以下、図面を参照し、本発明の表示パネルの取付方法および自動車のフロントガラスに表示パネルを取付ける方法、ならびに表示装置の製造方法の実施形態を説明する。なお、以下に説明される実施形態における各構成要素の材質、形状、大きさ、および、それらの相対的な位置関係などは、あくまで例示に過ぎない。本発明の表示パネルの取付方法および自動車のフロントガラスに表示パネルを取付ける方法、ならびに表示装置の製造方法は、これらによって限定的に解釈されるものではない。
[実施形態1]
図1には、実施形態1の表示パネルの取付方法の概略が示されている。図1に示されるように、実施形態1の表示パネルの取付方法は、第1棒状部材1および第1棒状部材1と交差する略平行な二つの第2棒状部材2a、2bを含む枠体4を用意し、第1棒状部材1および二つの第2棒状部材2a、2bを所定の平面または曲面(図1の例では物体5の表面5a)に接着させることを含んでいる。実施形態1の表示パネルの取付方法は、さらに、二つの第2棒状部材2a、2bの間にて支持可能な幅を有する表示パネル3を、二つの第2棒状部材2a、2bの第1端部4cから、二つの第2棒状部材2a、2bにおける互いに向き合う第1面4aおよび第2面4bに沿わせて、前記第1棒状部材1へ向けて移動させる、ことを含んでいる。
ここで「第1棒状部材と交差する」は、二つの第2棒状部材の間に描かれ得る第2棒状部材と平行な無数の直線(以下、単に「直線PL」という)のうちの少なくとも一つが第1棒状部材と交わり得ることを意味している。たとえば、図1または以下の説明において参照する図2A、図4Bもしくは図5Aに示される例では、直線PLの全てが第1棒状部材1と直角に交わり得る。また、後述する説明において参照する図4Aに示される例では、そのような直線PLの大半が第1棒状部材1と直角に交わり得る。これら図1、図2A、図4A、図4Bおよび図5Aに示される例では、二つの第2棒状部材2a、2bは、第1棒状部材1と直交する。また、以下の説明において参照する図4Cおよび図4Dに示される例では、直線PLの略全てが、任意の交角をなして第1棒状部材1と交わり得る。そして、そのような無数の直線PLのうちの一部が第1棒状部材1と直角に交わり得る。
また「所定の平面または曲面」は、表示パネル3と組み合わされる任意の物体において表示パネル3が取付けられる任意の表面である。以下の説明において、表示パネル3が取付けられる「所定の表面または曲面」は、単に「被取付面」とも称される。以下の説明で参照される各図面における例では、物体5の表面5aが「被取付面」であるため、符号5aは「被取付面」のための参照符号としても用いられる。
図1の例では、二つの第2棒状部材2a、2bの第2端部4dが第1棒状部材1の両端に連結されている。第1棒状部材1および二つの第2棒状部材2a、2bによって、略コの字状の正面形状を有する枠体4が構成されている。枠体4は、第2棒状部材2a、2bの第1端部4cにおいて、二つの第2棒状部材2a、2b間の全体にわたって開口している。本実施形態では、枠体4のこの開口から枠体4の内部(第1棒状部材1および二つの第2棒状部材2a、2bによって三方を囲まれた領域)へと表示パネル3が導入され、そして第1棒状部材1に向けて動かされる。
図1に例示される第2棒状部材2a、2bの第1面4aおよび第2面4bには、溝状の凹部4eが設けられている。表示パネル3が第1棒状部材1へ向けて移動させられる際には、表示パネル3において向かい合う二つの縁部(第1縁部3aおよび第2縁部3b)が第2棒状部材2a、2bの凹部4eに挿入される。そして、表示パネル3は、第1縁部3aおよび第2縁部3bが凹部4eに入り込んだ状態で、第1棒状部材1へ向けて動かされる。
また、図1の例では、被取付面5aにおける枠体4によって囲まれる部分に弱粘着層6が形成される。弱粘着層6は、被取付面5aと表示パネル3とを密着させるべく被取付面5aに、または表示パネル3における被取付面5aに向けられる面に、粘着剤を用いて形成される。なお、図1は、第1棒状部材1および二つの第2棒状部材2a、2bが接着剤8を用いて被取付面5aに接着される例を示している。また、表示パネル3には配線板9が接続されている。
本実施形態では、二つの第2棒状部材2a、2bの間にて支持可能な幅を有する表示パネル3が、被取付面5aに取付けられる。すなわち、二つの第2棒状部材2a、2bは、表示パネル3が支持され得る間隔を互いの間に空けて被取付面5aに接着される。また、二つの第2棒状部材2a、2bは、表示パネル3が取付けられるべき所定の領域(以下、この領域は単に「被取付領域」とも称される)を介して対向する位置に接着される。従って、第1棒状部材1に向けた移動の際に二つの第2棒状部材2a、2bの第1面4aおよび第2面4bに表示パネル3を沿わせるだけで、二つの第2棒状部材2a、2bが向かい合う方向において被取付領域に適切に表示パネル3を位置付けることができる。
第1棒状部材1も、被取付面5aにおいて被取付領域に基づいて決定された位置に接着され得る。第1棒状部材1は、好ましくは、第1棒状部材1に向けた移動において被取付領域またはその真上に達した表示パネル3が第1棒状部材1に当接すべく決定された位置に接着される。そうすることによって、第1棒状部材1に当接するまで表示パネル3を移動させるだけで、第2棒状部材2a、2bと平行な方向において被取付領域に適切に表示パネル3を位置付けることができる。
換言すると、枠体4は、好ましくは被取付領域がその外縁に沿って三方を第1棒状部材1および二つの第2棒状部材2a、2bによって囲まれるように、被取付面5aに接着される。その場合、二つの第2棒状部材2a、2bの第1面4aおよび第2面4bに沿わせて、かつ、第1棒状部材1に当接するまで表示パネル3を移動させることによって、容易かつ適切に、表示パネル3を所定の被取付領域上に位置付けることができる。それに伴って、表示パネル3の位置の調整や再配置などの繰り返し作業を少なくすることができる。従って、表示パネル3を破損させるリスクを小さくすることができる。なお、第1棒状部材1および第2棒状部材2a、2bの接着時には、これらの位置決めが必要になるが、各棒状部材乃至は枠体4は、表示パネル3に比べてシンプルな構造を有し、かつ、低コストで用意され得る。従って、その接着時に位置の調整や再配置などの作業が繰り返されてもそれらの破損は生じ難く、かつ、万一の破損時においても大きな損失は生じ難いと考えられる。
さらに、本実施形態の表示パネルの取付方法によって被取付面5aに取付けられた表示パネル3は、枠体4の外方への移動を第1棒状部材1および二つの第2棒状部材2a、2bによって阻止され得る。枠体4の開口を通って外方に向かう表示パネル3の動きや、被取付面5aから離間する方向への表示パネル3の動きは、各棒状部材と表示パネル3との接触面において作用し得る摩擦力や、前述の弱粘着層6による作用などによって制限され得る。特に図1の例では、表示パネル3の第1および第2の縁部3a、3bが第2棒状部材2a、2bの凹部4eに入り込むため、それらの係合によって、被取付面5aから離間する方向への表示パネル3の動きがいっそう確実に阻止される。また、第1棒状部材1が二つの第2棒状部材2a、2bの第1端部4cおよび枠体4の開口よりも重力方向において下方となる向きで使用される場合、枠体4の開口を通って外方に向かう表示パネル3の動きは、さらに重力によって制限され得る。
このように、本実施形態の取付方法によって被取付面5aに取付けられた表示パネル3は、その使用時における被取付面5aからの遊離や被取付面5a上での顕著な位置ずれを抑止され得る。すなわち、本実施形態において、接着剤などを用いて被取付面5aに表示パネル3を固着させることは必ずしも必要ではない。従って、本実施形態の方法によって取付けられた表示パネル3は、被取付面5aから容易に取り外すことができる。たとえば、取付け時における移動方向と逆方向に表示パネル3を単に移動させるだけで、表示パネル3と被取付面5aとを容易に分離することができる。被取付面5aが窓ガラスの表面である場合、窓ガラスが割れたときには、表示パネル3を被取付面5aから取り外して再利用することができる。また、表示パネル3が破損したときは、その表示パネル3を新たな表示パネル3と容易に交換することができる。すなわち、表示パネル3と、被取付面5aを有する任意の物体5とのいずれか一方に瑕疵や機能不全が生じただけであるにも拘らず、それら両方の廃棄を迫られるような事態を回避することができる。
図2A〜図2Cには、被取付面5aに本実施形態の表示パネルの取付方法を用いて取付けられた表示パネルの一例(表示パネル3)が、枠体4と共に示されている。本実施形態の表示パネルの取付方法を用いて表示パネル3を被取付面5aに取付けることによって、表示パネル3、枠体4、および、被取付面5aを有する物体5を少なくとも含む表示装置10が生産される。なお、図2Bは、図2Aに示されるIIB−IIB線での断面を示し、図2CはIIC−IIC線での断面を示している。前述の図1に示される構成要素と同様の構成要素には、図2A〜図2Cにおいて図1と同じ符号が付されている。図2A〜図2Cに示されるように、略コの字の平面形状を有する枠体4は接着剤8を用いて被取付面5aに接着されている。枠体4は、第1棒状部材1と、第1棒状部材1と直交し、かつ第1棒状部材1の両端のいずれか一方にそれぞれ連結された略平行な二つの第2棒状部材2a、2bとを含んでいる。枠体4は、第1棒状部材1に対向する辺全体にわたって開口している。表示パネル3は、マトリクス状に配置された複数の画素31を備え、枠体4によって被取付面5a上に保持されている。表示パネル3には配線板9が接続されている。
図2Bに示されるように、第2棒状部材2a、2bそれぞれにおいて互いに向かい合っている第1面4aおよび第2面4bには、溝状の凹部4e1、4e2がそれぞれ設けられている。表示パネル3において第2棒状部材2aの第1面4aに近接する第1縁部3aは、凹部4e1に入り込んでいる。同様に、表示パネル3において第2棒状部材2bの第2面4bに近接する第2縁部3bは、凹部4e2に入り込んでいる。また、図2Cに示されるように、第1棒状部材1における枠体4の内側を向く面にも溝状の凹部4e3が設けられている。そして、表示パネル3において第1棒状部材1に近接する第3縁部3cは凹部4e3に入り込んでいる。
表示パネル3と被取付面5aとの間には弱粘着層6が介在している。弱粘着層6が有する粘着性によって、好ましくは略隙間の無い状態で、表示パネル3と被取付面5aとが密着される。また、図2Aおよび図2Cに示されるように、配線板9が、枠体4の開口を通って枠体4の外に引き出されている。
第1棒状部材1および二つの第2棒状部材2a、2bは、表示パネル3の取付時に表示パネル3に対するガイド部となり得、その後、枠体4の外方への表示パネル3の意図せぬ動きを抑止し得る剛性や耐久性を有する任意の材料で形成される。たとえば、エポキシ樹脂や汎用プラスチックなどの合成樹脂、天然ゴムなどの天然樹脂およびゴムスポンジなどが、各棒状部材、すなわち枠体4の材料として例示される。枠体4は、表示パネル3の取付における移動の容易性の観点において、摩擦係数の少ない材料で形成されるのが好ましい。たとえば、PTFEなどのフッ素系樹脂、ポリアセタール樹脂、またはポリアミド樹脂などが用いられてもよい。しかし、表示パネル3の使用時にその動きを抑止する機能に鑑みて、適度な摩擦係数を有するシリコーン樹脂、または、天然もしくは合成ゴムなどが枠体4の材料として用いられてもよい。また、枠体4は、表示パネル3のユーザに視認され難いように透光性の材料を用いて形成されてもよい。透光性の材料を用いることは、被取付面5aを有する物体5が透光性の材料(たとえば、ガラス、透明ポリイミド、PETなど)で形成され、さらに表示パネル3が透光性を有する場合に特に有益である。この点において、枠体4は、透明シリコーンゴム、アクリル樹脂などを用いて形成されるのが好ましく、ガラスを用いて形成されてもよい。
本実施形態の方法において取付けられる表示パネル3としては、有機EL表示パネルや液晶表示パネルが例示される。しかし、表示パネル3は、これらに限定されない。また、本実施形態の方法は、可撓性を有する表示パネル3に対して用いられてもよく、透明有機EL表示パネルのような透光性を有する材料で形成された表示パネル3に対して用いられてもよい。
弱粘着層6は、たとえば、アクリル系、シリコーン系またはウレタン系の樹脂を単独で、または複数組み合わせて主成分として含む粘着剤から構成される。なお「弱粘着」は、被着体にぴったり付着するものの、剥離方向に力を加えられるだけで、被着体を破損させることなく、また、糊などを付着面に残さずに容易に剥離し得る程度の付着を意味している。弱粘着層6を形成することによって、表示パネル3と被取付面5aが略確実に密着される。従って、表示パネル3の浮きや、表示パネル3と被取付面5aとの界面への気泡の巻き込みなどが防止される。しかも、必要に応じて、過度なダメ−ジを表示パネル3や物体5に与えることなく、表示パネル3を容易に取り外すことができる。
配線板9は、表示パネル3に駆動信号を供給するドライバ(図示せず)と表示パネル3とを電気的に接続する。配線板9としては、ポリイミドやポリエチレンテレフタレートなどの樹脂によって形成された可撓性のフィルムと、このフィルム上に銅などの導電体によって形成された配線パターンとを有するフレキシブル配線基板(FPC)が例示される。配線板9は、その一端において表示パネル3に接続されている。配線板9のこの一端は、表示パネル3の表示面32上に設けられた接続パッド(図示せず)に、異方性導電フィルム(ACF)などを用いて接続されている。なお、配線板9に代えて複数のケーブルが用いられ、そのケーブルの一端が表示パネル3に接続されていてもよい。
被取付面5aは、前述のように、図2A〜図2Cの例のような平面であってもよいし、曲面であってもよい。被取付面5aを一つの表面に有する物体5は、その表面(被取付面5a)に表示パネル3が取付けられ得る任意の部材、物品または構造物であり得る。物体5は、ガラス、金属、および合成樹脂などの任意の材料を用いて形成され得る。表示パネル3が可撓性を有する場合は、物体5が、表示パネル3を適切に支持し得る剛性を有していることが好ましい。すなわち、物体5は、所定の剛性を有し、外部からの機械的ストレスに対する耐性を表示パネル3に付与するケース、カバー、または筐体などと称される外装材であってもよい。また、物体5の(主に被取付面5a以外の)表面には、所望の装飾が施されていてもよく、表示パネル3が使用される状況に適した形状を物体5が有していてもよい。従って、本実施形態の表示パネルの取付方法を用いて表示パネルを所定の平面または曲面に取付けることによって、表示パネルおよび外装材を備え、所望の剛性、装飾性、および、取り扱いの容易性などを有する表示装置が生産され得る。また、物体5は、表示パネル3以外の各種の装置、機器、用具または構造物を構成する任意の部材またはその一部であってもよい。たとえば、物体5は、住居の窓やショーウィンドウまたは展示用ケースなどに用いられているガラス板であってもよく、各種機器の筐体や、建造物の内壁や外壁を構成する部材であってもよい。そして、物体5は自動車のフロントガラスであってもよく、被取付面5aはフロントガラスにおける車室に向けられた表面であってもよい。本実施形態の表示パネルの取付方法を用いて表示パネルを所定の平面または曲面に取付けることによって、表示パネルを備えた任意の装置および機器などが生産され得る。
図3Aおよび図3Bには、図2A〜図2Cに示される枠体4における第1棒状部材1および第2棒状部材2a、2bの変形例が示されている。また、図4A〜図4Dならびに図5A〜図5Dには枠体4の変形例が示されている。図3Aおよび図3Bならびに図5B〜図5Dは、第2棒状部材2a、2bの第1端部4c(図2A参照)の方から第1棒状部材1の方を見る視座で、被取付面5aと共に枠体4の各変形例を示している。各図において表示パネル3が二点鎖線で適宜示されている。本実施形態の方法には、これら各図に示されるような種々の形態の枠体4が用いられ得る。
図3Aに示される例では、第2棒状部材2a、2bが、それぞれ、L字型の端面形状を有しており、第1面4aおよび第2面4bに形成された段差によって凹部4eが設けられている。第1棒状部材1においても、枠体4の内側を向く面に形成された段差によって凹部4eが設けられている。凹部4eにおいて各棒状部材に設けられた段差と対向する内壁は、被取付面5aによって構成されている。この凹部4eに、表示パネル3の各縁部が挿入される。従って、表示パネル3における被取付面5aから離間する動きが阻止され得る。なお、図3Aおよび後述の図3Bには、弱粘着層6(図2B参照)が示されていないが、図3Aおよび図3Bに示される枠体4が用いられる場合でも、弱粘着層6が形成されてもよい。
表示パネル3と各棒状部材との間の摩擦力や、弱粘着層6(図2B参照)の作用によって被取付面5aから離間する方向への表示パネル3の動きが阻止され得る場合は、図3Bに示される例のように、各棒状部材において凹部が設けられなくてもよい。すなわち、本実施形態において、凹部4e(図3A参照)を構成し得る溝や段差を有さない第1棒状部材1および第2棒状部材2a、2bが用いられてもよい。図3Bの例では、第2棒状部材2a、2bの第1面4aおよび第2面4bはいずれも平坦であり、従って、凹部は形成されない。第1棒状部材1においても、その枠体4の内側を向く面に凹部は形成されない。このように、本実施形態の方法において、凹部は必ずしも設けられなくてもよく、図3Bに示されるような枠体4が用いられてもよい。
図4Aには、本実施形態の方法に用いられる枠体4の第1変形例が示されている。本実施形態の方法に用いられる第1棒状部材1と二つの第2棒状部材2a、2bは、図2Aの例のように必ずしも互いに連結されていなくてもよい。すなわち、図4Aに示されるように、個々に独立している第1棒状部材1および第2棒状部材2a、2bによって構成される枠体4が用いられてもよい。図4Aの例では、個別に形成された第1棒状部材1と二つの第2棒状部材2a、2bが、離間した状態で被取付面5aに接着されている。このような枠体4においても、表示パネル3における各方向への動きが、図2Aに例示される枠体4の作用と同様の作用によって阻止され得る。
図4Bには、本実施形態の方法に用いられる枠体4の第2変形例が示されている。図4Bの例では、二つの第2棒状部材2a、2bそれぞれの長手方向における略中間の位置に、第1棒状部材1の両端がそれぞれ連結されており、略H字状の正面形状を有する枠体4が形成されている。図4Bの例の枠体4を用いることによって、第1棒状部材1を挟んで設けられた二つの被取付領域のいずれかまたは両方に表示パネル3を容易に取付けることができる。すなわち、一つの表示パネル3の取付けにおいては、表示パネル3が、第2棒状部材2a、2bの第1端部4cから第1棒状部材1に向って動かされてもよく、第2端部4dから第1棒状部材1に向って動かされてもよい。また、二つの表示パネル3の取付けにおいては、二つの表示パネル3のうちの一つが第1端部4cから、そして、もう一つが第2端部4dから、それぞれ第1棒状部材1に向けて移動されてもよい。なお、第1端部4cおよび第2端部4dのいずれかが第1棒状部材1よりも重力方向において下方に位置付けられる場合でも、前述の弱粘着層6についての適切な選択などによって、被取付面5aからの表示パネル3の脱離を防ぐことができると考えられる。本実施形態の方法を用いれば、使用時の状況に応じて二つの被取付領域の間で表示パネル3を付け替えることも容易である。なお、第2棒状部材2a、2bにおける第1棒状部材1との連結部は、必ずしも、第2棒状部材2a、2bの長手方向における略中間部でなくてもよい。
図4Cには、外縁に曲線部を有する表示パネル3に対して好適に用いられる曲線状の第1棒状部材1の例が示されている。第1棒状部材1は、第2棒状部材2a、2bの第1端部4cを向く向きと反対方向に向かって凸状となるように湾曲しており、枠体4は略U字型の正面形状を有している。第1棒状部材1は、図4Cに示されるように全体的に湾曲していてもよく、その一部だけが湾曲していてもよい。図4Cの例では、表示パネル3の正面形状は長径d1および短径d2を有する楕円形であり、表示パネル3は、長径d1が第2棒状部材2a、2bと平行となる向きで枠体4に挿入される。第1棒状部材1は、この表示パネル3の外縁に沿うように、楕円の円弧状に湾曲している。第1棒状部材1が楕円の円弧状に湾曲していると、表示パネル3におけるその表示面と直交する軸を中心とする回転を防止することができる。
第1棒状部材1の曲線部分の曲率は、表示パネル3の外縁の曲率と略同じであることが好ましい。具体的には、被取付面5aにおいて第1棒状部材1の凹部4e3の最深部(表示パネル3が当接する部分)によって描かれる曲線が、長径d1および短径d2を有する楕円を長径方向において二分してなる半楕円(長軸の半径r1=(d1)/2、短軸の半径r2=(d2)/2)の円弧に沿っていることが好ましい。また、第1棒状部材1の中心軸(第2棒状部材2a、2bと平行な軸)上での凹部4e3の最深部から第1端部4cにおける第2棒状部材2a、2bの端面までの長さL1は、好ましくは、表示パネル3の長径d1に等しい。
第1棒状部材1が湾曲部分を有する場合、その湾曲部分は、必ずしも楕円の円弧に沿うように曲がっていなくてもよく、図4Dに示される例のように、真円の円弧に沿うように曲がっていてもよい。第1棒状部材1における凹部4e3の最深部は、被取付面5aにおいて半径r3の真円の円弧を描いている。図4Dに例示される第1棒状部材1は、半径r3の半円(真円の半円)形と矩形とが接続された正面形状を有する表示パネル3に対して用いられている。表示パネル3は、半円形の部分を先頭にして枠体4に挿入される。表示パネル3におけるその表示面と直交する軸を中心とする回転は、表示パネル3における矩形部分と第2棒状部材2a、2bとの当接によって防止され得る。
図5Aおよび図5Bには、本実施形態の方法に用いられる枠体4の第5変形例が示されている。図5Aおよび図5Bに例示される枠体4は、第1棒状部材1および二つの第2棒状部材2a、2b、ならびに、板状部材43によって構成されている。板状部材43は、第1棒状部材1と略同じ長さを有する長辺と、第2棒状部材2a、2bと略同じ長さを有する短辺とを有し、略矩形の正面形状を有している。そして、板状部材43は、二つの長辺のうちの一つにおいて第1棒状部材1に連結され、二つの短辺において第2棒状2a、2bに連結されている。板状部材43の各辺は、第1棒状部材1および第2棒状部材2a、2bにおける被取付面5aに向けられるべき面と反対の面に連結されている。第1棒状部材1、第2棒状部材2a、2bおよび板状部材43は、一体的に形成されてもよく、被取付面5aに接着された第1棒状部材1および第2棒状部材2a、2bに板状部材43が接着剤などによって固定されてもよい。
図5Bに示されるように、枠体4は、第1棒状部材1および第2棒状部材2a、2bにおける板状部材43と連結されている面と反対の面を被取付面5aに向けて、被取付面5aに接着される。図5Aおよび図5Bの例の枠体4を用いた本実施形態の方法では、板状部材43と被取付面5aとの間において各棒状部材に囲まれた空間に表示パネル3(図2B参照)が挿入される。従って、表示パネル3の表示面32(図2B参照)は板状部材43に覆われる。従って、板状部材43は透光性の材料を用いて形成される。枠体4全体が透光性の材料で形成されてもよい。前述の、透明シリコーンゴム、アクリル樹脂、またはガラスなどが板状部材43の材料として用いられ得る。板状部材43は、表示パネル3の保護カバーとしても機能し得る。
図5Aおよび図5Bに示される例において、第2棒状部材2a、2bの第1面4aおよび第2面4bは凹部4e(図1参照)を有さず、しかも弱粘着層6(図1参照)も形成されていない。しかし、表示パネル3が被取付面5aから離間する方向に動くと、その表示パネル3は板状部材43に当接する。すなわち、板状部材43は、表示パネル3における被取付面5aから離間する動きを阻止する機能を有し得る。好ましくは、第2棒状部材2a、2bの厚さと接着剤8の厚さの合計の厚さT42は、表示パネル3の厚さと略同じ厚さにされる。そうすることによって、枠体4の内部における表示パネル3の厚さ方向の遊びを少なくすることができる。なお、板状部材43を備える枠体4が用いられる場合に、弱粘着層6が形成されてもよい。また、図5Cおよび図5Dに示されるように、板状部材43を備える枠体4においても、その第1棒状部材1および第2棒状部材2a、2bに溝や段差が形成されることによって、凹部4eが設けられてもよい。
図5Cの例では、前述の図2Bの例と同様に第2棒状部材2a、2b自体に溝状の凹部4eが設けられている。また、図5Dの例では、前述の図3Aの例と同様に、第2棒状部材2a、2bの第1面4aおよび第2面4bに段差を形成することによって凹部4eが設けられている。また、図5Cおよび図5Dは、弱粘着層6が形成される例を示している。このように、表示パネル3をカバーし得る板状部材43を備えた枠体4が用いられる場合でも、各棒状部材に凹部4eが設けられてもよく、弱粘着層6が形成されてもよい。
つぎに、図6A〜図6Dを参照し、実施形態1の表示パネルの取付方法の各ステップを順に説明する。なお、図6A〜図6Dにおいて、前述の図1および図2A〜図2Cに示される構成要素と同様の構成要素については、図1などと同じ符号が付され、それらについての重複となる説明は適宜省略される。
図6Aに示されるように、第1棒状部材1および第1棒状部材1と交差する略平行な二つの第2棒状部材2a、2bを含む枠体4が用意され、被取付面5aに接着される。枠体4として、前述の図2A〜図2C、図3A、図3B、図4A〜図4Dおよび図5A〜図5Dに示される例のいずれが用意されてもよい。また、第1棒状部材1および第2棒状部材2a、2bを適正に備えつつ、さらに変更を加えられた枠体4が用意されてもよい。図6A〜図6D(ならびに後述の図8、図9および図10A〜図10C)では、図2A〜図2Cに示された枠体4が一例として示されている。
枠体4は、被取付面5aにおいて表示パネル3(図6B参照)が取付けられるべき被取付領域Aを囲むように位置づけられ、その位置に接着される。すなわち、第1棒状部材1および第2棒状部材2a、2bは、それぞれ、被取付領域Aの縁部に沿うように位置付けられる。たとえば、被取付領域Aが矩形(すなわち表示パネル3の正面形状が矩形)である場合、被取付領域Aの一辺の外側に、その一辺に沿って第1棒状部材1が位置づけられる。二つの第2棒状部材2a、2bは、被取付領域Aにおいて当該一辺と直交する二つの辺それぞれの外側に、その二つの辺それぞれに沿わせて位置づけられる。なお、表示パネル3は、物体5の一つの表面である被取付面5aにおいて任意の位置に取付けられ得る。従って枠体4も、被取付面5aにおいて任意の位置に接着され得る。
図6Aの例では、被取付面5aの外縁において枠体4が開口する向きで、すなわち、第2棒状部材2a、2bの第1端部4cが被取付面5aの外縁に近接する向きで、枠体4が接着されている。枠体4の開口が被取付面5aの外縁の近傍に位置付けられると、第2棒状部材2a、2bの第1端部4cから第1棒状部材1に向けて表示パネル3(図6B参照)を移動させ易いことがある。
物体5は、表示パネル3の使用時に、重力方向に対して任意の向きに方向付けられる。たとえば、物体5は、図6Aの例において矢印Yで示される方向に重力が作用する向きで設置される。その場合、図6Aに示されるように、表示パネル3の使用時に被取付面5aにおいて、二つの第2棒状部材2a、2bの第1端部4cよりも、第1棒状部材1が重力方向において下方となるべき位置に接着されることが好ましいことがある。その理由は、枠体4の開口を通って枠体4の外方に向かう表示パネル3の動きが重力によって制限されるからである。
枠体4の被取付面5aへの接着手段は特に限定されないが、たとえば、枠体4は、前述のように、接着剤8(図2B参照)を用いて被取付面5aに接着される。必要な場合は、接着剤8の硬化のために加熱処理が行われる。接着剤8は、枠体4における被取付面5aとの接合面、および被取付面5aのいずれかまたは両方に塗布されてもよく、枠状のシートの形態に成型されたうえで(図1参照)、枠体4と被取付面5aとの間に配置されてもよい。
枠体4の接着に用いられる接着剤8は、枠体4を安定して被取付面5aに接合できる接着強度を発現し得るものであれば特に限定されない。任意のエポキシ系接着剤やアクリル系接着剤が接着剤8に用いられ得る。好ましくは、透光性の接着剤8が枠体4の接着に用いられる。前述のように枠体4が透光性の材料を用いて形成されている場合、透光性の接着剤8を用いることは特に好ましい。たとえば、光学透明接着剤(OCA:Optical Clear Adhesive)や光学透明樹脂(OCR:Optical Clear Resin)などと呼ばれる、フィルム状やペースト状のアクリル系やシリコーン系またはウレタン系などの任意の接着剤が、接着剤8に用いられ得る。接着剤8によって得られる枠体4と被取付面5aとの間の接着強度は、たとえば、5.0N/10mmよりも大きく、10N/10mm以下である。
つぎに、図6Bおよび図6Cに示されるように、表示パネル3が、二つの第2棒状部材2a、2bの第1端部4cから枠体4の内側へと導入され、さらに、第1棒状部材1へ向けて動かされる。その前に、好ましくは、被取付面5aに、粘着剤を用いて弱粘着層6が形成される。弱粘着層6は、被取付面5aの上ではなく、図6Cに二点鎖線で示されるように表示パネル3における被取付面5aに向けられる面に形成されてもよい。弱粘着層6は、たとえば粘着剤を所定の形状に成形することによって形成された弱粘着シートを、被取付面5aの上、または、表示パネル3における被取付面5aに向けられる面の上に配置することによって形成される。
弱粘着層6を構成する粘着剤は、前述のように、アクリル系、シリコーン系またはウレタン系の樹脂を主成分として含み得る。アクリル系の樹脂は、対候性および耐熱性に優れ、しかも透明性にも優れている。表示パネル3が透明有機EL表示パネルであり、かつ、透明な任意の物体5に表示パネル3が取付けられる場合、透明性の高い弱粘着層6が、透光性に影響し難い点で好ましい。シリコーン系の樹脂も対候性および透明性に優れ、さらに耐熱性に特に優れていて黄変し難いため、弱粘着層6の材料として好ましい。
また、弱粘着層6は、好ましくは、常圧では粘着性を示さずに加圧されることによって粘着性を発現する粘着剤を用いて形成される。ここで、「粘着性を示さない」は、被取付面5aまたは表示パネル3に形成された弱粘着層6の露出面とその周囲の物体とが接触した状態において、その物体に対する摺動を阻害する程度の粘着性を弱粘着層6が有さないことを意味している。そのように弱粘着層6が形成されると、表示パネル3を第1棒状部材1に向けて移動させる際に、弱粘着層6と、表示パネル3(弱粘着層6が表示パネル3に形成されている場合は被取付面5a)とが接触する場合でも、支障なく表示パネル3を移動させることができる。そして、後述のように表示パネル3の移動完了後に表示パネル3を被取付面5aに向かって押すことによって、弱粘着層6に粘着性を発現させて弱粘着層6を表示パネル3と密着させることができる。加圧されることによって粘着性を発現する粘着剤としては、一般的な感圧型粘着剤を用いることができる。たとえば、感圧型粘着剤によって形成された弱粘着膜を備えた両面粘着テープが、弱粘着層6として用いられる。
弱粘着層6と表示パネル3および被取付面5aのいずれかまたは両方との密着強度は、たとえば、0.02N/10mm以上、5.0N/10mm以下であり、好ましくは、1.5N/10mm以上、2.0N/10mm以下である。この範囲の密着強度が得られていれば、表示パネル3が意図せずに被取付面5aから剥離する可能性は低いと考えられる。そして、表示パネル3を被取付面5aから取り外す際には、単に表示パネル3を適度な力で引っ張るだけで容易に両者を分離することができると考えられる。
また、本実施形態の表示パネルの取付方法は、図6Cに示されるように、弱粘着層6の形成に加えて、弱粘着層6の粘着力以上の粘着力を有している強粘着層7を、弱粘着層6と表示パネル3との間に設けることをさらに含んでいてもよい。弱粘着層6が被取付面5a上に形成される場合には、強粘着層7は、弱粘着層6と被取付面5aとの間に形成され得る。強粘着層7は、弱粘着層6と被取付面5aまたは表示パネル3との密着強度よりも強い密着強度で、表示パネル3または被取付面5aと密着し得る。また、強粘着層7と弱粘着層6とは、少なくとも、弱粘着層6と被取付面5aまたは表示パネル3との密着強度よりも強い強度で接合されている。このように弱粘着層6と接合された強粘着層7が形成されると、表示パネル3または被取付面5aのいずれか所望の方に確実に弱粘着層6を残した状態で、表示パネル3を被取付面5aから取り外すことができる。その結果、表示パネル3の取り外しや交換の作業が容易になることがある。
強粘着層7と表示パネル3との密着強度、および、強粘着層7と被取付面5aとの密着強度は、たとえば、2.5N/10mm以上、20N/10mm以下であり、好ましくは、5.0N/10mm以上、20N/10mm以下である。このような密着強度が得られていれば、弱粘着層6を確実に所望の要素(表示パネル3または被取付面5a)に付着させた状態で、表示パネル3を取り外すことができる。強粘着層7もアクリル系、シリコーン系またはウレタン系の樹脂を主成分として含み得る材料を用いて形成され得る。また、弱粘着層6と強粘着層7は、ポリエチレンテレフタレートなどを用いて形成されるフィルム材を介して積層されてもよい。
本実施形態の表示パネルの取付方法を用いて取付けられる表示パネル3としては、前述のように有機EL表示パネルや液晶表示パネルなどが例示されるが、表示パネル3はこれらに限定されない。表示パネル3には、前述のようにACFを用いた熱圧着などによって配線板9が接続されている。配線板9と表示パネル3とは、図示されないコネクタを用いて接続されていてもよい。
なお、本実施形態の方法では、被取付面5aへの表示パネル3の固定に接着剤などが用いられないため、この両者の界面への水分の浸透が確実に防止されることが、両者の密着状態の維持の観点において好ましい。従って、表示パネル3の内部への水分の浸入を防ぐために、表示パネル3の被取付面5aへの取付けに先立って、非透湿性の材料を用いてバリア膜33(図6C参照)が表示面32に形成されてもよい。非透湿性の材料としては、窒化ケイ素、酸化ケイ素および酸窒化ケイ素などが例示される。バリア膜33として、窒化ケイ素膜、酸化ケイ素膜、および酸窒化ケイ素膜のうちの一つが形成されてもよく、これらの膜のうちのいずれか二つ以上が積層状態で形成されてもよい。また、これら無機材料を用いて形成される膜に加えて、エポキシ樹脂やアクリル樹脂などを用いて形成される有機膜を含むバリア膜33が形成されてもよい。窒化ケイ素膜などの無機材料を用いて形成される膜は、PECVD法やスパッタリング法などを用いて形成され得る。有機膜はインクジェットプリンタを用いた印刷法などを用いて形成され得る。
続いて、表示パネル3が、二つの第2棒状部材2a、2bの第1端部4cから、二つの第2棒状部材2a、2bの間に挿入される。図6A〜図6Dの例では、表示パネル3の第1縁部3aおよび第2縁部3bが、それぞれ、第2棒状部材2a、2bの第1端部4cから凹部4eに挿入される。引き続き、表示パネル3は、二つの第2棒状部材2a、2bの第1面4aおよび第2面4bに沿って、かつ、第1縁部3aおよび第2縁部3bが凹部4eに入り込んだ状態で、第1棒状部材1へと動かされる。表示パネル3は、所定の被取付領域に達するまで動かされる。表示パネル3は、好ましくは、第1棒状部材1に当接するまで動かされ、そこで表示パネル3の移動が完了する。
表示パネル3の移動の完了と共に、本実施形態の表示パネルの取付方法による表示パネル3の取付けは終了し得る。しかし、本実施形態の方法は、表示パネル3の移動の完了後、図6Dに示されるように、表示パネル3を被取付面5aに向けて押すことによって弱粘着層6を介して表示パネル3と被取付面5aとを密着させることをさらに含んでいてもよい。表示パネル3の移動完了後に弱粘着層6と表示パネル3または被取付面5aとが接触していない場合には、このような表示パネル3の押し込み作業を行うことが好ましい。また、前述のように、加圧されることによって粘着性を発現する粘着剤を用いて弱粘着層6が形成されている場合、このような表示パネル3の押し込み作業を行うことによって、表示パネル3と被取付面5aとを弱粘着層6を介して密着させることができる。
図6Dは、表示パネル3が押圧部材101によって押し込まれる例を示している。押圧部材101は、表示パネル3を被取付面5aに向って押す際に、第1棒状部材1の近傍から、二つの第2棒状部材2a、2b(図6B参照)の第1端部4cに向って動かされてもよい。すなわち、表示パネル3に対する押圧の際に、表示パネル3が押される位置は、第1棒状部材1の近傍から、二つの第2棒状部材2a、2bの第1端部4cに向って動かされてもよい。このように表示パネル3を押すことによって、弱粘着層6と表示パネル3または被取付面5aとの界面における気泡となり得る空気を枠体4の開口からその外部へと排出することができる。その結果、弱粘着層6と表示パネル3または被取付面5aとを略確実に密着させることができる。押圧部材101は、表示パネル3に圧力を加え得るものであれば、特に限定されない。押圧部材101が移動される場合は、表示パネル3に与えるストレスの軽減の観点から、ローラーなどの転動可能な部材が、押圧部材101として好ましい。好ましくは、図6Dに示されるような、表示パネル3に対する押圧作業の終了後、本実施形態の表示パネルの取付け方法を用いた表示パネル3の取付け作業が終了する。
なお、前述の図5A〜図5Dに例示される枠体4が用いられる場合、板状部材43は、表示パネル3の取付け後に、第1棒状部材1および第2棒状部材2a、2b上に設けられてもよい。すなわち、まず、図2A〜図2C、図3Aおよび図3Bに例示される第1棒状部材1および二つの第2棒状部材2a、2bが被取付面5aに接着される。そして、前述の表示パネル3への押圧作業の終了後、板状部材43が、第1棒状部材1および第2棒状部材2a、2bに接合されてもよい。
本発明の他の実施形態の表示装置の製造方法は、図6A〜図6Dを参照して説明された実施形態1の表示パネルの取付方法に含まれる各ステップに加えて、二つの第2棒状部材2a、2bの間にて支持可能な幅を有する表示パネル3を形成することを含んでいる。表示パネル3の形成方法の一例について、表示パネル3として用いられる有機EL表示パネルの構造の一例を拡大して示す図7を参照して説明する。図7に示されるように、表示パネル3は、基板30と、基板30の上に形成された複数の表示素子34を含んでいる。基板30としては、ポリイミド樹脂を用いて形成された樹脂フィルム、または、ガラス板が例示される。たとえば、ポリイミド樹脂などを用いてスロットダイコーティング法などによって形成された可撓性の基板30の上に、複数の有機EL表示素子(表示素子34)がマトリックス状に形成される。各表示素子34は、TFT(薄膜トランジスタ)35と、TFT35に接続された第1電極36と、第1電極36上に蒸着された有機材料によって形成されていて光を発する有機層37と、有機層37の上に形成された第2電極38と、を有している。各表示素子34は、絶縁性樹脂やSiO2などを用いて形成されたバンク39によって分離されている。第1電極36およびバンク39は、TFT35を覆う平坦化膜40の上に形成されている。
TFT35は、スパッタリングなどによる成膜、フォトレジストの露光および現像、ならびにエッチングによるパターニングなどを実施して、多結晶シリコンなどからなるチャネル層、絶縁膜、および各電極を形成することによって形成され得る。あるいは、チャネル層としてインジウム・ガリウム・亜鉛の酸化物のような、透明アモルファス酸化物半導体を用いてもよい。第1電極36は、たとえば、ITO膜などの透光性を備えた導電性材料を用いて成膜およびパターニングにより形成される。そして、バンク39が樹脂膜の形成およびパターニングなどによって形成され、バンク39に囲まれた区画内に、マスクを用いた真空蒸着法、またはインクジェット法などを用いて有機層37が形成される。図7では有機層37が一層で示されているが、実際には、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、および電子注入層などが順に真空蒸着法などによって形成され、多層構造を有する有機層37が形成される。有機層37の各層は周知の材料を用いて形成され得る。そして、第2電極38が、たとえばMg−Ag合金層やアルミニウム、またはアルカリ金属やアルカリ土類金属のような仕事関数の小さな金属を用いて真空蒸着などの手法を用いて、透明性を有するように光の波長よりも十分薄く形成される。さらに、第2電極38の表面に、たとえばSi3N4などからなる保護膜41が形成される。前述したバリア膜33(図6C参照)が、保護膜41として形成されてもよい。なお、図7に示される断面構造は一例に過ぎず、表示パネル3を構成する有機EL表示パネルの構造、ならびに各構成要素の材料およびその形成方法は、ここで説明された構造、材料および形成方法に限定されない。
図示されていないが、表示パネル3が液晶表示パネルである場合は、表示パネル3は、ガラス板などを用いて形成された第1基板と、第1基板と離間して配置された第2基板と、第1および第2の基板の間の液晶層とを含んでいる。表示パネル3は、第1基板上に形成されたTFTと、このTFTに接続される画素電極と、画素電極上に形成された第1配向膜とを備え得る。また、表示パネル3は、第2基板上に順に設けられた、カラーフィルタ、共通電極、および第2配向膜を備え得る。液晶層は、第1および第2の配向膜の間に充填された液晶材料によって構成される。第1および第2の基板の液晶層を向く面と反対面それぞれには、偏光膜が備えられる。表示パネル3として液晶表示パネルが形成される場合、液晶表示パネルを構成する各電極や配向膜および偏光膜ならびに液晶層は周知の方法を含む任意の方法で形成され得る。従って、その詳細な説明は省略する。
有機EL表示パネルまたは液晶表示パネルによって構成される表示パネル3は、好ましくは、複数個の表示パネル3が配列され得るサイズを有する基板(たとえば基板30)を用いて複数個同時に形成される。そして、表示パネル3を構成する各要素の形成後、その複数個の基板上に連結状態で形成された複数の表示パネル3は、二つの第2棒状部材2a、2b(図6B参照)の間にて支持可能な幅を有する個々の表示パネル3へと分割される。たとえば、このようなステップを経て表示パネル3が形成され得る。
図8には、実施形態1の表示パネルの取付方法によって自動車のフロントガラスに取付けられた表示パネル3の一例が示されている。図8の例では、車室を向く面として被取付面5aを有する自動車のフロントガラスに、本実施形態の表示パネルの取付方法を用いて表示パネル3が取付けられている。すなわち、第1棒状部材1および二つの第2棒状部材2a、2bによって構成された枠体4が、被取付面5a(フロントガラスにおける車室を向く面)に接着されており、表示パネル3が枠体4によって保持されている。また、図8の例における表示パネル3は、透光性の材料を用いて形成された透明有機EL表示パネルであり、表示パネル3の右側の領域では、画素31(図2A参照)における発光が停止されている。そのため、信号機S1や各種の道路標識S2などを含むフロントガラス越しの前方の景色が、表示パネル3の右側の領域に写っている。一方、表示パネル3の左側の領域には、画素31を駆動することによって、ナビゲーションシステムによる画像が表示されている。なお、表示パネル3は、図8の例のように、その表示画面において部分的に画像を表示し得るものであってもよく、そのような部分的な表示を為し得ないものであってもよい。
自動車のフロントガラスは、その上縁を車室に向けて傾けて自動車に設置されることが多い。そのようなフロントガラスにおける車室を向く面に表示パネル3を取付ける作業は仰向きの状態で行われることとなり、そのような状態で表示パネル3を所定の位置に正確に位置づけるのは非常に困難である。そして、そのように困難な状態での作業では、一度の作業で正確な位置に表示パネル3が取付けられずに、位置の修正や取付け作業のやり直しが必要になることがある。そのため、それらの付加的な作業を通じて表示パネル3を破損させるおそれがある。しかし、本実施形態の表示パネルの取付方法を用いることにより、自動車のフロントガラスにも、容易に、かつ、所定の位置に正確に表示パネル3を取付けることができる。
図8の例では、枠体4は、運転席の前方におけるフロントガラスの上縁部付近に接着されているが、枠体4はフロントガラスの任意の位置に取付けられ得る。フロントガラスの全幅に相当する横幅を有する枠体4が、フロントガラスの上縁部付近や下縁部付近に車幅方向の全体に渡って接着されていてもよい。また、フロントガラスに複数の枠体4が接着され、複数の表示パネル3が取付けられてもよい。
また、図8の例において、枠体4は、第1棒状部材1が、第2棒状部材2a、2bの第1端部4cよりも、自動車の通常の使用時に重力方向において下方となる向きで接着されている。従って、重力作用によって下方に向かう表示パネル3の動きは、第1棒状部材1によって制限され得る。一方、枠体4の開口を通って枠体4の外方に向かう表示パネル3の動きは、重力作用によって抑制され得る。
図8に示されるように、第2棒状部材2a、2bの少なくとも一つが運転席の近くのピラーP1、または助手席の近くのピラーP2に沿う位置に位置付けられるのが好ましい。その理由は、そのように第2棒状部材2a、2bが位置付けられると、第2棒状部材2a、2bの少なくとも一つが目立ち難いからである。
また、図8の例では、配線板9は、フロントガラスの上縁において車室の天井部の内装と自動車のルーフとの間へと延びている。配線板9は、天井部の内装と自動車のルーフとの間に配置されているコネクタ21に挿入されている。コネクタ21は、表示パネル3に駆動信号を供給するドライバ(図示せず)に連結されていてもよい。このような配置にすることによって、配線板9の長さを短くすることができる。さらに、本実施形態の表示パネル3の取付方法を用いれば、表示パネル3を正確に所定の位置に取付けることができるため、配線板9における表示パネル3からコネクタ21までの長さの過不足が発生し難い。従って、車室の内部における配線板9の露出を少なくできることがある。
図9には、本実施形態の表示パネルの取付方法を用いて自動車のフロントガラスに表示パネル3が取付けられる場合に、図8に例示される形態を得るために行われる追加のステップが示されている。図9に示されるように、本実施形態の方法を用いてフロントガラスに表示パネルを取付ける方法は、表示パネル3を所定の位置まで移動させた後に、自動車の車室の天井部に配置されたコネクタ21と、表示パネル3に接続された可撓性の配線板9とを接続するステップを含んでいてもよい。その後、コネクタ21を覆う内装材24が、車室の天井部に取付けられてもよい。図9の例では、コネクタ21は、表示パネル3に駆動信号を供給するドライバ(図示せず)が実装された基板22に実装されている。コネクタ21は、車室の天井部においてルーフ23と内装材24との間に確保される空間における所定の位置に配置されている。ルーフ23の端部における車両の外側を向く表面にフロントガラスFGの車室を向く面(被取付面5a)の上端部が接着剤26を用いて接着されている。なお、符号25は、ルーフ23と内装材24との間に配置された遮音材を示している。
コネクタ21としては、FPC対ボードタイプやケーブル対ボードタイプなどのコネクタが例示されるが、これらに限定されない。また、図9には、ロックレバー21aを備えたコネクタ21が示されているが、コネクタ21は、必ずしもロックレバー21aを備えていなくてもよく、FPCやケーブルが単に挿入されるタイプでもよい。また、コネクタ21は、必ずしも基板22に実装されていなくてもよく、その場合、コネクタ21は、ケーブル対ケーブルタイプなどでもよい。
表示パネル3が所定の位置まで動かされた後、配線板9における表示パネル3と反対の端部が、内装材24を装着されていない車室の天井部に導入され、コネクタ21に接続される。そして内装材24が天井部に取付けられる。内装材24は、合成樹脂、繊維、皮革または金属など、任意の材料を用いて形成されている。内装材24の天井部への取付手段は特に限定されず、内装材24は、自動車の車室への内装材の取付において用いられる一般的な取付手段を用いて取付けられ得る。
[実施形態2]
つぎに、図10A〜図10Cを参照し、実施形態2の表示パネルの取付方法を説明する。なお、図10A〜図10Cにおいて、前述の図6A〜図6Dに示される構成要素と同様の構成要素には、図6A〜図6Dに用いられた符号と同じ符号が付され、それらの構成要素についての重複となる説明は適宜省略される。また、図10A〜図10Cには、前述の図2A〜図2Cに示される枠体4が一例として示されているが、実施形態2において、図3A、図3B、図4Aおよび図5A〜図5Dに示された例のいずれが枠体4として用意されてもよい。第1棒状部材1および第2棒状部材2a、2bを適正に備えつつ、さらに変更を加えられた枠体4が用いられてもよい。
実施形態2の表示パネルの取付方法は、第1棒状部材1が、被取付面5aとしての表面を有する物体5の外縁5bに沿って被取付面5aにおける外縁5bの近傍に接着される点において、実施形態1の表示パネルの取付方法と異なっている。すなわち、図10Aに示されるように、第1棒状部材1は、被取付面5aの外縁5bに沿って、被取付面5aの縁部に接着される。一方、第2棒状部材2a、2bの第1端部4cや枠体4の開口は、第1棒状部材1よりも被取付面5aの中央部寄りに位置付けられる。このように第1棒状部材1を被取付面5aの外縁5bに沿うように位置付けることは、第1棒状部材1が目立ち難くなるため、好ましいことがある。なお、図10Aに示されるように第2棒状部材2a、2bのいずれかまたは両方が被取付面5aの外縁に沿うように位置付けられると、第2棒状部材2a、2bの少なくとも一つが目立ち難くなる点で、なお好ましい。
第1棒状部材1は、被取付面5aの外縁5bのうちの任意の部分に沿うように位置付けられ得る。すなわち、第1棒状部材1は、重力の向きを下向きとして、外縁5bのうち表示パネル3(図10B参照)の使用時に上縁となる部分および下縁となる部分のいずれに沿って位置付けられてもよい。また、第1棒状部材1は、外縁5bのうち表示パネル3の使用時に重力方向と略平行となる部分に沿うように位置付けられてもよい。たとえば、図10Aにそれぞれ二点鎖線で示される位置B1または位置B2に枠体4が接着されてもよい。
実施形態2においても、図10Bに示されるように、第2棒状部材2a、2bの第1端部4cから、表示パネル3が枠体4の内側へと導入され、さらに、第1棒状部材1へ向けて動かされる。実施形態2では、可撓性の配線板9が接続された第4縁部3dを先頭にして表示パネル3が第1棒状部材1へ向けて動かされる。第4縁部3dを先頭にすることによって、配線板9を短い経路で被取付面5aの外部に引き出すことができる。従って、被取付面5aの外部に配置されているドライバ(図示せず)まで届くべき配線板9の長さを短くすることができる。また、配線板9を目立ち難くすることができる。
そして、図10Cに示されるように、好ましくは、第1棒状部材1に当接するまで表示パネル3が動かされる。配線板9は、枠体4の第1棒状部材1を乗り超えて枠体4の外方に引き出される。そのため、配線板9は、表示パネル3の使用時に第1棒状部材1に支持され得る。配線板9の過剰な揺れが抑制され、配線板9と表示パネル3との接合部に付加されるストレスが軽減され得る。たとえば、前述のように、自動車のフロントガラスに対して実施形態2の表示パネルの取付方法が用いられた場合、走行中の自動車の振動によって生じ得る、配線板9自体や、配線板9と表示パネル3との接合部に付加されるストレスが軽減され得る。
実施形態2の表示パネルの取付方法においても、表示パネル3が所定の位置まで動かされた後、図6Dを参照して説明された方法と同様の方法を用いて、表示パネル3が被取付面5aに向かって押し込まれてもよい。また、前述した表示装置の製造方法は、実施形態2の表示パネルの取付方法に含まれる各ステップを含んでいてもよい。
[まとめ]
(1)本発明の実施形態1に係る表示パネルの取付方法は、第1棒状部材および前記第1棒状部材と交差する略平行な二つの第2棒状部材を含む枠体を用意し、前記第1棒状部材および前記二つの第2棒状部材を所定の平面または曲面に接着させ、前記二つの第2棒状部材の間にて支持可能な幅を有する表示パネルを、前記二つの第2棒状部材の端部から、前記二つの第2棒状部材における互いに向き合う第1面および第2面に沿わせて、前記第1棒状部材へ向けて移動させる、ことを含んでいることを特徴としている。
(1)の構成によると、所定の平面または曲面上の正規の位置に表示パネルを容易に取付けることができ、その後、必要に応じて、その取付けた面から容易に表示パネルを取り外すことができる。
(2)上記(1)の表示パネルの取付方法において、前記表示パネルを前記第1棒状部材へ向けて移動させる際に、前記表示パネルにおいて向かい合う二つの縁部を、前記第2棒状部材の前記第1面および前記第2面に設けられた凹部に入り込ませた状態で、前記表示パネルを移動させてもよい。
(2)の構成によると、表示パネルを取付けた面から離間する方向への表示パネルの動きが略確実に阻止することができる。
(3)上記(1)または(2)の表示パネルの取付方法は、前記表示パネルを前記二つの第2棒状部材の端部から前記第1棒状部材へ向けて移動させる前に、前記平面もしくは前記曲面、または、前記表示パネルにおける前記平面もしくは前記曲面に向けられる面に、粘着剤を用いて弱粘着層を形成し、前記表示パネルを所定の位置まで移動させた後に、前記表示パネルを前記平面または前記曲面に向けて押すことによって、前記弱粘着層を介して前記表示パネルと前記平面または前記曲面とを密着させることをさらに含んでいてもよい。
(3)の構成によると、表示パネルと所定の平面または曲面とを略確実に密着させることができ、かつ、必要に応じて、その密着させた面から容易に表示パネルを取り外すことができる。
(4)上記(3)の表示パネルの取付方法は、前記表示パネルを前記平面または前記曲面に向って押す際に、前記表示パネルを押す位置を、前記第1棒状部材の近傍から、前記二つの第2棒状部材の端部に向って移動させることをさらに含んでいてもよい。
(4)の構成によると、弱粘着層と、表示パネルまたは所定の平面または曲面との界面において気泡となり得る空気を枠体の開口からその外部へと効果的に排出することができる。
(5)上記(3)または(4)の表示パネルの取付方法において、前記弱粘着層が、加圧されることによって粘着性を発現する粘着剤を用いて形成されてもよい。
(5)の構成によると、表示パネルを第1棒状部材に向けて移動させる際に、表示パネルまたは所定の平面もしくは曲面と弱粘着層とが接触する場合でも、支障なく表示パネルを移動させることができる。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかの表示パネルの取付方法において、前記第1棒状部材が、前記平面または前記曲面において、前記表示パネルの使用時に前記二つの第2棒状部材の前記端部よりも重力方向において下方となるべき位置に接着されてもよい。
(6)の構成によると、枠体の開口(二つの第2棒状部材の端部間)を通って枠体の外方に向かう表示パネルの動きを重力によって制限させることができる。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかの表示パネルの取付方法において、前記第1棒状部材が、前記平面または前記曲面としての表面を有する物体の外縁に沿って前記表面における前記外縁の近傍に接着されてもよい。
(7)の構成によると、第1棒状部材を表示パネルのユーザの目に付き難くすることができる。
(8)上記(1)〜(7)のいずれかの表示パネルの取付方法は、可撓性の配線板が接続された縁部を先頭にして前記表示パネルを前記第1棒状部材へ向けて移動させ、前記配線板を、前記枠体の前記第1棒状部材を乗り超えさせて前記枠体の外方に引き出すことをさらに含んでいてもよい。
(8)の構成によると、第1棒状部材に配線板を支持させることができる。たとえば、配線板の過剰な揺れが抑制され、配線板と表示パネルとの接合部に付加されるストレスを軽減することができる。
(9)上記(1)〜(8)のいずれかの表示パネルの取付方法において、前記第1棒状部材が、前記第2棒状部材の前記端部を向く向きと反対方向に向かって凸状となるように湾曲した部分を含んでいてもよい。
(9)の構成によると、曲線状の外縁を有する表示パネルを所定の平面または曲面上に適切に取付けることができる。
(10)上記(1)〜(9)のいずれかの表示パネルの取付方法を用いて、前記平面または前記曲面を有する自動車のフロントガラスに表示パネルを取付ける方法は、前記表示パネルを所定の位置まで移動させた後に、前記自動車の車室の天井部に配置されたコネクタと、前記表示パネルに接続された可撓性の配線板とを接続し、前記コネクタを覆う内装材を前記天井部に取付けることをさらに含んでいてもよい。
(10)の構成によると、表示パネルと、コネクタに連結された外部機器との間を短い長さの配線板で接続することができ、かつ、コネクタや外部機器などの車室への露出を防ぐことができる。
(11)本発明の他の実施形態に係る表示装置の製造方法は、第1棒状部材および前記第1棒状部材と交差する略平行な二つの第2棒状部材を含む枠体を用意し、前記第1棒状部材および前記二つの第2棒状部材を所定の平面または曲面に接着させ、前記二つの第2棒状部材の間にて支持可能な幅を有する表示パネルを形成し、前記表示パネルを前記所定の平面または曲面に取付ける、ことを含み、前記所定の平面または曲面への前記表示パネルの取付けにおいて、前記二つの第2棒状部材の端部から、前記二つの第2棒状部材における互いに向き合う第1面および第2面に沿わせて前記第1棒状部材へ向けて前記表示パネルを移動させる、ことを特徴としている。
(11)の構成によると、表示パネルが取付けられた所定の平面または曲面から、表示パネルを容易に取り外すことが可能な表示装置を得ることができる。