JP6570466B2 - 車両用ブレーキ装置 - Google Patents

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Description

本発明は車両用ブレーキ装置に関する。
フォークリフトなどの産業用途に供される車両は、エンジンなどの動力源から車輪への動力伝達軸に、ブレーキ装置が設けられている。このブレーキ装置は、動力伝達軸側の単数または複数のブレーキディスクと、ハウジング側の単数または複数のブレーキプレートとを有する。たとえば両者が複数である場合には、各ブレーキディスクと各ブレーキプレートとが交互に配置され、動力伝達軸の軸心の方向に駆動される油圧ピストンによってブレーキプレートがブレーキディスクに圧接されることで、所要の制動が行われる。油圧ピストンは、作動油の供給が停止されることで押圧力が消失し、それによって制動動作が解除される。押圧力が消失すると、油圧ピストンは、復元ばねなどの作用によって原位置に復帰する。
油圧ピストンが原位置に復帰したときには、その原位置に存在するピストンとブレーキプレートとの間に隙間が形成される。このため、油圧ピストンは、作動するごとに、原位置から移動して隙間を詰めた後に、初めてブレーキプレートに接触して、実質的な制動動作を開始する。
このようなブレーキ装置において、ブレーキディスクやブレーキプレートが経時の使用により摩耗したときには、それに応じて上述の隙間が大きくなり、それに対応して油圧ピストンのストロークが大きくなって、様々な不都合の発生の原因となる。
このため従来においては、点検時などにおいて手動のねじ調整によって油圧ピストンの戻り量を調整することで、ピストンストロークを小さく修正することが提案されている。
あるいは、特許文献1には、ブレーキディスクやブレーキプレートの周方向に沿って複数の小ピストンを配置するとともに、小ピストンと一体に移動するロッドを設け、ロッドに止め輪をゆるく締まりばめし、止め輪とハウジングとの間に設けた隙間の大きさを小ピストンのストロークとし、止め輪がロッドに対して滑ることでロッドに対する止め輪の位置を変更可能とすることで、ブレーキディスクやブレーキプレートの摩耗時のピストンストロークを自動調整できるようにしたものが記載されている。
特許文献2には、ブレーキディスクやブレーキプレートの周方向に沿って複数の小ピストンを配置するとともに、ピストンにスリーブをゆるく締まりばめし、スリーブとハウジングとの間に設けた隙間の大きさを小ピストンのストロークとし、ピストンがスリーブに対して滑ることでピストンに対するスリーブの位置を変更可能とすることで、ブレーキディスクやブレーキプレートの摩耗時のピストンストロークを自動調整できるようにしたものが記載されている。
特許第5211270号明細書 特開2009−150486号公報
従来の手動でねじ調整するものは、車両の年次点検の際などにおいて定期的に調整することが必要になってしまう。また自動調整するものは、上述の機能を達成するために実際には多数の構成部材を必要とし、装置の構造が複雑である。
そこで本発明は、車両のブレーキ装置において、必要最小限の部品によって、ブレーキディスクやブレーキプレートが摩耗したときに、それに応じてピストンストロークを自動調整できるようにすることを目的とする。
この目的を達成するために、本発明の車両用ブレーキ装置は、
ブレーキディスクおよびブレーキプレートを動力伝達軸とともに収容するハウジングと、
作動油の供給を受けたときにハウジングから第1の摺動抵抗を受けながらハウジングに対して摺動して、ブレーキディスクおよびブレーキプレートを押圧することで動力伝達軸への制動力を発生させるピストンと、
ハウジングから第1の摺動抵抗よりも大きな第2の摺動抵抗を受けながら、ハウジングに対してピストンと同方向に摺動可能なストッパと、
ピストンにおいてピストンの移動方向に距離をあけて互いに向かい合って形成された、第1の端面、および第1の端面よりもブレーキディスクおよびブレーキプレートに近い位置の第2の端面と、
ストッパにおいてピストンの移動方向に距離をあけて形成された、第3の端面、および第3の端面よりもブレーキディスクおよびブレーキプレートに近い位置の第4の端面と、
ピストンとストッパとの間に配置されて、ピストンの第2の端面とストッパの第4の端面とを接触させ、かつ第2の端面と第4の端面との接触時に第1の端面と第3の端面との間にピストンの移動方向の隙間を形成させるように、これらピストンとストッパとに前記第1の摺動抵抗よりも大きくかつ第2の摺動抵抗よりも小さな力を及ぼす弾性体とを有することを特徴とする。
このような構成によれば、ピストンは、上述の隙間の範囲内で、ストッパに対して相対的に移動することができ、隙間の大きさがピストンストロークに相当することになる。ピストンは、作動油によってブレーキディスクおよびブレーキプレートに向けて移動されることで、制動力を発生させる。制動を行わないときには、弾性体の作用によって原位置に復帰する。
ブレーキディスクおよびブレーキプレートに摩耗が生じたときには、ピストンは、隙間に対応したピストンストロークを移動しただけでは、ブレーキディスクおよびブレーキプレートに到達しない。その場合には、作動油の力によって、ピストンとストッパとがともにブレーキディスクおよびブレーキプレートに近づく方向に移動されたうえで、制動力を発生させる。このときの移動量が摩耗量に対応し、この移動によってストッパは摩耗量に相当する距離だけ変位する。それによって、ブレーキディスクおよびブレーキプレートの摩耗時にもピストンストロークが増大しないように、ピストンストロークが自動調整される。
本発明の車両用ブレーキ装置によれば、ブレーキディスクおよびブレーキプレートはいずれも環状の板体によって構成されており、ピストンおよびストッパは、いずれも、環状のブレーキディスクおよびブレーキプレートの周方向に沿って配置された環状体であることが好適である。
本発明の車両用ブレーキ装置によれば、ハウジングとストッパとの間の第2の摺動抵抗は、ハウジングとストッパとの間に設けられたOリングによって発現されていることが好適である。
本発明の車両用ブレーキ装置によれば、ハウジングとピストンとの間の第1の摺動抵抗は、ハウジングとピストンとの間をシールするシール材によって発現されていることが好適である。
本発明の車両用ブレーキ装置によれば、ピストンとストッパとは、一方が内周側に配置されるとともに、他方がその外周側に配置されていることが好適である。
本発明によれば、通常の車両用ブレーキ装置におけるピストンのほかにストッパを設けただけの簡単な構成によって、すなわち必要最小限の部品によって、ブレーキディスクやブレーキプレートが摩耗したときに、それに応じてピストンストロークを自動調整することができる。
本発明の実施の形態の車両用ブレーキ装置の断面図である。 図1における要部を拡大して示す図である。 図2に示す状態からピストンがブレーキディスクおよびブレーキプレートに向けて移動した状態を示す図である。 図3に示す状態からピストンおよびストッパがブレーキディスクおよびブレーキプレートに向けてさらに移動した状態を示す図である。 図4に示す状態からピストンが新たな原位置に復帰した状態を示す図である。
図1において、10はハウジングであり、第1のハウジング部材11と、第2のハウジング部材12と、第3のハウジング部材13と、第4のハウジング部材14とが、ボルト15、16によって互いに締結されることで、箱状の構造物を構築している。ハウジングの内部には車両用の動力伝達軸17が支持されている。図1では、簡単のために動力伝達軸17を1点鎖線によって示している。動力伝達軸17は、車両におけるエンジンなどの動力源からの回転力を車輪へ伝達するものである。
動力伝達軸17には、ディスクハブ18が一体回転可能に取り付けられている。ディスクハブ18の外周には第1の凹凸部19が形成されており、この凹凸部19にはまり込むことによりディスクハブ18と一体に回転可能かつ動力伝達軸17の軸心方向に移動可能な、図示の例では複数の、ブレーキディスク20が設けられている。ブレーキディスク20は、内周が第1の凹凸部19へはまり込み可能な形状とされた板状の円形の環状体によって構成され、動力伝達軸17の軸心と同心状に配置されている。
ハウジング10における第2のハウジング部材12の内周には第2の凹凸部21が形成されている。22は、図示の例では複数の、ブレーキプレートで、第2の凹凸部21にはまり込むことで、回転不能かつ動力伝達軸17の軸心方向に移動可能に構成されている。ブレーキプレート22は、外周が第2の凹凸部21にはまり込み可能な形状とされた板状の円形の環状体によって構成され、動力伝達軸17の軸心と同心状に配置されている。
図示例の複数のブレーキディスク20と複数のブレーキプレート22とは、互いに重なった状態となるように、それぞれ交互に配置されている。なお、これらを単数とすることもできる。ブレーキディスク20は、その外径が第2の凹凸部21の内径よりも小さく、したがって第2の凹凸部21にはまり込まずに自由に回転できるように構成されている。ブレーキプレート22は、その内径が第1の凹凸部19の外径よりも大きく、したがって第1の凹凸部19にはまり込まずに回転不能状態を維持できるように構成されている。
ブレーキディスク20およびブレーキプレート22は、いずれもハウジング内の油室23に収容されており、したがって湿式多板ブレーキを構成している。
以下、図1および図2を参照して、詳細に説明する。なお、図面を容易に理解できるように、一部の符号については、図2のみに記載し、図1には記載しないことで、図1が極端に複雑化することを防止する。
ハウジング10におけるブレーキディスク20およびブレーキプレート22が配置された位置から動力伝達軸17の軸心方向に距離をおいた位置には、第2のハウジング部材12の内周において、動力伝達軸17と同心で環状の、第1の摺動面25が形成されている。またハウジング10における第4のハウジング部材14には、第1の摺動面25よりも内周側の位置において、動力伝達軸17と同心で環状の、第2の摺動面26が形成されている。さらに、第4のハウジング部材14における第2の摺動面26よりもブレーキディスク20およびブレーキプレート22に近い位置の外周には、第2の摺動面26よりも小径の第3の摺動面27が形成されている。第3の摺動面27も動力伝達軸17と同心で環状に形成されており、結局、内周面である第1の摺動面25と、外周面である第2の摺動面26と、外周面である第3の摺動面27とは、動力伝達軸17の軸心に関して同心状に形成されている。第2の摺動面26と第3の摺動面27との境界部分には、ブレーキディスク20およびブレーキプレート22に向かって形成された環状の端面28が設けられている。
第1の摺動面25と第2の摺動面26との間には、環状のピストン30が配置されている。ピストン30は、第1の摺動面25に摺動可能に接する外周面31と、第2の摺動面26に摺動可能に接する内周面32とを有し、これによってピストン30は、ブレーキディスク20およびブレーキプレート22と中心軸を共通した状態で配置されている。
ピストン30におけるブレーキディスク20およびブレーキプレート22に近い側を前側として、ピストン30の後部における第2のハウジング部材12と第4のハウジング部材14との間には、作動油供給室33が形成されている。供給室33に加圧状態の作動油が供給されると、ピストン30は、ブレーキディスク20およびブレーキプレート22に向けて動力伝達軸17の軸心方向に移動する。ピストン30の前端には押圧端面34が形成されており、この押圧端面34によって、互いに重ねて配置されたブレーキディスク20およびブレーキプレート22を押圧可能である。第1のハウジング部材11には、ピストン30からブレーキディスク20およびブレーキプレート22を介して伝達される押圧力を受け止めるための受圧面35が形成されている。
ピストン30の内周に形成された環状溝29には、横断面矩形状のスナップリング36がはめ込まれている。このはめ込みによって、スナップリング36は、ピストン30の一部分を構成する要素として取り扱うことができる。すなわち、ピストン30とスナップリング36とを合わせた全体を、一つのピストンとして取り扱うことができる。
スナップリング36は第4のハウジング部材14の端面28に接することが可能である。これによって、ピストン30は、スナップリング36が第4のハウジング部材14の端面28に接する位置から、押圧端面34がブレーキディスク20およびブレーキプレート22を押圧する位置までの間を往復移動可能である。ピストン30の前側の端部には、横断面矩形状で環状の内周突起37が一体に形成されている。スナップリング36におけるピストン30の前側の端面によって第1の端面38が構成されており、内周突起37におけるピストン30の後ろ側の端面によって第2の端面39が構成されている。
ピストン30の外周面に形成された環状溝40には、ピストン30と第1の摺動面25との間をシールする環状の第1のシール材41が収容されている。第2の摺動面26の周方向に沿って形成された環状溝42には、ピストン30と第2の摺動面26との間をシールする環状の第2のシール材43が収容されている。第1および第2のシール材41、43によって、供給室33に供給された高圧の作動油が油室23に流れ込むことが防止されている。
ピストン30よりも内周側の位置には、ストッパ45がピストン30と同心状に配置されている。このストッパ45は、横断面が凸字形の環状体にて構成されており、第3の摺動面27に摺動可能に接する内周面46と、スナップリング36の第1の端面38における内周縁部に接することができる第3の端面47と、ピストン30の第2の端面39に接することができる第4の端面48とを有する。すなわち、第3の端面47はピストン30の後ろ側向きに形成されており、第4の端面48はピストン30の前側向きに形成されている。
第1の端面38から第2の端面39までの距離は、第3の端面47から第4の端面48までの距離よりも大きいように設定されている。すなわち、図1および図2に示すように第4の端面48が第2の端面39に接したときに、第1の端面38と第3の端面47との間に隙間Bが形成されるように構成されている。この隙間Bは、後述するディスクギャップ、つまり原位置に待機しているピストン30からブレーキディスク20およびブレーキプレート22までの設定距離に等しくなるように設定されている。
ストッパ45における第3の端面47よりも径方向の外側の箇所には、別の端面49が形成されている。この端面49は、第3の端面47よりも第1の端面38から離れた位置に形成されている。そして、スナップリング36の第1の端面38と、ストッパ45の端面49との間には、環状のウェーブスプリングにて構成された、弾性体としてのリターンスプリング50が配置されている。このリターンスプリング50は、第1の端面38と端面49とが互いに離れる方向に、これら第1の端面38と端面49とを押圧するように作用する。つまり、リターンスプリング50は、第1の端面38と第3の端面47との間が開き、かつ第2の端面39と第4の端面48とが互いに接近する方向に、スナップリング36すなわちピストン30と、ストッパ45とを押圧するように作用する。
第3の摺動面27には、その外周方向の環状溝52が形成されている。この環状溝52には、Oリング53がはめ込まれている。
以上によって、ストッパ45は、Oリング53を圧縮しながら、第3の摺動面27に沿って摺動しつつ、動力伝達軸17の軸心方向に移動可能である。
ピストン30は、第1の摺動面25および第2の摺動面26に沿って摺動するが、そのときに、ハウジング10から第1の摺動抵抗を受ける。この第1の摺動抵抗は、ピストン30と第1および第2の摺動面25、26との間の摩擦力を原因とするとともに、第1および第2のシール材41、43がシール機能を発揮するために圧縮されることによる反発力をも原因とする。
ストッパ45は第3の摺動面27に沿って摺動するが、そのときに、ハウジング10から第2の摺動抵抗を受ける。この第2の摺動抵抗は、ストッパ45と第3の摺動面27との間の摩擦力を原因とするとともに、ストッパ45がOリング53を圧縮することによる反発力をも原因とする。
上述の摩擦力および反発力を調整することで、ハウジング10からピストン30への第1の摺動抵抗よりも、ハウジング10からストッパ45への第2の摺動抵抗の方が大きな力となるように構成されている。またリターンスプリング50がピストン30およびストッパ45に及ぼす力は、第1の摺動抵抗よりも大きく、かつ第2の摺動抵抗よりも小さくなるように調整されている。
隙間調整のための動作について説明する。図1および図2は、調整前の状態を示す。すなわち、供給室33に加圧状態の作動油は供給されておらず、このためピストン30はブレーキディスク20およびブレーキプレート22から離れた原位置に存在している。このとき、正常な場合には、ブレーキディスク20およびブレーキプレート22からピストンまでの距離すなわちディスクギャップと称される隙間Aの大きさは、上述の設定距離すなわち隙間Bの大きさに等しくなるべきである。しかし、ブレーキディスク20やブレーキプレート22が経時的に摩耗すると、図示のように隙間Aは隙間Bよりも大きくなる。ブレーキ装置の組立直後の時点においてもこのように隙間Aが隙間Bよりも大きくなることがある。これを調整しないと、ピストン30のストロークが過大となり、それに応じて車両のブレーキペダルのストロークが過大になってしまう。
図1および図2に示す状態から、ブレーキ操作のために供給室33に加圧状態の作動油を供給すると、それによってピストン30がブレーキディスク20およびブレーキプレート22に向けて動力伝達軸17の軸心方向に移動される。
すると、上述のように、リターンスプリング50がピストン30およびストッパ45に及ぼす力が、ストッパ45が第3の摺動面27およびOリング53から受ける第2の摺動抵抗よりも小さいため、リターンスプリング50を圧縮しながらピストン30が移動し、かつストッパ45は移動しない。その結果、隙間Bが詰められて、図3に示すようにピストン30のスナップリング36における第1の端面38の内周縁部がストッパの第3の端面47に接触する。
このとき、上述のように図2に示される隙間Aの方が隙間Bよりも大きかったため、ピストン30のスナップリング36とストッパ45との隙間Bが無くなったときにも、ピストン30と、ブレーキディスク20およびブレーキプレート22との間には、なお隙間Cが残存する。
その後は、作動油による加圧力の方が第2の摺動抵抗よりも大きいため、ピストン30と、第3の端面47が第1の端面38に接触されているストッパ45とが一体に移動する。
そして、図4に示すようにピストン30の押圧端面34がブレーキディスク20およびブレーキプレート22に接触し、作動油の作用によってピストン30から所要の制動力がブレーキディスク20およびブレーキプレート22に加えられた時点で、ピストン30およびストッパ45は移動を停止する。
この状態から、作動油による加圧状態を解消してブレーキ力を解放すると、ピストン30がハウジング10側から受ける第1の摺動抵抗およびリターンスプリング50からの力の方が、ストッパ45がハウジング10側から受ける第2の摺動抵抗よりも小さく、かつピストン30がハウジング10側から受ける第1の摺動抵抗の方がリターンスプリング50からの力よりも小さいため、以下の動作が行われる。すなわち、ストッパ45は第3の摺動面27に対して移動せず、リターンスプリング50の力によって、ピストン30が、第1および第2の摺動面25、26に沿って、ブレーキディスク20およびブレーキプレート22から離れる方向に移動する。
この移動によって、図5に示すように、ピストン30の第2の端面39がストッパ45の第4の端面48に接することで、ピストン30のそれ以上の移動が阻止される。このとき、ストッパ45の第3の端面47とピストン30の第1の端面38との間には、前述の場合と同様に隙間Bが形成される。すなわち、ピストン30は、その押圧端面34がブレーキディスク20およびブレーキプレート22から隙間Bに等しい距離をおいた状態で停止される。したがって、このときのディスクギャップの大きさは、設定値の大きさ、つまり隙間Bの大きさに等しくなる。
次回のブレーキ操作は、図5に示されるピストン30の位置を原位置として開始される。つまり、ディスクギャップを、設定値である隙間Bに等しい大きさに調整することができる。
経時によりブレーキディスク20およびブレーキプレート22がさらに摩耗した場合も、同様にして自動的に調整することができる。またブレーキ装置の製造時や点検、修理後の再組立の際にも、図2に示される大きな隙間Aが形成されることがあるが、その場合にも同様にしてディスクギャップを調整することができる。
換言すると、本発明によれば、ディスクギャップを所定の設定値にするときの基準となるストッパ45を移動式として、ブレーキディスク20およびブレーキプレート22の摩耗時や、装置の組み立て時に対応して、ストッパ45の位置を変更可能とすることで、ブレーキディスク20およびブレーキプレート22の摩耗などにかかわらず、ディスクギャップすなわちピストン30のストロークが常に所定の設定値となるように、自動的に調整することができる。
したがって本発明によれば、ブレーキディスク20やブレーキプレート22と同様の環状の一つのピストン30と、このピストン30と同心状の環状の一つストッパ45とを有するだけの簡単な構成によって、車両のブレーキ装置のディスクギャップすなわちピストン30のストロークを自動的に調整することができる。
上記においては、ピストン30が外周側に配置されるとともにストッパ45が内周側に配置された構成について説明したが、本発明によれば、ストッパ45が外周側に配置されかつピストン30が内周側に配置された構成とすることも可能である。弾性体の形態も任意である。
上記においては、ストッパ45に摺動抵抗を与えるための手段としてOリング53を例示した。Oリング53は市販品として多様かつ多量に供給されているので、これを用いることによって、特殊な構造を検討せずとも、容易にストッパ45に所要の摺動抵抗を付与することができる。しかし、本発明においては、Oリング45以外の他の手段によってストッパ45に摺動抵抗を付与することも、もちろん可能である。
またピストン30の第1の端面38と第2の端面39とが向かい合い、その間にストッパ45の第3の端面47と第4の端面48とが入り込む形態について説明したが、反対に、ストッパ45における端面どうしが向かい合うとともに、それらの端面どうしの間にピストン30における一対の端面が入り込む構成とすることも可能である。
図面においては、ピストン30の前側に内周突起37が設けられるとともに、その後ろ側にスナップリング38が配置されたものを例示した。しかし、これに代えて、内周突起をピストン30の後ろ側に設けるとともに、スナップリングをピストン30の前側に配置することも可能である。
上記においては、ブレーキディスク20が回転式であるとともにブレーキプレート22が非回転式である例について説明した。しかし、これに代えて、ブレーキディスク20が非回転式であるとともにブレーキプレート22が回転式である構成とすることもできる。
その他にも、たとえば各部の抵抗や弾性体の弾性力を設定変更することで、本発明の範囲内で各種の変形例を構成することが可能である。
10 ハウジング
17 動力伝達軸
20 ブレーキディスク
22 ブレーキプレート
25 第1の摺動面
26 第2の摺動面
27 第3の摺動面
30 ピストン
33 作動油供給室
38 第1の端面
39 第2の端面
41 第1のシール材
43 第2のシール材
45 ストッパ
47 第3の端面
48 第4の端面
50 リターンスプリング(弾性体)
53 Oリング

Claims (5)

  1. ブレーキディスクおよびブレーキプレートを動力伝達軸とともに収容するハウジングと、
    作動油の供給を受けたときにハウジングから第1の摺動抵抗を受けながらハウジングに対して摺動して、ブレーキディスクおよびブレーキプレートを押圧することで動力伝達軸への制動力を発生させるピストンと、
    ハウジングから第1の摺動抵抗よりも大きな第2の摺動抵抗を受けながら、ハウジングに対してピストンと同方向に摺動可能なストッパと、
    ピストンにおいてピストンの移動方向に距離をあけて互いに向かい合って形成された、第1の端面、および第1の端面よりもブレーキディスクおよびブレーキプレートに近い位置の第2の端面と、
    ストッパにおいてピストンの移動方向に距離をあけて形成された、第3の端面、および第3の端面よりもブレーキディスクおよびブレーキプレートに近い位置の第4の端面と、
    ピストンとストッパとの間に配置されて、ピストンの第2の端面とストッパの第4の端面とを接触させ、かつ第2の端面と第4の端面との接触時に第1の端面と第3の端面との間にピストンの移動方向の隙間を形成させるように、これらピストンとストッパとに、前記第1の摺動抵抗よりも大きくかつ第2の摺動抵抗よりも小さな力を及ぼす弾性体とを有することを特徴とする車両用ブレーキ装置。
  2. ブレーキディスクおよびブレーキプレートはいずれも環状の板体によって構成されており、
    ピストンおよびストッパは、いずれも、環状のブレーキディスクおよびブレーキプレートの周方向に沿って配置された環状体であることを特徴とする請求項1記載の車両用ブレーキ装置。
  3. ハウジングとストッパとの間の第2の摺動抵抗は、ハウジングとストッパとの間に設けられたOリングによって発現されていることを特徴とする請求項2記載の車両用ブレーキ装置。
  4. ハウジングとピストンとの間の第1の摺動抵抗は、ハウジングとピストンとの間をシールするシール材によって発現されていることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載の車両用ブレーキ装置。
  5. ピストンとストッパとは、一方が内周側に配置されるとともに、他方がその外周側に配置されていることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項記載の車両用ブレーキ装置。
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