JP6575109B2 - リチウムイオン伝導体、電極、電池およびその製造方法、ならびに電子機器 - Google Patents
リチウムイオン伝導体、電極、電池およびその製造方法、ならびに電子機器 Download PDFInfo
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Description
Li1+xM1xTi2-x(PO4)3
(式中、M1はアルミニウム(Al)、スカンジウム(Sc)、インジウム(In)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、ガリウム(Ga)、イットリウム(Y)、およびランタン(La)からなる群から選択される少なくとも1種を表す。xの値は、0≦x≦2.0の範囲内である。)
1.第1の実施形態(リチウムイオン伝導体の例)
1.1 リチウムイオン伝導体の構成
1.2 リチウムイオン伝導体の製造方法
1.3 効果
1.4 変形例
2.第2の実施形態(電池の例)
2.1 電池の構成
2.2 電池の製造方法
2.3 効果
2.4 変形例
3.第3の実施形態(電子機器の例)
3.1 電子機器の構成
3.2 変形例
[1.1 リチウムイオン伝導体の構成]
本技術の第1の実施形態に係るリチウムイオン伝導体は、粉末であり、Ge(ゲルマニウム)、Si(ケイ素)、B(ホウ素)およびP(リン)のうち1種以上と、Li(リチウム)と、O(酸素)とを含んでいる。具体的には、GeO2、SiO2、B2O3およびP2O5のうち1種以上と、Li2Oとを含んでいる。なお、リチウムイオン伝導体の形態は粉末に限定されるものではなく、薄膜やブロックであってもよい。
以下、本技術の第1の実施形態に係るリチウムイオン伝導体の製造方法の一例について説明する。
第1の実施形態に係るリチウムイオン伝導体の粉末は、GeO2、SiO2、B2O3およびP2O5のうち1種以上と、Li2Oとを含み、Li2Oの含有量が20mol%以上75mol%以下である。このため、第1の実施形態に係るリチウムイオン伝導体の粉末は、低温で焼結することができる。したがって、第1の実施形態に係るリチウムイオン伝導体を用いて電極を作製する場合、電極活物質とリチウムイオン伝導体との反応を抑制でき、電池特性の低下を抑制できる。また、電極活物質の種類の選択幅が広がるので、電池設計の自由度が高くなる。また、電池の製造工程における焼成温度(焼結温度)を低温にできるので、電池製造のコストを低減できる。
リチウムイオン伝導体が、Ge、Si、BおよびPのうち2種以上、3種以上または4種全てと、Liと、Oとを含んでいてもよい。具体的には、GeO2、SiO2、B2O3およびP2O5のうち2種以上、3種以上または4種全てと、Li2Oとを含んでいてもよい。
第2の実施形態では、上述の第1の実施形態に係るリチウムイオン伝導体の焼結体を固体電解質として正極、負極および固体電解質層に含む電池について説明する。
本技術の第2の実施形態に係る電池は、いわゆるバルク型全固体電池であり、図2に示すように、正極11と負極12と固体電解質層13とを備え、固体電解質層13は正極11と負極12との間に設けられている。この電池は、電極反応物質であるLiの授受により電池容量が繰り返して得られる二次電池であり、リチウムイオンの吸蔵放出により負極の容量が得られるリチウムイオン二次電池であってもよいし、リチウム金属の析出溶解により負極の容量が得られるリチウム金属二次電池であってもよい。
正極11は、1種類または2種類以上の正極活物質と、固体電解質とを含んでいる正極活物質層である。固体電解質が、結着剤としての機能を有していてもよい。正極11は、必要に応じて導電剤をさらに含んでいてもよい。正極11は、例えば、正極前駆体としてのグリーンシート(以下「正極グリーンシート」という。)の焼成体である。
負極12は、1種類または2種類以上の負極活物質と、固体電解質とを含んでいる負極活物質層である。固体電解質が、結着剤としての機能を有していてもよい。負極12は、必要に応じて導電剤をさらに含んでいてもよい。負極12は、例えば、負極前駆体としてのグリーンシート(以下「負極グリーンシート」という。)の焼成体である。
固体電解質層13は、上述の第1の実施形態に係るリチウムイオン伝導体の焼結体を含んでいる。このリチウムイオン伝導体の焼結体は、例えば、非晶質、結晶質、または非晶質と結晶質とが混在したものである。固体電解質層13は、例えば、固体電解質層前駆体としてのグリーンシート(以下「固体電解質グリーンシート」という。)の焼成体である。
この電池では、例えば、充電時において、正極11から放出されたリチウムイオンが固体電解質層13を介して負極12に取り込まれると共に、放電時において、負極12から放出されたリチウムイオンが固体電解質層13を介して正極11に取り込まれる。
次に、本技術の第2の実施形態に係る電池の製造方法の一例について説明する。この製造方法は、正極前駆体、負極前駆体および固体電解質層前駆体を形成する工程と、これらの前駆体を積層して焼成する工程とを備える。なお、この電池の製造方法では、正極前駆体、負極前駆体および固体電解質層前駆体がすべて、第1の実施形態に係るリチウムイオン伝導体を含んでいる場合を例として説明する。
正極前駆体としての正極グリーンシートを次のようにして形成する。まず、正極活物質と、第1の実施形態に係るリチウムイオン伝導体(固体電解質)と、有機系結着剤と、必要に応じて導電剤とを混合して、原料粉末としての正極合剤粉末を調製したのち、この正極合剤粉末を有機溶剤などに分散させて、正極グリーンシート形成用組成物としての正極スラリーを得る。なお、正極合剤粉末の分散性を向上させるため、分散を数回に分けて行ってもよい。
負極前駆体としての負極グリーンシートを次のようにして形成する。まず、負極活物質と、第1の実施形態に係るリチウムイオン伝導体(固体電解質)と、有機系結着剤と、必要に応じて導電剤とを混合して、原料粉末としての負極合剤粉末を調製したのち、この負極合剤粉末を有機溶剤などに分散させて、負極グリーンシート形成用組成物としての負極スラリーを得る。この負極スラリーを用いる以外のことは上述の「正極前駆体の形成工程」と同様にして、負極グリーンシートを得る。
固体電解質層前駆体としての固体電解質グリーンシートを次のようにして形成する。まず、第1の実施形態に係るリチウムイオン伝導体(固体電解質)と、有機系結着剤とを混合して、原料粉末としての電解質合剤粉末を調製したのち、この電解質合剤粉末を有機溶剤などに分散させて、固体電解質グリーンシート形成用組成物としての電解質合剤スラリーを得る。この電解質合剤スラリーを用いる以外のことは上述の「正極前駆体の形成工程」と同様にして、固体電解質グリーンシートを得る。
上述のようにして得られた正極グリーンシート、負極グリーンシートおよび固体電解質グリーンシートを用いて、次のようにして電池を作製する。まず、固体電解質グリーンシートを挟むように正極グリーンシートと負極グリーンシートとを積層して積層体する。その後、積層体を加熱するとともに、少なくとも積層体の厚さ方向に圧力が加わるように積層体をプレスする。これにより、積層体を構成する各グリーンシートに含まれる有機系結着剤が溶融されるとともに、積層体を構成する各グリーンシート間が密着される。積層体を加熱しながらプレスする具体的な方法としては、例えば、ホットプレス法、温間等方圧プレス(Warm Isostatic Press:WIP)などが挙げられる。
本技術の第2の実施形態では、正極グリーンシート、負極グリーンシートおよび固体電解質グリーンシートに含まれる固体電解質が、第1の実施形態に係るリチウムイオン伝導体、すなわち低温焼結可能なリチウムイオン伝導体である。したがって、正極グリーンシート、負極グリーンシートおよび固体電解質グリーンシートの焼成温度を低温にすることができる。これにより、積層体の焼成工程における正極活物質および負極活物質のダメージを抑制し、電池特性の低下を抑制できる。また、正極活物質および負極活物質の種類の選択幅が広がり、電池設計の自由度が向上する。
上述の第2の実施形態では、正極、負極がそれぞれ正極活物質層、負極活物質層のみにより構成された例について説明したが、正極および負極の構成はこれに限定されるものではない。例えば、図2Aに示すように、正極21が、正極集電体21Aと、この正極集電体21Aの一方の面に設けられた正極活物質層21Bとを備えていてもよい。また、負極22が、負極集電体22Aと、この負極集電体22Aの一方の面に設けられた負極活物質層22Bとを備えるようにしてもよい。この場合、正極活物質層21Bと負極活物質層22Bとが対向するように、正極21と負極22とが固体電解質層13を介して積層される。なお、上述の第2の実施形態と同様の箇所には同一の符号を付して説明を省略する。
第3の実施形態では、第2の実施形態またはその変形例に係る二次電池を備える電子機器について説明する。
以下、図3を参照して、本技術の第3の実施形態に係る電子機器400の構成の一例について説明する。電子機器400は、電子機器本体の電子回路401と、電池パック300とを備える。電池パック300は、正極端子331aおよび負極端子331bを介して電子回路401に対して電気的に接続されている。電子機器400は、例えば、ユーザにより電池パック300を着脱自在な構成を有している。なお、電子機器400の構成はこれに限定されるものではなく、ユーザにより電池パック300を電子機器400から取り外しできないように、電池パック300が電子機器400内に内蔵されている構成を有していてもよい。
電子回路401は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、周辺ロジック部、インターフェース部および記憶部などを備え、電子機器400の全体を制御する。
電池パック300は、組電池301と、充放電回路302とを備える。組電池301は、複数の二次電池301aを直列および/または並列に接続して構成されている。複数の二次電池301aは、例えばn並列m直列(n、mは正の整数)に接続される。なお、図3では、6個の二次電池301aが2並列3直列(2P3S)に接続された例が示されている。複数の二次電池301aが積層型二次電池を構成していてもよい。二次電池301aとしては、第2の実施形態またはその変形例に係る電池が用いられる。
上述の第3の実施形態では、電子機器400が複数の二次電池301aにより構成される組電池301を備える場合を例として説明したが、電子機器400が、組電池301に代えて、一つの二次電池301aのみを備える構成としてもよい。
i イオン伝導率の評価(1)
ii イオン伝導率の評価(2)
iii 焼成時の副反応
iv 焼成時のカーボン焼失
v 全固体電池の充放電特性(1)
vi 全固体電池の充放電特性(2)
(参考例1−1)
まず、Li2OとGeO2とをモル分率でLi2O:GeO2=23.3mol%:76.7mol%となるように混合し、大気中にて加熱溶融した。次に、この溶融物をツインローラで急冷した後、ボールミルで粉砕を行って、固体電解質として非晶質のLi−Ge−O系固体電解質の粉末を得た。次に、得られたLi−Ge−O系固体電解質の粉末を直径10mm、厚さ約1mmの円盤状にペレット成型し、窒素雰囲気下にて550℃で1時間焼成した。その後、ペレットの両面を研磨することにより、目的とする固体電解質層を得た。
Li2OとSiO2とをモル分率でLi2O:SiO2=35.5mol%:64.5mol%となるように混合したこと以外は参考例1−1と同様にして、固体電解質層を得た。
Li2OとB2O3とをモル分率でLi2O:B2O3=42.7mol%:57.3mol%となるように混合したこと以外は参考例1−1と同様にして、固体電解質層を得た。
Li2OとP2O5とをモル分率でLi2O:P2O5=50mol%:50mol%となるように混合したこと以外は参考例1−1と同様にして、固体電解質層を得た。
Li2OとP2O5とをモル分率でLi2O:P2O5=60mol%:40mol%となるように混合したこと以外は参考例1−1と同様にして、固体電解質層を得た。
上述の実施例1−2〜1−5、参考例1−1の固体電解質層の作製工程において、焼成前後のペレットをSEM(Scanning Electron Microscope)観察した。その結果、低温550℃で固体電解質の粉末が焼結されていることが確認された。
評価サンプルとしての固体電解質層の両面に電極として金(Au)を蒸着したのち、温度25℃にて交流インピーダンス測定を行い、コール−コールプロットを作成した。図4A、図4Bにそれぞれ、実施例1−2、1−3の固体電解質層のコール−コールプロットを示す。次に、このコール−コールプロットからリチウムイオン伝導率を求めた。その結果を表1に示す。なお、イオン伝導率は、コール−コールプロットのグラフの半円の直径の長さで評価した。測定装置としてはソーラトロン社製のSolartron 1260/1287を用い、測定周波数を1MHz〜1Hzとした。
(実施例2−1)
まず、Li2OとSiO2とB2O3とをモル分率でLi2O:SiO2:B2O3=70.83mol%:16.67mol%:12.5mol%となるように混合し、大気中にて加熱溶融した。次に、この溶融物をツインローラで急冷した後、ボールミルで粉砕を行って、固体電解質として非晶質のLi−Si−B−O系固体電解質の粉末を得た。次に、得られたLi−Si−B−O系固体電解質の粉末を直径10mm、厚さ約1mmの円盤状にペレット成型し、窒素雰囲気下にて380℃で1時間焼成した。その後、ペレットの両面を研磨することにより、目的とする固体電解質層を得た。
上述の実施例2−1の固体電解質層の作製工程において、焼成前後のペレットをSEM観察した。その結果、低温380℃で固体電解質の粉末が焼結されていることが確認された。
温度−30℃〜80℃の範囲にて交流インピーダンス測定を行う以外は実施例1−2〜1−5、参考例1−1と同様にして、実施例2−1の固体電解質層のリチウムイオン伝導率を求めた。その結果を図5A、図5Bに示す。
(X線回折)
本実施例において、X線回折パターンの測定には、株式会社リガク製のSmartLab(3kw)を用いた。なお、線源としてはCuKαを用いた。
まず、Li2OとSiO2とB2O3とをモル分率でLi2O:SiO2:B2O3=54mol%:11mol%:35mol%となるように混合し、大気中にて加熱溶融した。次に、この溶融物をツインローラで急冷した後、ボールミルで粉砕を行って、固体電解質として非晶質のLi−Si−B−O系固体電解質の粉末を得た。次に、得られたLi−Si−B−O系固体電解質の粉末を直径10mm、厚さ約1mmの円盤状にペレット成型し、窒素雰囲気下にて430℃で1時間焼成した。ペレットの焼成前後のX線回折パターンの測定結果を図6A(焼成前)、図6B(焼成後)に示す。なお、焼成前後のペレットをSEM観察して、上記焼成温度にてLi−Si−B−O系固体電解質の粉末が焼結されていることを確認した。
まず、正極活物質としてのLiCoO2粉末を準備した。このLiCoO2のX線回折パターンの測定結果を図7Aに示す。次に、実施例3−1と同様にしてLi−Si−B−O系固体電解質の粉末を得た。次に、正極活物質としてのLiCoO2粉末とLi−Si−B−O系固体電解質の粉末とを混合して正極合剤粉末を調製した後、この正極合剤粉末を直径10mm、厚さ約1mmの円盤状にペレット成型し、窒素雰囲気下にて430℃で1時間焼成した。ペレットの焼結後のX線回折パターンの測定結果を図7Bに示す。なお、焼成前後のペレットをSEM観察して、上記焼成温度にてLi−Si−B−O系固体電解質の粉末が焼結されていることを確認した。
まず、固体電解質としてLi1.3Al0.3Ti1.7(PO)3粉末を準備した。また正極活物質としてLiMn2O4粉末を準備した。次に、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO)3とLiMn2O4とを混合して正極合剤粉末を調製し後、この正極合剤粉末を直径10mm、厚さ約1mmの円盤状にペレット成型し、アルゴン雰囲気下にて温度830℃で2時間焼成した。ペレットの焼結前後のX線回折パターンの測定結果を図8A(焼成前)、図8B(焼成後)に示す。なお、焼成前後のペレットをSEM観察して、上記焼成温度にてLi1.3Al0.3Ti1.7(PO)3粉末が焼結されていることを確認した。
(実施例4−1)
まず、実施例1−3と同様にして、固体電解質としてLi−B−O系固体電解質の粉末を得た。次に、このLi−B−O系固体電解質の粉末と負極活物質としてのカーボン粉末とを混合して負極合剤粉末を調製した後、この負極合剤粉末を直径10mm、厚さ約1mmの円盤状にペレット成型することにより、負極前駆体を得た。
まず、固体電解質としてLi1.3Al0.3Ti1.7(PO)3を準備した。次に、このLi1.3Al0.3Ti1.7(PO)3と負極活物質としてのカーボン粉末とを混合して負極合剤粉末を調製した後、この負極合剤粉末を直径10mm、厚さ約1mmの円盤状にペレット成型することにより、負極前駆体を得た。
上述のようにして得られた実施例4−1、比較例4−1の負極前駆体の熱重量分析(Thermo Gravimetry Analysis:TGA)および熱機械分析(Thermomechanical Analysis:TMA)を窒素雰囲気下で行った。実施例4−1の負極前駆体の分析結果を図9A、図9Bに示す。また、比較例4−1の負極前駆体の分析結果を図10A、図10Bに示す。なお、図9A、図10A中の縦軸に示した負極の重量は、温度0℃における負極の初期重量に対する負極の重量変化量を百分率で表している。また、図9B、図10B中の縦軸に示した負極の長さは、温度0℃における負極の初期長さに対する負極の長さ変化量を百分率で表している。
(実施例5−1)
[固体電解質層前駆体の作製工程]
まず、Li−Si−B−O系固体電解質の粉末90質量部と、結着剤としてのアクリル樹脂10質量部とを混合して、固体電解質合剤の粉末を調製したのち、その固体電解質合剤の粉末を有機溶剤としてのテルピネオールに分散させて、ペースト状の固体電解質スラリーを得た。なお、Li−Si−B−O系固体電解質の粉末としては、実施例3−1と同様のものを用いた。
まず、負極活物質としてグラファイト粉末45質量部と、固体電解質としてLi−Si−B−O系固体電解質の粉末45質量部と、結着剤としてアクリル樹脂粉末10質量部とを混合して、負極合剤の粉末を調製したのち、その負極合剤の粉末を有機溶剤としてのテルピネオールに分散させて、ペースト状の負極スラリーを得た。なお、Li−Si−B−O系固体電解質の粉末としては、実施例3−1と同様のものを用いた。
まず、固体電解質グルーンシートと負極グリーンシートとを積層して、積層体を温間等方圧プレスにより加圧した。次に、窒素雰囲気下にて430℃で1時間焼成した。これにより、固体電解質層と負極とからなる積層体が得られた。図11A、図11Bに、焼成前後の負極グリーンシートのSEM像を示す。図11A、図11Bから、430℃の低温焼成でLi−B−O系固体電解質の粉末が焼結されていることがわかる。
以下の測定条件により評価サンプルに対して充放電を行い、充放電曲線を求めた。その結果を図11Cに示す。
環境温度:25℃
充放電範囲:0.03V〜2.0V
充放電レート:0.1C
(実施例6−1)
[固体電解質層前駆体および負極前駆体の作製工程]
実施例5−1と同様にして、固体電解質層前駆体としての固体電解質グリーンシートおよび負極前駆体としての正極グリーンシートを得た。
まず、正極活物質としてLiCO2粉末45質量部と、固体電解質としてLi−Si−B−O系固体電解質の粉末45質量部と、結着剤としてアクリル樹脂粉末10質量部とを混合して、正極合剤の粉末を調製したのち、その正極合剤の粉末を有機溶剤としてのテルピネオールに分散させて、ペースト状の正極スラリーを得た。なお、Li−Si−B−O系固体電解質の粉末としては、実施例3−1と同様のものを用いた。
まず、固体電解質グリーンシートを挟むように正極グリーンシートと負極グリーンシートとを積層して、積層体を温間等方圧プレスにより加圧した。次に、窒素雰囲気下にて430℃で1時間焼成した。これにより、正極と負極と固体電解質層とからなる積層体が得られた。図12A、図12Bに、焼成前後の正極グリーンシートのSEM像を示す。図12A、図12Bから、430℃の低温焼成でLi−B−O系固体電解質の粉末が焼結されていることがわかる。
以下の測定条件により評価サンプルに対して充放電を行い、充放電曲線を求めた。その結果を図12Cに示す。
環境温度:25℃
充放電範囲:2.5V〜4.2V
充放電レート:0.1C
(1)
GeO2、SiO2、B2O3およびP2O5のうち1種以上と、Li2Oとを含み、
上記Li2Oの含有量が20mol%以上75mol%以下であるリチウムイオン伝導体。
(2)
上記リチウムイオン伝導体が上記GeO2を含む場合、該GeO2の含有量が80mol%以下であり、
上記リチウムイオン伝導体が上記SiO2を含む場合、該SiO2の含有量が70mol%以下であり、
上記リチウムイオン伝導体が上記B2O3を含む場合、該B2O3の含有量が60mol%以下であり、
上記リチウムイオン伝導体が上記P2O5を含む場合、該P2O5の含有量が50mol%以下である(1)に記載のリチウムイオン伝導体。
(3)
上記Li2Oの含有量が25mol%を超え75mol%以下である(1)または(2)に記載のリチウムイオン伝導体。
(4)
上記リチウムイオン伝導体の焼結温度が、600℃以下である(1)から(3)のいずれかに記載のリチウムイオン伝導体。
(5)
上記リチウムイオン伝導体の焼結温度が、300℃以上500℃以下である(1)から(3)のいずれかに記載のリチウムイオン伝導体。
(6)
GeO2、SiO2、B2O3およびP2O5のうち2種以上と、Li2Oとを含む(1)から(5)のいずれかに記載のリチウムイオン伝導体。
(7)
(1)から(6)のいずれかに記載のリチウムイオン伝導体と、
活物質と
を含む電極。
(8)
上記活物質が、炭素材料を含んでいる(7)に記載の電極。
(9)
上記リチウムイオン伝導体は、焼結されている(7)または(8)に記載の電極。
(10)
上記リチウムイオン伝導体が、非晶質である(7)から(9)のいずれかに記載の電極。
(11)
上記リチウムイオン伝導体が、非晶質と結晶質との混合状態である(7)から(9)のいずれかに記載の電極。
(12)
正極と、負極と、電解質とを備え、
上記負極、上記正極および上記電解質の少なくとも1つが、(1)から(6)のいずれかに記載のリチウムイオン伝導体を含んでいる電池。
(13)
(12)に記載の電池を備え、
上記電池から電力の供給を受ける電子機器。
(14)
正極前駆体、固体電解質前駆体および負極前駆体を積層して積層体を形成し、
上記積層体を600℃以下で焼成する
ことを含み、
上記正極前駆体、上記固体電解質前駆体および上記負極前駆体の少なくとも1つが、GeO2、SiO2、B2O3およびP2O5のうち1種以上と、Li2Oとを含み、
上記Li2Oの含有量が20mol%以上75mol%以下である電池の製造方法。
12、22、32 負極
13 固体電解質層
21A 正極集電体
21B 正極活物質層
22A 負極集電体
22B 負極活物質層
300 電池パック
301 組電池
301a 二次電池
302 充放電回路
400 電子機器
401 電子回路
Claims (12)
- SiO2、B2O3およびP2O5のうち1種以上と、Li2Oとからなり、
上記Li2Oの含有量が20mol%以上75mol%以下であるリチウムイオン伝導体。 - 上記リチウムイオン伝導体が上記SiO2を含む場合、該SiO2の含有量が70mol%以下であり、
上記リチウムイオン伝導体が上記B2O3を含む場合、該B2O3の含有量が60mol%以下であり、
上記リチウムイオン伝導体が上記P2O5を含む場合、該P2O5の含有量が50mol%以下である請求項1に記載のリチウムイオン伝導体。 - 上記Li2Oの含有量が25mol%を超え75mol%以下である請求項1に記載のリチウムイオン伝導体。
- SiO2、B2O3およびP2O5のうち2種以上と、Li2Oとからなる請求項1に記載のリチウムイオン伝導体。
- 請求項1に記載のリチウムイオン伝導体と、
活物質と
を含む電極。 - 上記活物質が、炭素材料を含んでいる請求項5に記載の電極。
- 上記リチウムイオン伝導体は、焼結されている請求項5に記載の電極。
- 上記リチウムイオン伝導体が、非晶質である請求項5に記載の電極。
- 上記リチウムイオン伝導体が、非晶質と結晶質との混合状態である請求項5に記載の電極。
- 正極と、負極と、電解質とを備え、
上記負極、上記正極および上記電解質の少なくとも1つが、請求項1に記載のリチウムイオン伝導体を含んでいる電池。 - 請求項10に記載の電池を備え、
上記電池から電力の供給を受ける電子機器。 - 正極前駆体、固体電解質前駆体および負極前駆体を積層して積層体を形成し、
上記積層体を600℃以下で焼成する
ことを含み、
上記正極前駆体、上記固体電解質前駆体および上記負極前駆体の少なくとも1つが、SiO2、B2O3およびP2O5のうち1種以上と、Li2Oとからなるリチウムイオン伝導体を含み、
上記Li2Oの含有量が20mol%以上75mol%以下である電池の製造方法。
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