JP6563793B2 - 加飾シート - Google Patents

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Description

本発明は、加飾シートに関する。
従来、車両や建造物などの内装や外装に、化粧材などの加飾シートを貼着し、意匠性を付与することが、知られている。より具体的には、例えば、自動車のボンネット部分の外表面などに、カーボン調にプリントされた加飾シートを貼着し、軽量化されたボンネットのように加飾することが、知られている。
このような加飾シートとしては、例えば、軟質表皮材料を、芯材上に圧着させ、それらを一体的に接着させた自動車内装部品が、提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
上記の自動車内装部品は、通常、平板シート状に成形される。そして、自動車内装部品の使用時には、自動車内装部品をドライヤーなどで加熱して、被着体の形状に応じて伸ばしながら、別途用意された接着剤や接着テープなどを介して、被着体に貼着する。
しかしながら、このような自動車内装部品は、貼着作業が煩雑であるという不具合がある。そこで、作業性の向上を図るため、例えば、加飾シートに接着層を予め積層し、さらに、接着層に離型層を積層することが、提案されている。
より具体的には、例えば、塩化ビニル樹脂シートの裏面に、合成樹脂粘着剤を塗布し、離型紙を貼着してなる化粧用シートが、提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
上記の化粧用シートは、使用時に離型紙が剥離され、露出される合成樹脂粘着剤を介して、塩化ビニル樹脂シートが、被着体に圧着(貼着)される。
特公平1−020048号公報 特開平5−245981号公報
しかしながら、上記の化粧用シートも、通常、平板シート状に成形される。そのため、使用時には、化粧用シートを、被着体の形状に応じて伸ばしながら、被着体に貼着する必要があり、貼着作業が煩雑である。
そこで、作業性の向上を図るために、加飾シートを、予め加熱成形し、被着体の形状に応じて加工することが検討される。
しかしながら、上記の化粧用シートを加熱すると、化粧用シートが所望外の形状に変形する場合や、化粧用シートに破損を生じる場合があり、加工性に劣るという不具合がある。
本発明の目的は、優れた加工性を備え、また、取り付け時の作業性の向上を図ることができる加飾シートを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の加飾シートは、第1の剥離層と、前記第1の剥離層の表面に配置される粘着層と、前記粘着層の表面に配置される表皮層と、前記表皮層の表面に配置される第2の剥離層とを備え、前記第2の剥離層は、形状保持層を備えており、前記形状保持層の収縮率、および、前記表皮層の収縮率が、ともに、0/1000〜9/1000であることを特徴としている。
また、本発明の加飾シートでは、前記形状保持層の軟化開始温度、および、前記表皮層の軟化開始温度が、ともに、60℃以上120℃以下であることが好適である。
また、本発明の加飾シートでは、前記形状保持層が、エチレン酢酸ビニル、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体およびポリ塩化ビニルから選ばれる少なくとも1つからなる樹脂シートであることが好適である。
本発明の加飾シートは、表皮層の表面に第2の剥離層が配置され、この第2の剥離層が形状保持層を備えており、形状保持層の収縮率、および、表皮層の収縮率が、ともに、0/1000〜9/1000であるため、成形時において、所望外の形状に変形することや、破損を抑制することができ、さらに取り付け時の表皮層への傷付き防止を図ることができる。
そのため、本発明の加飾シートは、加工性に優れ、さらには、取り付け時の作業性にも優れる。
図1は、本発明の加飾シートの一実施形態を示す概略構成図である。 図2は、本発明における成形シートの製造方法の一実施形態を示す概略工程図であって、図2Aは、加飾シートを用意する工程、図2Bは、加飾シートを加熱する工程、図2Cは、加飾シートを真空成形する工程、図2Dは、成形シートを真空成形型から取り外す工程を、それぞれ示す。
図1において、加飾シート1は、第1の剥離層2と、第1の剥離層2の表面に配置される粘着層3と、粘着層3の表面に配置される表皮層4と、表皮層4の表面に配置される第2の剥離層5とを備えている。
第1の剥離層2は、粘着層3を保護するために、粘着層3に貼着されるとともに、粘着層3から容易に剥離可能とされるシート部材である。第2の剥離層5は、表皮層4を保護しつつ支持するために、表皮層4の表面に貼着されるとともに、表皮層4から容易に剥離可能とされるシート部材であり、形状保持層6を備えている。
形状保持層6は、詳しくは後述するように、加飾シート1を成形する場合(例えば、加熱成形する場合)などに、所望の形状を保持し、加飾シート1が所望形状とは異なる形状に変形することを抑制するために、第2の剥離層5に備えられている。
第1の剥離層2は、粘着層3に対して易剥離性を有するシート部材であって、加飾シート1を被着体に貼着する際には、第1の剥離層2を粘着層3から剥離して用いる。
第1の剥離層2は、例えば、面方向に延びるシート形状をなし、平面視略矩形状を有している。
第1の剥離層2としては、例えば、樹脂シート、不織布、紙、金属箔などが挙げられ、これらを単独使用または2種類以上併用することができる。第1の剥離層2として、好ましくは、樹脂シートが挙げられる。
なお、第1の剥離層2の収縮率、軟化開始温度および熱変形温度は、特に制限されず、適宜選択される。
このような第1の剥離層2(樹脂シート)を構成する樹脂として、具体的には、例えば、ポリプロピレン(PP)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリエチレン(PE、高密度ポリエチレン(HDPE)など)、ポリアセタール(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミド(PA、ナイロン6、ナイロン6,6など)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの結晶性樹脂、例えば、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメタクリル酸メチルエステル(PMMA)などの非晶性樹脂などが挙げられる。
これら第1の剥離層2を構成する樹脂は、単独使用または2種類以上併用することができる。
第1の剥離層2を構成する樹脂として、好ましくは、結晶性樹脂、より好ましくは、ポリプロピレン(PP)が挙げられる。
第1の剥離層2を構成する樹脂として、後述の粘着層3に対して易剥離性を有するものを適宜選択することで、優れた易剥離性を得ることができる。
また、第1の剥離層2としては、樹脂シートの表面(粘着層3の接触面)に、公知の易剥離処理を施したものを用いることもできる。易剥離処理としては、例えば、公知のフッ素処理などが挙げられる。
第1の剥離層2の厚みは、例えば、10μm以上、好ましくは、30μm以上、より好ましくは、50μm以上であり、例えば、100μm以下、好ましくは、80μm以下、より好ましくは、60μm以下である。
また、第1の剥離層2の厚みは、形状保持層6の厚みに対して、例えば、1%以上、好ましくは、5%以上、より好ましくは、10%以上であり、例えば、50%以下、好ましくは、30%以下、より好ましくは、20%以下である。
粘着層3は、例えば、公知の粘着剤から形成される。
粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、エポキシ系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、フッ素系粘着剤、ゴム系粘着剤などが挙げられる。
これら粘着剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
粘着剤として、好ましくは、アクリル系粘着剤が挙げられる。
アクリル系粘着剤は、例えば、(メタ)アクリル系アルキルエステルを主成分とする粘着剤であって、公知の方法により得ることができる。
また、粘着剤の形態は、特に制限されず、例えば、固形粘着剤、溶剤系粘着剤、エマルジョン系粘着剤、オリゴマー系粘着剤など、種々の形態を採用することができる。
表皮層4と粘着層3とを積層する方法としては、特に制限されず、例えば、表皮層4の表面に、公知の方法で粘着剤を塗布し、必要により加熱する。これにより、表皮層4の表面に、粘着層3が積層される。
粘着層3の表面は、粘着性(表面タック性)を有する。
粘着層3の厚みは、例えば、20μm以上、好ましくは、30μm以上であり、例えば、100μm以下、好ましくは、70μm以下である。
表皮層4は、詳しくは後述するように、加飾シート1から得られる成形シート10(後述)が被着体(後述)に貼着される場合に、被着体に意匠性を付与するために、備えられている。
表皮層4は、例えば、面方向に延びるシート形状をなし、平面視略矩形状を有している。
表皮層4としては、例えば、樹脂シート、不織布、紙、金属箔などが挙げられ、これらを単独使用または2種類以上併用することができる。表皮層4として、好ましくは、樹脂シートが挙げられる。
また、表皮層4は、収縮率および軟化開始温度が所定範囲となるよう、選択される。
より具体的には、表皮層4の収縮率は、0/1000以上、好ましくは、1/1000以上、より好ましくは、2/1000以上、さらに好ましくは、4/1000以上であり、9/1000以下、好ましくは、8/1000以下、より好ましくは、6/1000以下である。
なお、収縮率は、JIS K 7152(1999年)に準拠して測定される(以下同様)。
また、表皮層4の軟化開始温度は、好ましくは60℃以上であり、より好ましくは、63℃以上、さらに好ましくは、65℃以上であり、好ましくは120℃以下であり、より好ましくは、100℃以下、さらに好ましくは、85℃以下である。
なお、軟化開始温度は、測定対象を無負荷状態で加熱したときに変形が開始する温度であり、JIS K 7196(1999年)に準拠して測定される。
また、表皮層4としては、好ましくは、熱変形温度が、所定範囲であるものが、選択される。
表皮層4の熱変形温度は、例えば、50℃以上、好ましくは、52℃以上、より好ましくは、54℃以上であり、例えば、200℃以下、好ましくは、150℃以下、より好ましくは、100℃以下、さらに好ましくは、74℃以下である。
なお、熱変形温度は、測定対象を有負荷状態で加熱したときに変形が開始する温度であり、ASTM D648に準拠して測定される。
具体的には、熱変形温度は、上記試験法の規格に決められた荷重(4.6kg/cm)を与えた状態で、測定対象を昇温し、たわみの大きさが所定の値(0.26mm)になる温度を示す(以下同様)。
なお、表皮層4が樹脂シートである場合、収縮率、軟化開始温度および熱変形温度は、樹脂シートを構成する樹脂の種類や、その構造などにより異なる。
そのため、表皮層4として、好ましくは、上記範囲の収縮率、軟化開始温度および熱変形温度を有する樹脂シートが、選択される。
表皮層4(樹脂シート)を構成する樹脂として、具体的には、例えば、エチレン酢酸ビニル(EVA、収縮率7/1000〜9/1000、軟化開始温度89〜113℃、熱変形温度77〜81℃)などの結晶性樹脂、例えば、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS、収縮率0/1000〜9/1000、軟化開始温度95〜105℃、熱変形温度95〜110℃)、ポリスチレン(PS、収縮率4/1000〜7/1000、軟化開始温度95〜105℃、熱変形温度70〜90℃)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS、収縮率2/1000〜7/1000、軟化開始温度110〜120℃、熱変形温度87〜104℃)、ポリ塩化ビニル(PVC、収縮率1/1000〜5
/1000、軟化開始温度65〜85℃、熱変形温度54〜74℃)などの非晶性樹脂などが挙げられる。
これら表皮層4を構成する樹脂は、単独使用または2種類以上併用することができる。
表皮層4を構成する樹脂として、好ましくは、結晶性樹脂が挙げられ、より好ましくは、ポリ塩化ビニル(PVC)が挙げられる。
表皮層4として、上記の樹脂シートを用いれば、優れた形状保持性を得ることができる。
表皮層4の厚みは、例えば、50μm以上、好ましくは、100μm以上、より好ましくは、150μm以上であり、例えば、500μm以下、好ましくは、300μm以下、より好ましくは、200μm以下である。
また、表皮層4の厚みは、粘着層3の厚みに対して、例えば、100%以上、好ましくは、200%以上、より好ましくは、300%以上であり、例えば、600%以下、好ましくは、500%以下、より好ましくは、400%以下である。
また、表皮層4の厚みは、第1の剥離層2の厚みに対して、例えば、10%以上、好ましくは、20%以上、より好ましくは、30%以上であり、例えば、70%以下、好ましくは、60%以下、より好ましくは、50%以下である。
表皮層4は、公知の方法で、粘着層3の表面に積層される。これにより、剥離層2と表皮層4とが粘着層3を介して貼り合わされ、加飾シート1が得られる。
第2の剥離層5は、公知の方法で、形状保持層6に公知の接着剤を積層して得ることができる。第2の剥離層5に用いる接着剤は、形状保持層6からは容易に剥離できないが表皮層4からは容易に剥離可能であるものであればよい。
第2の剥離層5の厚み(形状保持層6と接着剤層との総厚み)は、例えば、150μm以上、好ましくは、200μm以上、より好ましくは、350μm以上であり、例えば、1000μm以下、好ましくは、800μm以下、より好ましくは、600μm以下である。
形状保持層6は、例えば、面方向に(厚み方向に対する直交方向、すなわち、左右方向および前後方向)に延びるシート形状をなし、平面視略矩形状を有している。
形状保持層6としては、例えば、樹脂シート、不織布、紙、金属箔などが挙げられ、これらを単独使用または2種類以上併用することができる。形状保持層6として、好ましくは、樹脂シートが挙げられる。
また、形状保持層6としては、収縮率および軟化開始温度が、所定範囲であるものが、選択される。
より具体的には、形状保持層6の収縮率は、0/1000以上、好ましくは、1/1000以上、より好ましくは、2/1000以上、さらに好ましくは、4/1000以上であり、9/1000以下、好ましくは、8/1000以下、より好ましくは、6/1000以下である。
また、形状保持層6の収縮率は、表皮層4の収縮率と同程度であることが好ましく、表皮層4の収縮率と、形状保持層6の収縮率との差は、例えば、10/1000以下、好ましくは、6/1000以下、より好ましくは、5/1000以下であり、通常、0/1000以上である。
形状保持層6の軟化開始温度は、好ましくは60℃以上であり、より好ましくは、80℃以上、さらに好ましくは、95℃以上であり、好ましくは120℃以下であり、より好ましくは、110℃以下、さらに好ましくは、105℃以下である。
形状保持層6の軟化開始温度は、表皮層4の軟化開始温度よりも高いことが好ましく、表皮層4の軟化開始温度と形状保持層6の軟化開始温度との差は、例えば、10℃以上、好ましくは、15℃以上であり、通常、200℃以下である。
また、形状保持層6としては、好ましくは、熱変形温度が、所定範囲であるものが、選択される。
形状保持層6の熱変形温度は、例えば、50℃以上、好ましくは、85℃以上、より好ましくは、95℃以上であり、例えば、2000℃以下、好ましくは、150℃以下、より好ましくは、110℃以下である。
また、表皮層4の熱変形温度は、形状保持層6の熱変形温度よりも低いことが好ましく、表皮層4の熱変形温度と、形状保持層6の熱変形温度との差は、例えば、10℃以上、好ましくは、15℃以上、より好ましくは、20℃以上であり、通常、200℃以下である。
なお、形状保持層6が樹脂シートである場合、収縮率、軟化開始温度および熱変形温度は、樹脂シートを構成する樹脂の種類や、その構造などにより異なる。
そのため、形状保持層6として、好ましくは、上記範囲の収縮率、軟化開始温度および熱変形温度を有する樹脂シートが、選択される。
形状保持層6(樹脂シート)を構成する樹脂として、具体的には、例えば、エチレン酢酸ビニル(EVA、収縮率7/1000〜9/1000、軟化開始温度89〜113℃、熱変形温度77〜81℃)などの結晶性樹脂、例えば、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS、収縮率0/1000〜9/1000、軟化開始温度95〜105℃、熱変形温度95〜110℃)、ポリスチレン(PS、収縮率4/1000〜7/1000、軟化開始温度95〜105℃、熱変形温度70〜90℃)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS、収縮率2/1000〜7/1000、軟化開始温度110〜120℃、熱変形温度87〜104℃)、ポリ塩化ビニル(PVC、収縮率1/1000〜5/1000、軟化開始温度65〜85℃、熱変形温度54〜74℃)などの非晶性樹脂などが挙げられる。
これら形状保持層6を構成する樹脂は、単独使用または2種類以上併用することができる。
形状保持層6を構成する樹脂として、より好ましくは、非晶性樹脂が挙げられ、さらに好ましくは、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)が挙げられる。換言すれば、形状保持層6として、好ましくは、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂からなる樹脂シートが挙げられる。
形状保持層6として、上記の樹脂シートを用いれば、優れた形状保持性を得ることができる。
形状保持層6の厚みは、例えば、100μm以上、好ましくは、150μm以上、より好ましくは、300μm以上であり、例えば、800μm以下、好ましくは、600μm以下、より好ましくは、500μm以下である。
また、図1に示すように、表皮層4は、さらに、コート層7を備えることができる。
コート層7は、例えば、加飾シート1の表面を保護するために、表皮層4の最表面に配置される。表皮層4の最表面にコート層7が設けられている場合は、図1に示すように、第2の剥離層5(形状保持層6)は、コート層7の表面に貼着されることとなる。
コート層7は、例えば、公知のコーティング剤から形成される。
コーティング剤としては、例えば、アクリル系コーティング剤、ウレタン系コーティング剤、フッ素系コーティング剤、シリコーン系コーティング剤などが挙げられる。
これらコーティング剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
コーティング剤として、好ましくは、フッ素系コーティングが挙げられる。
コート層7の積層方法としては、特に制限されず、例えば、表皮層4の表面に、公知の方法でコーティング剤を塗布および乾燥させればよい。これにより、表皮層4の表面に、コート層7が積層される。また、表皮層4とは別途、コート層7を形成し、そのコート層7を、接着剤などによって表皮層4に積層することもできる。
また、例えば、コート層7として樹脂フィルム(例えば、アクリル系樹脂フィルム、ウレタン系樹脂フィルム、フッ素系樹脂フィルム、シリコーン系樹脂フィルムなど)を用いることもできる。そのような場合、コート層7(樹脂フィルム)は、必要により接着剤を介して、表皮層4に貼着される。
コート層7の厚みは、例えば、20μm以上、好ましくは、30μm以上であり、例えば、100μm以下、好ましくは、70μm以下である。
また、加飾シート1の厚み(総厚み)は、例えば、300μm以上、好ましくは、400μm以上であり、例えば、1000μm以下、好ましくは、700μm以下である。
このような加飾シート1には、意匠性の向上を図るため、任意の柄や模様を、公知の方法で付与することができる。例えば、表皮層4と粘着層3との間や、表皮層4とコート層7との間などに、任意の柄や模様を有する意匠層(図示せず)を介在させることができ、また、表皮層4やコート層7を直接加工し、任意の柄や模様を付与することもできる。
そして、このような加飾シート1は、表皮層4の表面に第2の剥離層5が配置され、この第2の剥離層5が形状保持層6を備えており、形状保持層6の収縮率、および、表皮層4の収縮率が、ともに、0/1000〜9/1000であるため、成形時において、所望外の形状に変形することや、破損を抑制することができ、さらに取り付け時の表皮層への傷付き防止を図ることができる。
加飾シート1は、3次元形状に立体加工された成形シート10(図2D参照)の製造において、好適に用いられる。すなわち、成形シート10(図2D参照)は、上記の加飾シート1を成形することにより、得ることができる。
成形方法としては、特に制限されず、真空成形、熱プレス成形などの加熱成形などが挙げられ、好ましくは、真空成形が挙げられる。真空成形によれば、より効率よく、成形シートを得ることができる。
以下において、真空成形法による成形シートの製造方法について、詳述する。
より具体的には、この方法では、まず、図2Aに示すように、上記の加飾シート1を用意する(準備工程)。
また、準備工程では、加飾シート1を成形するための真空成形型11を、用意する。
真空成形型11は、公知の金型である。真空成形型11の形状は、特に制限されないが、加飾シート1の張り付き面(すなわち、後述するように加飾シート1が真空成形型11に対して張り付くときに、加飾シート1と真空成形型11とが接触する面(図2C参照))が、被着体(後述)における成形シート10の貼着面と、同形状であることが好ましい。
次いで、この方法では、上記加飾シート1を、上記の真空成形型11を用いて、真空成形する。
より具体的には、この方法では、図2Bに示すように、加飾シート1の第2の剥離層5側、および、第1の剥離層2側が、それぞれ加熱(予熱)される。
加熱温度(予熱温度)は、加飾シート1の材料に応じて、適宜設定される。例えば、加飾シート1の表皮層4が樹脂シートである場合、樹脂シートの軟化開始温度(および必要により熱変形温度)に応じて、表皮層4側(第1の剥離層2側)の加熱温度が設定される。また、加飾シート1の第2の剥離層5が樹脂シートである場合、樹脂シートの軟化開始温度(および必要により熱変形温度)に応じて、第2の剥離層5側の加熱温度が設定される。
より具体的には、例えば、表皮層4の軟化開始温度が、形状保持層6の軟化開始温度よりも低い場合、好ましくは、表皮側4側(第1の剥離層2側)の加熱温度(図2の紙面下側)が、第2の剥離層5側の加熱温度(図2の紙面上側)よりも低くなるように、設定される。
このような場合において、表皮層4側(第1の剥離層2側)の加熱温度は、例えば、110℃以上、好ましくは、120℃以上、より好ましくは、123℃以上であり、例えば、140℃未満、好ましくは、130℃未満、より好ましくは、127℃以下である。
また、第2の剥離層5側の加熱温度は、例えば、120℃以上、好ましくは、130℃以上、より好ましくは、133℃以上であり、例えば、150℃以下、好ましくは、140℃以下、より好ましくは、137℃以下である。
加熱温度が上記範囲であれば、より効率よく成形シート10を得ることができる。
また、加熱時間は、例えば、60秒以上、好ましくは、70秒以上であり、例えば、150秒以下、好ましくは、100秒以下である。
このような加熱により、加飾シート1が軟化され、成形可能とされる。
次いで、この方法では、図2Cに示すように、加飾シート1を、真空成形型11に真空圧着させ、真空成形する。
より具体的には、この工程では、加飾シート1が真空成形型11の上に載置され、その後、減圧手段(図示せず)によって減圧され、加飾シート1と真空成形型11との間の空気が抜かれる。
また、真空成形において、好ましくは、真空成形型11が、例えば、70〜90℃(好ましくは、80℃)に加熱される。
その結果、加飾シート1が、大気圧によって真空成形型11に張り付き、その接触面において、加飾シート1が、真空成形型11の形状に沿って変形される。これにより、成形シート10が得られる。このとき、被着体(後述)と同寸法および同形状の真空成形型11を用いていれば、上記の真空成形により、被着体(後述)と同寸法および同形状の成形シート10が得られる。
その後、この方法では、得られた成形シート10が放冷され、図2Dに示すように、真空成形型11から取り外される。また、必要に応じて、成形シート10から、不要部分が切除される(破線参照)。
このようにして得られる成形シート10は、上記の加飾シート1を用いて得られるため、加工性に優れ、さらには、取り付け時の作業性にも優れる。
また、上記の成形シート10の製造方法によれば、成形シート10を、効率よく製造することができる。
そして、上記の成形シート10は、被着体に貼着される。
被着体としては、特に制限されず、例えば、自動車のバンパー、ルーフパネル、インストルメントパネル、ドアトリム、ピラーなどの自動車内外装材、その他、建造物の内外装材などが挙げられる。好ましくは、自動車の外装材が挙げられる。
成形シート10の貼着方法としては、例えば、まず、第1の剥離層2を剥離し、次いで、粘着層3を介して、第2の剥離層5(形状保持層6)が付属した状態で表皮層4を被着体に圧着(貼着)する。その後、第2の剥離層5を剥離する。
これにより、被着体に成形シート10が貼着され、被着体に対して、意匠性が簡易に付与される。表皮層4を被着体に圧着する際には、第2の剥離層5(形状保持層6)が付属した状態であるので、表皮層4への傷付き防止を図ることができ、取り付け時の作業性にも優れている。
そのため、上記の加飾シート1および成形シート10は、意匠性を要する各種産業分野、具体的には、自動車などの車両、さらには、建造物、家具などの各種外装分野および内装分野において、好適に用いられる。
なお、上記した説明では、真空成形により加飾シート1を3次元形状に立体成形し、成形シートとしているが、例えば、加飾シート1を成形することなく、成形シート10として用いることもでき、さらには、加飾シート1を立体成形することなく、裁断などの平面加工のみで、成形シート10として用いることもできる。
1 …加飾シート
2 …第1の剥離層
3 …粘着層
4 …表皮層
5 …第2の剥離層
6 …形状保持層

Claims (3)

  1. 第1の剥離層と、前記第1の剥離層の表面に配置される粘着層と、前記粘着層の表面に配置される表皮層と、前記表皮層の表面に配置される第2の剥離層とを備え、
    前記第2の剥離層は、形状保持層を備えており、
    前記形状保持層の収縮率、および、前記表皮層の収縮率が、ともに、0/1000〜9/1000であることを特徴とする、加飾シート。
  2. 前記形状保持層の軟化開始温度、および、前記表皮層の軟化開始温度が、ともに、60℃以上120℃以下であることを特徴とする、請求項1に記載の加飾シート。
  3. 前記形状保持層が、エチレン酢酸ビニル、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体およびポリ塩化ビニルから選ばれる少なくとも1つからなる樹脂シートであることを特徴とする、請求項1または2に記載の加飾シート。
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