JP6569406B2 - 原子層堆積装置および原子層堆積の成膜方法 - Google Patents

原子層堆積装置および原子層堆積の成膜方法 Download PDF

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Description

本発明は、原子層堆積装置および原子層堆積の成膜方法に関する。
有機EL装置は、多数の有機EL素子が一定の間隔で平面上に並べられて構成されている。有機EL素子は、一対の電極層(陽極および陰極)によって発光層が挟持されている。発光層は、電極間に電圧が印加されることで発光する。しかしながら、有機EL素子に水分が滲入して、電極が酸化し、あるいは発光層と電極とが剥離することにより、発光層に発光しなくなる部位(黒点やダークスポットという)が発生する場合がある。したがって、有機EL装置においては、水分の滲入によるダークスポット等の発生を防ぐことが求められている。
従来、基板と、電極層、有機発光材料である発光層、および電極層が基板上に積層されてなる有機EL素子と、この積層体を覆うように配置される封止層との間に、原子層堆積装置(ADL装置)により成膜された緻密な保護膜(原子層堆積)が形成されている。この保護膜は原子層を堆積して形成されているため非常に緻密であり、水分の滲入を防止することができる。
特許文献1では、基板上に積層された電極層、発光層、および電極層の有機EL素子部は覆われるようにしつつ、有機EL素子部から引き出された端子部は覆わないように保護膜を形成する際に、基板上の端子部表面にマスクを配置して、有機EL素子部表面のみに保護膜を形成する原子層堆積装置が開示されている。
特開2014−1424号公報
しかしながら、特許文献1に記載の原子層堆積装置は、基板上に保護膜を成膜した領域と成膜していない領域とを形成することができるが、1つの成膜シーケンスで複数の膜厚の保護膜を形成することができないという問題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
本発明の一態様の原子層堆積装置は、載置面を有する載置台と、前記載置面に対向して配置され、複数の対向面を有する対向部材と、を備え、前記複数の対向面は、第1の対向面、第2の対向面、及び第3の対向面を含み、前記第1の対向面と前記載置面との間の第1の距離、前記第2の対向面と前記載置面との間の第2の距離、及び前記第3の対向面と前記載置面との間の第3の距離は、各々異なっていることを特徴とする。
本発明の別の態様の原子層堆積装置は、載置面を有する載置台と、前記載置面に対向して配置され、複数の対向面を有する対向部材と、前記対向部材と前記載置台との距離を調整可能な距離調整手段と、を備え、前記複数の対向面は、第1の対向面、及び第2の対向面を含み、前記第1の対向面と前記載置面との間の第1の距離と、前記第2の対向面と前記載置面との間の第2の距離とは異なり、前記距離調整手段は、前記対向部材と前記載置台との距離を計測する計測部を有することを特徴とする。
[適用例1]本適用例に係る原子層堆積装置は、載置面を有する載置台と、前記載置面に対向して配置され、前記載置面との距離が異なる複数の対向面を有する対向部材と、を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、基板が載置される載置台の載置面と、基板上に配置される対向部材の対向面と、が複数の異なる距離で配置されているため、載置面と対向面との距離により原子層堆積を生成するガスの拡散距離が異なることによる、原子層堆積の膜厚を制御することができる。つまり、載置面と対向面との距離を小さくすることにより、ガスの拡散距離を短くし膜厚を薄くすることができ、逆に、載置面と対向面との距離を大きくすることにより、ガスの拡散距離を長くし膜厚を厚くすることができる。従って、載置面と対向面との距離を複数設けることにより、1つの成膜シーケンスで複数の膜厚を有する原子層堆積を成膜することができる。
[適用例2]上記適用例に記載の原子層堆積装置において、前記対向面は、凸部の先端部を含むことが好ましい。
本適用例によれば、凸部の先端部も対向面とすることで、対向部材に載置面との距離が異なる対向面を複数設けることができるので、複数の膜厚を有する原子層堆積を成膜することができる。
[適用例3]上記適用例に記載の原子層堆積装置において、前記対向部材は、前記載置台との距離が異なる複数の凸部を有することが好ましい。
本適用例によれば、対向部材が載置台との距離が異なる複数の凸部を有することで、対向部材に複数の載置面との距離が異なる対向面を有することができるので、複数の膜厚を有する原子層堆積を成膜することができる。
[適用例4]上記適用例に記載の原子層堆積装置において、前記対向部材と前記載置台との距離を調整可能な距離調整手段を有することが好ましい。
本適用例によれば、対向部材の対向面と載置台の載置面との距離を調整可能な距離調整手段を有することにより、対向面と載置面との距離を調整できるので、所望の膜厚を有する原子層堆積を成膜することができる。
[適用例5]上記適用例に記載の原子層堆積装置において、前記距離調整手段は、前記対向部材と前記載置台との距離を計測する計測部を有することが好ましい。
本適用例によれば、距離調整手段が対向部材と載置台との距離を計測する計測部を有することにより、対向部材と載置台との距離を所望の値に調整することができるので、所望の膜厚を有する原子層堆積を成膜することができる。
[適用例6]本適用例に係る原子層堆積の成膜方法は、上記適用例に記載の原子層堆積装置により成膜することを特徴とする。
本適用例によれば、載置面を有する載置台と、載置面との距離が異なる複数の対向面を有する対向部材と、を備えている原子層堆積装置を用いることにより、複数の膜厚を有する原子層堆積を1つの成膜シーケンスで成膜することができる。
[適用例7]上記適用例に記載の原子層堆積の成膜方法において、対向部材の複数の対向面のうち被処理面に近い方の対向面と前記被処理面との距離を5μm以上40μm以下の範囲内とすることが好ましい。
本適用例によれば、対向面と被処理面との距離を5μm以上40μm以下の範囲内とすることで、原子層堆積を成膜するためのガスの流入と拡散距離とを調整できるので、原子層堆積の膜厚を制御でき、異なる膜厚の原子層堆積を精度良く成膜することができる。
本発明の第1実施形態に係る原子層堆積装置の構成を示す概略断面図。 本発明の第1実施形態に係る載置台と対向部材との構成を示す概略断面図。 基板の被処理面と対向部材の対向面との距離に対する、拡散距離と膜厚との関係を示すグラフ。 有機EL素子の構成を示す概略断面図。 本発明の第2実施形態に係る対向部材の構成を示す概略断面図。 有機EL装置の構成を示す概略断面図。 本発明の第3実施形態に係る原子層堆積装置の構成を示す概略図。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す各図においては、各構成要素を図面上で認識され得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際の構成要素とは適宜に異ならせて記載する場合がある。
<第1実施形態>
先ず、本発明の第1実施形態に係る原子層堆積装置の概略構成について、図1を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る原子層堆積装置の構成を示す概略断面図である。なお、図において、載置台24を基準とし対向部材30が配置されている方向を上方とし、反対側を下方と称して説明する。
本実施形態の原子層堆積装置10は、図1に示すように、原子層堆積の成膜を行うチャンバー20、載置面26を有する載置台24、凸部32を有する対向部材30、チャンバー20内に反応ガスを供給するガス供給部34、チャンバー20内のガスを排気する排気部36、および載置台24上に載置された基板22と対向部材30とをアライメントし高さを測定する計測部38などを備えている。
チャンバー20は、内部に基板22を載置する載置台24と原子層堆積の膜厚を調整する凸部32を有する対向部材30とを備えている。載置台24の載置面26上に基板22が載置される。また、対向部材30は、載置台24の載置面26又は基板22に対向する側、つまり載置台24の上方に配置され、対向部材30の凸部32は、載置台24の載置面26又は基板22に対向する側に設けられている。
チャンバー20の上方には、ガラスなどの透明部材で構成された窓部60が設けられており、カメラ62を介して、載置台24又は基板22と対向部材30との位置の測定や載置台24又は基板22と対向部材30との高さの測定を行い、計測部38で載置台24又は基板22と対向部材30とのアライメント調整や高さ調整量を計測する。つまり、本実施形態の原子層堆積装置10は、載置台24又は基板22と対向部材30との距離を計測する計測部38を有している。
載置台24は、基板22を加熱するためのヒーター28が内蔵されており、スライダー40に固定されている。スライダー40はモーター42に接続されており、モーター42によりスライダー40を載置台24の載置面26と並行した方向に移動させることができる。そのため、計測部38で測定した結果に基づいて、制御部44よりモーター42を制御し、載置台24を載置面26と並行した方向に位置調整することができる。
対向部材30は、載置台24の載置面26と交差する方向に移動させることができるスライダー52に固定された保持部50に保持されており、スライダー52に接続されているモーター54によって、対向部材30を載置面26と交差する方向に移動させることができる。そのため、計測部38で測定した結果に基づいて、制御部56よりモーター54を制御し、対向部材30を載置面26と交差する方向に位置調整することができる。つまり、本実施形態の原子層堆積装置10は、対向部材30と載置台24との距離を調整可能な距離調整手段を有している。
なお、スライダー40,52は、チャンバー20内を気密に維持するためのシール部46,58を介してモーター42,54に接続されている。そのため、載置台24や対向部材30の位置調整を行ってもチャンバー20内は気密に維持されている。
次に、載置台24、基板22、および対向部材30の配置関係について、図2を参照して説明する。なお、基板22は多数の有機EL素子を一定間隔で構成するために必要な隔壁80が設けられた基板を一例として挙げて説明する。
図2は、本発明の第1実施形態に係る載置台と対向部材との構成を示す概略断面図である。
隔壁80を有する基板22は、隔壁80が設けられている側を対向部材30に向け、載置台24の載置面26上に載置されている。
対向部材30は、凸部32を基板22側に向け、隔壁80と隔壁80との間に凸部32が位置するように配置されている。
対向部材30は、載置面26又は基板22に対向する対向面70と、凸部32の先端部72の載置面26又は基板22に対向する対向面74と、を有しており、対向面70と基板22の被処理面82との距離がG2となるように、対向面74と基板22の被処理面82との距離がG1となるように、配置されている。つまり、対向部材30は、載置面26又は基板22の被処理面82に対向して配置され、載置面26又は基板22の被処理面82との距離が異なる複数の対向面70,74を有している。
次に、基板22の被処理面82と対向部材30の対向面70,74との距離に対する、原子層堆積の拡散距離と膜厚との関係について、図3を参照して説明する。
図3は、基板の被処理面と対向部材の対向面との距離に対する、拡散距離と膜厚との関係を示すグラフである。なお、拡散距離とは、被処理面82と対向面70,74とに挟まれた空間において、挟まれた空間の入口からガスが流入して拡散し原子層堆積が成膜された領域までの長さである。
基板22の被処理面82と対向部材30の対向面70,74との距離が5μmの場合には、入口付近での膜厚は約7nmで、拡散距離は約3mmである。また、距離が20μmと40μmの場合には、入口付近での膜厚は約25nmと約35nmであり、拡散距離は約9mmと約15mmである。更に、距離が60μmの場合には、入口付近での膜厚は約40nmで、拡散距離は15mmにおいても膜厚は入口付近の約10%減である約35nmである。
この結果から、基板22の被処理面82と対向部材30の対向面70,74との距離を小さくすることで、成膜する原子層堆積の膜厚を薄くすることができ、逆に、被処理面82と対向面70,74との距離を大きくすることで、成膜する原子層堆積の膜厚を厚くすることができる。これは、被処理面82と対向面70,74との距離が小さくなることで、原子層堆積を成膜するためのガスが流入して拡散し難くなり、原子層堆積が成膜されなくなるためである。逆に、被処理面82と対向面70,74との距離が大きくなると、原子層堆積を成膜するためのガスが流入して拡散し易くなり、入口付近の膜厚も厚くなり、長い拡散距離まで原子層堆積が成膜される。しかし、距離が40μmと60μmでは、入口付近の膜厚は約35nmと約40nmとその差は小さい。
従って、有機EL素子のように隔壁80の間隔が1mm未満の領域に原子層堆積を成膜する場合には、拡散距離が短いので、被処理面82と対向面70,74との距離を調整することで、原子層堆積を所望の膜厚に精度良く成膜することができる。なお、被処理面82と対向面70,74との距離が5μm未満の場合には、計測精度や高さ調整精度の影響により、距離の制御が難しくあるので、膜厚精度が劣化する虞がある。また、被処理面82と対向面70,74との距離が40μmより大きい場合には、40μmの時の膜厚に比べ、膜厚を大幅に厚くすることができない。よって、被処理面82と対向面70,74との距離は、5μm以上40μm以下の範囲内が好ましい。
次に、本実施形態の原子層堆積装置10を用いた原子層堆積の成膜方法について、有機EL素子100の製造方法における保護膜120を一例として挙げ、図4を参照して説明する。
図4は、有機EL素子の構成を示す概略断面図である。なお、通常有機EL素子は大型基板上に一定間隔で複数形成されているが、図4における有機EL素子100は、大型基板の端部に1個だけ形成された状態を示している。
有機EL素子100は、図4に示すように、基板110上に、陽極となる電極層114、隔壁112、発光部116、陰極となる電極層118、保護膜120、平坦化層122、封止層124の順で積層された積層体で構成されている。発光部116は、陽極と陰極との電極層114,118間に電圧が印加されることで発光する。
有機EL素子100の製造方法は、先ず、石英ガラスなどの基板110を用意し、フッ酸(HF)などを含む水溶液や純水などにより基板110の表面を洗浄する。
次に、この基板110上に陽極となる電極層114を形成する。電極層114として透明性を有するITO(Indium Tin Oxide)などの電極材料は、例えば、プラズマCVD、熱CVDのような化学蒸着法(CVD法)、真空蒸着等の乾式メッキ法、電解メッキ等の湿式メッキ法、溶射法、ゾル・ゲル法、MOD法、金属箔の接合等を用いて形成することができる。
その後、アクリル系樹脂などの有機材料を電極層114が形成されている基板110上に、一様に形成し、フォトリソグラフィ法により、電極層114が露出するパターンとなるように、隔壁112を形成する。また、アクリル系樹脂などの有機材料をスクリーン印刷法により形成する方法でも構わない。パターン形成後に加熱することで、隔壁112を形成することができる。
次に、電極層114の上面には、酸素プラズマ処理を施す。これにより、電極層114の上面に親液性を付与すること、電極層114の上面に付着する有機物を除去(洗浄)すること、電極層114の上面付近の仕事関数を調整すること等を行うことができる。
ここで、酸素プラズマ処理の条件としては、例えば、プラズマパワー100〜800W程度、酸素ガス流量50〜100mL/min程度、被処理部材(電極層114)の搬送速度0.5〜10mm/sec程度、基板110の温度70〜90℃程度とするのが好ましい。
その後、陽極となる電極層114と隔壁112上に、発光部116を形成する。発光部116は、正孔注入層、発光層、電子輸送層、および電子注入層が積層された積層体として構成されている。
先ず、正孔注入層は、例えば、CVD法や、真空蒸着、スパッタリング等の乾式メッキ法等を用いた気相プロセスにより形成する。
次に、正孔注入層上に、発光層を形成する。発光層は、例えば、真空蒸着等の乾式メッキ法等を用いた気相プロセスにより形成することができる。
次に、発光層上に、電子輸送層を形成する。電子輸送層は、例えば、真空蒸着等の乾式メッキ法等を用いた気相プロセスにより形成するのが好ましい。
次に、電子輸送層上に、電子注入層を形成する。電子注入層の構成材料として無機材料を用いる場合、電子注入層は、例えば、CVD法や、真空蒸着、スパッタリング等の乾式メッキ法等を用いた気相プロセス、無機微粒子インクの塗布および焼成等を用いて形成することができる。
次に、発光部116の電子注入層上に、陰極となる電極層118を形成する。
電極層118としてMgAgなどの電極材料は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、金属箔の接合、金属微粒子インクの塗布および焼成等を用いて形成することができる。
なお、本実施形態の有機EL素子100は、ボトムエミッション型であるため、陰極となる電極層118に、光透過性は、特に要求されない。また、トップエミッション型である場合には、電極層118側から光を透過させる必要があるので、電極層118の平均厚さは、1〜50nm程度であるのが好ましい。
その後、陰極となる電極層118上に、本実施形態の原子層堆積装置10を用いて原子層堆積の保護膜120を形成する。酸化アルミニウム(Al23)などの保護膜120は、発光部116への水分の滲入を抑制するものであり、極めて緻密に形成する必要があるので、原子層堆積装置10で成膜される。
電極層118上への酸化アルミニウム(Al23)などの保護膜120の形成は、先ず、再び図1を参照し、載置台24上に載置された電極層118などが形成された基板22と対向部材30とのアライメント調整を行い、基板22の被処理面82と凸部32の対向面74との距離を例えば20μmとなるように高さ調整を行う。
次に、加熱された原子層堆積装置10のチャンバー20内にガス供給部34から反応ガスであるTMA(Tri Methyl Aluminum)とキャリアガスである窒素(N2)を投入する。TMAガスはチャンバー20に導入され、基板22の表面に付与されているOH基との反応により、アルミニウム原子が基板110の電極層118上に付着(化学吸着)する。その後、1レイヤー分のアルミニウムが成膜されれば、排気部36により、チャンバー20内の付着せず余ったTMAやメタンやキャリアガスを排気する。
次に、ガス供給部34から水蒸気(H2O)を投入し、1レイヤー分のアルミニウム上に1レイヤー分の酸素原子を結合させ1レイヤー分の酸化アルミニウムを成膜する。その後、余分な水蒸気や反応で発生したメタンを排気する。このように、TMA投入、排気、水蒸気投入、排気の1サイクルで1レイヤー分の酸化アルミニウムを成膜することができる。従って、このサイクルを繰り返すことにより、保護膜120である酸化アルミニウムを所望の膜厚に成膜することができる。つまり、酸化アルミニウムは1サイクルでおよそ0.1nmずつ成膜できるので、10nmの膜厚にしたければ、100サイクルを1シーケンスとすればよい。
なお、本実施形態では基板110の電極層118上に距離20μmで対向部材30の対向面74が配置されているので、サイクル数を500サイクルとしても、拡散の影響を受けるため、酸化アルミニウムの膜厚の上限は25nmである。
次に、保護膜120上に平坦化層122を形成する。
平坦化層122は、個々に有機EL素子を形成するための隔壁112による凹凸を平坦化して封止層124を平坦に形成できるようにする機能を有する。樹脂などを保護膜120上にスピンコート法を用いて塗布し、加熱して硬化することで平坦化層122を形成する。なお、平坦化層122を構成する材料としては、例えば、アクリル系樹脂やポリイミド系樹脂、ノボラック系樹脂等の感光性の有機樹脂材料が挙げられる。これらのうち、安価である点や無色透明である点から、アクリル樹脂が好ましい。
最後に、平坦化層122上に封止層124を形成する。
封止層124は、例えばガラス等の基板であり、紫外線硬化樹脂や熱硬化エポキシ樹脂等の封止樹脂で平坦化層122上に貼り合わされている。
以上の工程により、発光部116への水分の滲入を抑制する酸化アルミニウムなどの保護膜120を有する有機EL素子100を形成することができる。
以上で述べたように、本実施形態の原子層堆積装置10は、基板22が載置される載置台24の載置面26と、基板上に配置される対向部材30の対向面70,74と、が複数の異なる距離で配置されているため、載置面26と対向面70,74との距離により原子層堆積を生成するガスの拡散距離が異なることによる、原子層堆積の膜厚を制御することができる。つまり、載置面26と対向面70,74との距離を小さくすることにより、ガスの拡散距離を短くし膜厚を薄くすることができ、逆に、載置面と対向面との距離を大きくすることにより、ガスの拡散距離を長くし膜厚を厚くすることができる。従って、載置面26と対向面70,74との距離を複数設けることにより、1つの成膜シーケンスで複数の膜厚を有する原子層堆積を成膜することができる。
また、凸部32の先端部72も対向面74とすることで、対向部材30に載置面26との距離が異なる対向面70,74を複数設けることができるので、複数の膜厚を有する原子層堆積を成膜することができる。
また、対向部材30の対向面70,74と載置台24の載置面26との距離を調整可能な距離調整手段を有することにより、対向面と載置面との距離を調整できるので、所望の膜厚を有する原子層堆積を成膜することができる。
また、距離調整手段が対向部材30と載置台24との距離を計測する計測部38を有することにより、対向部材と載置台との距離を所望の値に調整することができるので、所望の膜厚を有する原子層堆積を成膜することができる。
また、対向面70,74と被処理面82との距離を5μm以上40μm以下の範囲内とすることで、原子層堆積を成膜するためのガスの流入と拡散距離とを調整し、原子層堆積の膜厚を制御できるので、異なる膜厚の原子層堆積を精度良く成膜することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る対向部材30aを備えた原子層堆積装置10について、図5を参照して説明する。
図5は、本発明の第2実施形態に係る対向部材の構成を示す概略断面図である。
第2実施形態に係る対向部材30aには、図5に示すように、基板22と対向する側に複数の高さを有する凸部32,32aが設けられている。凸部32aは、凸部32aの先端部72aの載置面26又は基板22に対向する対向面74aを有し、対向面74aと基板22の被処理面82との距離がG2となるように、配置されている。従って、対向部材30aは、対向面74と被処理面82との距離がG1、対向面74aと被処理面82との距離がG2、および対向面70と被処理面82との距離がG3と、基板22の被処理面82と3つの距離を有する領域を備えている。
このような構成とすることにより、対向面70,74,74aと被処理面82との距離が3つとなるため、原子層堆積を成膜するためのガスの流入と拡散距離が調整でき、3つの膜厚を有する原子層堆積を1つのシーケンスで成膜することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る対向部材30aを備えた原子層堆積装置10により製造した有機EL装置200について、図6を参照して説明する。なお、本実施形態では、トップエミッション構造の有機EL装置200を一例として説明する。
図6は、有機EL装置の構成を示す概略断面図である。
有機EL装置200は、赤色光を射出する赤色画素208Rと緑色光を射出する緑色画素208Gと青色光を射出する青色画素208Bとを有しており、図6に示すように、基板210上に、反射層212、膜厚の異なる陽極となる電極層214(214R,214G,214B)、発光部218、陰極となる電極層220、保護膜222、平坦化層224、封止層226、カラーフィルター228(228R,228G,228B)、対向基板232の順で積層された積層体で構成されている。
発光部218は、陽極と陰極との電極層(214,220)間に電圧が印加されることで発光する。なお、基板210側に発光された光は、反射層212に反射し、カラーフィルター228側に発光される。
各画素208(208R,208G,208B)は、発光部218より射出される発光が他の画素208へ射出されるのを低減するために、各画素208を構成する陽極となる電極層214(214R,214G,214B)やカラーフィルター228(228R,228G,228B)と間に隔壁216,230が形成されている。
各々のカラーフィルター228(228R,228G,228B)には、各画素208の発光色に合せた顔料が混入されている。赤色カラーフィルター228Rには、赤色光に相当する波長範囲の光、すなわち波長が略610nm〜略750nmの範囲内の光を透過させ、それ以外の波長範囲の光を吸収する材料が分散されている。緑色カラーフィルター228Gには、緑色光に相当する波長範囲の光、すなわち波長が略500nm〜略560nmの範囲内の光を透過させ、それ以外の波長範囲の光を吸収する材料が分散されている。青色カラーフィルター228Bには、青色光に相当する波長範囲の光、すなわち波長が略435nm〜略480nmの範囲内の光を透過させ、それ以外の波長範囲の光を吸収する材料が分散されている。
陽極となる電極層214(214R,214G,214B)の膜厚は、画素208の発光色により異なっている。具体的には、赤色画素208Rの電極層214Rの膜厚は略100nmであり、緑色画素208Gの電極層214Gの膜厚は略60nmであり、青色画素208Bの電極層214Bの層厚は略20nmである。かかる膜厚の差は、共振(共振現象)を利用して、所定の波長分布の光を強調するため設定されている。すなわち、各画素208の電極層214の膜厚と発光部218の膜厚との和が、夫々の画素208が射出すべき波長範囲の光を強調するために好適な長さとなるように設定されている。
ここで、膜厚の異なる電極層214(214R,214G,214B)の形成は、一般的に、フォトリソグラフィー工程、具体的には、ITO薄膜の成膜工程とパターニング工程の組合せ、を計3回繰り返して形成する。そのため、製造コストや歩留まりの点で課題があった。
しかし、本実施形態では、3つの異なる被処理面82との距離を有する対向部材30aを備えた原子層堆積装置10を用いた原子層堆積の成膜方法により、3つの異なる膜厚を有する電極層214(214R,214G,214B)を1つの成膜シーケンスで同時に成膜することができる。つまり、被処理面82との距離が最も短くなる凸部32を電極層214Bを成膜する位置に配置し、次に短くなる凸部32aを電極層214Gを成膜する位置に配置し、最も長くなる対向面70を電極層214Rを成膜する位置に配置することで、3つの異なる膜厚を1つの成膜シーケンスで同時に成膜することができる。従って、製造コストの低減や歩留まり向上の点で非常に効果がある。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る原子層堆積装置10aについて、図7を参照して説明する。
図7は、本発明の第3実施形態に係る原子層堆積装置の構成を示す概略図である。
以下、第3実施形態に係る原子層堆積装置10aについて、前述した第1実施形態の原子層堆積装置10との相違点を中心に説明する。また、同様の構成には、同一符号を付してあり、同様の事項については、その説明を省略する。
第3実施形態に係る原子層堆積装置10aは、載置台24a上の基板22と対向部材30とをアライメントしセッテイングするアライメントステーション1000、セッテイングされた基板22と対向部材30とを原子層堆積部3000へ搬送する搬送ロボット2000、および基板22上に原子層堆積を成膜する原子層堆積部3000などで構成されている。
原子層堆積装置10aでは、アライメントステーション1000において、カメラ62の情報データを計測部38で処理し、算出したデータに基づいて基板22と対向部材30とのアライメントと高さ調整を施し、固定治具31でセッテイングする。次に、搬送ロボット2000によりセッテイングされた基板22と対向部材30とを原子層堆積部3000へ搬送する。その後、原子層堆積部3000において原子層堆積を行う。
このような構成とすることにより、第1実施形態の原子層堆積装置10で行っていたチャンバー20内での基板22と対向部材30とのアライメントや高さ調整を施す機構をチャンバー20内に備える必要がなくなるため、チャンバー20を小型にでき、供給ガス量の低減や排気効率を向上させることができる。
10,10a…原子層堆積装置、20…チャンバー、22…基板、24…載置台、26…載置面、28…ヒーター、30…対向部材、32…凸部、34…ガス供給部、36…排気部、38…計測部、40…スライダー、42…モーター、44…制御部、46…シール部、50…保持部、52…スライダー、54…モーター、56…制御部、58…シール部、60…窓部、62…カメラ、70…対向面、72…先端部、74…対向面、80…隔壁、82…被処理面、100…有機EL素子、200…有機EL装置、1000…アライメントステーション、2000…搬送ロボット、3000…原子層堆積部、G1,G2,G3…距離。

Claims (7)

  1. 載置面を有する載置台と、
    前記載置面に対向して配置され、数の対向面を有する対向部材と、
    を備え
    前記複数の対向面は、第1の対向面、第2の対向面、及び第3の対向面を含み、
    前記第1の対向面と前記載置面との間の第1の距離、前記第2の対向面と前記載置面との間の第2の距離、及び前記第3の対向面と前記載置面との間の第3の距離は、各々異なっていることを特徴とする原子層堆積装置。
  2. 載置面を有する載置台と、
    前記載置面に対向して配置され、複数の対向面を有する対向部材と、
    前記対向部材と前記載置台との距離を調整可能な距離調整手段と、
    を備え、
    前記複数の対向面は、第1の対向面、及び第2の対向面を含み、
    前記第1の対向面と前記載置面との間の第1の距離と、前記第2の対向面と前記載置面との間の第2の距離とは異なり、
    前記距離調整手段は、前記対向部材と前記載置台との距離を計測する計測部を有することを特徴とする原子層堆積装置。
  3. 前記対向面は、凸部の先端部を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の原子層堆積装置。
  4. 前記対向部材と前記載置台との距離を調整可能な距離調整手段を有することを特徴とする請求項に記載の原子層堆積装置。
  5. 前記距離調整手段は、前記対向部材と前記載置台との距離を計測する計測部を有することを特徴とする請求項に記載の原子層堆積装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の原子層堆積装置により成膜することを特徴とする原子層堆積の成膜方法。
  7. 前記対向部材の前記複数の対向面のうち被処理面に最も近い対向面と前記被処理面との距離を5μm以上40μm以下の範囲内とすることを特徴とする請求項6に記載の原子層堆積の成膜方法。
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