JP6559937B2 - 油静圧案内機構および工作機械 - Google Patents
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Description
例えば、ワークを載置するテーブルの支持構造あるいは工具を装着するヘッドの支持構造には、三次元移動を可能とするために、X軸、Y軸、Z軸の各軸に沿った直線移動機構が採用される。また、テーブルあるいはヘッドの向きを変えるために、回転移動機構が採用される。
このような案内機構では、案内精度が高いこと、つまり直線運動はなるべく直線に、回転運動はなるべく真円に、という幾何学的精度が求められる。さらに、案内機構においては、高負荷容量で、低摩擦であり、減衰性能(吸振性能)が高いことが求められる。
特許文献1をはじめとして一般的な油静圧案内機構では、一対の摺動面のうち一方に静圧室(静圧荷重支持を行うための油が供給される凹部)を形成し、この静圧室に潤滑油を供給し、その静圧により他方の摺動面との間で荷重伝達を行う。つまり、一対の摺動面には潤滑油が介在するだけであり、一対の摺動面どうしは非接触状態となるので、摺動抵抗を大幅に低減できる。
このような問題は、油静圧機構を利用して重量物を水平方向に位置調整可能に支持する重量物支持装置においても同様である。
ここで、重量物支持装置では、油静圧機構の外周にシール部を有する装置が提案されている(特許文献2参照)
従って、前述した重量物支持装置9のような外周のシール部および油の供給回収を行う構造に準じて油静圧案内機構8を改良すれば、先に油静圧案内機構8について説明したように、大量の油Oを必要とすることなく、被支持体99を支持することができると期待されている。
このような問題は、重量物支持装置9に準じた構造の油静圧案内機構においても同様である。
本発明に係る油静圧案内機構の別の態様は、表面が平滑な案内面とされた案内部材と、前記案内面に対向される摺動面および前記摺動面に形成される環状の配置溝を有する移動部材と、環状に形成されて前記配置溝に配置されかつ前記案内面に密接可能な密閉部材と、前記摺動面における前記密閉部材に取り囲まれている領域に油を供給する給油構造と、前記摺動面における前記密閉部材に取り囲まれている領域から油を回収する油回収構造と、を備え、前記油回収構造は、前記摺動面における前記密閉部材に取り囲まれている領域内に形成されるとともに、前記摺動面外に開放する回収穴を有し、前記配置溝は、前記配置溝の底面から離れた側から径方向内方に向けて延出する突出部を有し、前記給油構造は、前記密閉部材に取り囲まれている領域内に繋がる給油路と、前記給油路と前記回収穴との間に設けられる環状の給油溝と、前記給油路と前記給油溝とに繋がる連通溝とを有することを特徴とする。
さらに、本発明においては、密閉部材をシール部材本体とリング部材とで形成し、リング部材に径方向内方に向けて延出する延出部を設けたので、密閉部材が、シール部材本体が破損したり、配置溝から抜けたりすることを防止できる。
あるいは、配置溝に径方向内方に向けて延出する突出部を設けることにより、密閉部材が配置溝から外れることを防止できる。
さらに、本発明においては、給油路から供給された油は、連通溝を通って給油溝にも供給されるため、密閉部材から給油溝までの領域にある油の圧力を、供給圧力に準じた一定の圧力に保つことができる。
このような本発明では、案内機構に設置される複数の油静圧案内機構のそれぞれにおいて、前述した本発明の油静圧案内機構で述べた通りの効果を得ることができ、工作機械全体としての有効性を高めることができる。
このような本発明では、複数の油静圧案内機構で給油構造および油回収構造を共用することで、設備の簡略化が可能であり、コスト低減にも有効である。
このような本発明では、給油構造および油回収構造の共用化により設備を簡略化しつつ、個別の油圧制御弁により個々の油静圧案内機構の油圧調整を細かく行うことができる。
このような本発明では、給油構造および油回収構造の共用化により設備を簡略化しつつ、系統別の油圧制御弁により、各系統の油静圧案内機構の油圧調整を行うことができる。このような系統別の調整は、個々の油静圧案内機構に対する調整ほど細かくはできないが、一方で個別に油圧制御弁を設置する場合に比べて弁数を低減でき、設備の簡略化には有効である。
〔第一実施形態〕
図1から図8までの各図には、本発明の前提となる第一実施形態が示されている。
本実施形態は、図1および図2に示す門型構造の工作機械110において、X軸,Y軸,Z軸の各軸移動機構の案内機構として、本発明の前提となる油静圧案内機構が用いられている。
工作機械110においては、テーブル112をX軸方向に移動させるとともに、ヘッド115をY軸方向に、ラム116をZ軸方向に、それぞれ移動させることで、ワーク119に対してツール118を三次元で相対移動させることができ、これによりワーク119に任意の形状を加工することができる。
これらのX軸移動機構121、Y軸移動機構122、Z軸移動機構123は、それぞれ移動部分(基台111に対するテーブル112など)を移動可能に支持するとともに、これらを所定の移動方向へ案内する案内機構と、移動部分を外部コマンドに基づいて駆動するモータ等を含む駆動機構を備えている。
ヘッド115に形成された第1の溝部151は、クロスバー114の第1のレール141に係合され、X軸方向の位置規制とともに、荷重支持する第2のレール142を中心としてヘッド115が自重により傾くことを規制している。
以下、本実施形態の油静圧案内機構1について詳述する。
移動部材2は、図4および図5に示すように、摺動面20に形成される環状の配置溝21と、配置溝21に配置される環状の密閉部材であって、摺動面20に対向配置される案内部材29の案内面28に密接可能なシール部材3と、摺動面20におけるシール部材3に取り囲まれている領域に油Oを供給する給油構造4と、摺動面20におけるシール部材3に取り囲まれている領域から油Oを回収する油回収構造5と、摺動面20におけるシール部材3に取り囲まれている領域に供給される油Oの圧力を調整すべくシール部材3に取り囲まれている領域に供給する油Oの圧力又は流量を調整する油圧制御弁6(図3参照)と、を備えている。
密閉部材であるシール部材3は、一部が摺動面20から突出するようにして配置溝21に配置されている。より具体的に説明すると、シール部材3は、図6(A)に示すように、円環状のシール部材本体30と、シール部材本体30と配置溝21との間に配置されるリング部材31とを有する。シール部材本体30は、弾性を有する。
このような移動部材2を案内部材29と組み合わせることで、油静圧案内機構1が形成される。
このような油Oによる押し上げを行うために、配置溝21の面積は、配置溝21に供給された油Oの押し上げ力が案内面28と摺動面20との間の荷重を上回るように、設定される。
このとき、案内部材29および移動部材2に外力(例えば、図1の工作機械110で切削等を行う際に案内面28および摺動面20の交差方向に作用する外力)が作用する場合、移動部材2は、案内部材29と移動部材2との間の通常の荷重に加えて、前述した外力も支えることになる。
その一方で、案内部材29と移動部材2との間に作用する外力が小さくなると、案内部材29の案内面28と移動部材2の摺動面20との間隔が大きくなり、静圧ポケットP内の油Oの圧力が小さくなる。
なお、静圧ポケットP内への油Oの供給を停止すると、案内部材29と移動部材2とは案内面28と摺動面20とが密接した状態で静止する。すなわち、シール部材3で囲まれた静圧ポケットPの領域においては、油Oの供給停止により、摺動面20と案内面28との間に介在していた油Oの圧力が低下し、案内部材29と移動部材2との間の荷重により両者が近接し、やがて密接するに至る。
つまり、本実施形態の静圧ポケットPでは、配置溝21から回収穴50にわたる静圧ポケットPの領域における圧力降下によって、自然に圧力管理ができる。
従って、油静圧案内機構1では、安定した性能を長期間して維持することができる。
図9から図13には、本発明に含まれないが本発明の前提となる第二実施形態が示されている。
なお、本実施形態において、第一実施形態に係る油静圧案内機構1と同一の構成又は相当する構成については、同一の符号を付して説明を行うこととする。また、同一の構成又は相当する構成については、第一実施形態における説明を援用することがある。
移動部材2は、図10および図11に示すように、摺動面20に形成される環状の配置溝21と、配置溝21に配置される環状の密閉部材であって、摺動面20に対向配置される案内部材29の案内面28に密接可能なシール部材3と、摺動面20におけるシール部材3に取り囲まれている領域に油Oを供給する給油構造4と、摺動面20におけるシール部材3に取り囲まれている領域から油Oを回収する油回収構造5と、摺動面20におけるシール部材3に取り囲まれている領域に供給される油Oの圧力を調整すべくシール部材3に取り囲まれている領域に供給する油Oの圧力又は流量を調整する油圧制御弁6と、を備えている。
そのため、移動部材2は、図9および図12に示すように、案内部材29と向かい合わせに配置されたときに、圧力保持面200と案内部材29の案内面28との間隔が、逃面201と案内部材29との間隔よりも小さくなるように構成されている。
このような移動部材2を案内部材29と組み合わせることで、油静圧案内機構1が形成される。
このとき、案内部材29および移動部材2に外力(例えば、図1の工作機械110で切削等を行う際に案内面28および摺動面20の交差方向に作用する外力)が作用する場合、移動部材2は、案内部材29と移動部材2との間の通常の荷重に加えて、前述した外力も支えることになる。
その一方で、案内部材29と移動部材2との間に作用する外力が小さくなると、案内部材29の案内面28と移動部材2の摺動面20との間隔が大きくなり、静圧ポケットP内の油Oの圧力が小さくなる。
なお、静圧ポケットP内への油Oの供給を停止すると、案内部材29と移動部材2とは案内面28と摺動面20とが密接した状態で静止する。
従って、油Oの供給量を抑えつつ、案内部材29と移動部材2との間に応じて静圧ポケットP内の油Oの圧力を調整することができるという優れた効果を奏し得る。
図14から図17には、本発明である第三実施形態が示されている。
なお、本実施形態において、第一実施形態に係る油静圧案内機構1と同一の構成又は相当する構成については、同一の符号を付して説明を行うこととする。また、同一の構成又は相当する構成については、第一実施形態における説明を援用することがある。
移動部材2は、図14および図15に示すように、摺動面20に形成される環状の配置溝21と、配置溝21に配置される環状の密閉部材であって、摺動面20に対向配置される案内部材29の案内面28に密接可能なシール部材3と、摺動面20におけるシール部材3に取り囲まれている領域に油Oを供給する給油構造4と、摺動面20におけるシール部材3に取り囲まれている領域から油Oを回収する油回収構造5と、摺動面20におけるシール部材3に取り囲まれている領域に供給される油Oの圧力を調整すべくシール部材3に取り囲まれている領域に供給する油Oの圧力又は流量を調整する油圧制御弁6と、を備えている。
さらに、給油構造4は、摺動面20の、シール部材3の内側の静圧ポケットPとなるべき領域に、給油路40と回収穴50との間に設けられる環状の給油溝43と、給油路40と給油溝43とに繋がる連通溝44とを有する。
このような移動部材2を案内部材29と組み合わせることで、油静圧案内機構1が形成される。
このとき、案内部材29および移動部材2に外力(例えば、図1の工作機械110で切削等を行う際に案内面28および摺動面20の交差方向に作用する外力)が作用する場合、移動部材2は、案内部材29と移動部材2との間の通常の荷重に加えて、前述した外力も支えることになる。
その一方で、案内部材29と移動部材2との間に作用する外力が小さくなると、案内部材29の案内面28と移動部材2の摺動面20との間隔が大きくなり、静圧ポケットP内の油Oの圧力が小さくなる。
なお、静圧ポケットP内への油Oの供給を停止すると、案内部材29と移動部材2とは案内面28と摺動面20とが密接した状態で静止する。
なお、本発明は、上記の各実施形態の内容に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更し得ることは勿論のことである。
例えば、シール部材3は、一部が摺動面20から突出可能に配置溝21に配置されていてもよい。
より具体的に説明すると、シール部材3は、配置溝21に供給される油Oによって圧迫され、案内部材29側に押し上げられることで、一部が摺動面20から突出するように構成するようにしてもよい。
例えば、図18(A)に示すように、シール部材301は、円環状のシール部材本体30と、このシール部材本体30の外周縁上に一体的に形成されている硬化部32とを有するようにしてもよい。
また、シール部材3は、シール部材本体30と硬化部32とを異なる材料により別体で形成した後に、シール部材本体30と硬化部32とを、接着材料(例えば、ゴム系接着剤等各種の高分子接着材料)等で一体化させることで形成してもよい。この場合、硬化部32は、テフロン(登録商標)などのフッ素系素材、各種プラスチック材等の高分子材料、金属では砲金等の材料等を用いることができる。
なお、図18(A)および図18(B)で説明したシール部材301(シール部材本体30に硬化部32を有する)は、本発明の密閉部材に該当せず、このシール部材301を用いた油静圧案内機構は、本発明には含まれない。
このようにする場合、図19(A)に示すように、移動部材2における配置溝21(配置溝21の外周側)を画定する部分に対して、配置溝21の径方向内方に向けて延出する突出部210を設けることが好ましい。
このようにすれば、図19(B)に示すように、移動部材2と案内部材29とが対向配置されたときに、突出部210によって、シール部材3が配置溝21から外れることを防止することができる。
例えば、シール部材本体30にリング部材31を貼り付ける等して、シール部材本体30とリング部材31とを一体的に形成してもよい。
例えば、図20に示すように、移動部材2は、平面視形状が長方形状となるように形成されていてもよい。
この場合、摺動面20上に形成される環状の溝は、平面視において、円形状、楕円状、矩形状、さらには、丸角長方形状となるようにしてもよい。このようにする場合、油回収構造5は、移動部材2の長手方向に沿って延びる溝を含むようにし、回収穴50を当該溝上で開放さるようにしてもよい。
さらに、このようにする場合、回収穴50を複数の移動部材2の長手方向に沿って複数形成するようにしてもよい。
これに対し、移動部材2および案内部材29の配置は、上下が逆あるいは横向きに対向する配置など、他の向きで設置されてもよい。
このような配置の油静圧案内機構1は、図2における第5の案内機構130Eとして利用できる。
このような配置の油静圧案内機構1は、図2における第1〜第4の案内機構130A,130B,130C,130Dとして利用できる。
図2における第1〜第4の案内機構130A,130B,130C,130Dのように、案内面28と摺動面20とが垂直となる場合、前述した伝達荷重を得るために、一対の案内機構を対向配置して用いる。このために、図2においては、第1および第2の案内機構130A,130Bの一対が対向配置され,第3および第4の案内機構130C,130Dの一対が対向配置されている。
また、片持ち支持構造など、モーメントが作用する部位に配置される場合、案内面28と摺動面20とが垂直となる場合であっても、必ずしも案内機構を一対とする必要はない。
油静圧案内機構1は、基台111の上面を案内面28とする案内部材29と、テーブル112下面を摺動面20とする移動部材2とで構成される。油静圧案内機構1は、テーブル112側に給油構造4および油回収構造5を有し、摺動面20に設置されるシール部の内側に静圧ポケットPを形成することができる。
なお、油静圧案内機構1には、テーブル112の重量が下向きの荷重として作用するため、油静圧案内機構1は一対とはされていない。
それぞれの油静圧案内機構1に接続される給油構造4および油回収構造5は、テーブル112の各側両端の2系統ずつがまとめられ、さらに両側がまとめられて共通の油タンク41および給油装置42に接続されている。
給油構造4においては、油静圧案内機構1ごとに油圧制御弁6が設置されている。
図24において、テーブル112の下面に設置された油静圧案内機構1、給油構造4および油回収構造5の基本構成は図23と同様であるが、油圧制御弁6はテーブル112の四隅に対応した各系統別に設置されている。
なお、図23または図24の給油構造4において、給油装置42は複数を並列にしてもよく、給油能力の増大に対応することができる。また、複数の給油装置42を油静圧案内機構1の系統別にそれぞれ設置してもよく、系統別の給油能力の調整に利用することもできる。
このような互いに相対移動する2部材としては、工作機械110の案内機構を構成するレールとスライダのセットなど、移動方向に沿って延びる案内部材29と、これに沿って相対移動可能な移動部材2との組み合わせであればよい。なお、案内部材29と移動部材2との移動は相対的であり、例えば移動部材2が工作機械110に固定的に設置され、この移動部材2に対して案内部材29が移動するものでもよい。
本発明において、油静圧案内機構1の主要な構造(油静圧構造を形成する静圧ポケットPなど)は、基本的に移動部材2側に設置すればよい。
さらに、移動部材2および案内部材29としては、軸受部材とこの軸受部材に軸支されて回転する回転軸と、であってもよい。
さらには、直線移動に限らず、例えばロータリーテーブルの回転支持機構など、回転する部分の案内機構に適用してもよい。
スラスト軸受では、回転軸と軸受部材との間に、軸方向のスラスト荷重を受ける摺動面が形成される。そこで、この摺動面の回転軸側を案内部材29とし、その摺動面を平滑な案内面28として形成し、軸受部材側の摺動面20に油静圧案内機構1の主要な構造を形成することができる。
また、基台111Rには、その中心軸を中心とする円の円周上に油静圧案内機構1が複数配列されており、回転テーブル112Rの案内面28に対向するように設けられている。
さらに、油静圧案内機構1の回転テーブル112Rの案内面28で覆われた部分が移動部材を構成し、案内面28と対向する面が摺動面20を形成する。
給油構造4においては、油静圧案内機構1ごとに油圧制御弁6が設置されている。
図27において、回転テーブル112Rと基台111Rとの間に設置された油静圧案内機構1、給油構造4および油回収構造5の基本構成は図23と同様であるが、油圧制御弁6は給油構造4の各系統別に設置されている。
なお、本発明はラジアル軸受に適用することもできる。この場合、軸部材の外周面と軸受部材の内周面との間に、油静圧案内機構1を曲面状に形成することになる。
摺動面20は、配置溝21の外側の領域が、配置溝21の内側の領域よりも低くなっていてもよい。これによりさらに摺動抵抗を低減することができる。
Claims (7)
- 表面が平滑な案内面とされた案内部材と、前記案内面と対向する摺動面および前記摺動面に形成される環状の配置溝を有する移動部材と、環状に形成されて前記配置溝に配置されかつ前記案内面に密接可能な密閉部材と、前記摺動面における前記密閉部材に取り囲まれている領域に油を供給する給油構造と、前記摺動面における前記密閉部材に取り囲まれている領域から油を回収する油回収構造と、を備え、
前記油回収構造は、前記摺動面における前記密閉部材に取り囲まれている領域内に形成されるとともに、前記摺動面外に開放する回収穴を有し、
前記密閉部材は、弾性を有する円環状のシール部材本体と、前記シール部材本体と前記配置溝との間に配置されるリング部材とを有し、前記リング部材は、円環状に形成され、内周側に対して前記シール部材本体の外径に対応する凹部と、前記配置溝の底面から離れた側から径方向内方に向けて延出する延出部とを有し、
前記給油構造は、前記密閉部材に取り囲まれている領域内に繋がる給油路と、前記給油路と前記回収穴との間に設けられる環状の給油溝と、前記給油路と前記給油溝とに繋がる連通溝とを有することを特徴とする油静圧案内機構。 - 表面が平滑な案内面とされた案内部材と、前記案内面と対向する摺動面および前記摺動面に形成される環状の配置溝を有する移動部材と、環状に形成されて前記配置溝に配置されかつ前記案内面に密接可能な密閉部材と、前記摺動面における前記密閉部材に取り囲まれている領域に油を供給する給油構造と、前記摺動面における前記密閉部材に取り囲まれている領域から油を回収する油回収構造と、を備え、
前記油回収構造は、前記摺動面における前記密閉部材に取り囲まれている領域内に形成されるとともに、前記摺動面外に開放する回収穴を有し、
前記配置溝は、前記配置溝の底面から離れた側から径方向内方に向けて延出する突出部を有し、
前記給油構造は、前記密閉部材に取り囲まれている領域内に繋がる給油路と、前記給油路と前記回収穴との間に設けられる環状の給油溝と、前記給油路と前記給油溝とに繋がる連通溝とを有することを特徴とする油静圧案内機構。 - 請求項1または請求項2に記載した油静圧案内機構において、
前記摺動面における前記密閉部材に取り囲まれている領域に供給される油の前記案内面に作用する圧力を調整すべく前記密閉部材に取り囲まれている領域に供給する油の圧力又は流量を調整する油圧制御弁を有することを特徴とする油静圧案内機構。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載した油静圧案内機構が複数設置された案内機構を有することを特徴とする工作機械。
- 請求項4に記載した工作機械において、
前記給油構造および前記油回収構造は、複数の油静圧案内機構で共用されていることを特徴とする工作機械。 - 請求項5に記載した工作機械において、
前記給油構造は、複数の油静圧案内機構に対して個別の油圧制御弁が設置されていることを特徴とする工作機械。 - 請求項6に記載した工作機械において、
前記給油構造は、複数の油静圧案内機構を含む系統ごとに油圧制御弁が設置されていることを特徴とする工作機械。
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