以下、添付図面に従って本開示の技術に係る撮像装置の実施形態の一例について説明する。
なお、以下の説明において、「垂直」とは、許容される範囲内の誤差を含めた意味合いでの垂直を指す。また、以下の説明において、「一致」とは、許容される範囲内の誤差を含めた意味合いでの一致を指す。
また、以下の説明において、「CPU」とは、“Central Processing Unit”の略称を指す。また、以下の説明において、「I/F」とは、“Interface”(インタフェース)の略称を指す。また、以下の説明において、「ASIC」とは、“Application Specific Integrated Circuit”の略称を指す。また、以下の説明において、「FPGA」とは、“Field−Programmable Gate Array”の略称を指す。
また、以下の説明において、「RAM」とは、“Random Access Memory”の略称を指す。また、以下の説明において、「EEPROM」とは、“Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory”の略称を指す。また、以下の説明において、「SSD」とは、“Solid State Drive”の略称を指す。また、以下の説明において、CD−ROMとは、“Compact Disc Read Only Memory”の略称を指す。
また、以下の説明において、「JPEG」とは、“Joint Photographic Experts Group”の略称を指す。また、以下の説明において、「MPEG」とは、“Moving Picture Experts Group”の略称を指す。また、以下の説明において、「USB」とは、“Universal Serial Bus”の略称を指す。
また、以下の説明において、CMOSとは、“Complementary Metal−Oxide−Semiconductor”の略称を指す。また、以下の説明において、「AE」とは、“Auto Exposure”の略称を指す。また、以下の説明において、「AF」とは、“Auto Focus”の略称を指す。
[第1実施形態]
一例として図1に示すように、撮像装置10は、レンズ交換式のデジタルカメラであり、撮像装置本体12及び撮像レンズ14を含む。撮像レンズ14は、撮像装置本体12に対して交換可能に装着される。
撮像レンズ14の鏡筒には、マニュアルフォーカスモード時に使用されるフォーカスリング16が設けられている。撮像レンズ14は、レンズユニット18を含む。レンズユニット18は、フォーカスレンズ20を含む複数のレンズが組み合わされた組み合わせレンズである。フォーカスレンズ20は、フォーカスリング16の手動による回転操作に伴って光軸L1方向に移動し、被写体距離に応じた合焦位置で後述の撮像素子22の受光面22A(図3参照)に、被写体を示す反射光である被写体光が結像される。
撮像装置本体12の上面には、ダイヤル24及びレリーズボタン26が設けられている。ダイヤル24は、撮像モードと再生モードとの切り替え等の各種設定の際に操作される。従って、撮像装置10では、ダイヤル24がユーザによって操作されることにより、動作モードとして撮像モードと再生モードとが選択的に設定される。
撮像装置10は、撮像系の動作モードとして、静止画撮像モードと動画撮像モードとを有する。静止画撮像モードは、被写体が撮像されて得られた静止画像を記録する動作モードであり、動画撮像モードは、被写体が撮像されて得られた動画像を記録する動作モードである。
撮像装置10では、撮像モード下において、ユーザから撮像装置10に対して与えられた指示に応じて、静止画撮像モードと動画撮像モードとが選択的に設定される。また、静止画撮像モードでは、ユーザから撮像装置10に対して与えられた指示に応じて、マニュアルフォーカスモードとオートフォーカスモードとがユーザの指示に応じて選択的に設定される。
レリーズボタン26は、撮像準備指示状態と撮像指示状態との2段階の押圧操作が検出可能に構成されている。撮像準備指示状態とは、例えば待機位置から中間位置(半押し位置)まで押下される状態を指し、撮像指示状態とは、中間位置を超えた最終押下位置(全押し位置)まで押下される状態を指す。なお、以下では、「待機位置から半押し位置まで押下される状態」を「半押し状態」といい、「待機位置から全押し位置まで押下される状態」を「全押し状態」という。
オートフォーカスモードでは、レリーズボタン26を半押し状態にすることにより撮像条件の調整が行われ、その後、引き続き全押し状態にすると本露光が行われる。つまり、レリーズボタン26を半押し状態にすることによりAE機能が働いて露出状態が設定された後、AF機能が働いて合焦制御され、レリーズボタン26を全押し状態にすると撮像が行われる。
一例として図2に示すように、撮像装置本体12の背面には、ディスプレイ28、十字キー30、MENU/OKキー32、BACK/DISPボタン34、及びファインダ36が設けられている。
ディスプレイ28は、例えば、LCDであり、撮像装置10により被写体が撮像されることで得られた画像及び文字等を表示する。ディスプレイ28は、撮像モード時にライブビュー画像の表示に用いられる。また、ディスプレイ28は、静止画撮像の指示が与えられた場合に単一フレームで撮像されて得られた静止画像の表示にも用いられる。更に、ディスプレイ28は、再生モード時の再生画像の表示及びメニュー画面等の表示にも用いられる。
ディスプレイ28の表示領域の表面には、透過型のタッチパネル38が重ねられている。タッチパネル38は、例えば、指又はスタイラスペン等の指示体による接触を検知する。タッチパネル38は、タッチパネル38に対する指示体による接触の有無等の検知結果を示す検知結果情報を所定周期(例えば100ミリ秒)で既定の出力先(例えば、後述のCPU74(図3参照))に出力する。検知結果情報は、タッチパネル38が指示体による接触を検知した場合、タッチパネル38上の指示体による接触位置を特定可能な二次元座標(以下、「座標」という)を含み、タッチパネル38が指示体による接触を検知していない場合、座標を含まない。
十字キー30は、1つ又は複数のメニューの選択、ズームやコマ送り等の各種の指令信号を出力するマルチファンクションのキーとして機能する。MENU/OKキー32は、ディスプレイ28の画面上に1つ又は複数のメニューを表示させる指令を行うためのメニューボタンとしての機能と、選択内容の確定及び実行等を指令するOKボタンとしての機能とを兼備した操作キーである。BACK/DISPボタン34は、選択項目など所望の対象の消去や指定内容の取消し、あるいは1つ前の操作状態に戻すときなどに使用される。
図3は、第1実施形態に係る撮像装置10のハードウェア構成の一例を示す電気系ブロック図である。
撮像装置本体12はマウント13を備えており(図1も参照)、撮像レンズ14は、マウント15を備えている。撮像レンズ14は、マウント13にマウント15が結合されることにより撮像装置本体12に交換可能に装着される。
撮像レンズ14は、レンズユニット18、絞り19、及び制御装置40を含む。絞り19は、レンズユニット18よりも撮像装置本体12側に設けられており、レンズユニット18を透過した被写体光の光量を調節し、被写体光を撮像装置本体12内に導く。
制御装置40は、マウント13,15を介して撮像装置本体12に電気的に接続されており、撮像装置本体12からの指示に従って撮像レンズ14の全体を制御する。
撮像装置本体12は、撮像素子22、第1ミラー42、第2ミラー44、本体側主制御部46、ミラー駆動部48、撮像素子ドライバ50、画像信号処理回路52、画像メモリ54、画像処理部56、及び表示制御部58を含む。また、撮像装置本体12は、受付I/F60、受付デバイス62、メディアI/F64、メモリカード66、センサI/F68、ジャイロセンサ70、及び外部I/F72を含む。更に、撮像装置本体12は、BIS駆動部80及び撮像素子位置センサ82を含む。なお、撮像素子22は、本開示の技術に係る防振用素子の一例である。
本体側主制御部46は、本開示の技術に係るコンピュータの一例であり、CPU74、一次記憶部76、及び二次記憶部78を備えている。CPU74は、撮像装置10の全体を制御する。一次記憶部76は、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。一次記憶部76の一例としては、RAMが挙げられる。二次記憶部78は、各種プログラム及び各種パラメータ等を予め記憶した不揮発性のメモリである。二次記憶部78の一例としては、EEPROM又はフラッシュメモリ等が挙げられる。
CPU74、一次記憶部76、及び二次記憶部78は、バスライン81に接続されている。また、ミラー駆動部48、撮像素子ドライバ50、及び画像信号処理回路52も、バスライン81に接続されている。また、画像メモリ54、画像処理部56、表示制御部58、受付I/F60、メディアI/F64、及びセンサI/F68も、バスライン81に接続されている。更に、BIS駆動部80及び撮像素子位置センサ82も、バスライン81に接続されている。
第1ミラー42は、撮像素子22の受光面22Aとレンズユニット18との間に介在しており、受光面被覆位置αと受光面開放位置βとに移動可能な可動ミラーである。
第1ミラー42は、ミラー駆動部48に接続されており、ミラー駆動部48は、CPU42の制御下で、第1ミラー42を駆動させ、第1ミラー42を受光面被覆位置αと受光面開放位置βとに選択的に配置する。すなわち、第1ミラー42は、受光面22Aに対して被写体光を受光させない場合にミラー駆動部48によって受光面被覆位置αに配置され、受光面22Aに対して被写体光を受光させる場合にミラー駆動部48によって受光面開放位置βに配置される。
受光面被覆位置αでは、第1ミラー42が受光面22Aを覆い、かつ、レンズユニット18から送り込まれた被写体光を反射して第2ミラー44に導く。第2ミラー44は、第1ミラー42から導かれた被写体光を反射することで光学系(図示省略)を介して、ファインダ36に導く。ファインダ36は、第2ミラー44によって導かれた被写体光を透過させる。
受光面開放位置βでは、第1ミラー42によって受光面22Aが覆われた状態が解除され、被写体光が第1ミラー42で反射されることなく、受光面22Aによって受光される。
撮像素子ドライバ50は、撮像素子22に接続されており、CPU74の制御下で、撮像素子22に駆動パルスを供給する。撮像素子22の各画素は、撮像素子ドライバ50によって供給された駆動パルスに従って駆動する。なお、本第1実施形態では、撮像素子22として、CCDイメージセンサを用いているが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、例えば、CMOSイメージセンサ等の他のイメージセンサを用いてもよい。
画像信号処理回路52は、CPU74の制御下で、撮像素子22から1フレーム分の画像信号を画素毎に読み出す。画像信号処理回路52は、読み出した画像信号に対して、相関二重サンプリング処理、自動利得調整、A/D変換等の各種処理を行う。画像信号処理回路52は、画像信号に対して各種処理を行うことでデジタル化した画像信号を、CPU74から供給されるクロック信号で規定される特定のフレームレート(例えば、数十フレーム/秒)で1フレーム毎に画像メモリ54に出力する。
画像メモリ54は、画像信号処理回路52から入力された画像信号を一時的に保持する。
画像処理部56は、画像メモリ54から特定のフレームレートで1フレーム毎に画像信号を取得し、取得した画像信号に対して、ガンマ補正、輝度・色差変換、及び圧縮処理等の各種処理を行う。また、画像処理部56は、各種処理を行って得た画像信号を特定のフレームレートで1フレーム毎に表示制御部58に出力する。更に、画像処理部56は、各種処理を行って得た画像信号を、CPU74の要求に応じて、CPU74に出力する。
表示制御部58は、ディスプレイ28に接続されており、CPU74の制御下で、ディスプレイ28を制御する。また、表示制御部58は、画像処理部56から入力された画像信号を1フレーム毎に特定のフレームレートでディスプレイ28に出力する。
ディスプレイ28は、表示制御部58から特定のフレームレートで入力された画像信号により示される画像をライブビュー画像として表示する。また、ディスプレイ28は、単一フレームで撮像されて得られた単一フレーム画像である静止画像も表示する。なお、ディスプレイ28には、ライブビュー画像の他に、再生画像及びメニュー画面等が表示される。
受付デバイス62は、ダイヤル24、レリーズボタン26、十字キー30、MENU/OKキー32、BACK/DISPボタン34、及びタッチパネル38等を有しており、ユーザによる各種指示を受け付ける。
受付デバイス62は、受付I/F60に接続されており、受け付けた指示の内容を示す指示内容信号を受付I/F60に出力する。受付I/F60は、受付デバイス62から入力された指示内容信号をCPU74に出力する。CPU74は、受付I/F60から入力された指示内容信号に応じた処理を実行する。
メディアI/F64は、メモリカード66に接続されており、CPU74の制御下で、メモリカード66に対する画像ファイルの記録及び読み出しを行う。メディアI/F64によってメモリカード66から読み出された画像ファイルは、CPU74の制御下で、画像処理部56によって伸長処理が施されてディスプレイ28に再生画像として表示される。なお、ここで言う「画像ファイル」は、静止画像を示す静止画像ファイルと動画像を示す動画像ファイルとに大別される。
撮像装置10では、受付デバイス62で受け付けられた指示に応じて、動作モードが切り替えられる。例えば、撮像装置10では、撮像モード下において、受付デバイス62で受け付けられた指示に応じて、静止画撮像モードと動画撮像モードとが選択的に設定される。静止画撮像モード下では、静止画像ファイルがメモリカード66に記録可能になり、動画撮像モード下では、動画像ファイルがメモリカード66に記録可能になる。
CPU74は、静止画撮像モード下でレリーズボタン26によって静止画像の撮像の指示が受け付けられた場合、撮像素子ドライバ50を制御することで、撮像素子22に対して1フレーム分の本露光を行わせる。画像処理部56は、CPU74の制御下で、1フレーム分の露光が行われることによって得られた画像信号を取得し、取得した画像信号に対して圧縮処理を施して特定の静止画像用フォーマットの静止画像ファイルを生成する。なお、ここで、特定の静止画像用フォーマットとは、例えば、JPEG形式のフォーマットを指す。静止画像ファイルは、CPU74の制御下で、画像処理部56によって、メディアI/F64を介してメモリカード66に記録される。
画像処理部56は、動画撮像モード下でレリーズボタン26によって動画像の撮像の指示が受け付けられた場合、ライブビュー画像用の画像信号に対して圧縮処理を施して特定の動画像用フォーマットの動画像ファイルを生成する。なお、ここで、特定の動画像用フォーマットとは、例えば、MPEG形式のフォーマットを指す。動画像ファイルは、CPU74の制御下で、画像処理部56によって、メディアI/F64を介してメモリカード66に記録される。
ジャイロセンサ70は、センサI/F68に接続されており、ヨー方向、ロール方向、及びピッチ方向の各角速度を検出し、検出した角速度を示す角速度情報をセンサI/F68に出力する。センサI/F68は、ジャイロセンサ70から入力された角速度情報をCPU74に出力する。CPU74は、センサI/F68から入力された角速度情報に応じた処理を実行する。なお、上記の角速度情報は、本開示の技術に係る検出結果の一例である。
BIS駆動部80は、撮像素子22に接続されており、CPU74の制御下で、撮像素子22を移動させる。なお、撮像素子22及びBIS駆動部80は、本開示の技術に係る抑制部及び撮像素子側抑制部の一例である。
BIS駆動部80は、後述する防振レンズ94の移動に伴う画角ずれを、撮像素子22を移動させることで抑制する。ここで、画角ずれとは、撮像装置10により撮像されて得られた画像であって、ディスプレイ28に表示される画像の画角のずれを指す。
また、BIS駆動部80は、ジャイロセンサ70による検出結果に基づいて、撮像装置10に対して与えられた振動が被写体像に対して与える影響を抑制する。撮像装置10に対して与えられた振動が被写体像に対して与える影響は、回転影響と非回転影響とに大別される。なお、以下では、説明の便宜上、回転影響と非回転影響とを区別して説明する必要がない場合、単に「振れ影響」と称する。
回転影響とは、撮像装置10に対して与えられた振動が被写体像に与える影響のうち、被写体像を光軸L1の周りに回転させる影響を指す。非回転影響とは、撮像装置10に対して与えられた振動が被写体像に与える影響のうち、回転影響とは異なる影響を指す。
BIS駆動部80は、撮像素子22に対して付与する動力を生成する撮像素子用駆動源(図示省略)を含む。撮像素子用駆動源の一例としては、マグネット、平板コイル、及びステッピングモータが挙げられる。
回転影響抑制処理とは、所謂ロール補正と称される処理を意味し、ジャイロセンサ70による検出結果に基づいて、光軸L1周りに撮像素子22を回転運動させることで回転影響を抑制する処理を指す。これに対し、非回転影響抑制処理とは、ジャイロセンサ70による検出結果に基づいて、撮像素子22を第1既定面内で直進運動させることで非回転影響を抑制する処理を指す。ここで、第1既定面内とは、例えば、撮像装置10に対して振動が与えられていない状態での光軸L1に対して垂直な二次元平面内を指す。なお、以下では、説明の便宜上、BIS駆動部80による回転影響抑制処理と非回転影響抑制処理とを区別して説明する必要がない場合、「BIS処理」と称する。
撮像素子位置センサ82は、例えば、マグネット及びホール素子を含み、第1既定面内での撮像素子22の位置を検出し、検出した位置を示す撮像素子位置情報をCPU74に出力する。CPU74は、角速度情報及び撮像素子位置情報を用いて、BIS処理での撮像素子22の移動先、すなわち、第1既定面内での撮像素子22の移動先として振れ影響を抑制可能な移動先を示す撮像素子移動先情報を算出する。そして、CPU74は、算出した撮像素子移動先情報をBIS駆動部80に出力する。BIS駆動部80は、CPU74から入力された撮像素子移動先情報に基づいてBIS処理を実行する。すなわち、BIS駆動部80は、第1既定面内のうち、CPU74から入力された撮像素子移動先情報より示される移動先に撮像素子22を移動させる。
外部I/F72は、マウント13にマウント15が接続されることで、撮像レンズ14の制御装置40と接続され、CPU74と制御装置40との間の各種情報の送受信を司る。
一例として図4に示すように、レンズユニット18は、入射レンズ90、ズームレンズ92、防振レンズ94、及びフォーカスレンズ20を含む。なお、防振レンズ94は、本開示の技術に係る防振用素子の一例である。
入射レンズ90、ズームレンズ92、防振レンズ94、及びフォーカスレンズ20は、光軸L1に沿って設けられており、絞り19側から光軸L1に沿ってフォーカスレンズ20、防振レンズ94、ズームレンズ92、及び入射レンズ90の順に配置されている。
被写体光は、入射レンズ90に入射される。入射レンズ90は、被写体光を透過させ、ズームレンズ92に導く。ズームレンズ92は、光軸L1に沿って移動可能なレンズであり、光軸L1に沿って移動することで被写体像の倍率を変化させる。ズームレンズ92は、入射レンズ90から入射された被写体光を透過させ、防振レンズ94に導く。
防振レンズ94は、像振れを相殺する方向(例えば、光軸L1に対して垂直方向)に変動可能なレンズであり、ズームレンズ92から入射された被写体を透過させ、フォーカスレンズ20に導く。
フォーカスレンズ20は、光軸L1に沿って移動可能なレンズであり、光軸L1に沿って移動することで撮像素子22の受光面22Aに形成される被写体像のフォーカス状態を変化させる。フォーカスレンズ20は、防振レンズ94から入射された被写体光を透過させ、絞り19に導く。絞り19は、防振レンズ94から入射された被写体光の光量を調整し、かつ、被写体光を透過させて撮像装置本体12に導く。
制御装置40は、レンズ側主制御部41、ズームレンズ駆動部96、OIS駆動部98、レンズ位置センサ100、フォーカスレンズ駆動部102、絞り駆動部104、及び外部I/F106を含む。
レンズ側主制御部41は、CPU108、一次記憶部110、及び二次記憶部112を備えている。CPU108は、撮像レンズ14の全体を制御する。一次記憶部110は、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。一次記憶部110の一例としては、RAMが挙げられる。二次記憶部112は、各種プログラム及び各種パラメータ等を予め記憶した不揮発性のメモリである。二次記憶部112の一例としては、EEPROM又はフラッシュメモリ等が挙げられる。
CPU108、一次記憶部110、及び二次記憶部112は、バスライン122に接続されている。また、ズームレンズ駆動部96、OIS駆動部98、レンズ位置センサ100、フォーカスレンズ駆動部102、絞り駆動部104、及び外部I/F106も、バスライン122に接続されている。
外部I/F106は、マウント13にマウント15が接続されることで、撮像装置本体12の外部I/F72と接続され、外部I/F72と協働して、CPU108と撮像装置本体12のCPU74との間の各種情報の送受信を司る。
ズームレンズ駆動部96は、ズームレンズ駆動用モータ(図示省略)を含み、受付デバイス62によって受け付けられた指示に応じて、CPU108の制御下で、ズームレンズ駆動用モータを作動させることで、ズームレンズ92を光軸L1に沿って移動させる。すなわち、ズームレンズ駆動部96は、CPU108からの指示に従って、ズームレンズ駆動用モータを作動させ、ズームレンズ駆動用モータの動力をズームレンズ92に伝達することより、ズームレンズ92を光軸L1に沿って移動させる。
OIS駆動部98は、防振レンズ94に対して付与する動力を生成する防振レンズ用駆動源(図示省略)を含む。防振レンズ用駆動源の一例としては、マグネット及び平板コイルが挙げられる。OIS駆動部98は、ジャイロセンサ70による検出結果に基づいて、CPU108の制御下で、防振レンズ94を第2既定面内で直進運動させることで非回転影響を抑制する。ここで、第2既定面内とは、例えば、撮像装置10に対して振動が与えられていない状態での光軸L1に対して垂直な二次元平面内を指す。
なお、防振レンズ94及びOIS駆動部98は、本開示の技術に係る抑制部及びレンズ側抑制部の一例である。また、以下では、説明の便宜上、OIS駆動部98が非回転影響を抑制する処理を「OIS処理」と称する。また、以下では、説明の便宜上、BIS処理及びOIS処理を区別して説明する必要がない場合、「影響抑制処理」と称する。
レンズ位置センサ100は、例えば、マグネット及びホール素子を含み、第2既定面内での防振レンズ94の位置を検出し、検出した位置を示すレンズ位置情報をCPU108に出力する。CPU108は、レンズ位置情報と、撮像装置本体12から外部I/F106を介して取得した角速度情報とを用いて、レンズ移動先情報を算出する。レンズ移動先情報とは、OIS処理での防振レンズ94の移動先、すなわち、第2既定面内での防振レンズ94の移動先として非回転影響を抑制可能な移動先を示す情報を指す。そして、CPU108は、算出したレンズ移動先情報をOIS駆動部98に出力する。OIS駆動部98は、CPU108から入力されたレンズ移動先情報により示される移動先に防振レンズ94を移動させる。
フォーカスレンズ駆動部102は、フォーカスレンズ駆動用モータ(図示省略)を含む。フォーカスレンズ駆動部102は、受付デバイス62によって受け付けられた指示に応じて、CPU108の制御下で、フォーカスレンズ駆動用モータを作動させることで、フォーカスレンズ20を光軸L1に沿って移動させる。すなわち、フォーカスレンズ駆動部102は、CPU108からの指示に従って、フォーカスレンズ駆動用モータを作動させ、フォーカスレンズ駆動用モータの動力をフォーカスレンズ20に伝達することより、フォーカスレンズ20を光軸L1に沿って移動させる。
絞り駆動部104は、絞り駆動用モータ(図示省略)を含む。絞り駆動部104は、受付デバイス62によって受け付けられた指示に応じて、CPU108の制御下で、絞り駆動用モータを作動させることで、絞り19の開口の大きさを調節する。
一例として図5に示すように、レンズ側主制御部41の二次記憶部112は、レンズ情報130を記憶している。
レンズ情報130は、撮像レンズ14の特性に関する情報であり、撮像レンズ14がマウント13,15を介して撮像装置本体12に接続されると、CPU108から撮像装置本体12のCPU74に送信される。
レンズ情報130は、レンズ可動範囲情報130Aを含む。レンズ可動範囲情報130Aは、防振レンズ可動範囲を示す情報である。防振レンズ可動範囲とは、第2既定面内での防振レンズ94の最大の可動範囲を示す情報である。なお、本第1実施形態において、可動範囲は、許容されたストロークと同義である。
また、レンズ情報130は、レンズユニット18の焦点距離(以下、単に「焦点距離」と称する)、レンズ位置情報、ズームレンズ位置情報、及びフォーカスレンズ情報等も含む。ズームレンズ位置情報とは、光軸L1上でのズームレンズ92の位置を示す情報を指す。フォーカスレンズ情報とは、光軸L1上でのフォーカスレンズ20の位置を示す情報を指す。また、レンズ情報130は、レンズユニット18の周辺領域の光学特性を示す物理量も含む。
ここでは、レンズユニット18の周辺領域の光学特性を示す物理量の一例として、レンズユニット18の周辺光量及び周辺解像度が採用されているが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、レンズユニット18の周辺領域の光学特性を示す物理量は、レンズユニット18の周辺光量又は周辺解像度であってもよい。
レンズユニット18の周辺光量とは、レンズユニット18によって形成されるイメージサークルの周辺領域の光量を指す。イメージサークルの周辺領域とは、例えば、イメージサークルのうち、イメージサークルの中心から径方向に80%の円状領域以外の円環状領域を指す。また、周辺解像度とは、レンズユニット18の周辺光量から得ることが可能な解像度を指す。
なお、以下の説明では、説明の便宜上、イメージサークルの中心の光量を100%とした場合、周辺光量は、イメージサークルの中心の光量に対する割合として百分率で表現されている。
一例として図6に示すように、本体側主制御部46の二次記憶部78は、撮像素子可動範囲情報133、振れ影響抑制プログラム134、及びセンタリング実行プログラム136を記憶している。
撮像素子可動範囲情報133は、撮像素子可動範囲を示す情報である。撮像素子可動範囲とは、第1既定面内での撮像素子22の最大の可動範囲を指す。
CPU74は、二次記憶部78から振れ影響抑制プログラム134を読み出して一次記憶部76に展開し、展開した振れ影響抑制プログラム134に従って後述する振れ影響抑制処理(図7及び図8参照)を実行する。換言すると、CPU74は、振れ影響抑制プログラム134を実行することで本開示の技術に係る制御部として動作する。
CPU74は、二次記憶部78からセンタリング実行プログラム136を読み出して一次記憶部76に展開し、展開したセンタリング実行プログラム136に従って後述するセンタリング実行処理(図9参照)を実行する。換言すると、CPU74は、センタリング実行プログラム136を実行することで本開示の技術に係る制御部として動作する。
従って、CPU74は、ディスプレイ28に対してライブビュー画像を表示させる制御を行い、予め定められた期間内に、防振用素子をセンタリングする制御をBIS駆動部80及びOIS駆動部98に対して行う。
ここで、「防振用素子」とは、撮像素子22及び防振レンズ94を指す。以下、撮像素子22及び防振レンズ94を区別して説明する必要がない場合、「防振用素子」と称する。
また、ここで、「予め定められた期間」とは、ディスプレイ28によるライブビュー画像の表示動作中であり、かつ、影響抑制処理の実行中の状態で、視認障害現象が発生している期間を指す。
また、ここで、視認障害現象とは、防振用素子のセンタリングに伴う画角ずれの視認を妨げることが可能な現象として予め定められた現象を指す。「画角ずれの視認を妨げることが可能な現象」とは、換言すると、ディスプレイ28に表示される画像から画角ずれをユーザに対して視覚的に知覚させない現象を意味する。なお、本第1実施形態では、視認障害現象の一例として、ブラックアウトが採用されている。ブラックアウトとは、撮像モード下でレリーズボタン26が最終押下位置まで押下された場合に画面が一時的に暗転する現象を指す。
また、ここで、防振用素子に関しての「センタリング」とは、防振用素子を、防振用素子のホームポジションである基準位置に戻す動作を指す。基準位置は、防振レンズ94のホームポジションである第1基準位置と、撮像素子22のホームポジションである第2基準位置とに大別される。「第1基準位置」とは、撮像装置10に対して振動が与えられていない状態での防振レンズ94の位置を指す。「第2基準位置」とは、撮像装置10に対して振動が与えられていない状態での撮像素子22の位置を指す。
従って、防振レンズ94に関しての「センタリング」とは、防振レンズ94を第1基準位置に戻す動作を指す。また、撮像素子22に関しての「センタリング」とは、撮像素子22を、撮像素子22のホームポジションである第2基準位置に戻す動作を指す。
このように防振用素子のセンタリングが必要になるのは、防振用素子の位置次第で、撮像装置10により被写体が撮像されて得られた画像の画質(以下、単に「画質」と称する)が低下する虞があるからである。例えば、防振レンズ94を移動させることで被写体光が屈折することから、防振レンズ94が基準位置に配置されている場合と基準位置から離れた箇所に配置されている場合とで収差が異なり、この結果、画質が低下する虞があるので、センタリングが必要となる。
次に、撮像装置10の本開示の技術に係る部分の作用として、図7及び図8に示す振れ影響抑制処理、並びに図9に示すセンタリング実行処理について説明する。
なお、以下、本第1実施形態に係る振れ影響抑制処理及びセンタリング実行処理の説明では、撮像装置10に対して動画撮像モードが既に設定されていることを前提として説明する。また、撮像装置10では、動画撮像モード下においてレリーズボタン26が最終押下位置まで押下されることで動画像の記録が開始され、動画像の記録中に、再びレリーズボタン26が最終押下位置まで押下されることで動画像の記録が終了される。ここで、「動画像の記録」とは、例えば、撮像されて得られた動画像のメモリカード66への記録を指す。
また、以下では、説明の便宜上、本第1実施形態に係る振れ影響抑制処理及びセンタリング実行処理の実行が開始される時点で、既に撮像素子22及び防振レンズ94がセンタリング済みの状態であり、かつ、影響抑制処理が未実行であることを前提として説明する。「撮像素子22及び防振レンズ94がセンタリング済み」とは、防振レンズ94が第1基準位置に配置され、撮像素子22が第2基準位置に配置されていることを意味する。
ここでは、先ず、撮像レンズ14がマウント13,15を介して撮像装置本体12に接続された状態で撮像装置10の電源がオン(投入)された場合にCPU74によって実行される振れ影響抑制処理について図7及び図8を参照して説明する。
図7に示す振れ影響抑制処理では、先ず、ステップ200で、CPU74は、ディスプレイ28に対して、撮像装置10により撮像されて得られた画像に基づくライブビュー画像の表示を開始させ、その後、ステップ202へ移行する。
ステップ202で、CPU74は、BIS駆動部80に対してBIS処理の実行を開始させ、その後、ステップ204へ移行する。
ステップ204で、CPU74は、動画像の記録を開始する条件である動画像記録開始条件を満足したか否かを判定する。ここで、動画像記録開始条件の一例としては、レリーズボタン26が最終押下位置まで押下されたとの条件が挙げられる。また、動画像記録開始条件の他の一例としては、動画像の記録を開始する指示がタッチパネル38によって受け付けられたとの条件が挙げられる。
ステップ204において、動画像記録開始条件を満足した場合は、判定が肯定されて、ステップ206へ移行する。ステップ204において、動画像記録開始条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ208へ移行する。
ステップ206で、CPU74は、画像処理部56及びメディアI/F64に対して、動画像の記録を開始させ、その後、ステップ208へ移行する。
ステップ208で、先ず、CPU74は、撮像素子位置センサ82から撮像素子位置情報を取得し、二次記憶部78から撮像素子可動範囲情報133を取得する。そして、CPU74は、撮像素子位置情報及び撮像素子可動範囲情報133を参照して、撮像素子22が撮像素子張り付き状態か否かを判定する。
ここで、「撮像素子張り付き状態」とは、撮像素子22が第1既定面内での限界位置に達した状態を指す。ここで、「第1既定面内での限界位置」とは、撮像素子可動範囲情報133により示される撮像素子可動範囲の限界位置を指す。「撮像素子可動範囲の限界位置」とは、撮像素子可動範囲の上限の位置及び下限の位置、すなわち、撮像素子22に対して許容されている最大のストロークの上限の位置及び下限の位置を意味する。
ステップ208において、撮像素子張り付き状態でない場合は、判定が否定されて、ステップ210へ移行する。ステップ208において、撮像素子張り付き状態の場合は、判定が肯定されて、ステップ220へ移行する。
ステップ210で、CPU74は、動画像の記録中か否かを判定する。ステップ210において、動画像の記録中の場合は、判定が肯定されて、ステップ212へ移行する。ステップ210において、動画像の記録中でない場合は、判定が否定されて、ステップ216へ移行する。
ステップ212で、CPU74は、動画像の記録を終了する条件である動画像記録終了条件を満足したか否かを判定する。ここで、動画像記録終了条件の一例としては、レリーズボタン26が最終押下位置まで押下されたとの条件が挙げられる。また、動画像記録終了条件の他の一例としては、動画像の記録を終了する指示がタッチパネル38によって受け付けられたとの条件が挙げられる。更に、動画像記録終了条件の他の一例としては、撮像装置10に対して動画撮像モードが設定されてから受付デバイス62によって指示が受け付けられることなく第1既定時間(例えば、60秒)が経過したとの条件が挙げられる。
ステップ212において、動画像記録終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ214へ移行する。ステップ212において、動画像記録終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、ステップ216へ移行する。
ステップ214で、CPU74は、振れ影響抑制処理を終了する条件である終了条件を満足したか否かを判定する。振れ影響抑制処理に係る終了条件の一例としては、振れ影響抑制処理を終了する指示が受付デバイス62によって受け付けられたとの条件が挙げられる。また、振れ影響抑制処理に係る終了条件の他の一例としては、振れ影響抑制処理の実行が開始されてから受付デバイス62によって指示が受け付けられることなく第1既定時間(例えば、120秒)が経過したとの条件が挙げられる。
ステップ214において、振れ影響抑制処理に係る終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ208へ移行する。ステップ214において、振れ影響抑制処理に係る終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、図8に示すステップ250へ移行する。
ステップ216で、CPU74は、画像処理部56及びメディアI/F64に対して、動画像の記録を終了させ、その後、ステップ218へ移行する。
ステップ218で、CPU74は、振れ影響抑制処理に係る終了条件を満足したか否かを判定する。ステップ218において、振れ影響抑制処理に係る終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ204へ移行する。ステップ218において、振れ影響抑制処理に係る終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、図8に示すステップ258へ移行する。
ステップ220で、先ず、CPU74は、撮像素子位置センサ82から撮像素子位置情報を取得し、二次記憶部78から撮像素子可動範囲情報133を取得する。そして、CPU74は、撮像素子位置情報及び撮像素子可動範囲情報133を参照して、撮像素子張り付き状態が解消されたか否かを判定する。「撮像素子張り付き状態が解消された」とは、撮像素子可動範囲内において限界位置以外の位置に撮像素子22が存在している状態を指す。
ステップ220において、撮像素子張り付き状態が解消された場合は、判定が肯定されて、ステップ210へ移行する。ステップ220において、撮像素子張り付き状態が解消されていない場合は、判定が否定されて、ステップ222へ移行する。
ステップ222で、CPU74は、ステップ208の判定が肯定されてから撮像素子張り付き状態が解消されることなく処理切替許可時間が経過した否かを判定する。ここで、処理切替許可時間とは、BIS処理からOIS処理への切り替えを許可する時間として予め定められた時間(例えば、5秒)を指す。なお、「BIS処理からOIS処理への切り替え」とは、BIS処理の実行を停止し、OIS処理の実行を開始することを意味する。
ステップ222において、ステップ208の判定が肯定されてから撮像素子張り付き状態が解消されることなく処理切替許可時間が経過していない場合は、判定が否定されて、ステップ220へ移行する。ステップ222において、ステップ208の判定が肯定されてから撮像素子張り付き状態が解消されることなく処理切替許可時間が経過した場合は、判定が肯定されて、ステップ223へ移行する。
ステップ223で、CPU74は、BIS処理の実行が停止中であり、かつ、OIS処理が実行中であるか否かを判定する。
なお、本振れ影響抑制処理では、ステップ202の処理が実行されてから振れ影響抑制処理に係る終了条件を満足するまでの間、BIS処理又はOIS処理が実行されている。従って、本ステップ223において判定が否定される場合とは、BIS処理が実行中であり、かつ、OIS処理の実行が停止中である場合を意味する。
ステップ223において、BIS処理の実行が停止中であり、かつ、OIS処理が実行中の場合は、判定が肯定されて、ステップ227へ移行する。ステップ223において、BIS処理が実行中であり、かつ、OIS処理の実行が停止中の場合は、判定が否定されて、ステップ224へ移行する。
ステップ224で、CPU74は、BIS駆動部80に対してBIS処理の実行を停止させ、その後、ステップ226へ移行する。
ステップ226で、CPU74は、CPU108を介してOIS駆動部98に対してOIS処理の実行を開始させ、その後、ステップ227へ移行する。
このように、ステップ224,226の処理が実行されることで、OIS処理がBIS処理よりも支配的に行われることになる。
ステップ227で、先ず、CPU74は、撮像レンズ14のレンズ位置センサ100からCPU108を介してレンズ位置情報を取得し、二次記憶部78から撮像素子可動範囲情報133を取得する。そして、CPU74は、レンズ位置情報及び撮像素子可動範囲情報133を参照して、防振レンズ94の位置が撮像素子可動範囲に相当する可動範囲内に収まっているか否かを判定する。「撮像素子可動範囲に相当する可動範囲」とは、第2既定面内において撮像素子可動範囲に相当する可動範囲を意味する。換言すると、第2既定面内での防振レンズ94の移動に要するストロークであって、撮像素子22に対して許容されている最大のストロークと同一のストロークを意味する。
ステップ227において、防振レンズ94の位置が撮像素子可動範囲内に収まっていない場合は、判定が否定されて、図8に示すステップ244へ移行する。ステップ227において、防振レンズ94の位置が撮像素子可動範囲内に収まっている場合は、判定が肯定されて、ステップ228へ移行する。
ステップ228で、CPU74は、CPU108を介してOIS駆動部98に対してOIS処理の実行を停止させ、その後、ステップ230へ移行する。
ステップ230で、CPU74は、BIS駆動部80に対してBIS処理の実行を開始させ、その後、図8に示すステップ244へ移行する。
図8に示すステップ244で、CPU74は、動画像の記録中か否かを判定する。ステップ244において、動画像の記録中の場合は、判定が肯定されて、ステップ246へ移行する。ステップ244において、動画像の記録中でない場合は、判定が否定されて、ステップ254へ移行する。
ステップ246で、CPU74は、動画像記録終了条件を満足したか否かを判定する。ステップ246において、動画像記録終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ248へ移行する。ステップ246において、動画像記録終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、ステップ252へ移行する。
ステップ248で、CPU74は、振れ影響抑制処理に係る終了条件を満足したか否かを判定する。ステップ248において、振れ影響抑制処理に係る終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、図7に示すステップ227へ移行する。ステップ248において、振れ影響抑制処理に係る終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、ステップ250へ移行する。
ステップ250で、CPU74は、画像処理部56及びメディアI/F64に対して、動画像の記録を終了させ、その後、ステップ258へ移行する。
ステップ252で、CPU74は、画像処理部56及びメディアI/F64に対して、動画像の記録を終了させ、その後、ステップ254へ移行する。
ステップ254で、CPU74は、振れ影響抑制処理に係る終了条件を満足したか否かを判定する。ステップ254において、振れ影響抑制処理に係る終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、図7に示すステップ204へ移行する。ステップ254において、振れ影響抑制処理に係る終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、ステップ258へ移行する。
ステップ258で、CPU74は、BIS駆動部80及びOIS駆動部98に対して影響抑制処理の実行を停止させる。すなわち、現時点でOIS処理が実行されている場合、CPU74は、OIS駆動部98に対してOIS処理の実行を停止させる。また、現時点でBIS処理が実行されている場合、CPU74は、BIS駆動部80に対してBIS処理の実行を停止させる。
次のステップ260で、CPU74は、ディスプレイ28に対して、ライブビュー画像の表示を終了させ、その後、振れ影響抑制処理を終了する。
次に、図7に示す振れ影響抑制処理が実行されている状態でセンタリング実行処理開始条件を満足した場合にCPU74によって実行されるセンタリング実行処理について図9を参照して説明する。ここで、センタリング実行処理開始条件の一例としては、センタリング実行処理を開始する指示が受付デバイス62によって受け付けられたとの条件が挙げられる。また、センタリング実行処理開始条件の他の一例としては、図7に示す振れ影響抑制処理の実行が開始されてから第2既定時間(例えば、5秒)が経過したとの条件が挙げられる。
図9に示すセンタリング実行処理では、先ず、ステップ300で、CPU74は、ライブビュー画像の表示においてブラックアウトが発生したか否かを判定する。ステップ300において、ライブビュー画像の表示においてブラックアウトが発生していない場合は、判定が否定されて、ステップ308へ移行する。ステップ300において、ライブビュー画像の表示においてブラックアウトが発生した場合は、判定が肯定されて、ステップ302へ移行する。
ところで、ブラックアウトは、動画像記録開始条件を満足した場合、及び動画像記録終了条件を満足した場合に、撮像素子22の動作が一時的に停止されること伴って生じる現象であり、一時的にディスプレイ28の画面が暗転して表示される。
そこで、CPU74は、ブラックアウトが発生している期間を利用して、ステップ302,304の処理を実行する。
ステップ302で、CPU74は、CPU108を介してOIS駆動部98に対して、防振レンズ94のセンタリングを開始させ、かつ、BIS駆動部80に対して、撮像素子22のセンタリングを開始させ、その後、ステップ304へ移行する。
ステップ304で、先ず、CPU74は、撮像レンズ14のレンズ位置センサ100からレンズ位置情報を取得し、撮像素子位置センサ82から撮像素子位置情報を取得する。そして、CPU74は、レンズ位置情報及び撮像素子位置情報を参照して、防振レンズ94及び撮像素子22のセンタリングが完了したか否かを判定する。
ステップ304において、防振レンズ94及び撮像素子22のセンタリングが完了していない場合は、判定が否定されて、ステップ304の判定が再び行われる。ステップ304において、防振レンズ94及び撮像素子22のセンタリングが完了した場合は、判定が肯定されて、ステップ306へ移行する。
なお、撮像装置10では、防振レンズ94及び撮像素子22のセンタリングが、ブラックアウトが発生してからライブビュー画像の表示が再開される迄に完遂されるように、CPU74がOIS駆動部98及びBIS駆動部80を制御する。
ステップ306で、CPU74は、ディスプレイ28に対して、撮像装置10により撮像されて得られた画像に基づくライブビュー画像の表示を再開させ、その後、ステップ308へ移行する。
ステップ308で、センタリング実行処理を終了する条件である終了条件を満足したか否かを判定する。センタリング実行処理に係る終了条件の一例としては、振れ影響抑制処理が終了したとの条件が挙げられる。また、センタリング実行処理の実行が開始されてから受付デバイス62によって指示が受け付けられることなく第3既定時間(例えば、120秒)が経過したとの条件が挙げられる。
ステップ308において、センタリング実行処理に係る終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ300へ移行する。ステップ308において、センタリング実行処理に係る終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、センタリング実行処理を終了する。
以上説明したように、撮像装置10では、ライブビュー画像の表示中であり、かつ、影響抑制処理が実行されている状態で、ブラックアウトが発生している間に、防振用素子がセンタリングされる。従って、撮像装置10によれば、ライブビュー画像が表示された状態で防振用素子のセンタリングが行われる場合に比べ、防振用素子のセンタリングに伴う画角ずれが視覚的に知覚されることを抑制することができる
また、撮像装置10では、動画像記録開始条件を満足した場合に防振用素子がセンタリングされる。従って、撮像装置10によれば、動画像記録開始条件を満足したにも拘らず防振用素子がセンタリングされない場合に比べ、記録された動画像の画質の低下を抑制することができる。
また、撮像装置10では、ブラックアウトの期間を利用して防振用素子がセンタリングされる。従って、撮像装置10によれば、防振用素子のセンタリングのみのために動画像の表示動作を停止させることを回避することができる。
また、撮像装置10では、レリーズボタン26が最終押下位置まで押下された場合のブラックアウトの期間を利用して防振用素子がセンタリングされる。従って、撮像装置10によれば、動画像の記録が開始される場合においてユーザが意図するタイミングで防振用素子のセンタリングを遂行することができる。
また、撮像装置10では、ライブビュー画像の表示中にOIS処理に先立ってBIS処理のみが実行される(ステップ202参照)。従って、撮像装置10によれば、ライブビュー画像の表示中にOIS処理及びBIS処理の双方が同時に実行される場合に比べ、レンズ側可動範囲と撮像素子側可動範囲との差に起因する画質の低下を抑制することができる。
また、撮像装置10では、撮像素子張り付き状態の場合に、OIS処理の実行が開始される。従って、撮像装置10によれば、撮像素子張り付き状態が発生した場合であっても振れ影響の抑制を継続的に行うことができる。
また、撮像装置10では、動画像の記録中に撮像素子張り付き状態が発生した場合にBIS処理よりもOIS処理が支配的に実行される(ステップ224,226参照)。従って、撮像装置10によれば、動画像の記録中に撮像素子張り付き状態が発生した場合であっても、振れ影響の抑制を継続的に行うことができる。
更に、撮像装置10では、BIS処理よりもOIS処理が支配的に実行されている間に、防振レンズ94の位置が撮像素子可動範囲に相当する可動範囲内に収まった場合に、OIS処理よりもBIS処理が支配的に実行される(ステップ228,230参照)。従って、撮像装置10によれば、BIS処理よりもOIS処理が常に支配的に実行されている場合に比べ、防振レンズ94の移動に伴う収差の変化に起因する画質の低下を抑制することができる。
なお、上記第1実施形態では、ブラックアウトが不可避的に発生する現象であることを前提として説明したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、ブラックアウトを意図的に発生させるようにしてもよい。この場合、例えば、CPU74が、センタリングを行う条件を満足したことを条件に、動画像の記録の開始に伴ってブラックアウトを発生させる制御をディスプレイ28に対して行うようにしてもよい。センタリングを行う条件とは、例えば、撮像素子張り付き状態及び/又は後述の防振レンズ張り付き状態が発生してから第4既定時間(例えば、10秒)が経過したとの条件が挙げられる。
また、上記第1実施形態では、ジャイロセンサ70を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、ジャイロセンサ70に代えて加速度センサを用いてもよい。また、ジャイロセンサ70と加速度センサとを併用してもよい。このように、撮像装置10に与えられた振動を検出する検出部として機能するセンサであれば如何なるセンサであってもよい。
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、振れ影響抑制処理においてOIS処理に先立ってBIS処理が実行される場合について説明したが、本第2実施形態では、振れ影響抑制処理においてBIIS処理に先立ってOIS処理が実行される場合について説明する。なお、本第2実施形態では、上記第1実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
一例として図1〜図4に示すように、本第2実施形態に係る撮像装置10Aは、上記第1実施形態に係る撮像装置10に比べ、撮像装置本体12に代えて撮像装置本体12Aを有する点が異なる。
一例として図3に示すように、撮像装置本体12Aは、撮像装置本体12に比べ、本体側主制御部46に代えて本体側主制御部46Aを有する点が異なる。本体側主制御部46Aは、本体側主制御部46に比べ、二次記憶部78に代えて二次記憶部78Aを有する点が異なる。
一例として図6に示すように、二次記憶部78Aは、二次記憶部78に比べ、振れ影響抑制プログラム134に代えて振れ影響抑制プログラム134Aを記憶している点が異なる。CPU74は、二次記憶部78Aから振れ影響抑制プログラム134Aを読み出して一次記憶部76に展開し、展開した振れ影響抑制プログラム134Aに従って図10に示す振れ影響抑制処理を実行する。換言すると、CPU74は、振れ影響抑制プログラム134Aを実行することで本開示の技術に係る制御部として動作する。
次に、撮像装置10Aの本開示の技術に係る部分の作用として、図10に示す振れ影響抑制処理について説明する。なお、上記第1実施形態で説明した図7及び図8に示す振れ影響抑制処理のフローチャートと同一の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略する。
図10に示す振れ影響抑制処理は、上記第1実施形態で説明した振れ影響抑制処理に比べ、ステップ202に代えてステップ202Aを有する点、及びステップ208に代えてステップ208Aを有する点が異なる。また、図10に示す振れ影響抑制処理は、上記第1実施形態で説明した振れ影響抑制処理に比べ、ステップ220〜230に代えてステップ220A〜230Aを有する点が異なる。
図10に示すステップ202Aで、CPU74は、CPU108を介してOIS駆動部98に対してOIS処理の実行を開始させ、その後、ステップ204へ移行する。
図10に示すステップ208Aで、先ず、CPU74は、撮像レンズ14のレンズ位置センサ100からCPU108を介してレンズ位置情報を取得し、撮像レンズ14の二次記憶部112からレンズ情報130を取得する。そして、CPU74は、レンズ位置情報とレンズ情報130に含まれるレンズ可動範囲情報130Aとを参照して、防振レンズ94が防振レンズ張り付き状態か否かを判定する。
ここで、「防振レンズ張り付き状態」とは、防振レンズ94が第2既定面内での限界位置に達した状態を指す。ここで、「第2既定面内での限界位置」とは、レンズ可動範囲情報130Aにより示される防振レンズ可動範囲の限界位置を指す。「防振レンズ可動範囲の限界位置」とは、防振レンズ可動範囲の上限の位置及び下限の位置、すなわち、防振レンズ94に対して許容されている最大のストロークの上限の位置及び下限の位置を意味する。
ステップ208Aにおいて、防振レンズ張り付き状態でない場合は、判定が否定されて、ステップ210へ移行する。ステップ208Aにおいて、撮像素子張り付き状態の場合は、判定が肯定されて、ステップ220Aへ移行する。
ステップ220Aで、先ず、CPU74は、撮像レンズ14のレンズ位置センサ100からCPU108を介してレンズ位置情報を取得し、撮像レンズ14の二次記憶部112からCPU108を介してレンズ情報130を取得する。そして、CPU74は、レンズ位置情報とレンズ情報130に含まれるレンズ可動範囲情報130Aとを参照して、防振レンズ張り付き状態が解消されたか否かを判定する。「防振レンズ張り付き状態が解消された」とは、防振レンズ可動範囲内において限界位置以外の位置に防振レンズ94が存在している状態を指す。
ステップ220Aにおいて、防振レンズ張り付き状態が解消された場合は、判定が肯定されて、ステップ210へ移行する。ステップ220Aにおいて、防振レンズ張り付き状態が解消されていない場合は、判定が否定されて、ステップ222Aへ移行する。
ステップ222Aで、CPU74は、ステップ208Aの判定が肯定されてから防振レンズ張り付き状態が解消されることなく本第2実施形態に係る処理切替許可時間が経過した否かを判定する。本第2実施形態に係る処理切替許可時間とは、OIS処理からBIS処理への切り替えを許可する時間として予め定められた時間(例えば、5秒)を指す。なお、「OIS処理からBIS処理への切り替え」とは、OIS処理の実行を停止し、BIS処理の実行を開始することを意味する。
ステップ222Aにおいて、ステップ208Aの判定が肯定されてから防振レンズ張り付き状態が解消されることなく本第2実施形態に係る処理切替許可時間が経過していない場合は、判定が否定されて、ステップ220Aへ移行する。ステップ222Aにおいて、ステップ208Aの判定が肯定されてから撮像素子張り付き状態が解消されることなく処理切替許可時間が経過した場合は、判定が肯定されて、ステップ223Aへ移行する。
ステップ223Aで、CPU74は、OIS処理の実行が停止中であり、かつ、BIS処理が実行中であるか否かを判定する。
なお、本第2実施形態に係る振れ影響抑制処理では、ステップ202Aの処理が実行されてから本第2実施形態の振れ影響抑制処理に係る終了条件を満足するまでの間、BIS処理又はOIS処理が実行されている。従って、本ステップ223Aにおいて判定が否定される場合とは、OIS処理が実行中であり、かつ、BIS処理の実行が停止中である場合を意味する。
ステップ223Aにおいて、OIS処理の実行が停止中であり、かつ、BIS処理が実行中の場合は、判定が肯定されて、ステップ227Aへ移行する。ステップ223Aにおいて、OIS処理が実行中であり、かつ、BIS処理の実行が停止中の場合は、判定が否定されて、ステップ224Aへ移行する。
ステップ224Aで、CPU74は、CPU108を介してOIS駆動部98に対してOIS処理の実行を停止させ、その後、ステップ226Aへ移行する。
ステップ226Aで、CPU74は、BIS駆動部80に対してBIS処理の実行を開始させ、その後、ステップ227Aへ移行する。
このように、ステップ224A,226Aの処理が実行されることで、BIS処理がOIS処理よりも支配的に行われることになる。
ステップ227Aで、先ず、CPU74は、撮像素子位置センサ82から撮像素子位置情報を取得し、撮像レンズ14の二次記憶部112からCPU108を介してレンズ情報130を取得する。そして、CPU74は、撮像素子位置情報とレンズ情報130に含まれるレンズ可動範囲情報130Aとを参照して、撮像素子22の位置が防振レンズ可動範囲に相当する可動範囲内に収まっているか否かを判定する。
「防振レンズ可動範囲に相当する可動範囲」とは、第1既定面内において防振レンズ可動範囲に相当する可動範囲を意味し、換言すると、第1既定面内での撮像素子22の移動に要するストロークであって、防振レンズ94に対して許容されている最大のストロークと同一のストロークを意味する。
ステップ227Aにおいて、撮像素子22の位置が防振レンズ可動範囲内に収まっていない場合は、判定が否定されて、図8に示すステップ244へ移行する。ステップ227Aにおいて、撮像素子22の位置が防振レンズ可動範囲内に収まっている場合は、判定が肯定されて、ステップ228Aへ移行する。
ステップ228Aで、CPU74は、BIS駆動部80に対してBIS処理の実行を停止させ、その後、ステップ230Aへ移行する。
ステップ230Aで、CPU74は、CPU108を介してOIS駆動部98に対してOIS処理の実行を開始させ、その後、図8に示すステップ244へ移行する。
以上説明したように、撮像装置10Aでは、ライブビュー画像の表示中にBIS処理に先立ってOIS処理のみが実行される(ステップ202A参照)。従って、撮像装置10Aによれば、ライブビュー画像の表示中にOIS処理及びBIS処理の双方が同時に実行される場合に比べ、レンズ側可動範囲と撮像素子側可動範囲との差に起因する画質の低下を抑制することができる。
また、撮像装置10Aでは、防振レンズ張り付き状態の場合に、BIS処理の実行が開始される。従って、撮像装置10Aによれば、防振レンズ張り付き状態の場合であっても振れ影響の抑制を継続的に行うことができる。
また、撮像装置10Aでは、動画像の記録中に防振レンズ張り付き状態が発生した場合にOIS処理よりもBIS処理が支配的に実行される(ステップ224A,226A参照)。従って、撮像装置10Aによれば、動画像の記録中に防振レンズ張り付き状態が発生した場合であっても、振れ影響の抑制を継続的に行うことができる。
更に、撮像装置10Aでは、OIS処理よりもBIS処理が支配的に実行されている間に、防振レンズ94の位置が撮像素子可動範囲に相当する可動範囲内に収まった場合に、BIS処理よりもOIS処理が支配的に実行される(ステップ228A,230A参照)。従って、撮像装置10によれば、OIS処理よりもBIS処理が常に支配的に実行されている場合に比べ、BIS処理にかかる負荷を軽減することができる。
[第3実施形態]
上記各実施形態では、ブラックアウトが発生した場合にセンタリングが実行される場合について説明したが、本第3実施形態では、動画像記録開始条件を満足した場合に発生したブラックアウトの期間を利用してセンタリングが実行される場合について説明する。なお、本第3実施形態では、上記第1実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
一例として図1〜図4に示すように、本第3実施形態に係る撮像装置10Bは、上記第1実施形態に係る撮像装置10に比べ、撮像装置本体12に代えて撮像装置本体12Bを有する点が異なる。
一例として図3に示すように、撮像装置本体12Bは、撮像装置本体12に比べ、本体側主制御部46に代えて本体側主制御部46Bを有する点が異なる。本体側主制御部46Bは、本体側主制御部46に比べ、二次記憶部78に代えて二次記憶部78Bを有する点が異なる。
一例として図6に示すように、二次記憶部78Bは、二次記憶部78に比べ、センタリング実行プログラム136に代えてセンタリング実行プログラム136Aを記憶している点が異なる。CPU74は、二次記憶部78Bからセンタリング実行プログラム136Aを読み出して一次記憶部76に展開し、展開したセンタリング実行プログラム136Aに従って図11に示すセンタリング実行処理を実行する。換言すると、CPU74は、センタリング実行プログラム136Aを実行することで本開示の技術に係る制御部として動作する。
次に、撮像装置10Bの本開示の技術に係る部分の作用として、図11に示すセンタリング実行処理について説明する。なお、上記第1実施形態で説明した図9に示すセンタリング実行処理のフローチャートと同一の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略する。
図11に示すセンタリング実行処理は、図9に示すセンタリング実行処理に比べ、ステップ300とステップ302との間にステップ301を有する点が異なる。
図11に示すセンタリング実行処理では、ステップ301で、CPU74は、発生したブラックアウトが動画像の記録の開始に伴って発生したブラックアウトか否かを判定する。ステップ301において、発生したブラックアウトが動画像の記録の開始に伴って発生したブラックアウトでない場合は、ステップ308へ移行する。ステップ301において、発生したブラックアウトが動画像の記録の開始に伴って発生したブラックアウトの場合は、ステップ302へ移行する。
なお、動画像の記録の開始に伴って発生するブラックアウトとは、動画撮像モード下で動画像の記録がされていない状態において、レリーズボタン26が最終押下位置まで押下された場合に発生するブラックアウトを指す。
このように、撮像装置10Bでは、動画像の記録の開始に伴って発生したブラックアウトの期間を利用して防振用素子のセンタリングが実行される。従って、撮像装置10Bによれば、動画像の記録の開始時に、防振用素子のセンタリングに伴う画角ずれが視覚的に知覚されることを抑制することができる。
[第4実施形態]
上記各実施形態では、ブラックアウトが発生した場合にセンタリングが実行される場合について説明したが、本第4実施形態では、フリーズの期間を利用してセンタリングが実行される場合について説明する。なお、本第4実施形態では、上記第1実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
一例として図1〜図4に示すように、本第4実施形態に係る撮像装置10Cは、上記第1実施形態に係る撮像装置10に比べ、撮像装置本体12に代えて撮像装置本体12Cを有する点が異なる。
一例として図3に示すように、撮像装置本体12Cは、撮像装置本体12に比べ、本体側主制御部46に代えて本体側主制御部46Cを有する点が異なる。本体側主制御部46Cは、本体側主制御部46に比べ、二次記憶部78に代えて二次記憶部78Cを有する点が異なる。
一例として図6に示すように、二次記憶部78Cは、二次記憶部78に比べ、センタリング実行プログラム136に代えてセンタリング実行プログラム136Bを記憶している点が異なる。CPU74は、二次記憶部78Cからセンタリング実行プログラム136Bを読み出して一次記憶部76に展開し、展開したセンタリング実行プログラム136Bに従って図12に示すセンタリング実行処理を実行する。換言すると、CPU74は、センタリング実行プログラム136Bを実行することで本開示の技術に係る制御部として動作する。
次に、撮像装置10Cの本開示の技術に係る部分の作用として、図12に示すセンタリング実行処理について説明する。なお、上記第1実施形態で説明した図9に示すセンタリング実行処理のフローチャートと同一の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略する。
図12に示すセンタリング実行処理は、図9に示すセンタリング実行処理に比べ、ステップ300に代えてステップ300Aを有する点が異なる。
図12に示すセンタリング実行処理では、ステップ300Aで、CPU74は、ライブビュー画像の表示においてフリーズが発生したか否かを判定する。フリーズとは、ライブビュー画像が一時的に停止する現象を指す。また、フリーズは、上記第1実施形態で説明したブラックアウトと同様に、ライブビュー画像の表示中に不可避的に発生する現象である。
ステップ300Aにおいて、ライブビュー画像の表示においてフリーズが発生した場合は、判定が肯定されて、ステップ302へ移行する。ステップ300Aにおいて、ライブビュー画像の表示においてフリーズが発生していない場合は、判定が否定されて、ステップ308へ移行する。
このように、撮像装置10Cでは、フリーズの期間を利用して防振用素子のセンタリングが実行される。従って、撮像装置10Cによれば、防振用素子のセンタリングのみのために動画像の表示動作を停止させることを回避することができる。
なお、上記第4実施形態では、フリーズが不可避的に発生する現象であることを前提として説明したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、CPU74が、ディスプレイ28に対して、1以上のフレーム分の画像を静止させた状態で表示させることでフリーズを意図的に発生させ、フリーズが発生している期間に防振用素子がセンタリングされるようにしてもよい。これにより、ライブビュー画像が特定のフレームレートに従って表示された状態で防振用素子がセンタリングされる場合に比べ、防振レンズ94のセンタリングに伴う画角ずれの視覚的な知覚が抑制される。
また、このように意図的にフリーズを発生させる場合、例えば、CPU74が、センタリングを行う条件を満足したことを条件に、動画像の記録の開始に伴ってフリーズを発生させる制御をディスプレイ28に対して行うようにしてもよい。センタリングを行う条件とは、例えば、撮像素子張り付き状態及び/又は防振レンズ張り付き状態が発生してから第5既定時間(例えば、10秒)が経過したとの条件が挙げられる。
[第5実施形態]
上記1実施形態では、ブラックアウトが発生した場合にセンタリングが実行される場合について説明したが、本第5実施形態では、ブラックアウト又はフリーズの期間を利用してセンタリングが実行される場合について説明する。なお、本第5実施形態では、上記第1実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
一例として図1〜図4に示すように、本第5実施形態に係る撮像装置10Dは、上記第1実施形態に係る撮像装置10に比べ、撮像装置本体12に代えて撮像装置本体12Dを有する点が異なる。
一例として図3に示すように、撮像装置本体12Dは、撮像装置本体12に比べ、本体側主制御部46に代えて本体側主制御部46Dを有する点が異なる。本体側主制御部46Dは、本体側主制御部46に比べ、二次記憶部78に代えて二次記憶部78Dを有する点が異なる。
一例として図6に示すように、二次記憶部78Dは、二次記憶部78に比べ、センタリング実行プログラム136に代えてセンタリング実行プログラム136Cを記憶している点が異なる。CPU74は、二次記憶部78Dからセンタリング実行プログラム136Cを読み出して一次記憶部76に展開し、展開したセンタリング実行プログラム136Cに従って図13に示すセンタリング実行処理を実行する。換言すると、CPU74は、センタリング実行プログラム136Cを実行することで本開示の技術に係る制御部として動作する。
次に、撮像装置10Dの本開示の技術に係る部分の作用として、図13に示すセンタリング実行処理について説明する。なお、上記第1実施形態で説明した図9に示すセンタリング実行処理のフローチャートと同一の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略する。
図13に示すセンタリング実行処理は、図9に示すセンタリング実行処理に比べ、ステップ300に代えてステップ300Bを有する点が異なる。また、図13に示すセンタリング実行処理は、図9に示すセンタリング実行処理に比べ、ステップ303を有する点が異なる。
図13に示すセンタリング実行処理では、ステップ300Bで、CPU74は、ライブビュー画像の表示においてフリーズが発生したか否かを判定する。ステップ300Bにおいて、ライブビュー画像の表示においてフリーズが発生した場合は、判定が肯定されて、ステップ302へ移行する。ステップ300Bにおいて、ライブビュー画像の表示においてフリーズが発生していない場合は、判定が否定されて、ステップ303へ移行する。
ステップ303で、CPU74は、ライブビュー画像の表示においてブラックアウトが発生したか否かを判定する。ステップ303において、ライブビュー画像の表示においてブラックアウトが発生した場合は、判定が肯定されて、ステップ302へ移行する。ステップ303において、ライブビュー画像の表示においてブラックアウトが発生していない場合は、判定が否定されて、ステップ308へ移行する。
このように、撮像装置10Dでは、フリーズ又はブラックアウトの期間を利用して防振用素子のセンタリングが実行される。従って、撮像装置10Dによれば、防振用素子のセンタリングのみのために動画像の表示動作を停止させることを回避することができる。
なお、上記第5実施形態では、ブラックアウト及びフリーズが不可避的に発生する現象であることを前提として説明したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、ブラックアウト及び/又はフリーズを意図的に発生させるようにしてもよい。この場合、例えば、CPU74が、センタリングを行う条件を満足したことを条件に、動画像の記録の開始に伴ってブラックアウト及び/フリーズを発生させる制御をディスプレイ28に対して行うようにしてもよい。センタリングを行う条件とは、例えば、撮像素子張り付き状態及び/又は防振レンズ張り付き状態が発生してから第6既定時間(例えば、10秒)が経過したとの条件が挙げられる。
[第6実施形態]
上記1実施形態では、ブラックアウトが発生した場合にセンタリングが実行される場合について説明したが、本第6実施形態では、ブラックアウト、フリーズ、又は動きベクトルを利用してセンタリングが実行される場合について説明する。なお、本第6実施形態では、上記第1実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
一例として図1〜図4に示すように、本第6実施形態に係る撮像装置10Eは、上記第1実施形態に係る撮像装置10に比べ、撮像装置本体12に代えて撮像装置本体12Eを有する点が異なる。
一例として図3に示すように、撮像装置本体12Eは、撮像装置本体12に比べ、本体側主制御部46に代えて本体側主制御部46Eを有する点が異なる。本体側主制御部46Eは、本体側主制御部46に比べ、二次記憶部78に代えて二次記憶部78Eを有する点が異なる。
一例として図6に示すように、二次記憶部78Eは、二次記憶部78に比べ、センタリング実行プログラム136に代えてセンタリング実行プログラム136Dを記憶している点が異なる。CPU74は、二次記憶部78Eからセンタリング実行プログラム136Dを読み出して一次記憶部76に展開し、展開したセンタリング実行プログラム136Dに従って図14に示すセンタリング実行処理を実行する。換言すると、CPU74は、センタリング実行プログラム136Dを実行することで本開示の技術に係る制御部として動作する。
次に、撮像装置10Eの本開示の技術に係る部分の作用として、図14に示すセンタリング実行処理について説明する。なお、上記第1実施形態で説明した図9に示すセンタリング実行処理のフローチャートと同一の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略する。
図14に示すセンタリング実行処理は、図9に示すセンタリング実行処理に比べ、ステップ300に代えてステップ300Cを有する点が異なる。また、図14に示すセンタリング実行処理は、図9に示すセンタリング実行処理に比べ、ステップ303A,305A,305B,302A,304Aを有する点が異なる。
図14に示すセンタリング実行処理では、ステップ300Cで、CPU74は、ライブビュー画像の表示においてフリーズが発生したか否かを判定する。ステップ300Cにおいて、ライブビュー画像の表示においてフリーズが発生した場合は、判定が肯定されて、ステップ302へ移行する。ステップ300Cにおいて、ライブビュー画像の表示においてフリーズが発生していない場合は、判定が否定されて、ステップ303Aへ移行する。
ステップ303Aで、CPU74は、ライブビュー画像の表示においてブラックアウトが発生したか否かを判定する。ステップ303Aにおいて、ライブビュー画像の表示においてブラックアウトが発生した場合は、判定が肯定されて、ステップ302へ移行する。ステップ303Aにおいて、ライブビュー画像の表示においてブラックアウトが発生していない場合は、判定が否定されて、ステップ305Aへ移行する。
ステップ305Aで、CPU74は、動きベクトルを算出し、その後、ステップ305Bへ移行する。「動きベクトル」とは、例えば、撮像されて得られた連続フレーム画像(例えば、5フレーム分の画像)であって、ライブビュー画像としてディスプレイ28に未表示の連続フレーム画像について、ディスプレイ28の画面全体を対象とした動きベクトルを指す。
ステップ305Bで、CPU74は、ステップ305Aで算出した動きベクトルの大きさの絶対値が第1閾値以上か否かを判定する。なお、動きベクトルの大きさの絶対値が第1閾値以上か否かを判定することで、主要被写体が定まっていない状態であるか否かの推測が可能となる。
第1閾値の一例としては、パン又はチルト中に撮像されて得られたライブビュー画像の表示中において主要被写体を示す画像の視認が困難な動きベクトルの大きさの下限値として、事前に定められた下限値の絶対値が挙げられる。なお、本第6実施形態では、第1閾値が、官能試験及び/又はコンピュータ・シミュレーション等の結果を基に事前に導き出された固定値であるが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、受付デバイス62によって受け付けられた指示に応じて変更可能な可変値であってもよい。
ステップ305Bにおいて、ステップ305Aで算出した動きベクトルの大きさの絶対値が第1閾値以上の場合は、判定が肯定されて、ステップ302Aへ移行する。ステップ305Bにおいて、ステップ305Aで算出した動きベクトルの大きさの絶対値が第1閾値未満の場合は、判定が否定されて、ステップ308へ移行する。
ステップ302Aで、CPU74は、CPU108を介してOIS駆動部98に対して、防振レンズ94のセンタリングを開始させ、かつ、BIS駆動部80に対して、撮像素子22のセンタリングを開始させ、その後、ステップ304Aへ移行する。
ステップ304Aで、先ず、CPU74は、撮像レンズ14のレンズ位置センサ100からレンズ位置情報を取得し、撮像素子位置センサ82から撮像素子位置情報を取得する。そして、CPU74は、レンズ位置情報及び撮像素子位置情報を参照して、防振レンズ94及び撮像素子22のセンタリングが完了したか否かを判定する。
ステップ304Aにおいて、防振レンズ94及び撮像素子22のセンタリングが完了していない場合は、判定が否定されて、ステップ304Aの判定が再び行われる。ステップ304Aにおいて、防振レンズ94及び撮像素子22のセンタリングが完了した場合は、判定が肯定されて、ステップ308へ移行する。
なお、撮像装置10Eでは、動きベクトルの大きさの絶対値が第1閾値以上のライブビュー画像が表示されている間に防振レンズ94及び撮像素子22のセンタリングが完遂されるように、CPU74がOIS駆動部98及びBIS駆動部80を制御する。
このように、撮像装置10Eでは、画面全体の動きベクトルの大きさの絶対値が第1閾値以上の場合にセンタリングが実行される。従って、撮像装置10Eによれば、防振用素子のセンタリングのみのために動画像の表示動作を停止させることを回避することができる。また、撮像装置10Eによれば、動きベクトルの大きさの絶対値が第1閾値未満の場合に比べ、防振用素子のセンタリングに伴う画角ずれが視覚的に知覚されることを抑制することができる。
[第7実施形態]
上記6実施形態では、動きベクトルを利用してセンタリングが実行される場合について説明したが、本第7実施形態では、輝度変化量を利用してセンタリングが実行される場合について説明する。なお、本第7実施形態では、上記第1実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
一例として図1〜図4に示すように、本第7実施形態に係る撮像装置10Fは、上記第1実施形態に係る撮像装置10に比べ、撮像装置本体12に代えて撮像装置本体12Fを有する点が異なる。
一例として図3に示すように、撮像装置本体12Fは、撮像装置本体12に比べ、本体側主制御部46に代えて本体側主制御部46Fを有する点が異なる。本体側主制御部46Fは、本体側主制御部46に比べ、二次記憶部78に代えて二次記憶部78Fを有する点が異なる。
一例として図6に示すように、二次記憶部78Fは、二次記憶部78に比べ、センタリング実行プログラム136に代えてセンタリング実行プログラム136Eを記憶している点が異なる。CPU74は、二次記憶部78Fからセンタリング実行プログラム136Eを読み出して一次記憶部76に展開し、展開したセンタリング実行プログラム136Eに従って図15に示すセンタリング実行処理を実行する。換言すると、CPU74は、センタリング実行プログラム136Eを実行することで本開示の技術に係る制御部として動作する。
次に、撮像装置10Fの本開示の技術に係る部分の作用として、図15に示すセンタリング実行処理について説明する。なお、上記第6実施形態で説明した図14に示すセンタリング実行処理のフローチャートと同一の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略する。
図15に示すセンタリング実行処理は、図14に示すセンタリング実行処理に比べ、ステップ305Bに代えてステップ305Cを有する点が異なる。また、図15に示すセンタリング実行処理は、図14に示すセンタリング実行処理に比べ、ステップ307A,307Bを有する点が異なる。
図15に示すセンタリング実行処理では、ステップ305Cで、CPU74は、ステップ305Aで取得した動きベクトルの大きさの絶対値が第1閾値以上か否かを判定する。ステップ305Cにおいて、ステップ305Aで取得した動きベクトルの大きさの絶対値が第1閾値以上の場合は、判定が肯定されて、ステップ302Aへ移行する。ステップ305Cにおいて、ステップ305Aで取得した動きベクトルの大きさの絶対値が第1閾値未満の場合は、判定が否定されて、ステップ307Aへ移行する。
ステップ307Aで、CPU74は、輝度変化量を算出し、その後、ステップ307Bへ移行する。「輝度変化量」とは、撮像されて得られた連続フレーム画像(例えば、5フレーム分の画像)であって、ライブビュー画像としてディスプレイ28に未表示の連続フレーム画像について、ディスプレイ28の画面全体を対象とした輝度の変化量を指す。なお、輝度は、例えば、連続フレーム画像により示される輝度信号に基づいて算出される。
ステップ307Bで、CPU74は、ステップ307Aで算出した輝度変化量の絶対値が第2閾値(例えば、3EV(Exposure Value))以上か否かを判定する。なお、輝度変化量の絶対値が第2閾値以上か否かを判定することで、例えば、明るさの急激な変化が原因で主要被写体を示す画像が視覚的に知覚することができない否かの推測が可能となる。明るさの急激な変化は、例えば、屋内から屋外への移動等により生じ、ディスプレイ28の画面の所謂白飛び又は黒潰れ等の原因になる。
第2閾値の一例としては、ディスプレイ28の画面の所謂白飛び又は黒潰れが発生する輝度の下限値として、事前に定められた下限値の絶対値が挙げられる。なお、本第7実施形態では、第2閾値が、官能試験及び/又はコンピュータ・シミュレーション等の結果を基に事前に導き出された固定値であるが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、受付デバイス62によって受け付けられた指示に応じて変更可能な可変値であってもよい。また、本ステップ307Bでは、例えば、画像信号の出力値(例えば、12ビット出力)で画面全体の平均値が既定の出力値範囲の上限値を超えたか否か又は既定の出力値範囲の下限値未満か否かが判定されることで、白飛び又は黒潰れ等が発生しているか否かが判定されるようにしてもよい。
ステップ307Bにおいて、ステップ307Aで算出した輝度変化量の絶対値が第2閾値以上の場合は、判定が肯定されて、ステップ302Aへ移行する。ステップ307Bにおいて、ステップ307Aで算出した輝度変化量の絶対値が第2閾値未満の場合は、判定が否定されて、ステップ308へ移行する。
このように、撮像装置10Fでは、輝度変化量の絶対値が第2閾値以上の場合にセンタリングが実行される。従って、撮像装置10Fによれば、防振用素子のセンタリングのみのために動画像の表示動作を停止させることを回避することができる。また、撮像装置10Fによれば、輝度変化量の絶対値が第2閾値未満の場合に比べ、防振用素子のセンタリングに伴う画角ずれが視覚的に知覚されることを抑制することができる。
[第8実施形態]
上記第1実施形態では、防振用素子のセンタリングを実行するための条件としてブラックアウトのみを例示したが、本第8実施形態では、防振用素子のセンタリングを実行するための条件として動画像の記録の終了を更に加えた場合について説明する。なお、本第8実施形態では、上記第1実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
一例として図1〜図4に示すように、本第8実施形態に係る撮像装置10Gは、上記第1実施形態に係る撮像装置10に比べ、撮像装置本体12に代えて撮像装置本体12Gを有する点が異なる。
一例として図3に示すように、撮像装置本体12Gは、撮像装置本体12に比べ、本体側主制御部46に代えて本体側主制御部46Gを有する点が異なる。本体側主制御部46Gは、本体側主制御部46に比べ、二次記憶部78に代えて二次記憶部78Gを有する点が異なる。
一例として図6に示すように、二次記憶部78Gは、二次記憶部78に比べ、振れ影響抑制プログラム134に代えて振れ影響抑制プログラム134Bを記憶している点が異なる。CPU74は、二次記憶部78Gから振れ影響抑制プログラム134Bを読み出して一次記憶部76に展開し、展開した振れ影響抑制プログラム134Bに従って図16及び図17に示す振れ影響抑制処理を実行する。換言すると、CPU74は、振れ影響抑制プログラム134Bを実行することで本開示の技術に係る制御部として動作する。
なお、以下では、説明の便宜上、撮像装置10,10A,10B,10C,10D,10E,10F,10Gを区別して説明する必要がない場合、符号を付さずに「撮像装置」と称する。また、以下では、説明の便宜上、撮像装置本体12,12A,12B,12C,12D,12E,12F,12Gを区別して説明する必要がない場合、符号を付さずに「撮像装置本体」と称する。また、以下では、説明の便宜上、二次記憶部78,78A,78B,78C,78D,78E,78F,78Gを区別して説明する必要がない場合は、符号を付さずに「二次記憶部」と称する。また、以下では、説明の便宜上、振れ影響抑制プログラム134,134A,134Bを区別して説明する必要がない場合、符号を付さずに「振れ影響抑制プログラム」と称する。また、以下では、説明の便宜上、センタリング実行プログラム136,136A,136B,136C,136D,136Eを区別して説明する必要がない場合、符号を付さずに「センタリング実行プログラム」と称する。また、以下では、説明の便宜上、振れ影響抑制プログラム及びセンタリング実行プログラムを区別して説明する必要がない場合、単に「プログラム」と称する。
次に、撮像装置10Gの本開示の技術に係る部分の作用として、図16及び図17に示す振れ影響抑制処理について説明する。なお、上記第1実施形態で説明した図7及び図8に示す振れ影響抑制処理のフローチャートと同一の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略する。
図16及び図17に示す振れ影響抑制処理は、上記第1実施形態で説明した振れ影響抑制処理に比べ、ステップ204とステップ206との間にステップ400,402を有する点が異なる。また、図16及び図17に示す振れ影響抑制処理は、上記第1実施形態で説明した振れ影響抑制処理に比べ、ステップ254に代えてステップ414〜424を有する点が異なる。
図16に示すステップ400で、CPU74は、BIS駆動部80によるBIS処理が実行中か否かを判定する。ステップ400において、BIS駆動部80によるBIS処理が実行中でない場合は、判定が否定されて、ステップ402へ移行する。ステップ400において、BIS駆動部80によるBIS処理が実行中の場合は、判定が肯定されて、ステップ206へ移行する。
ステップ402で、CPU74は、BIS駆動部80に対してBIS処理を実行させ、その後、ステップ206へ移行する。
図17に示すステップ414で、CPU74は、CPU108を介してOIS駆動部98に対して、防振レンズ94のセンタリングを開始させ、かつ、BIS駆動部80に対して、撮像素子22のセンタリングを開始させ、その後、ステップ416へ移行する。
ステップ416で、先ず、CPU74は、撮像レンズ14のレンズ位置センサ100からレンズ位置情報を取得し、撮像素子位置センサ82から撮像素子位置情報を取得する。そして、CPU74は、レンズ位置情報及び撮像素子位置情報を参照して、防振レンズ94及び撮像素子22のセンタリングが完了したか否かを判定する。
ステップ416において、防振レンズ94及び撮像素子22のセンタリングが完了していない場合は、判定が否定されて、ステップ416の判定が再び行われる。ステップ416において、防振レンズ94及び撮像素子22のセンタリングが完了した場合は、判定が肯定されて、ステップ418へ移行する。
なお、撮像装置10Gでは、防振用素子のセンタリングが、ステップ246の判定が肯定されたことに応じてブラックアウトが発生してからライブビュー画像の表示が再開される迄に完遂されるように、OIS駆動部98及びBIS駆動部80が制御される。
ステップ418で、CPU74は、BIS駆動部80及びOIS駆動部98に対して影響抑制処理の実行を停止させる。すなわち、CPU74は、BIS駆動部80に対してBIS処理の実行を停止させ、CPU108を介してOIS駆動部98に対してOIS処理の実行を停止させる。
次のステップ420で、CPU74は、ディスプレイ28に対して、撮像装置10Gにより撮像されて得られた画像に基づくライブビュー画像の表示を再開させ、その後、ステップ422へ移行する。
ステップ422で、CPU74は、本第8実施形態の振れ影響抑制処理に係る終了条件を満足したか否かを判定する。ステップ422において、本第8実施形態の振れ影響抑制処理に係る終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、図16に示すステップ204へ移行する。ステップ422において、本第8実施形態の振れ影響抑制処理に係る終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、ステップ424へ移行する。
ステップ424で、CPU74は、BIS駆動部80及びOIS駆動部98による影響抑制処理の実行中か否かを判定する。ステップ424において、BIS駆動部80及びOIS駆動部98による影響抑制処理の実行中の場合は、判定が肯定されて、ステップ258へ移行する。ステップ424において、BIS駆動部80及びOIS駆動部98による影響抑制処理の実行中でない場合は、判定が否定されて、ステップ260へ移行する。
以上説明したように、撮像装置10Gでは、動画像記録終了条件を満足した場合に発生するブラックアウトの期間を利用して防振用素子がセンタリングされる。また、防振用素子のセンタリングが完了した場合に、影響抑制処理の実行が停止され、かつ、ライブビュー画像の表示が再開される。従って、撮像装置10Gによれば、動画像の記録の開始に伴って防振用素子がセンタリングされる場合に比べ、動画像の記録を迅速に開始させることができる。
また、撮像装置10Gでは、影響抑制処理の実行が停止された状態で動画像記録開始条件を満足した場合にBIS処理の実行が開始される(ステップ402参照)。従って、撮像装置10Gによれば、センタリングが完了していない状態で動画像の記録の開始に伴って影響抑制処理の実行が開始される場合に比べ、動画像の記録が開始された場合の画質の低下と振れ影響との両方を抑制することができる。
なお、上記各実施形態では、本開示の技術に係る動画像の一例としてライブビュー画像を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、ライブビュー画像に代えて連写画像であってもよい。連写画像とは、撮像装置により被写体が連写されて得られた複数の画像を含む一連の画像であって、連写動作に応じて即時的にディスプレイ28に連続して表示された画像を指す。
また、上記各実施形態では、ジャイロセンサ70が搭載されている撮像装置を前提として説明したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、撮像装置にジャイロセンサ70が搭載されていない場合は、ジャイロセンサ及び/又は加速度センサが搭載された電子機器を撮像装置に取り付け、スマートデバイスのジャイロセンサ及び/又は加速度センサを影響抑制処理に資するようにすればよい。なお、ジャイロセンサ及び/又は加速度センサが搭載された電子機器の一例としては、スマートデバイスが挙げられる。
また、上記各実施形態では、プログラムを二次記憶部から読み出す場合を例示したが、必ずしも最初から二次記憶部に記憶させておく必要はない。例えば、図18に示すように、記憶媒体600にプログラムを先ずは記憶させておいてもよい。この場合、記憶媒体600のプログラムが撮像装置本体にインストールされ、インストールされたプログラムがCPU74によって実行される。具体的には、振れ影響抑制プログラム及びセンタリング実行プログラムがCPU74によって実行される。
また、通信網(図示省略)を介して撮像装置本体に接続される他のコンピュータ又はサーバ装置等の記憶部にプログラムを記憶させておき、プログラムが撮像装置の要求に応じてダウンロードされるようにしてもよい。
また、上記各実施形態で説明した振れ影響抑制処理及びセンタリング実行処理はあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
また、上記各実施形態では、コンピュータを利用したソフトウェア構成により振れ影響抑制処理及びセンタリング実行処理が実現される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、コンピュータを利用したソフトウェア構成に代えて、FPGA又はASIC等のハードウェア構成のみによって、振れ影響抑制処理及びセンタリング実行処理のうちの少なくとも1つの処理が実行されるようにしてもよい。振れ影響抑制処理及びセンタリング実行処理のうちの少なくとも1つがソフトウェア構成とハードウェア構成との組み合わせた構成によって実行されるようにしてもよい。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。