JP6578295B2 - 積層構造体、ドライフィルムおよびフレキシブルプリント配線板 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明の積層構造体は、樹脂層(A)と、該樹脂層(A)を介してフレキシブルプリント配線板に積層される樹脂層(B)と、を有する積層構造体であって、前記樹脂層(B)が、アルカリ溶解性樹脂と光重合開始剤と熱反応性化合物とを含む感光性熱硬化性樹脂組成物からなり、かつ、前記樹脂層(A)が、アルカリ溶解性樹脂と熱反応性化合物とを含み、光重合開始剤を含まないアルカリ現像型樹脂組成物からなることを特徴とするものである。
(積層構造体)
本発明の積層構造体は、樹脂層(A)と、樹脂層(A)を介してフレキシブルプリント配線板に積層される樹脂層(B)と、を有しており、樹脂層(B)が、アルカリ溶解性樹脂と光重合開始剤と熱反応性化合物とを含む感光性熱硬化性樹脂組成物からなるとともに、樹脂層(A)がアルカリ溶解性樹脂と熱反応性化合物とを含み、光重合開始剤を含まないアルカリ現像型樹脂組成物からなるものである。
一方で、プリント配線基板側の樹脂層(A)に光重合開始剤が含まれる場合には、光重合開始剤自体が光を吸収する特性を有することから、深部に向かうほど光重合開始剤の重合開始能が低下し、深部の光反応性が低下してしまうことによりアンダーカットとなる傾向にあり、高精細なパターン形成が困難であったが、本発明の積層構造体における上層の樹脂層(B)からの活性種の拡散の影響により、かかる問題も改善できるものと本発明者らは考えた。しかしながら、上記活性種の拡散があるにも関わらず、この光重合開始剤との相互作用により依然として深部の光反応性(深部硬化性)が悪く、アンダーカットを生じるという問題があった。
したがって、本発明の積層構造体の構成では、樹脂層(A)が光重合開始剤を含まないことが必要であり、その結果、アンダーカットのない深部硬化性に優れるパターン形成が可能となる。
また、本願発明のような積層構造体では、理由は明らかではないが、上記活性種の拡散が、界面の影響により露光部以外にも生じるために開口形状が閉じ気味になる等、樹脂層(A)と樹脂層(B)の界面近傍でいわゆるハレーションが起こりやすいという新たな問題があった。この問題は特にPEB工程において顕著であった。この点、本発明の積層構造体では、樹脂層(A)を構成する組成物にさらに重合禁止剤を配合することにより、意外にもこのハレーションを防止して、開口形状の安定化と、良好な深部硬化性とを両立することができる解像性に優れた高精細なパターンを形成することが可能となるものである。
(樹脂層(A)を構成するアルカリ現像型樹脂組成物)
樹脂層(A)を構成するアルカリ現像型樹脂組成物としては、フェノール性水酸基、カルボキシル基のうち1種以上の官能基を含有し、アルカリ溶液で現像可能なアルカリ溶解性樹脂と、熱反応性化合物とを含み、光重合開始剤を含まない組成物であればよい。上記アルカリ溶解性樹脂としては、例えば、フェノール性水酸基を有する化合物、カルボキシル基を有する化合物、フェノール性水酸基およびカルボキシル基を有する化合物が挙げられ、公知慣用のものが用いられる。
(樹脂層(B)を構成する感光性熱硬化性樹脂組成物)
樹脂層(B)を構成する感光性熱硬化性樹脂組成物は、アルカリ溶解性樹脂と、光重合開始剤と、熱反応性化合物とを含むものである。このうちアルカリ溶解性樹脂としては、上記樹脂層(A)と同様の公知慣用のものを用いることができるが、耐屈曲性、耐熱性などの特性により優れるイミド環を有するアルカリ溶解性樹脂を好適に用いることができる。また、熱反応性化合物としては、上記樹脂層(A)と同様の公知慣用のものを用いることができる。
本発明において、イミド環を有するアルカリ溶解性樹脂は、フェノール性水酸基、カルボキシル基のうち1種以上のアルカリ溶解性基と、イミド環とを有するものである。このアルカリ溶解性樹脂へのイミド環の導入には公知慣用の手法を用いることができる。例えば、カルボン酸無水物成分とアミン成分および/またはイソシアネート成分とを反応させて得られる樹脂が挙げられる。イミド化は、熱イミド化で行っても、化学イミド化で行ってもよく、またこれらを併用して実施することができる。
樹脂層(B)において用いる光重合開始剤としては、公知慣用のものを用いることができ、例えば、ベンゾイン化合物、アシルホスフィンオキサイド系化合物、アセトフェノン系化合物、α−アミノアセトフェノン化合物、オキシムエステル化合物、チオキサントン系化合物等が挙げられる。
特に、後述する光照射後のPEB工程に用いる場合には、光塩基発生剤としての機能も有する光重合開始剤が好適である。なお、このPEB工程では、光重合開始剤と光塩基発生剤とを併用してもよい。
このような光塩基発生剤としての機能も有する光重合開始剤としては、例えば、α−アミノアセトフェノン化合物、オキシムエステル化合物や、アシルオキシイミノ基,N−ホルミル化芳香族アミノ基、N−アシル化芳香族アミノ基、ニトロベンジルカーバメート基、アルコオキシベンジルカーバメート基等の置換基を有する化合物等が挙げられる。中でも、オキシムエステル化合物、α−アミノアセトフェノン化合物が好ましく、オキシムエステル化合物がより好ましい。α−アミノアセトフェノン化合物としては、特に、2つ以上の窒素原子を有するものが好ましい。
高分子樹脂は、得られる硬化物の可撓性、指触乾燥性の向上を目的に、公知慣用のものを配合することができる。このような高分子樹脂としては、セルロース系、ポリエステル系、フェノキシ樹脂系ポリマー、ポリビニルアセタール系、ポリビニルブチラール系、ポリアミド系、ポリアミドイミド系バインダーポリマー、ブロック共重合体、エラストマー等が挙げられる。この高分子樹脂は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
無機充填材は、硬化物の硬化収縮を抑制し、密着性、硬度などの特性を向上させるために配合することができる。このような無機充填剤としては、例えば、硫酸バリウム、無定形シリカ、溶融シリカ、球状シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ノイブルグシリシャスアース等が挙げられる。
着色剤としては、赤、青、緑、黄、白、黒などの公知慣用の着色剤を配合することができ、顔料、染料、色素のいずれでもよい。
有機溶剤は、樹脂組成物の調製のためや、基材やキャリアフィルムに塗布するための粘度調整のために配合することができる。このような有機溶剤としては、ケトン類、芳香族炭化水素類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルアセテート類、エステル類、アルコール類、脂肪族炭化水素、石油系溶剤などを挙げることができる。このような有機溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
必要に応じてさらに、メルカプト化合物、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの成分を配合することができる。これらは、公知慣用のものを用いることができる。また、微粉シリカ、ハイドロタルサイト、有機ベントナイト、モンモリロナイトなどの公知慣用の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系などの消泡剤および/またはレベリング剤、シランカップリング剤、防錆剤などのような公知慣用の添加剤類を配合することができる。
本発明のドライフィルムは、以下のようにして製造できる。すなわち、まず、キャリアフィルム(支持フィルム)上に、上記樹脂層(B)および樹脂層(A)を構成する組成物を、有機溶剤で希釈して適切な粘度に調整し、常法に従い、コンマコーター等の公知の手法で順次塗布する。その後、通常、50〜130℃の温度で1〜30分間乾燥することで、キャリアフィルム上に樹脂層(B)および樹脂層(A)からなるドライフィルムを形成することができる。このドライフィルム上には、膜の表面に塵が付着することを防ぐ等の目的で、さらに、剥離可能なカバーフィルム(保護フィルム)を積層することができる。キャリアフィルムおよびカバーフィルムとしては、従来公知のプラスチックフィルムを適宜用いることができ、カバーフィルムについては、カバーフィルムを剥離するときに、樹脂層とキャリアフィルムとの接着力よりも小さいものであることが好ましい。キャリアフィルムおよびカバーフィルムの厚さについては特に制限はないが、一般に、10〜150μmの範囲で適宜選択される。
本発明の積層構造体を用いたフレキシブルプリント配線板の製造は、図1の工程図に示す手順に従い行うことができる。すなわち、導体回路を形成したフレキシブル配線基板上に本発明の積層構造体の層を形成する工程(積層工程)、この積層構造体の層に活性エネルギー線をパターン状に照射する工程(露光工程)、および、この積層構造体の層をアルカリ現像して、パターン化された積層構造体の層を一括形成する工程(現像工程)を含む製造方法である。また、必要に応じて、アルカリ現像後、さらなる光硬化や熱硬化(ポストキュア工程)を行い、積層構造体の層を完全に硬化させて、信頼性の高いフレキシブルプリント配線板を得ることができる。
[積層工程]
この工程では、導体回路2が形成されたフレキシブルプリント配線基板1に、アルカリ溶解性樹脂等を含むアルカリ現像型樹脂組成物からなる樹脂層3(樹脂層(A))と、樹脂層3上の、アルカリ溶解性樹脂等を含む感光性熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層4(樹脂層(B))と、からなる積層構造体を形成する。ここで、積層構造体を構成する各樹脂層は、例えば、樹脂層3,4を構成する樹脂組成物を、順次、配線基板1に塗布および乾燥することにより樹脂層3,4を形成するか、あるいは、樹脂層3,4を構成する樹脂組成物を2層構造のドライフィルムの形態にしたものを、配線基板1にラミネートする方法により形成してもよい。
この工程では、活性エネルギー線の照射により、樹脂層4に含まれる光重合開始剤をネガ型のパターン状に活性化させて、露光部を硬化する。露光機としては、直接描画装置、メタルハライドランプを搭載した露光機などを用いることができる。パターン状の露光用のマスクは、ネガ型のマスクである。
この工程では、露光後、樹脂層を加熱することにより、露光部を硬化する。この工程により、光塩基発生剤としての機能を有する光重合開始剤を用いるか、光重合開始剤と光塩基発生剤とを併用した組成物からなる樹脂層(B)の露光工程で発生した塩基によって、樹脂層(B)を深部まで硬化できる。加熱温度は、例えば、80〜140℃である。加熱時間は、例えば、2〜140分である。本発明における樹脂組成物の硬化は、例えば、熱反応によるエポキシ樹脂の開環反応であるため、光ラジカル反応で硬化が進行する場合と比べてひずみや硬化収縮を抑えることができる。
この工程では、アルカリ現像により、未露光部を除去して、ネガ型のパターン状の絶縁膜、特には、カバーレイおよびソルダーレジストを形成する。現像方法としては、ディッピング等の公知の方法によることができる。また、現像液としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、アミン類、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)等のアルカリ水溶液、または、これらの混合液を用いることができる。
この工程は、現像工程の後に、樹脂層を完全に熱硬化させて信頼性の高い塗膜を得るものである。加熱温度は、例えば140℃〜180℃である。加熱時間は、例えば、20〜120分である。さらに、ポストキュアの前または後に、光照射してもよい。
撹拌機、窒素導入管、分留環、冷却環を取り付けたセパラブル3つ口フラスコに、3,5−ジアミノ安息香酸を3.8g、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンを6.98g、ジェファーミンXTJ−542(ハンツマン社製、分子量1025.64)を8.21g、γ−ブチロラクトンを86.49g、室温で仕込み、溶解した。
撹拌機、窒素導入管、分留環、冷却環を取り付けたセパラブル3つ口フラスコに、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン22.4g、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンを8.2g、NMPを30g、γ−ブチロラクトンを30g、4,4’−オキシジフタル酸無水物を27.9g、トリメリット酸無水物を3.8g加え、窒素雰囲気下、室温、100rpmで4時間撹拌した。次いでトルエンを20g加え、シリコン浴温度180℃、150rpmでトルエンおよび水を留去しながら4時間撹拌して、フェノール性水酸基およびカルボキシル基を有するポリイミド樹脂溶液(PI−1)を得た。
得られた樹脂(固形分)の酸価は18mgKOH、Mwは10,000、水酸基当量は390であった。
撹拌装置、温度計およびコンデンサーを備えた反応容器に、1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールから誘導されるポリカーボネートジオール(旭化成ケミカルズ(株)製、T5650J、数平均分子量800)を2400g(3モル)、ジメチロールプロピオン酸を603g(4.5モル)、および、モノヒドロキシル化合物として2−ヒドロキシエチルアクリレートを238g(2.6モル)投入した。次いで、ポリイソシアネートとしてイソホロンジイソシアネート1887g(8.5モル)を投入し、撹拌しながら60℃まで加熱して停止し、反応容器内の温度が低下し始めた時点で再度加熱して80℃で撹拌を続け、赤外線吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収スペクトル(2280cm−1)が消失したことを確認して、反応を終了した。その後、固形分が50質量%となるようにカルビトールアセテートを添加した。得られたカルボキシル基含有樹脂の固形分の酸価は、50mgKOH/gであった。
下記表中に記載の配合に従って、参考例および比較例に記載の材料をそれぞれ配合、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールミルにて混練し、各樹脂層を構成する樹脂組成物を調製した。表中の値は、特に断りがない限り、固形分の質量部である。
銅厚18μmの回路が形成されているフレキシブルプリント配線基板を用意し、メックブライトCB−801Yを使用して、前処理を行った。その後、前処理を行ったフレキシブルプリント配線基板に、各樹脂組成物をそれぞれ乾燥後の膜厚が25μmになるように塗布した。その後、熱風循環式乾燥炉にて90℃/30分にて乾燥し、樹脂組成物からなる樹脂層(A)を形成した。
上記で形成された樹脂層(A)上に、各樹脂組成物をそれぞれ乾燥後の膜厚が10μmになるように塗布した。その後、熱風循環式乾燥炉にて90℃/30分にて乾燥し、樹脂組成物からなる樹脂層(B)を形成した。
得られた各積層構造体を、メタルハライドランプ搭載の露光装置(HMW−680−GW20)を用いて、41段のステップタブレット(STOUFFER製 T−4105)を介して500mJ/cm2で露光した。その後、参考例3〜6および比較例3,4については90℃で30分間PEB工程を行ってから、現像(30℃、0.2MPa、1質量%Na2CO3水溶液)を60秒で行って、残存するステップタブレットの段数を感度の指標とした。残存段数が多いほど、感度が良好である。
得られた各積層構造体を、メタルハライドランプ搭載の露光装置(HMW−680−GW20)を用いて、500mJ/cm2で露光した。露光パターンは、幅20/30/40/50/60/70/80/90/100μmのラインを露光するネガ型のマスクを使用した。その後、参考例3〜6および比較例3,4については90℃で30分間PEB工程を行ってから、現像(30℃、0.2MPa、1質量%Na2CO3水溶液)を60秒で行ってパターンを描き、150℃×60分で熱硬化することにより硬化塗膜を得た。得られた硬化塗膜の最小残存ライン幅を、200倍に調整した光学顕微鏡を用いてカウントした。最小残存ライン幅が小さいほど、深部硬化性が良好である。
得られた各積層構造体をメタルハライドランプ搭載の露光装置(HMW−680−GW20)を用いて500mJ/cm2で全面露光した。その後、参考例3〜6および比較例3,4については90℃で30分間PEB工程を行ってから、現像(30℃、0.2MPa、1質量%Na2CO3水溶液)を60秒で行い、150℃×60分で熱硬化することにより、硬化積層構造体を得た。得られた硬化積層構造体を約50mm×約200mmに切断し、円筒型マンドレル試験機(BYKガードナー社,No.5710)を用いて屈曲性評価を行った。樹脂組成物を塗布した面を外側に配置し、直径2mmの芯棒を中心に屈曲させて、変色、クラック発生の有無を評価した。屈曲部に変色、クラックの発生がなかった場合を◎、変色がありクラックの発生がなかった場合を○、クラックが発生した場合を×とした。
得られた各積層構造体をメタルハライドランプ搭載の露光装置(HMW−680−GW20)を用いて、銅上に直径約2mmから5mmの開口が形成されるネガ型マスクを介して500mJ/cm2で露光した。その後、参考例3〜6および比較例3,4については90℃で30分間PEB工程を行ってから、現像(30℃、0.2MPa、1質量%Na2CO3水溶液)を60秒で行い、150℃×60分で熱硬化することにより、硬化積層構造体を得た。得られた硬化積層構造体を、260℃と280℃に加熱した半田槽に漬けて、耐熱性試験を行った。樹脂組成物を塗布した面が半田に触れるように槽に5秒浮かべた後、回収、冷却して樹脂組成物の浮き、剥がれの発生の有無を評価した。280℃で浮き、剥がれの発生がなかった場合を◎、260℃で浮き、剥がれの発生がなく、280℃で浮き、剥がれが発生した場合を○、260℃で浮き、剥がれが発生した場合を×とした。
その評価結果を、下記の表中に併せて示す。
*2)PAI−1:合成例1のポリアミドイミド樹脂
*3)PI−1:合成例2のポリイミド樹脂
*4)BPE−900:エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(新中村化学(株)製)
*5)E1001:ビスフェノールA型エポキシ樹脂,エポキシ当量450〜500(三菱化学(株)製)
*6)E834:ビスフェノールA型エポキシ樹脂,エポキシ当量230〜270(三菱化学(株)製)
*7)IRGACURE OXE02:オキシム系光重合開始剤(BASF社製)
*8)IRGACURE 379:アルキルフェノン系光重合開始剤(BASF社製)
*9)カルボキシル基含有ウレタン樹脂:合成例3の樹脂
*10)E828:ビスフェノールA型エポキシ樹脂,エポキシ当量190,質量平均分子量380(三菱化学(株)製)
下記表中に記載の配合に従って、実施例および比較例に記載の材料をそれぞれ配合、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールミルにて混練することにより、各樹脂層を構成する樹脂組成物を調製し、上記参考例1等と同様にして、樹脂層(A)および樹脂層(B)の形成を行った。表中の値は、特に断りがない限り、固形分の質量部である。
得られた各積層構造体を、メタルハライドランプ搭載の露光装置(HMW−680−GW20)を用いて、500mJ/cm2で露光した。露光パターンは、幅30/40/50/60/70/80/90/100μmのラインを描くパターン、および、300μmの開口を開けるパターンとした。その後、90℃で30分間PEB工程を行ってから、現像(30℃、0.2MPa、1質量%Na2CO3水溶液)を60秒で行ってパターンを描き、150℃×60分で熱硬化することにより硬化塗膜を得た。得られた硬化塗膜について、200倍に調整した光学顕微鏡を用いて、最小残存ライン幅をカウントし、開口サイズ(設計値300μm)を測定するとともに、開口形状を写真撮影した。最小残存ライン幅が小さいほど、深部硬化性が良好である。その結果を、下記の表中および図3(a)〜(i)にそれぞれ示す。
上記基材上の硬化塗膜に対し、市販の無電解金めっき浴を用いて、ニッケル0.5μm、金0.03μmの条件でめっきを行い、めっきされた評価基板において、めっきのしみ込みの有無を評価した後、テープピーリングによりレジスト層の剥がれの有無を評価した。判定基準は以下のとおりである。得られた結果を下記表中に示す。
○:染み込み、剥がれが見られない。
△:めっき後に少し染み込みが確認されるが、テープピール後の剥がれは見られない。
×:テープピール後の剥がれがある。
*12)QS−30:4−メトキシ−1−ナフトール(川崎化成工業(株)製)
*13)HCA−HQ:フェノール性水酸基含有リン化合物(三光(株)製)
2 導体回路
3 樹脂層
4 樹脂層
5 マスク
Claims (5)
- 樹脂層(A)と、該樹脂層(A)を介してフレキシブルプリント配線板に積層される樹脂層(B)と、を有する積層構造体であって、
前記樹脂層(B)が、アルカリ溶解性樹脂と、光塩基発生剤としての機能も有する光重合開始剤と、熱反応性化合物とを含む感光性熱硬化性樹脂組成物からなり、かつ、
前記樹脂層(A)が、アルカリ溶解性樹脂と、エチレン性不飽和結合を有する化合物と、熱反応性化合物と、さらに重合禁止剤とを含み、光重合開始剤を含まないアルカリ現像型樹脂組成物からなり、
前記重合禁止剤の配合量が、前記樹脂層(A)に含まれるアルカリ溶解性樹脂100質量部に対して0.05〜100質量部であることを特徴とする積層構造体。 - フレキシブルプリント配線板の屈曲部および非屈曲部のうちの少なくともいずれか一方に用いられる請求項1記載の積層構造体。
- フレキシブルプリント配線板のカバーレイ、ソルダーレジストおよび層間絶縁材料のうちの少なくともいずれか1つの用途に用いられる請求項1記載の積層構造体。
- 請求項1記載の積層構造体の少なくとも片面が、フィルムで支持または保護されていることを特徴とするドライフィルム。
- フレキシブルプリント配線板上に請求項1記載の積層構造体の層を形成し、光照射によりパターニングし、現像液にてパターンを一括して形成してなる絶縁膜を有することを特徴とするフレキシブルプリント配線板。
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