JP6578644B2 - カラーフィルタおよび表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示装置、有機EL表示装置等の表示装置に用いられるカラーフィルタに関するものである。
近年、表示装置の発達に伴って、液晶表示装置、有機EL表示装置等のフラットパネルディスプレイの需要が増加している。最近では、テレビやパーソナルコンピューターの他にも、スマートフォン、タブレット端末等の多機能端末の普及が盛んになっており、益々フラットパネルディスプレイの市場は拡大する状況にある。
このような状況において、フラットディスプレイを構成する部材については、高品質なものが望まれている。特に、フラットパネルディスプレイにおいて、カラーフィルタの品質は表示品位そのものに影響することから、高い品質が求められている。
一般的なカラーフィルタは、透明基板と、透明基板上にパターン状に形成された遮光層と、遮光層の開口部に形成された着色層とを有するものである。カラーフィルタをフラットパネルディスプレイに組み込む場合には、例えばカラーフィルタの透明基板が観察者側になるように配置される。
一方、フラットパネルディスプレイは、外光の影響を受けやすく、外光反射により視認性が低下するという課題を有している。そこで、フラットパネルディスプレイの前面に反射防止フィルム等を配置することが行われている(例えば特許文献1参照)。
特開2004−223769号公報
しかしながら、本発明者らが外光反射に関して鋭意検討したところ、表示装置の前面に反射防止フィルム等を配置すると、表示装置の前面での外光反射が抑制されることで、表示装置の内部での外光反射がかえって目立ってしまうことが判明した。
このような問題が生じる理由について本発明者らが鋭意検討を行った結果、表示装置の内部での外光反射の原因の一つは、カラーフィルタにおいて着色層および遮光層の屈折率が透明基板の屈折率よりも高く、特に遮光層および透明基板の屈折率差が大きいことであることを知見した。
そこで、透明基板と着色層および遮光層との間に所定の屈折率調整層を形成し、光の干渉効果を利用して外光反射を低減することを試みた。
屈折率調整層としては、従来の反射防止フィルムに用いられるような、例えば樹脂を含有する有機層やバインダー樹脂および微粒子を含有する有機層が考えられる。しかしながら、屈折率調整層として有機層を形成すると、有機層上に遮光層および着色層を形成する過程で有機層の膜厚が減少し、有機層すなわち屈折率調整層の反射特性が変化してしまうという問題が生じることが判明した。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、屈折率調整層の反射特性の変化を抑制し、外光反射を低減することが可能なカラーフィルタおよびそれを用いた表示装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、透明基板と、上記透明基板上に形成され、無機層である屈折率調整層と、上記屈折率調整層上にパターン状に形成された遮光層と、上記屈折率調整層上に形成され、上記遮光層の開口部に配置された着色層とを有することを特徴とするカラーフィルタを提供する。
本発明においては、屈折率調整層が形成されていることにより、光の干渉効果によって外光反射を低減することが可能である。また本発明においては、屈折率調整層は無機層であり、遮光層および着色層の形成過程での膜厚減少を抑制することができるため、反射特性の変化を抑制することが可能である。
また本発明においては、上記透明基板と上記屈折率調整層との間に第1樹脂層が形成されていてもよい。第1樹脂層により透明基板および屈折率調整層の密着性を高めることができるからである。
さらに本発明においては、上記屈折率調整層と上記着色層および上記遮光層との間に第2樹脂層が形成されていてもよい。第2樹脂層により屈折率調整層の表面を平坦化することができ、例えばフォトリソグラフィ法により遮光層および着色層を形成する場合には残渣を残りにくくすることができる。
また本発明は、上述のカラーフィルタを有することを特徴とする表示装置を提供する。本発明においては、上述のカラーフィルタを用いることにより、外光反射を低減することができ、表示品位を高めることが可能である。
本発明においては、屈折率調整層の反射特性の変化を抑制し、外光反射を低減することが可能であるという効果を奏する。
本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。 本発明のカラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。 本発明のカラーフィルタの他の例を示す概略平面図である。 本発明のカラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。 本発明のカラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。 本発明のカラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。 本発明のカラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。
以下、本発明のカラーフィルタおよび表示装置について詳細に説明する。
A.カラーフィルタ
本発明のカラーフィルタは、透明基板と、上記透明基板上に形成され、無機層である屈折率調整層と、上記屈折率調整層上にパターン状に形成された遮光層と、上記屈折率調整層上に形成され、上記遮光層の開口部に配置された着色層とを有することを特徴とするものである。
本発明のカラーフィルタについて図面を参照しながら説明する。
図1は本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。図1に例示するように、カラーフィルタ1は、透明基板2と、透明基板2上に形成され、無機層である屈折率調整層3と、屈折率調整層3上にパターン状に形成された遮光層4と、屈折率調整層3上に形成され、遮光層4の開口部に配置され、赤色着色層5R、緑色着色層5Gおよび青色着色層5Bが配列された着色層5とを有している。
このようなカラーフィルタ1を表示装置に用いる場合には、カラーフィルタ1の透明基板2が観察者側になるように配置され、透明基板2側から外光が入射することになる。
ここで、上述したように、表示装置の内部での外光反射の原因の一つは、カラーフィルタにおいて着色層および遮光層の屈折率が透明基板の屈折率よりも高く、特に遮光層および透明基板の屈折率差が大きいことである。
本発明においては、透明基板と着色層および遮光層との間に屈折率調整層が形成されており、透明基板、着色層および遮光層の屈折率に応じて屈折率調整層の屈折率を調整することができるため、透明基板および屈折率調整層の界面からの反射光と屈折率調整層および遮光層または着色層の界面からの反射光とを干渉させ、光の干渉効果によって外光反射を低減することが可能である。
また本発明においては、屈折率調整層が無機層であることにより、遮光層および着色層の形成過程での膜厚減少を抑制することができる。例えば、屈折率調整層上に遮光層および着色層を形成する前に屈折率調整層の表面を洗浄する場合において、屈折率調整層が有機層である場合には洗浄時に膜厚が減少してしまうが、屈折率調整層が無機層である場合には洗浄時の膜厚減少を抑制することができる。また例えば、遮光層および着色層をフォトリソグラフィ法により形成する場合、露光、現像、加熱等の各工程が繰り返し行われるため、屈折率調整層が有機層である場合には加熱の度に膜厚が減少してしまうが、屈折率調整層が無機層である場合には加熱時の膜厚減少を抑制することができる。したがって、遮光層および着色層の形成過程での屈折率調整層の反射特性の変化を抑制することが可能である。
さらに、本発明のカラーフィルタを表示装置に用いた場合には、特に遮光層での外光反射を低減することができるので、黒色が引き締まった画像を得ることができる。
したがって、本発明のカラーフィルタを用いることにより、表示品位の高い表示装置を得ることができる。
以下、本発明のカラーフィルタにおける各構成について説明する。
1.屈折率調整層
本発明における屈折率調整層は、透明基板上に形成されるものであり、無機層である。
屈折率調整層の屈折率は、透明基板の屈折率よりも高いことが好ましく、特に透明基板の屈折率よりも高く、遮光層の屈折率よりも低いことが好ましい。また、屈折率調整層の屈折率は、光の干渉効果によって外光反射が低減するように調整されていることが好ましい。例えば、屈折率調整層の光学膜厚が1/4波長になるように調整されていることが好ましい。具体的には、屈折率調整層の屈折率は1.61〜1.75の範囲内であることが好ましい。屈折率調整層が上記のような屈折率を有することにより、外光反射を低減することができる。
ここで、各部材の「屈折率」とは、波長550nmの光に対する屈折率をいう。屈折率の測定方法は特に限定されないが、例えば、分光反射スペクトルから算出する方法、エリプソメーターを用いて測定する方法、アッベ法を挙げることができる。エリプソメーターとしてはジョバンーイーボン社製UVSELが挙げられる。具体的には、テクノ・シナジー社製DF1030Rにて屈折率を測定することができる。
屈折率調整層は無機層であり、無機材料から構成される層である。屈折率調整層に用いられる無機材料としては、透明性を有し、上記の屈折率を満たす屈折率調整層を得ることが可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば金属酸化物が挙げられる。
金属酸化物としては、例えば酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、酸化ニオブ、酸化アルミニウム、酸化アルミニウム合金、酸化亜鉛、酸化錫、酸化セリウム、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、アンチモン錫酸化物(ATO)、燐錫化合物(PTO)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO)、アンチモン酸亜鉛、チタン酸バリウム等が挙げられる。また、金属酸化物は複合酸化物であってもよく、上記の金属酸化物はさらにケイ素を含んでいてもよい。
なお、金属酸化物には上記の屈折率を満たさないものもあるが、例えば無機層の組成等を調整することにより無機層の屈折率を制御することができる。具体的には、無機層中の酸素含有量が多くなると、屈折率が低くなる傾向がある。
中でも、無機層は加熱による透過率低下が小さいことが好ましい。具体的には、230℃、40分の加熱を4回繰り返し行う加熱試験において、加熱試験前の透過率をT、加熱試験後の透過率をTとしたとき、T−Tが0.01%以下であることが好ましい。
ここで、透過率は、可視光領域(380nm〜780nm)において、各波長に対する透過率の平均値である。透過率は、日本電色工業(株)製のHaze Meter NDH2000を用いて測定することができる。
このような無機層に用いられる金属酸化物としては、中でも、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、酸化ニオブであることが好ましい。これらの金属酸化物は複合酸化物であってもよく、さらにケイ素を含んでいてもよい。
屈折率調整層の厚みは、屈折率に応じて異なるものであり、所望の反射特性に応じて適宜調整される。例えば屈折率調整層の厚みは、可視光領域における反射を低減する観点から、10nm〜500nmの範囲内であることが好ましい。屈折率調整層の厚みが薄すぎると、成膜が困難である。また、屈折率調整層の厚みが厚すぎると、透過率が低下する場合がある。
ここで、各部材の「厚み」とは、一般的な測定方法によって得られる厚みをいう。厚みの測定方法としては、例えば、触針で表面をなぞり凹凸を検出することによって厚みを算出する触針式の方法や、分光反射スペクトルに基づいて厚みを算出する光学式の方法等を挙げることができる。具体的には、ケーエルエー・テンコール株式会社製の触針式膜厚計P−15を用いて厚みを測定することができる。なお、厚みとして、対象となる部材の複数箇所における厚み測定結果の平均値が用いられてもよい。
屈折率調整層の形成方法としては、例えばスパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法等のPVD法、CVD法等が挙げられる。
2.遮光層
本発明における遮光層は、屈折率調整層上にパターン状に形成されるものである。
遮光層としては、例えばバインダー樹脂中に黒色色材を分散させたものが用いられる。
バインダー樹脂は、遮光層の形成方法に応じて適宜選択される。フォトリソグラフィ法の場合、バインダー樹脂としては、例えばアクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が用いられる。また、印刷法やインクジェット法の場合、バインダー樹脂としては、例えばポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
黒色色材としては、カラーフィルタの遮光層に一般に使用されるものを挙げることができ、顔料および染料のいずれも用いることができる。例えば、カーボンブラック、チタンブラック等が挙げられる。
遮光層中の黒色色材の含有量としては、所望の遮光性が得られればよく、カラーフィルタにおける一般的な遮光層と同様とすることができる。
遮光層4は、図2に例示するように、表示領域11に形成され、画素Pを区分する画素区分用遮光部6と、非表示領域12に形成された額縁遮光部7とを有することができる。
ここで、「表示領域」とは、本発明のカラーフィルタを表示装置に用いた場合に、画像表示に用いられる領域をいう。また、「非表示領域」とは、表示領域の外周に配置された領域をいう。例えば図3に示すように、カラーフィルタは、表示領域11と、表示領域11の外周に配置された非表示領域12とを有する。
本発明においては、上述したように、屈折率調整層によって外光反射を低減することができるため、本発明のカラーフィルタを表示装置に用いた場合に、画像非表示時に表示領域と非表示領域とで反射光輝度を低くすることができ、これにより画像非表示時に表示領域と非表示領域とでの反射光輝度の差を小さくすることができ、見栄えを良くすることができる。
ここで、従来のカラーフィルタを有する表示装置においては、画像非表示時に表示領域と非表示領域とで明るさが異なり、具体的には画像非表示時に非表示領域が表示領域よりも明るく見えることで、非表示領域と表示領域との差異がはっきりして、見栄えが悪くなるという不具合があった。これは、非表示領域における額縁遮光部での反射光輝度が、表示領域における着色層および画素区分用遮光部での平均の反射光輝度よりも高いためである。
本発明においては、上述したように、屈折率調整層によって外光反射を低減することができる。そのため、画像非表示時に、非表示領域における額縁遮光部での反射光輝度、ならびに、表示領域における着色層および画素区分用遮光部での平均の反射光輝度をいずれも低くすることができる。これにより、屈折率調整層を形成しない場合と比較して、画像非表示時に、非表示領域における額縁遮光部での反射光輝度と表示領域における着色層および画素区分用遮光部での平均の反射光輝度との差を小さくすることができる。よって、画像非表示時の見栄えを良くすることができるのである。
なお、反射光輝度は、L表色系における明度Lで評価する。具体的には、分光測色計を用いて分光反射特性を測定し、分光反射特性からL表色系における明度Lを求め、反射光輝度を明度Lにて表すことができる。
分光反射特性の測定に際しては、SCE方式およびSCI方式のいずれを採用してもよい。
SCE(Specular Components Exclude)方式は、正反射光を取り除き、拡散反射光のみを測定する方法であり、拡散反射測定方式とも呼ばれる。SCE方式では、同じ色でも、試料の表面状態によって測定値が異なり、目視評価の状況に近い測定結果を得ることができる。
SCI(Specular Components Include)方式は、正反射光および拡散反射光の合計を検出する、つまり正反射光も含めて測定する方法である。SCI方式は、物体色を測定する場合に広く用いられている。
分光測色計としては、コニカミノルタ(株)製のCM−2500dを用いることができる。
また、遮光層4は、図1に例示するように単層であってもよく、図4に例示するように屈折率調整層3側から順に反射制御層4aと遮光性樹脂層4bとが積層されたものであってもよい。
反射制御層は遮光層での外光反射低減のために設けられるものである。遮光層が反射制御層と遮光性樹脂層とが積層されたものである場合には、遮光層での外光反射をさらに低減することができる。また、屈折率調整層だけでなく反射制御層によっても外光反射を低減することができるため、本発明のカラーフィルタを表示装置に用いた場合、画像非表示時に非表示領域における額縁遮光部での反射光輝度ならびに表示領域における着色層および画素区分用遮光部での平均の反射光輝度をいずれもさらに低くすることができる。これにより、屈折率調整層および反射制御層を形成しない場合と比較して、画像非表示時に、非表示領域における額縁遮光部での反射光輝度と表示領域における着色層および画素区分用遮光部での平均の反射光輝度との差を小さくすることができる。よって、画像非表示時の見栄えを良くすることができる。
反射制御層としては、例えば赤色色材、緑色色材、青色色材、黒色色材等の色材を含有する着色樹脂層を挙げることができ、具体的には本発明のカラーフィルタを構成する着色層や、黒色色材を含有する着色樹脂層を用いることができる。
反射制御層がカラーフィルタを構成する着色層である場合、その構成としては着色層と同様である。
反射制御層が黒色色材を含有する着色樹脂層である場合、黒色色材は単層の遮光層に用いられる黒色色材と同様であり、着色樹脂層に用いられるバインダー樹脂は、単層の遮光層に用いられるバインダー樹脂と同様とすることができる。
遮光性樹脂層は、単層の遮光層と同様とすることができる。
反射制御層は、遮光性樹脂層よりも拡散反射が少ないものであることが好ましい。具体的には、反射制御層の単位厚さ1μmでの光学濃度が、遮光性樹脂層の単位厚さ1μmでの光学濃度よりも低いことが好ましい。これは、反射制御層に含有される色材の含有濃度が、遮光性樹脂層に含有される色材の含有濃度より低いということである。
ここで、拡散反射と色材である顔料の濃度との関係について説明する。透明基板上に色材として顔料を含有する樹脂層を形成した場合、顔料の濃度が低いほど、透明基板側から見た樹脂層からの拡散反射は小さくなる。
したがって、反射制御層および遮光性樹脂層の光学濃度を上記の関係とすることにより、単層の遮光層の場合と比較して、反射制御層と遮光性樹脂層とが積層された場合の遮光層での外光反射を低減することができる。
反射制御層は、単位厚さ1μmでの光学濃度が2.0以下であることが好ましい。
遮光性樹脂層は、画素区分用遮光部および額縁遮光部の遮光性を確保できるように、光学濃度が4.0以上であることが好ましい。単層の遮光層は、通常、単位厚さ1μmでの光学濃度が4.0以上である。
なお、光学濃度の測定方法としては、例えば分光測色計を用いて分光反射率を測定し、分光反射率からY値を算出し、Y値に基づいて光学濃度を算出する方法を用いることができる。分光測色計としては、例えばオリンパス(株)製のCM−2500d等を用いることができる。
遮光層が反射制御層と遮光性樹脂層とが積層されたものである場合、例えば額縁遮光部および画素区分用遮光部の両方が反射制御層と遮光性樹脂層とが積層されたものであってもよく、額縁遮光部が反射制御層と遮光性樹脂層とが積層されたものであり、画素区分用遮光部が単層であってもよい。
また、画素区分用遮光部の全部が反射制御層と遮光性樹脂層とが積層されたものであってもよく、画素区分用遮光部の一部が反射制御層と遮光性樹脂層とが積層されたものであってもよい。例えば、画素区分用遮光部が格子状に形成されている場合、すべての画素区分用遮光部が反射制御層と遮光性樹脂層とが積層されたものであってもよく、一つの方向に沿った画素区分用遮光部が反射制御層と遮光性樹脂層とが積層されたものであり、他の方向に沿った画素区分用遮光部が単層であってもよい。
額縁遮光部が反射制御層と遮光性樹脂層とが積層されたものであり、画素区分用遮光部が単層である場合には、本発明のカラーフィルタを表示装置に用いた場合に、画像非表示時の非表示領域での反射光の色合いを調整することができ、これにより画像非表示時に表示領域と非表示領域とでの反射光の色合いの差を小さくすることができ、見栄えを良くすることができる。
ここで、従来のカラーフィルタを有する表示装置においては、画像非表示時に表示領域と非表示領域とで明るさが異なることに加えて、表示領域と非表示領域とで色合いが異なり、非表示領域と表示領域との差異がはっきりして、見栄えが悪くなるという不具合があった。表示領域と非表示領域とで色合いが異なるのは、非表示領域における額縁遮光部での反射光の色合いと、表示領域における着色層および画素区分用遮光部での平均の反射光の色合いとが異なるためである。
額縁遮光部および画素区分用遮光部のうち、額縁遮光部のみを反射制御層と遮光性樹脂層とが積層されたものとする場合には、反射制御層に用いる着色樹脂層を適宜選択することによって画像非表示時の非表示領域における額縁遮光部での反射光の色合いを調整することができる。そのため、画像非表示時に、非表示領域における額縁遮光部での反射光の色合いと表示領域における着色層および画素区分用遮光部での平均の反射光の色合いとの差を小さくすることができる。よって、画像非表示時の見栄えを良くすることができるのである。
なお、反射光の色合いは、L表色系における色度a、bで評価する。例えば、分光測色計を用いて分光反射特性を測定し、分光反射特性からL表色系における色度a、bを求め、反射光の色合いを色度a、bにて表すことができる。
分光測色計としては、コニカミノルタ(株)製のCM−2500dを用いることができる。
反射制御層がカラーフィルタを構成する着色層である場合、反射制御層は複数色の着色層のうちいずれか1色以上の着色層であればよく、額縁遮光部および画素区分用遮光部に応じて適宜選択される。例えば、額縁遮光部を構成する反射制御層は、1色の着色層で構成されていてもよく、複数色の着色層が並列されたものであってもよく、複数色の着色層が積層されたものであってもよい。また、画素区分用遮光部を構成する反射制御層は、1色の着色層で構成されていることが好ましい。また、額縁遮光部および画素区分用遮光部の両方が反射制御層と遮光性樹脂層とが積層されたものである場合には、額縁遮光部および画素区分用遮光部を構成する反射制御層は、1色の着色層で構成されていることが好ましい。
額縁遮光部および画素区分用遮光部のうち、額縁遮光部のみを反射制御層と遮光性樹脂層とが積層されたものとする場合であって、額縁遮光部を構成する反射制御層が1色の着色層で構成されている場合には、反射制御層は青色着色層であることが好ましい。
ここで、従来のカラーフィルタを用いた表示装置において、遮光層が単層である場合、画像非表示時に非表示領域が表示領域に比べて黄色味を帯びやすい傾向がある。そのため、反射制御層として青色着色層を用いることにより、画像非表示時に非表示領域が黄色味を帯びるのを抑制することができる。したがって、画像非表示時に非表示領域における額縁遮光部での反射光の色合いと表示領域における着色層および画素区分用遮光部での平均の反射光の色合いとの差を小さくすることができる。
また、額縁遮光部および画素区分用遮光部のうち、額縁遮光部のみを反射制御層と遮光性樹脂層とが積層されたものとする場合であって、額縁遮光部を構成する反射制御層が複数色の着色層が並列されたものである場合には、反射制御層を構成する各着色層の線幅およびピッチは適宜選択することができる。また、反射制御層を構成する各着色層の配列は、カラーフィルタを構成する各着色層の配列と同じであってもよく異なっていてもよい。また、反射制御層を構成する各着色層は、隣接する着色層同士が重なるまたは接するように配置されていてもよく、所定の間隔をあけて配置されていてもよい。
中でも、反射制御層を構成する各着色層の線幅およびピッチは、カラーフィルタを構成する各着色層の線幅およびピッチと同じであることが好ましい。また、この場合、反射制御層を構成する各着色層は所定の間隔をあけて配置されており、各着色層間を埋めるように遮光性樹脂層が形成されていることがより好ましい。このような構成とすることにより、反射制御層を構成する各着色層の線幅、ピッチおよび配列を、カラーフィルタを構成する各着色層の線幅、ピッチおよび配列に似せることができる。そのため、画像非表示時に非表示領域における額縁遮光部での反射光の色合いと表示領域における複数色の着色層および画素区分用遮光部での平均の反射光の色合いとの差を小さくすることができる。
また、額縁遮光部を構成する反射制御層が複数色の着色層が並列されたものである場合、反射制御層を構成する各着色層の線幅や面積を調整することにより、画像非表示時に非表示領域における額縁遮光部での反射光輝度と表示領域における複数色の着色層および画素区分用遮光部での平均の反射光輝度との差を小さくすることもできる。
ここで、青色着色層は、赤色着色層および緑色着色層に比べて反射光輝度が高い傾向にある。そのため、反射制御層を構成する青色着色層の線幅や面積を、反射制御層を構成する赤色着色層および緑色着色層の線幅や面積よりも小さくすることで、額縁遮光部での反射光輝度を下げることができる。これにより、画像非表示時に非表示領域における額縁遮光部での反射光輝度と表示領域における複数色の着色層および画素区分用遮光部での平均の反射光輝度との差を小さくすることができる。
また、額縁遮光部および画素区分用遮光部の両方が反射制御層と遮光性樹脂層とが積層されたものである場合であって、額縁遮光部および画素区分用遮光部を構成する反射制御層がカラーフィルタを構成する着色層である場合、反射制御層は青色着色層であることが好ましい。
また、反射制御層は、透明樹脂層であってもよい。この場合、透明基板側から入射する外光の大部分が遮光性樹脂層まで達するが、透明樹脂層を設けない場合に比べて遮光性樹脂層と透明基板との距離を大きくすることができる。これにより、透明樹脂層を設けない場合に比べて遮光性樹脂層での外光反射を少なくすることができる。
透明樹脂層の透過率は90%以上であることが好ましい。
画素区分用遮光部においては、図4に例示するように反射制御層4aおよび遮光性樹脂層4bの線幅は同じであってもよく、図5に例示するように反射制御層4aおよび遮光性樹脂層4bの線幅は異なっていてもよい。中でも、図5に例示するように、遮光性樹脂層4bの線幅が反射制御層4aの線幅よりも大きく、遮光性樹脂層4bが反射制御層4aを覆うように形成されていることが好ましい。フォトリソグラフィ法による画素区分用遮光部の形成が容易になるからである。
また、遮光層には、必要に応じて、光重合開始剤、増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等が含有されていてもよい。
遮光層の膜厚は、カラーフィルタにおける一般的な遮光層の膜厚と同様とすることができ、例えば0.5μm〜2.0μmの範囲内で設定することができる。
遮光層の開口部の形状は特に限定されるものではなく、例えばストライプ形状、くの字形状、デルタ配列等のように着色層の配列を変えたものも挙げられる。
遮光層の形成方法としては、屈折率調整層上に遮光層をパターン状に形成できる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、フォトリソグラフィ法、印刷法、インクジェット法を挙げることができる。
3.着色層
本発明における着色層は、上記屈折率調整層上に形成され、上記遮光層の開口部に配置されるものである。
着色層の色としては、例えば赤、緑、青、黄、シアン、およびマゼンダからなる群から選択される1種または2種以上の組み合わせを挙げることができる。また、着色層として、上記の着色層に加えて、白色(無色)の層を用いてもよい。具体的には、着色層の色は、赤、緑、青の3色、赤、緑、青、黄の4色、赤、緑、青、黄、シアンの5色、赤、緑、青、白の4色等とすることができる。
着色層は、例えば色材をバインダー樹脂中に分散させたものである。
色材としては、各色の顔料や染料等を挙げることができる。赤色着色層に用いられる赤色色材としては、例えば、ペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料等が挙げられる。緑色着色層に用いられる緑色色材としては、例えば、ハロゲン多置換フタロシアニン系顔料もしくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等が挙げられる。青色着色層に用いられる青色色材としては、例えば、銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等が挙げられる。これらの顔料や染料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
バインダー樹脂としては、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が用いられる。
着色層には、光重合開始剤や、必要に応じて増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を含有させてもよい。
着色層の配列は特に限定されるものではなく、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等の公知の配列とすることができる。
隣接する着色層の間には隙間があってもよく無くてもよい。
着色層の膜厚は、カラーフィルタにおける一般的な着色層の膜厚と同様とすることができ、例えば1μm〜5μmの範囲内で設定することができる。
着色層の形成方法としては、複数色の着色層を同一平面上に配列可能な方法であればよく、例えばフォトリソグラフィ法、インクジェット法、印刷法等が挙げられる。
また、着色層が形成されている同一平面上には、上記色材を含有せず、上記バインダー樹脂を含有し、表示装置の光源からの光を透過する白色層が形成されていてもよい。
白色層の膜厚および形成方法は、着色層と同様である。
4.透明基板
本発明における透明基板は、上記の屈折率調整層、遮光層および着色層等を支持するものである。
透明基板としては、一般的にカラーフィルタに用いられているものを用いることができ、例えば、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない無機基板、および、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する樹脂基板等を挙げることができる。中でも無機基板を用いることが好ましく、無機基板の中でもガラス基板を用いることが好ましい。さらには、ガラス基板の中でも無アルカリタイプのガラス基板を用いることが好ましい。無アルカリタイプのガラス基板は寸度安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、かつ、ガラス中にアルカリ成分を含まないことから、アクティブマトリックス方式による液晶表示装置用のカラーフィルタに好適に用いることができるからである。
5.第1樹脂層
本発明においては、図6に例示するように、透明基板2と屈折率調整層3との間に第1樹脂層8が形成されていてもよい。第1樹脂層はアンカー層として機能するものであり、例えば透明基板が樹脂基板である場合、第1樹脂層により透明基板および屈折率調整層の密着性を高めることができる。
第1樹脂層に用いられる樹脂材料としては、透明性を有し、透明基板および屈折率調整層の密着性を向上させることができるものであれば特に限定されるものではなく、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル系、ニトリルゴム系、フェノール樹脂、シリコーンゴム系等が挙げられる。
また、第1樹脂層は樹脂材料およびフィラーを含有することが好ましい。硬度等の特性を向上させることができるからである。フィラーとしては、透明性を有するものであればよく、有機系および無機系のいずれも用いることができる。また、フィラーの粒径としては、第1樹脂層の膜厚よりも小さければ特に限定されるものではない。
第1樹脂層の膜厚としては、反射特性に影響を及ぼさない膜厚であることが好ましく、例えば0.5μm〜10μmの範囲内であることが好ましい。
第1樹脂層の形成方法としては、例えば透明基板上に樹脂組成物を塗布し、必要に応じて硬化させる方法が挙げられる。
樹脂組成物の塗布方法としては、例えば、ダイコート法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法等、一般的な塗布方法を適用することができる。
また、硬化方法としては、樹脂材料の種類に応じて異なるが、例えば熱あるいは紫外線や電子線等の照射が挙げられる。
6.第2樹脂層
本発明においては、図7に例示するように、屈折率調整層3と着色層5および遮光層4との間に第2樹脂層9が形成されていてもよい。屈折率調整層は無機層であり、真空成膜法により形成されることから、有機層と比較して表面が粗くなる傾向にある。これに対し、屈折率調整層上に第2樹脂層が形成されていることにより、屈折率調整層の表面を平坦化することができ、例えばフォトリソグラフィ法により遮光層および着色層を形成する場合には残渣を低減することができる。
第2樹脂層に用いられる樹脂材料としては、透明性を有し、屈折率調整層の表面を平坦化することができるものであれば特に限定されるものではなく、カラーフィルタに用いられる一般的な樹脂材料の中から適宜選択して用いることができる。
第2樹脂層の膜厚としては、反射特性に影響を及ぼさない膜厚であることが好ましく、例えば0.5μm〜10μmの範囲内であることが好ましい。
第2樹脂層の形成方法としては、上記第1樹脂層の形成方法と同様とすることができる。
7.その他の構成
本発明のカラーフィルタは、上記の透明基板、屈折率調整層、遮光層および着色層以外に、必要に応じて他の構成を有していてもよい。
本発明においては、着色層上にオーバーコート層が形成されていてもよい。オーバーコート層により、カラーフィルタ表面を平坦化することができる。
オーバーコート層の材料としては、着色層が形成された面を平坦化することができるものであれば特に限定されるものではなく、一般にカラーフィルタに用いられるオーバーコート層と同様とすることができ、有機材料および無機材料のいずれも用いることができる。オーバーコート層が無機材料から構成される場合には、バリア性を付与することができる。
オーバーコート層の膜厚および形成方法としては、一般にカラーフィルタに用いられるオーバーコート層と同様とすることができる。
また例えば、オーバーコート層上に透明電極層や配向膜が形成されていてもよく、画素間遮光部上にスペーサが形成されていてもよい。透明電極層、配向膜およびスペーサについては、一般に液晶表示装置に用いられるものと同様とすることができる。
8.用途
本発明のカラーフィルタは、外光反射を低減することができるものであり、例えば液晶表示装置、有機EL表示装置に好適に用いることができる。
有機EL表示装置の場合、屈折率調整層によって外光反射を低減することができるため、外光反射低減のために円偏光板を使用しなくてもよい。そのため、円偏光板による光の利用効率の低下を抑制し、高輝度化を達成することができる。
B.表示装置
本発明の表示装置は、上述のカラーフィルタを有することを特徴とするものである。
本発明においては、上述のカラーフィルタを用いることにより、外光反射を低減することができ、表示品位を高めることが可能である。
本発明の表示装置としては、例えば液晶表示装置、有機EL表示装置等が挙げられる。
本発明の表示装置が液晶表示装置である場合、液晶表示装置は、例えば上述のカラーフィルタと、対向基板と、カラーフィルタおよび対向基板の間に配置された液晶層とを有するものである。カラーフィルタおよび対向基板のそれぞれの対向面には透明電極層および配向膜を形成することができる。また、対向基板にはTFT素子等を形成することができる。対向基板は、液晶表示装置の駆動方式等に応じて適宜選択される。また、液晶層に用いられる液晶としては、例えばネマチック液晶、スメクチック液晶等を挙げることができ、液晶表示装置の駆動方式等に応じて適宜選択される。
液晶表示装置を構成する各部材については、一般的な液晶表示装置と同様とすることができる。
本発明の表示装置が有機EL表示装置である場合、有機EL表示装置は、例えば上述のカラーフィルタと、支持基板上に有機EL素子が形成された有機EL素子基板とを有するものである。有機EL素子は、例えば支持基板上に形成された背面電極層と、背面電極層上に形成され、少なくとも発光層を含む有機EL層と、有機EL層上に形成された透明電極層とを有する。有機EL層は、発光層の他に、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層等を有することができる。また、カラーフィルタと有機EL素子基板との間は、例えば樹脂で充填することができる。
有機EL表示装置を構成する各部材については、一般的な有機EL表示装置と同様とすることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
(屈折率調整層の形成)
屈折率調整層の材料として、屈折率1.70を示すAGCセラミックス(株)のZrを含有するSi系ターゲット「SX」を用いた。
透明基板上に上記材料を膜厚0.100μmでスパッタ処理し、屈折率調整層(無機層)を形成した。
(硬化性樹脂組成物Aの調製)
重合槽中にメタクリル酸メチル(MMA)を63質量部、アクリル酸(AA)を12質量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEMA)を6質量部、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)を88質量部仕込み、攪拌し溶解させた後、2、2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を7質量部添加し、均一に溶解させた。その後、窒素気流下、85℃で2時間攪拌し、更に100℃で1時間反応させた。得られた溶液に、更にメタクリル酸グリシジル(GMA)を7質量部、トリエチルアミンを0.4質量部、及びハイドロキノンを0.2質量部添加し、100℃で5時間攪拌し、共重合樹脂溶液(固形分50%)を得た。
次に、下記の材料を室温で攪拌、混合して硬化性樹脂組成物Aとした。
<硬化性樹脂組成物Aの組成>
・上記共重合樹脂溶液(固形分50%)…16質量部
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(サートマー社 SR399)…24質量部
・オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社 エピコート180S70)…4質量部
・2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン…4質量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル…52質量部
(遮光層の形成)
まず、下記分量の成分を混合し、サンドミルにて十分に分散し、黒色顔料分散液を調製した。
<黒色顔料分散液の組成>
・黒色顔料(三菱化学社製 #2600)…20質量部
・高分子分散材(ビックケミー・ジャパン株式会社 Disperbyk 111)…16質量部
・溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル)…64質量部
次に、下記分量の成分を十分混合して、遮光層用組成物を得た。
<遮光層用組成物の組成>
・上記黒色顔料分散液…50質量部
・上記硬化性樹脂組成物A…20質量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル…30質量部
屈折率調整層が形成された基板表面をUV洗浄した後、屈折率調整層上に上記遮光層用組成物をスピンコーターで塗布し、100℃で3分間乾燥させ、遮光層形成用層を形成した。この遮光層形成用層を、超高圧水銀ランプで遮光パターンに露光した後、0.05wt%水酸化カリウム水溶液で現像し、その後、基板を230℃の雰囲気下に30分間放置することにより加熱処理を施して、遮光層をパターン状に形成した。
(赤色着色層の形成)
屈折率調整層上に、下記組成の赤色硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布して、その後、70℃のオーブン中で3分間乾燥した。次いで、赤色硬化性樹脂組成物の塗布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより2.0kwの超高圧水銀ランプを用いて赤色着色層の形成領域に相当する領域のみに紫外線を10秒間照射した。次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、赤色硬化性樹脂組成物の塗布膜の未硬化部分のみを除去した。その後、基板を170℃の雰囲気下に15分間放置することにより加熱処理を施して、表示領域の赤色副画素に赤色着色層のパターンを形成した。
<赤色硬化性樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントレッド177…3質量部
・C.I.ピグメントレッド254…4質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤…3質量部
・上記硬化性樹脂組成物A…23質量部
・酢酸−3−メトキシブチル…67質量部
(緑色着色層の形成)
次に、赤色着色層の形成と同様の工程で、屈折率調整層上に、下記組成の緑色硬化性樹脂組成物を塗布して、表示領域の緑色副画素に緑色着色層のパターンを形成した。
<緑色硬化性樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントグリーン58…7質量部
・C.I.ピグメントイエロー138…1質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤…3質量部
・上記硬化性樹脂組成物A…22質量部
・酢酸−3−メトキシブチル…67質量部
(青色着色層の形成)
更に、赤色着色層の形成と同様の工程で、屈折率調整層上に、下記組成の青色硬化性樹脂組成物を塗布して、表示領域の青色副画素に青色着色層のパターンを形成した。
<青色硬化性樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントブルー1…5質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤…3質量部
・上記硬化性樹脂組成物A…25質量部
・酢酸−3−メトキシブチル…67質量部
(白色層の形成)
更に、赤色着色層の形成と同様の工程で、基板上に、下記組成の白色層用樹脂組成物を塗布して、表示領域の白色副画素に白色層のパターンを形成した。
<白色層用樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントブルー1…1質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤…0.3質量部
・上記硬化性樹脂組成物A…31.7質量部
・酢酸−3−メトキシブチル…67質量部
以上の工程を行うことにより、カラーフィルタを得た。
[実施例2]
屈折率調整層の形成前に透明基板上に第1樹脂層を形成したこと以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
(第1樹脂層の形成)
第1樹脂層の材料として、透明性を有し、透明基板との強粘着力を示す日立化成(株)の製品「ヒタロイド7927−15」を用いた。
透明基板上に上記材料を膜厚2μmで塗布して、第1樹脂層を形成した。
[実施例3]
屈折率調整層の形成後、遮光層および着色層の形成前に、屈折率調整層上に第2樹脂層を形成したこと以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
(第2樹脂層の形成)
第2樹脂層の材料として、透明性を有し、材料表面の平坦化が可能な日本ゼオン(株)の製品「ZEPCOAT」を用いた。
屈折率調整層上に上記材料を膜厚2μmで塗布して、第2樹脂層を形成した。
[実施例4]
実施例2と同様に第1樹脂層を形成し、実施例3と同様に第2樹脂層を形成したこと以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
[比較例1]
屈折率調整層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
[比較例2]
屈折率調整層の材料として下記材料を用い、有機層である屈折率調整層を形成したこと以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
<屈折率調整層の材料の組成>
・エスドリマーLU−30P(新日鉄住金化学株式会社製の光・熱硬化型樹脂)…99.7質量部
・開始剤…0.3質量部
[評価]
(カラーフィルタの反射率、反射光の色度)
実施例1〜4および比較例1〜2のカラーフィルタの反射光スペクトルをコニカミノルタ(株)製の分光測色計CM−2500dを用いて測定した。この際、測定点a、b、cは表示領域内の3点とし、具体的には中心点1点および任意の端点2点とした。ここでは、中心点を測定点a、残りを測定点b、cとした。
(屈折率調整層、第1樹脂層および第2樹脂層の残膜率)
屈折率調整層、第1樹脂層および第2樹脂層の各層の形成後における屈折率調整層、第1樹脂層および第2樹脂層の厚みと、遮光層および着色層の形成後における屈折率調整層、第1樹脂層および第2樹脂層の厚みとを測定し、遮光層および着色層の形成後における屈折率調整層、第1樹脂層および第2樹脂層の残膜率を求めた。
結果を表1に示す。
Figure 0006578644
比較例2では有機層である屈折率調整層を用いているため、遮光層および着色層の形成後の屈折率調整層の厚みは大きく減少した。これに対して、実施例1〜4では屈折率調整層が無機層であるため、厚みの変動は無かった。
また、実施例2〜4において、第1樹脂層および第2樹脂層は、各層共に有機物で構成されているため、遮光層および着色層の形成工程で膜厚変動が起こるが、元々の形成膜厚が十分に厚く、光干渉に影響がないため、カラーフィルタの反射特性には影響しなかった。
比較例1では、屈折率調整層が無いため、明度Lが大きくなった。実施例1〜4および比較例2では、屈折率調整層が無機層であるか有機層であるかに関係なく、比較例1と比べて低反射値であった。
また、比較例2では、遮光層および着色層の形成過程での屈折率調整層の膜厚変動により、基板面内において色度変動が見られた。色度の変動値としては、a値が最大0.10、b値が最大0.78であった。これに対し、実施例1〜4においては、面内での色度変動は見られなかった。
1 … カラーフィルタ
2 … 透明基板
3 … 屈折率調整層
4 … 遮光層
4a … 反射制御層
4b … 遮光性樹脂層
5 … 着色層
5R … 赤色着色層
5G … 緑色着色層
5B … 青色着色層
8 … 第1樹脂層
9 … 第2樹脂層

Claims (7)

  1. 透明基板と、
    前記透明基板上に形成され、無機層である屈折率調整層と、
    前記屈折率調整層上にパターン状に形成された遮光層と、
    前記屈折率調整層上に形成され、前記遮光層の開口部に配置された着色層と
    を有し、
    前記屈折率調整層は、ケイ素を含む酸化ジルコニウムで構成され、
    さらに、前記屈折率調整層の光学膜厚が、1/4波長(波長550nmの光に対する)であり、
    前記透明基板と前記屈折率調整層との間に第1樹脂層が形成されており、
    前記第1樹脂層の膜厚が、0.5μm〜10μmの範囲内であり、
    前記第1樹脂層には、フィラーが含有されていることを特徴とするカラーフィルタ。
  2. 前記屈折率調整層と前記着色層および前記遮光層との間に第2樹脂層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ。
  3. 前記遮光層は反射制御層と遮光性樹脂層とが積層されたものであり、前記反射制御層は前記屈折率調整層と前記遮光性樹脂層の間に設けられており、
    前記反射制御層は、単位厚さ1μmでの光学濃度が2.0以下であり、
    前記遮光性樹脂層は、光学濃度が4.0以上であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ。
  4. 前記反射制御層は、前記着色層の青色着色を用いることを特徴とする請求項3に記載のカラーフィルタ。
  5. 前記遮光性樹脂層の線幅は、前記反射制御層の線幅と同じであることを特徴とする請求項4に記載のカラーフィルタ。
  6. 前記遮光性樹脂層の線幅が、前記反射制御層の線幅より大きいことを特徴とする請求項4に記載のカラーフィルタ。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれかに記載のカラーフィルタを有することを特徴とする表示装置。
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