JP6576250B2 - 医療用の穿刺針及び穿刺針の製造方法 - Google Patents

医療用の穿刺針及び穿刺針の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、医療用の穿刺針及び穿刺針の製造方法に関する。
従来、採血針や輸液用の留置針などの医療用の穿刺針としては、穿刺針を人体へ穿刺する際の痛みを軽減するため、穿刺針の長手方向に対して角度の異なる複数の刃面を有する先端部を備えるものが知られている。
特許文献1には、このような穿刺針としての注射針が開示されている。特許文献1の注射針は、円筒状の本体の尖端部を、何れか一方から斜めに切除してテーパー状の尖端部を形成した注射針であり、円筒状の本体の外周から接続し且つ本体の軸線方向(長手方向)に対して所定の角度で形成された第1の傾斜面と、この第1の傾斜面に接続し且つ本体の軸線方向に対する角度が第1の傾斜面よりも大きな角度で形成された第2の傾斜面と、この第2の傾斜面に接続し且つ刃先と接続し且つ本体の軸線方向に対する角度が当該第2の傾斜面よりも大きな角度で形成された第3の傾斜面と、を備えている。
特開2000−262615号公報
特許文献1の注射針のように、長手方向に対する角度が異なる複数の傾斜面を接続した先端部とすることにより、注射針を人体へ穿刺する際の痛みを軽減することができるが、長手方向に対する角度が異なる複数の傾斜面を接続する構成では、複数の傾斜面間の接続部分は稜線を形成するため、注射針を穿刺する際に、この稜線が穿刺抵抗として働き、患者等の痛みを十分に軽減できない可能性がある。
本発明は、上記問題に鑑み、穿刺抵抗として働き得るような、複数の刃面により構成される稜線が、形成され難い刃面形状を備える医療用の穿刺針及び当該穿刺針の製造方法を提供することである。
本発明の第1の態様としての医療用の穿刺針は、針先を含む先端部と、当該先端部と連続し、略円形状の断面外形を有する本体部と、を備え、前記本体部の中心軸線を含む1つの仮想平面を設定した場合に、前記先端部は、前記中心軸線方向において前記針先側に向かうにつれて、前記中心軸線方向に直交する断面における前記仮想平面に対する角度が漸減する、曲面で構成された刃面を備えることを特徴とするものである。
本発明の1つの実施形態として、前記刃面は、交差する稜線により、前記針先を一端とする刃縁を形成する曲面状の第1刃面及び第2刃面を備え、前記中心軸線方向において前記針先側に向かうにつれて、前記第1刃面及び前記第2刃面のうち少なくとも一方の刃面の、前記中心軸線に直交する断面における前記仮想平面に対する角度が漸減することが好ましい。
本発明の1つの実施形態として、前記先端部は、前記第1刃面及び前記第2刃面と連続すると共に、前記中心軸線に対して傾斜する平面で構成される傾斜面を備え、前記仮想平面は、前記傾斜面に垂直で前記中心軸線を含む平面であることが好ましい。
本発明の1つの実施形態として、前記針先は、前記傾斜面に垂直で前記中心軸線を含む前記平面上に位置しないことが好ましい。
本発明の1つの実施形態としての穿刺針は、前記本体部から前記先端部まで連通する中空部を区画しており、前記先端部において、前記第1刃面の内縁及び前記第2刃面の内縁は、前記中空部の前記中心軸線方向における一端の開口を区画していることが好ましい。
本発明の1つの実施形態として、前記中心軸線方向における単位長さ当りの前記角度の角度変化量は、一定であることが好ましい。
本発明の第2の態様としての医療用の穿刺針の製造方法は、横断面の外形が略円形状の線状部材を、当該線状部材の中心軸線を中心に一方向に回転させると共に当該中心軸線方向に対して所定角度だけ傾斜する一方向に移動させながら、ワイヤーカットによって、前記線状部材の一端部に刃面を形成することを特徴とするものである。
本発明の1つの実施形態として、前記刃面を第1刃面とした場合に、前記線状部材を、前記中心軸線を中心に前記一方向とは逆方向に回転させると共に前記中心軸線方向に対して前記所定角度傾斜した前記一方向又は当該一方向の逆方向に移動させながら、ワイヤーカットによって、前記一端部のうち前記第1刃面とは異なる位置に第2刃面、及び、前記第1刃面と前記第2刃面とが交差する稜線で構成される、針先を有する刃縁、を形成することが好ましい。
本発明によれば、穿刺抵抗として働き得るような、複数の刃面により構成される稜線が、形成され難い刃面形状を備える医療用の穿刺針及びこのような穿刺針の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態としての穿刺針を示す図であり、図1(a)は上面側の平面図、図1(b)は側面図、図1(c)は下面側の平面図、図1(d)は斜視図である。 図2(a)、(b)は、図1(a)、(b)の一部を拡大した拡大図である。 図3(a)、(b)、(c)は、それぞれ、図2におけるI−I断面図、II−II断面図、III−III断面図である。 本発明に適用可能な第1刃面、第2刃面、及び傾斜面のうち、図1に示す第1刃面、第2刃面、及び傾斜面とは異なる形状のものを示す図である。 本発明の一実施形態としての穿刺針を示す図である。図5(a)は上面側の平面図、図5(b)は図5(a)のIV−IV断面図、図5(c)は図5(a)のV−V断面図、図5(d)は図5(a)のVI−VI断面図である。 本発明の一実施形態としての穿刺針を示す図である。図6(a)は上面側の平面図、図6(b)は図6(a)のVII−VII断面図、図6(c)は図6(a)のVIII−VIII断面図、図6(d)は図6(a)のIX−IX断面図である。 本発明の一実施形態としての穿刺針を示す図である。図7(a)、(b)、(c)及び(d)は、上面側の平面図、側面図、下面側の平面図、及び斜視図である。 本発明の一実施形態としての、穿刺針の製造方法を示す工程図である。 図8に示す穿刺針の製造方法のプレス成形工程を示す図である。 図8に示す穿刺針の製造方法のプレス成形工程を示す図である。 図8に示す穿刺針の製造方法のプレス成形工程を示す図である。 図8に示す穿刺針の製造方法のプレス成形工程を示す図である。 図8に示す穿刺針の製造方法の分離工程を示す図である。 図8に示す穿刺針の製造方法の刃面形成工程を示す図である。図14(b)は、図14(a)のX−X断面図である。 本発明の一実施形態としての穿刺針の上面側の平面図である。
以下、本発明に係る医療用の穿刺針及びこの穿刺針の製造方法の実施形態について、図1〜図15を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
<実施形態1>
まず、本発明に係る医療用の穿刺針の一実施形態としての穿刺針1について説明する。図1は、穿刺針1を示す図である。具体的に、図1(a)は、穿刺針1の上面側の平面図、図1(b)は、穿刺針1の側面図、図1(c)は、穿刺針1の下面側の平面図を示すものである。図1(d)は、穿刺針1の斜視図である。
図1(a)〜(d)に示すように、穿刺針1は、本体部2と、先端部3とを備え、本体部2から先端部3まで連通する中空部10を区画している。
本体部2は、先端部3と連続し、略円形状の断面外形を有する管体である。なお、ここで言う「断面外形」の「断面」とは、本体部2の中心軸線Oと直交する断面を意味している。
図1(a)〜(d)に示すように、先端部3は、曲面で構成される刃面としての第1刃面5及び第2刃面6と、平面で構成される刃面としての傾斜面(第3刃面)7と、を備えている。また、第1刃面5及び第2刃面6は、これらが交差する稜線により、針先8を一端とする刃縁9を形成している。なお、「針先」とは、本体部2の中心軸線Oの軸線方向A(以下、単に「中心軸線方向A」と記載する。)における先端を意味する。
具体的に、傾斜面7は、中心軸線方向Aにおける本体部2側で本体部2の外周面と連続し、中心軸線方向Aにおける針先8側で第1刃面5及び第2刃面6と連続する、中心軸線方向Aに対して傾斜する平面である。
第1刃面5及び第2刃面6は、中心軸線方向Aにおける本体部2側で傾斜面7とそれぞれ連続し、針先8側で互いに交差することにより稜線を形成、すなわち刃縁9を形成している。また、本実施形態における第1刃面5及び第2刃面6は、中空部10の先端部3側の一端である開口11を区画している。
ここで、図1(b)の側面図から分かるように、第2刃面6は、中心軸線方向Aにおける位置により、中心軸線方向Aに直交する断面における角度が変化する。具体的には、図1(b)において、中心軸線方向Aにおける第2刃面6と傾斜面7とが連続する位置では、第2刃縁6の外縁しか視認できないが、中心軸線方向Aにおいて刃縁9が形成されている位置では、第2刃面6を視認することができる。すなわち、第2刃面6は、例えば螺旋面のような、中心軸線方向Aにおいて、傾斜面7と連続する位置から針先8に向かって捩れるように延在する曲面で構成されている。なお、第1刃面5についても、第2刃面6と同様、中心軸線方向Aにおいて、傾斜面7と連続する位置から針先8に向かって捩れるように延在する曲面で構成されている。
換言すれば、本体部2の中心軸線Oを含む1つの仮想平面を設定した場合に、先端部3は、中心軸線方向Aにおいて針先8側に向かうにつれて、中心軸線方向Aに直交する断面における上記1つの仮想平面に対する角度θが漸減する、曲面で構成される第1刃面5及び第2刃面6を備えている(図3等参照)。つまり、本実施形態としての穿刺針1は、このような1つの仮想平面を定義可能な穿刺針である。
なお、本実施形態の穿刺針1では、上述の「仮想平面」として定義可能な平面を複数有するため、ここでは、説明の便宜上、傾斜面7に垂直で中心軸線Oを含む平面X(以下、単に「中心平面X」と記載する。)を、上記「仮想平面」として定義する。但し、例えば、刃縁9及び中心軸線Oを含む平面(本実施形態の場合には中心平面Xと同じ平面)などを上記「仮想平面」として定義することも当然可能である。また、このような仮想平面が1つでも定義可能であればよく、本実施形態のように複数存在する構成に限られるものではない。
第1刃面5及び第2刃面6の曲面形状についての詳細は後述する(図3等参照)。
ここで、本願における「先端部」とは、穿刺針のうち刃面が形成されている一端部を意味し、「本体部」とは、穿刺針のうち刃面が形成されていない部分を意味する。従って、本実施形態における先端部3は、穿刺針1を構成する一体の棒状部材のうち、中心軸線方向Aにおいて第1刃面5、第2刃面6、及び傾斜面(第3の刃面)7が形成されている部分である。また、本実施形態における本体部2は、穿刺針1を構成する一体の棒状部材のうち、中心軸線方向Aにおいて、第1刃面5、第2刃面6、及び傾斜面(第3刃面)7が形成されていない、略円形状の断面外形を有する部分である。
本実施形態における穿刺針1の材料としては、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金等の金属材料を使用することができる。
以下、本実施形態の各構成及び特徴部について詳しく説明する。
[本体部2]
本実施形態の本体部2は、中心軸線方向Aにおいて、内周面の内径及び外周面の外径が一様な管体であり、中心軸線方向Aにおける先端部3側とは反対側の端部は、例えばシリンジなどの医療用器具に接続される。
なお、本実施形態では、穿刺針1全体を構成する棒状部材の内周面(本体部2の内周面及び先端部3の内周面)が中空部10を区画し、棒状部材の内周面の内径及び外周面の外径が中心軸線方向Aにおいて一様な構成であるが、この構成に限られるものではない。例えば、棒状部材の内周面の内径及び棒状部材の外周面の外径が、中央軸線方向Aにおいて、先端部3側に向かって漸減する構成としてもよい(図8〜15参照)。また、例えば、棒状部材の外径を、中心軸線方向Aにおいて先端部3側に向かうにつれて漸減するテーパー形状とし、棒状部材の内径を、中心軸線方向Aにおいて一様な構成とすることもできる。更に、中心軸線方向Aにおける一部の領域に、中心軸線方向Aにおいて先端部3側に向かうにつれて内径が漸減する、又は漸増する部位を設けるなど、穿刺針1を構成する棒状部材の内径及び外径は、穿刺針1の用途等に応じて、各種構成を採用することが可能である。
[先端部3の傾斜面7]
図2(a)、(b)は、それぞれ図1(a)、(b)の先端部3についての拡大図である。図3(a)、(b)、(c)は、それぞれ図2におけるI−I断面図、II−II断面図、III−III断面図を示す。
図2(a)、(b)に示すように、傾斜面7は、中心軸線方向Aに対して傾斜する平面であり、傾斜面7の本体部2側は本体部2の外周面と連続し、傾斜面7の針先8側は第1刃面5及び第2刃面6と連続している。なお、傾斜面7の中心軸線方向Aに対する傾斜角度は、中心軸線Oを含む断面での中心軸線方向Aに対する本体部2の外壁の傾斜角度、よりも大きい。本実施形態では、穿刺針1を構成する棒状部材の外径が中心軸線方向Aにおいて一様な構成であり、中心軸線Oを含む断面で見た場合に、棒状部材の外壁は中心軸線方向Aと平行に延在している。従って、傾斜面7が、中心軸方向Aに対して傾斜していれば、傾斜面7の傾斜角度は、本体部2の外壁の傾斜角度よりも大きくなる。但し、穿刺針1を構成する棒状部材を、その外径が中心軸線方向Aにおいて先端部3側に向かうにつれて漸減又は漸増する構成とする場合には、傾斜面7は、中心軸線方向Aに対して傾斜するのみならず、中心軸線Oを含む断面での本体部2の外壁に対しても傾斜するように構成する。
ここで、本実施形態の傾斜面7における中心軸線方向Aの針先8側の外縁は、図2(a)に示すように、中心軸線方向Aと直交する方向B(以下、単に「直交方向B」と記載する。)に延在している。つまり、傾斜面7と、第1刃面5及び第2刃面6それぞれとの連続位置で形成される稜線12が、直交方向Bに延在している。
また、この稜線12は、中心軸線方向Aにおいて、開口11と隣接した位置に位置する。つまり、図2(a)に示すように、開口11を区画する穿刺針1の内縁のうち中心軸線方向Aの本体部2側の位置は、稜線12の一部である。
なお、図2(a)に示すように、本実施形態の刃縁9は、中心平面X上に延在している。また、刃縁9の一端である針先8についても、中心平面X上に位置している。
[先端部3の第1刃面5及び第2刃面6]
図2(a)に示すように、第1刃面5及び第2刃面6のそれぞれは、中心軸線方向Aにおける本体部2側で、傾斜面7と連続している。より具体的に、第1刃面5及び第2刃面6は、中心平面Xを挟む両側でそれぞれ傾斜面7と連続している。図3(a)はI−I断面、すなわち、中心軸線方向Aにおいて第1刃面5及び第2刃面6と傾斜面7とが接続する位置での、中心軸線方向Aと直交する断面を示す。図3(a)に示すように、I−I断面での第1刃面5及び第2刃面6それぞれの、中心平面Xに対する角度θ1は、90度である。換言すれば、I−I断面において、第1刃面5及び第2刃面6のそれぞれは、中心平面Xと直交する方向に直線状に延在している(稜線12と一致している)。
図3(b)は、II−II断面、すなわち、中心軸線方向Aにおいて開口11がある位置での、中心軸線方向Aと直交する断面を示す。図3(b)に示すように、II−II断面での第1刃面5及び第2刃面6それぞれの、中心平面Xに対する角度θ2は、角度θ1よりも小さい鋭角である。
図3(c)は、III−III断面、すなわち、中心軸線方向Aにおいて刃縁9が形成されている位置での、中心軸線方向Aと直交する断面を示す。図3(c)に示すように、III−III断面での第1刃面5及び第2刃面6それぞれの、中心平面Xに対する角度θ3は、角度θ1よりも小さく、かつθ2よりも小さい鋭角である。
このように、第1刃面5及び第2刃面6は、それぞれ、中心軸線方向Aに直交する断面視において直線であり、本実施形態における第1刃面5及び第2刃面6それぞれの、中心軸線方向Aと直交する断面における中心平面Xに対する角度θは、中心軸線方向Aにおいて針先8側に向かう(針先8に近づく)につれて漸減する。なお、図3(a)〜(c)では、第2刃面6の中心平面Xに対する角度θ1〜θ3をそれぞれ示しているが、第1刃面5の中心平面Xに対する角度も、第2刃面6の角度θ1〜θ3と同じである。また、図3(a)〜(c)の3つの断面は、上記角度θ1、θ2、及びθ3の大小関係を示すために、例示的に用いたものであり、これら3つの断面に限って上記角度θの大小関係が成立するものではない。
従って、本実施形態のように、第1刃面5及び第2刃面6は、傾斜面7との接続位置で、傾斜面7の中心軸線方向Aの針先8側の外縁と大きな段差が形成されないように、傾斜面7と連続することができる(図3(a)参照)。また、本実施形態のように、第1刃面5及び第2刃面6は、中心軸線方向AにおいてI−I断面の位置よりも針先8側に向かうにつれて刃面の対向する向きを変化させて、中心軸線方向Aにおいて開口11よりも針先8側の位置で、互いに交差して刃縁9を形成することができる(図3(b)、(c)参照)。
本実施形態における穿刺針1は、このような曲面形状を有する第1刃面5及び第2刃面6を備えるため、傾斜面7との間に形成される稜線12が、穿刺針1を人体へ穿刺する際に、穿刺抵抗となることを抑制可能である。従って、穿刺針1を人体へ穿刺する際に、穿刺される患者等が感じる痛みを一層軽減することが可能となる。
なお、本実施形態では、中心軸線方向Aにおける単位長さ当りの、第1刃面5及び第2刃面6それぞれの角度θの角度変化量は一定である。このようにすることにより、第1刃面5及び第2刃面6は、傾斜面7との接続位置から針先8に向かって、なだらかに捩れる螺旋面により形成されるため、人体への穿刺時に穿刺抵抗となり得る稜線の形成が一層抑制される。
また、本実施形態では、図2(a)に示すように、第1刃面5の内縁13及び第2刃面6の内縁14が、中空部10の中心軸線方向Aにおける一端の開口11を区画している。本実施形態の開口11は、第1刃面5の内縁13及び第2刃面6の内縁14のみにより区画されているが、このような構成に限られるものではない。例えば、図4に示すように、第1刃面50及び第2刃面60と、傾斜面70との接続位置を、中心軸線方向Aにおいて開口11が位置する領域に設ける構成とし、すなわち、第1刃面50及び傾斜面70の接続位置120aと、第2刃面60及び傾斜面70の接続位置120bとを、直交方向Bにおいて開口11を挟む位置に設ける構成とし、第1刃面50、第2刃面60、及び傾斜面70のそれぞれの縁によって開口11を区画するようにしてもよい。
[先端部3の刃縁9]
刃縁9は、上述したように、第1刃面5及び第2刃面6が交差する稜線により形成される。また、本実施形態の刃縁9は、上述したように、中心平面X上に延在し、刃縁9の一端である針先8についても、中心平面X上に位置する。つまり、本実施形態における穿刺針1は、中心平面Xについて対称な構成を有する中空針である。
本実施形態のように、穿刺針1の先端を鋭くして刃縁9を設ける構成にすると、穿刺針1を人体へ穿刺する際に、刃縁9や、刃縁9近傍の第1刃面5の外縁及び第2刃面6の外縁が、皮膚を切るように働き、穿刺時に皮膚にかかる抵抗を低減することができる。そのため、穿刺針1を穿刺される患者等が感じる痛みを軽減することが可能となる。
ここで、上述したように、第1刃面5及び第2刃面6の角度θ(図3参照)は、中心軸線方向Aにおいて針先8に向かうにつれて小さくなる。これは、中心軸線方向Aにおいて刃縁9が位置する領域であっても同様である。つまり、刃縁9のうち中心軸線方向Aの本体部2側の一端から、刃縁9に沿って針先8に向かうにつれて、角度θは漸減する。そのため、本実施形態の穿刺針1は、中心軸線方向Aにおける刃縁9が延在する領域において角度θが一様な構成と比較して、針先8近傍を鋭く構成することができるため、穿刺針1の穿刺時における患者等の痛みを一層軽減することが可能となる。
更に、本実施形態の刃縁9の全部及び針先8は、中心平面X上に位置する構成であるが、刃縁9の一部又は全部、並びに針先8が、中心平面X上に位置しない構成とすることもできる。以下、実施形態2としてこの構成について説明する。
<実施形態2>
次に、本発明の一実施形態としての穿刺針100について説明する。穿刺針100は、実施形態1における穿刺針1と比較して、刃縁及び針先の構成が相違する。具体的に、実施形態1では、穿刺針1の刃縁9の全部及び針先8が中心平面X上に位置しているのに対して、本実施形態では、穿刺針100の刃縁90の一部及び針先80が、中心平面X上に位置しない。なお、ここでは実施形態1の穿刺針1と相違する構成について主に説明する。
図5は、刃縁90の一部が、中心平面X上にない穿刺針100を示す。具体的に、図5(a)は穿刺針100の上面側の平面図、図5(b)は図5(a)のIV−IV断面図、図5(c)は図5(a)のV−V断面図、図5(d)は図5(a)のVI−VI断面図を示す。
図5(a)に示すように、穿刺針100は、本体部102と、先端部103を備え、本体部102から先端部103まで連通する中空部104を区画している。また、図5(a)〜(d)に示すように、先端部103は、第1刃面51と、第2刃面61と、傾斜面71と、を備えている。また、第1刃面51及び第2刃面61は、これらが交差する稜線により、針先80を一端とする刃縁90を形成している。
図5に示すように、中心軸線方向Aにおいて、刃縁90の本体部102側の一端は、実施形態1の穿刺針1における刃縁9と同様、中心平面X上に位置している。しかしながら、刃縁90は、中心軸線方向Aにおいて針先80側に向かうにつれて、中心平面Xからの距離が漸増するように形成されている。別の言い方をすれば、本実施形態の刃縁90は、中心軸線方向Aにおいて針先80側に向かうにつれて、中心平面Xから直交方向Bの第1刃面51側(図5(a)の上方側)に遠ざかる湾曲刃縁である。そのため、針先80は、中心平面X上に位置しない。なお、本実施形態では、図5(a)に示すように、刃縁90全てを曲線状の湾曲刃縁で構成したが、この構成に限らず、刃縁90全てを直線状の直線刃縁で構成することも可能である。また、刃縁90の一部のみに湾曲部を有する刃縁としてもよい。更に、刃縁90の一部のみに直線部を有する刃縁としてもよい。また更に、本実施形態における刃縁90の、中心軸線方向Aにおける本体部102側の一端は、中心平面X上に位置しているが、中心平面Xと全く交差しないように刃縁を形成することも可能である。
刃縁90及び針先80を図5(a)に示すような構成とすることにより、穿刺針100を針先80から皮膚に当てる際に、皮膚に当たる部分が点ではなく線に近くなるため、皮膚にかかる力が分散される。従って、穿刺針100のように、針先80が中心平面X上に位置しない構成とすれば、実施形態1の穿刺針1のような、針先8が中心平面X上に位置する構成と比較して、鋭い針先が皮膚に触れた際に患者等が感じる鋭い痛みを軽減することができる。
なお、図5(a)に示す穿刺針100における、刃縁90の位置及び形状、並びに針先80の位置は、実施形態1としての穿刺針1の刃縁9の位置及び形状、並びに針先8の位置と異なるが、図5(b)〜(d)に示すように、第1刃面51及び第2刃面61は、穿刺針1の第1刃面5及び第2刃面6と同様、中心軸線方向Aにおいて針先80側に向かうにつれて、中心軸線方向Aに直交する断面における傾斜方向を変化させる曲面である。
具体的に、図5(b)は、IV−IV断面、すなわち、中心軸線方向Aにおいて第1刃面51及び第2刃面61と傾斜面71とが接続する位置での、中心軸線方向Aと直交する断面を示す。図5(b)に示すように、IV−IV断面での第1刃面51及び第2刃面61それぞれの、中心平面Xに対する角度θ4は、90度である。換言すれば、IV−IV断面において、第1刃面51及び第2刃面61のそれぞれは、中心平面Xと直交する方向に直線状に延在している。
図5(c)は、V−V断面、すなわち、中心軸線方向Aにおいて開口111がある領域での、中心軸線方向Aと直交する断面を示す。図5(c)に示すように、V−V断面での第1刃面51及び第2刃面61それぞれの、中心平面Xに対する角度θ5は、角度θ4よりも小さい鋭角である。
図5(d)は、VI−VI断面、すなわち、中心軸線方向Aにおいて刃縁90が形成されている位置での、中心軸線方向Aと直交する断面を示す。図5(d)に示すように、VI−VI断面での第1刃面51及び第2刃面61それぞれの、中心平面Xに対する角度θ6は、角度θ4よりも小さく、かつθ5よりも小さい鋭角である。
このように、第1刃面51及び第2刃面61それぞれの、中心平面Xに対する角度θは、中心軸線方向Aにおいて針先80側に向かうにつれて漸減するように構成される。より具体的には、第1刃面51及び第2刃面61が、中心軸線方向Aに向かうにつれて捩れる螺旋面により構成されている。
但し、図5(a)に示すように、穿刺針100の刃縁90は、中心平面X上に延在しないため、刃縁90の延在方向次第では、第1刃面51又は第2刃面61の角度θが、中心軸線方向Aの針先80側に向かうにつれて漸減しない構成となることも考え得るが、第1刃面51及び第2刃面61の両方の角度θが共に、中心軸線方向Aの針先80側に向かうにつれて漸減しない構成とはならない。つまり、第1刃面51及び第2刃面61のうち少なくとも一方の刃面の角度θは、中心軸線方向Aにおいて針先80側に向かうにつれて漸減するように構成される。なお、図5(b)〜(d)では、例示的に、第2刃面61の角度θをθ4〜θ6として示しているが、第1刃面51の角度θに関しても、中心軸線方向Aの針先80側に向かうにつれて漸減するように構成されている。また、図5(b)〜(d)の3つの断面は、上記角度θ4、θ5、及びθ6の大小関係を示すために、例示的に用いたものであり、これら3つの断面に限って上記角度θの大小関係が成立するものではない。
なお、本実施形態においても、上述した実施形態1の穿刺針1と同様、中心軸線Oを含む1つの仮想平面として中心平面Xを設定して説明しているが、中心軸線Oを含む1つの仮想平面として、例えば、中心軸線Oを含み針先80を通過する平面を設定することも可能である。つまり、中心軸線方向Aに直交する断面での、第1刃面51及び第2刃面61の少なくとも一方の刃面の、中心軸線Oを含み針先80を通過する平面に対する角度は、中心軸線方向Aにおいて針先80側に向かうにつれて漸減するように構成されている。
<実施形態3>
次に、本発明の一実施形態としての穿刺針200について説明する。穿刺針200は、上述した実施形態2の穿刺針100と比較して、中空部を有さない中実針である点で相違している。ここでは、実施形態2の穿刺針100との相違点について主に説明する。
図6(a)〜(d)は、中空部を有さない中実針としての穿刺針200を示す。具体的に、図6(a)は穿刺針200の上面側の平面図、図6(b)は図6(a)のVII−VII断面図、図6(c)は図6(a)のVIII−VIII断面図、図6(d)は図6(a)のIX−IX断面図を示す。
図6(a)に示すように、本実施形態の穿刺針200は、本体部202と、先端部203とを備える。但し、穿刺針200は、本体部202から先端部203まで連通する中空部を区画していない中実針である。図6(a)〜(d)に示すように、先端部203は、第1刃面52と、第2刃面62と、傾斜面72と、を備えている。また、第1刃面52及び第2刃面62は、これらが交差する稜線により、針先82を一端とする刃縁92を形成している。
本実施形態の刃縁92は、傾斜面72の中心軸線方向Aにおける針先82側の外縁から、針先82まで連なった、第1刃面52と第2刃面62との交差する稜線により形成されている。具体的には、図6(a)に示すように、刃縁92は、中心軸線方向Aの本体部202側に位置する直線部204と、この直線部204と連続して中心軸線方向Aにおいて針先82側に位置し、針先82を一端とする湾曲部205と、を備える。直線部204は、中心平面X上に延在している。湾曲部205は、中心軸線方向Aにおいて針先82側に向かうにつれて、中心軸線中心平面Xからの距離(直交方向Bにおける距離)が漸増するように湾曲している。換言すれば、本実施形態の湾曲部205は、中心軸線方向Aにおいて針先82側に向かうにつれて、中心平面Xから直交方向Bの第1刃面52側(図6(a)の上方側)に遠ざかるように延在している。そのため、針先82は、上述した実施形態2の穿刺針100と同様、中心平面X上に位置しない。
なお、本実施形態では、図6(a)に示すように、刃縁92を直線部204と湾曲部205とで構成したが、これに限られるものではなく、刃縁92全てを直線状に構成した直線刃縁とすることも、刃縁92全てを曲線状に構成した湾曲刃縁とすることも可能である。また、中心軸線方向Aにおける直線部204と湾曲部205との位置を逆にすることも可能である。更に、本実施形態の刃縁92における直線部204は、中心平面X上に延在する構成であるが、直線部204の全てが中心平面X上にない、又は直線部204の一部のみが中心平面X上にある構成とすることも可能である。
刃縁92及び針先82を図6(a)に示すような構成とすることにより、上述した実施形態2の穿刺針100と同様、鋭い針先が皮膚に触れた際に患者等が感じる鋭い痛みを軽減することができる。
次に、中心軸線方向Aに直交する断面における第1刃面52及び第2刃面62の、中心平面Xに対する角度θについて説明する。第1刃面52及び第2刃面62は、上述した穿刺針100の第1刃面51及び第2刃面61と同様、中心軸線方向Aにおいて針先82側に向かうにつれて角度θが漸減するように、傾斜方向を変化させる曲面で構成される。
具体的に、図6(b)は、VII−VII断面、すなわち、中心軸線方向Aにおいて第1刃面52及び第2刃面62と傾斜面72とが接続する位置での、中心軸線方向Aと直交する断面を示す。図6(b)に示すように、VII−VII断面での第1刃面52及び第2刃面62それぞれの、中心平面Xに対する角度θ7は、90度であり、同断面において、第1刃面52及び第2刃面62それぞれは、中心平面Xと直交する方向に直線状に延在している。
図6(c)は、VIII−VIII断面を示す。図6(c)に示すように、VIII−VIII断面での第1刃面52及び第2刃面62それぞれの、中心平面Xに対する角度θ8は、角度θ7よりも小さい鋭角である。
図6(d)は、IX−IX断面を示す。図6(d)に示すように、IX−IX断面での第1刃面52及び第2刃面62それぞれの、中心平面Xに対する角度θ9は、角度θ7よりも小さく、かつθ8よりも小さい鋭角である。
このように、第1刃面52及び第2刃面62それぞれの、中心平面Xに対する角度θは、中心軸線方向Aにおいて針先82側に向かうにつれて漸減するように構成される。より具体的には、第1刃面52及び第2刃面62が、中心軸線方向Aに向かうにつれて捩れる螺旋面により構成されている。
なお、図6(b)〜(d)では、例示的に、第2刃面62の角度θをθ7〜θ9として示しているが、第1刃面52の角度θに関しても、中心軸線方向Aの針先82側に向かうにつれて漸減するように構成されている。
但し、第1刃面52及び第2刃面62の角度θが共に、中心軸線方向Aの針先82側に向かうにつれて漸減する構成に限られず、第1刃面52及び第2刃面62のうち少なくとも一方の刃面の角度θが、中心軸線方向Aにおいて針先82側に向かうにつれて漸減するように構成されていればよい。また、本実施形態においても、上述した実施形態2の穿刺針100と同様、中心軸線Oを含む1つの仮想平面として中心平面Xを設定して説明しているが、中心軸線Oを含む1つの仮想平面として、中心軸線Oを含み針先82を通過する平面などの、他の平面を設定することも可能である。
<実施形態4>
次に、本発明の一実施形態としての穿刺針300について説明する。穿刺針300は、実施形態1の穿刺針1が傾斜面7を備える構成であるのに対して、傾斜面7に相当する面を備えない点で、穿刺針1と相違している。ここでは、本実施形態としての穿刺針300と、実施形態1の穿刺針1との相違点について主に説明し、両者で共通する構成に関しては説明を省略する。
図7は、本実施形態の穿刺針300を示す図である。具体的に、図7(a)、(b)、(c)及び(d)は、穿刺針300の上面側の平面図、側面図、下面側の平面図、及び斜視図をそれぞれ示す。
図7(a)〜(d)に示すように、穿刺針300は、本体部302と、先端部303を備え、本体部302から先端部303まで連通する中空部304を区画している。また、図7(a)〜(d)に示すように、先端部303は、第1刃面53と、第2刃面63と、を備えている。また、第1刃面53及び第2刃面63は、これらが交差する稜線により、針先83を一端とする刃縁93を形成している。
本実施形態としての穿刺針300の刃面は、第1刃面53及び第2刃面63から構成されており、上述した実施形態1の穿刺針1における傾斜面7に相当する第3の刃面を備えない。従って、本実施形態における刃縁93は、中心軸線方向Aにおいて開口311に対して刃先83側に位置する第1刃縁93aと、同方向Aにおいて開口311に対して本体部302側に位置する第2刃縁93bと、を備える。換言すれば、第1刃縁93aは、第1刃面53及び第2刃縁63の、中心軸線方向Aにおける針先83側の端部が交差する稜線であり、第2刃縁93bは、第1刃面53及び第2刃縁63の、中心軸線方向Aにおける本体部302側の端部が交差する稜線である。
第1刃縁93aについては、実施形態1における刃縁9と同様であるため、ここでは説明を省略する。
第2刃縁93bは、第1刃縁93aと同様、中心平面X上に延在する直線状の稜線であり、第1刃縁93aの延長線上に位置している。第2刃縁93bは、穿刺針300を人体へ穿刺する際に、第1刃縁93aと同様、皮膚を切り裂くように機能する。すなわち、第2刃縁93bを備える構成とすることにより、穿刺針300を人体へ穿刺する際に、開口311を区画する縁のうち、中心軸線方向Aにおいて本体部302側に位置する縁で、穿刺抵抗が増加してしまうことを抑制することができる。そのため、穿刺針300を穿刺される患者等が感じる痛みを、軽減することができる。
次に、第1刃面53及び第2刃面63の面形状について説明する。第2刃面63は、図7(b)に示すように、中心軸線方向Aの針先83側に向かうにつれて、視認できる範囲が大きくなる。つまり、第2刃面63は、中心軸線方向Aの針先83側に向かうにつれて、捩れるように表面形状を変化させる螺旋面である。なお、図7(b)では第2刃面63のみが視認可能であるが、第1刃面53についても、中心軸線方向Aの針先83側に向かうにつれて、捩れるように表面形状を変化させる螺旋面である。
ここで、本実施形態の穿刺針300は、実施形態1の傾斜面7に相当する面を備えないため、1つの仮想平面として、上述の中心平面Xを定義することができない。そのため、本実施形態では、説明の便宜上、第1刃縁93a及び中心軸線Oを含む平面Yを、1つの仮想平面として設定する。
かかる場合に、中心軸線方向Aに直交する断面における、第1刃面53及び第2刃面63それぞれの、平面Yに対する角度は、中心軸線方向Aの針先83側に向かうにつれて、漸減するように構成されている。
以上のように、本発明としての穿刺針は、様々な具体的構成により実現することが可能であり、上述した実施形態1〜4に示した構成に限られるものではない。ここまで、説明を容易にするため、実施形態2、3、4にかかる穿刺針100、200、300については、既述のいずれかの実施形態との相違点を主に説明したが、実施形態1〜4に記載されている構成を各種組み合わせて別の穿刺針を構成することも当然可能である。例えば、実施形態2では、第1刃面51、第2刃面61、及び傾斜面71の3つの刃面を備える構成を示したが、例えば、実施形態4のように、第1刃面と第2刃面との2つの刃面のみを備える構成とすることも可能である。これは実施形態3の刃面についても同様である。更に、実施形態2の傾斜面71を、実施形態1の説明中で述べたように、第1刃面51及び傾斜面71の接続位置と、第2刃面61及び傾斜面71の接続位置とを、直交方向Bにおいて開口111を挟む位置に設ける構成(図4における接続位置120a、120bの位置関係と同様の構成)とすることも可能である。また更に、実施形態4の針先83の位置を、実施形態2、3の穿刺針100、200のように、中心平面X上に位置させないような構成とすることも可能である。このように、各実施形態で記載される構成を組み合わせて、新たな穿刺針を構成することは、本発明の技術的範囲に属するものである。
<実施形態5>
最後に、本発明の一実施形態として、穿刺針1´を製造する製造方法について説明する。図15は、穿刺針1´の上面側の平面図を示す。ここで製造方法を説明する穿刺針1´は、本発明の一実施形態であって、上述の実施形態1として説明した穿刺針1と比較して、穿刺針1´を構成する棒状部材の外径が、先端部側に向かうにつれて漸減する構成である点で構成上相違する。穿刺針1´と、実施形態1としての穿刺針1とは、この相違点以外は同様であるため、ここでは説明を省略する。なお、図15では、実施形態1の穿刺針1と共通する部位に、図1(a)と共通の付番と、記号“´”(ダッシュ)とを併せて付している。以下、穿刺針1´を製造する製造方法について詳細に説明する。図8は、穿刺針1´の製造工程を示す工程図である。
図8に示すように、穿刺針1´の製造方法は、帯状をなす金属製の板材をプレス成形機に受け入れる受入工程と、このプレス成形機により、板材を連続的にプレス成形し、その板材に一部が繋がった状態の複数の棒状部材15としての管体15aを得るプレス成形工程と(図9〜図12参照)、管体15aの継ぎ目の部分を溶接又は接着剤により接着する接合工程と、管体の中心軸が略直線になるようにその管体15aの形状を矯正する矯正工程と、板材から管体15aを分離する分離工程(図13参照)と、管体15aの少なくとも一方の端部にワイヤー放電加工(ワイヤーカット)により刃面を形成して、穿刺体1を形成する刃面形成工程(図14参照)と、穿刺体1をイオンエッチング加工で研磨する研磨工程と、を有している。
[受入工程]
帯状をなす金属製の板材を図示しないプレス成形機に受け入れる。この場合、移動機構により、プレス成形機に対して板材をその長手方向に沿って移動させ、板材の成形箇所をプレス成形機の成形位置に位置させる。すなわち、まずは、板材のうち後述する展開形状体が打ち抜かれる部位を、プレス成形機の展開形状体の打ち抜きを行う後述する打ち抜き部の位置に配置させる。なお、板材の材料としては、上述した穿刺針1の材料と同様に、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金等の金属材料が挙げられる。
[プレス成形工程]
プレス成形工程は、プレス成形機により、板材から、管体15aを展開した形状をなす展開形状体を板材に一部が繋がった状態で打ち抜く第1工程と、プレス成形機により、この展開形状体を少なくとも1回、凸型と凹型とを用いて湾曲させ、管状に成形して、板材に一部が繋がった状態の管体15aを得る第2工程とを有している。図12に示すように、この管体15aは、本実施形態では、内径及び外径が、その一端において最大、他端において最小であり、この一端から他端に向かって漸減している。
プレス成形機として、図9〜図12に示すように、板材16から、管体15aを展開した形状をなす展開形状体17を板材16に一部が繋がった状態で機械的に打ち抜く、打ち抜き部と、この打ち抜き部により打ち抜かれた展開形状体17を、凹型(金型)18と凸型(金型)19とを用いて湾曲させる第1の曲げ部20と、この第1の曲げ部20により湾曲させられた展開形状体17を、凹型(金型)21と凸型(金型)22とを用いて更に湾曲させる第2の曲げ部23と、この第2の曲げ部23により湾曲させられた展開形状体17を、管体15aの外形に対応した形状の一対の凹型(金型)24及び25を用いて更に湾曲させ、管状に成形する第3の曲げ部26と、を有する連続プレス成形機を用いる。
なお、本実施形態では、管体15aの径が大きい方の端部を板材16に接続する接続部27が図中下側に向かって変形することにより、管体15aの径の大きい方の端部が図中下側に所定量移動し、これにより、管体15aの中心軸線と、板材16の表面とが略平行になるようにしてもよい。また、管体15aの径の小さい方の端部を板材16に接続する接続部27が図中内側に向かって変形することにより、管体15aの径の小さい方の端部が図中上側に所定量移動し、かつ、管体15aの径の大きい方の端部が図中下側に所定量移動し、これにより、管体15aの中心軸線と、板材16の表面とが略平行になるようにしてもよく、また、本実施形態では、第3の曲げ部26が、凹型24と凹型25との間に位置し、管体15aの内形に対応した形状の中子(金型)を更に有しており、この中子が管体15aの中空部に位置するように配置して、展開形状体17をプレス加工して湾曲させ、管状に成形してもよい。また、本実施形態では、板材16から展開形状体17を打ち抜く方法として機械的に打ち抜く方法を用いているが、これに限らず、例えば、レーザー等を用いて打ち抜く方法を採用してもよい。
[接合工程]
接合工程では、各管体15aの継ぎ目28の部分(図12参照)を溶接又は接着剤により接合する。これにより、管体15aの継ぎ目28の部分が液密かつ強固に接合される。この場合、溶接と接着剤による接着とでは、管体15aが金属製であることと、管体15aの外径が比較的小さいこととから、溶接が好ましい。そして、溶接の際は、母材を含めた接合部(継ぎ目28の部分)を溶融して溶接することが好ましい。
溶接には、各種の溶接(溶接法)を用いることができるが、例えば、炭酸ガスレーザ溶接、YAGレーザ溶接、エキシマレーザ溶接等のレーザ溶接が好ましく、これらのうちでは、安価であり、かつ、微細加工に適した炭酸ガスレーザ溶接又はYAGレーザ溶接が特に好ましい。
[矯正工程]
矯正加工では、各管体15aの中心軸線が略直線になるように各管体15aの形状を矯正する。この場合、例えば、所定距離離間して配置された一対のローラを用い、管体15aをその一対のローラの間に配置して通過させる。これにより、管体15aは、その中心軸が略直線になるようにローラ間で抑え付けられ、矯正される。なお、本実施形態とは異なる方法により矯正工程を実行してもよい。
[分離工程]
分離工程では、板材16から各管体15aを順次分離する。この場合、管体15aは、その管体15aと一対の接続部27との境界部において分離される。板材16から管体15aを分離する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、機械的に切断しても、レーザー等を用いて切り離してもよい。また、分離工程では、管体15aの分離と略同時または管体15aの分離後に、各管体15aを仮固定し、管体15a同士の位置関係を保持する。この仮固定は、本実施形態では、図13に示すように、管体15aの両端部を一対の粘着テープ(仮固定部材)29に貼り付けることで行う(管体15aの長手方向の中央部を除く少なくとも1箇所を粘着テープ29に貼り付けることにより行う)。
仮固定された隣り合う管体15aの間隔は、特に限定されず(間隔が無くてもよい)、諸条件に応じて適宜設定されるが、板材16に一部が繋がった状態の隣り合う管体15aの間隔よりも小さく設定されることが好ましい。これにより、各管体15aを密に配置することができ、次工程(刃面形成工程)において、同時に、多数の管体15aに対して、刃面を形成することができ、これにより生産性を向上させることができる。この仮固定における隣り合う管体15aの間隔は、粘着テープ29の移動量(送りピッチ)を調整することにより、任意に調整することができる。例えば、仮固定における隣り合う管体15aの間隔を、板材16に一部が繋がった状態の隣り合う管体15aの間隔よりも小さくするには、1つ前の管体15aが粘着テープ29に貼り付いてから次の管体15aが粘着テープ29に貼り付くまでの粘着テープ29の移動量を、板材16に一部が繋がった状態の隣り合う管体15aのピッチ(1つ前の管体15aが分離されてから次の管体15aが分離されるまでの板材16の移動量)よりも小さく設定する。
[刃面形成工程]
刃面形成工程では、線状部材15としての各管体15aの少なくとも一方の端部に刃面を形成して、針先を形成することによって、穿刺針1´を形成する。この場合、管体15a同士の位置関係を保持した状態で、各管体15aに対して同時に刃面を形成する。このように、管体15a同士の位置関係を保持した状態で刃面を形成するので、容易、確実かつ正確に、刃面を形成することができ、また、各管体15aに対して同時に刃面を形成するので、生産性を向上させることができる。
本実施形態では、刃面形成工程において、各管体15aをその長手方向の略中央部において保持して、管体15a同士の位置関係を保持する。すなわち、図14に示すように、各管体15aの略中央部を把持(保持)する長尺状の一対の把持部(保持部)30を有する保持機構31により、一対の粘着テープ29に貼り付けられて仮固定されている管体15a同士の位置関係をそのまま保持する。そして、各管体15aの一方(図14(a)の中上側)の端部の粘着テープ29に貼り付けられていない部位に第1刃面5´、第2刃面6´、及び傾斜面(第3の刃面)7´を備える先端部3´を形成する(図15参照)。これにより、各粘着テープ29は、先端部3´が形成された穿刺針1´から除去される。なお、他方(図14(b)中下側)の端部の粘着テープ29に貼り付けられていない部位にも刃面を形成するように加工してもよい。
この先端部3´の刃面の形成方法、すなわち、第1刃面5´、第2刃面6´、及び傾斜面7´の形成方法としては、ワイヤーカット放電加工のようなワイヤーカット加工を用いる。係る形成方法によれば、所望の形状の刃面を有する先端部を、容易かつ確実に形成することができる。
ここで、本実施形態の、第1刃面5´、第2刃面6´、及び傾斜面7´を形成する方法の詳細を説明する。本実施形態では、まず、傾斜面7´をワイヤーカットによって形成する。具体的には、横断面の外形が略円形状の線状部材15としての管体15aを、ワイヤーに対して、中心軸線方向A(図15参照)と所定角度傾斜した一方向に移動させることにより、傾斜面7´を形成する。なお、ここの所定角度は、中心軸線方向Aに対する傾斜面7´の角度により決定される。
次に、傾斜面7´を形成している状態のワイヤーが、開口11´(図15参照)の縁まで到達したときに(穿刺針1´が完成した状態で稜線12´(図15参照)となる位置に到達したときに)、線状部材15を、線状部材15の中心軸線O(図15参照)を中心に一方向に回転させると共に、傾斜面7´を形成した際に移動させた方向と同方向である、中心軸線方向Aに対して所定角度傾斜した一方向に移動させながら、ワイヤーカット加工によって、線状部材15の一端部に第1刃面5´を形成する。
つまり、傾斜面7´を形成する際は、線状部材15は中心軸線Oを中心として回転させず、単に中心軸線方向Aに対して所定角度傾斜した一方向に、所定の一定速度で移動させる。そして、ワイヤーが、傾斜面7の形成が完了する所定位置まで到達すると、中心軸線方向Aに対して所定角度傾斜した一方向への一定速度での移動に加えて、中心軸線Oを中心とした周方向への回転を開始することにより、傾斜面7´に続けて第1刃面5´を形成する。なお、本実施形態では、棒状部材15を反時計回りに回転させることにより第1刃面5´を形成している。また、棒状部材15の回転は、所定の一定回転速度で行う。
このように、本実施形態では、傾斜面7´と第1刃面5´とを、1回のワイヤーカット処理により形成することができる。
更に、本実施形態では、線状部材15を、中心軸線Oを中心に逆方向(本実施形態では時計回り方向)に回転させると共に、中心軸線方向Aに対して所定角度傾斜した上述の一方向又はこの一方向の逆方向に移動させながら、ワイヤーカット加工によって、一端部のうち第1刃面5´とは異なる位置に第2刃面6´を形成する。また更に、第2刃面6´を形成すると共に、第1刃面5´と第2刃面6´とが交差する稜線で構成される、針先8´を有する刃縁9´を形成する。なお、線状部材15の、中心軸線方向Aに対して所定角度傾斜した一方向又はこの一方向の逆方向への移動は、第1刃面5´を形成する際の速度と等しい速さにより行う。また、線状部材15の、中心軸線Oを中心とした回転は、第1刃面5´を形成する際の回転速度と等しい速さにより行う。
具体的に、上述の傾斜面7´及び第1刃面5´を形成した第1ワイヤーカット処理後に、第2ワイヤーカット処理として、第2刃面6´を形成する。第2刃面6´を形成する際には、第1刃面5´と第2刃面6´とが交差する稜線で構成される刃縁9´を同時に形成することで、第1及び第2ワイヤーカット処理の2回のカットで、穿刺針1´の先端部3´の全刃面を形成することができるため、先端部3´の刃面形成工程にかかる時間を短縮することができる。
ここで、第2刃面6´を形成する第2ワイヤーカット処理は、以下の2つの方法のいずれかにより実行することができる。第1の方法は、第2刃面6´を、刃先8´側から傾斜面7´側に向かって形成する方法であり、第2の方法は、第2刃面6´を、傾斜面7´側から刃先8´側に向かって形成する方法である。
上述の第1の方法を用いる場合には、第2ワイヤーカット処理として、線状部材15を、中心軸線Oを中心に時計回り方向に回転させると共に、中心軸線方向Aに対して所定角度傾斜した上述の一方向とは逆方向に移動させて第2刃面6´を形成する。上述の第2の方法を用いる場合には、第2ワイヤーカット処理として、線状部材15を、中心軸線Oを中心に時計回り方向に回転させると共に、中心軸線方向Aに対して所定角度傾斜した上述の一方向と同方向に移動させて第2刃面6´を形成する。なお、第1の方法は、第1ワイヤーカット処理後に、続けて第2ワイヤーカット処理を実行することができるため、第2の方法よりも効率的である。
なお、本実施形態では、ワイヤーカット加工のために、ワイヤーに対して線状部材15としての管体15aを移動させる方法を説明したが、ワイヤーを線状部材15に対して移動させるような方法を採用してもよい。但し、線状部材15を移動させてワイヤーカット加工する方が、作業が容易であるためより好ましい。
[研磨工程]
研磨工程では、第1刃面5´、第2刃面6´、及び傾斜面7´が形成された先端部3´を備える穿刺針1´を研磨する。研磨方法としては、穿刺針1´を、真空雰囲気下でプラズマイオンガスを用いて、アルゴンを媒体としてイオンエッチング加工を行う。かかる研磨方法によれば、ワイヤー放電加工時に生じるバリを溶解気化することができ、所望の形状の第1刃面5´、第2刃面6´、傾斜面7´、針先8´、及び刃縁9´が形成された先端部3´を備える穿刺針1´を、比較的に容易かつ確実に研磨することができる。
また、同時にワイヤー放電加工時に生じる加工面への金属付着などによる汚染も除去することができる。
以上のような工程により穿刺針1´を製造することができる。本実施形態では、穿刺針1´の製造方法について説明したが、実施形態1としての穿刺針1も同様の製造方法により製造することができる。また、実施形態2、4としての穿刺針100、300についても、同様の方法を利用することにより製造することが可能である。但し、針先80、82が、中心平面X上に位置しない構成であるため、上述の刃面形成工程において、第1刃面を形成する際の管体15aの移動速さや回転速さを、第2刃面を形成する際の管体15aの移動速さや回転速さと、異なるようにすることにより、非対称刃面を形成してもよい。
また、実施形態3としての穿刺針200については、中実針であるため、上述の受入工程、プレス成形工程(図9〜図12参照)、接合工程、矯正工程、分離工程(図13参照)については必要ない。従って、穿刺針200は、中実の棒状部材15に対して、上述の刃面形成工程(図14参照)と、研磨工程とを行うことにより製造することができる。
本発明は、医療用の穿刺針及び穿刺針の製造方法に関する。
1、1´、100、200、300:穿刺針
2、102、202、302:本体部
3、3´、103、203、303:先端部
5、5´、50、51、52、53:第1刃面(刃面)
6、6´、60、61、62、63:第2刃面(刃面)
7、7´、70、71、72、73:傾斜面(刃面)
8、8´、80、82、83:針先
9、9´、90、92、93:刃縁
10、104、304:中空部
11、11´、111、311:開口
12、12´:稜線
120a、120b:接続位置
13:第1刃面の内縁
14:第2刃面の内縁
15:棒状部材
15a:管体
16:板材
17:展開形状体
18:第1の曲げ部の凹型(金型)
19:第1の曲げ部の凸型(金型)
20:第1の曲げ部
21:第2の曲げ部の凹型(金型)
22:第2の曲げ部の凸型(金型)
23:第2の曲げ部
24、25:第3の曲げ部の一対の凹型(金型)
26:第3の曲げ部
27:接続部
28:継ぎ目
29:粘着テープ(仮固定部材)
30:把持部(保持部)
31:保持機構
204:直線部
205:湾曲部
A:中心軸線方向
B:中心軸線方向と直交する方向(直交方向)
O:中心軸線
X:傾斜面に垂直で中心軸線を含む平面(中心平面)
Y:第1刃縁及び中心軸線を含む平面
θ:中心軸線方向と直交する断面における中心平面に対する角度
θ1〜θ9:中心軸線方向と直交する断面における第2刃面の中心平面に対する角度

Claims (4)

  1. 針先を含む先端部と、当該先端部と連続し、略円形状の断面外形を有する本体部と、を備え、
    前記先端部は、交差する稜線により、前記針先を一端とする刃縁を形成する曲面状の第1刃面及び第2刃面を備え、
    前記先端部の前記刃縁及び前記本体部の中心軸線を含み、前記針先を通過する1つの仮想平面を設定した場合に、前記第1刃面及び前記第2刃面は、前記中心軸線方向において前記針先側に向かうにつれて、前記中心軸線方向に直交する断面における前記仮想平面に対する角度が漸減するように捩れる螺旋面により構成されていることを特徴とする医療用の穿刺針。
  2. 前記先端部は、前記第1刃面及び前記第2刃面と連続すると共に、前記中心軸線に対して傾斜する平面で構成される傾斜面を備え、
    前記仮想平面は、前記傾斜面に垂直で前記中心軸線を含む平面であることを特徴とする請求項に記載の穿刺針。
  3. 前記本体部から前記先端部まで連通する中空部を区画しており、
    前記先端部において、前記第1刃面の内縁及び前記第2刃面の内縁は、前記中空部の前記中心軸線方向における一端の開口を区画していることを特徴とする請求項1又は2に記載の穿刺針。
  4. 前記中心軸線方向における単位長さ当りの前記角度の角度変化量は、一定であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1つに記載の穿刺針。
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