JP6046903B2 - フィラー含有液状組成物及びその製造方法 - Google Patents
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(i)すなわち、上記課題を解決するフィラー含有液状組成物は、体積平均粒子径が1nmから100nmである原料シリカに対して、シラン化合物と、オルガノシラザンとで表面が処理されており、イソプロパノール、PMG、MEK、酢酸エチル、及びトルエンからなる群より選択される1種又は2種以上の分散媒に全体の質量を基準として10質量%分散させた分散液100mLに対して超音波を5分間照射した後、JISP3801規格の5種Cのろ紙で吸引ろ過したときに95%以上が通過するシリカ粒子材料と、
体積平均粒径が0.5μm以上である無機材料から構成されるフィラーと、
前記シリカ粒子材料及び前記フィラーを分散する液状組成物と、
を有することを特徴とする。
前記シラン化合物はシランカップリング剤、及び、3つのアルコキシ基とフェニル基とをもつ化合物から選択される1種以上の化合物で有る。
粒径が0.5μm以上である無機材料から構成されるフィラーと、
前記シリカ粒子材料及び前記フィラーを分散する液状組成物と、
を有し、
前記シリカ粒子材料の混合割合は、前記フィラー及び前記シリカ粒子材料の全体の質量を基準として、15%超50%未満であることを特徴とする。
前記シラン化合物はシランカップリング剤、及び、3つのアルコキシ基とフェニル基とをもつ化合物から選択される1種以上の化合物で有る。
(iv)前記シリカ粒子材料は、式(1):−OSiX1X2X3で表される官能基及び式(2):−OSiY1Y2Y3で表される官能基と、両官能基が表面に結合するシリカ粒子とからなる。上記式(1)、(2)中;X1はフェニル基、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、イソシアネート基、又はアクリル基であり;X2、X3は−OSiR3及び−OSiY4Y5Y6よりそれぞれ独立して選択され;Y1はRであり;Y2、Y3はR及び−OSiY4Y5Y6よりそれぞれ独立して選択される。Y4はRであり;Y5及びY6は、R及び−OSiR3からそれぞれ独立して選択され;Rは炭素数1〜3のアルキル基から独立して選択される。なお、X2、X3、Y2、Y3、Y5、及びY6の何れかは、近接する官能基のX2、X3、Y2、Y3、Y5、及びY6の何れかと−O−にて結合しても良い。
(v)前記式(1)で表される官能基と前記式(2)で表される官能基との存在数比が1:12〜1:60である。
(vi)前記X1は前記シリカ粒子材料の単位表面積(nm2)あたり0.5〜2.5個である。
(vii)前記Rは前記シリカ粒子材料の単位表面積(nm2)あたり1〜10個である。
(viii)前記シリカ材料は、水を含む液状媒体中でシラン化合物及びオルガノシラザンによってシリカ粒子を表面処理する表面処理工程をもつ表面処理方法により処理され、
前記シラン化合物は、3つのアルコキシ基と、フェニル基、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、イソシアネート基、又はアクリル基と、を持ち、
前記シラン化合物と前記オルガノシラザンとのモル比は、前記シラン化合物:前記オルガノシラザン=1:2〜1:10である。
(ix)前記表面処理工程は、
前記シリカ粒子を前記シラン化合物で処理する第1の処理工程と、
前記シリカ粒子を前記オルガノシラザンで処理する第2の処理工程と、を持ち、
前記第2の処理工程は、前記第1の処理工程後に行う。
(x)前記第2の処理工程において、3つのアルコキシ基と炭素数1〜3のアルキル基とを持つ第2のシラン化合物で前記オルガノシラザンの一部を置き換え、
前記第2の処理工程後に、さらに前記シリカ粒子を前記オルガノシラザンで処理する第3の処理工程を持つ。
シリカ粒子材料としては以下の「第1形態」又は「第2形態」の構成をもつ。なお、第1形態及び第2形態とでは、フィラーよりも小さな粒径をもつシリカ粒子材料を添加しているとの発明の思想自体としては差異が無い。
(第1形態)
シリカ粒子材料は体積平均粒径が1nm〜100nmのシリカからなる粒子である原料シリカに対して、表面処理を行った材料である。原料シリカの粒径としては望ましくは2nm以上であり、特に望ましくは5nm以上であり、10nm以上が更に望ましい。また、80nm以下が望ましく、50nm以下が更に望ましい。
(第2形態)
シリカ粒子材料は粒径が100nm以下である。この場合にシリカ粒子材料の混合割合は、前記フィラー及び前記シリカ粒子材料の全体の質量を基準として、15%超50%未満である。粒径で規定しているのはフィラーとしてシリカからなるものを採用したときに区別ができにくいため、単純に粒径のみで峻別できるようにするためである。
(第1形態及び第2形態2の共通の特徴)
シリカ粒子材料の表面はシラン化合物とオルガノシラザンとで処理されている。シラン化合物はシランカップリング剤、及び、3つのアルコキシ基とフェニル基とをもつ化合物から選択される1種以上の化合物で有る。
シリカ粒子材料は、式(1):−OSiX1X2X3で表される官能基と、式(2):−OSiY1Y2Y3で表される官能基とが表面に結合したシリカ粒子材料である。以下、式(1)で表される官能基を第1の官能基と呼び、式(2)で表される官能基を第2の官能基と呼ぶ。
その1に示すシリカ粒子材料に代えて、以下に示す表面処理を行ったシリカ粒子材料を採用することもできる。なお、以下の方法によりシリカ粒子材料(その1)を得ることもできるため、その1とその2とは排他的なものではない。
・フィラーとしては体積平均粒径が0.5μm以上であること(第1形態のシリカ粒子材料の場合)、又は、粒径が0.5μm以上であること(第2形態のシリカ粒子材料の場合)である。フィラーを構成する材料としては無機材料からなること以外は限定しない。例えばフィラーとしてはシリカ、アルミナ(Al2O3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、ゼオライト、酸化チタン(TiO2)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si3N4)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、チタン酸カルシウム(CaTiO3)、ほう酸アルミニウム、ボロンナイト、炭酸カルシウム、酸化鉛、酸化すず、酸化セリウム、酸化カルシウム、四酸化三マンガン、酸化マグネシウム、セリウムジルコネイト、カルシウムシリケート、ジルコニウムシリケート、ITO、チタンシリケートを、単独又は組み合わせて使用することができる。
液状樹脂材料としては使用温度において流動性をもつものであればよい。例えば低分子量の物質(溶媒など)や、熱可塑性樹脂を採用しその熱可塑性樹脂の融点以上の温度での使用を考える場合を含む。また、後に行われる硬化反応により硬化する材料であっても良い。
・シリカ粒子材料の調製
原料シリカとして、水ガラスから合成したナノサイズのコロイダルシリカ(体積平均粒径10nm、 水中に分散されており固形分濃度20%)を準備した。
アルコールとして、イソプロパノールを準備した。
シラン化合物として、メタクリルシランを準備した。
オルガノシラザンとして、ヘキサメチルジシラザン(HMDS、信越化学工業株式会社製、HDMS−1)を準備した。
(1)準備工程
シリカ粒子が20質量%の濃度で水に分散したスラリー100質量部にイソプロパノール60質量部を加え、室温(約25℃)で混合することで、原料シリカが液状媒体に分散されてなる分散液を得た。
この分散液にビニルシラン2.0 質量部を加え、40℃で72時間混合した。この工程により、原料シリカの表面に存在する水酸基をシラン化合物で表面処理した。なお、このときビニルシランは、必要な量の水酸基(一部)が表面処理されず残存するように計算して加えた。
次いで、この混合物に、ヘキサメチルジシラザン4.3質量部を加え、40℃で72時間放置した。この工程によって、シリカ粒子が表面処理され、シリカ粒子材料が得られた。表面処理の進行に伴い、疎水性になったシリカ粒子が水及びイソプロパノールの中で安定に存在できなくなり、凝集・沈殿した。なお、ビニルシランとヘキサメチルジシラザンとのモル比は1:2であった。
表面処理工程で得られた混合物全量に35%塩酸水溶液を5質量部を加え、シリカ粒子材料を沈殿させた。沈殿物をろ紙(アドバンテック社製 5A)で濾過した。濾過残渣(固形分)を純水で洗浄した後に200℃で2時間真空乾燥して、シリカ粒子材料の固形物(シリカ粒子材料)を得た。シリカ粒子材料の表面には処理前には2.5個/nm2のシラノール基が存在し、そのシラノール基の約70%がこれらの処理によって消費された。
一次粒子の体積平均粒径0.25μm、二次粒子の体積平均粒径1μmの酸化チタンをフィラーとして用いた。
液状組成物としてメチルエチルケトン(MEK)を用いた。全体の質量に対して酸化チタンを5%になるように分散させ、更に前述のシリカ粒子材料をフィラー(酸化チタン)の質量を基準として、0%(試験例1:フィラーとシリカ粒子材料とを合わせた全体の質量を基準として0%)、15%(試験例2:フィラーとシリカ粒子材料とを合わせた全体の質量を基準として約13%)、30%(試験例3:フィラーとシリカ粒子材料とを合わせた全体の質量を基準として約23.1%)、50%(試験例4:フィラーとシリカ粒子材料とを合わせた全体の質量を基準として約33.3%)とし、均一に撹拌した。これらの試験試料を4日間放置した結果、試験試料1及び2については二層に分離しており、フィラーの沈殿が認められたのに対して試験試料3及び4では均一な状態の1層のままであり沈殿防止効果が認められた。
(参考試験例1)
(材料)
シリカ粒子として、コロイダルシリカの一種であるスノーテックスOS(日産化学工業株式会社製、平均粒径10nm、水中に分散されており固形分濃度20%)を準備した。
アルコールとして、イソプロパノールを準備した。
シラン化合物として、フェニルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBM−103)を準備した。
オルガノシラザンとして、ヘキサメチルジシラザン(HMDS、信越化学工業株式会社製、HDMS−1)を準備した。
(1)準備工程
シリカ粒子が20質量%の濃度で水に分散したスラリー100質量部にイソプロパノール60質量部を加え、室温(約25℃)で混合することで、シリカ粒子が液状媒体に分散されてなる分散液を得た。
この分散液にフェニルトリメトキシシラン1.8質量部を加え、40℃で72時間混合した。この工程により、シリカ粒子の表面に存在する水酸基をシラン化合物で表面処理した。なお、このときフェニルトリメトキシシランは、必要な量の水酸基(一部)が表面処理されず残存するように計算して加えた。
次いで、この混合物に、ヘキサメチルジシラザン3.7質量部を加え、40℃で72時間放置した。この工程によって、シリカ粒子が表面処理され、シリカ粒子材料が得られた。表面処理の進行に伴い、疎水性になったシリカ粒子が水及びイソプロパノールの中で安定に存在できなくなり、凝集・沈殿した。なお、フェニルトリメトキシシランとヘキサメチルジシラザンとのモル比は2:5であった。
表面処理工程で得られた混合物全量に35%塩酸水溶液を5質量部を加え、シリカ粒子材料を沈殿させた。沈殿物をろ紙(アドバンテック社製 5A)で濾過した。濾過残渣(固形分)を純水で洗浄した後に100℃で真空乾燥して、シリカ粒子材料の固形物を得た。
参考試験例2のシリカ粒子の表面処理方法は、フェニルトリメトキシシランにかえてビニルトリメトキシシランを用い、ビニルトリメトキシシランとヘキサメチルジシラザンとのモル比が2:5であったこと以外は、試験例5のシリカ粒子の表面処理方法と同じである。第1工程においては、ビニルトリメトキシシラン1.36質量部を加え、第2工程においてはヘキサメチルジシラザン3.7質量部を加えた。
参考試験例3のシリカ粒子の表面処理方法は、フェニルトリメトキシシランにかえてビニルトリメトキシシランを用い、ビニルトリメトキシシランとヘキサメチルジシラザンとのモル比が1:5であったこと以外は、参考試験例1のシリカ粒子の表面処理方法と同じである。第1工程においては、ビニルトリメトキシシラン1.36質量部を加え、第2工程においてはヘキサメチルジシラザン7.41質量部を加えた。
参考試験例4のシリカ粒子の表面処理方法においては、シリカ粒子として、コロイダルシリカの一種であるスノーテックスOL(日産化学工業株式会社製、平均粒径50nm、水中に分散されており固形分濃度20%)を用いた。また、第1工程においてシラン化合物として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBM−503)0.48質量部を加えた。さらに、このシラン化合物に加えて重合禁止剤(3,5−ジブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)、関東化学株式会社製)を0.01質量部加えた。また、第2工程において、ヘキサメチルジシラザン0.78質量部を加えた。さらに、固形化工程においては、表面処理工程で得られた混合物全量に35%塩酸水溶液2.6質量部を加えてシリカ粒子材料を沈殿させた。これ以外は、試験例8のシリカ粒子の表面処理方法は、参考試験例1のシリカ粒子の表面処理方法と同じであった。なお、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランとヘキサメチルジシラザンとのモル比は2:5であった。
参考試験例5のシリカ粒子の表面処理方法は、フェニルトリメトキシシランとヘキサメチルジシラザンとのモル比が1:1であったこと以外は、参考試験例1のシリカ粒子の表面処理方法と同じである。第1工程においては、フェニルトリメトキシシラン4.5質量部を加え、第2工程においてはヘキサメチルジシラザン3.7質量部を加えた。
参考試験例6のシリカ粒子の表面処理方法は、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランとヘキサメチルジシラザンとのモル比が2:1であったこと以外は、参考試験例4のシリカ粒子の表面処理方法と同じである。第1工程においては、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.48質量部を加え、第2工程においてはヘキサメチルジシラザン0.16質量部を加えた。
参考試験例7のシリカ粒子の表面処理方法は、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランとヘキサメチルジシラザンとのモル比が1:1であったこと以外は、参考試験例4のシリカ粒子の表面処理方法と同じである。第1工程においては、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.48質量部を加え、第2工程においてはヘキサメチルジシラザン0.31質量部を加えた。
参考試験例1〜7のシリカ粒子材料について、液状媒体中における凝集性を測定した。
参考試験例1〜7のシリカ粒子材料を準備し、この試料の赤外線吸収スペクトルを、サーモニコレット社製 FT−IR Avatorを用いた粉体拡散反射法で測定した。このときの測定条件は、分解能4、スキャン回数64であった。結果、試験例5〜11のシリカ粒子材料の赤外吸収スペクトルは、何れも、2962cm−1にC-H伸縮振動の極大吸収(ピーク)を持つ。このため、これらのシリカ粒子材料は、アルキル基を持つこと(すなわち、アルキル基を持つオルガノシラザンで表面処理されていること)がわかる。なお、参考試験例5〜7のシリカ粒子材料のピーク高さは、参考試験例1〜4のシリカ粒子材料のピーク高さに比べて低かった。この結果は、参考試験例5〜7のシリカ粒子材料においては、充分な量のアルキル基を持たないことを示唆している。詳しくは、試験例5〜8のシリカ粒子材料の赤外線吸収スペクトルにおいては、シラン化合物に由来する各官能基固有のC−Hのピーク高さに対してオルガノシラザンに由来するメチル基(2962cm−1)のピーク高さが3倍以上であった。参考試験例5〜7のシリカ粒子材料の赤外線吸収スペクトルにおいては、シラン化合物に由来する各官能基固有のC−Hのピーク高さに対してオルガノシラザンに由来するメチル基(2962cm−1)のピーク高さが2倍以下であった。上述したように、参考試験例1〜4のシリカ粒子材料は凝集し難く、参考試験例5〜7のシリカ粒子材料は凝集し易かった。これらの結果から、シラン化合物に由来する各官能基固有のC−Hのピーク高さに対してオルガノシラザンに由来するメチル基(2962cm−1)のピーク高さが3倍以上であるシリカ粒子材料は凝集し難いといえる。
参考試験例1〜7のシリカ粒子材料について、シリカ粒子材料の質量あたりに存在する炭素の量(質量%)を測定した。測定には、有機炭素測定装置(HORIBA社製、EMIA−320V)を用いた。
参考試験例1〜7のシリカ粒子材料について、シリカ粒子材料の単位表面積(nm2)あたりのX1の存在数を測定した。参考試験例1及び参考試験例5のシリカ粒子材料におけるX1はフェニル基であり、参考試験例2、3のシリカ粒子材料におけるX1はビニル基であり、参考試験例4、6、7のシリカ粒子材料におけるX1はメタクリロキシ基であった。シリカ粒子材料の表面積(比表面積)は窒素を用いたBET法で測定した。X1の存在数はシリカ粒子材料の炭素量を基に算出した。詳しくは、第1工程後のシリカ粒子を、水で洗浄し遠心分離した後に乾燥して、シラン化合物処理後のシリカ粒子試料を得た。この試料の炭素量を、有機炭素測定装置を用いて測定し、測定値を基にX1数を算出した。
Claims (9)
- 体積平均粒子径が1nmから100nmである原料シリカに対して、シラン化合物と、オルガノシラザンとで表面が処理されており、イソプロパノール、PMG、MEK、酢酸エチル、及びトルエンからなる群より選択される1種又は2種以上の分散媒に全体の質量を基準として10質量%分散させた分散液100mLに対して超音波を5分間照射した後、JISP3801規格の5種Cのろ紙で吸引ろ過したときに95%以上が通過するシリカ粒子材料と、
体積平均粒径が0.5μm以上である無機材料から構成されるフィラーと、
前記シリカ粒子材料及び前記フィラーを分散する液状組成物と、
を有し、
前記シラン化合物はシランカップリング剤、及び、3つのアルコキシ基とフェニル基とをもつ化合物から選択される1種以上の化合物で有り、
前記シリカ粒子材料の混合割合は、前記フィラー及び前記シリカ粒子材料の全体の質量を基準として、15%超50%未満であるフィラー含有液状組成物。 - 粒子径が1nmから100nmである原料シリカに対して、シラン化合物と、オルガノシラザンとで表面が処理されており、イソプロパノール、PMG、MEK、酢酸エチル、及びトルエンからなる群より選択される1種又は2種以上の分散媒に全体の質量を基準として10質量%分散させた分散液100mLに対して超音波を5分間照射した後、JISP3801規格の5種Cのろ紙で吸引ろ過したときに95%以上が通過するシリカ粒子材料と、
粒径が0.5μm以上である無機材料から構成されるフィラーと、
前記シリカ粒子材料及び前記フィラーを分散する液状組成物と、
を有し、
前記シラン化合物はシランカップリング剤、及び、3つのアルコキシ基とフェニル基とをもつ化合物から選択される1種以上の化合物で有り、
前記シリカ粒子材料の混合割合は、前記フィラー及び前記シリカ粒子材料の全体の質量を基準として、15%超50%未満であることを特徴とするフィラー含有液状組成物。 - 前記シリカ粒子材料は、式(1):−OSiX1X2X3で表される官能基及び式(2):−OSiY1Y2Y3で表される官能基と、両官能基が表面に結合するシリカ粒子とからなる請求項1又は2に記載のフィラー含有液状組成物。(上記式(1)、(2)中;X1はフェニル基、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、イソシアネート基、又はアクリル基であり;X2、X3は−OSiR3及び−OSiY4Y5Y6よりそれぞれ独立して選択され;Y1はRであり;Y2、Y3はR及び−OSiY4Y5Y6よりそれぞれ独立して選択される。Y4はRであり;Y5及びY6は、R及び−OSiR3からそれぞれ独立して選択され;Rは炭素数1〜3のアルキル基から独立して選択される。なお、X2、X3、Y2、Y3、Y5、及びY6の何れかは、近接する官能基のX2、X3、Y2、Y3、Y5、及びY6の何れかと−O−にて結合しても良い。)
- 前記式(1)で表される官能基と前記式(2)で表される官能基との存在数比が1:12〜1:60である請求項3に記載のフィラー含有液状組成物。
- 前記X1は前記シリカ粒子材料の単位表面積(nm2)あたり0.5〜2.5個である請求項3又は4に記載のフィラー含有液状組成物。
- 前記Rは前記シリカ粒子材料の単位表面積(nm2)あたり1〜10個である請求項3〜5の何れか1項に記載のフィラー含有液状組成物。
- 請求項1〜6の何れか1項に記載のフィラー含有液状組成物を製造するフィラー含有液状組成物の製造方法であって、
前記シリカ材料は、水を含む液状媒体中で前記シラン化合物及びオルガノシラザンによって前記原料シリカ粒子を表面処理する表面処理工程をもつ表面処理方法により処理され、
前記シラン化合物は、3つのアルコキシ基と、フェニル基、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、イソシアネート基、又はアクリル基と、を持ち、
前記シラン化合物と前記オルガノシラザンとのモル比は、前記シラン化合物:前記オルガノシラザン=1:2〜1:10である、
フィラー含有液状組成物の製造方法。 - 前記原料シリカ粒子の表面に存在したシラノール基のうちの80%以上には前記シラン化合物が結合し、且つ、
前記原料シリカ粒子の表面に存在したシラノール基の残部及び前記シラン化合物には前記オルガノシラザンが結合している請求項7に記載のフィラー含有液状組成物の製造方法。 - 結合されている前記オルガノシラザンの一部が、3つのアルコキシ基と炭素数1〜3のアルキル基とを持つ第2のシラン化合物で置き換えられている請求項7又は8に記載のフィラー含有液状組成物の製造方法。
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