JP3976484B2 - 導電性粉末有機溶剤系分散体及び導電性塗料 - Google Patents
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Description
【発明の所属する技術分野】
本発明は優れた分散性を示し、高度の透明性を有する導電性酸化スズ粉末の有機溶剤系分散体及びこれを用いた有機溶剤系の導電性塗料に関する。
本発明の導電性塗料は、表示機器の表示面、その表面保護材料、フィルム等の透明基材の帯電防止に有用であり、また建材、車両等の窓材の赤外線遮蔽としても有用である。
【0002】
【従来の技術】
ブラウン管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)等の表示機器の表示面、クリーンルーム等の窓材、ICパッケージ等の包装材として用いられるガラス、プラスチックスや、OHP、写真等に用いられるフィルムのような各種透明基材は、一般的に絶縁体であるため静電気を帯びやすく、このため表面にゴミ、埃などが付着しやすい。また、電子機器用途の場合、静電気によって誤動作を起こすことなどの問題が生じる。
【0003】
これらの問題を解決するために基材となる透明性材料に導電性粉末を混練して成形したり、導電性粉末を配合した塗料を基体表面に塗布したりすることで対処している。酸化スズ粉末は、媒体に均一に分散させることができれば、高い透明性を保持し、導電性も優れており、このような用途に適した導電性粉末である。しかし、酸化スズ粉末は、親水性が極めて強く、有機溶剤系塗料で使用する場合、塗料中に分散させるのが難しく、十分な透明性を得ることはできなかった。
【0004】
酸化スズ粉末の有機溶剤系塗料での分散性を改良する方法として、界面活性剤等の分散剤を塗料中に配合する方法が知られている。しかし、十分な透明性を得るには、多量の分散剤を塗料に配合することを必要とし、塗膜にした場合、基材との密着性が悪くなり、また塗膜強度も低下する。更に、導電性酸化スズ粒子の表面を導電性の無い分散剤が覆うことになる為、導電性も低下する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような問題点を克服し、可及的に分散剤量を低減しても有機溶剤系で優れた分散性を示し、有機溶剤系塗料に使用した場合、優れた透明性、導電性、密着性を示す導電性酸化スズ粉末の有機溶剤系分散体及びこれを配合してなる導電性有機溶剤系塗料を提供するものである。
【0006】
【発明が解決するための手段】
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、有機金属カップリング剤を表面に被覆した導電性酸化スズ粉末を、分散剤と、有機溶剤系媒体とで分散体とすれば、分散剤の添加量を大幅に低減しても良好な分散性が得られること、この分散体に樹脂を混合すれば透明性と導電性が高く、塗膜物性の優れた導電性塗料が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
即ち、本発明は分散媒としての有機溶剤系媒体、粒子表面に有機金属カップリング剤を被覆した酸化スズ粉末及び分散剤を含有する導電性微粉末有機溶剤系分散体であって、2種以上の分散剤を含むことを特徴とする導電性粉末有機溶剤系分散体である。更には、この分散体と樹脂とを混合させてなる導電性塗料である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる導電性酸化スズ粉末は、好ましくは比表面積が20〜150m2/gであり、より好ましくは30〜130m2/g、さらに好ましくは40〜100m2/gである。比表面積が上記範囲より小さ過ぎると塗膜にしたときの透明性や平滑性が低下し、また大き過ぎると必要とする分散剤量、有機金属カップリング剤量が増し、膜強度、密着性、導電性が低下する。導電性酸化スズ粉末の形状は、球状、針状、樹枝状、板状等特に制限は無い。さらに、分散性改善の目的でケイ素、タングステン、ジルコニウム、アルミニウムなどの酸化物を該酸化スズ粒子中に固溶させたり、該酸化スズ粒子表面に担持または被覆させても良い。これらの金属酸化物の担持または被覆は、後述する有機金属カップリング剤による被覆の前に行ってもよく、製造工程において有機金属カップリング剤と共存させることにより同時に行ってもよく、さらに本発明の目的を害さない範囲で被覆後に行ってもよい。担持や被覆の方法は特に限定されない。
【0009】
本発明で用いる導電性酸化スズ粉末は、導電性をさらに向上させるため、該酸化スズ粒子中にアンチモン、リン、フッ素、タングステン、タンタル、ニオブなどの異種の元素を含有させることが好ましく、特にアンチモンが好ましい。アンチモンの含有量は、酸化スズ粉末に対してSb2O3として好ましくは0.5〜20重量%、さらに好ましくは8〜15重量%であり、アンチモンの量がこの範囲より少な過ぎると所望の効果が得られず、多過ぎると粉末の着色が強くなるので好ましくない。
【0010】
本発明で用いる導電性酸化スズ粉末は、例えば、(1)スズ化合物の溶液を中和して酸化スズの水和物沈殿を生成させ、これを分別し、焼成する方法、(2)塩化スズのアルコール溶液を水中で加水分解し、生成物を分別、焼成する方法、等の方法で製造されるが、いずれを用いても良い。また、アンチモンなどの異種の元素を含有させる場合には、例えば、上記(1)の方法では、中和する際に異種元素の化合物の溶液を加えて共沈物を生成させることにより行うことができる。
【0011】
本発明で用いる導電性酸化スズ粉末は、その粒子表面に有機金属カップリング剤が被覆されていることが必要である。後述の分散剤と併用したとしても、有機金属カップリング剤を単に分散体に添加するのであれば、所望の分散性改良の効果は認められない。
【0012】
有機金属カップリング剤としてはヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート等のチタネートカップリング剤、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウムカップリング剤などが挙げられる。有機金属カップリング剤は、1種類を単独で使用してもよいし、異なる2種以上のカップリング剤を併用してもよい。
【0013】
有機金属カップリング剤の被覆量は、導電性酸化スズ粉末に対して好ましくは0.01〜30重量%、さらに好ましくは0.05〜15重量%である。処理量が上記範囲より少な過ぎると、導電性酸化スズ粉末の有機溶剤系媒体での分散性が低下し、多過ぎると、塗膜化した際、塗膜強度、密着性、導電性の低下などの問題が生じる。
【0014】
有機金属カップリング剤を導電性酸化スズ粉末に被覆するには、例えば(1)酸化スズ粉末をヘンシェルミキサーなどの高速攪拌機に入れて攪拌しながら、上記カップリング剤、またはこれらの水あるいはアルコール溶液を添加し、均一になるように攪拌した後、乾燥する乾式法、(2)酸化スズ粉末を水中に分散させたスラリーに、攪拌しながら上記カップリング剤、またはこれらの水あるいはアルコール溶液を添加し、充分に攪拌した後、濾過、洗浄、乾燥する湿式法、等があり、いずれを用いてもよい。
【0015】
本発明の分散体は、有機金属カップリング剤を被覆した酸化スズ粉末を好ましくは10〜70重量%、さらに好ましくは15〜50重量%含有する。含有量がこの範囲より少な過ぎると、このものに樹脂成分を配合して導電性塗料として用いる場合、十分な導電性を上げられない問題が出てくる。また多過ぎると工業的に良好な分散体を得るのが困難になる。酸化スズ粒子はその全面を有機金属カップリング剤で被覆されていることが好ましいが、本発明の目的を害さない範囲で、被覆されていない粒子や一部のみ被覆された粒子を含んでいてもよい。
【0016】
本発明の分散体は、これに配合されている導電性酸化スズ粉末の分散性、安定性を向上させるため、分散剤を用いることが必要である。上記の有機金属カップリング剤を酸化スズに被覆するだけでは、カップリング剤の処理量を大幅に増しても酸化スズ粉末を十分に有機溶剤系媒体中に分散させることは困難である。
【0017】
分散剤としては、第4級アンモニウム塩などのカチオン系、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩などのアニオン系、エーテル型、エーテルエステル型、エステル型、含窒素型などのノニオン系の何れでも良く、導電性酸化スズ粉末に吸着するものであれば特に限定されないが、その中でもカチオン系分散剤が好ましい。通常、導電性酸化スズ粉末は、その表面が溶液中で負の電荷を帯びているので、分散剤がカチオン系のものであれば静電的に吸着され、効果が高くなる。分散体中の分散剤の量は、好ましくは0.01〜20重量%、さらに好ましくは0.1〜15重量%、さらに好ましくは0.1〜10重量%である。分散剤の量が上記範囲より少な過ぎると、酸化スズ粉末が分散体若しくは導電性塗料中で凝集しやすくなる。上記範囲より多過ぎると、塗膜化した際に十分な塗膜強度が得られず、また基材への密着が悪くなる。更に、酸化スズ粉末の表面を絶縁体である分散剤が覆うことになり、その量が多過ぎると導電性が低下する。
また、本発明において分散剤は、1種類を単独で使用してもよいし、異なる2種以上の分散剤を併用してもよい。2種以上の分散剤を併用する際は、分散媒としての有機溶剤系媒体に対する溶解度が異なるものを用いる方が、導電性塗料を作製する際に導電性粉末の分散性をより安定に保持することができる。
【0018】
本発明の分散体において、分散媒として用いる有機溶剤系媒体は、トルエン、酢酸ブチル、プロピルアルコール、ブチルアルコール、メチルエチルケトン、キシレンなど一般的に塗料に用いる有機溶剤であれば特に制限は無い。
【0019】
本発明の導電性粉末有機溶剤系分散体は、例えば、前記カップリング剤を被覆した導電性酸化スズ粉末、分散剤及び有機溶剤系媒体を予備混合した後、サンドミル、ボールミル等の通常用いられる粉砕機を用いて湿式粉砕して分散させて得られる。湿式粉砕時の固形分濃度は好ましくは10〜80重量%、さらに好ましくは30〜60重量%である。固形分濃度が上記範囲より高過ぎると、流動性が低下し、湿式粉砕が困難になり、低過ぎると分散体中の酸化スズ粉末の含有量が少なくなり、経済的でない。分散体中の最終的な固形分濃度は、使用する用途に応じて有機溶剤系媒体の量を加減することにより適宜調整することができる。
【0020】
更に本発明は、前記有機溶剤系分散体と樹脂とからなる導電性塗料である。本発明の導電性塗料に用いる樹脂としては、前記有機溶剤系分散媒に溶解するものであれば特に制限はなく、例えばアクリル樹脂、アルキド樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、塩ビ−酢ビ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、フッ素樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、アクリル−スチレン共重合体等を適宜選択、使用することができる。塗料中の樹脂の量は、好ましくは5〜90重量%、さらに好ましくは5〜50重量%である。
【0021】
また、本発明の導電性塗料には、上記の分散体と樹脂以外に安定剤、硬化剤、重合開始剤など通常塗料に用いられる添加剤が配合されていても良く、目的に応じてこれらの添加剤を適宜選択して使用することができる。
【0022】
本発明の導電性塗料を得るには、例えば前記分散体と樹脂とを混合する方法、樹脂を予め溶剤に溶解した樹脂溶液と前記分散体とを混合する方法等が挙げられる。分散体と樹脂または樹脂溶液とを羽根型攪拌機、ディスパー、ホモミキサー、ディゾルバー、インペラーミル等を用いて撹拌、混合することにより容易に導電性塗料を得ることができる。
【0023】
このようにして得られた本発明の導電性塗料を例えば、アクリル板、塩ビ板、フィルム、ガラス板等の基材に塗布する事で、帯電防止能と透明性とを併せ持った塗膜を形成することができる。塗布には、バーコート、スプレーコートなど塗装機を用いたり、スピンコート、ディップコートによる塗工など通常の塗布方法を用いることができる。
【0024】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
実施例1
比表面積が70m2/gの球状アンチモン含有導電性酸化スズ粉末(SN−100P:石原産業製)100gをジュースミキサーに入れ、撹拌しながらシランカップリング剤AZ−6171(日本ユニカー製)とエタノールとの1/4(重量比)溶液12.5gを加え、撹拌した後、150℃の温度で40分間乾燥して、粉末粒子の表面にシランカップリング剤を被覆した。なお、シランカップリング剤の被覆量はアンチモン含有酸化スズ粉末に対し2.5重量%であった。
このようにして被覆された酸化スズ粉末40g、カチオン系分散剤CB−50(東邦化学製)3.2g、トルエン70g及びジルコンビーズ160gをガラス瓶に仕込み、ペイントコンディショナー(レッドデビル社製#5110型)にて90分間粉砕して本発明の有機溶剤系分散体(試料A)を得た。試料Aの固形分濃度は38.2重量%であった。
【0025】
実施例2
実施例1において、トルエンに代えて酢酸ブチルを用いたこと以外は実施例1と同様に処理して本発明の有機溶剤系分散体(試料B)を得た。試料Bの固形分濃度は37.5重量%であった。
【0026】
実施例3
実施例1において、シランカップリング剤に代えてチタンカップリング剤(KR−TTS 味の素製)を用いたこと以外は実施例1と同様に処理して本発明の有機溶剤系分散体(試料C)を得た。試料Cの固形分濃度は37.2重量%であった。
【0027】
実施例4
実施例1において、カチオン系分散剤CB−50に代えてノニオン系分散剤BYK−163(BYK製)を用いたこと以外は実施例1と同様に処理して本発明の有機溶剤系分散体(試料D)を得た。試料Dの固形分濃度は37.2重量%であった。
【0028】
実施例5
実施例1において、球状のアンチモン含有導電性酸化スズ粉末に代えて比表面積が30m2/gの針状アンチモン含有導電性酸化スズ粉末(FS−10P:石原産業製)を用いたこと以外は実施例1と同様に処理して本発明の有機溶剤系分散体(試料E)を得た。試料Eの固形分濃度は38.0重量%であった。
【0029】
実施例6
実施例5において、分散剤としてカチオン系分散剤CB−50を1.6gとカチオン系分散剤OB−80E(東邦化学製)を1.6gを併用したこと以外は実施例5と同様に処理して本発明の有機溶剤系分散体(試料F)を得た。試料Fの固形分濃度は38.1重量%であった。
【0030】
実施例7
実施例1において、トルエンに代えてメチルエチルケトンを用いたこと以外は実施例1と同様に処理して本発明の有機溶剤系分散体(試料G)を得た。試料Gの固形分濃度は37.8重量%であった。
【0031】
実施例8
実施例1において、トルエンに代えてイソプロピルアルコールを用いたこと以外は実施例1と同様に処理して本発明の有機溶剤系分散体(試料H)を得た。試料Hの固形分濃度は37.3重量%であった。
【0032】
実施例9
実施例5において、トルエンに代えてメチルエチルケトンを用いたこと以外は実施例5と同様に処理して本発明の有機溶剤系分散体(試料I)を得た。試料Iの固形分濃度は38.0重量%であった。
【0033】
比較例1
実施例1において、シランカップリング剤を被覆しないこと以外は実施例1と同様に処理したところ、ペースト状になり分散体が得られなかったので、以後の評価は行わなかった。
【0034】
比較例2
実施例1において、シランカップリング剤を被覆しないこと、分散剤CB−50の添加量を8.0gに増量したこと以外は実施例1と同様に処理して有機溶剤系分散体(試料J)を得た。試料Jの固形分濃度は37.2重量%であった。
【0035】
比較例3
実施例1において、シランカップリング剤を被覆しないこと、ペイントコンディショナーでの粉砕時にシランカップリング剤AZ−6171 1.0gを添加したこと以外は実施例1と同様の処理を行ない有機溶剤系分散体(試料K)を得た。試料Kの固形分濃度は37.2重量%であった。
【0036】
比較例4
実施例1において、シランカップリング剤の被覆量を10.0重量%に増し、分散剤を使用しないこと以外は実施例1と同様の処理を行ったところ、ペースト状になり分散体は得られなかったので、以後の評価は行わなかった。
【0037】
試験例
実施例1〜6及び比較例2、3で得られた溶剤系分散体(試料A〜K)中の酸化スズ粒子を、粒度分布測定機CAPA−700(島津製作所製)を用いてメジアン径を測定し、これを分散体の分散性の指標とした。
【0038】
試料A〜Kの固形分濃度をそれぞれの溶剤で30重量%に希釈し、この希釈した試料17gと、紫外線硬化型アクリル樹脂(DPHA:日本化薬製)2.5g、重合開始剤(DETX−S:日本化薬製)、重合促進剤(EPA:日本化薬製)及び溶剤(各種分散体に用いた溶剤)7.7gを混合、撹拌して導電性塗料を得た。
【0039】
得られた導電性塗料をガラス板に乾燥膜厚が2.3μmになるようバーコーターで塗布し、自然乾燥後、紫外線を照射して塗膜を得た。得られた塗膜の表面抵抗率をデジタルオームメーター(R−506型、川口電機製作所製)を用い、ヘイズ率(塗膜の曇り程度の指標。値が小さい程、透明度が高いことを示す。)をヘイズメーター(NDH―300A型、日本電色工業製)を用いてそれぞれ測定し、さらに鉛筆硬度をJIS K5400に従って評価した。
【0040】
これらの結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】
本発明は、その表面に有機金属カップリング剤を被覆した導電性酸化スズ粉末、分散剤及び有機溶剤系媒体からなる分散体であって、可及的にカップリング剤量、分散剤量を低減しても優れた分散性を示す。従って、本発明の分散体を、有機溶剤系の樹脂または樹脂溶液と容易な操作で混合、撹拌して優れた透明性、導電性、密着性を有する導電性塗料が得られる。このため、本発明は、経済的に有利に、例えばCRT、クリーンルーム用窓材、フィルム等の帯電防止材料を提供することができる。
Claims (11)
- 分散媒としての有機溶剤系媒体、粒子表面に有機金属カップリング剤を被覆した酸化スズ粉末及び分散剤を含有する導電性粉末有機溶剤系分散体であって、2種以上の分散剤を含むことを特徴とする導電性粉末有機溶剤系分散体。
- 前記の酸化スズ粉末がその酸化スズ粒子中にケイ素酸化物を固溶したもの、あるいは、酸化スズ粒子表面にケイ素酸化物を担持または被覆したものであることを特徴とする請求項1記載の導電性粉末有機溶剤系分散体。
- 酸化スズ粉末がアンチモンを含有していることを特徴とする請求項1記載の有機溶剤系分散体。
- 有機金属カップリング剤を被覆した酸化スズ粉末を10〜70重量%含有してなる請求項1記載の有機溶剤系分散体。
- 酸化スズ粉末の比表面積が20〜150m2/gであることを特徴とする請求項1記載の有機溶剤系分散体。
- 有機金属カップリング剤として、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤及びアルミニウムカップリング剤の1種以上を用いることを特徴とする請求項1記載の有機溶剤系分散体。
- 有機金属カップリング剤の被覆量が、酸化スズ粉末に対して0.01〜30重量%であることを特徴とする請求項1記載の有機溶剤系分散体。
- 分散剤の含有量が0.01〜20重量%であることを特徴とする請求項1記載の有機溶剤系分散体。
- 分散媒としての有機溶剤系媒体に対する分散剤の溶解度がいずれも異なることを特徴とする請求項1記載の有機溶剤系分散体。
- 分散剤がカチオン系分散剤であることを特徴とする請求項1記載の有機溶剤系分散体。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の有機溶剤系分散体と樹脂とを混合させてなる導電性塗料。
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