと、リバースギア22に後述のスリーブ26aを介して接続されるハブ17cと、後述のアウトプットシャフト27に接続されるギア17dとを備えている。ハブ17a、ハブ17bおよびハブ17cは、それぞれ、外周にスプラインが形成されて、これら外周スプラインとスリーブ24a、スリーブ25a、及びスリーブ26aの内周スプラインとが常時嵌合するようにされている。
ギア18は、カウンターシャフト17に回転自在に支持されるとともに、外周にスプラインが形成されているドグギア18aを備えている。
ギア19は、カウンターシャフト17に回転自在に支持されるとともに、外周にスプラインが形成されているドグギア19aを備えている。
ギア20は、カウンターシャフト17に回転自在に支持されるとともに、外周にスプラインが形成されているドグギア20aを備えている。
ギア21は、カウンターシャフト17に回転自在に支持されるとともに、外周にスプラインが形成されているドグギア21aを備えている。
リバースギア22は、カウンターシャフト17に回転自在に支持されるとともに、外周にスプラインが形成されているドグギア22aを備えている。
変速機構10は、さらに、インプットシャフト13に対して平行に配置されたリバースアイドラーシャフト23を備えている。リバースアイドラーシャフト23は、リバースギア15cおよびリバースギア22と噛み合うリバースアイドラーギア23aを備えている。
変速機構10は、さらに、スリーブ24aの軸方向移動によりギア18およびギア20のうちハブ17aに接続されるギアを切り替える動力切替装置24と、スリーブ25aの軸方向移動によりギア19およびギア21のうちハブ17bに接続されるギアを切り替える動力切替装置25と、スリーブ26aの軸方向移動によりハブ17cにリバースギア22を接続させるか否かを切り替える動力切替装置26とを備えている。
動力切替装置24は、ハブ17aと、ギア18と一体のドグギア18aおよびギア20と一体のドグギア20aと、ハブ17aの外周スプラインに常時噛み合うとともに、ドグギア18aのスプライン、および、ドグギア20aのスプラインの一方に選択的に噛み合うことが可能なスプラインが内周に形成されたスリーブ24aとを備えている。スリーブ24aは、カウンターシャフト17の延在方向に移動可能であり、後述のシフトフォークが嵌るために周方向に延在する環状の溝が外周に形成されている。なお、動力切替装置24は、切り替え用クラッチ16とは異なり、テーパーコーン面やシンクロナイザーを有していない。
動力切替装置25は、ハブ17bと、ギア19のドグギア19aおよびギア21のドグギア21aと、ハブ17bの外周スプラインに常時噛み合うとともに、ドグギア19aのスプライン、および、ドグギア21aのスプラインの一方に選択的に噛み合うことが可能なスプラインが内周に形成されたスリーブ25aと、を備えている。スリーブ25aは、カウンターシャフト17の延在方向に移動可能であり、後述のシフトフォークが嵌るために周方向に延在する環状の溝が外周に形成されている。なお、動力切替装置25は、切り替え用クラッチ16とは異なり、テーパーコーン面やシンクロナイザーを有していない。
動力切替装置26は、ハブ17cと、リバースギア22と一体のドグギア22aと、ハブ17cの外周スプラインに常時噛み合うとともに、ドグギア22aのスプラインと噛み合うことが可能なスプラインが内周に形成されたスリーブ26aとを備えている。スリーブ26aは、カウンターシャフト17の延在方向に移動可能であり、後述のシフトフォークが嵌るために周方向に延在する環状の溝が外周に形成されている。なお、動力切替装置26は、切り替え用クラッチ16とは異なり、テーパーコーン面やシンクロナイザーを有していない。
変速機構10は、車輪3側に動力を伝達するアウトプットシャフト27を備えている。アウトプットシャフト27は、カウンターシャフト17のギア17dと噛み合うギア27aを備えていて、カウンターシャフト17に対して平行に配置されている。アウトプットシャフト27は、インプットシャフト13のクラッチ11とは逆側で、これらと同心となる位置に配置されている。
以上のように、変速機構10は、動力源2側から伝達された動力を車輪3側に伝達する動力伝達系統として、1速および3速を切り替え可能な奇数段側の動力伝達系統10aと、2速、4速および後退を切り替え可能な偶数段側および後退側の動力伝達系統10bとを備えている。切り替え用クラッチ16は、動力伝達系統10aおよび動力伝達系統10bを切り替えるクラッチである。
図3は、変速機構10の操作系30の模式図である。図4は、操作系30の側面模式図である。
変速機構10は、図3および図4に示す操作系30を備えている。
操作系30は、インプットシャフト13に対して平行で、かつギア14a、14b、15a〜15c、18、20,21,19、22の半径方向外側に配置されているシフトロッド31と、シフトロッド31に移動可能に支持されていてスリーブ16aの外周の溝に摺動可能に嵌るシフトフォーク32と、カウンターシャフト17に対して平行で、かつギア14a、14b、15a〜15c、18、20,21,19、22の半径方向外側に配置されているシフトロッド33と、シフトロッド33に移動可能に支持されていてスリーブ24aの外周の溝に摺動可能に嵌るシフトフォーク34と、シフトロッド33に移動可能に支持されていてスリーブ25aの外周の溝に摺動可能に嵌るシフトフォーク35と、シフトロッド33に移動可能に支持されていてスリーブ26aの外周の溝に摺動可能に嵌るシフトフォーク36と、シフトロッド31、33に対して平行にシフトロッド31、33の間に配置されていて図示していないシフト溝が外周に形成されているシフトドラム37と、シフトドラム37を回転させるアクチュエーター38とを備えている。シフトフォーク32、34、35、36は、それぞれ、シフトドラム37のシフト溝に挿入されるシフトアーム32a、34a、35a、36aを備えている。変速機構10は、シフト溝が適切な形状に形成されていることによって、スリーブ16a、24a、25a、26aの適切な移動が実現される。このように、操作系30は、このそれぞれのパーツが互いに近くなるように集中してスペース効率よく配置されている。
図5は、変速機構10の制御系のブロック図である。
図5に示すように、変速機構10は、上述したアクチュエーター38と、車両1の状態を検知する各種のセンサー39と、センサー39による検知結果に応じてアクチュエーター38の動作を制御する制御部40とを備えている。
センサー39としては、例えば、車両1のアクセルペダル開度を検知するセンサー、車両1の車速を検知するセンサーなどが存在する。
制御部40は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMに記憶されているプログラムを実行する。
次に、変速機構10の動作について説明する。
まず、変速機構10が各変速段である場合の切り替え用クラッチ16、動力切替装置24、動力切替装置25および動力切替装置26の状態について説明する。なお、スリーブ16a、24a、25a、26aは、前述のように、それぞれハブ13a、17a、17b、17cに常時接続され、これらハブに対して軸方向移動可能に支持されている。また、変速機構10が中立位置にあるときは、切り替え用クラッチ16はスリーブ16aがドグギア14c、15dのいずれとも非接続となる中立位置にあるものの、動力切替装置24〜26は、中立位置あるいは1速位置や後退位置等にしておくことが可能である。
変速機構10が1速の状態である場合、切り替え用クラッチ16は、スリーブ16aをドグギア14cに接続している。動力切替装置24は、スリーブ24aをドグギア18aに接続している。動力切替装置25、26は、スリーブ25a、26aがドグギア19a、21a、22aに対し非接続となるように中立位置に置かれている。したがって、インプットシャフト13に入力された動力は、ハブ13a、スリーブ16a、ドグギア14c、サブシャフト14、ギア14a、18、ドグギア18a、スリーブ24a、ハブ17a、カウンターシャフト17、ギア17d、27aを順に伝達して、アウトプットシャフト27から出力される。
変速機構10が2速の状態である場合、切り替え用クラッチ16は、スリーブ16aをドグギア15dに接続している。動力切替装置25は、スリーブ25aをドグギア19aに接続している。動力切替装置24、26は、スリーブ24a、26aがドグギア18a、20a、22aに対し非接続となるように中立位置に置かれている。したがって、インプットシャフト13に入力された動力は、ハブ13a、スリーブ16a、ドグギア15d、サブシャフト15、ギア15a、19、ドグギア19a、スリーブ25a、ハブ17b、カウンターシャフト17、ギア17d、27aを順に伝達して、アウトプットシャフト27から出力される。
変速機構10が3速の状態である場合、切り替え用クラッチ16は、スリーブ16aをドグギア14cに接続している。動力切替装置24は、スリーブ24aをドグギア20aに接続している。動力切替装置25、26は、スリーブ25a、26aがドグギア19a、21a、22aに対し非接続となるように中立位置に置かれている。したがって、インプットシャフト13に入力された動力は、ハブ13a、スリーブ16a、ドグギア14c、サブシャフト14、ギア14b、20、ドグギア20a、スリーブ24a、ハブ17a、カウンターシャフト17、ギア17d、27aを順に伝達して、アウトプットシャフト27から出力される。
変速機構10が4速の状態である場合、切り替え用クラッチ16は、スリーブ16aをドグギア15dに接続している。動力切替装置25は、スリーブ25aをドグギア21aに接続している。動力切替装置24,26は、スリーブ24a、26aをドグギア18a、20a、22aに対し非接続となるように中立位置に置かれている。したがって、インプットシャフト13に入力された動力は、ハブ13a、スリーブ16a、ドグギア15d、サブシャフト15、ギア15b、21、ドグギア21a、スリーブ25a、ハブ17b、カウンターシャフト17、ギア17d、27aを順に伝達して、アウトプットシャフト27から出力される。
変速機構10が後退の状態である場合、切り替え用クラッチ16は、スリーブ16aをドグギア15dに接続している。動力切替装置26は、スリーブ26aをドグギア22aに接続している。動力切替装置24、25は、スリーブ24a、25aがドグギア18a、20a、19a、21aに対し非接続となるように中立位置に置かれている。したがって、インプットシャフト13に入力された動力は、ハブ13a、スリーブ16a、ドグギア15d、サブシャフト15,リバースギア15c、リバースアイドラーギア23a、リバースギア22、ドグギア22a、スリーブ26a、ハブ17c、カウンターシャフト17,ギア17d、27aを順に伝達して、アウトプットシャフト27から出力される。
次に、1速から2速に切り替える場合の変速機構10の動作について説明する。
変速機構10が1速の状態である場合、制御部40は、例えばセンサー39によって検知されたアクセルペダル開度、車速などの情報に基づいて、1速から2速に切り替える状況であることを判断すると、アクチュエーター38を操作して動力切替装置25においてスリーブ25aをドグギア19aに接続する。この場合、1速状態であるので、切り替え用クラッチ16のスリーブ16aはドグギア15dとは非接続状態にあって、2速用のギア15a、19は回転駆動されることはない。したがって、動力切替装置25の上記切り替えは、シンクロナイザーリングなしでも容易に実行することができる。なお、1速からシフトダウンされることはないので、1速の場合には、制御部40で2速への切り替え判断が出る前であっても、車両の1速駆動中に、動力切替装置25においてスリーブ25aをドグギア19aに接続させて2速位置に維持しておいても良い。
次いで、制御部40は、アクチュエーター38を操作して切り替え用クラッチ16においてスリーブ16aをドグギア15dに接続する。この場合、切り替え用クラッチ16のスリーブ16aによるシンクロナイザーリングの押しつけ力を発生させるアクチュエーター38への駆動電流を、たとえば切り替え用クラッチ16での入出力間で発生する摩擦トルクの値をフィードバックして決めたデューティ比で制御し、同期接続を行う。これによって、変速機構10は、1速からスムーズに2速の状態になる。
以上のように、変速機構10は、1速から2速に切り替える場合、動力伝達系統10bにおいて動力切替装置25で2速の状態に切り替えた後、動力源2側から伝達された動力を車輪3側に伝達する動力伝達系統を、切り替え用クラッチ16で動力伝達系統10aから動力伝達系統10bに切り替える。
以上においては、1速から2速に切り替えるシフトアップ時の変速機構10の動作について説明した。変速機構10は、2速から3速に切り替えるシフトアップ時、3速から4速に切り替えるシフトアップ時、4速から3速に切り替えるシフトダウン時、3速から2速に切り替えるシフトダウン時、および、2速から1速に切り替えるシフトダウン時の動作も同様に、切り替え先の変速段が所属する動力伝達系統において切り替え先の変速段に動力切替装置24〜26によってギアを切り替えた後、切り替え先の変速段が所属する動力伝達系統に切り替え用クラッチ16によって切り替える。
以上に説明したように、変速機構10は、切り替え用クラッチ16がこの両側で動力伝達系統10a、10bに選択的に接続するので、切り替え用クラッチの片側に2つの動力伝達系統の双方を配置した従来技術とは、2つの動力伝達系統に対する切り替え用クラッチの位置が異なる。したがって、操作系30の集中配置などを活用することができ、変速機構10は、コンパクト化など、ギアの新たなレイアウトを可能にすることができる。
また、動力源からの動力を2つの動力伝達系統に入力可能にするクラッチは、ディスククラッチである場合、クラッチディスクの径が大きいので、慣性モーメントが大きい。そのため、動力源からの動力を2つの動力伝達系統に入力可能にするクラッチがディスククラッチである場合、ギア切り替えに伴う慣性モーメントの急激な変化抑制が必要となり、通常は、変速機構においてギアを切り替える動力切替装置として、シンクロメッシュ機構を備えたものを動力伝達系統が変速段ごとにそれぞれ備える必要がある。しかしながら、変速機構10は、切り替え用クラッチ16がギア切り替えを行う動力伝達系統10a、10bの上流側にあって同期性能を発揮できるので、動力源からの動力を動力伝達系統10a、10bに入力可能にするクラッチ11がディスククラッチであっても、シンクロメッシュ機構を備えていない動力切替装置24、25および26を動力伝達系統10a、10bが備えることができる。したがって、変速機構10は、小型化、軽量化および低コスト化することができる。
シンクロメッシュ機構による切り替え用クラッチ16は、ドグクラッチであるので、摩擦力によって動力を伝達するディスククラッチと比較して、径を小さくして慣性モーメントを小さくすることが可能であるのみならず、ディスククラッチのようにクラッチディスクを押圧し続ける仕掛け(ばね、油圧等)も不要となる。したがって、切り替え用クラッチ16は、ディスククラッチである場合と比較して、小型化および軽量化することができる。
変速機構10は、変速段を切り替える場合、切り替え先の変速段が所属する動力伝達系統において切り替え先の変速段に動力切替装置24〜26によって予め切り替えておき、この切り替え後、切り替え先の変速段が所属する動力伝達系統に切り替え用クラッチ16によって切り替えるので、変速段を瞬時に切り替えることができる。したがって、変速機構10は、変速段の切り替えの際にトルク切れが生じ難く、車両の運転者が感じる空走感を抑えることができる。
変速機構10は、シンクロメッシュ機構によるクラッチ以外のクラッチを有する切り替え用クラッチ16とは別の構成のクラッチを、切り替え用クラッチ16に代えても良い。例えば、図6に示すように、変速機構10は、一対のディスククラッチを備えた切り替え用クラッチ41を、切り替え用クラッチ16に代えても良い。
また、変速機構10は、動力切替装置24、25および26のうち少なくとも1つがシンクロメッシュ機構を備えていても良い。
以上においては、変速機構10として、4速の変速機構について説明している。しかしながら、変速機構10は、4速以外の変速機構であっても良い。
例えば、変速機構10は、図7に示すように、5速の変速機構であっても良い。
図7に示す変速機構10は、インプットシャフト13に対するアウトプットシャフト27の接続状態を切り替える切り替え用クラッチ42を備えている。切り替え用クラッチ42では、図示しないテーパーコーン面およびスプラインが外周に形成されたドグギア13bをインプットシャフト13が備えていて、スプラインが外周に形成されたハブ27bをアウトプットシャフト27が備えていて、ハブ27bに常時噛み合って支持され、軸方向移動可能なスリーブ42aが中立位置、ドグギア13bと噛み合う位置に切り替え可能とされている。
したがって、切り替え用クラッチ42は、シンクロメッシュ機構でありドグギア13bおよびハブ27bの間に配置されてドグギア13bのテーパーコーン面に接触して摩擦力を発生させるシンクロナイザーリング(図示していない。)を備えている。ハブ27bは、動力源2側から伝達された動力をアウトプットシャフト27に伝達する動力伝達部を構成している。スリーブ42aの外周面には、シフトフォークが嵌るために周方向に延在する環状の溝が形成されている。
図7に示す変速機構10でも、図2に示す変速機構10と同様に、奇数段用の動力伝達部と偶数段用の動力伝達部とは、軸方向にタンデム配置され、これらと同心に切り替え用クラッチ16が軸方向にタンデム配置される。
図7に示す変速機構10は、動力源2側から伝達された動力を車輪3側に伝達する動力伝達系統として、1速および3速を切り替え可能な奇数段用の動力伝達系統10aと、2速、4速および後退を切り替え可能な偶数段および後退用の動力伝達系統10bと、切り替え用クラッチ42を備え5速に切り替え可能な動力伝達系統10cとを備えている。
なお、5速の変速機構も、図2に示す変速機構10と同様に、2つの動力伝達系統のみで構成されても良い。例えば、5速の変速機構は、動力伝達系統10cを設けずに、5速のギアユニットが奇数段用の動力伝達系統10aに組み込まれても良い。
また、変速機構10は、変速段数が多い場合などにあっては、カウンターシャフトを追加することによって、インプットシャフト13の延在方向における変速機構10全体の長さを抑えながら、変速の段数を増やすことが可能である。例えば、図8は、変速機構10が8速の変速機構である場合の一例を示す。図8に示す変速機構10は、図2に示す変速機構10にカウンターシャフト43が追加されたものである。図8に示す変速機構10は、5速を実現するためのギア44と、6速を実現するためのギア45と、7速を実現するためのギア46と、8速を実現するためのギア47と、ギア44および46を切り替える動力切替装置48と、ギア45および47を切り替える動力切替装置49とを備えている。図8において、動力伝達系統10aは、1速、3速、5速および7速を切り替え可能であり、動力伝達系統10bは、2速、4速、6速、8速および後退を切り替え可能である。
以上においては、変速機構10として、FR用の変速機構について説明している。しかしながら、変速機構10は、FR用以外の変速機構であっても良い。
例えば、変速機構10は、図9に示すように、FF(フロントエンジン・フロントドライブ方式)用の変速機構であっても良い。図9に示す変速機構10は、出力側にディファレンシャルギア50を備えている。
(第2の実施の形態)
まず、第2の実施の形態に係る変速機構の構成について説明する。
図10は、本実施の形態に係る変速機構110のスケルトン図である。
図10に示す変速機構110は、FR用の4速の変速機構である。
変速機構110は、車両のエンジンなどの動力源側からの動力を伝達するクランクシャフトなどのシャフト112に接続されたクラッチ111を備えている。クラッチ111は、動力源からの動力を動力伝達系統110a、110bに入力可能にするディスククラッチである。
変速機構110は、クラッチ111にシャフト112とは反対側に接続されたインプットシャフト113を備えている。
インプットシャフト113は、1速および2速を実現するためのギア113aと、3速および4速を実現するためのギア113bとを備えている。
変速機構110は、さらに、インプットシャフト113に対して平行に配置されたカウンターシャフト114と、カウンターシャフト114に回転可能に支持された中空のサブシャフト115と、カウンターシャフト114に回転可能に支持されていてギア113aと噛み合うギア116と、サブシャフト115に回転可能に支持されていてギア113bと噛み合うギア117と、カウンターシャフト114、サブシャフト115、ギア116およびギア117の接続状態を切り替える動力切替装置118と、カウンターシャフト114に回転可能に支持されていて2速および4速を実現するためのギア119と、カウンターシャフト114に回転可能に支持されていて後退を実現するためのリバースギア120と、カウンターシャフト114、ギア119およびリバースギア120の接続状態を切り替える動力切替装置121とを備えている。ここで、動力切替装置118と動力切替装置121とは、いずれもシンクロナイザーリングやテーパーコーン面などの同期機構を有してない。
カウンターシャフト114は、外周にスプラインが形成されているハブ114aと、外周にスプラインが形成されているハブ114bとを備えている。
サブシャフト115は、外周にスプラインが形成されているハブ115aと、1速および3速を実現するためのギア115bとを備えている。
ギア116は、外周にスプラインが形成されているドグギア116aを備えている。
ギア117は、外周にスプラインが形成されているドグギア117aを備えている。
動力切替装置118は、ハブ114aの外周スプライン、ハブ115aの外周スプライン、および、ドグギア116aのスプラインと噛み合うことが可能なスプラインが内周に形成された切替部材としてのスリーブ118aと、ハブ114aの外周スプライン、ハブ115aの外周スプライン、および、ドグギア117aのスプラインと噛み合うことが可能なスプラインが内周に形成された切替部材としてのスリーブ118bと、ハブ114a、115a、ドグギア116aおよびドグギア117aとを備えている。スリーブ118aおよびスリーブ118bは、それぞれ、カウンターシャフト114の延在方向に移動可能であり、シフトフォークが嵌るために周方向に延在する環状の溝が外周に形成されている。
ギア119は、外周にスプラインが形成されているドグギア119aを備えている。
リバースギア120は、外周にスプラインが形成されているドグギア120aを備えている。
動力切替装置121は、ハブ114bの外周スプライン、ドグギア119aのスプライン、および、ドグギア120aのスプラインと噛み合うことが可能なスプラインが内周に形成されたスリーブ121aと、ハブ114b、ドグギア119aおよびドグギア120aとを備えている。スリーブ121aは、カウンターシャフト114の延在方向に移動可能であり、シフトフォークが嵌るために周方向に延在する環状の溝が外周に形成されている。
変速機構110は、さらに、カウンターシャフト114に対して平行に配置されたリバースアイドラーシャフト122を備えている。リバースアイドラーシャフト122は、リバースギア120と噛み合うリバースアイドラーギア122aを備えている。
変速機構110は、さらに、インプットシャフト113の延長線上にカウンターシャフト114に対して平行に配置されていて車両の車輪側に動力を伝達するアウトプットシャフト123と、アウトプットシャフト123に回転可能に支持されているサブシャフト124と、アウトプットシャフト123に回転可能に支持されていてギア115bと噛み合うギア125と、アウトプットシャフト123、サブシャフト124およびギア125の接続状態を切り替える切り替え用クラッチ126とを備えている。
アウトプットシャフト123は、外周にスプラインが形成されているハブ123aを備えている。
サブシャフト124は、テーパーコーン面およびスプラインが外周に形成されたドグギア124aと、ギア119と噛み合うギア124bと、リバースアイドラーギア122aと噛み合うリバースギア124cとを備えている。
ギア125は、テーパーコーン面およびスプラインが外周に形成されたドグギア125aを備えている。
切り替え用クラッチ126は、例えばイナーシャロック型などのシンクロメッシュ機構である。切り替え用クラッチ126は、ハブ123aの外周スプライン、ドグギア124aのスプライン、および、ドグギア125aのスプラインと噛み合うことが可能なスプラインが内周に形成されたスリーブ126aと、ハブ123a、ドグギア124cおよびドグギア125aと、ハブ123aおよびドグギア124aの間に配置されてドグギア124aのテーパーコーン面に接触して摩擦力を発生させるシンクロナイザーリング(図示していない。)と、ハブ123aおよびドグギア125aの間に配置されてドグギア125aのテーパーコーン面に接触して摩擦力を発生させるシンクロナイザーリング(図示していない。)とを備えている。ドグギア124aおよび125aは、それぞれ、動力源側から伝達された動力をアウトプットシャフト123に伝達する動力伝達部を構成している。スリーブ126aは、アウトプットシャフト123の延在方向に移動可能であり、シフトフォークが嵌るために周方向に延在する環状の溝が外周に形成されている。これら奇数段用の動力伝達部と偶数段用の動力伝達部とは、軸方向にタンデム配置され、これらと同心に切り替え用クラッチ16が軸方向にタンデム配置される。
なお、ドグギア116aおよび117aは、動力切替装置118において動力が入力される動力入力部材である。ここで、ドグギア116aに動力を入力する系統は、ギア113aおよび116によって変速される。ドグギア117aに動力を入力する系統は、ギア113bおよび117によって変速される。ギア113aおよび116による変速比と、ギア113bおよび117による変速比とは、異なる。すなわち、ドグギア116aおよび117aは、互いに変速比が異なる系統から動力が入力される。
また、ハブ114aおよび115aは、動力切替装置118において動力を出力する動力出力部材である。ここで、ハブ114aが動力を出力する系統は、動力切替装置121においてスリーブ121aがハブ114bおよびドグギア119aに接続している場合、ギア119および124bによって変速される。ハブ115aが動力を出力する系統は、ギア115bおよび125によって変速される。ギア119および124bによる変速比と、ギア115bおよび125による変速比とは、異なる。すなわち、ハブ114aおよび115aは、互いに変速比が異なる系統に動力を出力する。
以上のように、変速機構110は、動力源側から伝達された動力を車輪側に伝達する動力伝達系統として、1速および3速を切り替え可能な奇数段用の動力伝達系統110aと、2速、4速および後退を切り替え可能な偶数段及び後退用の動力伝達系統110bとを備えている。切り替え用クラッチ126は、動力伝達系統110aおよび110bを切り替えるクラッチである。
変速機構110は、第1の実施の形態に係る変速機構10(図2参照。)と同様の操作系および制御部によって操作されることが可能である。
次に、変速機構110の動作について説明する。
まず、変速機構110が各変速段である場合の切り替え用クラッチ126、動力切替装置118および動力切替装置121の状態について説明する。なお、動力切替装置118のスリーブ118aはハブ114aの外周スプラインに常時嵌合しており、動力切替装置118のスリーブ118bはハブ115aの外周スプラインに常時嵌合しており、動力切替装置121のスリーブ121aはハブ114bの外周スプラインに常時嵌合しており、切り替え用クラッチ126のスリーブ126aはハブ123aの外周スプラインに常時嵌合している。
変速機構110が1速の状態である場合、切り替え用クラッチ126は、スリーブ126aをドグギア125aに接続している。動力切替装置118は、スリーブ118aをドグギア116aに接続しており、スリーブ118bをハブ114aに接続している。動力切替装置121は、スリーブ121aがドグギア119a、120aに対し非接続となる中立状態である。したがって、インプットシャフト113に入力された動力は、ギア113a、116、ドグギア116a、スリーブ118a、ハブ114a、スリーブ118b、ハブ115a、サブシャフト115、ギア115b、125、ドグギア125a、スリーブ126a、ハブ123aを順に伝達して、アウトプットシャフト123から出力される。
変速機構110が2速の状態である場合、切り替え用クラッチ126は、スリーブ126aをドグギア124aに接続している。動力切替装置118は、スリーブ118aをドグギア116aに接続し、スリーブ118bをハブ114aに対し非接続状態にしている。動力切替装置121は、スリーブ121aをドグギア119aに接続している。したがって、インプットシャフト113に入力された動力は、ギア113a、116、ドグギア116a、スリーブ118a、ハブ114a、カウンターシャフト114、ハブ114b、スリーブ121a、ドグギア119a、ギア119、124b、サブシャフト124、ドグギア124a、スリーブ126a、ハブ123aを順に伝達して、アウトプットシャフト123から出力される。
変速機構110が3速の状態である場合、切り替え用クラッチ126は、スリーブ126aをドグギア125aに接続している。動力切替装置118は、スリーブ118aをハブ115aに対し非接続状態にし、またスリーブ118bをドグギア117aに接続している。動力切替装置121は、スリーブ121aをドグギア119a、120aに対して非接続位置とした中立状態である。したがって、インプットシャフト113に入力された動力は、ギア113b、117、ドグギア117a、スリーブ118b、ハブ115a、サブシャフト115、ギア115b、125、ドグギア125a、スリーブ126a、ハブ123aを順に伝達して、アウトプットシャフト123から出力される。
変速機構110が4速の状態である場合、切り替え用クラッチ126は、スリーブ126aをドグギア124aに接続している。動力切替装置118は、スリーブ118aをハブ115aに接続しており、スリーブ118bをドグギア117aに接続している。動力切替装置121は、スリーブ121aをドグギア119aに接続している。したがって、インプットシャフト113に入力された動力は、ギア113b、117、ドグギア117a、スリーブ118b、ハブ115a、スリーブ118a、ハブ114a、カウンターシャフト114、ハブ114b、スリーブ121a、ドグギア119a、ギア119、124b、ドグギア124a、スリーブ126a、ハブ123aを順に伝達して、アウトプットシャフト123から出力される。
変速機構110が後退の状態である場合、切り替え用クラッチ126は、スリーブ126aをドグギア124aに接続している。動力切替装置118は、スリーブ118aをドグギア116aに接続し、スリーブ118bはハブ114aに対し非接続状態にしている。動力切替装置121は、スリーブ121aをドグギア120aに接続している。したがって、インプットシャフト113に入力された動力は、ギア113a、116、ドグギア116a、スリーブ118a、ハブ114a、カウンターシャフト114,ハブ114b、スリーブ121a、ドグギア120a、リバースギア120、リバースアイドラーギア122、リバースギア124c、サブシャフト124、ドグギア124a、スリーブ126a、ハブ123aを順に伝達して、アウトプットシャフト123から出力される。
次に、2速から3速に切り替える場合の変速機構110の動作について説明する。
変速機構110が2速の状態である場合、制御部は、例えばセンサーによって検知されたアクセルペダル開度、車速などの情報に基づいて、2速から3速に切り替える状況であることを判断すると、アクチュエーターを操作して動力切替装置118においてスリーブ118aをドグギア116aに、またスリーブ118bをドグギア117aに接続する。
次いで、制御部は、アクチュエーターを操作して切り替え用クラッチ126においてスリーブ126aをドグギア125aに接続する。これによって、変速機構110は、3速の状態になる。
以上のように、変速機構110は、2速から3速に切り替える場合、動力伝達系統110aにおいて3速の状態に切り替えた後、動力伝達系統110bから動力伝達系統110aに切り替える。
以上においては、2速から3速に切り替えるシフトアップ時の変速機構110の動作について説明した。変速機構110は、1速から2速に切り替えるシフトアップ時、3速から4速に切り替えるシフトアップ時、4速から3速に切り替えるシフトダウン時、3速から2速に切り替えるシフトダウン時、および、2速から1速に切り替えるシフトダウン時の動作も同様に、切り替え先の変速段が所属する動力伝達系統において切り替え先の変速段に動力切替装置118、121によって切り替えた後、切り替え先の変速段が所属する動力伝達系統に切り替え用クラッチ126によって切り替える。
変速機構110は、第1の実施の形態に係る変速機構10(図2参照。)と同様の効果を得ることができる。また、さらに以下に述べる効果を得ることができる。
変速機構110は、動力切替装置118において、動力源側から動力が入力される動力入力部材としてのドグギア116aおよび117aのそれぞれに対して、車輪側に動力を出力する動力出力部材としてのハブ114aおよび115aのそれぞれとの接続を切り替えるので、全ての動力切替装置のそれぞれが動力入力部材および動力出力部材の少なくとも一方を1つのみ備えている構成と比較して、変速機構110全体として動力入力部材および動力出力部材の総数を低減することができ、小型化、軽量化および低コスト化することができる。
例えば、変速機構110と同様にFR用の4速の変速機構である図2に示す変速機構10と比較する。図2に示す変速機構10は、動力切替装置24〜26における動力入力部材としてのドグギアがドグギア18a、19a、20a、21a、22aの5つであり、動力切替装置における動力出力部材としてのドグギアがハブ17a、17b、17cの3つであるので、変速機構10全体としての動力入力部材および動力出力部材の総数が8である。一方、図10に示す変速機構110は、動力切替装置118、121における動力入力部材としてのドグギアがハブ114b、ドグギア116a、117aの3つであり、動力切替装置118、121における動力出力部材としてのドグギアがハブ114a、115a、ドグギア119a、120aの4つであるので、変速機構110全体としての動力入力部材および動力出力部材の総数が7である。
変速機構110は、動力切替装置118がシンクロメッシュ機構を備えていないので、動力切替装置118において、動力入力部材としてのドグギア116a、117aと、動力出力部材としてのハブ114a、115aとを並べて配置することができる。したがって、変速機構110は、インプットシャフト113の延在方向における変速機構110全体の長さを抑えることができる。
変速機構110は、例えば、一対のディスククラッチなど、シンクロメッシュ機構によるクラッチ以外のクラッチを切り替え用クラッチ126に代えて備えても良い。
また、変速機構110は、動力切替装置118および121の少なくとも1つがシンクロメッシュ機構を備えていても良い。
変速機構110は、4速以外の変速機構であっても良い。ここで、変速機構110は、カウンターシャフトを追加することによって、インプットシャフト113の延在方向における変速機構110全体の長さを抑えながら、変速の段数を増やすことが可能である。
変速機構110は、例えば、FF用の変速機構など、FR用以外の変速機構であっても良い。
(第3の実施の形態)
まず、第3の実施の形態に係る変速機構の構成について説明する。
図11は、1速の状態である場合の本実施の形態に係る変速機構210の断面図である。図12は、変速機構210のスケルトン図である。
図11および図12に示す変速機構210は、FF用の4速の変速機構である。
変速機構210は、車両の動力源としてのモーター291および292に接続されるインプットシャフト211と、インプットシャフト211に回転可能に支持されて1速および3速を実現するための奇数段用のギア212と、インプットシャフト211に回転可能に支持されて2速および4速を実現するための偶数段用のギア213と、インプットシャフト211、ギア212およびギア213の接続状態を切り替える切り替え用クラッチ214と、切り替え用クラッチ214を操作するためのシフトフォーク215とを備えている。
インプットシャフト211は、延在方向における一端にモーター291が接続され、他端にモーター292が接続される。インプットシャフト211は、外周にスプラインが形成されているハブ211aを備えている。
ギア212は、外周にスプラインが形成されたドグギア212aを備えている。ドグギア212aは、ハブ211a側に突出した部分の外周にテーパーコーン面212bも形成されている。
ギア213は、外周にスプラインが形成されたドグギア213aを備えている。ドグギア213aは、ハブ211a側に突出した部分の外周にテーパーコーン面213bも形成されている。
切り替え用クラッチ214は、イナーシャロック型のシンクロメッシュ機構である。切り替え用クラッチ214は、ハブ211aおよびドグギア212aの間に配置されて外周にスプラインが形成されて内周に形成された円錐状の摩擦面がテーパーコーン面212bに接触して摩擦力を発生させるシンクロナイザーリング214aと、ハブ211aおよびドグギア213aの間に配置されて外周にスプラインが形成されて内周に形成された円錐状の摩擦面がテーパーコーン面213bに接触して摩擦力を発生させるシンクロナイザーリング214bと、シンクロナイザーリング214aおよびシンクロナイザーリング214bの間に配置された複数のインサートキー214cと、ハブ211aの外周スプライン、ドグギア212aのスプライン、ドグギア213aのスプライン、シンクロナイザーリング214aのスプライン、および、シンクロナイザーリング214bのスプラインと噛み合うことが可能なスプラインが内周に形成されたスリーブ214dと、ハブ211a、ドグギア212aおよびドグギア213aとを備えている。ドグギア212aは、モーター291および292側から伝達された動力をギア212に伝達する動力伝達部を構成している。ドグギア213aは、モーター291および292側から伝達された動力をギア213に伝達する動力伝達部を構成している。スリーブ214dは、インプットシャフト211の延在方向に移動可能であり、シフトフォーク215が嵌るために周方向に延在する環状の溝が外周に形成されている。
なお、切り替え用クラッチ214は、スリーブ214dがシンクロナイザーリング214aおよびシンクロナイザーリング214bに同時に接触可能な長さであるので、ドグギア212aからドグギア213aへの切り替え時に、スリーブ214dおよびドグギア212aの噛み合いが解除されてから、シンクロナイザーリング214bがスリーブ214dによって直接または間接的に押されてドグギア213aのテーパーコーン面213bに接触して摩擦力を発生させるまでの時間と、ドグギア213aからドグギア212aへの切り替え時に、スリーブ214dおよびドグギア213aの噛み合いが解除されてから、シンクロナイザーリング214aがスリーブ214dによって直接または間接的に押されてドグギア212aのテーパーコーン面212bに接触して摩擦力を発生させるまでの時間とを短くすることができる。したがって、変速機構210は、ドグギアの切り替え時のトルク切れを抑えることができ、車両の運転者が感じる空走感を抑えることができる。
また、切り替え用クラッチ214において、スリーブ214dは、ドグギア212aに噛み合う状態からドグギア213a側に移動する場合に、少なくともドグギア212aとの接触が解除される前から、インサートキー214cを介して間接的にシンクロナイザーリング214bを押してシンクロナイザーリング214bをドグギア213aのテーパーコーン面213bに接触させる長さであるとともに、ドグギア213aに噛み合う状態からドグギア212a側に移動する場合に、少なくともドグギア213aとの接触が解除される前から、インサートキー214cを介して間接的にシンクロナイザーリング214aを押してシンクロナイザーリング214aをドグギア212aのテーパーコーン面212bに接触させる長さである。したがって、変速機構210は、ドグギアの切り替え時のトルク切れを抑えることができ、車両の運転者が感じる空走感を抑えることができる。
また、切り替え用クラッチ214において、スリーブ214dは、ドグギア212aに噛み合う状態からドグギア213a側に移動する場合に、ドグギア212aとの接触と、シンクロナイザーリング214bとの接触とが異なる時期にのみ生じる最大の長さであるとともに、ドグギア213aに噛み合う状態からドグギア212a側に移動する場合に、ドグギア213aとの接触と、シンクロナイザーリング214aとの接触とが異なる時期にのみ生じる最大の長さである。この構成により、変速機構210は、スリーブ214dがドグギア212aに噛み合う状態からドグギア213aに噛み合う状態に切り替える場合に、スリーブ214dおよびドグギア212aの接触が解除された直後から、スリーブ214dによってシンクロナイザーリング214bを直接押してシンクロナイザーリング214bをドグギア213aのテーパーコーン面213bに接触させて摩擦力を発生させるとともに、スリーブ214dがドグギア213aに噛み合う状態からドグギア212aに噛み合う状態に切り替える場合に、スリーブ214dおよびドグギア213aの接触が解除された直後から、スリーブ214dによってシンクロナイザーリング214aを直接押してシンクロナイザーリング214aをドグギア212aのテーパーコーン面212bに接触させて摩擦力を発生させるので、ドグギアの切り替え時のトルク切れを抑えることができ、車両の運転者が感じる空走感を抑えることができる。なお、切り替え用クラッチ214において、スリーブ214dは、ドグギア212aに噛み合う状態からドグギア213a側に移動する場合に、ドグギア212aとの接触と、シンクロナイザーリング214bとの接触とが異なる時期にのみ生じるとともに、ドグギア213aに噛み合う状態からドグギア212a側に移動する場合に、ドグギア213aとの接触と、シンクロナイザーリング214aとの接触とが異なる時期にのみ生じる長さであれば良い。
変速機構210は、インプットシャフト211に対して平行に配置されたカウンターシャフト216と、カウンターシャフト216に回転可能に支持されたサブシャフト217と、サブシャフト217に回転可能に支持されていて3速および4速を実現するためのギア218と、カウンターシャフト216に回転可能に支持されていて1速および2速を実現するためのギア219と、カウンターシャフト216、サブシャフト217、ギア218およびギア219の接続状態を切り替える動力切替装置220と、動力切替装置220を操作するためのシフトフォーク221および222とを備えている。
カウンターシャフト216は、外周にスプラインが形成されているハブ216aと、ギア213と噛み合って2速および4速を実現するためのギア216bとを備えている。
サブシャフト217は、外周にスプラインが形成されているハブ217aと、ギア212と噛み合って1速および3速を実現するためのギア217bとを備えている。
ギア218は、外周にスプラインが形成されているドグギア218aを備えている。
ギア219は、外周にスプラインが形成されているドグギア219aを備えている。
動力切替装置220は、ハブ216aのスプライン、ハブ217aのスプライン、および、ドグギア218aのスプラインと噛み合うことが可能なスプラインが内周に形成された切替部材としてのスリーブ220aと、ハブ216aのスプライン、ハブ217aのスプライン、および、ドグギア219aのスプラインと噛み合うことが可能なスプラインが内周に形成された切替部材としてのスリーブ220bと、ハブ216a、217a、ドグギア218aおよびドグギア219aとを備えている。スリーブ220aは、カウンターシャフト216の延在方向に移動可能であり、シフトフォーク221が嵌るために周方向に延在する環状の溝が外周に形成されている。スリーブ220bは、カウンターシャフト216の延在方向に移動可能であり、シフトフォーク222が嵌るために周方向に延在する環状の溝が外周に形成されている。
変速機構210は、カウンターシャフト216に対して平行に配置されていて車両の車輪側に動力を伝達するアウトプットシャフトとしてのドライブシャフト223および224と、アウトプットシャフト223および224を接続するディファレンシャルギア225とを備えている。
ディファレンシャルギア225は、ギア218と噛み合っていて3速および4速を実現するためのギア225aと、ギア219と噛み合っていて1速および2速を実現するためのギア225bとを備えている。
なお、ハブ216aおよび217aは、動力切替装置220において動力が入力される動力入力部材である。ここで、ハブ216aに動力を入力する系統は、ギア213および216bによって変速される。ハブ217aに動力を入力する系統は、ギア212および217bによって変速される。ギア213および216bによる変速比と、ギア212および217bによる変速比とは、異なる。すなわち、ハブ216aおよび217aは、互いに変速比が異なる系統から動力が入力される。
また、ドグギア218aおよび219aは、動力切替装置220において動力を出力する動力出力部材である。ここで、ドグギア218aが動力を出力する系統は、ギア218および225aによって変速される。ドグギア219aが動力を出力する系統は、ギア219および225bによって変速される。ギア218および225aによる変速比と、ギア219および225bによる変速比とは、異なる。すなわち、ドグギア218aおよび219aは、互いに変速比が異なる系統に動力を出力する。
以上のように、変速機構210は、モーター291および292側から伝達された動力を車輪側に伝達する動力伝達系統として、1速および3速を切り替え可能な奇数段用の動力伝達系統210aと、2速および4速を切り替え可能な偶数段用の動力伝達系統210bとを備えている。切り替え用クラッチ214は、動力伝達系統210aおよび210bを切り替えるクラッチである。
変速機構210は、第1の実施の形態に係る変速機構10(図2参照。)と同様の操作系および制御部によって操作されることが可能である。
次に、変速機構210の動作について説明する。
まず、変速機構210が各変速段である場合の切り替え用クラッチ214および動力切替装置220の状態について説明する。なお、スリーブ214dはハブ211aの外周スプラインに常時噛み合ってハブ211aに軸方向移動可能に支持されるとともに、スリーブ220aはハブ217aの外周スプラインに常時噛み合ってハブ217aに軸方向移動可能に支持されており、スリーブ220bはハブ216aの外周スプラインに常時噛み合ってハブ216aに軸方向移動可能に支持されている。
変速機構210が1速の状態である場合、図11に示すように、切り替え用クラッチ214は、スリーブ214dをドグギア212aに接続している。動力切替装置220は、スリーブ220aをハブ216aに接続しており、スリーブ220bをドグギア219aに接続している。したがって、インプットシャフト211に入力された動力は、ハブ211a、スリーブ214d、ドグギア212a、ギア212、217b、サブシャフト217、ハブ217a、スリーブ220a、ハブ216a、スリーブ220b、ドグギア219a、ギア219、225b、ディファレンシャルギア225を順に伝達して、ドライブシャフト223および224から出力される。
変速機構210が2速の状態である場合、図13に示すように、切り替え用クラッチ214は、スリーブ214dをドグギア213aに接続している。動力切替装置220は、スリーブ220aをハブ216aに接続しており、スリーブ220bをドグギア219aに接続している。したがって、インプットシャフト211に入力された動力は、ハブ211a、スリーブ214d、ドグギア213a、ギア213、216b、カウンターシャフト216、ハブ216a、スリーブ220b、ドグギア219a、ギア219、225b、ディファレンシャルギア225を順に伝達して、ドライブシャフト223および224から出力される。
変速機構210が3速の状態である場合、図14に示すように、切り替え用クラッチ214は、スリーブ214dをドグギア212aに接続している。動力切替装置220は、スリーブ220aをドグギア218aに接続しており、スリーブ220bをドグギア219aに接続している。したがって、インプットシャフト211に入力された動力は、ハブ211a、スリーブ214d、ドグギア212a、ギア212、217b、サブシャフト217、ハブ217a、スリーブ220a、ドグギア218a、ギア218、225a、ディファレンシャルギア225を順に伝達して、ドライブシャフト223および224から出力される。
変速機構210が4速の状態である場合、図15に示すように、切り替え用クラッチ214は、スリーブ214dをハブ211aおよびドグギア213aに接続している。動力切替装置220は、スリーブ220aをドグギア218aに接続しており、スリーブ220bをハブ217aに接続している。したがって、インプットシャフト211に入力された動力は、ハブ211a、スリーブ214d、ドグギア213a、ギア213、216b、カウンターシャフト216、ハブ216a、スリーブ220b、ドグギア217a、スリーブ220a、ドグギア218a、ギア218、225a、ディファレンシャルギア225を順に伝達して、ドライブシャフト223および224から出力される。
次に、1速から2速に切り替える場合の変速機構210の動作について説明する。
変速機構210が図11に示す1速の状態である場合、制御部は、例えばセンサーによって検知されたアクセルペダル開度、車速などの情報に基づいて、1速から2速に切り替える状況であることを判断すると、アクチュエーターを操作して切り替え用クラッチ214においてスリーブ214dをドグギア213aに同期制御を行いながら接続する。これによって、変速機構210は、図13に示す2速の状態になる。
次に、2速から3速に切り替える場合の変速機構210の動作について説明する。
変速機構210が図13に示す2速の状態である場合、制御部は、例えばセンサーによって検知されたアクセルペダル開度、車速などの情報に基づいて、2速から3速に切り替える状況であることを判断すると、アクチュエーターを操作して図16に示すように動力切替装置220においてスリーブ220aをドグギア218aに接続する。
次いで、制御部は、アクチュエーターを操作して切り替え用クラッチ214においてスリーブ214dをドグギア212aに同期制御を行いながら接続する。これによって、変速機構210は、図14に示す3速の状態になる。
次に、3速から4速に切り替える場合の変速機構210の動作について説明する。
変速機構210が図14に示す3速の状態である場合、制御部は、例えばセンサーによって検知されたアクセルペダル開度、車速などの情報に基づいて、3速から4速に切り替える状況であることを判断すると、アクチュエーターを操作して図17に示すように動力切替装置220においてスリーブ220bをハブ217aに接続する。
次いで、制御部は、アクチュエーターを操作して切り替え用クラッチ214においてスリーブ214dをドグギア213aに同期制御を行いながら接続する。これによって、変速機構210は、図15に示す4速の状態になる。
以上のように、変速機構210は、2速から3速に切り替える場合、動力伝達系統210aにおいて3速の状態に切り替えた後、モーター291および292側から伝達された動力を車輪側に伝達する動力伝達系統を、偶数段用の動力伝達系統210bから奇数段用の動力伝達系統210aに切り替える。また、変速機構210は、3速から4速に切り替える場合、動力伝達系統210bにおいて4速の状態に切り替えた後、モーター291および292側から伝達された動力を車輪側に伝達する動力伝達系統を、奇数段用の動力伝達系統210aから偶数段用の動力伝達系統210bに切り替える。
以上においては、シフトアップ時の変速機構210の動作について説明した。変速機構210は、4速から3速に切り替えるシフトダウン時、3速から2速に切り替えるシフトダウン時、および、2速から1速に切り替えるシフトダウン時の動作も同様に、切り替え先の変速段が所属する動力伝達系統において切り替え先の変速段に動力切替装置220によって切り替えた後、切り替え先の変速段が所属する動力伝達系統に切り替え用クラッチ214によって切り替える。
なお、本実施の形態の変速機構210は、モーター291、292で駆動するので、車両後退時には、変速機構210をたとえば1速にしてモーター291、292のうち少なくとも1つで駆動し、これを逆転方向駆動とすれば良い。
変速機構210は、第2の実施の形態に係る変速機構110(図10参照。)と同様の効果を得ることができる。
変速機構210は、モーター291および292という2つのモーターが接続されているので、必要な動力がモーター291および292のうち一方のみで賄える場合に、モーター291および292のうち他方を停止させることができる。
モーターは、効率の良い使用条件が存在する。変速機構210は、モーター291および292という2つのモーターが接続されているので、必要に応じて、モーター291および292のうち1つのみを動作させたり、モーター291および292の両法を動作させたり制御されることによって、1つのモーターのみが接続されている構成と比較して、モーター291および292によって効率良く動作させられることができる。
変速機構210は、切り替え用クラッチ214は、本実施の形態のシンクロメッシュ機構によるクラッチ以外のクラッチ、例えば、一対のディスククラッチなどに代えても良い。
また、変速機構210は、動力切替装置220がシンクロメッシュ機構を備えていても良い。
変速機構210は、4速以外の変速機構であっても良い。ここで、変速機構210は、カウンターシャフトを追加することによって、インプットシャフト211の延在方向における変速機構210全体の長さを抑えながら、変速の段数を増やすことが可能である。
変速機構210は、例えば、FR用の変速機構など、FF用以外の変速機構であっても良い。
10 変速機構
10a、10b 動力伝達系統
11 クラッチ(動力源からの動力を2つの動力伝達系統に入力可能にするクラッチ)
14c、15d ドグギア(動力伝達部)
16 切り替え用クラッチ
24、25、26 動力切替装置
41 切り替え用クラッチ
48、49 動力切替装置
110 変速機構
110a、110b 動力伝達系統
111 クラッチ(動力源からの動力を2つの動力伝達系統に入力可能にするクラッチ)
114a、115a ハブ(動力出力部材)
116a、117a ドグギア(動力入力部材)
118 動力切替装置
118a、118b スリーブ(切替部材)
121 動力切替装置
124a、125a ドグギア(動力伝達部)
126 切り替え用クラッチ
210 変速機構
210a、210b 動力伝達系統
212a、213a ドグギア(動力伝達部)
214 切り替え用クラッチ
216a、217a ハブ(動力入力部材)
218a、219a ドグギア(動力出力部材)
220 動力切替装置
220a、220b スリーブ(切替部材)

Claims (5)

  1. 車両の動力源側から伝達された動力を前記車両の車輪側に伝達する、奇数段用と偶数段用の2つの動力伝達系統と、
    前記2つの動力伝達系統にそれぞれ接続されて動力を伝達するようにタンデム配置した2つの動力伝達部と、
    前記2つの動力伝達部間に前記動力伝達部と同心となるタンデム配置されて、前記動力伝達部を切り替えることによって前2つの動力伝達系統を切り替える切り替え用クラッチと
    を備えたことを特徴とする変速機構。
  2. 前記動力源からの動力を前記2つの動力伝達系統に入力可能にするクラッチを備えていることを特徴とする請求項1に記載の変速機構。
  3. 前記2つの動力伝達系統の少なくとも1つは、前記動力伝達系統自身における変速段を切り替える動力切替装置を備え、
    前記動力切替装置の少なくとも1つは、シンクロメッシュ機構を備えていないことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の変速機構。
  4. シンクロメッシュ機構を備えていない前記動力切替装置の少なくとも1つは、
    互いに変速比が異なる系統から動力が入力される複数の動力入力部材と、
    互いに変速比が異なる系統に動力を出力する複数の動力出力部材と、
    前記動力入力部材および前記動力出力部材との噛み合いによって前記動力入力部材および前記動力出力部材の接続の組み合わせを切り替える切替部材と
    を備え、
    前記切替部材は、複数の前記動力入力部材のそれぞれに対して複数の前記動力出力部材のそれぞれとの接続を切り替えることを特徴とする請求項3に記載の変速機構。
  5. 前記切り替え用クラッチは、両側の前記動力伝達部を切り替えるシンクロメッシュ機構であることを特徴とする請求項1から請求項4までの何れかに記載の変速機構。
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