JP6582590B2 - Lpg貯蔵タンク用鋼板およびその製造方法 - Google Patents

Lpg貯蔵タンク用鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、LPG貯蔵タンク用鋼板およびその製造方法に関する。
LPG貯蔵タンクは、湿潤硫化水素(HS)環境下で使用されるものであり、そのような環境化では硫化物応力腐食割れ(Sulfide Stress Cracking;SSC)が発生する危険があることがよく知られている。SSCは、腐食反応によって発生した水素が硫化水素の存在により多量に鋼中に侵入することによって生じる、水素脆化割れの一種であると考えられている。
鋼のSSC感受性は、化学組成、金属組織などの条件によって異なる。従来、鋼の低温靱性改善には、Niの添加が有効であることがよく知られている。しかし、Niの添加は、活性経路腐食を促進し、耐SSC性を劣化させる(山根ら、硫化物環境下での低合金鋼の応力腐食割れ挙動、川崎製鉄技報、Vol.17(1985)No.2、178〜184頁(非特許文献1)参照)。
鋼のSSC感受性は、鋼の硬さを低減することによって減少することができると考えられている。このSSCは、実際には溶接部に発生しやすく、特に溶接熱影響部(Heat Affected Zone;HAZ)に多く発生する。これは、溶接によってHAZが硬化することと密接に関係しているものと考えられている。
このように、鋼の強靱性と耐SSC性とは相反する特性であり、これらを両立させることは困難である。これらの特性を両立させたLPG貯蔵タンク用の材料にかかる発明として、下記の発明が開示されている。
特開2002−339037号公報(特許文献1)には、HAZの組織を最適なマルテンサイトと下部ベイナイトとの混合組織を有するものとするために、{4.10×Mn(%)+2.33×Cr(%)+3.14×Mo(%)}で計算される値が9.0以上13以下を満足するように調整する発明が開示されている。この発明によれば、優れた低温継手靭性と、優れた耐SSC性を有するHT720級の強度の鋼板が得られるとしている。
特開2002−371336号公報(特許文献2)には、鋼板断面における表面から板厚の1/4の部分および裏面から板厚の1/4の部分における旧γ粒界の密度を規定した発明が開示されている。この発明によれば、靭性を確保するとともに、HT730級の強度の鋼板が得られるとしている。
特開2002−339037号公報 特開2002−371336号公報
山根ら、硫化物環境下での低合金鋼の応力腐食割れ挙動、川崎製鉄技報、Vol.17(1985)No.2、178〜184頁
ところで、LPG貯蔵タンク用鋼には、さらなる高強度化へのニーズがある。高強度化ができれば、板厚を減少させることができる一方、溶接継手部の耐SCC特性および靭性の確保がより困難になる。
しかし、特許文献1および特許文献2には、720MPa級または730MPa級の引張強さを目標としている。この程度の引張強さを有する鋼板の場合には厚が50mm以上になる場合が多い。実際、特許文献1および特許文献2において、具体的に検討されたのは厚さが40mm以上の厚鋼板のみである。しかし、厚さが40mm以上の厚鋼板には、溶接後のSR処理(応力除去熱処理)が要求されるのみでなく、溶接パス数の増加を招くという問題がある。
本発明は、780MPa級の引張強さを有するとともに、溶接部の耐硫化物応力腐食割れ性および低温靱性に優れたLPG貯蔵タンク用鋼板を提供することを目的としている。本発明は、また上記のLPG貯蔵タンク用鋼板の製造方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記の目的を達成するため、鋼の強度を高める一方、板厚を薄くする、具体的には、引張強さを780MPa超級とするともに、板厚を40mm未満とするべく、鋭意研究を重ねた。
本発明者らは、まず、LPGタンク用鋼の高強度化にあたって、溶接した際の靭性劣化を考慮して、従来の鋼に比べてC含有量を低減することを検討した。しかしながら、C含有量をあまりに低減すると、十分な引張強度を得ることが困難となる。従って、C含有量の低減とともに、高強度化を図るためには、鋼板の板厚中心部までの組織制御が重要となることを見出した。
本発明者らは、そのような組織制御の方法として、直接焼入れ−焼戻し処理(Direct Quenching and Tempering;DQT)の活用による製造プロセスの検討を検討した。そして、DQTにおいて、鋼板の熱間圧延過程の圧延温度、圧下量を制御することで、加工歪の導入、組織の細粒化を実現することができ、それを通じて、強度、靭性バランスの向上を実現する製造方法を見出した。
本発明は、上記の知見に基づいてなされたものであり、下記のLPG貯蔵タンク用鋼板およびその製造方法を要旨とする。
(1)化学組成が、質量%で、
C:0.02〜0.08%、
Si:0.01〜0.3%、
Mn:1.2〜2.0%、
P:0.015%以下、
S:0.05%以下、
Cr:0.5〜1.5%、
Mo:0.3〜1.0%、
Ni:0.03%以下、
Cu:0.2%以下、
Nb:0.01〜0.03%、
Al:0.03〜0.08%、
Ti:0.005〜0.02%、
B:0.0005〜0.003%、
N:0.005%以下、
O:0.003%以下、
V:0〜0.1%、
Ca:0〜0.005%、
Mg:0〜0.005%、
残部:Feおよび不純物であり、
金属組織が、面積分率で、ベイナイトおよび焼戻しマルテンサイトの合計が95%以上である混合組織であり、
厚さをtとするとき、1/4t位置および1/2t位置において、旧オーステナイト粒径のアスペクト比(圧延方向/厚さ方向)が3以上であり、かつ
厚さ方向の大傾角粒径の平均値が30μm以下である、
引張強さが780MPa以上であり、かつ厚さが10mm以上40mm未満であるLPG貯蔵タンク用鋼板。
(2)前記化学組成が、質量%で、
V:0.01〜0.1%を含有する、
上記(1)のLPG貯蔵タンク用鋼板。
(3)前記化学組成が、質量%で、
Ca:0.0005〜0.005%および/または
Mg:0.0005〜0.005%を含有する、
上記(1)または(2)のLPG貯蔵タンク用鋼板。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の化学組成を備えたスラブを1000〜1200℃に加熱する工程と、
前記スラブを、850℃以上の温度域で、前記スラブの厚さに対する累積圧下率が50%以上となる熱間圧延を施して中間鋼板を得る工程と、
前記中間鋼板を、850℃以下750℃以上の温度域で、前記中間鋼板の厚さに対する累積圧下率が50%以上となる熱間圧延を施して鋼板を得る工程と、
前記鋼板を、730℃以上の温度域から500℃以下の温度域まで、前記鋼板の厚さをtとするときの1/4t位置における冷却速度が、下記式で表わされるVc(℃/s)以上の冷却速度となる条件で冷却する工程と、
Figure 0006582590
前記冷却した鋼板に、650℃以下の温度域で焼戻し処理を施す工程と、を備える、
引張強さが780MPa以上であり、かつ厚さが10mm以上40mm未満のLPG貯蔵タンク用鋼板の製造方法。
本発明によれば、780MPa級の引張強さを有するとともに、溶接部の耐硫化物応力腐食割れ性および低温靱性に優れたLPG貯蔵タンク用鋼板を得ることができる。この鋼板は、従来、LPG貯蔵タンクに用いられてきた引張強さ730MPa級の鋼板より厚さを薄くすることができるので、溶接後のSR処理(応力除去焼鈍)を省略でき、しかも、溶接パス数の低減を通じた溶接施工効率の向上も実現でき、そのもたらす効果は極めて大きい。
以下に、本発明の構成要件について詳しく説明する。なお、各元素の含有量の「%」は「質量%」を、組織の「%」は「面積分率」をそれぞれ意味する。
従来、LPG貯蔵タンク用鋼板としては、引張強さ730MPa級鋼までが一般に使用されてきた。引張強さ730MPa級鋼をLPG貯蔵タンク用鋼板に用いた場合には、構造物としてのLPG貯蔵タンクの強度を確保するために板厚を50mm以上とする場合が多く、溶接に伴う溶接後のSR処理(応力除去熱処理)が必要となるだけでなく、溶接パス数の増加を招いていた。
まず、LPG貯蔵タンク用鋼板の板厚を40mm未満に薄くするためには、従来の鋼より強度の高い引張強さが780MPa超級とする必要がある。しかし、鋼板の高強度化とともに、溶接部における耐硫化物応力腐食割れ性および低温靱性を確保することは難しい。そこで、本発明では、優れた溶接部の耐硫化物応力腐食割れ性および低温靱性を維持したまま、鋼板を高強度化するために、鋼板の化学組成を厳密に調整するとともに、鋼板の板厚表層部から中心部までの組織制御を行うこととした。
以下、上記の鋼板を得るための化学組成と、鋼板の組織と、鋼板の組織を制御するための製造方法について述べる。
(A)鋼板の化学組成について
C:0.02〜0.08%
Cは、鋼材の強度上昇に極めて有効な元素である。よって、0.02%以上含有させる。一方、過剰に含有させると、溶接継手部の硬度が高くなり靭性の劣化が生じる。このため、C含有量は0.02〜0.08%とする。好ましい下限は0.03%であり、好ましい上限は0.05%である。
Si:0.01〜0.3%
Siは、鋼材の強度上昇に有効である。よって、0.01%以上含有させる。しかし、過剰に含有させると、溶接熱影響部の異常硬化および継手靱性の低下につながる。このため、Si含有量は0.01〜0.3%とする。好ましい下限は0.05%であり、好ましい上限は0.2%である。
Mn:1.2〜2.0%
Mnは、母材強度、溶接部の靱性を確保する上で重要な元素である。1.2%未満では焼入れ性が不十分となり必要な強度、靱性を得ることができない。一方、過剰に含有させると、靱性劣化とHAZ硬度の上昇を招く。このため、Mn含有量は1.2〜2.0%とする。好ましい下限は1.4%であり、好ましい上限は1.8%である。
P:0.015%以下
Pは、鋼中に混入する不純物であり、鋼材の機械的特性、特に低温靭性を低下させるため、その含有量は、できるだけ低減させることが望ましい。その含有量が過剰な場合には、HAZにおける粒界破壊を助長するため、0.015%以下とする。P含有量は0.010%以下とすることが好ましい。
S:0.05%以下
Sは、鋼中に混入する不純物であり、鋼中で形成されるMnS系介在物は熱間圧延により進展され割れの起点となるため、その含有量は、できるだけ低減させることが望ましい。よって、S含有量は0.05%以下とする。S含有量は0.03%以下とすることが好ましい。
Cr:0.5〜1.5%
Crは、焼入性を向上させ、母材強度、溶接部の靱性の改善に大きく寄与する。0.5%未満ではそれらの効果が得られず、また過剰に含有させると、HAZの靱性が劣化する。したがって、Cr含有量は0.5〜1.5%とする。好ましい下限は0.7%であり、好ましい上限は1.2%である。
Mo:0.3〜1.0%
Moは、焼入性を向上させ、母材強度、溶接部の靱性の改善に大きく寄与する。0.3%未満ではそれらの効果が得られず、また過剰に含有させるとHAZの靱性が劣化する。したがって、Mo含有量は0.3〜1.0%とする。好ましい下限は0.4%であり、好ましい上限は0.8%である。
Ni:0.03%以下
Niは、鋼中に混入する不純物であり、鋼中に含まれると耐SSC性を低下させるため、その含有量は、できるだけ低減させることが望ましい。その含有量が過剰な場合には、耐SSC性が著しく低下するため、0.03%以下とする。Ni含有量は0.01%以下とすることが好ましい。
Cu:0.2%以下
Cuは、鋼中に混入する不純物であり、鋼中に含まれると、Cuチェッキング現象により高温割れが生じる懸念があるため、その含有量は、できるだけ低減させることが望ましい。その含有量が過剰な場合には、高温割れが著しく起こりやすくなるため、0.2%以下とする。Cu含有量は0.05%以下とすることが好ましい。
Nb:0.01〜0.03%
Nbは、スラブ加熱時に結晶粒の粗大化を抑制する効果があるほか、焼入れ時にも同様の効果を発揮し組織の微細化に有効である。さらに、焼戻し時に粒内にNb(C,N)として析出し、降伏強度向上に寄与する働きを有する。この効果を得るために0.01%以上の含有が必要である。一方、その含有量が過剰な場合には、析出物の粗大化が顕著になり靱性を低下させる。したがって、Nb含有量は0.01〜0.03%とする。好ましい下限は0.012%であり、好ましい上限は0.025%である。
Al:0.03〜0.08%
Alは、脱酸作用を有し、また焼入れ時にAlNとしてオーステナイト粒界の移動を「ピン止め」する、いわゆるピンニング効果を発揮し、オーステナイト粒の粗大化を防止する作用を有する。さらに、HAZ靱性に有害なNをAlNとして固定するので、オーステナイト粒界に有効Bを偏析させることができ、Bがフェライト生成を抑制し、焼入れ性を改善する効果を促進する働きをする。これらの効果を得るには0.03%以上のAlを含有させる必要がある。一方、その含有量が過剰な場合、介在物の増加を増加させ、靱性を劣化させる。したがって、Al含有量は0.03〜0.08%とする。好ましい下限は0.04%であり、好ましい上限は0.07%である。
Ti:0.005〜0.02%
Tiは、微細なTiNとなってNを固定し、加熱時のピンニング効果を発揮し、オーステナイト粒の成長を抑制するばかりでなく、B添加時には有効Bのオーステナイト粒界への偏析を助けて焼入れ性を高める効果を合わせ持つため含有させる。0.005%未満の添加ではこの効果が得られない。一方、その含有量が過剰な場合、TiNの粗大化が顕著化し靱性を低下させる。したがって、Ti含有量は0.005〜0.02%とした。好ましい下限は0.008%であり、好ましい上限は0.018%である。
B:0.0005〜0.003%
Bは、オーステナイト粒界に偏析しフェライトの生成を抑制することによって焼入れ性を著しく向上させる元素であり、この効果を得るために、0.0005%以上含有させる。一方、過剰に含有させると、靱性が劣化する。したがって、B含有量は0.0005〜0.003%とした。好ましい下限は0.0008%であり、好ましい上限は0.002%である。
N:0.005%以下
Nは、鋼中に混入する不純物である。N含有量が0.005%を超えると、固溶Nの増加により母材、HAZ靭性の劣化を招く。したがって、N含有量は0.005%以下とした。
O:0.003%以下
Oも、鋼中に混入する不純物である。O含有量が増すと鋼中の非金属介在物が増し、低温靱性と耐SSC性を損なう。これを回避するためにO含有量は0.003%以下とする。
V:0〜0.1%
Vは、鋼の焼入れ性向上効果があり、さらに焼戻し処理時の析出効果により鋼板の強度を高めることもできるので、含有させてもよい。しかしながら、その含有量が過剰な場合、効果が飽和してコストが嵩む上、靭性をも著しく低下する。このため、Vを含有させるときは、0.1%以下とする。なお、上記の効果を得るには、Vを0.01%以上含有させることが好ましい。好ましい上限は0.08%である。
Ca:0〜0.005%
Caは、非金属介在物が球状化し、低温靱性を向上させることができるので、含有させてもよい。しかしながら、その含有量が過剰な場合、CaO、CaS等の介在物が多量に生成して鋼の靱性を損なううえ、湿潤硫化水素環境下で鋼中の水素が介在物周辺に集積し易くなり、耐SSC性が劣化する。このため、Caを含有させるときは、0.005%以下とする。なお、上記の効果を得るには、Caを0.0005%以上含有させることが好ましい。好ましい上限は0.004%である。
Mg:0〜0.005%
Mgは、非金属介在物が球状化し、低温靱性を向上させることができるので、含有させてもよい。しかしながら、Mg含有量が0.005%を超えると、MgO、MgS等の介在物が多量に生成して鋼の靱性を損なううえ、湿潤硫化水素環境下で鋼中の水素が介在物周辺に集積し易くなり、耐SSC性が劣化する。このため、Mgを含有させるときは、0.005%以下とする。なお、上記の効果を得るには、Mgを0.0005%以上含有させることが好ましい。好ましい上限は0.004%である。
本発明のLPG貯蔵タンク用鋼板の化学組成における残部は、Feおよび不純物である。
不純物とは、鋼材を工業的に製造する際に、鉱石、スクラップ等の原料その他の要因により混入する成分を意味する。
(B)鋼板の金属組織について
(B−1)混合組織の面積分率について
鋼板の引張強さを780MPa以上とするためには、金属組織を実質的にベイナイトおよび焼戻しマルテンサイトの混合組織とする必要がある。より具体的には、鋼板の金属組織におけるベイナイトおよび焼戻しマルテンサイトの合計が95%以上である混合組織とする。上記混合組織以外の金属組織は、例えば、フェライト、パーライト、セメンタイト、島状マルテンサイトなどからなる組織である。鋼板の金属組織は、ベイナイトおよび焼戻しマルテンサイトの合計が97%以上である混合組織とするのが好ましく、98%以上である混合組織とするのがより好ましい。
金属組織は、ナイタール腐食の後、SEM観察を行い、画像の白黒濃淡で組織の種類を判別し、各組織の面積分率を求めればよい。ベイナイトと焼戻しマルテンサイトとは、判別が難しいため、これらを区別せずに面積分率を求めればよい。
(B−2)旧オーステナイト粒径のアスペクト比について
LPG貯蔵タンク用鋼板には、高強度化が求められる一方、十分な破壊安全性の確保も必要となり、組織制御が重要となる。ここで、板厚が40mm以上であるような厚手の鋼板の場合、表層部、具体的には、1/4t位置(t:鋼板の厚さ、以下同じ。)での組織制御が行われることが主流である。これは、厚手の鋼板であれば、その厚さゆえに、深部の組織制御まで考慮しなくてもよく、表層部における組織を制御すれば十分であると考えられているからである。しかしながら、板厚が40mm未満の薄手の厚鋼板では、そのような厚さのメリットが活かされず、1/4t位置での組織制御のみならず、1/2t位置での組織制御も重要となる。
靭性を向上させるには組織の細粒化が有効である。1/4t位置での組織のみならず、1/2t位置での組織も制御するためには、オーステナイト粒径の細粒化を十分に促進させた後、未再結晶域における制御圧延を行い、組織の扁平化を促進し、鋼板の厚さ方向における組織の細粒化を図ることが重要である。このとき、1/4t位置および1/2t位置における旧オーステナイト粒径のアスペクト比(圧延方向/厚さ方向)を3以上とする。旧オーステナイト粒径のアスペクト比は、4.5以上とするのが好ましいが、過剰な場合には、圧延方向と圧延垂直方向の機械特性の異方性が大きくなるので、9以下とするのが好ましい。
(B−3)大傾角粒径について
破壊靭性の安定化には、旧オーステナイト粒径を細粒化するだけでは不十分である。細粒扁平オーステナイトから十分な冷却速度で焼きを入れることで、破壊靭性を支配する大傾角粒径の細粒化を図ることができる。ここで、大傾角粒径を30μm以下にすることで、HT780級の高強度鋼においても十分な破壊靭性が確保できる。大傾角粒径は、25μm以下とすることが好ましい。下限は特に定めない。なお、大傾角粒径とは、電子後方散乱分光法(EBSP)によって、結晶方位が15°以上異なる大傾角粒界で囲まれる領域の円相当径を意味する。
(C)鋼板の製造方法について
(C−1)スラブの形状について
前記Aの項で説明した化学組成を有するスラブを用意する。ここで、「スラブ」とは、鋼塊、ブルーム、ビレット等の総称である。スラブの厚さは問わないが、鋼板を製造する際、温度制御しながら、圧下を行うため、少なくとも仕上げ厚の3倍以上の厚さを有するスラブを用いるのがよい。好ましくは、仕上げ厚の5倍以上の厚さのスラブを用いることが好ましい。また、鋼板の製造効率の観点から、スラブの厚さは仕上げ厚の10倍以下であることが好ましい。スラブはインゴット法により製造してもよいが、コスト低減の観点からは、連続鋳造法によりスラブを製造することが好ましい。
(C−2)スラブ加熱工程について
スラブの加熱は、鋳造時に析出したNb、Ti、B等の粗大介在物を固溶させて、微細結晶温度域を拡大させるために行う。このため、加熱温度の下限は1050℃とする。好ましい下限は1080℃である。一方、加熱温度が高すぎると、旧オーステナイトの粗粒化を招き、靭性が低下する。このため、加熱温度の上限を1200℃とする。好ましい上限は1160℃である。
(C−3)熱間圧延工程について
高い強度と靭性とを両立するためには、圧延における鋼板組織の細粒化が重要となる。本発明では、再結晶域での制御圧延および未再結晶域での制御圧延により、鋼板組織を細粒化し、靭性向上を図る。
まず、再結晶領域である850℃以上の温度域で圧延を行い、中間鋼板を得る。再結晶領域では、鋼板組織の再結晶化を進めるとともに、圧下によりオーステナイト粒径の細粒化させる。このとき、スラブ厚に対して累積圧下率を50%以上とすれば、十分なオーステナイト粒径の細粒化を図ることができる。圧下率の上限は特に規定しないが、最終的に得られる厚鋼板の板厚を考えれば、再結晶領域での累積圧下率の上限は75%となる。
続いて、未再結晶領域である850℃以下の温度域で圧延を行い、鋼板を得る。未再結晶領域での圧延により、オーステナイト粒は扁平化する。そして、冷却され、変態した後は、旧オーステナイト粒界として扁平化したまま残って靭性向上に寄与する。なお、圧延荷重の増大を避けることおよび後続する焼入れ工程を再加熱せず、圧延後直接的に行うため、未再結晶温度域での圧延は750℃以上で行う。このとき、上記中間鋼板の厚さに対して累積圧下率を50%以上とすれば、組織を細粒化することができる。未再結晶領域での累積圧下率の上限は、特に規定しないが、最終的に得られる厚鋼板の板厚を考えれば、75%となる。
(C−4)焼入れ工程について
焼入れ工程では、いわゆる直接焼入れを行い、鋼板に焼きを入れる。すなわち、前工程である圧延工程を750℃以上で終了させ、そのまま730℃以上の温度域から冷却を行う。焼入れ性を確保するため、高温度域から焼入れを行うことが好ましく、焼入れは740℃以上の温度域から行うことが好ましく、750℃以上の温度域から行うことがより好ましい。
焼入れ停止温度が、高すぎると、ベイナイトおよびマルテンサイト組織が得られず、強度および靭性が不足する。従って、焼入れは500℃以下の温度域まで行う。
このとき、冷却速度は、下記式で表わされるVc(℃/s)以上の冷却速度とする。なお、Vcは、金属組織が、面積分率で、90%以上のマルテンサイト組織となる冷却速度を示している。
Figure 0006582590
そして、前記鋼板の厚さをtとするときの1/4t位置における冷却速度が、Vc(℃/s)未満の場合、面積分率で、ベイナイトおよび焼戻しマルテンサイトの合計が95%以上である混合組織を有する鋼板を得ることができない。
(C−5)焼戻し工程について
焼戻し処理は、焼入れ処理によって導入された歪を除去し、かつ炭化物を微細に析出させることにより強度と靱性のバランスを改善するために施す。靭性確保の観点から、焼戻し処理は650℃以下の温度域で行う。下限は定めないが、500℃以上の温度域で行うことが好ましい。
表1および表2に示す化学組成の鋼を溶製して得たスラブに、表3および表4に示す条件で鋼板を製造した。
Figure 0006582590
Figure 0006582590
Figure 0006582590
Figure 0006582590
得られた鋼板の金属組織および性能を以下の方法で評価した。その結果を表5および表6に示す。
<金属組織>
鋼板の旧オーステナイト粒のアスペクト比、ミクロ組織の測定は、1/2t位置および1/4t位置のL方向ミクロ組織について、x100の写真を5枚撮影し、その平均値より算出した。また、大傾角粒径は、高分解能電界放出型走査顕微鏡(FE−SEM)を用いて、鋼板の圧延方向に平行な断面について、1/2t位置および1/4t位置をEBSP(Electron Back Scattering Pattern)法を用いて結晶方位解析して大傾角粒を特定し、画像処理により大傾角粒界で囲まれる領域の円相当径を求めた。
<鋼板の引張特性>
各鋼板から、圧延方向に垂直な方向からJIS Z 2241:2011に規定される4号引張試験片を採取し、引張試験をおこなって母材強度を測定し、目標である引張強さ(TS)が780MPa以上である場合を良好と判断した。なお、YSについては680MPa以上であるのが望ましい。
<鋼板(母材)の靭性>
各鋼板から、圧延方向に平行にJIS Z 2242:2011に規定されるシャルピー衝撃試験片を板厚1/2tより切出し、衝撃試験をおこなって−60℃における吸収エネルギーvE−60(J)を測定し、vE−60が100J以上である場合を鋼板の靱性(以下、「母材靱性」と略記する)が良好と判断した。
<溶接継手性能>
各鋼板から長さ600mm、幅300mmの溶接試験片を切り出し、その端部をX型開先に加工し、入熱量が3.0kJ/mmのサブマージアーク溶接をおこなって溶接継手部を作製した。各溶接継手部からノッチ中心位置がフユージョンラインに一致するように1/4t位置からシャルピー衝撃試験片を採取した。この試験片を用いて、シャルピー衝撃試験を行い、溶接継手部の低温靱性、つまり、低温継手靱性を評価した。vE−60が47J以上である場合を良好であるものとした。
また、上記溶接継手部から硬さ測定用試験片を切り出し、最も応力集中度が大きく、SSCが生じ易いとされる溶接止端部の硬さを測定した。ビッカース硬さ(Hv)が315以下である場合を良好であるものとした。
さらに、上記各溶接継手部の溶接ビードまま表面から、長さ115mm、幅30mm、厚さ1.5mmのSSC試験用素材を切り出し、4点曲げによって降伏応力の100%に相当する応力を付与してSSC試験片を作製した。これらの試験片は純水+0.5%CHCOOH水溶液に分圧を調整したHSガスを通気し、HS濃度25ppmとした飽和水溶液中に1000時間浸潰した。試験終了後に光学顕微鏡を用いて試験片表面における割れの有無を調査した。割れが観察されなかった場合を良好(○)とし、割れが認められた場合を不良(×)として評価した。
Figure 0006582590
Figure 0006582590
表5および6に示すように、試験No.1〜37は、本発明で規定される化学組成を有し、かつ適切な製造条件によって製造された結果、金属組織も本発明で規定される範囲内にあった。その結果、母材が十分な強度および靭性を有するとともに、溶接継手部においても、十分な靭性と耐SSC性を有していた。一方、本発明で規定される条件を満たさないNo.38〜55は、母材または溶接継手における、いずれかの性能に劣っていた。なお、No.40については、圧延後鋼板においてCuチェッキングによる割れが発生したために金属組織の観察および特性評価は行わなかった。
本発明によれば、780MPa級の引張強さを有するとともに、溶接部の耐硫化物応力腐食割れ性および低温靱性に優れたLPG貯蔵タンク用鋼板を得ることができる。この鋼板は、従来、LPG貯蔵タンクに用いられてきた引張強さ730MPa級の鋼板より厚さを薄くすることができるので、溶接後のSR処理(応力除去焼鈍)を省略でき、しかも、溶接パス数の低減を通じた溶接施工効率の向上も実現でき、そのもたらす効果は極めて大きい。

Claims (4)

  1. 化学組成が、質量%で、
    C:0.02〜0.08%、
    Si:0.01〜0.3%、
    Mn:1.2〜2.0%、
    P:0.015%以下、
    S:0.05%以下、
    Cr:0.5〜1.5%、
    Mo:0.3〜1.0%、
    Ni:0.03%以下、
    Cu:0.2%以下、
    Nb:0.01〜0.03%、
    Al:0.03〜0.08%、
    Ti:0.005〜0.02%、
    B:0.0005〜0.003%、
    N:0.005%以下、
    O:0.003%以下、
    V:0〜0.1%、
    Ca:0〜0.005%、
    Mg:0〜0.005%、
    残部:Feおよび不純物であり、
    金属組織が、面積分率で、ベイナイトおよび焼戻しマルテンサイトの合計が95%以上である混合組織であり、
    厚さをtとするとき、1/4t位置および1/2t位置において、旧オーステナイト粒径のアスペクト比(圧延方向/厚さ方向)が3以上であり、かつ
    厚さ方向の大傾角粒径の平均値が30μm以下である、
    引張強さが780MPa以上であり、かつ厚さが10mm以上40mm未満であるLPG貯蔵タンク用鋼板。
  2. 前記化学組成が、質量%で、
    V:0.01〜0.1%を含有する、
    請求項1に記載のLPG貯蔵タンク用鋼板。
  3. 前記化学組成が、質量%で、
    Ca:0.0005〜0.005%および/または
    Mg:0.0005〜0.005%を含有する、
    請求項1または2に記載のLPG貯蔵タンク用鋼板。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の化学組成を備えたスラブを1000〜1200℃に加熱する工程と、
    前記スラブを、850℃以上の温度域で、前記スラブの厚さに対する累積圧下率が50%以上となる熱間圧延を施して中間鋼板を得る工程と、
    前記中間鋼板を、850℃以下750℃以上の温度域で、前記中間鋼板の厚さに対する累積圧下率が50%以上となる熱間圧延を施して鋼板を得る工程と、
    前記鋼板を、730℃以上の温度域から500℃以下の温度域まで、前記鋼板の厚さをtとするときの1/4t位置における冷却速度が、下記式で表わされるVc(℃/s)以上の冷却速度となる条件で冷却する工程と、
    Figure 0006582590
    前記冷却した鋼板に、650℃以下の温度域で焼戻し処理を施す工程と、を備える、
    金属組織が、面積分率で、ベイナイトおよび焼戻しマルテンサイトの合計が95%以上である混合組織であり、
    厚さをtとするとき、1/4t位置および1/2t位置において、旧オーステナイト粒径のアスペクト比(圧延方向/厚さ方向)が3以上であり、かつ
    厚さ方向の大傾角粒径の平均値が30μm以下である、
    引張強さが780MPa以上であり、かつ厚さが10mm以上40mm未満のLPG貯蔵タンク用鋼板の製造方法。
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