JP6578376B2 - 炭水化物源からエチレングルコールを製造する方法 - Google Patents

炭水化物源からエチレングルコールを製造する方法 Download PDF

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Description

本発明は、炭水化物源からエチレングルコールを製造する方法に関する。特に、本発明は、特定の触媒システムを用いて、持続可能な炭水化物源からエチレングルコールを調製するための方法に関する。
持続可能な資源からの炭水化物を、有用な化学品、例えばアルキレングリコールへ触媒を用いて変換することは、興味を集めている。アルキレングリコールは、ポリエステル、例えば、ポリ(アルキレンテレフタレート)、ポリ(アルキレンナフテネート)、又はポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)の調製に用途が見出されている、興味ある化学品である。アルキレングリコール、特にエチレングルコールのさらなる用途には、凍結防止剤としてのその使用が含まれる。持続可能な資源からのそのような化学品の調製を可能にすることにより、化石燃料資源への依存が低減される。化石燃料への依存を低減することが望まれているので、アルキレングリコール、例えばエチレングルコールの製造のための様々な持続可能な資源に対する必要性が増大している。
米国特許第7,960,594号明細書には、エチレングルコールをセルロースから製造する方法が記載されている。この方法は、熱水条件下での、触媒による分解及び水素化反応が関与している。さらに特に、この方法は、上昇させた温度及び圧力において、水素の存在下で、セルロースを、2種類の活性成分を含む触媒システムと接触させることによって実施される。第一の活性成分は、その金属状態のタングステンもしくはモリブデン、又はその炭化物、窒化物、もしくはリン化物を含む。第二の成分は、周期律表の第8、9、及び10族からの水素化反応の金属から選択され、それにはコバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、及び白金が包含される。試験例においては、それら化合物は、担体、例えば活性炭に担持して用いられた。さらに、満足できる収率をもたらす反応条件は、220〜250℃の温度、及び3〜7MPaの水素圧(室温にて測定して)を含むと思われる。セルロースの1質量%のスラリーを30分間これらの化合物にさらすと、エチレングリコールが最大69%の収率で得られる。しかし、この反応を長期間継続する場合には、エチレングリコールの収率が低下するように思われる。
米国特許第8,410,319号明細書には連続法が記載されており、その方法では、セルロースを含む原料が、水、水素、及び触媒と接触させられて、少なくとも1種のアルキレングリコールを生成する。その触媒は、Mo、W、V、Ni、Co、Fe、Ta、Nb、Ti、Cr、Zr、及びそれらの組み合わせからなる群から選択された第一の金属成分を含む。この第一の金属成分は、その元素の状態であるか、又はその金属は炭化物、窒化物、リン化物化合物である。触媒はさらに、Pt、Pd、Ru、及びそれらの組み合わせを含み、その金属は元素の状態である。触媒成分は、担体の上に担持されている。
この反応は、担体上のニッケル及びタングステンを含む触媒システムについてさらに研究されている。そこでは、ニッケル及びタングステンが反応中に溶液中に浸出していることが発見されており、これは触媒性能の漸次低下の原因となる(例えば、Na Jiら, ChemSusChem, 2012, 5, 939-944)。タングステン及びその他の金属の浸出は、M. Zhengら, Chin. J. Catal., 35 (2014) 602-613に報告された研究において確かめられている。後者の文献はまた、エチレングリコールに加えて、様々な副生成物が得られることを開示しており、それには1,2−プロピレングリコール、エリトリトール、グリセロール、マンニトール、及びソルビトールが含まれる。
米国特許出願公開第2011/0312488号明細書は、元素状態の金属成分を含む触媒の見込みのある代替物として、炭水化物からアルキレングリコールを生成させるための触媒システムを記述している。この触媒システムは、少なくとも+2の酸化状態をもつ少なくとも1種の金属を含む。さらに具体的には、この米国出願は、少なくとも+2の酸化状態をもつ第一の金属成分と水素化のための成分とを含む触媒システムを開示している。この水素化のための成分は、任意の酸化状態にある広範囲の金属から選択されることができ、それには元素状態のものも含まれる。この水素化のための成分は、特に、Pt、Pd、Ru、Rh、Ni、Ir、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される活性金属成分を含むことができる。第一の金属成分はまた、広い範囲の金属から選択してもよいが、特に、第一の金属成分を含む化合物は、タングステン酸、モリブデン酸、タングステン酸アンモニウム、メタタングステン酸アンモニウム、パラタングステン酸アンモニウム、少なくとも1種の第1又は2族元素を含むタングステン酸塩化合物、少なくとも1種の第1又は2族元素を含むメタタングステン酸塩化合物、少なくとも1種の第1又は2族元素を含むパラタングステン酸塩化合物、酸化タングステン、タングステンと、モリブデン、ニオブ、バナジウム、ジルコニウム、チタン、及びクロムの様々な塩及び酸化物とのヘテロポリ化合物からなる群から選択することができる。米国特許出願公開第2011/0312488号明細書による触媒システムは、ブタンジオールの低減された生成とともに、エチレングリコール及びプロピレングリコールに対する選択率を向上させると述べられている。エチレングルコールの生成はいくつかの試験で示されており、それはメタタングステン酸アンモニウムが好ましい第一の金属成分であること、及び好ましい水素化の成分として、白金及びニッケルが用いられうることを示している。ニッケル含有触媒システムの使用は、エチレングリコール及び場合によってはプロピレングリコールの最も高い収率をもたらす。
M. Zhengら, Chin. J. Catal., 35 (2104) 602-613の上述した文献においては、タングステン酸系触媒が、セルロースからエチレングリコールへのプロセスの将来の実商化のための最も有望な候補であるという結論が出されている。水素化の成分が、そのようなタングステン酸系触媒に添加される。例には活性炭上のルテニウムが含まれるが、ラネーニッケルが商業化のための最も有望な候補と考えられる。
アルキレングリコールへの炭水化物の転化には複雑な反応が関与している。M. Zhengら, Chin. J. Catal., 35 (2014) 602-613には、炭水化物の低い濃度と、高い反応温度、すなわち、200℃より高い温度が、エチレングリコール製造に有利であることが示されている。このことは、国際公開第2014/161852号で確かめられているように思われ、これには1質量%〜6質量%の範囲の高められたグルコース濃度をもつグルコース溶液が、タングステン及びルテニウムを含む触媒システムの存在下で水素と接触させられた試験が含まれている。グルコース濃度が高ければ高いほど、エチレングリコールの収率がより低くなった。この不利な影響を改善するために、国際公開第2014/161852号では、2質量%未満の炭水化物濃度をもつ溶液中で、炭水化物の最初の少量部分を水素及び触媒と接触させ、その最初の部分が反応した場合にのみ、炭水化物のさらなる部分を添加することが提案されている。この点で、この方法は、G. Zhaoら, Ind. Eng. Chem. Res., 2013, 52, 9566-9572に記載された半連続反応に類似している。国際公開第2014/161852号とG. Zhaoら, Ind. Eng. Chem. Res., 2013, 52, 9566-9572の両方とも、エチレングリコールに加えて、1,2−ブタンジオール(ブチレングリコール)が生成することを述べている。ブチレングリコールの相対量は、エチレングリコールの収率を基準にして10%のオーダーでありうる。ブチレングリコールとエチレングリコールは共沸混合物を形成するので、それらの化合物を蒸留によって容易に分離することは困難である。
中国特許出願公開第102731255号には、水中の約5質量%の濃度のセルロースを、炭化タングステン及び活性炭上のニッケルを含む触媒を用いて変換する方法であって、タングステンのニッケルに対する原子比が2未満である方法が記載されている。別の実施態様では、タングステン酸及び活性炭上のルテニウムが、別のセルロースの変換において触媒として用いられている。この触媒におけるタングステンのルテニウムに対するモル比は2を超えているが、この場合のルテニウムの量は、セルロースの量に基づいて約0.1質量%である。いずれの場合でも、ブチレングリコールが生成したことが記載されている。
中国特許出願公開第102643165号には、炭化水素からエチレングリコールへの変換においてブチレングリコールが生成したことが記載されている。この出願には、グルコースからエチレングリコールへの変換において、副生成物、例えば、プロパンジオール及びブチレングリコールが生成したことが記載されている。この触媒は、活性炭上のルテニウム及びタングステン酸を含んでいる。1つの実施態様では、ルテニウムのタングステンに対する質量比は1:1であり、グルコールの、ルテニウム及びタングステンの合計に対する質量比は150:1である。他の実施態様では、タングステンのルテニウムに対する比は5又は10であり、グルコースの、ルテニウム及びタングステンの合計に対する質量比は、それぞれ750〜800又は450〜460である。この出願は、ブチレングリコールが生成したことが記載されているが、その精製を低減させる手段については何らの記載もない。
上で指摘したように、アルキレングリコールには、一連の製品への用途が見出されている。1つの重要な用途は、ポリエステルの製造におけるモノマーとしてのその使用である。とりわけ、アルキレングリコール、例えばエチレングリコール等は、ポリエステルの製造に使用され、そのアルキレングリコールは純粋でなければならない。例えば国際公開第2014/161852号に示されているように、ヘキソース含有炭化水素、例えばグルコース及びセルロース等を変換すると、エチレングリコール、プロピレングリコール、及びかなりのブチレングリコールの混合物が得られる。適切な分離技術は蒸留となる。しかし、プロピレングリコールとエチレングリコールとが蒸留により分離され得るが、ブチレングリコールがその他の一方又は両方のアルキレングリコールと共に共沸混合物を形成するため、ブチレングリコールを別途除去する必要がある。
米国特許第7,960,594号明細書 米国特許第8,410,319号明細書 米国特許出願公開第2011/0312488号明細書 国際公開第2014/161852号 中国特許出願公開第102731255号 中国特許出願公開第102643165号
Na Jiら, ChemSusChem, 2012, 5, 939-944) M. Zhengら, Chin. J. Catal., 35 (2014) 602-613 G. Zhaoら, Ind. Eng. Chem. Res., 2013, 52, 9566-9572
したがって、ブチレングリコールの生成をできる限り低減することが望ましい。
比較的高い炭化水素濃度でも、エチレングリコールへの満足すべき変換が可能である一方、ブチレングリコールの生成が最小化され得ることが見出された。
このことは、触媒システムが、炭化水素の水素化分解を触媒する貴金属を含む少なくとも2つの成分を含み、その水素化分解触媒成分が、炭化水素に対して特定の量で存在し、タングステン化合物が貴金属と比較してモル過剰で存在する方法において達成された。
したがって、本発明は、炭水化物源からエチレングリコールを製造するための方法であって、
水素、炭水化物源、液体希釈剤、及び触媒システムが、反応剤として、反応ゾーンに導入され;
前記触媒システムは、タングステン化合物と、貴金属であるPd、Pt、Ru、Rh、Ir、及びそれらの組み合せから選択される少なくとも1つの水素化分解金属とを含み;
前記炭水化物源は、反応ゾーン内の希釈剤中の炭水化物源の濃度が、希釈剤の質量当たりの炭水化物源の質量として計算して、少なくとも4質量%となるように反応ゾーンに導入され;
貴金属であるPd、Pt、Ru、Rh、Ir、及びそれらの組み合せから選択される前記少なくとも1つの水素化分解金属の量は、金属として計算して、かつ反応ゾーンに導入される炭水化物源の量を基準にして、0.2〜1.0質量%の範囲であり;
タングステンの、前記少なくとも1つの水素化分解金属に対するモル比は、1〜25の範囲であり;
前記炭水化物源が、前記触媒システムの存在下で水素と反応して、エチレングリコールを含む生成物が得られる方法を提供する。
本発明の方法は、希釈剤中の炭化水素源の比較的高濃度の出発溶液を適用することを可能にすることが見出された。高濃度の溶液の使用により、得られるエチレングリコールから大過剰の希釈剤を除去する経費及び労力を低減することが可能になる。本方法によって、アルキレングリコールの満足すべき収率がなお得られる。水素化分解金属の量が特定の範囲内である場合には、ブチレングリコールの、エチレングリコールに対する相対量が低減されることがさらに見出された。
本発明の方法は、国際公開第2014/161852号に記載の方法とは、少なくとも、反応ゾーン内における炭化水素源の濃度が少なくとも4質量%である点において異なる。本方法は、国際公開第2014/161852号に記載の比較例の方法とも、本発明の方法における少なくとも1つの水素化分解金属の、炭化水素源に対する濃度が、前述の比較例におけるその量と比較してより高い点においても異なる。国際公開第2014/161852号に教示されていることとは対照的に、エチレングリコールの収率は非常に満足すべきものである。
炭水化物源は様々な原料から選択することができる。適切には、炭水化物源は、多糖類、オリゴ糖類、二糖類、及び単糖類からなる群から選択される炭水化物を含む又は炭水化物のみからなる。適切な例には、セルロース、ヘミセルロース、ヘミセルロース糖、デンプン、糖類、例えば、スクロース、マンノース、アラビノース、グルコース、及びそれらの混合物などの持続可能資源が含まれる。上の炭水化物類を含みうる資源には、紙パルプ流、都市廃水流が含まれ、その他のグルコース単位含有ストリームを同様に使用することもでき、例えば、木材廃棄物、紙屑、農業廃棄物、都市廃棄物、紙、段ボール、砂糖きび、砂糖大根、小麦、ライ麦、大麦、その他の農作物、及びそれらの組み合わせである。これらの流れ(ストリーム)は、本発明の方法を妨害する成分、例えば、塩基性フィラー、例えば、古紙中の炭酸カルシウムを除去するための前処理を必要としうる。このようにして、本発明の方法は、天然資源からのものを用いることができるだけでなく、廃水流を改善し、役立つように再使用するためにさえ使用することができる。好ましくは、炭水化物源中の炭水化物は、セルロース、デンプン、グルコース、スクロース、グルコースのオリゴマー、紙屑、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、好ましくはグルコール又はデンプンである。セルロースは、その他の炭水化物源には存在しない困難さを提示するので、炭水化物源は、好ましくは、デンプン、ヘミセルロース、及びヘミセルロース糖、グルコース、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
従来技術による公知の方法において示されている通り、水素化分解金属は、貴金属であるPd、Pt、Ru、Rh、Ir、及びそれらの組み合せから選択される。これらの金属は良好な収率を与えることが見出されている。金属は、適切には、その金属の形態で、又はその水素化物もしくは酸化物として存在することができる。金属酸化物は、水素の存在下で、反応時に還元されると推測される。
水素化分解金属、又は水素化分解金属の組合せは、好ましくは、担体上に担持された触媒の形態で存在する。担体は、広範囲の公知の支持体から選択してよい。適切な支持体には、活性炭、シリカ、ジルコニア、アルミナ、シリカ−アルミナ、チタニア、ニオビア、酸化鉄、酸化スズ、酸化亜鉛、シリカ−ジルコニア、ゼオライトアルミノシリケート、チタノシリケート、マグネシア、炭化ケイ素、クレイ、及びそれらの組み合わせが含まれる。当業者は、活性炭が少なくとも800m/gの表面積をもつ非晶質の形態の炭素であることを知っているであろう。そのような活性炭はしたがって多孔質構造を有する。最も好ましい支持体は、活性炭、シリカ、シリカ−アルミナ、及びアルミナであり、なぜならそれらを用いて優れた結果が得られているからである。さらに好ましくは、触媒は、水素化分解金属としてのルテニウムと、支持体としての活性炭とを含む。
好ましくは、水素化分解金属を含む触媒成分には、1つ以上の金属が用いられる。好ましくは、水素化分解金属の組合せは、Pd、Pt、Ru、Rh、及びIrから選択される少なくとも1つの貴金属を、元素周期律表の第8、9、及び10族からの別の金属と組み合わせて含む。触媒は、好ましくは、Ru、Pt、Pd、Ir、及びRhからなる群の2つ以上の金属の混合物を含む。適切な例は、Ru/Ir、Ru/Pt、及びRu/Pdである。2つの金属を用いる場合、質量比は、適切には0.1:1〜20:1の範囲である。より好ましくは、第一の水素化分解金属は、ルテニウムであり、第二の水素化分解金属は、Rh、Pt、Pd、及びIrから選択される。Ruと第二の水素化分解金属との質量比は、好ましくは0.5:1〜100:1の範囲である。
タングステン化合物は広範囲の化合物から選択することができる。タングステンは元素状態であってもよい。そして、通常、タングステン化合物は支持体上に存在する。少なくとも1つの水素化分解金属のための支持体と同様に、支持体は広範囲の公知の支持体から選択してよい。適切な支持体には、活性炭、シリカ、ジルコニア、アルミナ、シリカ−アルミナ、チタニア、ニオビア、酸化鉄、酸化スズ、酸化亜鉛、シリカ−ジルコニア、ゼオライトアルミノシリケート、チタノシリケート、及びそれらの組み合わせが含まれる。活性炭、シリカ、シリカ−アルミナ、及びアルミナが支持体として最も好ましく、なぜなら優れた結果がそれらによって得られているからである。+2以下の酸化状態のタングステン化合物、例えば、その炭化物、窒化物、リン化物の形態のものを用いることも可能である。またこの場合に、タングステン化合物は、担持された触媒成分の形態で存在してもよい。担体は、上で述べた支持体から選択してよい。
好ましくは、タングステン化合物は、少なくとも+2の酸化状態を有し、好ましくは+5又は+6の酸化状態を有する。そして、タングステン化合物は、タングステン酸(HWO)、タングステン酸アンモニウム、メタタングステン酸アンモニウム、パラタングステン酸アンモニウム、少なくとも1つの第1又は2族元素を含むタングステン酸塩化合物、少なくとも1つの第1又は2族元素を含むメタタングステン酸塩化合物、少なくとも1つの第1又は2族元素を含むパラタングステン酸塩化合物、酸化タングステン(WO)、タングステンのヘテロポリ化合物、及びそれらの組み合わせからなる群から好適に選択される。従来技術においては、ある種のタングステン化合物はそれらの支持体から浸出すること及びそのようなことは不利であると考えられていたことがわかっているのに対して、本発明者は、反応混合物に溶けるタングステン化合物を用いることが有利であることを発見している。タングステン化合物が溶ける場合には、そのタングステン化合物の触媒活性が高められることを発見している。いかなる理論にも束縛されることを望まないが、水素及び炭水化物の存在によって反応ゾーン内で作り出される還元性雰囲気下で、6価のタングステン化合物が5価のタングステンに還元され、その5価のタングステン化合物が希釈剤中に溶けることができると考えられる。この部分的に還元された状態で、タングステンイオンは炭水化物源のなかの炭素−炭素結合を攻撃するのに有効であり、アルキレングリコール前駆体を生成する。好ましいタングステン化合物はタングステン酸である。
従来技術によれば、少なくとも1つの水素化分解金属とタングステン化合物との間の比は、広い範囲で変化をもたせうる。従来技術によれば、これらの化合物の間の質量比は0.02〜3000の範囲で変化をもたせることができる。本発明においては、タングステンの、少なくとも1つの水素化分解金属に対するモル比は、好ましくは、1〜25のかなり狭い範囲内にある。より好ましくは、タングステンの、少なくとも1つの水素化分解金属に対するモル比は、2〜15の範囲、最も好ましくは3〜9の範囲内である。その比がこれらの範囲の限度を超える場合には、エチレングリコール以外のアルキレングリコールの相対的収率が低下する、及び/又は炭水化物の転化が遅くなる。
触媒成分の濃度は、本発明の方法に関与する。タングステン化合物の濃度は、非常に広い範囲で変化をもたせることができる。タングステン化合物の濃度は、例えば、反応ゾーンに導入される炭水化物源の質量を基準にして、1〜35質量%の範囲から選択してよい。より好ましくは、タングステンの量は、反応ゾーンに導入される炭水化物源を基準にして、2〜15質量%の範囲である。比較的多量のタングステンの使用は、そのプロセスに顕著な不利益を加えない一方で、コスト面が顕著になりうるので、反応ゾーンに導入される炭水化物源の量を基準にして2〜9質量%のタングステンの量を用いることが好ましい。
炭水化物源及び希釈剤は、両方とも反応ゾーンに導入される。適切には、炭水化物源は、希釈剤の少なくとも一部と一緒に導入される。さらに好ましくは、炭水化物源は、希釈剤に少なくとも部分的に溶解されている。適切には、希釈剤は水性媒体である。多くの炭水化物、例えば、糖類、グルコース、及びフルクトース等は水に溶ける。さらに、セルロース、すなわち、非常に適した出発物質と考えられ、水に不溶性である炭水化物は、水溶性であるセロデキストリンに転化することができる。あるいは、炭水化物はスラリーの形態で反応ゾーンに導入してもよい。そのようなスラリーのより一般的な例は、水と、セルロース及び/又はデンプンとの水性混合物である。そのような態様では、水性セルローススラリー、例えば微結晶セルロースを含むものが、うまく使用できる。
従来技術の方法は、ヘキソース、例えばセルロース、デンプン、及びグルコースの転化に重点をおいている。しかし、ヘキソース含有炭水化物だけでなく、ペントース含有炭水化物をも用いることが有利であることを発見している。したがって、本発明はまた、炭水化物源が少なくとも1種のペントース含有炭水化物を含む方法、及び好ましくは、炭水化物源が少なくとも1種のペントース含有炭水化物と、少なくとも1種のヘキソース含有炭水化物との組み合わせを含む方法も提供する。ペントース含有炭水化物は、多糖類、オリゴ糖類、二糖類、又は単糖類であることができる。ペントース含有炭水化物は、適切には、ペントサン、例えば、キシラン又はアラビナンである。特に、それは適切には、アラビノース、リボース、リキソース、及びキシロース残基の少なくとも1つを含む。ヘキソース及びペントース含有炭水化物の組み合わせへの本発明の方法の適用は、ペントース含有炭水化物が主生成物としてプロピレングリコール及びエチレングリコールの両方を生成し、ヘキソース含有炭水化物がエチレングリコールを大部分生成するという利点を有する。したがって、プロピレングリコールが主成分として想定される場合、出発物質としてペントース含有炭水化物を使用することが有利である。
希釈剤中の炭水化物源の濃度は、少なくとも4質量%であるべきである。商業的に興味ある操業のためには、より高濃度が望ましい。しかし、高めた濃度においては、アルキレングリコールの収率が低下することを、当業者は教えられる。本発明の方法は、当業者に、この濃度を高めることを可能にする。したがって、好適には、炭水化物源は、希釈剤中の炭水化物源の濃度が、希釈剤の質量当たりの炭水化物源の質量として計算して、7〜25質量%の範囲となるように反応ゾーンに導入される。水は、典型的には、希釈剤として採用される。炭水化物類は、ほとんどの有機溶媒でより溶解性が低い傾向があるからである。それにもかかわらず、水は、場合により、いずれかの反応剤の溶解性に有利な効果を有するか又は他の利点を有する有機溶媒によって部分的に置き換えられるか又は混合され得る。したがって、希釈剤は、水、スルホキシド類、アルコール類、アミド類、及びそれえらの混合物から選択される1つ以上の化合物を含む。適切には、水と、場合により、1つ以上の上述した有機希釈剤の1つ以上との混合物を用いる。好適なスルホキシドは、ジメチルスルホキシド(DMSO)であり、アミド類の適切な例はジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミドである。より好ましい有機希釈剤はアルコール類である。アルコール類は、モノアルコール類、特に、水に混和性のモノアルコール類、例えば、C〜Cアルコールであることができる。アルコールはまた、ポリオール、例えば、グリセロール、キシリトール、ソルビトール、又はエリスリトールであることができる。特に好ましい態様では、ポリオールはジオールである。有機希釈剤が、アルキレングリコール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、又はこれらの混合物等であることが最も好ましい。
アルキレングリコールへの反応の選択性が、希釈剤中の成分としてアルキレングリコールを使用することによって高められることがさらに見出された。いかなる理論にも束縛されることを望まないが、タングステンが、アルキレングリコールと錯体を形成し、それによって、副生成物への転化が低減されると考えられる。さらに、希釈剤としてアルキレングリコールを使用することは、反応混合物中への外からの試薬の導入を含まず、これはさらなる利点となる。
上で指摘したとおり、本発明による方法のエチレングリコールを含む有生成物は、一般に、アルキレングリコールの混合物である。この混合物は、適切には精製され、特に、純粋なエチレングリコールが重合目的のために望まれる場合には精製される。ブチレングリコールと共に形成される共沸混合物は、純粋なエチレングリコールを得ることを困難にする。
分離工程を容易にするためには、出発物質としてペントース含有炭水化物をも用いることが有利である。ペントース含有炭水化物は、副生成物としてブチレングリコールをほとんど形成しない。したがって、ペントース及びヘキソース含有炭水化物の組み合わせ物の反応生成物中のブチレングルコールの割合は、比較的小さくなる。そのような反応生成物の精製は、したがって、比較的単純である。プロピレングリコール及びエチレングリコールは、分別蒸留(分画)によって互いから容易に分離することができる。ペントース含有炭水化物及びヘキソース含有炭水化物の両方を含む出発物質を用いる反応生成物の分画は、純粋なエチレングリコール、純粋なプロピレングリコール、及び、他のグリコール類のうちの1つ又は両方とともにブチレングリコールを含む比較的少量の画分をもたらす。
生成物からブチレングリコールを除去する別の方法は、1つ以上の連行剤(entraining agent)を使用することであろう。連行剤は、共沸蒸留によって、アルキレングリコール類の混合物からブチレングルコールを選択的に取り除く。このような手順は、出発物質が、ヘキソース含有炭水化物のみを含有する方法、ペントース含有炭水化物のみを含有する方法、又は両方の組み合わせである方法に適用することができる。連行剤は、エチルベンゼン、p-キシレン、n-プロピルベンゼン、o-ジエチルベンゼン、m-ジエチルベンゼン、m-ジ-イソプロピルベンゼン、シクロペンタン、メチルシクロヘキサン、3-メチルペンタン、2,3-ジメチルブタン、ヘプタン、1-ヘプテン、オクタン、1-オクテン、2,3,4-トリメチルペンタン、デカン、メチルエチルケトキシム、デカリン、ジシクロペンタジエン、α-フェランドレン、β-ピネン、ミルセン、テルピノレン、p-メンタ-1,5-ジエン、3-カレン、リモネン、及びα-テルピネンからなる群から適切に選択することができる。
加えて、ポリオール類(higher polyols)、例えば、グリセロール、エリトリトール、又はソルビトールは、連行剤として機能しうる。これらの化合物は、M. Zhengら, Chin. J. Catal., 35 (2014) 602-613に示されているように、炭水化物類からエチレングリコールを調製する方法において、副生成物として作り出される傾向がある。これらの化合物は、したがって、その工程にリサイクルすることができる。必要な場合、それらが連行剤として使用される場合には、その濃度を高めてそれによって純粋なエチレングリコールを得ることを容易にするために、これらの化合物の1つ以上を本発明の方法の生成物に添加することもできる。
純粋なエチレングリコールを製造するための別の方法では、エチレングリコール、プロピレングリコール、及びブチレングリコールを含む生成物の混合物を、カルボニル基含有化合物を用いて変換して、ジオキソランの混合物を形成させることができる。これらのジオキソランは、共沸物を形成せず、したがって蒸留によって比較的に容易に分離することができる。純粋なジオキソランを別個の画分として得た後、各画分を加水分解して純粋な相当するアルキレングリコールを得ることができる。カルボニル基含有化合物は、適切には、アルデヒド又はケトンである。カルボニル基含有化合物は、反応に導入された任意の水が反応生成物から容易に分離されるように、少なくとも100℃の沸点を有することが好ましい。水とジオキソラン類との間の容易な分離を可能にする別の方法は、カルボニル基含有化合物を、得られるジオキソランの少なくとも一部が水に溶解しないように選択することによる。この方法では、得られるジオキソランは、相分離によって水から分離することができる。こうすることによって、任意の水溶性の副生物も、ジオキソランから分離される。これを達成する1つの方法は、それ自体が水に不溶性であるカルボニル基含有化合物を選択することによる。非常に便利なカルボニル基含有化合物には、メチルイソブチルケトン、t−ブチルメチルケトン、及びそれらの混合物が含まれる。これらの化合物は、106〜118℃の範囲の適切な沸点を有しており、かつ水に不溶性である。これらの化合物を用いて形成されたジオキソランはまた、水に不溶性であり、その結果、水からのこれらの化合物の分離が容易化されている。
カルボニル基含有化合物と、生成物中のアルキレングリコールとの反応は、触媒によって触媒されうる。適切な触媒には、酸触媒が含まれる。均一な酸触媒を使用することができるが、それらは中和及び/又は分離が厄介となりうる欠点を有している。したがって、酸触媒は、適切には、固体酸触媒、好ましくは酸性イオン交換樹脂、酸性ゼオライト、及びそれらの組み合わせから選択される固体酸触媒である。固体製品の使用により、ジオキソランの形成がストリッピングカラム反応器内で実施され、カルボニル基含有化合物の蒸気が、アルキレングリコール混合物が固体酸触媒に沿って通過する際のアルキレングリコール混合物の液体流との対向流れで接触させられる場合に、液体アルキレングリコール混合物とカルボニル基含有化合物との間の接触も容易にする。しかし、均一な酸触媒を生成物混合物に含ませ、この液体混合物に、カルボニル基含有化合物の蒸気を通すことも実行可能である。
ジオキソラン類が形成されると、これらは蒸留によって互いに容易に分離され得る。蒸留の後、分離したジオキソランを加水分解して、純粋なエチレングリコールを形成させることができる。ジオキソラン類の加水分解はまた、適切には、酸触媒によって触媒され得る。この加水分解は、ジオキソランの形成と同様の方法、例えば、ジオキソランの液体流を、水の蒸気流との対向流れで接触させることによる方法で達成され得る。酸触媒は、ジオキソラン液体中に含ませることも、固体酸触媒として供給することもできる。ジオキソラン液体に含められる酸触媒は、p−トルエンスルホン酸又はメタンスルホン酸等の強い有機酸であってよい。好ましくは、触媒は、酸性イオン交換樹脂、酸性ゼオライト、又はそれらの組み合わせを含む固体触媒である。
本発明によるアルキレングリコールの調製方法は、当技術分野で公知のプロセス条件のもとで実施することができる。その条件には、国際公開第2014/161852号に開示されている条件が含まれる。したがって、反応温度は適切には少なくとも120℃、好ましくは少なくとも140℃、さらに好ましくは少なくとも150℃、最も好ましくは少なくとも160℃である。反応器内の温度は、適切には、最高で300℃、好ましくは最高で280℃、さらに好ましくは最高で270℃、なおさらに好ましくは最高で250℃、もっとも好ましくは最高で200℃までである。反応器は、出発物質を添加する前にこれらの範囲内の温度にすることができ、その範囲内の温度に保たれる。
本発明による方法は、さらに有利には、従来技術の方法で採用される温度よりも通常はいくらか低い温度で実施されることを発見している。比較的低い温度を採用する場合には、ブチレングリコールの形成が低減されることを発見している。さらに有利な温度範囲は150〜225℃、さらに好ましくは160〜200℃、最も好ましくは165〜190℃である。これは、米国特許第7,960,594号明細書において教示されていることとは対照的であり、同明細書では220〜250℃の範囲内の反応温度が最も有用であると記載されている。
本発明の方法は、水素の存在下で行われる。水素は、実質的に純粋な水素として供給することができる。全圧はしたがって水素圧となる。あるいは、水素は、水素と不活性ガスとの混合物の形態で供給してもよい。全圧はしたがって水素及びこの不活性ガスの分圧からなる。不活性ガスは、適切には、窒素、アルゴン、ネオン、ヘリウム、及びそれらの混合物から選択することができる。不活性ガスに対する水素の割合は、広い範囲で変化をもたせてよい。適切には、その割合は非常に低くはなく、なぜなら、水素分圧が十分に高い場合に、反応が良好に進行するからである。したがって、水素と不活性ガスとの間の体積比は、1:1〜1:0.01でありうる。さらに好ましくは、水素のみが、本発明による方法においてガスとして用いられる。
反応器内の圧力は、適切には、少なくとも1MPa、好ましくは少なくとも2MPa、さらに好ましくは少なくとも3MPaである。反応器内の圧力は、適切には、最高で16MPa、さらに好ましくは最高で12MPa、さらに好ましくは最高で10MPaまでである。好ましくは、出発物質を添加する前に、反応器は水素の添加によって加圧される。当業者は、20℃における圧力は、反応温度における実際の圧力より低いこととなることを理解する。本方法で適用される圧力は、適切には、20℃で測定して0.7〜8MPaである。この圧力は、水素ガス又は水素含有ガスによってかけてよい。水素含有ガスを用いる場合、その水素含有ガス中の水素含有率は、100体積%以下、例えば、5〜95体積%の範囲であってよい。水素含有ガスの残り部分は、適切には、不活性ガス、例えば、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、又はそれらの混合物であってよい。次いで、反応混合物が加熱されると、反応時の圧力は、適切には、1〜16MPaの範囲となる。反応が進行するにしたがって、いくらか水素が消費される。有利には、反応温度における水素の分圧は1〜6MPaの範囲に保たれる。水素圧又は水素分圧を、全反応を通じてその範囲内に保つことがさらに好ましい。したがって、水素又は水素含有ガスを、反応の間に反応混合物中に導入してもよい。
従来技術には、炭水化物からアルキレングリコールへの変換が、バッチモード、半バッチモード、又は連続モードで実施可能であると示されている。国際公開第2014/161852号には、半連続法が記載され、そこでは、出発物質が全く供給されていない最初の反応時間の後に、出発物質を、少しずつに分けて、あるいは一連の流れ(ストリーム)で、限定された時間の間に供給することによって、出発物質が反応混合物に供給されている。本発明の方法も、バッチモード、半連続モード、及び連続モードで実施可能である。より好ましくは、本発明の方法は、バッチ又は半連続モードで実施される。これらの態様では、反応の出発組成物は、希釈剤中の炭水化物源の濃度が少なくとも4質量%となる組成物であり、この濃度は、反応ゾーンに存在する希釈剤の量及び反応ゾーンに導入された炭水化物の量に基づく。国際公開第2014/161852号に記載の反応と同様に、反応が開始された時に、追加の炭化水素を添加することができる。追加の炭化水素は、国際公開第2014/161852号に記載の反応と同様に、少しずつに分けて添加することができ、あるいは連続的な方法で添加することもできる。このような半連続的反応では、圧力が適切に監視される。反応混合物中の炭水化物の濃度も監視される。追加の炭水化物の添加により炭水化物の濃度が高められる場合には、その添加の速度を落としてよい。あるいは、炭水化物の濃度の低下が認められる場合には、より多量の炭水化物を添加して、炭水化物の濃度を、炭水化物及び希釈剤に基づいて、例えば、4〜10質量%に維持するようにする。
本発明の方法は、適切には、連続法を開始する最初の工程として用いてもよい。そのような方法では、反応は、炭水化物、希釈剤、触媒システム、及び水素の混合物を用いて開始され、ここで炭水化物源の濃度は少なくとも4質量%である。反応混合物が反応を開始して、炭水化物の濃度が低下した時に、炭水化物、希釈剤、及び任意の触媒成分の連続した流れ(ストリーム)を、反応ゾーンに供給することができ、アルキレングリコール現有生成物の連続的転化がエチレングリコールの形成をもたらし始めたときに、炭水化物、希釈剤、及び任意選択により場合によっては触媒成分の連続したストリームを反応ゾーンに供給してもよく、アルキレングリコールを含有する生成物混合物の連続ストリームをその反応ゾーンから抜き出してもよい。
バッチ又は半連続法においてその必要はないかもしれないが、追加の触媒成分、例えば、タングステン化合物又は水素化分解金属を、反応の経過中に反応混合物に添加することができる。反応が長引き、希釈剤及び/又は炭水化物の添加によって触媒システムの濃度が所望の濃度より低くなった場合に、そのような添加が望ましいと考えられる。
反応ゾーンは、通常、反応器内にある。本発明における反応器は、当技術分野で公知の適切な反応器であってよい。バッチ法のため及び半連続法のためには、反応器は通常のバッチ反応器であってよい。それは、反応器が、出発物質、希釈剤、及び触媒システムを導入するための適切な数の注入口並びに水素含有ガスのための注入口を備えた圧力容器を含むことを意味する。その容器は、通常、撹拌(stirring)又は激しく撹拌(agitation)する手段を備えている。連続法のためには、反応器はさまざまな反応器から選択することができ、それにはトリクルフローリアクター(trickle flow reactor)、流動床反応器、プラグフロー反応器、及び連続撹拌槽型反応器(CSTR)が含まれる。CSTRの使用は、上で示した本発明の方法に非常に適している。これは、CSTR内の希釈剤が、CSTR内の炭化水素の最終的な濃度を希釈する優れた手段を提供する一方、供給流れ(feed stream)は、炭化水素の高い濃度を含んでいてよいからである。同時に、炭水化物の反応によって生成されたアルキレングリコールは、その中にタングステン化合物を溶解し得る媒体を提供し、それによって、タングステン触媒成分の触媒活性に利益を与える。
本発明による方法における反応時間は変化をもたせることができる。適切には、炭水化物源の滞留時間は少なくとも1分間である。好ましくは、滞留時間は、5分〜6時間の範囲、さらに好ましくは5分〜2時間である。バッチ法では、滞留時間は、反応条件下で、炭水化物源が水素及び触媒システムと接触させられる時間である。連続法においては、滞留時間は、反応ゾーンへ入る炭水化物源の質量流速を、反応ゾーン中の触媒システムの質量流速で割った商であると理解される。一般に、連続法は、金属として表される水素化分解金属の質量当たりの炭水化物源の質量(1時間当たり)として表して0.01〜100hr−1、好ましくは0.05〜10hr−1の範囲の重量空間速度(WHSV)で操作される。
本発明を以下の例によってさらに説明する。
[実施例1]
反応槽内で、グルコースを、希釈剤としての水と、約1.0質量%〜約10質量%の範囲の様々な濃度で混合した。タングステン酸(HWO)を、様々な量で添加して、様々な濃度とした。また、活性炭上の5質量%のルテニウムを含む触媒を、様々な量で添加して、様々なルテニウム濃度とした。50バールの水素圧を、20℃でかけた。反応槽を、180℃に90分間加熱した。次いで、反応混合物を、速やかに冷却し、グルコースの転化率を、存在するグルコースの量を反応の開始時に存在するグルコースの量で割った値として決定した。生成物を分析し、エチレングリコール、プロピレングリコール、及びブチレングリコールの収率を、出発物質としてのグルコースのグラム量で割ることによって得たグラム百分率として計算して決定した。また、エチレングリコール/ブチレングリコールの質量比を決定した。結果を下記表1に示す。
表1は、試験番号、グルコースの濃度([Glu]:水及びグルコースの質量に基づく質量百分率として計算)、タングステン酸の濃度([W]:グルコースの質量に基づくタングステンの質量百分率として決定)、ルテニウムの濃度([Ru])(グルコースの質量に基づくルテニウムの質量百分率として決定)、W/Ruのモル比、転化率(Conv.:出発混合物中のグルコースの量で割った、反応混合物中に存在するグルコースの百分率で表す)、エチレングリコールの収率(「y EG」)、プロピレングリコールの収率(「y PG」)、及びブチレングリコールの収率(「y BG」)(これらの収率は上述したとおりである)、及びエチレングリコールの収率をブチレングリコールの収率で割った比(EG/BG)を示す。
試験1〜4は、本発明による。試験5〜12は、比較試験である。
[実施例2]
実施例1の手順を、炭水化物源としてグルコースの代わりにデンプンを用いた一連の試験において繰り返した。水は希釈剤であり、温度、圧力、及び反応時間は、実施例1のとおりであった。反応の変数及び結果を表2に示す。表2において、[St]は、水及びデンプンの質量に基づくデンプンの濃度を表す。
試験13〜21は、本発明による試験であり、試験22〜28は、比較試験である。試験22及び23は、炭水化物源の濃度が4質量%を超えるが、水素化分解金属の濃度が0.2質量%未満である場合には、比EG/BGは、実質的に低下することを示している。炭水化物の濃度が4質量%未満である場合には、水素化分解金属の濃度が0.2質量%を超える場合でさえも、EG/BG比は低い(試験24〜28)。
試験13〜15の結果の比較により、タングステンの水素化分解金属に対するモル比が2.0を超えると、改良された、すなわちより高いEG/BG比が得られることが分かる。

Claims (16)

  1. 炭水化物源からエチレングリコールを製造するための方法であって、
    水素、炭水化物源、液体希釈剤、及び触媒システムが、反応剤として、反応ゾーンに導入され;
    前記触媒システムは、タングステンルテニウムとを含み;
    前記炭水化物源は、反応ゾーン内において、希釈剤中の炭水化物源の濃度が、希釈剤の質量当たりの炭水化物源の質量として計算して、少なくとも4質量%となるように反応ゾーンに導入され;
    ルテニウムの量は、金属として計算して、かつ反応ゾーンに導入される炭水化物源の量を基準にして、0.2〜1.0質量%の範囲であり;
    タングステンの、前記ルテニウムに対するモル比は、1〜25の範囲であり;
    前記炭水化物源が、前記触媒システムの存在下で水素と反応して、エチレングリコールを含む生成物が得られる方法。
  2. 前記炭水化物源が、多糖類、オリゴ糖類、二糖類、及び単糖類からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記炭水化物源が、セルロース、ヘミセルロース、ヘミセルロース糖、デンプン、糖類、及びそれらの混合物からなる群から選択される炭水化物を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記炭水化物源が、木材廃棄物、紙屑、農業廃棄物、都市廃棄物、紙、段ボール、砂糖きび、砂糖大根、小麦、ライ麦、大麦、及びそれらの組み合わせに由来するものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. ルテニウムが、担体上に担持された触媒の形態で存在し、前記担体が、活性炭、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、ジルコニア、チタニア、ニオビア、酸化鉄、酸化スズ、酸化亜鉛、シリカ−ジルコニア、ゼオライトアルミノシリケート、チタノシリケート、マグネシア、炭化ケイ素、クレイ、及びそれらの組み合わせからなる支持体から選択される、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記触媒システムが、活性炭上のルテニウムを含む、請求項に記載の方法。
  7. タングステンの、前記ルテニウムに対するモル比が、2〜15の範囲である、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記タングステンの濃度が、炭水化物源の質量に基づいて1〜35質量%の範囲である、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記炭水化物源が、少なくも1種のペントース含有炭水化物と、少なくとも1種のヘキソース含有炭水化物との組み合わせを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記液体希釈剤中の炭水化物源の濃度が、希釈剤の質量当たりの炭水化物源の質量として計算して、7〜25質量%の範囲である、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記液体希釈剤が、水、スルホキシド類、アルコール類、アミド類、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記エチレングリコールを含む生成物が精製される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記エチレングリコールを含む生成物が、1つ以上の連行剤を用いて精製される、請求項12に記載の方法。
  14. 反応ゾーン内の温度が120〜300℃の範囲である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 反応ゾーン内の水素分圧が1〜6MPaの範囲である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 反応ゾーン内での触媒システムの平均滞留時間が5分〜6時間の範囲である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
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