JP6585982B2 - 染毛方法 - Google Patents
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しかしながら、酸化型染毛剤では酸化染料が皮膚アレルギーの症状を引き起こす要因となり、また、過酸化水素はその酸化作用が非常に強力であるがために、毛髪の損傷や頭皮刺激(かぶれ)の問題を生じる。
他方、酸性型染毛剤では、毛髪だけではなく頭皮・手等皮膚にも染着され、また、シャンプーや汗などで色落ちし、堅牢性が不十分であるという欠点を有する。
一方、カラートリートメント等の染毛料は毛髪や頭皮を痛めることなく、素手で使えるという利便性から広く普及している。
また、染毛料は、染料の特性上、堅牢性が不十分で、十分に染め上げるためには加温時間や放置時間を延ばす必要があるなど、使用者にとって使い勝手が悪いという問題を有する。
本発明は、かかる実情に鑑み、上記従来技術の問題点を解消し、非酸化型金属系染毛剤を使用した後に染毛料を使用することにより、非酸化型金属系染毛剤では表現できなかった多彩な色調に染毛でき、また、染毛料による染毛の際の加温時間や放置時間を短縮でき、更に、染毛した染料の褪色を抑制して染毛後の色調を維持することが可能な染毛方法を提供することを目的とする。
第1剤中における、金属イオンと反応して発色する発色剤の含有量は、本発明の効果が得られる限り特に限定されないが、好ましくは第1剤の全量に対して0.01〜10重量%であり、より好ましくは0.1〜5重量%である。該発色剤の含有量が0.01重量%未満では染毛性が不十分となる傾向があり、一方、10重量%を超えると染毛性は余り向上せず、却って組成物の安定性が悪くなる傾向がある。
第2剤中における金属塩の含有量は、0.1〜10重量%が好ましく、1〜5重量%がより好ましい。金属塩の含有量が0.1重量%未満では染毛力が不十分となる傾向があり、一方、10重量%を超えると皮膚への染着性が大きくなる傾向があり、更には染毛料の安定性も悪くなる傾向がある。
例えば、界面活性剤としては、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のカチオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ステアリン酸ソルビタン等のノニオン性界面活性剤;セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ワセリン、パラフィン、流動パラフィン、パルミチン酸セチル、パルミチン酸オクチル等の油剤;メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース系高分子化合物、グアーガム、キサンタンガム、トラガントガム、アラビアガム、ガッチガム、カラヤガムなどのガム系高分子化合物;デキストリンなどのデンプン系高分子化合物;アルギン酸ナトリウムなどの天然系高分子化合物;ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アミド、アクリル酸メタクリル酸共重合体などの合成高分子化合物などの増粘剤;1,3−BG、PG、DPG、グリセリン等の保湿剤;EDTA、EDTA−2Na、EDTA−4Na、ヒドロキシエタンジホスホン酸等のキレート剤;パラベン、メチルイソチアゾリノン等の防腐剤;エタノール、イソプロピルアルコール等の溶剤;香料等で、これらは必要に応じ、任意に組み合わせて適宜配合することができる。
芳香族アルコールの含有量は、0.1〜20重量%が好ましく、0.5〜7重量%がより好ましい。
アニオン性界面活性剤の含有量は、0.01〜5重量%が好ましく、0.1〜3重量%がより好ましい。
アルミニウム化合物の含有量は、0.02〜5重量%が好ましく、0.05〜3重量%がより好ましい。
アルカリ剤としては、アンモニア、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸ナトリウム、イソプロパノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及び2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。これらは単独で又は必要に応じ2種以上組み合わせて用いられる。
本発明に用いられる染毛料には、色素や染料としては、タール色素、塩基性染料、HC染料、酸性染料、直接染料等が好ましく、これらは単独で又は必要に応じ2種以上組み合わせて用いられる。これらの色素や染料を含有させることにより、多彩な色調に染毛することが可能である。
塩基性染料としては、染毛料に通常用いられ得る塩基性染料であれば特に限定されるものでなく、例えばBasic Blue 75 (塩基性青75)、Basic Red 51(塩基性赤51)、Basic Red 76(塩基性赤76)、Basic Blue 99 (塩基性青99)、Basic Brown 16(塩基性茶16)、Basic Brown 17(塩基性茶17)、Basic Yellow 57 (塩基性黄57)、 Basic Yellow 87(塩基性黄87)、Basic Orange 31 (塩基性橙31)等が挙げられる。
HC染料としては、染毛料に通常用いられ得るHC染料であれば特に限定されるものでなく、例えばHC Blue No.2、HC Blue No.5、HC Blue No.6、HC Blue no.9、HC Blue No.10 、HC Blue No.11 、HC Blue No.12 、HC Blue No.13 、HC Orange No.1、HC Orange No.2、HC Orange No.3、HC Red No.1 、HC Red No.3 、HC Red No.7 、HC Red No.10、HC Red No.11、HC Red No.13、HC Red No.14、HC Violet No.1、HC Violet No.2、HC Yellow No.2、HC Yellow No.4、HC Yellow No.6、HC Yellow No.9、HC Yellow No.10 、HC Yellow No.11 、2−アミノ−6−クロロ−4ニトロフェノ−ル、2−アミノ−3−ニトロフェノ−ル、4−アミノ−3−ニトロフェノ−ル、ヒドロキシアントラキノンアミノプロピルメチルモルホニウムメトサルフェ−ト、3−メチルアミノ−4−ニトロフェノキシエタノ−ル、2−ニトロ−5−グリセリルメチルアニリン等が挙げられる。
酸性染料としては、染毛料に通常用いられ得る酸性染料であれば特に限定されるものでなく、例えば赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号、青色2号、赤色201号、赤色227号、赤色220号、赤色230号、赤色231号、赤色232号、だいだい色205号、橙色207号、黄色202号、黄色203号、緑色201号、緑色204号、緑色206号、青色202号、青色203号、青色205号、赤色401号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色506号、だいだい色402号、黄色402号、黄色403号、黄色406号、黄色407号、褐色201号、緑色401号、緑色402号、紫色401号、黒色401号等が挙げられる。
具体的には、例えば、非酸化型金属系染毛剤の第1剤を毛髪に塗布し、均一に延ばした後5〜15分間程度放置し、次いで、第2剤を塗布し、第1剤と第2剤を良く混ぜ合わせて均一に延ばした後、5〜15分間程度放置する。その後、水洗して両剤を除去する。
次いで、非酸化型金属系染毛剤で染色された毛髪に染毛料を塗布し、均一に延ばした後、30秒〜15分間程度放置した後、水洗し、乾燥する。
染毛料による染色は、通常、非酸化型金属系染毛剤で染色した後、続いて染毛料で染色するのが効果的且つ効率的である。しかしながら、非酸化型金属系染毛剤の作用が残っている間に染毛料による染色を行えばよく、例えば、非酸化型金属系染毛剤での染色は美容院で行い、染毛料での染色は自宅で行うことも可能である。
「第1剤の調製」
表1に示すように、金属イオンと反応して発色する発色剤としてタンニン酸を用い、濃染剤としては、芳香族アルコールとしてベンジルアルコール、及び炭酸水素アンモニウムを用い、表1に示した配合で、ジェル状の第1剤1−1を調製した。
表2に示すように、金属塩として硫酸第一鉄を用い、濃染剤としては、アルミニウム化合物としてクロルヒドロキシアルミニウムを用い、表2に示した配合で、クリーム状の第2剤1−2を調製した。
表3に示すように、染料としてはBasic Blue 99(塩基性青99)、Basic Brown 16(塩基性茶16)、Basic Red 76(塩基性赤76)、HC Yellow No.2、HC Yellow No.4を使用し、また、濃染剤としては、アルミニウム化合物としてクロルヒドロキシアルミニウム、及び炭酸水素アンモニウムを使用し、表3に示した配合で、ダークブラウン系のカラートリートメント2−1及びローズブラウン系のカラートリートメント2−2を調製した。
長さ約10cmの100%白髪毛(ビューラックス社製)毛束1gに、非酸化型金属系染毛剤(A)の第1剤1−1を2g塗布して均一に延ばして15分間放置した後、非酸化型金属系染毛剤(A)の第2剤1−2を2g塗布して均一に延ばし15分間放置した後、シャンプー処理した。
次いで、上記処理毛束にダークブラウン系カラートリートメント2−1を2g塗布して均一に延ばし、表4に示した時間(括弧内に示す)放置した後、水洗し、ドライヤーで乾燥させた。
100%白髪毛(ビューラックス社製)毛束1gにダークブラウン系カラートリートメント2−1を2g塗布し均一に延ばし、表4に示した時間(括弧内に示す)放置した後、水洗し、ドライヤーで乾燥させた。
色差計(ミノルタ株式会社製、MINOLTA SPECTROPHOTOMETER CM−2600d)を用い、染色前の白髪毛をブランクとしてLab値を測定し、染色毛のLab値との色差ΔE1により染毛力を評価した。
ΔE1の値が大きいほど染毛力が大きいことを踏まえ、下記の基準により染毛力を評価した。
◎:45<ΔE1(白髪毛が非常によく着色していることが目視でわかる。)
○:35<ΔE1≦45(白髪毛が着色していることが目視でわかる。)
△:ΔE1≦35(白髪毛があまり着色していないことが目視でわかる。)
染色した毛束をラウレス硫酸ナトリウム水溶液(1%、40℃)に10分間浸漬し、水洗し、ドライヤーで乾燥させて褪色試験後の褪色毛を得た
得られた褪色毛について、色差計(ミノルタ株式会社製、MINOLTA SPECTROPHOTOMETER CM−2600d)を用い、染色前の白髪毛をブランクとしてLab値を測定し、褪色毛のLab値との色差ΔE2により染毛力を評価した。
ΔE2の値が大きいほど色落ちが少ない、即ち、褪色抑制効果が大きいことを踏まえ、下記の基準により褪色抑制効果を評価した。
◎:35<ΔE2(褪色が非常に抑制できていることが目視でわかる。)
○:25<ΔE2≦35(褪色がある程度抑制できていることが目視でわかる。)
△:ΔE2≦25(褪色が殆ど抑制できていないことが目視でわかる。)
また、褪色抑制効果を示す指標として、ΔE3(ΔE1−ΔE2)も示す。ΔE3は小さい程、褪色抑制効果が得られていることを示す。
更に、図1はΔE1及びΔE2を示すグラフであり、図2は、ΔE3(ΔE1−ΔE2)を示すグラフである。
ΔE3は小さい程、褪色抑制効果が大きいことを示すが、実施例1〜3のΔE3は比較例1〜3のΔE3に比べて小さく、本発明の染毛方法は褪色抑制効果が極めて優れていることがわかる。
また、実施例1〜3と比較例1〜3のカラートリートメントにおける放置時間を比較することにより、本発明の染毛方法におけるカラートリートメントは、従来のカラートリートメントに比べ短い放置時間で良く染色されており、使い勝手が良いことがわかる。
染毛料としてローズブラウン系カラートリートメントを用いた以外は、上記実施例1〜3と同様に操作した。
染毛料としてローズブラウン系カラートリートメントを用いた以外は、上記比較例1〜3と同様に操作した。
ΔE1、ΔE2及び評価結果を表5に示す。また、褪色抑制効果を示す指標として、ΔE3(ΔE1−ΔE2)も示す。ΔE3は小さい程、褪色抑制効果が得られていることを示す。
実施例4〜6のΔE3は比較例4〜6のΔE3に比べて小さく、本発明の染毛方法は褪色抑制効果が極めて優れていることがわかる。
また、実施例4〜6と比較例4〜6のカラートリートメントにおける放置時間を比較することにより、本発明の染毛方法におけるカラートリートメントは、従来のカラートリートメントに比べ短い放置時間で良く染色されており使い勝手が良いことがわかる。
Claims (4)
- 金属イオンと反応して発色する発色剤を含有する第1剤と、金属塩を含有する第2剤からなる非酸化型金属系染毛剤を使用し、次いで、染毛料を使用する染毛方法であって、
金属イオンと反応して発色する発色剤を含有する第1剤がタンニン酸であり、
染毛料が、タール色素、塩基性染料、HC染料、酸性染料、および直接染料からなる群から選択される少なくとも1種の色素または染料を含み、
第1剤、第2剤および染毛料からなる群から選択される少なくとも1種が濃染剤を含有することを特徴とする染毛方法。 - 染毛料がカラートリートメント、ヘアマスカラ、ヘアマニキュアから選ばれることを特徴とする請求項1に記載の染毛方法。
- 非酸化型金属系染毛剤の第1剤及び/又は第2剤が濃染剤を含み、かつ該濃染剤が、芳香族アルコール、アニオン性界面活性剤、アルミニウム化合物、尿素、及び炭酸水素アンモニウムよりなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の染毛方法。
- 染毛料が濃染剤を含み、かつ該濃染剤が、芳香族アルコール、アニオン性界面活性剤、アルミニウム化合物、尿素、及び炭酸水素アンモニウムよりなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の染毛方法。
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