JP6568712B2 - 感光性熱硬化性樹脂組成物、ドライフィルムおよびプリント配線板 - Google Patents

感光性熱硬化性樹脂組成物、ドライフィルムおよびプリント配線板 Download PDF

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Description

本発明は、アルカリ水溶液現像が可能であって、硬化膜の物性にも優れた感光性熱硬化性樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」とも称する)、ドライフィルムおよびプリント配線板に関する。
従来、プリント配線板のソルダーレジストに用いられる材料としては、アルカリ水溶液により現像が可能な感光性樹脂組成物が用いられている。このようなアルカリ現像性の感光性樹脂組成物を用いるソルダーレジストの形成方法としては、基材に感光性樹脂組成物を塗布、乾燥して樹脂層を形成し、その樹脂層に対して、パターン状に光照射した後、アルカリ現像液で現像することにより形成する方法が一般的である。
このようなソルダーレジストの形成方法において、アルカリ現像液としては、炭酸ナトリウム(NaCO)水溶液や、炭酸カリウム水溶液(KCO)、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液、テトラメチルアンモニウムハイドライド(TMAH)溶液などのアルカリ水溶液が挙げられるが、プリント配線板の製造においては、基板の信頼性の面や作業環境の面から、通常、弱アルカリ性の炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム水溶液が用いられている。それ故に、プリント配線板用の感光性樹脂組成物においては、弱アルカリ性の炭酸ナトリウム水溶液などで現像可能であることは、極めて重要なこととなる。
一方で、得られる硬化膜の物性を改良するために、従来、感光性樹脂組成物に用いる樹脂の種類を適宜選択することが行われているが、樹脂の種類によっては、弱アルカリ性の炭酸ナトリウム水溶液などによる現像ができない場合がある。例えば、汎用のポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂は、その構造に由来して機械特性や耐熱性に優れるが、溶解性に乏しいために、その組成物を炭酸ナトリウム水溶液による現像に適用することは非常に困難であった。これに対し、これらポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂に現像性を付与することも検討されてきたが、イミド特有の機械特性を大幅に犠牲にすることで対応せざるを得なかった。この点は、ポリイミド樹脂を含む感光性樹脂組成物に関する発明を開示した特許文献1の実施例において、強アルカリ性の水酸化ナトリウム水溶液により現像を行っていることからもわかる。
特開2004−317725号公報
また、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミック酸を利用して、炭酸ナトリウム水溶液による現像への適用検討も種々行われているが、ポリアミック酸を用いた樹脂組成物は、構造由来の高い反応性により組成物としての保存安定性が悪くなることが多く、あるいは閉環反応に高温反応が必要であるため、依然としてプリント配線板への適用例がほとんどないというのが実情である。
そこで本発明の目的は、弱アルカリ性の炭酸ナトリウム水溶液による現像が可能であって、耐衝撃性や屈曲性などの機械特性に優れた感光性熱硬化性樹脂組成物、ドライフィルムおよびプリント配線板を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定の構造を有するポリアミドイミド樹脂を用いた感光性熱硬化性樹脂組成物により前述した機械特性と現像性の課題を解決し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物は、(A)エーテル結合を有するジアミンおよびカルボキシル基含有ジアミンを含むジアミンと、少なくとも3個のカルボキシル基を有しそれらのうち2個が無水化している酸無水物を含む酸無水物(a1)とを反応させて得られるイミド化物と、ジイソシアネート化合物と、を含む反応原料を反応させて得られるポリアミドイミド樹脂、
(B)不飽和二重結合を有するモノマー、または、不飽和二重結合およびカルボキシル基を有する樹脂、
(C)エポキシ樹脂、および、
(D)光重合開始剤、
を含有することを特徴とするものである。
本発明の樹脂組成物においては、前記酸無水物(a1)が、無水トリメリット酸およびシクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物のうちのいずれか一方または双方を含むことが好ましい。また、前記ジイソシアネート化合物が、脂肪族骨格を有することが好ましい。さらに、前記反応原料が、少なくとも3個のカルボキシル基を有し、それらのうち2個が無水化している酸無水物(a2)をさらに含むことが好ましく、より好ましくは、前記酸無水物(a2)が、無水トリメリット酸およびシクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物のうちのいずれか一方または双方を含む。さらにまた、前記(A)ポリアミドイミド樹脂の質量平均分子量Mwが10,000以下であることが好ましい。さらにまた、前記(C)エポキシ樹脂は、好適には、常温で液状のエポキシ樹脂を含む。さらにまた、前記(D)光重合開始剤が、光塩基発生剤としても機能する光重合開始剤を含むことが好ましい。
また、本発明のドライフィルムは、上記本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を有することを特徴とするものである。
さらに、本発明のプリント配線板は、上記本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物、または、上記本発明のドライフィルムを用いて形成される硬化物を備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、弱アルカリ性の炭酸ナトリウム水溶液での現像が可能であって、硬化膜の物性にも優れた感光性熱硬化性樹脂組成物、ドライフィルムおよびプリント配線板を実現することが可能となった。
以下、本発明の実施の形態について詳述する。
本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物は、(A)エーテル結合を有するジアミンおよびカルボキシル基含有ジアミンを含むジアミンと、少なくとも3個のカルボキシル基を有しそれらのうち2個が無水化している酸無水物を含む酸無水物(a1)とを反応させて得られるイミド化物と、ジイソシアネート化合物と、を含む反応原料を反応させて得られるポリアミドイミド樹脂、(B)不飽和二重結合を有するモノマー、または、不飽和二重結合およびカルボキシル基を有する樹脂、(C)エポキシ樹脂、および、(D)光重合開始剤、を含有するものである。
前述したように、従来汎用のイミド樹脂やアミドイミド樹脂を含む組成物は弱アルカリ性の炭酸ナトリウム水溶液での現像ができないという問題を有していたが、本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物においては、エーテル結合およびカルボキシル基を含む特定の(A)ポリアミドイミド樹脂とともに、(B)不飽和二重結合を有するモノマー、または、不飽和二重結合およびカルボキシル基を有するアクリル樹脂を用いるものとしたことで、以下のような効果を得ることができる。すなわち、パターニングにおける露光部については、(B)成分のラジカル重合によりネットワークを形成して、耐現像性を付与することができ、パターニングにおける未露光部については、(A)成分のイミド環と芳香環とが規則的に配列する平面構造をエーテル結合により緩和させ、さらにカルボキシル基を含むことにより親水性を向上させることで弱アルカリ水溶液への溶解性を高め、加えて(B)成分のうち、不飽和二重結合を有するモノマーの場合は軟化点を下げることで、不飽和二重結合およびカルボキシル基を有するアクリル樹脂の場合にはカルボキシル基濃度を上げることで、現像性を補助することができる。これにより、(A)ポリアミドイミド樹脂を含有していても炭酸ナトリウム水溶液での現像が可能であるとともに、イミド構造による耐熱性、および、アミド結合による強靭性等の優れた硬化膜物性を発揮できる感光性熱硬化性樹脂組成物を得ることが可能となった。
以下、本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物を構成する各成分について詳述する。
[(A)ポリアミドイミド樹脂]
本発明に用いる(A)ポリアミドイミド樹脂は、エーテル結合を有するジアミンおよびカルボキシル基含有ジアミンを含むジアミンと、少なくとも3個のカルボキシル基を有しそれらのうち2個が無水化している酸無水物を含む酸無水物(a1)とを反応させてイミド化物を得た後、得られたイミド化物とジイソシアネート化合物とを含む反応原料を反応させて得られるものである。上記反応原料には、後述するように、上記イミド化物およびジイソシアネート化合物に加えてさらに、少なくとも3個のカルボキシル基を有し、それらのうち2個が無水化している酸無水物(a2)を、含有させることが好ましい。
(ジアミン)
エーテル結合を有するジアミンとしては、ポリオキシエチレンジアミンや、ポリオキシプロピレンジアミン、その他、炭素鎖数の異なるオキシアルキレン基を含むポリオキシアルキレンジアミンなどが挙げられる。
エーテル結合を有するジアミンの分子量は、200〜3000であることが好ましく、400〜2000であることがより好ましい。
ポリオキシアルキレンジアミン類としては、米ハンツマン社製のジェファーミンED−600、ED−900、ED−2003、EDR−148、HK−511などのポリオキシエチレンジアミンや、ジェファーミンD−230、D−400、D−2000、D−4000などのポリオキシプロピレンジアミンや、ジェファーミンXTJ−542、XTJ533、XTJ536などのポリテトラメチレンエチレン基を有するものなどが挙げられる。
カルボキシル基含有ジアミンとしては、例えば、3,5−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノ安息香酸、3,4−ジアミノ安息香酸等のジアミノ安息香酸類、3,5−ビス(3−アミノフェノキシ)安息香酸、3,5−ビス(4−アミノフェノキシ)安息香酸等のアミノフェノキシ安息香酸類、3,3’−メチレンビス(6−アミノ安息香酸)、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシビフェニル等のカルボキシビフェニル化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシジフェニルメタン、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン等のカルボキシジフェニルアルカン類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル等のカルボキシジフェニルエーテル化合物等を挙げることができ、これらを単独でまたは適宜組み合わせて使用することができる。
本発明においては、ジアミンとして、エーテル結合を有するジアミンおよびカルボキシル基含有ジアミンを用いることが必要であるが、それ以外のジアミンを併用してもよい。併用可能な他のジアミンとしては、汎用の脂肪族ジアミンや芳香族ジアミンなどを、単独でまたは適宜組み合わせて使用することができる。具体的には、他のジアミンとしては、例えば、p−フェニレンジアミン(PPD)、1,3−ジアミノベンゼン、2,4−トルエンジアミン、ベンゼン核1つのジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどのジアミノジフェニルエーテル類、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、1,3−ビス(3−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス〔2−(4−アミノフェニル)イソプロピル〕ベンゼン、1,4−ビス〔2−(3−アミノフェニル)イソプロピル〕ベンゼン、3,3’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテルなどの芳香族ジアミン、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン等の脂肪族ジアミンが挙げられる。
また、アミノ変性シリコーンとして、東レ・ダウコーニング社製のBY16−205、FZ−3760、BY16−871、BY16−853Uなどが挙げられる。ポリアミドイミド樹脂のアルカリ溶解性と、得られる硬化物の機械特性等とのバランスを良好にする観点から、ポリオキシアルキレンジアミンのアミン当量は、100g/eq以上1500g/eq以下であることが好ましく、200g/eq以上1000g/eq以下であることがより好ましい。
(酸無水物(a1)および酸無水物(a2))
酸無水物(a1)および酸無水物(a2)は夫々、少なくとも3個のカルボキシル基を有し、それらのうち2個が無水化している酸無水物を含む。かかる酸無水物としては、芳香族環および脂肪族環のうちの少なくともいずか一方を有するものが挙げられ、芳香族環を有するものとして無水トリメリット酸(トリメリット酸無水物)(ベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸1,2−無水物,TMA)等、脂肪族環を有するものとして水素添加トリメリット酸無水物(シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物,H−TMA)等を好適に挙げることができる。これらの酸無水物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明においては、上記酸無水物を用いることが必要であるが、カルボン酸二無水物を併用してもよい。カルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物などの、テトラカルボン酸無水物等が挙げられる。また、両末端型カルボン酸無水物変性シリコーンなどが挙げられる。
(ジイソシアネート化合物)
ジイソシアネート化合物としては、芳香族ジイソシアネートおよびその異性体や多量体、脂肪族ジイソシアネート類、脂環式ジイソシアネート類およびその異性体などのジイソシアネートや、その他汎用のジイソシアネート類を用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらのジイソシアネート化合物は、単独でまたは組み合わせて使用してもよい。
ジイソシアネート化合物としては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、ジフェニルスルホンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートおよびその異性体、多量体、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)などの脂肪族ジイソシアネート類、あるいは、上記芳香族ジイソシアネートを水添した脂環式ジイソシアネート類および異性体、もしくはその他汎用のジイソシアネート類が挙げられる。
上述したように、ポリアミドイミド樹脂を得るための反応原料には、上記イミド化物およびジイソシアネート化合物に加えて、イミド化物を得る際に用いたのと同様の酸無水物(a2)を、さらに含有させてもよい。この場合の反応原料中の酸無水物(a2)の含有量については、特に限定されない。ポリアミドイミド樹脂のアルカリ溶解性と、得られる硬化物の機械特性等とのバランスを良好にする観点からは、反応原料中のイミド化物を得るために使用したジアミンの量に対する、反応原料中の酸無水物(a2)の量のモル比率は、0.25以上4以下であることが好ましく、0.5以上2以下であることがより好ましく、0.6以上1.5以下であることが特に好ましい。
反応原料中のジイソシアネート化合物の含有量についても、特に限定されない。ポリアミドイミド樹脂のアルカリ溶解性と、得られる硬化物の機械特性等とのバランスを良好にする観点からは、反応原料中のジイソシアネート化合物の量は、反応原料中のイミド化物を得るために使用したジアミンの量と必要に応じ反応原料に含有させる酸無水物(a2)の量の総和に対するモル比率として、0.3以上1.0以下とすることが好ましく、0.4以上0.95以下とすることがより好ましく、0.50以上0.90以下とすることが特に好ましい。
本発明においては、特に、エーテル結合を有するジアミンと、脂環式のトリメリット酸であるH−TMAとを用いることで、得られる(A)ポリアミドイミド樹脂において、アルカリ溶解性が高まり、現像性が向上するものとなるため、好ましい。また、同じ理由から、2段階目の反応において脂肪族のジイソシアネート化合物を用いることも好ましい。前述したようにポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂はイミド環と芳香環とが規則的に配列し平面構造をとるため耐熱性や機械特性に優れる一方で、溶剤やアルカリ水溶液への溶解性が低い特長があるが、本発明のように脂肪鎖や脂環構造を有効に構造内に取り込むことで、特性を大きく低下させることなくアルカリ溶解性が高めることが可能になった。
本発明において、上記(A)ポリアミドイミド樹脂は、脂肪族構造およびエーテル結合を有することが好ましい。この場合の脂肪族構造としては、直鎖状のヘキサンまたは環状のシクロヘキサンが挙げられる。また、上記エーテル結合は、分子量が200以上であるポリエーテル構造であることが好ましい。イミド系樹脂の多くは強アルカリ/溶剤現像性を有するが、脂肪族構造やエーテル結合、特にはポリエーテル構造を導入することで、上記(A)ポリアミドイミド樹脂が、弱アルカリ水溶液による現像性、深部解像性および屈曲性を有するものとすることができる。上記脂肪族構造は、例えば、脂肪族環を有する酸無水物を用いるか、脂肪族構造を有するイソシアネートを用いることで導入することができ、上記エーテル結合は、例えば、エーテル結合を有するジアミンを用いることで、導入することができる。
また、上記(A)ポリアミドイミド樹脂のアミド結合は、イソシアネートとカルボン酸とを反応させて得られるものであってもよく、それ以外の反応によるものであってもよい。上記(A)ポリアミドイミド樹脂は、さらにその他の付加および縮合からなる結合を有していてもよい。
本発明において、上記(A)ポリアミドイミド樹脂を得る際の各成分の配合比としては、上記ジアミン1モルに対して、上記酸無水物が、好適には2.0〜2.4モル、より好適には2.0〜2.2モルである。ジアミンと酸無水物とを反応させ、脱水閉環によりイミド化する際の反応温度については特に限定されないが、140℃〜200℃の範囲内であることが好ましい。上記ジアミンと上記酸無水物とを反応させて得られるイミド化物とジイソシアネート化合物との反応温度は特に限定されないが、130℃〜200℃の範囲内であることが好ましい。
上記(A)ポリアミドイミド樹脂は、アルカリ現像工程に対応するために、その酸価が50mgKOH/g以上であることが好ましく、50〜200mgKOH/gであることがより好ましく、70〜130mgKOH/gであることがさらに好ましい。酸価が50mgKOH/g以上であると、アルカリに対する溶解性が増大し、現像性が良好となり、さらには、光照射後の熱硬化成分との架橋度が高くなるため、十分な現像コントラストを得ることができる。一方、酸価が200mgKOH/g以下であると、正確なパターンの描画が容易となる。
また、(A)ポリアミドイミド樹脂の分子量は、現像性と硬化塗膜特性を考慮すると、質量平均分子量Mwが10,000以下であることが好ましく、1,000〜8,000がより好ましく、2,000〜6,000がさらに好ましい。分子量が10,000以下であると、未露光部のアルカリ溶解性が増加し、現像性が向上する。一方、分子量が1,000以上であると、露光部において、十分な耐現像性と硬化物性を得ることができる。
[(B)不飽和二重結合を有するモノマー、または、不飽和二重結合およびカルボキシル基を有する樹脂]
(B)成分のうち、不飽和二重結合を有するモノマーは、通常、液状であり、樹脂組成物の軟化点を下げることにより、現像しやすくする効果を得ることができる。また、不飽和二重結合およびカルボキシル基を有する樹脂を用いることで、カルボキシル基の濃度が上がることによって、現像性を向上する効果を得ることができる。
(B)成分のうち、不飽和二重結合を有するモノマーとしては、慣用公知のポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、カーボネート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。具体的には、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレート類;エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコールのジアクリレート類;ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレートなどの多価アルコールまたはこれらのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物、もしくはε−カプロラクトン付加物などの多価アクリレート類;フェノキシアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、および、これらのフェノール類のエチレンオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド付加物などの多価アクリレート類;グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリシジルエーテルの多価アクリレート類;および、上記アクリレートに対応する各メタクリレート類の少なくともいずれか一種などが挙げられる。
また、不飽和二重結合およびカルボキシル基を有する樹脂としては、以下に列挙するような化合物(オリゴマーおよびポリマーのいずれでもよい)が挙げられる。
(1)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等のジイソシアネートと、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のカルボキシル基を含有する、ジアルコール化合物、ポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキシド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基およびアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物等のジオール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有感光性ウレタン樹脂。
(2)ジイソシアネートと、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂等の2官能エポキシ樹脂の(メタ)アクリレートもしくはその部分酸無水物変性物と、カルボキシル基含有ジアルコール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有感光性ウレタン樹脂。
(3)2官能またはそれ以上の多官能(固形)エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、側鎖に存在する水酸基に2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有感光性樹脂。
(4)2官能(固形)エポキシ樹脂の水酸基をさらにエピクロロヒドリンでエポキシ化した多官能エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、生じた水酸基に2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有感光性樹脂。
(5)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドまたは環状カーボネート化合物とを反応させて得られる反応生成物に、不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に、更に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。
(6)(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物の1種類以上との共重合体に、エポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物や(メタ)アクリル酸クロライドなどによって、エチレン性不飽和基をペンダントとして付加させることによって得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。
(7)上述の(1)〜(6)の樹脂に、さらに1分子内に1つのエポキシ基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加してなるカルボキシル基含有感光性樹脂。
これら(B)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物中の(B)成分の配合量は、(A)ポリアミドイミド樹脂100質量部に対して、好ましくは5〜150質量部であり、より好ましくは10〜80質量部である。(B)成分の配合量を上記範囲とすることで、露光部における耐現像性の向上と、未露光部における現像性の確保とを、良好に両立させることができるものとなる。
[(C)エポキシ樹脂]
本発明に用いる(C)エポキシ樹脂としては、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂などが用いられる。これら(C)エポキシ樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明において、(C)エポキシ樹脂は、常温(20℃)で液状であるものを用いることが好ましい。現像性には組成物の軟化点が影響することから、常温で液状である(C)エポキシ樹脂を用いることで、現像性を補助する効果を得ることができる。20℃で液状のエポキシ樹脂としては、例えば、E828(三菱化学(株)製)、YD−128(東都化成(株)製)、840,850(DIC(株)製)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、806,807(三菱化学(株)製)、YDF−170(東都化成(株)製)、830,835,N−730A(DIC(株)製)等のビスフェノールF型エポキシ樹脂、ZX−1059(東都化成(株)製)等のビスフェノールA,F混合物、YX−8000,8034(三菱化学(株)製)、ST−3000(東都化成(株)製)等の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂などが挙げられる。
本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物中の(C)エポキシ樹脂の配合量は、(A)成分と(B)成分の合計のカルボン酸当量に対するエポキシ当量の比率が、好ましくは0.2〜3.0、より好ましくは0.5〜2.0の範囲となる量である。
[(D)光重合開始剤]
本発明に用いる光重合開始剤(D)としては、公知慣用のものを用いることができ、特に、後述する光照射後の加熱(PEB)工程に用いる場合には、光塩基発生剤としての機能も有する光重合開始剤が好適である。なお、このPEB工程では、光重合開始剤と光塩基発生剤とを併用してもよい。
光塩基発生剤としての機能も有する光重合開始剤は、紫外線や可視光等の光照射により分子構造が変化するか、または、分子が開裂することにより、熱反応性化合物としての(C)エポキシ樹脂の重合反応の触媒として機能しうる1種以上の塩基性物質を生成する化合物である。塩基性物質としては、例えば、2級アミン、3級アミンが挙げられる。
このような光塩基発生剤としての機能も有する光重合開始剤としては、例えば、α−アミノアセトフェノン化合物、オキシムエステル化合物や、アシルオキシイミノ基,N−ホルミル化芳香族アミノ基、N−アシル化芳香族アミノ基、ニトロベンジルカーバメイト基、アルコオキシベンジルカーバメート基等の置換基を有する化合物等が挙げられる。中でも、オキシムエステル化合物、α−アミノアセトフェノン化合物が好ましく、オキシムエステル化合物がより好ましい。α−アミノアセトフェノン化合物としては、特に、2つ以上の窒素原子を有するものが好ましい。
α−アミノアセトフェノン系化合物は、分子中にベンゾインエーテル結合を有し、光照射を受けると分子内で開裂が起こり、硬化触媒作用を奏する塩基性物質(アミン)が生成するものであればよい。α−アミノアセトフェノン系化合物としては、市販品としてBASFジャパン社製のイルガキュアー907、イルガキュアー369、イルガキュアー379などが挙げられる。
オキシムエステル系化合物としては、光照射により塩基性物質を生成する化合物であれば、いずれをも使用することができる。このようなオキシムエステル系化合物としては、市販品として、BASFジャパン社製のCGI−325、イルガキュアーOXE01、イルガキュアーOXE02、(株)ADEKA製のN−1919、NCI−831などが挙げられる。また、分子内に2個のオキシムエステル基を有する光重合開始剤も好適に用いることができる。
このような光重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。樹脂組成物中の光重合開始剤の配合量は、好ましくは(A)ポリアミドイミド樹脂100質量部に対して0.1〜40質量部であり、さらに好ましくは、0.3〜20質量部である。0.1質量部以上の場合、光照射部と未照射部との耐現像性のコントラストを良好に得ることができる。また、40質量部以下の場合、硬化物特性が向上する。
本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物には、必要に応じて以下の成分を配合することができる。
(高分子樹脂)
本発明の樹脂組成物には、得られる硬化物の可撓性、指触乾燥性の向上を目的に、公知慣用の高分子樹脂を配合することができる。このような高分子樹脂としては、セルロース系、ポリエステル系、フェノキシ樹脂系ポリマー、ポリビニルアセタール系、ポリビニルブチラール系、ブロック共重合体、エラストマー等が挙げられる。この高分子樹脂は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
(無機充填剤)
本発明の樹脂組成物には、硬化物の硬化収縮を抑制し、密着性、硬度などの特性を向上させるために、無機充填剤を配合することができる。このような無機充填剤としては、例えば、硫酸バリウム、無定形シリカ、溶融シリカ、球状シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ノイブルグシリシャスアース等が挙げられる。
(着色剤)
本発明の樹脂組成物には、公知慣用の着色剤を配合することができる。着色剤としては、赤、青、緑、黄、白、黒などの慣用公知の着色剤を使用することができ、顔料、染料、色素のいずれでもよい。
(有機溶剤)
本発明の樹脂組成物には、樹脂組成物の調製のためや、基材やキャリアフィルムに塗布するための粘度調整のために、有機溶剤を使用することができる。このような有機溶剤としては、ケトン類、芳香族炭化水素類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルアセテート類、エステル類、アルコール類、脂肪族炭化水素、石油系溶剤などを挙げることができる。このような有機溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
(その他の任意成分)
本発明の樹脂組成物には、必要に応じてさらに、メルカプト化合物、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの成分を配合することができる。これらは、電子材料の分野において公知慣用のものを用いることができる。また、微粉シリカ、ハイドロタルサイト、有機ベントナイト、モンモリロナイトなどの公知慣用の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系などの消泡剤および/またはレベリング剤、シランカップリング剤、防錆剤などのような公知慣用の添加剤類を配合することができる。
本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物は、靭性や耐熱性に優れるポリアミドイミド樹脂を含みながら、炭酸ナトリウム水溶液で現像が可能であることから、プリント配線板の分野において広く使用することができ、例えば、パッケージ用、車載用、マザーボード用、フレキシブル用などのプリント配線板のソルダーレジスト等の用途として用いることができる。
(ドライフィルム)
本発明のドライフィルムは、以下のようにして製造できる。すなわち、まず、キャリアフィルム(支持体)上に、上記本発明の樹脂組成物を、有機溶剤で希釈して適切な粘度に調整し、常法に従い、コンマコーター等の公知の手法で順次塗布する。その後、通常、50〜130℃の温度で1〜30分間乾燥することで、キャリアフィルム上に形成された樹脂層を有するドライフィルムを得ることができる。このドライフィルム上には、膜の表面に塵が付着することを防ぐ等の目的で、さらに、剥離可能なカバーフィルムを積層することができる。キャリアフィルムおよびカバーフィルムとしては、従来公知のプラスチックフィルムを適宜用いることができ、カバーフィルムについては、カバーフィルムを剥離するときに、樹脂層とキャリアフィルムとの接着力よりも小さいものであることが好ましい。キャリアフィルムおよびカバーフィルムの厚さについては特に制限はないが、一般に、10〜150μmの範囲で適宜選択される。
(プリント配線板およびその製造方法)
本発明のプリント配線板は、上記本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物、または、上記本発明のドライフィルムを用いて形成される硬化物を備える点に特徴を有する。ポリアミドイミド樹脂を含む本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物を用いて得られる本発明のプリント配線板は、強靱でかつ高耐熱性を有し、また、屈曲性にも優れるとの利点を有するものである。
本発明のプリント配線板の製造は、導体回路を形成したプリント配線基板上に本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を形成する工程(樹脂層形成工程)、この樹脂層に活性エネルギー線をパターン状に照射する工程(露光工程)、この樹脂層をアルカリ現像して、パターン化された樹脂層を一括形成する工程(現像工程)を含む製造方法である。必要に応じて、アルカリ現像後、さらなる光硬化や熱硬化(ポストキュア工程)を行い、樹脂層を完全に硬化させて信頼性の高いプリント配線板を得ることができる。
また、本発明のプリント配線板の製造は、以下の手順に従い行うこともできる。すなわち、導体回路を形成したプリント配線基板上に本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を形成する工程(樹脂層形成工程)、この樹脂層に活性エネルギー線をパターン状に照射する工程(露光工程)、この樹脂層を加熱する工程(加熱(PEB)工程)、および、樹脂層をアルカリ現像して、パターン化された樹脂絶縁層を形成する工程(現像工程)を含む製造方法である。アルカリ現像後、さらなる光硬化や熱硬化(ポストキュア工程)を行い、樹脂層を完全に硬化させて信頼性の高いプリント配線板を得ることができる。特に、本発明においては、この手順を用いることが好ましい。
以下、各工程について、詳細に説明する。
[樹脂層形成工程]
この工程では、プリント配線板上に、本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を少なくとも一層形成する。
樹脂層の形成方法としては、塗布法と、ラミネート法が挙げられる。塗布法の場合、スクリーン印刷等の方法により、本発明の樹脂組成物をプリント配線板上に塗布し、乾燥することにより樹脂層を形成する。ラミネート法の場合、まずは、本発明の樹脂組成物を有機溶剤で希釈して適切な粘度に調整し、キャリアフィルム上に塗布、乾燥して樹脂層を有するドライフィルムを作成する。次に、ラミネーター等により樹脂層が、プリント配線板と接触するように貼り合わせ、樹脂層を形成する。キャリアフィルムは、ラミネート工程後又は後述の光照射工程又は加熱(PEB)工程後に剥離する。
また、樹脂層とプリント配線板の間には、他の層を介在させることができる。他の層は、アルカリ現像型感光性樹脂組成物からなることが好ましい。アルカリ現像型感光性樹脂組成物としては、公知の組成物を使用することができ、例えば、ソルダーレジスト用の公知の組成物を使用できる。このように他の層を含めた積層構造とすることにより、さらに耐衝撃性と屈曲性に優れた硬化物を得ることができる。
[露光工程]
この工程は、ネガ型のパターン状に光照射にて樹脂層に含まれる光重合開始剤を活性化して光照射部を硬化する。この工程では、光照射部で発生したラジカルにより、樹脂組成物に含まれる感光性樹脂成分が重合し、現像液に不溶となる。また、光塩基発生剤や、光塩基発生剤としても機能する光重合開始剤を含む組成物の場合は、この工程において光照射部に塩基が発生する。
光照射機としては、直接描画装置、メタルハライドランプを搭載した光照射機などを用いることができる。パターン状の光照射用のマスクは、ネガ型のマスクである。
光照射に用いる活性エネルギー線としては、最大波長が350〜450nmの範囲にあるレーザー光または散乱光を用いることが好ましい。最大波長をこの範囲とすることにより、効率よく光重合開始剤を活性化させることができる。この範囲のレーザー光を用いていればガスレーザー、固体レーザーのいずれでもよい。また、その光照射量は膜厚等によって異なるが、一般には100〜1500mJ/cmとすることができる。
[加熱(PEB)工程]
この工程では、光塩基発生剤や、光塩基発生剤としても機能する光重合開始剤を含む組成物において、光照射工程で光照射部に発生した塩基により熱反応性化合物が反応し、照射部のアルカリ現像耐性が向上する。加熱温度は、例えば、80〜140℃である。加熱時間は、例えば、1〜100分である。
本工程における樹脂組成物の反応は、例えば、熱反応によるエポキシ樹脂の開環反応であるため、光ラジカル反応で硬化が進行する場合と比べてひずみや硬化収縮を抑えることができる。また樹脂組成物のカルボキシル基が反応し、減ることにより、光照射部のアルカリ現像耐性が大きく向上する。
[現像工程]
現像工程は、アルカリ現像により、未照射部を除去して、ネガ型のパターン状の絶縁膜、特に、ソルダーレジストパターンを形成する。
現像方法としては、ディッピング等の公知の方法によることができる。また、現像液としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アミン類、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)等のアルカリ水溶液またはこれらの混合液を用いることができる。ここで、本発明においては、前述したような特定のポリアミドイミド樹脂を用いることにより、例えば、0.3〜3質量%の弱アルカリ性の現像液により現像可能である点に、メリットがある。
[ポストキュア工程]
この工程は、現像工程の後に、樹脂層を完全に熱硬化させて信頼性の高い塗膜を得るものである。加熱温度は、例えば140℃〜180℃である。さらに、ポストキュアの前または後に、光照射してもよい。
以下、実施例、比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例、比較例によって制限されるものではない。
<合成例1:ポリエーテル構造およびシクロ環を有するポリアミドイミド樹脂溶液の合成例>
撹拌機、窒素導入管、分留環、冷却環を取り付けたセパラブル3つ口フラスコに、3,5−ジアミノ安息香酸を3.8g、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンを6.98g、ジェファーミンXTJ−542(ハンツマン社製、分子量1025.64)を8.21g、γ−ブチロラクトンを86.49g、室温で仕込み、溶解した。
次いで、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物17.84gおよびトリメリット酸無水物2.88gを仕込み、室温で30分間保持した。次いで、トルエンを30g加え、160℃まで昇温して、トルエンおよび水を留去しながら3時間撹拌した後、室温まで冷却し、イミド化物溶液を得た。
得られたイミド化物溶液に、トリメリット酸無水物9.61gおよびトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート17.45gを仕込み、温度160℃で32時間撹拌した。こうしてカルボキシル基を有するポリアミドイミド樹脂溶液(PAI−1)を得た。得られた樹脂溶液(PAI−1)の固形分は40.1質量%、固形分の酸価は88.1mgKOHであった。
<合成例2:ポリエーテル構造およびシクロ環を有しないポリアミドイミド樹脂溶液の合成例>
撹拌機、窒素導入管、分留環、冷却環を取り付けたセパラブル3つ口フラスコに、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン26.69g、γ−ブチロラクトン166.05gを室温で仕込み、溶解した。
次いで、無水トリメリット酸32.02gを仕込み、室温で30分保持した。さらにトルエン30gを仕込み、160℃まで昇温して、反応で生成する水をトルエンと共に除去した後、3時間保持して、室温まで冷却することでイミド化物溶液を得た。
得られたイミド化物溶液に、無水トリメリット酸16.01gおよび4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート25.03gを仕込み、160℃の温度で12時間撹拌した。こうしてカルボキシル基を有するポリアミドイミド樹脂溶液(PAI−2)を得た。得られた樹脂溶液(PAI−2)の固形分は36.8%、固形分酸価は84.6mgKOH/gであった。
<合成例3:イミド環、フェノール性水酸基およびカルボキシル基を有するポリイミド樹脂溶液の合成例>
撹拌機、窒素導入管、分留環、冷却環を取り付けたセパラブル3つ口フラスコに、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン22.4g、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンを8.2g、NMPを30g、γ−ブチロラクトンを30g、4,4’−オキシジフタル酸無水物を27.9g、トリメリット酸無水物を3.8g加え、窒素雰囲気下、室温、100rpmで4時間撹拌した。次いでトルエンを20g加え、シリコン浴温度180℃、150rpmでトルエンおよび水を留去しながら4時間撹拌してイミド環を有するアルカリ溶解性樹脂溶液(PI−1)を得た。
得られた樹脂溶液(PI−1)の固形分酸価は18mgKOH、Mwは10,000、水酸基当量は390であった。
(実施例1〜6,比較例1〜3)
下記表中に記載の配合に従って、実施例および比較例に記載の材料をそれぞれ配合、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールミルにて混練し、感光性熱硬化性樹脂組成物を調製した。なお、表中の配合量の値は、特に断りがない限り、固形分の質量部を示す。
<露光部の表面状態および未露光部の溶解時間>
銅厚18μmの回路が形成されたプリント配線基材を用意し、メック社製のCZ−8100を使用して、前処理を行った。その後、前処理を行ったプリント配線基材に、各感光性熱硬化性樹脂組成物を、乾燥後の膜厚が25μmになるように塗布した。その後、熱風循環式乾燥炉にて90℃/30分にて乾燥し、感光性熱硬化性樹脂組成物からなる被膜を形成した。
上記で得られた被膜を備える基材に対し、高圧水銀灯(ショートアークランプ)搭載の露光装置を用いて500mJ/cmでネガ型パターンを露光した。その後、実施例1〜6および比較例1,2および4については90℃で30分間PEB工程を行った後、30℃の1質量%NaCO水溶液を用いて、スプレー圧2kg/cmの条件で5分間現像を行い、現像後の露光部の表面状態を観察して、耐現像性を評価した。また、未露光部の溶解時間を測定した。溶解時間は、一般的なプリント配線板製造工程の現像時間に対応する120秒以下であれば合格である。
<屈曲性試験(クラックの有無)>
ポリイミド厚25μm、銅厚18μmからなるプリント配線基材を用意し、メック社製のCZ−8100を使用して、前処理を行った。このプリント配線板上に、各感光性熱硬化性樹脂組成物を、乾燥後の膜厚が25μmになるように塗布した。その後、熱風循環式乾燥炉にて90℃/30分にて乾燥し、感光性熱硬化性樹脂組成物からなる被膜を形成した。
上記で得られた被膜を備える基材に対し、高圧水銀灯(ショートアークランプ)搭載の露光装置を用いて500mJ/cmで全面露光した。その後、実施例1〜6および比較例1,2および4については90℃で30分間PEB工程を行ってから、30℃の1質量%NaCO水溶液を用いて、スプレー圧2kg/cmの条件で5分間現像を行った。その後に熱風循環式乾燥炉にて150℃で60分の硬化を行い、感光性熱硬化性樹脂組成物の硬化被膜を備える基板を作製した。
得られた基板を約50mm×約200mmに切断し、円筒型マンドレル試験機(BYKガードナー社,No.5710)を用いて、屈曲性評価を行った。樹脂組成物を塗布した面を外側に配置し、直径2mmの芯棒を中心に屈曲させて、クラック発生の有無を評価した。
その評価結果を下記の表中に併せて示す。
Figure 0006568712
*1)PAI−1:合成例1のポリアミドイミド樹脂
*2)PAI−2:合成例2のポリアミドイミド樹脂
*3)PI−1:合成例3のポリイミド樹脂
*4)PCR−1170H:カルボキシル基含有変性フェノールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製),酸価64mgKOH/g,COOH当量890
*5)BPE−900:エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(新中村化学(株)製)
*6)E828:ビスフェノールA型エポキシ樹脂,エポキシ当量190,質量平均分子量380(20℃で液状のエポキシ樹脂)(三菱化学(株)製)
*7)IRGACURE 379:アルキルフェノン系光重合開始剤(BASF社製)
*8)IRGACURE OXE02:オキシム系光重合開始剤(BASF社製)
上記表中に示す評価結果から明らかであるように、各実施例の樹脂組成物において使用した(A)ポリアミドイミド樹脂PAI−1は、溶解性に優れるとともに、構造中にポリエーテル構造およびシクロ環を有することで、現像性も高く維持できるものであることがわかる。かかる(A)ポリアミドイミド樹脂PAI−1と(B)〜(D)成分とを併せて用いたことにより、各実施例の樹脂組成物においては、良好な現像性と、高い屈曲性とが得られている。
一方、本発明の要件を満足しないポリアミドイミド樹脂PAI−2はポリエーテル構造およびシクロ環を有しないものであり、比較例1,2から、ポリアミドイミド樹脂PAI−2やイミド樹脂PI−1は、単独では炭酸ナトリウム現像ができないことがわかる。これに対し、ポリアミドイミド樹脂PAI−2やイミド樹脂PI−1を(A)ポリアミドイミド樹脂PAI−1と併用した場合には、実施例5,6から、炭酸ナトリウム水溶液に対する溶解性は確保されている。また、比較例3においては、イミド系樹脂を含まないために、クラックが発生した。

Claims (10)

  1. (A)エーテル結合を有するジアミンおよびカルボキシル基含有ジアミンを含むジアミンと、少なくとも3個のカルボキシル基を有しそれらのうち2個が無水化している酸無水物を含む酸無水物(a1)とを反応させて得られるイミド化物と、ジイソシアネート化合物と、を含む反応原料を反応させて得られるポリアミドイミド樹脂、
    (B)不飽和二重結合を有するモノマー、または、不飽和二重結合およびカルボキシル基を有する樹脂、
    (C)エポキシ樹脂、および、
    (D)光重合開始剤、
    を含有することを特徴とする感光性熱硬化性樹脂組成物。
  2. 前記酸無水物(a1)が、無水トリメリット酸およびシクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物のうちのいずれか一方または双方を含む請求項1記載の感光性熱硬化性樹脂組成物。
  3. 前記ジイソシアネート化合物が、脂肪族骨格を有する請求項1または2記載の感光性熱硬化性樹脂組成物。
  4. 前記反応原料が、少なくとも3個のカルボキシル基を有し、それらのうち2個が無水化している酸無水物(a2)をさらに含む請求項1〜3のうちいずれか一項記載の感光性熱硬化性樹脂組成物。
  5. 前記酸無水物(a2)が、無水トリメリット酸およびシクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物のうちのいずれか一方または双方を含む請求項4記載の感光性熱硬化性樹脂組成物。
  6. 前記(A)ポリアミドイミド樹脂の質量平均分子量Mwが10,000以下である請求項1〜5のうちいずれか一項記載の感光性熱硬化性樹脂組成物。
  7. 前記(C)エポキシ樹脂が、常温で液状のエポキシ樹脂を含む請求項1〜6のうちいずれか一項記載の感光性熱硬化性樹脂組成物。
  8. 前記(D)光重合開始剤が、光塩基発生剤としても機能する光重合開始剤を含む請求項1〜7のうちいずれか一項記載の感光性熱硬化性樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のうちいずれか一項記載の感光性熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を有することを特徴とするドライフィルム。
  10. 請求項1〜8のうちいずれか一項記載の感光性熱硬化性樹脂組成物、または、請求項9記載のドライフィルムを用いて形成される硬化物を備えることを特徴とするプリント配線板。
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