JP6559401B2 - 圧縮機インペラ、遠心圧縮機、及び過給機 - Google Patents

圧縮機インペラ、遠心圧縮機、及び過給機 Download PDF

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Description

本発明は、遠心力を利用して空気等の流体を圧縮する遠心圧縮機、及びこの遠心圧縮機に用いられる圧縮機インペラ等に関する。
近年、過給機、産業機械、ガスタービン等に用いられる遠心圧縮機について種々の研究開発がなされており、一般的な遠心圧縮機の構成について簡単に説明すると、次のようになる(特許文献1及び特許文献2等参照)。
一般的な遠心圧縮機は、圧縮機ハウジングを具備しており、この圧縮機ハウジングは、内側に、シュラウドを有している。そして、圧縮機ハウジング内には、圧縮機インペラがその軸心(圧縮機インペラの軸心)周りに回転可能に設けられている。また、圧縮機インペラは、圧縮機ディスクを備えており、この圧縮機ディスクのハブ面は、軸方向一方側(圧縮機インペラの軸方向の一方側)から半径方向外側(圧縮機インペラの半径方向の外側)に向かって延びている。更に、圧縮機ディスクのハブ面には、複数の圧縮機ブレードが周方向(ハブ面の周方向)に間隔を置いて一体的に設けられている。ここで、各圧縮機ブレードの先端縁(チップ)は、圧縮機ハウジングのシュラウドに沿うように延びており、各圧縮機ブレードの後縁は、子午面において圧縮機インペラの軸方向に平行になっており、換言すれば、各圧縮機ブレードの後縁は、ハブ端からチップ端にかけて同じ半径方向位置に位置している。
特開2011−80411号公報 特開2009−150245号公報
ところで、近年、遠心圧縮機の高圧力比化の要請が強くなっており、その要請に応えるには、圧縮機インペラの外径を拡大する必要がある。一方、圧縮機インペラの外径を拡大すると、遠心圧縮機の運転中に、圧縮機ディスクの中心側(圧縮機ディスクの中心側でかつ最大径部に対応する側)に過大な遠心応力が発生して、圧縮機インペラの耐久性、換言すれば、遠心圧縮機の耐久性の低下を招くことになる。つまり、遠心圧縮機の耐久性を維持しつつ、遠心圧縮機の高圧力比化を促進することは容易でないという問題がある。
そこで、本発明は、前述の問題を解決することができる、新規な構成からなる圧縮機インペラ及び遠心圧縮機等を提供することを目的とする。
本発明の発明者は、前述の問題を解決するために、試行錯誤を繰り返した結果、各圧縮機ブレードの後縁のハブ端からチップ端にかけて、圧縮機ディスクの最大径部に対して半径方向外側へ向かって凸形状になるように湾曲して突出した所定の突出部形成することにより、従来の圧縮機インペラの外径を突出部の突出長さ分だけ全体的に拡大した場合に比べて、圧力比を同等以上に向上させつつ、圧縮機ディスクの中心側における遠心応力の大きい領域を縮小できるという、新規な知見を得ることができ(後述の実施例参照)、本発明を完成するに至った。ここで、所定の突出部とは、突出長さが圧縮機ディスクの最大径部の半径方向長さの10%以下に設定された突出部のことである。
本発明の第1の態様は、遠心力を利用して流体を圧縮する遠心圧縮機に用いられる圧縮機インペラにおいて、ハブ面が軸方向一方側から半径方向外側に向かって延びた圧縮機ディスクと、前記圧縮機ディスクのハブ面にその周方向(ハブ面の周方向)に間隔を置いて設けられた複数の圧縮機ブレードと、を具備し、各圧縮機ブレードの後縁は、前記圧縮機ブレードが前記圧縮機ディスクのハブ面に接している範囲での端部であるハブ端と、前記圧縮機ブレードの先端縁の範囲での端部であるチップ端とを有し、各圧縮機ブレードの後縁のハブ端及びチップ端は、前記圧縮機ディスクの最大径部と同じ半径方向位置に位置し、各圧縮機ブレードの後縁のハブ端からチップ端にかけて、前記圧縮機ディスクの最大径部(外縁部)に対して半径方向外側へ向かって凸形状になるように湾曲して突出した突出部形成され、各圧縮機ブレードの前記突出部の突出長さは、前記圧縮機ディスクの最大径部の半径方向長さの10%以下に設定されていることである。
ここで、本願の明細書及び特許請求の範囲において、「流体」とは、空気等のガスを含む意であって、「遠心圧縮機」とは、車両用過給機等の過給機に用いられる遠心圧縮機だけでなく、産業用遠心圧縮機、ガスタービン用遠心圧縮機等を含む意である。また、「軸方向一方側」とは、軸方向の一方側のことをいい、「軸方向」とは、特に断らない限り、圧縮機インペラの軸方向のことをいい、「半径方向外側」とは、半径方向の外側のことをいい、「半径方向」とは、特に断らない限り、圧縮機インペラの半径方向のことをいう。更に、「一体的に設けられ」とは、一体形成されたことを含む意であって、「後縁」とは、流体の主流方向の下流側の端縁のことをいい、「前縁」とは、流体の主流方向の上流側の端縁のことをいう。「半径方向長さ」とは、圧縮機インペラの軸心を基準とした半径方向の長さのことをいう。なお、「ハブ端」とは、圧縮機ディスクのハブ面側の端のことをいい、「チップ端」とは、ハブ端の反対側の端のことをいう。
本発明の第1の態様によると、各圧縮機ブレードの後縁に前記圧縮機ディスクの最大径部に対して半径方向外側へ向かって凸形状になるように湾曲して突出した突出部がハブ端からチップ端にかけて形成され、各圧縮機ブレードの前記突出部の突出長さが前記圧縮機ディスクの最大径部の半径方向長さの10%以下に設定されているため、前記遠心圧縮機に前述の新規な知見を適用することができる。従って、本発明によれば、従来の圧縮機インペラ(前記突出部を省略した圧縮機インペラ)の外径を前記突出部の突出長さ分だけ全体的に拡大した場合に比べて、圧力比を同等以上に向上させつつ、前記圧縮機ディスクの中心側における遠心応力の大きい領域を縮小することができる。
本発明の第2の態様は、遠心力を利用して流体を圧縮する遠心圧縮機において、内側にシュラウドを有した圧縮機ハウジングと、前記圧縮機ハウジング内に回転可能に設けられ、第1の特徴からなる圧縮機インペラと、を具備したことである。
第2の態様によると、第1の態様による作用と同様の作用を奏する他に、前記インペラをその軸心(前記インペラの軸心)周りに回転させることにより、前記圧縮機ハウジング内に取入れた流体を圧縮することができる。一方、圧縮した流体(圧縮流体)は、前記圧縮機ハウジングの外側へ排出される。
本発明の第3の態様は、エンジンからの排気ガスの圧力エネルギーを利用して、前記エンジン側に供給される空気を過給する過給機において、第2の態様からなる遠心圧縮機を具備したことである。
本発明の第3の態様によると、第2の態様による作用と同様の作用を奏する。
本発明によれば、従来の圧縮機インペラの外径を前記突出部の突出長さ分だけ全体的に拡大した場合に比べて、同等以上に圧力比を向上させつつ、前記圧縮機ディスクの中心側における遠心応力の大きい領域を縮小できるため、前記圧縮機インペラの耐久性、換言すれば、前記遠心圧縮機の耐久性を維持しつつ、前記遠心圧縮機の高圧力比化を促進することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る圧縮機インペラの側断面図(子午面図)である。 図2は、本発明の実施形態に係る遠心圧縮機の側断面図である。 図3A(a)(b)は、本発明の実施形態に圧縮機ブレード(フルブレード及びスプリッタブレード)の突出部の他の態様を示す子午面図である。 図3B(a)(b)は、本発明の実施形態に圧縮機ブレードの突出部の他の態様を示す子午面図である。 図4は、本発明の実施形態に係る車両用過給機の側断面図である。 図5(a)は、従来例に係る圧縮機インペラの側断面図、図5(b)は、比較例に係る圧縮機インペラの側断面図である。 図6は、発明例の場合、従来例の場合、及び比較例の場合における流量と圧力比との関係を示す図である。 図7A(a)は、発明例に係る圧縮機インペラの圧縮機ディスクの中心側における遠心応力の大きい領域を示す断面斜視図、図7A(b)は、比較例に係る圧縮機インペラの圧縮機ディスクの中心側における遠心応力の大きい領域を示す断面斜視図である。 図7Bは、従来例に係る圧縮機インペラの圧縮機ディスクの中心側における遠心応力の大きい領域を示す断面斜視図である。
本発明の実施形態及び実施例について図1から図7Bを参照して説明する。なお、図面に示すとおり、「F」は、前方向、「R」は、後方向、「AD」は、軸方向、「BD」は、半径方向、「BDi」は、半径方向内側、「BDo」は、半径方向外側、「CD」は、圧縮機インペラの回転方向である。
(本発明の実施形態)
図4に示すように、本発明の実施形態に係る車両用過給機(過給機の一例)1は、エンジン(図示省略)からの排気ガス(ガスの一例)の圧力エネルギーを利用して、エンジンに供給される空気を過給(圧縮)するものである。そして、車両用過給機1の具体的な構成等は、以下のようになる。
車両用過給機1は、軸受ハウジング3を具備しており、軸受ハウジング3内には、一対のラジアル軸受5及び一対のスラスト軸受7が設けられている。また、複数の軸受5,7には、前後方向へ延びたロータ軸(回転軸)9が回転可能に設けられており、換言すれば、軸受ハウジング3には、ロータ軸9が複数の軸受5,7を介して回転可能に設けられている。
軸受ハウジング3の後側には、排気ガスの圧力エネルギーを利用して回転力(回転トルク)を発生させるラジアルタービン11が配設されており、このラジアルタービン11の構成は、次のようになる。
軸受ハウジング3の後側には、タービンハウジング13が設けられており、このタービンハウジング13は、内側に、シュラウド13sを有している。また、タービンハウジング13内には、タービンインペラ15がその軸心(タービンインペラ15の軸心、換言すれば、ロータ軸9の軸心)C周りに回転可能に設けられており、このタービンインペラ15は、ロータ軸9の後端部に同心上に一体的に連結されている。そして、タービンインペラ15は、タービンディスク17を備えており、このタービンディスク17のハブ面17hは、後側から半径方向外側(タービンインペラ15の半径方向の外側)へ延びている。更に、タービンディスク17のハブ面17hには、複数のタービンブレード19が周方向(ハブ面17hの周方向)に等間隔に一体形成されており、各タービンブレード19の先端縁(チップ)19tは、タービンハウジング13のシュラウド13sに沿うように延びている。
タービンハウジング13の適宜位置には、排気ガスをタービンハウジング13内に取入れるための排気取入口21が形成されており、この排気取入口21は、エンジンの排気マニホールド(図示省略)に接続可能である。また、タービンハウジング13の内部におけるタービンインペラ15の入口側(排気ガスの主流方向の上流側)には、渦巻き状のタービンスクロール流路23が形成されており、このタービンスクロール流路23は、排気取入口21に連通してある。更に、タービンハウジング13におけるタービンインペラ15の出口側(排気ガスの主流方向の下流側)には、排気ガスを排出するための排気排出口25が形成されており、この排気排出口25は、接続管(図示省略)を介して排気ガス浄化装置(図示省略)に接続可能である。
なお、軸受ハウジング3の後側面には、タービンインペラ15側からの熱を遮蔽する環状の遮熱板27が設けられており、この遮熱板27の外縁部27oは、軸受ハウジング3とタービンハウジング13によって挟持されている。
軸受ハウジング3の前側には、遠心力を利用して空気を圧縮する遠心圧縮機29が配設されており、この遠心圧縮機29の構成は、次のようになる。
図2及び図4に示すように、軸受ハウジング3の前側には、圧縮機ハウジング31が設けられている。また、圧縮機ハウジング31は、内側にシュラウド33sを有したハウジング本体33と、このハウジング本体33の後側に設けられかつ軸受ハウジング3の前側部に一体的に連結された環状のシールプレート35とを備えている。
圧縮機ハウジング31内には、圧縮機インペラ37がその軸心(圧縮機インペラ37の軸心、換言すれば、ロータ軸9の軸心)C周りに回転可能に設けられており、この圧縮機インペラ37は、ロータ軸9の前端部に同心上に一体的に連結されている。また、圧縮機インペラ37は、ロータ軸9の前端部に一体的に連結した圧縮機ディスク39を備えており、この圧縮機ディスク39のハブ面39hは、前側(圧縮機インペラ37の軸方向の一方側)から半径方向外側(圧縮機インペラ37の半径方向の外側)へ延びている。更に、圧縮機ディスク39の中心部には、ロータ軸9を挿通させるためのボア41が軸方向(圧縮機インペラ37の軸方向)に沿って貫通形成されている。
図1に示すように、圧縮機ディスク39のハブ面39hには、複数のフルブレード(圧縮機ブレード)43が周方向(ハブ面39hの周方向)に等間隔に一体形成されている。また、圧縮機ディスク39のハブ面39hにおける各隣接する2つのフルブレード43間には、フルブレード43よりも短いコード長のスプリッタブレード(別の圧縮機ブレード)45が一体形成されている。換言すれば、圧縮機ディスク39のハブ面39hには、コード長の異なる2種類の圧縮機ブレード43,45(フルブレード43とスプリッタブレード45)が周方向に間隔を置いて交互に一体形成されている。ここで、各フルブレード43の先端縁(チップ)43t及び各スプリッタブレード45の先端縁45tは、ハウジング本体33のシュラウド33sに沿うように延びている。各スプリッタブレード45の前縁45aは、フルブレード43の前縁43aよりも空気の主流方向の下流側に位置している。なお、コード長の異なる2種類の圧縮機ブレード43,45に代えて、コード長の同じ1種類の圧縮機ブレード(図示省略)を用いても構わない。
図2に示すように、圧縮機ハウジング31における圧縮機インペラ37の入口側(空気の主流方向の上流側)には、空気を圧縮機ハウジング31内に取入れるための流体取入口としての空気取入口47が形成されており、この空気取入口47は、空気を浄化するエアクリーナ(図示省略)に接続可能である。また、圧縮機ハウジング31内における圧縮機インペラ37の出口側(空気の主流方向の下流側)には、圧縮された空気を昇圧する環状のディフューザ流路49が形成されている。更に、圧縮機ハウジング31の内部には、渦巻き状の圧縮機スクロール流路51が形成されており、この圧縮機スクロール流路51は、ディフューザ流路49に連通してある。そして、圧縮機ハウジング31の適宜位置には、圧縮された空気を圧縮機ハウジング31の外側へ排出するための空気排出口53が形成されており、この空気排出口53は、圧縮機スクロール流路51に連通しかつエンジンの吸気マニホールド(図示省略)に接続可能である。
続いて、本発明の実施形態に係る圧縮機インペラ37の特徴部分について説明する。
図1に示すように、各フルブレード(各圧縮機ブレード)43の後縁43bのハブ端43bh及びチップ端43btは、圧縮機ディスク39の最大径部(外縁部)39oと同じ半径方向位置に位置している。また、各フルブレード43の後縁43bには、圧縮機ディスク39の最大径部39oに対して半径方向外側(圧縮機インペラ37の半径方向の外側)へ突出した突出部55がハブ端43bhからチップ端43btにかけて形成されており、この突出部55は、湾曲形状(円弧形状を含む)を呈している。
同様に、各スプリッタブレード(各圧縮機ブレード)45の後縁45bのハブ端45bh及びチップ端45btは、圧縮機ディスク39の最大径部39oと同じ半径方向位置に位置している。また、各スプリッタブレード45の後縁45bには、圧縮機ディスク39の最大径部39oに対して半径方向外側へ突出した突出部57がハブ端45bhからチップ端45btにかけて形成されており、この突出部57は、湾曲形状を呈している。
各圧縮機ブレード43(45)の突出部55(57)の突出長さL1は、圧縮機ディスク39の最大径部39oの半径方向長さL2の10%以下、好ましくは、3〜10%に設定されている。圧縮機ディスク39の最大径部39oの半径方向長さL2の10%以下に設定されるようにしたのは、10%を超えて設定されると、各圧縮機ブレード43(45)の突出部55(57)に大きな振動応力が発生するおそれがあるからである。なお、好ましくは、圧縮機ディスク39の最大径部39oの半径方向長さL2の3%以上に設定されるようにしたのは、遠心圧縮機29の圧力比をより十分に向上させるためである。
各圧縮機ブレード43(45)の後縁43b(45b)のハブ端43bh(45bh)からチップ端43bt(45bt)までの軸方向の長さに対する、各圧縮機ブレード43(45)の後縁43b(45b)のハブ端43bh(45bh)から突出部55(57)の頂点(頂部分)55p(57p)までの軸方向の長さの割合であるスパン位置は、後縁43b(45b)のハブ端43bh(45bh)を基準とする10〜90%スパン位置、好ましくは、30〜70%スパン位置に設定されている。10〜90%スパン位置に設定されるようにしたのは、遠心圧縮機29の圧力比を安定的に向上させるためであり、好ましくは、30〜70%スパン位置に設定されるようにしたのは、遠心圧縮機29の圧力比をより安定的に向上させるためである。そして、各圧縮機ブレード43(45)の突出部55(57)の頂点55p(57p)のスパン位置が10〜90%スパン位置であれば、図3A(a)に示すように、各圧縮機ブレード43(45)の突出部55(57)の頂点55p(57p)がミッドスパン側よりもチップ端43bt(45bt)側に位置しても構わない。また、図3A(b)に示すように、各圧縮機ブレード43(45)の突出部55(57)の頂点55p(57p)がミッドスパン側よりもハブ端43bh(45bh)側に位置しても構わない。
図3B(a)に示すように、突出部55(57)が圧縮機ブレード43(45)の後縁43b(45b)に形成されていれば、圧縮機ブレード43(45)の後縁43b(45b)のハブ端43bh(45bh)からチップ端43bt(45bt)にかけて形成されていなくても構わない。また、図3B(b)に示すように、子午面において、各圧縮機ブレード43(45)の突出部55(57)の最も突出した部分が軸方向に平行であっても構わなく、この場合には、各圧縮機ブレード43(45)の突出部55(57)の最も突出した部分の中央が頂点部分55p(57p)になる。
続いて、本発明の実施形態の作用及び効果について説明する。
排気取入口21からタービンハウジング13内に取入れた排気ガスがタービンスクロール流路23を経由してタービンインペラ15の入口側から出口側へ流通する。すると、排気ガスの圧力エネルギーを利用して回転力(回転トルク)を発生させて、圧縮機インペラ37をその軸心(圧縮機インペラ37の軸心)C周りにタービンインペラ15と一体的に回転させることができる。これにより、空気取入口47から圧縮機ハウジング31内に取入れた空気を圧縮して、ディフューザ流路49及び圧縮機スクロール流路51を経由して空気排出口53から排出して、エンジンに供給される空気を過給することができる。なお、タービンインペラ15の出口側へ流通した排気ガスは、排気排出口25からタービンハウジング13の外側へ排出される(車両用過給機1の通常の作用)。
各圧縮機ブレード43(45)の後縁43b(45b)に圧縮機ディスク39の最大径部39oに対して半径方向外側へ突出した突出部55(57)が形成され、各圧縮機ブレード43(45)の突出部55(57)の突出長さL1が圧縮機ディスク39の最大径部39oの半径方向長さL2の10%以下に設定されているため、遠心圧縮機29に前述の新規な知見を適用することができる。従って、本発明の実施形態によれば、従来の圧縮機インペラ(図5(a)参照)の外径を突出部55(57)の突出長さ分だけ全体的に拡大した場合に比べて、圧力比を同等以上に向上させつつ、圧縮機ディスク39の中心側(圧縮機ディスク39の中心側でかつ最大径部39oに対応する側)における遠心応力の大きい領域を縮小することができる。特に、各圧縮機ブレード43(45)の突出部55(57)の頂点55pのスパン位置が10〜90%スパン位置に設定されているため、遠心圧縮機29の圧力比を安定的に向上させることができる(車両用過給機1の特有の作用)。
よって、本発明の実施形態によれば、従来の圧縮機インペラの外径を突出部55(57)の突出長さ分だけ全体的に拡大した場合に比べて、圧力比を同等以上に安定的に向上させつつ、圧縮機ディスク39の中心側における遠心応力の大きい領域を縮小できるため、圧縮機インペラ37の耐久性、換言すれば、車両用過給機1の耐久性を維持しつつ、遠心圧縮機29の高圧力比化、換言すれば、車両用過給機1の高圧力比化を促進することができる。特に、各圧縮機ブレード43(45)の突出部55(57)の突出長さL1が圧縮機ディスク39の最大径部39oの半径方向長さL2の3%以上に設定された場合には、車両用過給機1の高圧力比化をより促進することができる。
なお、本発明は、前述の実施形態の説明に限られるものではなく、例えば、車両用過給機1の遠心圧縮機29に適用した技術的思想を産業用遠心圧縮機(図示省略)又はガスタービン用遠心圧縮機(図示省略)に適用しても構わない。そして、本発明に包含される権利範囲は、前述の実施形態に限定されないものである。
(本発明の実施例)
図1及び図5(a)(b)に示すように、本発明の実施形態に係る圧縮機インペラ37を発明例に係る圧縮機インペラとし、発明例に係る圧縮機インペラ37から突出部55(57)を省略した圧縮機インペラ100を従来例に係る圧縮機インペラとする。また、従来例に係る圧縮機インペラ100を突出部55(57)の突出長さ分だけ全体的に拡大した圧縮機インペラ200を比較例に係る圧縮機インペラとする。なお、従来例に係る圧縮機インペラ100及び比較例に係る圧縮機インペラ200における複数の構成要素のうち、発明例に係る圧縮機インペラ37における構成要素と対応するものについては、図面中に同一符号を付してある。
そして、発明例に係る圧縮機インペラ37を用いた遠心圧縮機(図示省略)を運転する場合(発明例の場合)、従来例に係る圧縮機インペラ100を用いた遠心圧縮機(図示省略)を運転する場合(従来例の場合)、及び比較例に係る圧縮機インペラ200を用いた遠心圧縮機(図示省略)を運転する場合(比較例の場合)に、流量と圧力比との関係について数値流体解析(CFD:Computational Fluid Dynamics解析)を行い、その解析結果をまとめると、図6に示すようになる。即ち、発明例の場合には、比較例の場合と同等以上に、圧力比を向上(具体的には、従来例の場合よりも3%向上)させることが判明した。なお、図6中におけるN1、N2、及びN3は、遠心圧縮機の回転数を示しており、N1からN3の間には、N1<N2<N3の関係がある。
また、発明例の場合、従来例の場合、及び比較例の場合に、圧縮機ディスク39の発生する遠心応力の分布について有限要素法解析(FEM:Finite Element Method解析)を行い、その解析結果として、圧縮機ディスク39の中心側における遠心応力の大きい領域についてまとめると、図7A(a)(b)及び図7Bに示すようになる。即ち、発明例の場合には、比較例の場合に比べて、圧縮機ディスク39の中心側における遠心応力の大きい領域を縮小できることが判明した。また、発明例の場合には、従来例の場合に比べて、圧縮機ディスク39の中心側における遠心応力の大きい領域が拡大しないことが判明した。
つまり、本発明の発明者は、2つの解析結果から、各圧縮機ブレード43(45)の後縁43b(45b)に圧縮機ディスク39の最大径部39oに対して半径方向外側へ突出した突出部55(57)を形成することにより、従来例に係る圧縮機インペラ100の外径を比較例に係る圧縮機インペラ200のように突出部55(57)の突出長さ分だけ全体的に拡大した場合に比べて、圧力比を同等以上に向上させつつ、圧縮機ディスク39の中心側における遠心応力の大きい領域を縮小できるという、新規な知見を得ることができた。
1:車両用過給機(過給機)、3:軸受ハウジング、9:ロータ軸、11:ラジアルタービン、13:タービンハウジング、15:タービンインペラ、29:遠心圧縮機、31:圧縮機ハウジング、33:ハウジング本体、33s:シュラウド、37:圧縮機インペラ、39:圧縮機ディスク、39h:ハブ面、39o:最大径部、43:フルブレード(圧縮機ブレード)、43a:前縁、43b:後縁、43bh:後縁のハブ端、43bt:後縁のチップ端、43t:先端縁、45:スプリッタブレード(圧縮機ブレード)、45a:前縁、45b:後縁、45bh:後縁のハブ端、45bt:後縁のチップ端、45t:先端縁、47:空気取入口、49:ディフューザ流路、51:圧縮機スクロール流路、53:空気排出口、55:突出部、55p:頂点、57:突出部、57p:頂点、100:従来例に係る圧縮機インペラ、200:比較例に係る圧縮機インペラ

Claims (4)

  1. 遠心力を利用して流体を圧縮する遠心圧縮機に用いられる圧縮機インペラにおいて、
    ハブ面が軸方向一方側から半径方向外側に向かって延びた圧縮機ディスクと、
    前記圧縮機ディスクのハブ面にその周方向に間隔を置いて設けられた複数の圧縮機ブレードと、を具備し、
    各圧縮機ブレードの後縁は、前記圧縮機ブレードが前記圧縮機ディスクのハブ面に接している範囲での端部であるハブ端と、前記圧縮機ブレードの先端縁の範囲での端部であるチップ端とを有し、各圧縮機ブレードの後縁のハブ端及びチップ端は、前記圧縮機ディスクの最大径部と同じ半径方向位置に位置し、
    各圧縮機ブレードの後縁のハブ端からチップ端にかけて、前記圧縮機ディスクの最大径部に対して半径方向外側へ向かって凸形状になるように湾曲して突出した突出部形成され、各圧縮機ブレードの前記突出部の突出長さは、前記圧縮機ディスクの最大径部の半径方向長さの10%以下に設定されている、圧縮機インペラ。
  2. 各圧縮機ブレードの後縁のハブ端からチップ端までの軸方向の長さに対する、各圧縮機ブレードの後縁のハブ端から前記突出部の頂点までの軸方向の長さの割合であるスパン位置は10〜90%スパン位置に設定されている、請求項1に記載の圧縮機インペラ。
  3. 遠心力を利用して流体を圧縮する遠心圧縮機において、
    内側にシュラウドを有した圧縮機ハウジングと、
    前記圧縮機ハウジング内に回転可能に設けられ、請求項1又は請求項2に記載の圧縮機インペラと、を具備した、遠心圧縮機。
  4. エンジンからの排気ガスの圧力エネルギーを利用して、前記エンジン側に供給される空気を過給する過給機において、
    請求項3に記載の遠心圧縮機を具備した、過給機。
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