JP6564551B1 - 表面改質チタン酸バリウム粒子材料、チタン酸バリウム含有樹脂組成物、及びチタン酸バリウム分散液 - Google Patents

表面改質チタン酸バリウム粒子材料、チタン酸バリウム含有樹脂組成物、及びチタン酸バリウム分散液 Download PDF

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Abstract

分散媒や樹脂中での分散性が高い表面改質チタン酸バリウム粒子材料の提供。(1)主成分がチタン酸バリウムである粒子材料と、表面積を基準として0.05〜6.0μmol/m2の量でシラン化合物が前記粒子材料の表面に反応した表面処理層をもつか、又は(2)上記課題を解決する本発明の表面改質チタン酸バリウム粒子材料は、主成分がチタン酸バリウムである粒子材料と、X−(CH2)n−Si(OR)3(一般式(1)中、Xはビニル基、フェニル基、メタクリルオキシ基、N-フェニルアミノ基、グリジシルオキシ基、アミノ基で表され、Rは炭素数1〜3の炭化水素基、nは4〜10である。)で表されるシラン化合物が前記粒子材料の表面に反応した表面処理層とをもつ。FT−IR 拡散反射法により測定したIRスペクトルが、1500〜1600cm−1にピークをもち、エタノール中に0.1質量%の濃度で分散させたときの動的光散乱による平均粒径(D50)が10nm〜300nmである。

Description

本発明は、表面改質チタン酸バリウム粒子材料、チタン酸バリウム含有樹脂組成物、及びチタン酸バリウムを含有する粒子材料を分散したチタン酸バリウム分散液に関する。
チタン酸バリウムは、高い比誘電率を示すことから、薄膜キャパシタなどの薄膜誘電体材料として用いられている。薄膜キャパシタを製造する際に誘電体層を形成する方法としては、チタン酸バリウムからなる粒子材料を分散媒に分散した分散液や、樹脂材料中に分散した樹脂組成物を用いる方法がある。
ところで、近年、電子機器の大きさは小さくなる一方であり、薄膜キャパシタの形成膜厚が薄くなる傾向にある。そのため、使用されるチタン酸バリウムについても粒径が小さいものが要求され、また、その粉末を分散させたチタン酸バリウム分散液や樹脂組成物についても高い均質性が要求される。
特開2008-74699号公報
本発明は上記実情に鑑み完成したものであり、分散媒や樹脂中での分散性が高い表面改質チタン酸バリウム粒子材料、その表面改質チタン酸バリウム粒子材料を分散させたチタン酸バリウム含有樹脂組成物、並びにチタン酸バリウム分散液を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する目的で本発明者らは鋭意検討を行った結果、チタン酸バリウムの表面に特定条件での表面処理を行うことで分散性が向上できることを見出し以下の発明を完成した。
(1)上記課題を解決する本発明の表面改質チタン酸バリウム粒子材料は、主成分がチタン酸バリウムである粒子材料と、表面積を基準として0.05以上6.0μmol/m未満の量でシラン化合物が前記粒子材料の表面に反応した表面処理層とをもち、
FT−IR 拡散反射法により測定したIRスペクトルが、1500〜1600cm−1にピークをもち、
エタノール中に0.1質量%の濃度で分散させたときの動的光散乱による平均粒径(D50)が10nm〜1000nmである。
(2)上記課題を解決する本発明の表面改質チタン酸バリウム粒子材料は、主成分がチタン酸バリウムである粒子材料と、一般式(1):X−(CH−Si(OR)(一般式(1)中、Xはビニル基、フェニル基、メタクリルオキシ基、N-フェニルアミノ基、グリジシルオキシ基、アミノ基で表され、Rは炭素数1〜3の炭化水素基、nは4〜10である。)で表されるシラン化合物で前記粒子材料の表面に反応した表面処理層とをもち、
FT−IR 拡散反射法により測定したIRスペクトルが、1500〜1600cm−1にピークをもち、
エタノール中に0.1質量%の濃度で分散させたときの動的光散乱による平均粒径(D50)が10nm〜1000nmである。
上述した(1)又は(2)の表面改質チタン酸バリウム粒子材料は、分散媒や樹脂材料中における分散性に優れる。
特に、上記(1)又は(2)の表面改質チタン酸バリウム粒子材料は、エタノール中に0.1質量%の濃度で分散させたときのゼータ電位が+40mV〜+150mVであることが好ましい。また、表面に−SiMe基を有し、且つ、OH基を表面に実質的に有しないことが好ましい。
(3)上記課題を解決する本発明のチタン酸バリウム含有樹脂組成物は、上述の(1)又は(2)の表面改質チタン酸バリウム粒子材料と、前記表面改質チタン酸バリウム粒子材料を分散する樹脂材料とを有する。
(4)上記課題を解決する本発明のチタン酸バリウム分散液は、上述の(1)又は(2)の表面改質チタン酸バリウム粒子材料と、前記表面改質チタン酸バリウム粒子材料を分散する分散媒とを有する。
本発明の表面改質チタン酸バリウム粒子材料は、上述の構成を有することにより、分散媒や樹脂材料中における分散性が高くなる。
実施例における試験例1の試験試料の粒度分布を示す図である。 上から順番に試験例1,2及び原料のチタン酸バリウムの粉末についてのFT−IRスペクトルである。 上から順番に試験例3〜8についてのFT−IRスペクトルである。 上から順番に比較例1〜3についてのFT−IRスペクトルである。
本発明の表面改質チタン酸バリウム粒子材料、チタン酸バリウム含有樹脂組成物、及び、チタン酸バリウム分散液について以下実施形態に基づき詳細に説明を行う。
(表面改質チタン酸バリウム粒子材料)
本実施形態の表面改質チタン酸バリウム粒子材料は特に限定しないが、チタン酸バリウムが有する高い比誘電率を利用した用途に用いることができる。高い比誘電率を利用した用途としてはコンデンサの材料などである。また、樹脂材料よりもチタン酸バリウムの方が物理的特性(強度の高さ、熱膨張率の低さ)、化学的安定性の高さに優れている場合には、単純なフィラーとしての用途も採用できる。本実施形態の表面改質チタン酸バリウム粒子材料を用いる場合には他の粒子材料(シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアなど)を混合して用いることもできる。
本実施形態の表面改質チタン酸バリウム粒子材料は、主成分がチタン酸バリウムである粒子材料と、粒子材料の表面にシラン化合物を反応させて生成される表面処理層とを有する。FT−IR 拡散反射法にて測定したIRスペクトルが1500〜1600cm−1にピークを持つ。FT−IR 拡散反射法は、本明細書において、粉体拡散反射法で測定することを意味する。測定条件は分解能4cm−1、スキャン回数64で行った。
本実施形態の表面改質チタン酸バリウム粒子材料は、エタノール中に0.1質量%の濃度で分散させたときの動的光散乱による平均粒径(以下、「D50」と称する)が10nm〜1000nmである。特にD50の下限は、20nm、30nm、50nmであることが好ましい。D50の上限は、500nm、300nm、250nmであることが好ましい。D50のこれらの下限値及び上限値は任意に組み合わせることが可能である。
粒子材料は、主成分がチタン酸バリウムからなる。主成分であるか否かは50質量%以上含有するか否かで判断する。特に、60%以上、75%以上、90%以上、95%以上、99%以上、100%(不可避不純物以外はチタン酸バリウム)を採用することができる。
粒子材料の原料となるチタン酸バリウムは、固相法、水熱法、アルコキシド法、シュウ酸塩法、ゾルゲル法などの一般的な方法にて製造できる。その後、必要であれば粉砕操作により粒度分布を調節することができる。粒子材料の粒径は、最終的な表面改質チタン酸バリウム粒子材料の粒径に応じて決定される。
表面処理層は、粒子材料の表面に化学結合している。表面処理層は、シラン化合物を前述の粒子材料の表面に存在する反応性基と反応させて生成したものである。粒子材料の表面にシラン化合物を反応させる方法としては特に限定しない。例えば、粒子材料の表面にシラン化合物を接触させたり、シラン化合物を適正な溶媒に溶解させたシラン化合物溶液を接触させたりすることで行うことができる。シラン化合物やシラン化合物溶液の接触は、そのまま粒子材料に投入したり、液状のものを霧状にして噴霧して投入したり、加熱して気化した状態で投入したりした後、撹拌・混合することができる。撹拌・混合は、撹拌機や粉砕機により行うことができる。
特に粉砕操作を行いながらシラン化合物を反応させることにより粉砕により生成した粒子材料の新たな表面にシラン化合物を速やかに反応させることができる。撹拌・混合は常温で行っても良いし、加熱しながら行っても良い。
シラン化合物を粒子材料の表面に反応させた後に反応していないシラン化合物を除去することもできる。除去の方法としては、加熱して気化させる方法、何らかの溶媒にて洗浄する方法が挙げられる。
表面処理層は、以下の(1)及び(2)のうちの少なくとも一方の特徴を備える。これらの特徴を有することによって、本実施形態の表面改質チタン酸バリウム粒子材料の表面にはシラン化合物が反応して生成した表面処理層と、元々の粒子材料の表面に存在した「Ti−O」構造や「Ba−O」構造とが、それぞれ適正に分散媒や樹脂材料と相互作用することが可能になり、高い分散性が実現できる。
(1)粒子材料の表面積を基準として0.05以上6.0μmol/m未満の量でシラン化合物を反応させて生成した層である。シラン化合物の種類としては特に限定しない。例えばヘキサメチルジシラザン(HMDS)、エポキシシラン、ビニルシラン、フェニルシラン、メタクリルシラン、フェニルアミノシラン、アルケニルシラン(炭素数2〜8程度)が挙げられる。
シラン化合物の反応量の下限値は、0.05μmol/m、0.2μmol/m、0.5μmol/mが採用でき、上限値は、4.0μmol/m、5.0μmol/mが採用できる。上限値と下限値は任意に組み合わせ可能である。これらの下限値以上、上限値以下の範囲にシラン化合物を反応させることにより粒子材料の表面と分散媒や樹脂材料との親和性が向上できる。
(2)一般式(1):X−(CH−Si(OR)(一般式(1)中、Xはビニル基、フェニル基、メタクリルオキシ、N-フェニルアミノ基、グリジシルオキシ基、アミノ基で表され、Rは炭素数1〜3の炭化水素基、nは4〜10である。)で表されるシラン化合物Xはビニル基、フェニル基、メタクリルオキシ基、N-フェニルアミノ基、グリジシルオキシ基、アミノ基で表されるシラン化合物を反応させて生成した層である。シラン化合物を反応させる量としては特に限定しないが上述した(1)と同程度の量を反応させることができる。
・その他
エタノール中におけるゼータ電位が+40mV〜+150mVであることで分散性が高くなるため好ましい。ゼータ電位は前述したシラン化合物の種類や反応させる量を変動させることで制御可能である。
表面に−SiMe基を有し、且つ、OH基を表面に実質的に有しないことが好ましい。具体的には、表面処理層を形成するシラン化合物として−SiMe基を有する化合物により粒子材料(他のシラン化合物にて処理したものを含む)を表面処理することで実現できる。
(チタン酸バリウム含有樹脂組成物)
本実施形態のチタン酸バリウム含有樹脂組成物は、上述した本実施形態の表面改質チタン酸バリウム粒子材料と、表面改質チタン酸バリウム粒子材料を分散する樹脂材料とを有する。
樹脂材料としては特に限定されない。例えば、エポキシ樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタラート、ポリフッ化ビリニデン、アクリル樹脂が挙げられる。
表面改質チタン酸バリウム粒子材料と樹脂材料との混合比は、特に限定しないが、表面改質チタン酸バリウム粒子材料ができるだけ多い方が好ましく、全体の質量を基準として表面改質チタン酸バリウム粒子材料の含有量を2%〜60%程度が例示できる。
(チタン酸バリウム分散液)
本実施形態のチタン酸バリウム分散液は、上述した本実施形態の表面改質チタン酸バリウム粒子材料と、表面改質チタン酸バリウム粒子材料を分散する分散媒とを有する。そして、前述したチタン酸バリウム含有樹脂組成物の欄にて説明した樹脂材料を分散媒中に溶解させたり、微粒子化して分散させることもできる。分散させる場合には界面活性剤などの分散剤を含有させることができる。
分散媒としては特に限定されない。例えば、エタノール、トルエン、イソプロパノール、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル並びにこれらの混合溶媒が挙げられる。
表面改質チタン酸バリウム粒子材料と分散媒との混合比は、特に限定しないが表面改質チタン酸バリウム粒子材料ができるだけ多い方が好ましく、全体の質量を基準として表面改質チタン酸バリウム粒子材料の含有量を2%〜60%程度が例示できる。
本発明の表面改質チタン酸バリウム粒子材料、チタン酸バリウム含有樹脂組成物、及びチタン酸バリウム分散液について実施例に基づき詳細に説明を行う。
(試験1:チタン酸バリウム粒子材料の表面処理の検討:表1)
・試験例1
チタン酸バリウム(比表面積16m/g)を10質量部、エタノールを90質量部、HMDSを0.03質量部(1μmol/m:チタン酸バリウムの表面積基準、以下同じ)、0.3mmジルコニアビーズを混合し、ビーズミル装置で回転数3000rpmで60分間分散を実施した。その後、ジルコニアビーズを除去し、表面改質チタン酸バリウム粒子材料が分散媒としてのエタノール中に分散された、本試験例のチタン酸バリウム分散液を得た。本試験例のチタン酸バリウム分散液について動的光散乱による平均粒径(D50)は125nm、ゼータ電位は82mVであった。粒度分布の測定結果を図1に示す。
本試験例のチタン酸バリウム分散液は1週間静置しても凝集沈降は発生しなかった。凝集沈降が発生したかどうかは、スラリー濃度が液面高さ10cmのガラス容器中に24時間静置した場合に、液面から10mm以上が透明でかつ、容器底面から1mm以上の沈降層が生成した場合に凝集沈降が発生したと判断した。
本試験例のチタン酸バリウム分散液を遠心沈降し、得られた沈降物をメチルエチルケトン(MEK)で洗浄した後、120℃で乾燥し洗浄後試料とした。この洗浄・乾燥によりチタン酸バリウム分散液中の表面改質チタン酸バリウム粒子材料の表面に物理吸着しているHMDSが洗浄できたものと推測できる。
洗浄後試料を50mg、40%フッ化水素酸を0.5mL、60%硝酸を5mLを密閉容器に入れ、200℃40分間マイクロ波加熱後、常温に戻し溶解液を回収した。回収した溶解液について、ICP分析を行った結果、Si量が0.05質量%だった。洗浄後試料についてFT−IRを上述した条件で測定した結果、TiO-H(3690cm−1)のピークがほぼ消失し、1558cm−1にピークが生成していることを確認した。そして、洗浄後試料についてカーボン量を測定した結果、0.9質量%であった。これらの評価値について表2に示す。
・試験例2
試験例1のHMDSを全て、3−グリジシルオキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403)0.09質量部(2μmol/m)に代えた以外は同様の操作で調製し本試験例の試験試料とした。本試験例の試験試料について試験例1と同様の評価を行った。試験例1の試験試料と同様に1週間静置しても凝集沈降は認められなかった。結果を表2に示す。
・試験例3
試験例1のHMDSを全て、8−グリジシルオキシオクチルトリメトキシシラン(KBM4803)0.10質量部(2μmol/m)と、HMDS0.03質量部(1μmol/m)の2種類を併用した併用処理に代えた以外は同様の操作で調製し本試験例の試験試料とした。本試験例の試験試料について試験例1と同様の評価を行った。試験例1の試験試料と同様に1週間静置しても凝集沈降は認められなかった。結果を表2に示す。ここで、シラン化合物の2種類の併用処理とは、2つのシラン化合物を記載の順で順次反応させることを言う。
・試験例4
試験例1のHMDSを全て、ビニルトリメトキシシラン(KBM1003)0.05質量部(2μmol/m)と、HMDS0.03質量部(1μmol/m)の2種類を併用した併用処理に代えた以外は同様の操作で調製し本試験例の試験試料とした。本試験例の試験試料について試験例1と同様の評価を行った。試験例1の試験試料と同様に1週間静置しても凝集沈降は認められなかった。結果を表2に示す。
・試験例5
試験例1のHMDSを全て、N-フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン(KBM573)0.09質量部(2μmol/m)と、HMDS0.03質量部(1μmol/m)の2種類を併用した併用処理に代えた以外は同様の操作で調製し本試験例の試験試料とした。本試験例の試験試料について試験例1と同様の評価を行った。試験例1の試験試料と同様に1週間静置しても凝集沈降は認められなかった。結果を表2に示す。
・試験例6
試験例1のHMDSを全て、メタクリルオキシオクチルトリメトキシシラン(KBM5803)0.12質量部(2μmol/m)と、HMDS0.03質量部(1μmol/m)の2種類を併用した併用処理に代えた以外は同様の操作で調製し本試験例の試験試料とした。本試験例の試験試料について試験例1と同様の評価を行った。試験例1の試験試料と同様に1週間静置しても凝集沈降は認められなかった。結果を表2に示す。
・試験例7
試験例1のHMDSを全て、オクテニルトリメトキシシラン(KBM1083)0.08質量部(2μmol/m)と、HMDS0.03質量部(1μmol/m)の2種類を併用した併用処理に代えた以外は同様の操作で調製し本試験例の試験試料とした。本試験例の試験試料について試験例1と同様の評価を行った。試験例1の試験試料と同様に1週間静置しても凝集沈降は認められなかった。結果を表2に示す。
・試験例8
試験例1のHMDSを全て、フェニルトリメトキシシラン(KBM103)0.07質量部(2μmol/m)と、HMDS0.03質量部(1μmol/m)の2種類を併用した併用処理に代えた以外は同様の操作で調製し本試験例の試験試料とした。本試験例の試験試料について試験例1と同様の評価を行った。試験例1の試験試料と同様に1週間静置しても凝集沈降は認められなかった。結果を表2に示す。
・試験例9
試験例1のエタノール90質量部をエタノール45質量部とトルエン45質量部に代えた以外は同様の操作で調製し本試験例の試験試料とした。本試験例の試験試料について試験例1と同様の評価を行った。試験例1の試験試料と同様に1週間静置しても凝集沈降は認められなかった。結果を表2に示す。
・試験例10
試験例5のエタノール90質量部をエタノール45質量部とMEK45質量部に代えた以外は同様の操作で調製し本試験例の試験試料とした。本試験例の試験試料について試験例1と同様の評価を行った。試験例1の試験試料と同様に1週間静置しても凝集沈降は認められなかった。結果を表2に示す。
・試験例11
試験例1のエタノール90質量部をエタノール45質量部とMEK45質量部に代えた以外は同様の操作で調製し本試験例の試験試料とした。本試験例の試験試料について試験例1と同様の評価を行った。試験例1の試験試料と同様に1週間静置しても凝集沈降は認められなかった。結果を表2に示す。
・試験例12
チタン酸バリウム(比表面積16m/g)10質量部と、ヘキサメチルジシラザン0.03質量部(1μmol/m)を混合し表面改質を行った。その後、エタノール 90質量部と0.3mmジルコニアビーズで混合し、ビーズミル装置で回転数3000rpmで60分間分散を実施した。その後、ジルコニアビーズを除去し、表面改質チタン酸バリウム粒子材料が分散媒としてのエタノール中に分散された、本試験例のチタン酸バリウム分散液を得た。本試験例の試験試料について試験例1と同様の評価を行った。試験例1の試験試料と同様に1週間静置しても凝集沈降は認められなかった。結果を表2に示す。
・試験例13
試験例12のHMDSを全て、N-フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン(KBM573)0.09質量部(2μmol/m)と、ヘキサメチルジシラザン0.03質量部(1μmol/m)の2種類を併用した併用処理に代えた以外は同様の操作で調製し本試験例の試験試料とした。本試験例の試験試料について試験例1と同様の評価を行った。試験例1の試験試料と同様に1週間静置しても凝集沈降は認められなかった。結果を表2に示す。
・比較例1
試験例1のHMDSを全て、8−グリジシルオキシオクチルトリメトキシシラン(KBM4803)0.30質量部(6μmol/m)に代えた以外は同様の操作で調製し本試験例の試験試料とした。本試験例の試験試料について試験例1と同様の評価を行った。1日静置したところ凝集沈降が認められた。結果を表2に示す。
・比較例2
試験例1のHMDSを全て、8−メタクリルオキシオクチルトリメトキシシラン(KBM5803)0.34質量部(6μmol/m)に代えた以外は同様の操作で調製し本試験例の試験試料とした。本試験例の試験試料について試験例1と同様の評価を行った。1日静置したところ凝集沈降が認められた。結果を表2に示す。
・比較例3
試験例1のHMDSを全て、8−オクテニルトリメトキシシラン(KBM1083)0.27質量部(6μmol/m)に代えた以外は同様の操作で調製し本試験例の試験試料とした。本試験例の試験試料について試験例1と同様の評価を行った。1日静置したところ凝集沈降が認められた。結果を表2に示す。
Figure 0006564551
Figure 0006564551
表より明らかなように、試験例1〜13の試験試料のチタン酸バリウム分散液は凝集沈降の発生が認められなかったのに対して比較例1〜3の試験試料のチタン酸バリウム分散液では凝集沈降の発生が認められた。シラン化合物の添加量が過剰であるため凝集が発生したものと推測できる。シラン化合物の処理量としては6μmol/mよりも小さいことが好ましいことが分かった。
試験例1〜13のD50とゼータ電位の結果から、以下のことが分かった。試験例3ではD50が他の試験例よりも僅かではあるが大きいことと、ゼータ電位が38mVで他の試験例より低かったこととから、ゼータ電位の好ましい範囲としては、試験例3より大きい40mV以上であることが分かった。
ここで、試験例1の洗浄後試料、試験例2の洗浄後試料、粒子材料(チタン酸バリウム原料)についてそれぞれFT−IRスペクトルを測定した結果を図2に示し、試験例3〜8の洗浄後試料についてそれぞれ測定したFT−IRスペクトルを図3に示し、比較例1〜3の洗浄後試料についてそれぞれ測定したFT−IRスペクトルを図4に示す。
図2〜4より明らかなように、試験例1〜8では、1550cm−1〜1600cm−1にピーク(1400cm−1〜1500cm−1に存在する大きなピークのショルダーに観測される)が観測されるのに対して、チタン酸バリウム原料である粒子材料ではそのようなピークは存在しないことが分かった。そして、過剰なシラン化合物により処理した比較例1〜3では1550cm−1〜1600cm−1にあるピークが大きくなることが分かった。つまり、1550cm−1〜1600cm−1にあるピークの存在はシラン化合物による処理を行っているか否かによって変化することが分かった。

Claims (6)

  1. 主成分がチタン酸バリウムである粒子材料と、表面積を基準として0.05以上.0μmol/m 以下の量でシラン化合物が前記粒子材料の表面に反応した表面処理層とをもち、
    FT−IR 拡散反射法により測定したIRスペクトルが、1500〜1600cm−1にピークをもち、
    前記シラン化合物は、フェニル基、メタクリルオキシ基、及びグリシジルオキシ基のうちの何れかを有し、
    エタノール中に0.1質量%の濃度で分散させたときの動的光散乱による平均粒径(D50)が10nm〜1000nmである表面改質チタン酸バリウム粒子材料。
  2. 主成分がチタン酸バリウムである粒子材料と、一般式(1):X−(CH−Si(OR)(一般式(1)中、Xはフェニル基、N-フェニルアミノ基、又はアミノ基で表され、Rは炭素数1〜3の炭化水素基、nは4〜10である。)で表されるシラン化合物が前記粒子材料の表面に反応した表面処理層とをもち、
    FT−IR 拡散反射法により測定したIRスペクトルが、1500〜1600cm−1にピークをもち、
    エタノール中に0.1質量%の濃度で分散させたときの動的光散乱による平均粒径(D50)が10nm〜1000nmである表面改質チタン酸バリウム粒子材料。
  3. エタノール中に0.1質量%の濃度で分散させたときのゼータ電位が+40mV〜+150mVである請求項1又は2に記載の表面改質チタン酸バリウム粒子材料。
  4. 表面に−SiMe基を有し、且つ、OH基を表面に実質的に有しない請求項1〜3の何れか1項に記載の表面改質チタン酸バリウム粒子材料。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の表面改質チタン酸バリウム粒子材料と、
    前記表面改質チタン酸バリウム粒子材料を分散する樹脂材料と、
    を有するチタン酸バリウム含有樹脂組成物。
  6. 請求項1〜4の何れか1項に記載の表面改質チタン酸バリウム粒子材料と、
    前記表面改質チタン酸バリウム粒子材料を分散する分散媒と、
    を有するチタン酸バリウム分散液。
JP2019520170A 2018-11-27 2018-11-27 表面改質チタン酸バリウム粒子材料、チタン酸バリウム含有樹脂組成物、及びチタン酸バリウム分散液 Active JP6564551B1 (ja)

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