JP6575159B2 - 無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能な無段変速機に関する。
トロイダル型のバリエータ、電動モータ(ハイブリッド用モータ)、遊星歯車機構、エンジン始動用のスタータモータ等を備えた無段変速機が知られている。
このような、無段変速機においては、例えば、ダイレクトモードでは、バリエータの出力軸と無段変速装置の出力軸とがダイレクトモードクラッチにより一体に回転可能に接続され、バリエータの出力軸およびハイブリッド用モータ(電動モータ)の回転力が無段変速機の出力とされる。すなわち、バリエータの出力軸が無段変速機の出力軸に直結されて、バリエータおよびハイブリッド用モータ(電動モータ)の出力がそのまま無段変速機の出力とされることになり、バリエータの変速比のみで出力が行われる。
一方、ローモード(ギアードニュートラルモード:動力循環モード(低速モード))では、遊星歯車機構のキャリアにバリエータの入力軸の回転力が伝達され、太陽ギヤにバリエータの出力軸の回転力およびハイブリッド用モータ(電動モータ)の出力(回転力)が伝達される。そして、これらの回転に基づいて、自転するとともに公転する遊星ギヤの回転に対応してリングギヤが回転し、当該リングギヤがローモードクラッチにより無段変速機の出力軸に接続され、遊星歯車機構からの出力が無段変速機の出力となる。
このギアードニュートラルモードの場合には、無段変速機の変速比を負の値から0を挟んで正の値まで無限大でほぼ連続的に制御を行うことができる。
また、特許文献1には、トロイダル型のバリエータと、電動モータ(ハイブリッド用モータ)とを備えた無段変速機が記載されている。
また、特許文献2には、トロイダル型無段変速機において、低温時にエンジン出力を制限することで、バリエータの破損を防ぐものが記載されている。
また、特許文献3には、トロイダル型無段変速機において、油圧が立ち上がるまでの間は、始動クラッチを締結しないものが記載されている。
また、特許文献4には、トロイダル型無段変速機において、トルクコンバータと前後進切替の遊星歯車機構との間にクラッチを配置し、エンジン始動時の無潤滑もしくは不十分な潤滑状態でトロイダル型無段変速機が駆動されることを防止するものが記載されている。
特開2002−199506号公報 特許第3572393号公報 特開2000−55177号公報 特開平5−280627号公報
ところで、上述したトロイダル型のバリエータ、遊星歯車機構、スタータモータおよびハイブリッド用モータ(電動モータ)備えた無段変速機では、エンジン始動時等の極低温ではトラクションオイル(潤滑油)の粘度が高い。このトラクションオイルは湿式のクラッチの潤滑油としても使用されるため、エンジン始動時等の極低温では、湿式のクラッチ(ダイレクトモードクラッチやローモードクラッチ)を締結していないにもかかわらずクラッチが連れ回ることで、バリエータにイナーシャによるトルクが入力される問題がある。
すなわち、エンジンの始動に伴い、バリエータおよび遊星歯車機構が作動すると、クラッチが回転し、潤滑油の粘性によってクラッチ板が連れ回ろうとするが、このクラッチ板の回転は、その後段のギヤ等(差動装置に繋がるギヤ等)によって阻止されているため、その抵抗が過度なトルクとして、クラッチから出力側ディスクおよび(遊星歯車機構を介して)入力側ディスクにこれらの回転に抵抗するように入力される。つまり、バリエータに、前記後段のギヤ等によるイナーシャによって過度なトルクが入力される。
また、極低温ではトラクションオイルのトラクション係数が大きく低下する問題があるため、従来では、バリエータの入出力側ディスクを、パワーローラを挟み付けるように押圧する押圧装置に設けられる皿ばねの与圧を高く設定することで、トラクション伝達部で発生するグロススリップの防止を行っているが、皿ばねの与圧を高く設定することによる高速巡航時の燃費悪化が問題となっていた。
なお、前記特許文献1には、トロイダル型のバリエータ(変速機)、この変速機の入力軸に連結されたトラクションモータ、変速機の入力軸に連結されたエンジン等を備えたハイブリッド駆動装置が記載されているが、エンジン始動時における上述したような問題点の記載はない。
また、特許文献2には、上述したように、低温時にエンジン出力を制限することで、バリエータの破損を防ぐ旨が記載されているが、エンジン始動時の完爆においては、著しい回転数上昇が発生するため、バリエータ部に過度なトルク入力の虞がある。
また、特許文献3には、上述したように、油圧が立ち上がるまでの間は、始動クラッチを締結しない旨が記載されているが、極低温化ではトラクションオイルの粘度が高いため、クラッチを締結していないにもかかわらずクラッチが連れ回ることで、バリエータに過度なトルクが入力される虞がある。
また、特許文献4には、クラッチが連れ回ることで、バリエータにイナーシャによる過度なトルクが入力される旨の記載はない。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、エンジン始動用のスタータモータ、トロイダル型のバリエータ、エンジンの出力および/またはバリエータの出力が伝達されるギヤ機構、このギヤ機構と出力軸とを断接するクラッチ、前記ギヤ機構に連結された電動モータ等を備えた無段変速機において、バリエータにイナーシャによる過度なトルクが入力されるのを防止できるとともに、トラクション伝達部でのグロススリップの発生を防止できる無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の無段変速機は、エンジン始動用のスタータモータと、エンジン出力を所定の変速比で変換するトロイダル型のバリエータと、前記エンジンの出力および/またはバリエータの出力が伝達されるギヤ機構と、このギヤ機構と出力軸とを断接するクラッチと、前記ギヤ機構に連結された電動モータとを備えた無段変速機において、
前記電動モータは前記スタータモータによるエンジン始動時に、エンジン回転数に同期して、前記バリエータを作動させるように、駆動することを特徴とする。
本発明においては、スタータモータによるエンジン始動時に、エンジン回転数に同期して、電動モータによってバリエータを作動させることによって、バリエータにイナーシャによる過度なトルクが入力されるのを防止できる。つまり、電動モータを駆動すると、その駆動力がギヤ機構を介してバリエータに入力され、この駆動力によって、イナーシャによってバリエータに入力される過度なトルクを相殺できるので、当該過度なトルクの入力を防止できる。
また、バリエータにイナーシャによる過度なトルクが入力されるのを防止できるので、バリエータのトラクション伝達部のグロススリップを防止することができる。このため、皿ばね与圧を低く設定することができるため、高速巡航時の燃費悪化を防止できる。
本発明によれば、クラッチを断にした状態でスタータモータによるエンジン始動時に、エンジン回転数に同期して、電動モータによってバリエータを作動させることによって、バリエータにイナーシャによる過度なトルクが入力されるのを防止できるとともに、トラクション伝達部でのグロススリップの発生を防止できる。
本発明の第1の実施形態に係る無段変速機を説明するもので、そのスケルトン図である。 同、トラニオンを支持する駆動装置の概略構成を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る無段変速機を説明するスケルトン図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は第1の実施の形態の無段変速機を示すスケルトン図である。同図に示すように、無段変速機は、トロイダル型のバリエータ31と、遊星歯車機構32と、エンジン33の始動用のスタータモータ34と、ハイブリッド用モータ(電動モータ)35と備えている。
バリエータ31の入力軸31aには、エンジン33の出力軸が連結され、このエンジン33の動力が入力軸31aに入力され、この入力軸31aによって入力側ディスク40が回転するようになっている。
また、入力軸31aには、当該入力軸31aと一体に回転可能にギヤ36が設けられ、このギヤ36にギヤ37が噛合し、このギヤ37に、遊星歯車機構32のキャリア38と一体に回転可能に設けられたギヤ39が噛合している。したがって、エンジン33の動力は、入力軸31a、ギヤ37,39を介して遊星歯車機構32のキャリア38にも入力されるようになっている。
また、バリエータ31は、入力軸31aと一体に回転可能な入力側ディスク40,40と、図示しないパワーローラを介して入力側ディスク40,40から回転力が伝達される出力側ディスク41とを有する。
この例においては、2枚の入力側ディスク40,40は、パワーローラと油膜を介して接触する凹面(トラクション面)40a,40aどうしが対向するようにして同軸に配置され、その間に出力側ディスク41が同軸に配置されている。出力側ディスク41は2つのディスクが背面どうしを接合して一体となった形状を有し、左右の入力側ディスク40,40の凹面40a,40aにそれぞれ対向し、かつ、パワーローラと油膜を介して接触する一対の凹面(トラクション面)41a,41aを有している。
そして、バリエータ31においては、互いに凹面40a,41aを対向して配置されている入力側ディスク40,40と、出力側ディスク41との間にパワーローラが例えば一対ずつ配置されるとともに傾転可能とされている。そして、パワーローラの傾転角に応じて、パワーローラがその周面を入力側ディスク40の凹面40aの外周側に接触させられるとともに、出力側ディスク41の凹面41aの内周側に接触させられた減速の状態から中立状態を経て入力側ディスク40の凹面40aの内周側に接触させられるとともに、出力側ディスク41の凹面41aの外周側に接触させられた増速の状態まで変速比を無段で連続的に変えられるようになっている。
また、出力側ディスク41の外周部には、バリエータ31の出力ギヤ45が出力側ディスク41と一体に回転可能に設けられている。
そして、出力ギヤ45は、出力軸46に一体に回転可能に設けられたギヤ47と噛み合っており、バリエータ31の出力となる回転力がギヤ47を介して出力軸46に入力されるようになっている。
また、この出力軸46にハイブリッド用モータ35の出力軸が同軸に連結されている。
また、出力軸46は、湿式のダイレクトモードクラッチ(高速用クラッチ)49を介して無段変速装置の出力軸51が接続可能となっている。
また、遊星歯車機構32は、太陽ギヤ54と、当該太陽ギヤ54と噛み合って当該太陽ギヤ54の周囲を自転しながら公転する遊星ギヤ53と、遊星ギヤ53を上述のように自転自在かつ公転自在に支持するキャリア38と、遊星ギヤ53の外側に太陽ギヤ54と同軸上に配置されて、当該遊星ギヤ53と内周側に形成された歯が噛み合って回転するリングギヤ55とを備えている。
そして、上述のようにエンジン33からの回転力が入力軸31a、ギヤ36,37,39を介して、キャリア38に入力されるようになっている。
また、バリエータ31の出力軸46に太陽ギヤ54が設けられ、出力軸46と太陽ギヤ54とは、一体に回転可能となっている。さらに、リングギヤ55は、湿式のローモードクラッチ(低速用クラッチ)56を介して無段変速機の出力軸51に接続されるようになっている。
また、無段変速装置の出力軸51には、当該出力軸51と一体に回転可能に出力ギヤ52が設けられ、当該出力ギヤ52から、ギヤ60、軸61、ギヤ62を介して、駆動力が差動装置63へ伝達され、該差動装置63を介して左右の駆動車軸65,65が駆動されるようになっている。
また、ハイブリッド用モータ(電動モータ)35の出力軸は、上述したように、出力軸46と連結されており、ハイブリッド用モータ(電動モータ)35の出力(駆動力)は、出力軸46、遊星歯車機構32の太陽ギヤ54、遊星ギヤ53、キャリア38、ギヤ39,37,36を介して入力軸31aに入力されるようになっている。
そして、ハイブリッド用モータ(電動モータ)35は、ダイレクトモードクラッチ49およびローモードクラッチ56を断にした状態で、スタータモータ34によるエンジン始動時に、エンジン回転数に同期して、バリエータ31を作動させるように、駆動するようになっている。
上述したように、ハイブリッド用モータ(電動モータ)35の出力(駆動力)は、出力軸46、ギヤ47、出力ギヤ45を介して出力側ディスク41に入力されるとともに、出力軸46、遊星歯車機構32の太陽ギヤ54、遊星ギヤ53、キャリア38、ギヤ39,37,36、入力軸31aを介して入力側ディスク40に入力されるので、これらによる回転数の変化を考慮して、クラッチ49,56を断にした状態でスタータモータ34によるエンジン始動時にハイブリッド用モータ(電動モータ)35を駆動させて、エンジン回転数に同期して、バリエータ31を作動させるようになっている。
このような、無段変速装置においては、ダイレクトモードクラッチ(高速用クラッチ)49を接続するとともに、ローモードクラッチ(低速用クラッチ)56を切断すると、ダイレクトモードとなり、バリエータ31の出力軸46と無段変速装置の出力軸51とがダイレクトモードクラッチ49により一体に回転可能に接続され、バリエータ31の出力軸46およびハイブリッド用モータ(電動モータ)35の回転力が無段変速機の出力とされる。すなわち、バリエータ31の出力軸46が無段変速機の出力軸51に直結されて、バリエータ31およびハイブリッド用モータ(電動モータ)35の出力がそのまま無段変速機の出力とされることになり、バリエータ31の変速比のみで出力が行われることになる。
一方、ダイレクトモードクラッチ(高速用クラッチ)49を切断するとともに、ローモードクラッチ(低速用クラッチ)56を接続すると、ローモード(ギアードニュートラルモード:動力循環モード(低速モード))となる。この例では、遊星歯車機構32のキャリア38にバリエータ31の入力軸31aの回転力が伝達され、太陽ギヤ54にバリエータ31の出力軸46の回転力およびハイブリッド用モータ(電動モータ)35の出力(回転力)が伝達される。そして、これらの回転に基づいて、自転するとともに公転する遊星ギヤ53の回転に対応してリングギヤ55が回転し、当該リングギヤ55がローモードクラッチ56により無段変速機の出力軸51に接続され、遊星歯車機構32からの出力が無段変速機の出力となる。
このギアードニュートラルモードの場合には、無段変速機の変速比を負の値から0を挟んで正の値まで無限大(低速モード時に、入力側ディスク40と出力側ディスク41との間の変速度比の調節に基づいて、入力軸31aを回転させた状態のまま出力軸46を停止させる変速比無限大の状態)を含んでほぼ連続的に制御を行うことができる。
また、上述したダイレクトモードおよびローモードのいずれの場合においても、ハイブリッド用モータ(電動モータ)35の回転数は、入出力側ディスク40,41から計算される変速比が規定変速範囲内になるように制御を行う。
すなわち、入力側ディスク40,40と出力側ディスク41との間の変速比(バリエータ31の変速比)を、変速比検出手段により検出する。この変速比検出手段は、入力側ディスク40および出力側ディスク41の回転速度を検出するための、図示しない入力側、出力側両回転センサと、これら各ディスク40,41の回転速度から変速比を算出する機能を備えた制御器とにより構成されている。
また、スタータモータ34によるエンジン始動時には、ダイレクトモードクラッチ(高速用クラッチ)49およびローモードクラッチ(低速用クラッチ)56を切断したうえで、ハイブリッド用モータ(電動モータ)35は、エンジン回転数に同期して、バリエータ31を作動させるように、駆動する。
つまり、ハイブリッド用モータ(電動モータ)35の出力(駆動力)は、出力軸46、ギヤ47、出力ギヤ45を介して出力側ディスク41に入力されるとともに、出力軸46、遊星歯車機構32の太陽ギヤ54、遊星ギヤ53、キャリア38、ギヤ39,37,36、入力軸31aを介して入力側ディスク40に入力されるので、これらによる回転数の変化を考慮して、ハイブリッド用モータ(電動モータ)35を駆動させて、エンジン回転数に同期して、バリエータ31を作動させる。
このように、本実施の形態によれば、クラッチ49,56を断にした状態でスタータモータ34によるエンジン始動時に、エンジン回転数に同期して、電動モータ35によってバリエータ31を作動させることによって、バリエータ31にイナーシャによる過度なトルクが入力されるのを防止できる。つまり、電動モータ35を駆動すると、その駆動力がギヤ機構(出力軸46、ギヤ47、出力ギヤ45および出力軸46、遊星歯車機構32、ギヤ37,36)を介してバリエータ31に入力されるので、この駆動力によって、イナーシャによってバリエータに入力される過度なトルクを相殺できる。したがって、当該過度なトルクの入力を防止できる。
また、バリエータ31にイナーシャによる過度なトルクが入力されるのを防止できるので、バリエータ31のトラクション伝達部のグロススリップを防止することができる。このため、皿ばね与圧を低く設定することができるため、高速巡航時の燃費悪化を防止できる。
また、ハイブリッド用モータ(電動モータ)35を以下のように制御することによっても、バリエータ31にイナーシャによる過度なトルクが入力されるのを防止できる。
すなわち、図2に示すように、入力側ディスクと出力側ディスクとによって挟持されているパワーローラ11は、トラニオン15によって支持されているが、このトラニオン15の下端部には、駆動ロッド(トラニオン軸)16が設けられている。この駆動ロッド16には、油圧ピストン17が固定されている。そして、油圧ピストン17は駆動シリンダ18内に油密に設けられている。これら油圧ピストン17と駆動シリンダ18とで、トラニオン15を、その軸方向に変位させる駆動装置20を構成している。
そして、変速制御する場合には、駆動装置20によってトラニオン15を軸方向に変位させることで、パワーローラの周面と入力側ディスクおよび出力側ディスクの内側面との当接部に作用する接線方向の力の向きが変化し、これによって、トラニオン15が、軸を中心として、互いに逆方向に揺動(傾転)する。その結果、パワーローラ11の周面と入出力側ディスクの内側面との当接位置が変化し、これによって、入力軸と出力ギヤとの間の回転速度比が変化する、つまり変速制御される。
一方、入力側ディスクから出力側ディスクに動力を伝達する際に、トラニオン15には、それぞれの内側面に支持されたパワーローラ11の周面と各ディスクの内側面との摩擦に伴って軸方向の力が加わる。この力は、所謂2Ftと呼ばれるもので、その大きさは、入力側ディスクから出力側ディスクに伝達する力(トルク)に比例する。そして、このような力2Ftは、駆動装置20により支持される。したがって、トロイダル型無段変速機の運転時に、駆動装置20を構成する油圧ピストン17の両側に存在する一対の20a,20bの圧力差(差圧)は、前記力2Ftの大きさに比例する。
このように変速制御ピストン(油圧ピストン)17の差圧は、変速制御以外に、パワーローラ11にかかる荷重(トルク由来:トラクション力)を支持するためにも使用される。
トラクション力(2Ft)は、下記の式で表すことができる。
2Ft=ピストン(油圧ピストン17)面積×差圧
このため、差圧を制御することによって、バリエータに31に入るトルクを制御することができる。
そして、イナーシャによってバリエータ31に過度なトルクが入力されないように、つまり、変速制御ピストン(油圧ピストン)17の差圧が閾値以下になるように、ハイブリッド用モータ(電動モータ)35を制御することによって、バリエータ31に入るトルクを低減できグロススリップを防止できる。
(第2の実施の形態)
図3は、第2の実施の形態の無段変速機を示すスケルトン図である。この図に示す無段変速機が、図1に示す第1の実施の形態の無段変速機と異なる点は、エンジン33とバリエータ31との間にクラッチ70を設けた点であるので、以下ではこの点について説明し、第1の実施の形態と同一の構成には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
図3に示すように、クラッチ70はエンジン33の出力を入力軸31aに断接可能とする湿式のクラッチである。
本実施の形態では、スタータモータ34によるエンジン始動時にクラッチ70を締結しない状態(断にした状態)にしておき、エンジン回転数に同期してハイブリッド用モータ(電動モータ)35を駆動する。もしくは、変速制御ピストン(油圧ピストン17)の差圧が閾値以下になるようにハイブリッド用モータ(電動モータ)35を制御する。
ハイブリッド用モータ(電動モータ)35の回転数は、入出力ディスクから計算される変速比が規定変速範囲内になるように制御を行う。エンジン33が完爆後でイナーシャによるトルクが十分に低くなり、油温が十分に温まった後にクラッチ70を締結する。
このように、エンジン33が完爆後でイナーシャによるトルクが十分に低くなり、油温が十分に温まった後にクラッチ70を締結するので、バリエータ31のトラクション伝達部のグロススリップを確実に防止することができる。
なお、本実施の形態の無段変速機では、トロイダル型無段変速機(バリエータ31)として図1および図3に示すようなダブルキャビティ式ハーフトロイダル型無段変速機を使用したが、これに限らず、シングルキャビティ式ハーフトロイダル型無段変速機やフルトロイダル型無段変速機を使用したものにも適用できる。
また、本実施の形態では、ギヤ機構を、出力軸46、ギヤ47、出力ギヤ45および出力軸46、遊星歯車機構32、ギヤ37,36等によって構成したが、他のギヤ機構によって構成してもよいし、遊星歯車機構も図1および図3に示すようなものに限らず、他の遊星歯車機構を使用してもよい。
31 バリエータ(トロイダル型無段変速機)
32 遊星歯車機構(ギヤ機構)
12 入力側ディスク
33 エンジン
34 スタータモータ
35 ハイブリッド用モータ(電動モータ)
49 ダイレクトモードクラッチ(クラッチ)
51 出力軸
56 ローモードクラッチ(クラッチ)

Claims (1)

  1. エンジン始動用のスタータモータと、エンジン出力を所定の変速比で変換するトロイダル型のバリエータと、前記エンジンの出力および/またはバリエータの出力が伝達されるギヤ機構と、このギヤ機構と出力軸とを断接するクラッチと、前記ギヤ機構に連結された電動モータとを備えた無段変速機において、
    前記電動モータは前記スタータモータによるエンジン始動時に、前記電動モータの出力を前記ギヤ機構を介して前記バリエータの出力側ディスクおよび入力側ディスクに入力することによって、前記バリエータをエンジン回転数に同期して作動させることを特徴とする無段変速機。
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