JP6571564B2 - エアフィルター濾材 - Google Patents

エアフィルター濾材 Download PDF

Info

Publication number
JP6571564B2
JP6571564B2 JP2016047827A JP2016047827A JP6571564B2 JP 6571564 B2 JP6571564 B2 JP 6571564B2 JP 2016047827 A JP2016047827 A JP 2016047827A JP 2016047827 A JP2016047827 A JP 2016047827A JP 6571564 B2 JP6571564 B2 JP 6571564B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
binder
air filter
filter medium
adsorbent
average particle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016047827A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017158916A (ja
Inventor
結衣 菊池
結衣 菊池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=59854511&utm_source=***_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP6571564(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP2016047827A priority Critical patent/JP6571564B2/ja
Publication of JP2017158916A publication Critical patent/JP2017158916A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6571564B2 publication Critical patent/JP6571564B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Filtering Materials (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)

Description

本発明は、アルデヒド吸着性能を有するエアフィルター濾材に関するものである。
近年、東アジア内陸部の砂漠、乾燥地域からの砂塵(黄砂)や、PM2.5、スギ、ヒノキなどの花粉の飛散、また、インフルエンザ等のウィルスによる感染症の流行が健康へ及ぼす影響から、窓を開けた室内空気の換気に代わり、空気清浄機やエアコンを用いて室内空気を浄化、調温、調湿する生活環境が多く見られる。特に、家庭や職場、自動車などの空間の快適性向上の機能に対する市場要望は強く、空気浄化装置の普及が進んでいるとともに、空気浄化装置に取り付けて使用するエアフィルター濾材には様々な高機能化を要望されている。
室内の家具、自動車の内装、たばこの煙等から発生するホルムアルデヒドやアセトアルデヒドをはじめとする低級アルデヒド類は、いずれも刺激臭を伴う有害なガスである。ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドは、発癌性が疑われている他、シックハウス症候群の原因物質とされ、厚生労働省が濃度指針値を定める13種類の揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds、VOC)に分類されている。
これらの背景から、室内や車内のアルデヒドガス濃度を速やかに低減させ、人やペットの健康を守るため、アルデヒド吸着性能を有するエアフィルター濾材に対するニーズが高まってきた。
さらに、ユーザーの省エネに対する意識は以前に増して高まってきており、エアフィルター濾材の圧力損失の低減化は常に求められている。
例えば、VOC吸着性能を高めるために、平均粒子径1μm以下の粒子を特定のバインダー比率で不織布に担持させた濾材(例えば、特許文献1)が開示されているが、その効果は未だ充分とは言えない。
特開2015−157250号公報
本発明の課題は、アルデヒド吸着性能に優れ、かつ、圧力損失の低いエアフィルター濾材を提供することである。
本発明者が研究した結果、通気性基材と吸着剤とバインダーとを含むエアフィルター濾材において、バインダーの種類によりアルデヒド吸着性能をコントロールすることができ、吸着剤がマイクロメートルオーダーの平均粒子径を持つ多孔質粒子であることによって、より優れたアルデヒド吸着性能を発現することを見出した。
すなわち、本発明は、
(1)通気性基材と吸着剤とバインダーとを含むエアフィルター濾材において、
前記吸着剤が平均粒子径1〜50μmの多孔質粒子であり、前記バインダーが、スチレン−アクリル系樹脂、塩化ビニル−アクリル系樹脂及びシリコーン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種のバインダーであり、前記バインダーが、エマルジョンバインダーであり、その平均粒子径が50nm以上、200nm未満であり、吸着剤に対するバインダーの含有量が5〜60質量%であることを特徴とするエアフィルター濾材、
(2)バインダーがスチレン−アクリル系樹脂であることを特徴とする上記(1)に記載のエアフィルター濾材
ある。
本発明により、アルデヒド吸着性能に優れ、かつ、圧力損失の低いエアフィルター濾材を提供することができる。
以下、本発明のエアフィルター濾材について詳細に説明する。本発明のエアフィルター濾材は、通気性基材と吸着剤とバインダーとを含み、吸着剤が平均粒子径1〜50μmの多孔質粒子であり、バインダーが、スチレン−アクリル系樹脂、塩化ビニル−アクリル系樹脂及びシリコーン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種のバインダーであることを特徴とする。
本発明において、吸着剤である多孔質粒子としては、活性炭、天然及び合成ゼオライト、活性アルミナ、活性白土、セピオライト、酸化鉄などの鉄系化合物、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、シリカ、シリカ−酸化亜鉛複合物、シリカ−アルミナ−酸化亜鉛複合物、複合フィロケイ酸塩など、あるいはこれらの混合物などが挙げられる。これらの多孔質粒子がアミノ化合物で修飾されていることがより好ましい。
本発明における多孔質粒子の平均粒子径について説明する。多孔質粒子の平均粒子径は、1〜50μmであり、3〜20μmであることがより好ましい。多孔質粒子の平均粒子径が1μm未満の場合、塗工液中の多孔質粒子が凝集しやすくなるため、塗工における固形分付着量がばらつくとともに、多孔質粒子が濾材から脱落しやすくなり、アルデヒド吸着性能が充分に発現されなくなる。バインダーの含有量を増やすことで、多孔質粒子の濾材からの脱落を抑制することはできるが、濾材を構成する繊維間の空隙が少なくなり、濾材の通気性が悪くなるとともに、多孔質粒子の表面がバインダーで過剰に被覆され、アルデヒド吸着性能が充分に発現されなくなる。多孔質粒子の平均粒子径が50μmより大きい場合、濾材を構成する繊維との接着面積が減少するため、多孔質粒子が濾材から脱落しやすくなり、アルデヒド吸着性能が充分に発現されなくなる。
本発明において、バインダーは、スチレン−アクリル系樹脂、塩化ビニル−アクリル系樹脂及びシリコーン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種のバインダーであり、これらのバインダーの中から、1種、又は複数種の混合物を使用することができる。より高いアルデヒド吸着性能と、より低い圧力損失を両立させるには、スチレン−アクリル系樹脂であることが好ましい。
バインダーはエマルジョンバインダーであることが好ましい。エマルジョンバインダーの平均粒子径は、特に限定されるものではないが、50〜500nmであることが好ましく、100〜200nmであることがより好ましい。エマルジョンバインダーの平均粒子径が50〜500nmである場合の方が、塗工における固形分付着量が安定するためである。本発明では、エマルジョンバインダーの平均粒子径は、50nm以上、200nm未満である。
本発明において、平均粒子径は、レーザー回折・散乱法による粒度分布測定装置を用いて測定されるメジアン径(d50)を指す。
バインダーの含有量は、特に限定されるものではないが、吸着剤に対し、固形分質量基準で、5〜60質量%であることが好ましい。バインダーの含有量が5〜60質量%である場合の方が、塗工における固形分付着量が安定するとともに、より高いアルデヒド吸着性能と、より低い圧力損失を両立できるためである。
本発明の濾材に使用する通気性基材の材料としては、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリオレフィン系繊維、フェノール系繊維等の合成繊維、ガラス繊維、金属繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、活性炭素繊維等の無機繊維、木材パルプ、竹パルプ、麻パルプ、ケナフパルプ、藁パルプ、バガスパルプ、コットンリンターパルプ、木綿、羊毛、絹等の天然繊維、古紙再生パルプ、レーヨン等の再生セルロース繊維やコラーゲン等のタンパク質、アルギン酸、キチン、キトサン、澱粉等の多糖類等を原料とした再生繊維等、あるいは、これらの繊維に親水性や難燃性等の機能を付与した繊維等を単独又は組み合わせて使用することができる。
本発明の濾材に使用する通気性基材の製造方法については特に制限はなく、目的・用途に応じて、乾式法、湿式抄造法、メルトブローン法、スパンボンド法、フラッシュ紡糸法、エアレイド法、静電紡糸法等で得られたウェブを水流交絡法、ニードルパンチ法、ステッチボンド法等の物理的方法、サーマルボンド法等の熱による接着方法、レジンボンド等の接着剤による接着方法で強度を発現させる方法を適宜組み合わせて製造することができる。
本発明の濾材に使用する通気性基材の坪量は、特に限定されるものではないが、30〜150g/mであることが好ましい。通気性基材の坪量が30g/m未満の場合は、吸着剤を十分に担持させられず、アルデヒド吸着性能が小さくなり過ぎる場合がある。通気性基材の坪量が150g/mを超えた場合は、圧力損失が高くなり過ぎる場合がある。
本発明のエアフィルター濾材は、通気性基材に吸着剤をバインダーで担持させる方法によって製造される。吸着剤を担持させる方法としては、吸着剤を通気性基材にできるだけ均一に付着できる方法であれば、特に制限はない。吸着剤及びバインダーを含む分散液を塗工液として、通気性基材に、スクリーン印刷法、ロールコート法、スプレー法、浸漬法、カーテンコート法、バーコート法、エアナイフ法、ホットメルト法、グラビアコート法、刷毛塗り法、オフセット印刷法等の塗工方法によって通気性基材に付与し、溶媒や分散媒を乾燥等により除去して担持させる方法が例示される。
本発明において、吸着剤の固形分付着量は、基材に対して、3〜25g/mであることが好ましい。吸着剤の固形分付着量が3g/mを下回る場合は、アルデヒド吸着性能が小さくなり過ぎる場合がある。25g/mを超えると、アルデヒド吸着性能は十分であるが、経済的に見合わない場合がある。より好ましい固形分付着量は、5〜20g/mである。
なお、必要に応じて、本発明の趣旨を逸脱せず、他の性能を付加する目的において、脱臭、抗菌、防カビ、抗ウィルス、防虫、殺虫、消臭、芳香、感温、保温、蓄温、蓄熱、発熱、吸熱、防水、耐水、撥水、疎水、親水、除湿、調湿、吸湿、撥油、親油、油等の吸着、及び水や揮発性薬剤等の蒸散又は徐放等の各種機能をエアフィルター濾材に付加することもできる。
本発明のエアフィルター濾材は、空調機、空気清浄機、掃除機、除湿機、乾燥機、加湿機、換気扇、扇風機、熱交換装置等の機械による強制給排気による空気処理装置に装着使用することにより、空間内のアルデヒドガスの吸着に好ましい効果が得られる。あるいは、自然給排気のための外気流入口(通気口や窓等)に本発明のエアフィルター濾材を用いてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、実施例に限定されるものでない。なお、実施例中の「%」及び「部」は特に断りのない限り、それぞれ「質量%」及び「質量部」を示す。なお、実施例4、6、7、9〜12及び15は参考例である。
(平均粒子径)
多孔質粒子の平均粒子径及びエマルジョンバインダーの平均粒子径は、レーザー回折・散乱法による粒度分布測定装置(日機装社製、商品名:マイクロトラック(登録商標)MT3300型)を用いて、メジアン径(d50)を測定した。多孔質粒子の平均粒子径の単位はμm、エマルジョンバインダーの平均粒子径の単位はnmである。
(実施例1)
通気性基材としてポリエステルスパンボンド不織布(坪量50g/m)を用い、吸着剤である多孔質粒子として平均粒子径1μmのアミノ化合物で修飾されたケイ酸アルミニウムと、バインダーとして平均粒子径150nmのスチレン−アクリル系樹脂エマルジョンバインダーとを水に分散し、混合撹拌してなる塗工液を、サイズプレス処理で通気性基材に塗工し、120℃で乾燥することにより、実施例1のエアフィルター濾材を作成した。塗工において、吸着剤の固形分付着量(目標値)は10g/mであり、バインダーの固形分付着量(目標値)は3g/mであり、吸着剤に対するバインダーの含有量は30%であった。
(実施例2)
多孔質粒子として平均粒子径10μmのアミノ化合物で修飾されたケイ酸アルミニウムを用いる以外は、実施例1と同様にして、実施例2のエアフィルター濾材を作製した。
(実施例3)
多孔質粒子として平均粒子径50μmのアミノ化合物で修飾されたケイ酸アルミニウムを用いる以外は、実施例1と同様にして、実施例3のエアフィルター濾材を作製した。
(実施例4)
バインダーとして平均粒子径200nmのシリコーン系樹脂エマルジョンバインダーを用いる以外は、実施例2と同様にして、実施例4のエアフィルター濾材を作製した。
(実施例5)
バインダーとして平均粒子径170nmの塩化ビニル−アクリル系樹脂エマルジョンバインダーを用いる以外は、実施例2と同様にして、実施例5のエアフィルター濾材を作製した。
(実施例6)
バインダーとして平均粒子径30nmのスチレン−アクリル系樹脂エマルジョンバインダーを用いる以外は、実施例2と同様にして、実施例6のエアフィルター濾材を作製した。
(実施例7)
バインダーの固形分付着量が6g/mであり、吸着剤に対するバインダーの含有量が60%である以外は、実施例6と同様にして、実施例7のエアフィルター濾材を作製した。
(実施例8)
バインダーとして平均粒子径50nmの塩化ビニル−アクリル系樹脂エマルジョンバインダーを用いる以外は、実施例2と同様にして、実施例8のエアフィルター濾材を作製した。
(実施例9)
バインダーとして平均粒子径500nmの塩化ビニル−アクリル系樹脂エマルジョンバインダーを用いる以外は、実施例2と同様にして、実施例9のエアフィルター濾材を作製した。
(実施例10)
バインダーとして平均粒子径600nmの塩化ビニル−アクリル系樹脂エマルジョンバインダーを用いる以外は、実施例2と同様にして、実施例10のエアフィルター濾材を作製した。
(実施例11)
バインダーの固形分付着量が6g/mであり、吸着剤に対するバインダーの含有量が60%である以外は、実施例10と同様にして、実施例11のエアフィルター濾材を作製した。
(実施例12)
バインダーの固形分付着量が0.3g/mであり、吸着剤に対するバインダーの含有量が3%である以外は、実施例2と同様にして、実施例12のエアフィルター濾材を作製した。
(実施例13)
バインダーの固形分付着量が0.5g/mであり、吸着剤に対するバインダーの含有量が5%である以外は、実施例2と同様にして、実施例13のエアフィルター濾材を作製した。
(実施例14)
バインダーの固形分付着量が6g/mであり、吸着剤に対するバインダーの含有量が60%である以外は、実施例2と同様にして、実施例14のエアフィルター濾材を作製した。
(実施例15)
バインダーの固形分付着量が7g/mであり、吸着剤に対するエマルジョンバインダーの含有量が70%である以外は、実施例2と同様にして、実施例15のエアフィルター濾材を作製した。
(比較例1)
多孔質粒子として平均粒子径0.1μmのアミノ化合物で修飾されたケイ酸アルミニウムを用いる以外は、実施例2と同様にして、比較例1のエアフィルター濾材を作製した。
(比較例2)
バインダーの固形分付着量が6g/mであり、吸着剤に対するバインダーの含有量が60%である以外は、比較例1と同様にして、比較例2のエアフィルター濾材を作製した。
(比較例3)
バインダーの固形分付着量が0.5g/mであり、吸着剤に対するバインダーの含有量が5%である以外は、比較例1と同様にして、比較例3のエアフィルター濾材を作製した。
(比較例4)
多孔質粒子として平均粒子径80.0μmのアミノ化合物で修飾されたケイ酸アルミニウムを用いる以外は、実施例2と同様にして、比較例4のエアフィルター濾材を作製した。
(比較例5)
バインダーとして平均粒子径200nmのウレタン系樹脂エマルジョンバインダーを用いる以外は、実施例2と同様にして、比較例5のエアフィルター濾材を作製した。
(比較例6)
バインダーとして平均粒子径600nmのエチレン−酢酸ビニル系樹脂エマルジョンバインダーを用いる以外は、実施例2と同様にして、比較例6のエアフィルター濾材を作製した。
(比較例7)
吸着剤を含有させない以外は、実施例2と同様にして、比較例7のエアフィルター濾材を作製した。バインダーの固形分付着量は3g/m、つまり、実施例2と同量である。
(比較例8)
バインダーを含有させない以外は、実施例2と同様にして、比較例8のエアフィルター濾材を作製した。
上記により作製した実施例1〜15及び比較例1〜8のエアフィルター濾材について、以下に示す評価方法により評価を行った。なお、各評価について、温度、湿度の記載がない場合はすべて25℃、50%RH(相対湿度)の環境で行った。
(塗工における固形分付着量のばらつき)
実施例1〜15、比較例1〜8のエアフィルター濾材を作製する工程をそれぞれ30回実施し、それぞれの濾材について、塗工における固形分付着量を算出し、標準偏差σを求めることで、固形分付着量のばらつきを評価した。固形分付着量の単位はg/mである。標準偏差σが「◎:1未満」、「○:1以上2未満」、「×:2以上」として、本発明においては、◎及び○を発明の対象とする。好ましくは◎であることが、塗工の処理ムラが少ないため、良好な脱臭性能を発現できると言える。
(吸着剤の脱落)
実施例1〜15、比較例1〜6及び8で得た濾材を、それぞれ10cm×10cmの大きさに裁断して検体とし、個々に評価した。実験台上で、A4サイズの黒色画用紙の上に検体を置き、検体の上方5cmの高さから200gの分銅を3回鉛直落下させ、黒色画用紙上に脱落した吸着剤の量を目視評価した。吸着剤が「◎:脱落していない」、「○:少し脱落する」、「×:多く脱落する」として、本発明においては、◎及び○を発明の対象とする。好ましくは◎であることが、吸着剤が濾材から脱落しないため、より良好なアルデヒド吸着性能を有すると言える。
(アセトアルデヒド吸着性能試験)
実施例1〜15及び比較例1〜8で得た濾材を、それぞれ10cm×10cmの大きさに裁断して検体とし、個々に試験した。検体を5リットルの臭気袋に入れて密閉し、アセトアルデヒドガスを10ppm注入して30分後の臭気袋中のアセトアルデヒド濃度をガス検知管で測定した。30分後の臭気袋中のアセトアルデヒド濃度が「◎:1ppm未満」、「○:1ppm以上2ppm未満」、「×:2ppm以上」として3段階で評価した。本発明においては、◎及び○を発明の対象とする。好ましくは◎であることが、より多くのアセトアルデヒドガスを吸着するため、濾材の寿命が長いと言える。
(圧力損失の評価)
JIS B 9908に準じて、実施例1〜15及び比較例1〜8で得た濾材の圧力損失を、風速5.3cm/秒にて測定した。圧力損失が「◎:6Pa未満」、「○:6Pa以上12Pa未満」、「×:12Pa以上」として3段階で評価した。本発明においては、◎及び○を発明の対象とする。好ましくは◎であることが、より良好な通気性を有すると言える。
実施例1〜15及び比較例1〜8の構成を表1に示す。
Figure 0006571564
実施例1〜15及び比較例1〜8の評価結果を表2に示す。
Figure 0006571564
表2の結果から明らかなように、吸着剤が平均粒子径1〜50μmの多孔質粒子であり、前記バインダーが、スチレン−アクリル系樹脂、塩化ビニル−アクリル系樹脂及びシリコーン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種のバインダーである、実施例1〜15のエアフィルター濾材では、塗工における固形分付着量のばらつきが小さく、吸着剤の脱落を抑えられ、良好なアルデヒド吸着性能を発現しながら、圧力損失が低いことがわかる。
これに対し、吸着剤である多孔質粒子の平均粒子径が1μm未満である比較例1〜3のエアフィルター濾材では、塗工における固形分付着量のばらつきが大きく、アセトアルデヒド吸着性能が低いことがわかる。吸着剤である多孔質粒子の平均粒子径が50μm超である比較例4のエアフィルター濾材では、吸着剤が脱落し、アセトアルデヒド吸着性能が低いことがわかる。バインダーがウレタン系樹脂である比較例5のエアフィルター濾材では、アセトアルデヒド吸着性能が低いことがわかる。バインダーがエチレン−酢酸ビニル系樹脂である比較例6のエアフィルター濾材では、塗工における固形分付着量のばらつきが大きく、吸着剤が脱落し、アセトアルデヒド吸着性能が低いことがわかる。吸着剤が含有されていない比較例7のエアフィルター濾材では、アセトアルデヒド吸着性能が低く、バインダーが含有されていない比較例8のエアフィルター濾材では、塗工における固形分付着量のばらつきが大きく、吸着剤が脱落し、アセトアルデヒド吸着性能が低いことがわかる。
実施例2、4及び5の結果から、バインダーが塩化ビニル−アクリル系樹脂である実施例5のエアフィルター濾材よりも、バインダーがスチレン−アクリル系樹脂である実施例2のエアフィルター濾材の方が、圧力損失が低いことがわかる。また、バインダーがシリコーン系樹脂である実施例4のエアフィルター濾材よりも、バインダーがスチレン−アクリル系樹脂である実施例2のエアフィルター濾材の方が、良好なアセトアルデヒド吸着性能を発現することがわかる。
実施例5、8〜10の結果から、エマルジョンバインダーの平均粒子径が500nmを超えている実施例10のエアフィルター濾材と比較して、エマルジョンバインダーの平均粒子径が50〜500nmである実施例5、8及び9のエアフィルター濾材の方が、吸着剤が脱落しにくく、良好なアセトアルデヒド吸着性能を発現することがわかる。
実施例2及び6の結果から、エマルジョンバインダーの平均粒子径が50nm未満である実施例6のエアフィルター濾材と比較して、エマルジョンバインダーの平均粒子径が50〜500nmである実施例2のエアフィルター濾材の方が、塗工における固形分付着量のばらつきが小さく、良好なアセトアルデヒド吸着性能を発現することがわかる。
実施例12〜15の結果から、吸着剤に対するバインダーの含有量が5質量%未満である実施例12のエアフィルター濾材と比較して、吸着剤に対するバインダーの含有量が5質量%である実施例13のエアフィルター濾材の方が、塗工における固形分付着量のばらつきが小さいことがわかる。また、吸着剤に対するバインダーの含有量が60質量%超である実施例15のエアフィルター濾材と比較して、吸着剤に対するバインダーの含有量が60質量%である実施例14のエアフィルター濾材の方が、塗工における固形分付着量のばらつきが小さく、良好なアルデヒド吸着性能を発現することがわかる。
本発明のエアフィルター用濾材はビル、工場、自動車、一般家庭などで使用される空調機や空気清浄機などに使用されるエアフィルターに利用できる。

Claims (2)

  1. 通気性基材と吸着剤とバインダーとを含むエアフィルター濾材において、
    前記吸着剤が平均粒子径1〜50μmの多孔質粒子であり、前記バインダーが、スチレン−アクリル系樹脂、塩化ビニル−アクリル系樹脂及びシリコーン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種のバインダーであり、前記バインダーが、エマルジョンバインダーであり、その平均粒子径が50nm以上、200nm未満であり、吸着剤に対するバインダーの含有量が5〜60質量%であることを特徴とするエアフィルター濾材。
  2. バインダーがスチレン−アクリル系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のエアフィルター濾材。
JP2016047827A 2016-03-11 2016-03-11 エアフィルター濾材 Active JP6571564B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016047827A JP6571564B2 (ja) 2016-03-11 2016-03-11 エアフィルター濾材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016047827A JP6571564B2 (ja) 2016-03-11 2016-03-11 エアフィルター濾材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017158916A JP2017158916A (ja) 2017-09-14
JP6571564B2 true JP6571564B2 (ja) 2019-09-04

Family

ID=59854511

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016047827A Active JP6571564B2 (ja) 2016-03-11 2016-03-11 エアフィルター濾材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6571564B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111533572B (zh) 2020-05-08 2022-03-15 武汉工程大学 一种多孔碳化硅陶瓷支撑体的制备方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4508775A (en) * 1983-10-14 1985-04-02 Pall Corporation Gas permeable composite structures
GB2299034A (en) * 1994-09-14 1996-09-25 Nippon Denso Co Deodorizing filter
JP2000060946A (ja) * 1998-08-24 2000-02-29 Hitachi Chem Co Ltd 空気清浄機
JP2002028415A (ja) * 2000-07-14 2002-01-29 Mitsubishi Paper Mills Ltd 空気清浄化フィルター
JP2004129759A (ja) * 2002-10-09 2004-04-30 Toto Ltd 脱臭シート
JP2006028688A (ja) * 2004-07-20 2006-02-02 Sumitomo Chemical Co Ltd 光触媒体担持製品の製造方法
JP2009028718A (ja) * 2007-06-28 2009-02-12 Toray Ind Inc エアフィルター濾材、エアフィルター、ならびに空気清浄機
JP6146794B2 (ja) * 2012-11-28 2017-06-14 住江織物株式会社 消臭抗アレルゲン組成物が付着した繊維製品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017158916A (ja) 2017-09-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5428857B2 (ja) 脱臭性繊維構造物およびエアフィルター
JP7242807B2 (ja) エアフィルター濾材及びエアフィルター
WO2019167975A1 (ja) 空気清浄用活性炭シート
JP7188383B2 (ja) ガス吸着剤、消臭繊維シートおよびガス吸着剤の製造方法
JP2009061445A (ja) ガス吸着シート
JP6076077B2 (ja) エアフィルター
JP2010063963A (ja) 除湿素子およびそれを用いた除湿装置
JP6571564B2 (ja) エアフィルター濾材
JP2018167155A (ja) 吸着剤
JP2016174997A (ja) エアフィルター濾材及びエアフィルター
JP6115413B2 (ja) フィルターエレメント
JP2018149460A (ja) エアフィルター濾材
JP3407748B2 (ja) 吸着性シート
JP6257547B2 (ja) 脱臭剤封入濾材
JP2000279505A (ja) 脱臭性エレクトレットフィルターおよびその製造方法
JP2010174415A (ja) 吸放湿紙の製造方法、及び吸放湿紙
JP2000153131A (ja) 光触媒を用いた除塵脱臭フィルター
JP2018149522A (ja) エアフィルター濾材及びエアフィルター
JP2023142932A (ja) 脱臭性繊維構造物、エアーフィルター濾材及びエアーフィルター
JP2010022952A (ja) アルデヒド除去剤および除去シート
JP2009028718A (ja) エアフィルター濾材、エアフィルター、ならびに空気清浄機
JP2013220287A (ja) 空気清浄機用集塵脱臭エアフィルターユニット
JP6684258B2 (ja) エアフィルター濾材及びエアフィルター
WO2020203508A1 (ja) ガス吸着剤
JP2022149470A (ja) エアフィルター濾材及びエアフィルター

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180420

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190315

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190326

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190510

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190716

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190808

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6571564

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R157 Certificate of patent or utility model (correction)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R157

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250