JP6579932B2 - 剥落防止工法 - Google Patents

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本発明は、コンクリート構造物などの吸水性無機質材表面を有する構造物の表面に樹脂組成物層を形成し、構造物表面からの剥落を防止する剥落防止工法に関するものである。
従来、高架橋やトンネルなどのコンクリート構造物の表面からコンクリート片が剥落して当事者及び第三者が被災するという事故を防止するため種々の対策が発案されている。構造物からの剥落事故を防止する従来の方法といえば、一般的には、コンクリートの引張応力に弱いという弱点を補うため、コンクリート構造物の表面に繊維材を接着するというものであった。
このような従来の剥落防止工法は、(1)構造物の表面にプライマーを塗布する。(2)パテを塗って構造物の表面を平滑にする。(3)繊維材からなる繊維シートに含浸させる含浸接着剤を塗布する。(4)含浸接着剤の上から繊維シートを貼り付ける。(5)さらに繊維シートの上から含浸接着剤を塗布して接着剤を繊維シートに含浸させる。という作業工程が必要であり、作業工数が多いうえ、繊維シートに接着剤が含浸するまでの時間、頭上作業で繊維シートを保持しなければならず、重労働であり、労務コストが嵩むため、対策コストも高価にならざるを得ないという問題があった。また、接着剤が透明でないため、構造物の表面の状況が視認できず、初期の漏水やひび割れを発見できないため対策が遅れてしまうという問題もあった。
例えば、特許文献1には、安全性が高く、ドリルによる位置出しを正確に行うことを目的として、コンクリ−ト橋梁下面に繊維補強樹脂により形成された格子状補強部材5を仮配置した後、固定具6によって格子状補強部材5に面方向の緊張力を与えつつ格子状補強部材5をコンクリ−ト橋梁下面に固定し、その後に格子状補強部材5を被覆する被覆層9を形成するコンクリート橋梁の補強方法が開示されている(特許文献1の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0021]〜[0033]、図面の図2、図3等参照)。
しかし、特許文献1に記載のコンクリート橋梁の補強方法は、前述のように、工程数が多く、必然的に施工時間が長くなり、対策コストが嵩んでしまうという問題や、構造物の表面の状況を視認できないという問題を解決することができてない。
また、特許文献2には、塗布作業性と耐候性に優れ、コンクリートの劣化診断を目視によりできることを目的として、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と揺変性付与剤(B)とを含有する、コンクリート片及びタイルの剥落防止用一成分型ポリウレタン樹脂組成物を用い、これからなる樹脂塗膜を含む補強層をコンクリート構造物の表面に形成する剥落防止方法が開示されている(特許文献2の特許請求の範囲の請求項8、明細書の段落[0076]〜[0079]等参照)。
しかし、特許文献2に記載の剥落防止方法は、コンクリート構造物の表面の劣化診断を目視により確認することができるものの、プライマーを塗布する工程や、繊維材を含浸させる工程が必要である点は、従来の剥落防止工法と差異はなく、工程数削減や施工時間の短縮という問題点を解決することはできていなかった。
また、剥落防止作業の施工時の工数を削減するため、透明性なウレタン系樹脂をコンクリート面に直接塗布する剥落防止工法も提案されている。しかし、ウレタン系樹脂は、耐アルカリ性に劣り、コンクリート面に直接塗布する場合は、経時的な耐久性に問題があった。
特開平9−59937号公報 特開2011−252292号公報
そこで本発明は、前記問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、作業工数が少なく1工程で高強度樹脂膜を形成して構造物からの剥落を防止することができ、その上、材料ロスが少なくて環境に優しく、且つ、樹脂膜が透明で施工後も構造物表面を目視観察可能な剥落防止工法を提供することにある。
請求項1記載の剥落防止工法は、吸水性無機質材を有する構造物の表面に樹脂組成物の皮膜を形成し、構造物表面からの剥落を防止する剥落防止工法であって、前記樹脂組成物は、エポキシ樹脂と硬化剤とからなる2液型エポキシ樹脂に、ウレタンアクリレート樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂と増粘剤を混合させたものであり、プライマーを塗布することなく、且つ、繊維材を接着することなく前記樹脂組成物の皮膜を形成するだけで、前記構造物表面からの剥落を防止することを特徴とする。
請求項2記載の剥落防止工法は、請求項1に記載の剥落防止工法において、前記樹脂組成物の皮膜は、押し抜き試験において、10mm以上の変位を示し、且つ、そのときの押し抜き荷重が300N以上であることを特徴とする。
請求項3記載の剥落防止工法は、請求項1又は2に記載の剥落防止工法において、前記樹脂組成物の皮膜は、透明であることを特徴とする。
請求項1〜3に記載の発明によれば、樹脂組成物がエポキシ樹脂と硬化剤とからなる2液型エポキシ樹脂であるため、従来のプライマーと同様に、アルカリ性に強く、コンクリート構造物などの表面に直接塗布等をしても、構造物表面に対する付着性が良好である。また、樹脂組成物がウレタンアクリレート樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂と増粘剤を含有しているため、エポキシ樹脂由来の強度に加えて、従来のエポキシ樹脂と比べて粘性が高く樹脂層の厚みを出すことができ、必要な強度だけでなくプライマー塗布、パテ塗り作業、繊維シート貼着等が不要となり、工数が少なく1工程で高強度樹脂膜を形成して構造物からの剥落を防止することができる。その上、使用する材料が、樹脂組成物だけであり、在庫管理や使用量の計算が簡易で、材料ロスが少なくて環境に優しいものとすることができる。
特に、請求項2に記載の発明によれば、樹脂組成物の皮膜は、押し抜き試験において、10mm以上の変位を示し、且つ、そのときの押し抜き荷重が300N以上であるので、1工程でさらに高強度の樹脂膜を形成することが可能となり、経年劣化が少なく耐久性の高いものとすることができる。
特に、請求項3に記載の発明によれば、施工後も構造物表面を目視観察可能であり、定期点検時等に構造物表面の劣化診断等が容易である。このため、定期検査等の維持メンテナンス費用を低減することができる。
本実施形態に係る樹脂組成物の塗膜の押し抜き試験結果を示すグラフである。 本実施形態に係る剥落防止工法の下地処理工程を示す写真である。 本実施形態に係る剥落防止工法の接着剤塗布工程を示す写真である。 本実施形態に係る剥落防止工法の完成状態を示す写真である。
以下、本発明の実施形態に係る剥落防止工法について図面を参照しつつ説明する。
[樹脂組成物]
先ず、本実施形態に係る剥落防止工法に用いる樹脂組成物について説明する。本実施形態に係る樹脂組成物は、エポキシ樹脂と硬化剤とからなる2液型エポキシ樹脂を主剤とし、これにウレタン(メタ)アクリレート樹脂と増粘剤が添加されている組成物である。
但し、本発明に係る樹脂組成物は、ウレタンアクリレート樹脂の代わりに、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂を加えてもよいし、ウレタンアクリレート樹脂とエポキシアクリレート樹脂の両方を加えてもよい。
(エポキシ樹脂)
本発明に係る樹脂組成物の主剤であるエポキシ樹脂の種類は、特に限定されるものではなく、種々のものを使用することができる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂や水添ビスフェノールAD型エポキシ樹脂等の脂環式エポキシ樹脂;ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂;t−ブチルカテコールとエプイハロヒドリンとから誘導されるエポキシ樹脂等の2価フェノール型エポキシ樹脂;1価フェノールからのモノエポキシ化合物;ネオペンチルグリコール、トリメシロールプロパン、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール等の1価または多価のアルコールからなるアルコールエーテル型エポキシ樹脂などを使用することができる。また、前記複数の樹脂の複数を組み合わせて使用してもよい。
(硬化剤)
本発明に係る樹脂組成物に含有される硬化剤の種類も前述のエポキシ樹脂を硬化させることができるものであれば良く、特に限定されるものではない。例えば、カルボン酸無水物基、カルボキシル基、カルボン酸ヒドラジド基、アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基等の官能基を含有する有機化合物を用いることができる。勿論、硬化剤は複数の種類の材料が混合されたものであってもよい。
(ウレタンアクリレート樹脂)
本発明に係る樹脂組成物に含有されるウレタンアクリレート樹脂も、特に限定されるものではないが、例えば、イソシアネート末端ポリエステル或いはイソシアネート末端ポリオールと官能基含有アクリル単量体、又は、アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等とを反応させて得られたウレタンアクリレート樹脂を用いることができる。
(エポキシアクリレート樹脂)
本発明に係る樹脂組成物に含有されるエポキシアクリレート樹脂も、特に限定されるものではないが、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂とエチレン系不飽和カルボン酸、あるいは、アクリル酸、メタアクリル酸との付加物、あるいは、この付加物とエチレン系不飽和多価カルボン酸無水物、又は、無水マレイン酸、無水イタコン酸等との反応物等を用いることができる。
(増粘剤)
本発明に係る樹脂組成物に含有される増粘剤としては、例えば、乾式シリカやベントナイトなどの無機系又はアマイドワックス、水添ひまし油などの有機系のもが挙げられ、勿論、複数種類を混合してもよい。しかし、樹脂組成物の塗膜の透明性を確保する観点からは、乾式シリカが好適に用いられる。但し、乾式シリカでも大量に添加すると、樹脂組成物の塗膜の透明性が失われるため、増粘性やチクソトロピーの状態を確認しながら適宜調整して添加する。
また、本実施形態に係る樹脂組成物の硬化後の塗膜(皮膜)は、押し抜き試験において、10mm以上の変位を示し、且つ、そのときの押し抜き荷重が300N以上、好ましくは、押し抜き荷重が1500N以上である。
押し抜き試験は、旧日本道路公団(東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社、西日本高速道路株式会社)の規定する押し抜き試験で実施した。具体的には、押し抜き試験は、JIS A 5372 付属書5に規定する上ぶた式U形側溝(ふた)の1種呼び名300(40×60×6cm)の裏面中央部に、10cm径かつ5.5cmの深さで、コンクリート用コアカッターにより切り込みを入れ、表面をケレン処理後、本実施形態に係る樹脂組成物を塗布して塗膜を形成し供試体とした。7日間養生後、アムスラー式万能試験機を用いて、樹脂組成物の塗膜が破断して押し抜かれるまで荷重をかけ、そのときの変位と最大荷重である押し抜き荷重を測定することにより実施した。
図1は、この押し抜き試験による本実施形態に係る樹脂組成物の塗膜の試験結果をプロットしたグラフであり、このグラフは、縦軸が押し抜き荷重(N)で、横軸が変位(mm)である。図1に示すように、本実施形態に係る樹脂組成物の塗膜は、13mm程度の変位を示すとともに、そのときの押し抜き荷重が1900N以上となっている。
図1に示す押し抜き試験の試験結果は、従来の繊維シートなどの繊維材と比べても申し分のない値であり、繊維シートの機能を樹脂組成物の塗膜で代替可能と考えられる。但し、構造物表面からの剥落を防止する観点からは、本発明に係る樹脂組成物の塗膜の押し抜き荷重(N)は、300N以上あれば充分であり、好ましくは、1500N以上あればよい。要するに、本発明に係る樹脂組成物の硬化後(塗膜状態となった後)の塗膜が、一定の伸び性(柔軟性)と強度を合せ持っていればよい。
一方、従来の硬質エポキシ樹脂では、このような押し抜き試験において、前述の値を変位、押し抜き荷重とも満足せず、従来の軟質エポキシ樹脂では、変位は満足するものの、押し抜き荷重が300Nを超えることがない。
つまり、本実施形態に係る樹脂組成物の塗膜(皮膜)は、前述のように、2液型エポキシ樹脂を主剤とし、ウレタンアクリレート樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂と増粘剤が添加されている組成物としたことにより、押し抜き試験において、10mm以上の変位と、押し抜き荷重が300N以上とを同時に達成できる物性を示すものと考えられる。
そして、本実施形態に係る樹脂組成物の塗膜(皮膜)は、前述のように、原料の樹脂が透明なうえ、増粘剤の量が調整されているため、必要な厚みを有した状態で全体として透明である。このため、構造物の表面に樹脂組成物の塗膜が形成されても構造物の表面を目視観察可能となる。
[剥落防止工法]
次に、本発明の実施形態に係る剥落防止工法について説明する。
本発明に係る剥落防止工法が適用できる構造物は、コンクリート構造物や表面がモルタルからなる構造物、煉瓦造やブロック造の構造物である。要するに、吸水性のある無機質材を表面に有する構造物には、本発明に係る剥落防止工法を適用することができる。具体的には、本発明に係る剥落防止工法は、鉄道や高速道路のトンネル、橋梁の下部構造の壁面、橋梁の主桁の下面等の構造物の表面に好適に適用することができる。
本発明の実施形態に係る剥落防止工法は、このような吸水性無機質材を有する構造物(写真では、コンクリート構造物であるトンネルを例示する。)の表面に樹脂組成物の皮膜を形成し、構造物表面からの剥落を防止する工法であり、次のような工程を有している。
(1)下地処理工程
先ず、本実施形態に係る剥落防止工法では、図2の写真に示すように、従来の剥落防止工法と同様に、構造物表面の大きな断面欠損の補修や、漏水箇所の止水など必要に応じて剥落防止作業の施工範囲である構造物の表面に下地処理を施す下地処理工程を行う。
(2)接着剤塗布工程
次に、本実施形態に係る剥落防止工法では、図3の写真に示すように、施工範囲である構造物の表面に、接着剤である本実施形態に係る樹脂組成物を、刷毛や鏝で塗布する接着剤塗布工程を行う。
なお、樹脂組成物を刷毛や鏝で塗布するのではなく、前述の実施形態に係る樹脂組成物を吹付けたり、噴霧したりしてもよい。要するに、本工程では、所定範囲の構造物の表面上に実施形態に係る樹脂組成物からなる樹脂層を積層して硬化後に皮膜を形成することができれば、樹脂層形成の手段を限定するものではない。
本工程では、前述のように、ウレタンアクリレート樹脂(エポキシアクリレート樹脂)と増粘剤が添加されている組成物を用いるので、塗布する状態において、適度な粘性があり、刷毛や鏝で塗布する塗布作業の作業性に優れている。
一方、従来の剥落防止工法では、前述のように、プライマー塗布工程と、パテ塗布工程、含浸接着剤塗布工程、繊維シート貼着工程、含浸接着剤塗布工程の5工程が必要であった。つまり、プライマー塗布工程とパテ塗布工程とが分かれていたのは、プライマー、即ち、始めに塗布する薬剤は、コンクリート構造物などとの相性が良いこと、つまり、耐アルカリ性に強くコンクリートへの付着性が良いことのみによりエポキシ樹脂が選択されていたからである。即ち、従来のエポキシ樹脂は、常温で液状であり、樹脂剤自体にパテのような厚みを持たすことができなかったことに起因する。
また、含浸接着剤塗布工程、繊維シート貼着工程、及び含浸接着剤塗布工程が必要であったのは、剥落防止の強度を繊維材の引張応力に頼っていたため、繊維材を強固に接着する必要性から、ラジカル反応で硬化する紫外線硬化樹脂等が選択され、樹脂を繊維材に含浸させる必要性から3工程に分けざるを得なかったのである。
これに対して、本実施形態に係る剥落防止工法では、前述のように、構造物へ塗布する樹脂組成物が高強度、且つ、所定の伸び性(柔軟性)を有する皮膜を形成するので、繊維シート貼着工程が不要となるのに加え、併せて含浸接着剤塗布工程及び含浸接着剤塗布工程を省略することが可能となる。
(3)完成
そして、図4の写真に示すように、樹脂組成物が塗膜を形成する所定の養生期間を置けば、本実施形態に係る剥落防止工法による剥落防止作業工事が完成する。
ここで、本実施形態に係る剥落防止工法では、図4の写真に示すように、完成した樹脂組成物の塗膜(皮膜)が透明であるため、構造物の表面が目視観察可能となっている。このため、構造物の状況をテストハンマー等で打撃して診断したり、高所作業車を使って近接位置で確認したりする必要がなく、遠方からの目視診断が可能となり、定期点検などの維持メンテナンスの費用を低減することができる。
一方、従来の剥落防止工法では、有色の樹脂を使用しているため、当然塗膜も有色となり、目視観察が困難である。また、前述の特許文献2に記載の剥落防止方法では、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と揺変性付与剤(B)とを含有する一成分型ポリウレタン樹脂組成物を使用するため、耐アルカリ性に弱く、コンクリート構造物への付着性に問題があり、耐久性に懸念が持たれる。
以上説明した本実施形態に係る剥落防止工法によれば、耐アルカリ性に優れたエポキシ樹脂を用いているため、コンクリート構造物など吸水性無機質材を有する構造物の表面に直接塗布ができ、構造物表面に対する付着性が良好である。また、本実施形態に係る樹脂組成物は、変位および耐荷重に優れた耐久性の高い塗膜を形成するため、繊維シート等の剥落防止機能を代替させ、構造物からの剥落を防止することができる。その上、樹脂組成物がウレタンアクリレート樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂と増粘剤を含有しているため、エポキシ樹脂由来の強度に加えて、従来のエポキシ樹脂と比べて粘性が高く樹脂層の厚みを出すことができ、必要な強度だけでなくプライマー塗布、パテ塗り作業、繊維シート貼着等が不要となり、工数が少なく1工程で高強度樹脂膜を形成して構造物からの剥落を防止することができる。それに加え、使用する材料が、樹脂組成物だけであり、在庫管理や使用量の計算が簡易で、材料ロスが少なくて環境に優しいものとすることができる。
以上、本発明の実施形態に係る剥落防止工法について詳細に説明したが、前述した又は図示した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたって具体化した一実施形態を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。特に、構造物として主にコンクリート構造物を例示して説明したが、煉瓦造やブロック造の構造物などの吸水性のある無機質材を表面に有する構造物にも本発明を適用することができる。煉瓦造やブロック造であっても目地部にモルタルを使用しており、アルカリ性に対して耐久性のある本発明に係る樹脂組成物及び剥落防止工法を好適に用いることができるからである。

Claims (3)

  1. 吸水性無機質材を有する構造物の表面に樹脂組成物の皮膜を形成し、構造物表面からの剥落を防止する剥落防止工法であって、
    前記樹脂組成物は、エポキシ樹脂と硬化剤とからなる2液型エポキシ樹脂に、ウレタンアクリレート樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂と増粘剤を混合させたものであり、
    プライマーを塗布することなく、且つ、繊維材を接着することなく前記樹脂組成物の皮膜を形成するだけで、前記構造物表面からの剥落を防止すること
    を特徴とする剥落防止工法。
  2. 前記樹脂組成物の皮膜は、押し抜き試験において、10mm以上の変位を示し、且つ、そのときの押し抜き荷重が300N以上であること
    を特徴とする請求項1に記載の剥落防止工法。
  3. 前記樹脂組成物の皮膜は、透明であること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の剥落防止工法。
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