JP6587771B1 - 繊維強化複合材料成形品のプレス成形装置及びプレス成形方法。 - Google Patents

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Abstract

【課題】プリプレグの樹脂組成物を限定することなく、かつ品質、作業効率を下げることのない生産性の高い繊維強化複合材料成形品を製造するためのプレス成形装置及びこのプレス成形装置を使ったプレス成形方法を提供する。【解決手段】上方に配置される凹形状の上金型と、前記上金型と対をなす凸形状の下金型と、前記下金型の周囲に備えられ、前記プリプレグを安定して配置すると共に、前記繊維強化複合材料成形品のしわの発生を抑えるしわ抑え板とからなり、前記下金型は、前記上金型の下死点近傍を周回する段差を備え、該段差の下方は、その上方に形成された抜き勾配と同等又はそれよりも大きい角度θで外方に向かい漸次広がる傾斜部を有し、前記しわ抑え板は、前記下金型に面する内壁が、前記上金型が下死点に到達した状態では前記傾斜部に密接する如く配置され、前記下金型と前記しわ抑え板との間の樹脂垂れを抑制する。【選択図】図1

Description

本発明は、プリプレグから繊維強化複合材料成形品を製造するためのプレス成形装置及び繊維強化複合材料成形品を製造するためのプレス成形方法に関する。
近年、環境問題から、自動車業界や航空業界等において燃費向上への取り組みが進められている。その中で、車体や機体の軽量化のため、金属から繊維強化樹脂への代替が期待されていて、樹脂を用いた繊維強化複合材料への注目が大きくなっている。
繊維強化複合材料に用いられる樹脂は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂であり、これら樹脂で繊維を強化する繊維強化複合材料は、金属と異なり、加熱により成形や賦型が可能で、高い生産性を有し、溶着等の二次加工が容易であり、電気絶縁性を有し、また腐食せずリサイクル性にも優れる等の特徴から様々な分野で広く使用されている。
また、繊維として炭素繊維を使った炭素繊維強化複合材料は、軽量であり、高強度高剛性であることから、前述の自動車業界や航空業界をはじめ、船舶業界や宇宙分野、風力発電やスポーツ用品等、幅広い分野で適用研究が行われ既に使用されている。
繊維強化複合材料を用いた成形品は、ガラスクロス、炭素繊維のような繊維状補強材に、硬化剤や着剤材などの添加物を混合したエポキシ、フェノール、ポリエステルなどの熱硬化性樹脂を含浸させ、加熱又は乾燥して半硬化状態にしたプリプレグを加熱及び加圧により硬化させて製造する。
炭素繊維強化複合材料の加工は、オートクレーブ成形、オーブン成形、プレス成形、RTM/VaRTM法、引き抜き成形、フィラメントワイディング、シートワインディングなどがあるが、この中でも、生産性が高く、良質な繊維強化複合材料成形品が得られるという観点から、プレス成形が望ましいとされている。
図7は、従来より行われているプリプレグを用いたプレス成形による繊維強化複合材料成形品の成形方法を簡略して説明する説明図である。
プレス装置は、上方に配置される凹形状の上金型110と、前記上金型110と対をなす凸形状の下金型120、及び前記下金型120の周囲に備えられるしわ抑え板130で構成され、前記下金型120の上面にプリプレグ200が配置される(a)。
そして、前記上金型110を前記下金型120に向けて降下させ、プリプレグ200の端部を上金型110としわ抑え板130で挟持し(b)、さらに前記上金型110を降下させ(c)、前記上下金型間に配置されたプリプレグ200を加圧し(d)、前記加圧工程終了後に上金型110を上昇させて(e)、成形品を取り出す(f)。
上記プレス成形は、成形工程が簡易であり、オートクレーブ成形のように高額な設備投資が必要なく、成形時間が短くかつ高品質な成形品の製造が可能であることから、繊維強化複合材料成形品の品質を落とさずに低価格化を進めていくのに重要な成形方法といえる。
しかし、プレス成形で用いられるプリプレグは、半硬化状態であり加熱により樹脂粘度が低下して樹脂組成物が垂れることがある。そのためプリプレグの樹脂組成物がプレス装置の隙間に垂れ、金型の動作不良の原因となるという問題がある。
図8(a)は、図7(d)の加圧工程で生じるプリプレグの樹脂垂れの例の詳細説明図であるが、加圧されたプリプレグ200の樹脂組成物が下金型120としわ抑え板130の隙間に垂れている状態を示している。また、図8(b)は、他の成形品の加圧工程時における樹脂垂れの例を示している。このようにプレス装置の隙間への樹脂垂れは、成形品の形状を問わず生じてしまう。
そして、このような樹脂垂れは、成形品の樹脂不足やバリの発生原因となり成形品の品質を低下させる恐れがあり、また、垂れた樹脂組成物がプレス装置内の隙間に流入するため除去する作業が必要となり生産性の向上の妨げとなっている。
このような問題に対し、プリプレグの樹脂組成物の流動性を調整する方法として、特許文献1では、「50乃至90重量部の固体エポキシ樹脂と10乃至50重量部の液体エポキシ樹脂との混合エポキシ樹脂と、ゴムと、硬化剤と、を含み、該ゴムは該混合エポキシ樹脂100重量部に対して5乃至60重量部配合され、該硬化剤は該混合エポキシ樹脂100重量部に対して1乃至100重量部配合されている」プリプレグ用樹脂組成物が開示されている(特許文献1:特開2005−213352号公報)。
また、特許文献2には、「常温における保存安定性に優れ、比較的低温、かつ短い時間で加熱硬化することができ、硬化樹脂が高い耐熱性を有するエポキシ樹脂組成物を用いたプリプレグ、加熱加圧硬化時における樹脂の過剰な流動を抑制することができる」プレス成形、特にハイサイクルプレス成形に好適な強化繊維とエポキシ樹脂組成物からなるプリプレグが開示されている(特許文献2:特許第5682837号公報)。
特開2005−213352号公報 特許第5682837号公報
上記、特許文献1や特許文献2に開示されるプリプレグは、プリプレグの樹脂組成物の構成により樹脂の流動性を調整するものであり、当然に開示されている構成の樹脂組成物の場合に限り効果が発揮される。すなわち、上記構成以外の樹脂組成物を使ったプリプレグについては問題は解決しない。近年、様々な分野で使われる繊維強化複合材料は、その用途や形状、大きさ、そして要求されるコスト等により、必ずしも上記のような限定された樹脂組成物を使うことは出来ず、増加するニーズに対応するプレス成形のすべてに適用することは困難である。
そこで、本発明は、プリプレグの樹脂組成物を限定することなく、かつ品質、作業効率を下げることのない生産性の高い繊維強化複合材料成形品を製造するためのプレス成形装置及びこのプレス成形装置を使ったプレス成形方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、プリプレグの樹脂組成物の樹脂垂れを抑制する繊維強化複合材料成形品のプレス成形装置を見出した。それを下記に示す。なお、この項目では、本発明の理解を容易にするため、各構成要件に対応する実施例における符号を付記する。
(1)プリプレグ2をプレス成形して繊維強化複合材料成形品20を製造するためのプレス成形装置1であって、上方に配置される凹形状の上金型11と、前記上金型と対をなす凸形状の下金型12と、前記下金型12の周囲に備えられ、前記プリプレグ2を安定して配置すると共に、前記繊維強化複合材料成形品のしわの発生を抑えるしわ抑え板13とからなり、前記下金型12は、前記上金型11の下死点近傍を周回する段差aを備え、該段差aの下方は、その上方に形成された抜き勾配121と同等又はそれよりも大きい角度θで外方に向かい漸次広がる傾斜部122を有し、前記しわ抑え板13は、前記下金型12に面する内壁131が、前記上金型11が下死点に到達した状態では前記傾斜部122に密接する如く配置され、前記下金型12と前記しわ抑え板13との間の樹脂垂れを抑制することを特徴とするプレス成形装置。
(2)前記下金型12に備えられた傾斜部122の角度θは、前記下金型12の中心線に対し、1〜15°に設定されていることを特徴とする前記(1)に記載のプレス成形装置。
(3)上方に配置される凹形状の上金型11と、前記上金型と対をなす凸形状の下金型12と、前記下金型12の周囲に備えられるプリプレグ2を安定して配置すると共に前記繊維強化複合材料成形品のしわの発生を抑えるしわ抑え板13とからなり、前記プリプレグ2をプレス成形して繊維強化複合材料成形品を製造するためのプレス成形方法であって、
前記プリプレグ2を上金型11と下金型12の間に配置する工程と、上金型11を下金型12に向けて降下させ、前記上下金型間に配置されたプリプレグ2を加圧する加圧工程と、前記加圧工程終了後に上金型11を上昇させて成型品20を取り出す工程とからなり、
前記下金型12は、前記上金型11の下死点近傍を周回する段差aを持ち、該段差aの下方はその上方に形成された抜き勾配121と同等又はそれよりも大きい角度θで外方に向かって漸次広がる傾斜部122を有し、前記しわ抑え板13の前記下金型12に面する内壁131が、前記上金型11の下降に伴う下死点に到達した状態で前記傾斜部122に密接させることで、前記下金型12と前記しわ抑え板13との間の樹脂垂れを抑制することを特徴とするプレス成形方法。
本発明の繊維強化複合材料成形品のプレス成形装置及びプレス成形方法によれば、プリプレグの樹脂組成物を限定することなく、かつ品質や作業効率を下げることなく生産性の高い繊維強化複合材料成形品を製造することができる。また、樹脂垂れを抑制できるので、垂れた樹脂の除去作業等の必要がなく、連続してプレス成形が可能となり量産にも適している。
本発明にかかる繊維強化複合材料成形品のプレス成形装置の説明用断面図である。 本発明にかかる繊維強化複合材料成形品のプレス成形装置の説明用斜視図である。 本発明にかかる繊維強化複合材料成形品のプレス成形装置の一実施例における作用の説明用断面図である。 本発明にかかる繊維強化複合材料成形品のプレス成形装置の他の実施例における作用の説明用断面図である。 本発明にかかるプレス成形方法の一実施例における製造工程図である。 本発明にかかるプレス成形方法の他の実施例における製造工程図である。 従来より行われているプリプレグを用いたプレス成形による繊維強化複合材料成形品の成形方法の説明図である。 プリプレグの樹脂垂れの詳細説明図である。
本発明を実施するための形態を、実施例の図に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、実施例に限定されるものではなく、当業者に周知された範囲で適宜設計変更等することが可能である。
本明細書において、繊維強化複合材料成形品とは、繊維束、例えば、カーボンファイバー、カラスファイバー等の繊維束を熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂で含浸・乾燥させたプリプレグをプレス成形して得られる成形品である繊維強化樹脂複合材料成形品と、前記プリプレグ及びアルミ、鉄、チタン等の金属を加熱・加圧して接合させた繊維強化樹脂複合材料・金属一体化成形品とを含むものとする。繊維強化複合材料成形品は、用途・形状に応じて、繊維強化複合材料を成形させたものである。
また、本発明では、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂及びそれらの一種を含む樹脂組成物を用いることができる。
前記プリプレグを構成する樹脂は、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂等が挙げられ、これらを組み合わせて使用することもできる。
また、熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニール樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、また、複数混合して用いてもよい。
図中、1はプレス成形装置、11は上金型、12は下金型、121は抜き勾配、122は傾斜部、13はしわ抑え板、131は内壁、2はプリプレグ、20は繊維強化複合材料成形品(単に成形品ともいう)である。
[繊維強化複合材料成形品のプレス成形装置について]
本発明にかかる繊維強化複合材料成形品のプレス成形装置1は、プリプレグ2をプレス成形して繊維強化複合材料成形品20を製造する装置であり、図1及び図2に示すように、上方に配置される凹形状の上金型11と、前記上金型11と対をなす凸形状の下金型12と、前記下金型12の周囲に備えられ、前記プリプレグ2を安定して配置すると共に前記繊維強化複合材料成形品20のしわの発生を抑えるしわ抑え板13とから構成される。
上金型11の凹形状は、プレスして成形品の形状を成形するための雌型であり、下金型12の凸形状は上金型11に対する雄型であり、成形する成形品の形状に合わせて形成される。
本発明にかかるプレス成形装置1における前記下金型12は、前記上金型11の下死点近傍を周回する位置に段差aを備えることを特徴とする。ここで、下死点とは、プレス成形時におけるプレス装置のスライド位置が最も低い位置であり、下死点は上金型11を下金型12に向けて降下させた最下位置となる。そして、下金型12は、前記上金型11の最下位置である下死点の位置に相当する位置を含むその近傍に、周回するごとく段差aが備えられる。
前記下金型12に備えられる段差aは、下方が、その上方に形成された抜き勾配121と同等又はそれよりも大きい角度θで外方に向かい漸次広がる傾斜部122を形成することで設けられる。抜き勾配121とは、金型から成型品をスムーズに抜くために金型に設ける傾斜のことである。抜き勾配121は、金型の摩耗を最小限にし、金型から成形品を取り出しやすくするため、バランスや大きさ、樹脂の特性を考慮し、0.1〜3°程度の傾斜が一般的であるであるが、本発明では、抜き勾配121が実質的に0°でも実施できるため、0°も含むものとする。
したがって、前記下金型12は、図2(a)に示すように、抜き勾配121の下方に、前記抜き勾配121と同等又はそれより大きい角度θで外方に向かって漸次広がるように傾斜部122が形成されるので、前記抜き勾配121と傾斜部122の境目に段差aが生じる構成となっている。
図1に示す実施例において、前記傾斜部122の角度θは、前記下金型の中心線に対し、1〜15°に設定され、抜き勾配121の角度を考慮して、段差aが形成されるように調整されている。例えば、下金型の中心線に対して抜き勾配121が1°であれば、傾斜部122は3°とすることで、段差aを形成している。
図2に示す実施例では、図2(b)に示すように前記段差aの位置が、上金型11の下死点を周回する位置とほぼ一致するように形成されている。
段差aの位置は、プレス成形する成形品の構造によって、下死点近傍、すなわち下死点の周回する位置よりわずかに下方に形成されてもよい。本発明において、前記段差aの位置は、プレス成形する成形品の形状に合わせて、後述するしわ抑え板13のエッジbが、段差aから下方に伸びる傾斜部122に接し、同時にしわ抑え板13のエッジbから下方に伸びる内壁131が、下金型12の傾斜部122に密接するように調整された位置に設けられることを特徴としている。
したがって、本発明においては、前記位置に段差aが形成されるように、プレス成形する成型品の形状、特に厚さによって、段差aの位置は調整され、ほぼ下死点の位置で周回するように形成される場合もあれば、下死点より下方の下死点近傍の位置で周回するように調整されて形成される場合もある。
例えば、図1(a)において、段差aは、ほぼ下死点の周回する位置に形成されている。一方、図1(b)に示す実施例では、段差aは成形品の厚さ分低い位置の下死点近傍に形成されている。
本発明にかかる繊維強化複合材料成形品のプレス成形装置におけるしわ抑え板13は、前記下金型12に面する内壁131が、前記上金型11が前記下死点に到達した状態では前記傾斜部122に密接する如く配置される。
すなわち、プレス時に、上金型11が降下し、しわ抑え板13を押し下げ加圧し下死点に到達した際に、前記押し下げられたしわ抑え板13の下金型12側の内壁131が下金型12に設けられた傾斜部122に接するように、しわ抑え板13の内壁131は傾斜して形成される。
図3は、本発明にかかる繊維強化複合材料成形品のプレス成形装置の作用の例を説明するためにわかりやすくしたものであるが、図3(a)に示すように、上金型11が、プリプレグ2をしわ抑え板13とで挟持した状態で加圧しながら降下し、さらに、図3(b)に示すように加圧され上金型11が下死点に到達すると、しわ抑え板13のエッジbが、段差aから下方に伸びる傾斜部122に接する。そして、同時にしわ抑え板13のエッジbから下方に伸びる内壁131も、下金型12の傾斜部122に密接する。
こうして下金型12としわ抑え板13の間の隙間は、限りなくゼロに近づき、プリプレグ2から樹脂が垂れることを抑制する。
図4は、上記図3で説明した本発明にかかる繊維強化複合材料成形品のプレス成形装置の他の実施例における作用について示したものであるが、図3(a)と同様に、図4(a)では、上金型11が、プリプレグ2をしわ抑え板13とで挟持した状態で加圧しながら降下し、さらに、図4(b)に示すように加圧される。図4に示す実施例では、成形品の厚さ分、下死点が段差aより上方に位置する。上金型11が下死点に到達すると、しわ抑え板13のエッジbが、段差aから下方に伸びる傾斜部122に接する構成は、図3に示す実施例と同様である。そして、同時にしわ抑え板13のエッジbから下方に伸びる内壁131も、下金型12の傾斜部122に密接し、成形品の形状を問わず下金型12としわ抑え板13の間の隙間は、限りなくゼロに近づき、プリプレグ2から樹脂が垂れることを抑制する。
[プレス成形方法]
以下に、本発明にかかる繊維強化複合材料成形品のプレス成形装置を使用したプレス成形方法を説明する。
本発明にかかるプレス成形方法は、プレス成形によって行われる。
プレス成形とは、材料を複数(例えば2つ)の金型(例えば、上金型及び下金型)により材料を挟み込み、加熱・加圧することにより、材料を変形させ成型させる成型方法である。
本発明においては、図5の製造工程図に示すように、上方に配置される凹形状の上金型11と、前記上金型11と対をなす凸形状の下金型12、及び前記下金型12の周囲にしわ抑え板13が備えられてなるプレス成形装置1の前記下金型12の上面にプリプレグ2が配置され、前記プリプレグを上金型と下金型の間に配置する(a工程)。プリプレグ2を凹部の上金型11と凸形状の下金型12部とで挟み、加圧することによって、繊維強化樹脂複合材料成形品20を立体的な形状に形成することができる。
本実施例では、しわ抑え板13は、ガススプリングによってしわ抑え力を負荷する。そして、しわ抑え板13の上面にプリプレグ2の端部が配置される。
また、本実施例においてプリプレグ2は、炭素繊維にエポキシ樹脂を含浸させた繊維強化樹脂プリプレグを使っているが、特に限定されるものではない。
図5に示す実施例においては、前記プレス成形装置1を構成する下金型12は、前記上金型11の下死点を周回する位置に段差aを備え、該段差aの下方は、その上方に形成された抜き勾配121と同等又はそれよりも大きい角度θで外方に向かい漸次広がる傾斜部122を有する。また、前記しわ抑え板13は、前記下金型12に面する内壁131が、前記上金型11が前記下死点に到達した状態では前記傾斜部122に密接する如く構成される。
そして、前記上金型11を前記下金型12に向けて降下させ(b工程)、プリプレグ2の端部を上金型11としわ抑え板13で挟持し、さらに前記上金型11を降下させ加圧する(c工程)。
さらに下死点まで加圧されると、しわ抑え板13の上面と内壁131を繋ぐ辺となるエッジbが、下金型12の段差aの下方の形成されている傾斜部122の上端部に接する。
それと同時に、下金型12の傾斜部122に対応するように形成されたしわ抑え板13の内壁131が下金型12の傾斜部122と接する。このように、しわ抑え板13のエッジbが、下金型12の傾斜部22に接するように構成し、しわ抑え板13の内壁と下金型12の傾斜部122を隙間無く密接させ、前記下金型と前記しわ抑え板との間の樹脂垂れを抑制する(d工程)。
その後、前記加圧工程終了後に上金型11を上昇させて(e工程)、成型品20を取り出す(f工程)。
図6の製造工程図は、他の形状の成形品の場合であり、前記プレス成形装置1を構成する下金型12は、前記上金型11の下死点近傍、本実施例では、下死点を周回する位置よりわずかに下方に周回する位置に段差aを備え、該段差aの下方は、その上方に形成された抜き勾配121と同等又はそれよりも大きい角度θで外方に向かい漸次広がる傾斜部122を有する。また、前記しわ抑え板13は、前記下金型12に面する内壁131が、前記上金型11が前記下死点に到達した状態で前記傾斜部122に密接する如く構成される。
図6に示す実施例においても製造工程は、図5で説明した製造工程と同様であり、上金型11が下死点まで加圧されると、しわ抑え板13の上面と内壁131を繋ぐ辺となるエッジbが、下金型12の段差aの下方の形成されている傾斜部122の上端部に接する。
それと同時に、下金型12の傾斜部122に対応するように形成されたしわ抑え板13の内壁131が下金型12の傾斜部122と接し、しわ抑え板13のエッジbが、下金型12の傾斜部22に接するように構成され、しわ抑え板13の内壁と下金型12の傾斜部122を隙間無く密接させ、前記下金型と前記しわ抑え板との間の樹脂垂れを抑制する(d工程)。
上記繊維強化複合材料成形品のプレス成形装置及びプレス成形方法は、下金型12に傾斜部122を設け、それに対応した形状のしわ抑え板13とで構成されるので、下金型12としわ抑え板3の間の隙間からプリプレグ2の樹脂垂れすることを抑制し、品質や作業効率を下げることなく生産性の高い繊維強化複合材料成形品20を製造することができる。
また、本発明のプレス成形装置1は、構造的に樹脂垂れを抑制するので、プリプレグ2を構成する樹脂を限定する必要がなく、あらゆる樹脂組成物のプリプレグ2にも対応できるものである。
1:プレス成形装置
11:上金型
12:下金型
121:抜き勾配
122:傾斜部
13:しわ抑え板
131:内壁
2:プリプレグ
20:繊維強化複合材料成形品
110:上金型
120:下金型
130:しわ抑え板
200:プリプレグ

Claims (2)

  1. プリプレグをプレス成形して繊維強化複合材料成形品を製造するためのプレス成形装置であって、
    上方に配置される凹形状の上金型と、
    前記上金型と対をなす凸形状の下金型と、
    前記下金型の周囲に備えられ、前記プリプレグを安定して配置すると共に、前記繊維強化複合材料成形品のしわの発生を抑えるしわ抑え板とからなり、
    前記下金型は、前記上金型の下死点近傍を周回する段差を備え、該段差の下方は、その上方に形成された抜き勾配と同等又はそれより大きい角度θで外方に向かい漸次広がる傾斜部を有し、
    前記しわ抑え板は、前記下金型に面する内壁が、前記上金型が前記下死点に到達した状態では前記傾斜部に密接する如く配置され、
    前記下金型と前記しわ抑え板との間の樹脂垂れを抑制することを特徴とし、前記下金型に備えられた傾斜部の角度θは、前記下金型の中心線に対し、1〜15°に設定されている、プレス成形装置。
  2. 上方に配置される凹形状の上金型と、前記上金型と対をなす凸形状の下金型と、前記下金型の周囲に備えられるプリプレグを安定して配置すると共に繊維強化複合材料成形品のしわの発生を抑えるしわ抑え板とからなり、前記プリプレグをプレス成形して前記繊維強化複合材料成形品を製造するためのプレス成形方法であって、
    前記プリプレグを上金型と下金型の間に配置する工程と、
    上金型を下金型に向けて降下させ、前記上下金型間に配置されたプリプレグを加圧する加圧工程と、
    前記加圧工程終了後に上金型を上昇させて成型品を取り出す工程とからなり、
    前記下金型は、前記上金型の下死点近傍を周回する段差を持ち、該段差の下方はその上方に形成された抜き勾配と同等又はそれよりも大きい角度θで外方に向かって漸次広がる傾斜部を有し、前記しわ抑え板の前記下金型に面する内壁が、前記上金型の下降に伴う下死点に到達した状態で前記傾斜部に密接させることで、前記下金型と前記しわ抑え板との間の樹脂垂れを抑制することを特徴とし、前記下金型に備えられた傾斜部の角度θは、前記下金型の中心線に対し、1〜15°に設定されているプレス成形方法。
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