以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.ゲームシステム
まず、図1(A)〜図1(E)を用いて本実施形態のゲームシステム(広義には仮想通貨処理システム)の構成例について説明する。
図1(A)では、サーバシステム500(情報処理システム)が、ネットワーク510を介して端末装置TM1〜TMnと通信接続されている。例えばサーバシステム500はホストであり、端末装置TM1〜TMnはクライアントである。なお、以下では、本実施形態のゲームシステム及びその処理を、主にサーバシステム500により実現する場合を例にとり説明するが、ゲームシステム及びその処理の全部又は一部を、端末装置TM1〜TMnにより実現してもよい。また、以下では、TM1〜TMnの各端末装置を、適宜、端末装置TMと記載する。
サーバシステム500は例えば1又は複数のサーバ(管理サーバ、ゲームサーバ、課金サーバ、サービス提供サーバ、コンテンツ配信サーバ、認証サーバ、データベースサーバ、又は通信サーバ等)により実現できる。このサーバシステム500は、コミュニティ型ウェブサイトやオンラインゲームを運営するための各種サービスを提供し、ゲーム実行に必要なデータの管理や、クライアントプログラム及び各種データ等の配信を行うことができる。これにより、例えば、ユーザ端末である端末装置TMによりSNS(Social Networking Service)などを利用するためにサーバシステム500にアクセスし、当該サーバシステム500から提供されるオンラインゲームであるソーシャルゲームなどのプレイが可能になる。
ネットワーク510(配信網、通信回線)は、例えばインターネットや無線LAN等を利用した通信路であり、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網や無線LAN等の通信網を含むことができる。また通信方法については有線/無線を問わない。
端末装置TM(ユーザ端末、プレーヤ端末)は、例えばネット接続機能(インターネット接続機能)を有する端末である。これらの端末装置TMとしては、例えば図1(B)に示す携帯型通信端末(スマートフォン、携帯電話機)、図1(C)に示す携帯型ゲーム装置、図1(D)に示す家庭用ゲーム装置(据え置き型)、或いは図1(E)に示す業務用ゲーム装置などの種々の装置を用いることができる。或いは、端末装置TMとして、パーソナルコンピュータ(PC)やタブレット型コンピュータなどの情報処理装置を用いてもよい。或いは、端末装置TMとして、ユーザの頭部や腕などの部位に装着されるウェアラブル機器(HMD、ウォッチ型機器等)を用いてもよい。
図2に本実施形態のサーバシステム500(ゲームシステム)の構成例を示す。サーバシステム500は、処理部600、操作部660、記憶部670、通信部696を含む。なお、サーバシステム500の構成は図2に限定されず、その構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。またサーバシステム500の処理部600の各処理は、後述する図3の端末装置TMの処理部100により実現してもよいし、サーバシステム500の処理部600と端末装置TMの処理部100の分散処理により実現してもよい。
処理部600(プロセッサ)は、記憶部670(データベース)に記憶される各種の情報や、プログラムや、操作情報等に基づいて、ゲーム処理、ゲーム成績演算処理、表示処理、音処理、サーバに必要な各種の制御処理、或いは管理処理などを行う。
処理部600(処理部100)の各部が行う本実施形態の各処理(各機能)はプロセッサ(ハードウェアを含むプロセッサ)により実現できる。例えば本実施形態の各処理は、プログラム等の情報に基づき動作するプロセッサと、プログラム等の情報を記憶するメモリーにより実現できる。プロセッサは、例えば各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよいし、或いは各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。例えば、プロセッサはハードウェアを含み、そのハードウェアは、デジタル信号を処理する回路及びアナログ信号を処理する回路の少なくとも一方を含むことができる。例えば、プロセッサは、回路基板に実装された1又は複数の回路装置(例えばIC等)や、1又は複数の回路素子(例えば抵抗、キャパシタ等)で構成することもできる。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)であってもよい。但し、プロセッサはCPUに限定されるものではなく、GPU(Graphics Processing Unit)、或いはDSP(Digital Signal Processor)等、各種のプロセッサを用いることが可能である。またプロセッサはASICによるハードウェア回路であってもよい。またプロセッサは、アナログ信号を処理するアンプ回路やフィルタ回路等を含んでもよい。メモリー(記憶部670、170)は、SRAM、DRAM等の半導体メモリーであってもよいし、レジスターであってもよい。或いはハードディスク装置(HDD)等の磁気記憶装置であってもよいし、光学ディスク装置等の光学式記憶装置であってもよい。例えば、メモリーはコンピュータにより読み取り可能な命令を格納しており、当該命令がプロセッサにより実行されることで、処理部600(処理部100)の各部の処理(機能)が実現されることになる。ここでの命令は、プログラムを構成する命令セットでもよいし、プロセッサのハードウェア回路に対して動作を指示する命令であってもよい。
処理部600は、入力処理部602、演算処理部610、出力処理部640を含む。演算処理部610は、ゲーム処理部611、購入処理部612、ショップ処理部613、管理部616、表示処理部620、音処理部630を含む。上述したように、これらの各部により実行される本実施形態の各処理は、プロセッサ(或いはプロセッサ及びメモリー)により実現できる。
入力処理部602は、操作部660により入力された操作情報を受け付ける処理や、記憶部670から情報を読み出す処理や、通信部696を介して情報を受信する処理を、入力処理として行う。例えば入力処理部602は、操作部660で検出された操作情報を取得する処理や、読み出し命令で指定された情報を、記憶部670から読み出す処理や、サーバシステム500の外部装置(端末装置、他のサーバシステム等)からネットワーク510を介して情報を受信する処理を、入力処理として行う。ここで受信処理は、通信部696に情報の受信を指示したり、通信部696が受信した情報を取得して記憶部670に書き込む処理などである。
演算処理部610は、各種の演算処理を行う。例えばゲーム処理、購入処理、ショップ処理、管理処理、表示処理、或いは音処理などの演算処理を行う。
ゲーム処理部611(ゲーム処理のプログラムモジュール)はゲーム処理を行う。ゲーム処理は、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、ゲームを進行させる処理、或いはゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理などである。或いはゲーム処理として、オブジェクト空間に複数のオブジェクトを配置設定するオブジェクト空間設定処理、オブジェクト空間において移動体を移動(又は動作)させる移動体処理、オブジェクト空間において所与の視点から見える画像を生成するための仮想カメラを制御する仮想カメラ制御処理、ユーザのゲーム成績を演算するゲーム成績演算処理などを行うようにしてもよい。
購入処理部612(購入処理のプログラムモジュール)は仮想通貨の購入のための処理を行う。ショップ処理部613(ショップ処理のプログラムモジュール)は、アイテムが獲得可能なショップについての処理を行う。これらの処理の詳細については後述する。
管理部616(管理処理のプログラムモジュール)は、認証処理部617、課金処理部618、管理処理部619を含む。認証処理部617はユーザの認証処理を行う。例えば端末装置TMを用いてログインしたユーザの認証処理を行う。この認証処理は、例えばユーザが入力するパスワードやアカウント情報などに基づいて行う。課金処理部618は、種々の課金処理(課金の決定処理、課金データの作成処理、保存処理等)を行う。記憶部670の課金情報記憶部676は、課金処理部618の課金処理の対象となる課金情報を記憶する。管理処理部619は、サーバの各種の管理処理を行う。例えば、サーバが提供する各種サービスの管理処理や、サーバ管理情報などの各種情報の管理処理を行う。
例えばユーザは、サーバシステム500が提供するサービスを利用するために、所定の手続きを行ってアカウントを取得する。取得したアカウントと対応づけられるパスワードを入力してログインすることで、ユーザは、ネットワークゲームのプレイや、ゲーム用サイトでのサービスや、アイテム等のオンライショッピングや、ユーザ間でのメッセージ交換や、フレンドユーザの登録などの各種サービスを利用できるようになる。管理処理部619は、このようなユーザのアカウント情報の管理処理等も行う。
表示処理部620(表示処理のプログラムモジュール)は、端末装置TMなどの表示部に画像を表示するための処理を行う。例えば当該画像を生成するための画像生成用データを生成する。或いは端末装置TMなどの表示部に画像を表示する制御を行ってもよい。音処理部630(音処理のプログラムモジュール)は、端末装置TMなどの音出力部から音を出力するための処理を行う。例えば、当該音(音声、ゲーム音、効果音)を生成するための音生成用データを生成する。或いは端末装置TMなどの音出力部から音を出力する制御を行ってもよい。ここで、画像を生成するための画像生成用データとは、本実施形態の手法により生成された画像を端末装置TM等において表示するためのデータであり、画像データそのものであってもよいし、端末装置TMが画像を生成するために使用する各種データ(表示画面の設定データ、オブジェクトデータ等)であってもよい。音処理部630が生成する音生成用データについても同様である。
出力処理部640は各種の情報の出力処理を行う。例えば出力処理部640は、記憶部670に情報を書き込む処理や、通信部696を介して情報を送信する処理を、出力処理として行う。例えば出力処理部640は、書き込み命令で指定された情報を、記憶部670に書き込む処理や、サーバシステム500の外部装置(端末装置、他のサーバシステム等)に対してネットワーク510を介して情報を送信する処理を行う。送信処理は、通信部696に情報の送信を指示したり、送信する情報を通信部696に指示する処理などである。
操作部660は、システムの管理者(運営者)が種々の情報を入力するためのものである。
記憶部670は各種の情報を記憶する。例えばデータベース形式で各種情報を記憶する。また記憶部670は、処理部600や通信部696などのワーク領域として機能する。記憶部670の機能は、半導体メモリー、HDD、SDD、光ディスク装置などにより実現できる。
記憶部670は、ショップ情報記憶部672、アイテム情報記憶部673、パラメータ情報記憶部674、課金情報記憶部676、ユーザ情報記憶部678を含む。ショップ情報記憶部672は、ショップについての各種の情報を記憶する。例えばショップID、ランクや種別の情報、アイテム又はガチャのリスト情報などを、ショップ情報として記憶する。アイテム情報記憶部673は、アイテムについての種々の情報を記憶する。例えばアイテムID、アイテムに設定されるゲームパラメータなどの情報を記憶する。パラメータ情報記憶部674は種々のパラメータの情報を記憶する。例えばキャラクタのパラメータの情報等を記憶する。課金情報記憶部676は、課金処理部618により行われる課金処理の情報を記憶する。ユーザ情報記憶部678は、ユーザの個人情報(名前、性別、生年月日、メールアドレス等)をユーザ情報として記憶する。例えば、前述したユーザのアカウント情報もユーザ情報として記憶される。課金情報記憶部676に記憶される課金情報は、各ユーザの各アカウント情報(ユーザID)に対応づけられる。
情報記憶媒体680(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD、BD)、HDD、半導体メモリー(ROM)などにより実現できる。
通信部696は、有線や無線のネットワーク510を介して端末装置TM等との通信を行うものであり、その機能は、通信用ASIC又は通信用プロセッサなどのハードウェアや、通信用ファームウェアにより実現できる。
図3に本実施形態の端末装置TM(ユーザ端末、クライアント装置、ゲーム装置)の構成例を示す。なお、端末装置TMの構成は図3に限定されず、その構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
端末装置TMは、処理部100、操作部160、撮像部162、記憶部170、表示部190、音出力部192、I/F部194、通信部196を含む。
処理部100(プロセッサ)は、操作部160からの操作情報やプログラムなどに基づいて、ゲーム処理、ゲーム成績演算処理、表示処理、或いは音処理などを行う。処理部100は、前述した図2の処理部600と同様に、プロセッサ、或いはプロセッサ及びメモリーにより実現できる。
処理部100は、入力処理部102、演算処理部110、出力処理部140を含む。演算処理部110は、ゲーム処理部111、購入処理部112、ショップ処理部113、管理部116、表示処理部120、音処理部130を含む。
入力処理部102は、操作部160により入力された操作情報を受け付ける処理や、記憶部170から情報を読み出す処理や、通信部196を介して情報を受信する処理を、入力処理として行う。例えば入力処理部102は、操作部160で検出された操作情報を取得する処理や、読み出し命令で指定された情報を記憶部170から読み出す処理や、端末装置TMの外部装置(サーバシステム、他の端末装置等)からネットワーク510を介して情報を受信する処理を、入力処理として行う。ゲーム処理部111は、前述した各種のゲーム処理を行う。購入処理部112、ショップ処理部113、管理部116は、各々、購入処理、ショップ処理、管理処理を行う。表示処理部120は、表示部190に画像を表示するための処理を行う。例えば端末装置側で画像を生成する場合には、処理部100で行われる種々の処理(アプリケーション処理、ゲーム処理)の結果に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示部190に出力する。サーバ側で画像を生成する場合には、サーバシステムからの画像情報に基づく画像を表示部190に表示する処理を行う。音処理部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音制御を行う。これにより、BGM、効果音、又は音声などが音出力部192から出力されるようになる。なお、本実施形態のゲーム処理、購入処理、ショップ処理、管理処理、表示処理、音処理等は、サーバシステム500と端末装置TMのいずれか一方の処理により実現してもよいし、サーバシステム500と端末装置TMの分散処理により実現してもよい。例えばネットワークを利用しないスタンドアローンのゲームシステムの場合には、ゲームシステムである端末装置TMにより本実施形態の各処理が行われる。
操作部160は、ユーザ(プレーヤ)が、操作情報等の種々の情報を入力するためのものであり、その機能は、操作ボタン、方向指示キー、アナログスティック、レバー、各種センサ(角速度センサ、加速度センサ等)、マイク、或いはタッチパネル型ディスプレイなどにより実現できる。
撮像部162(カメラ)は、被写体の撮像を行うものであり、CCDやCMOSセンサなどの画像センサと、フォーカスレンズ等により構成される光学系などにより実現される。
記憶部170は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能は、半導体メモリー、HDD、SDD、光ディスク装置などにより実現できる。記憶部170は、ショップ情報記憶部172、アイテム情報記憶部173、パラメータ情報記憶部174を含む。
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク、HDD、半導体メモリーなどにより実現できる。処理部100は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。この情報記憶媒体180に、本実施形態の各部としてコンピュータ(操作部、処理部、記憶部、出力部を備える装置)を機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)を記憶できる。
表示部190は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、LCD、有機ELディスプレイ、CRT、或いはHMDなどにより実現できる。音出力部192は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
I/F(インターフェース)部194は、携帯型情報記憶媒体195とのインターフェース処理を行うものであり、その機能はI/F処理用のASICなどにより実現できる。携帯型情報記憶媒体195は、ユーザが各種の情報を保存するためのものであり、電源が非供給になった場合にもこれらの情報の記憶を保持する記憶装置である。携帯型情報記憶媒体195は、ICカード(メモリーカード)、USBメモリー、或いは磁気カードなどにより実現できる。
通信部196は、ネットワーク510を介してサーバシステム500や他の端末装置等の外部装置との間で通信を行うものであり、その機能は、通信用ASIC又は通信用プロセッサなどのハードウェアや、通信用ファームウェアにより実現できる。
なお本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(データ)は、サーバシステム(ホスト装置)が有する情報記憶媒体からネットワーク及び通信部196を介して情報記憶媒体180(あるいは記憶部170)に配信してもよい。このようなサーバシステムによる情報記憶媒体の使用も本発明の範囲内に含めることができる。
そして本実施形態では図2に示すように、ゲームシステムであるサーバシステム500(或いは端末装置TM)が、ゲーム処理部611(ゲーム処理部111)、購入処理部612(購入処理部112)、ショップ処理部613(ショップ処理部113)を含む。なお以下では、本実施形態のゲームシステムがサーバシステム500により実現される場合を主に例にとり説明するが、本実施形態はこれに限定されず、ゲームシステムを端末装置TMにより実現したり、サーバシステム500と端末装置TMの分散処理により実現してもよい。
ゲーム処理部611(ゲーム処理部111。以下、同様)は、ユーザ(プレーヤ)がゲームをプレイするためのゲーム処理を行う。例えばゲームを進行させたり、ゲームパラメータの更新処理を行ったり、ゲーム結果を演算する処理などを行う。このゲーム処理は、パラメータ情報記憶部674(パラメータ情報記憶部174。以下、同様)に記憶されるゲームパラメータの情報等に基づいて行われる。
購入処理部612(購入処理部112。以下、同様)は、ユーザが仮想通貨を購入するための処理を行う。例えばユーザによる仮想通貨の購入の要求を受け付けたり、仮想通貨の購入額の情報を受け付ける処理などを行う。管理部616は、ユーザが購入した仮想通貨の購入情報をユーザ情報に関連づけて管理する。例えば購入情報はユーザ情報に関連づけられてユーザ情報記憶部678に記憶される。例えば購入処理部612(ゲームシステム)は、電子決済業者等が運営する外部の電子決済サーバと連携して、仮想通貨の購入に関する処理を行う。仮想通貨は、ゲーム内通貨とも呼ばれ、ゲーム内で使用可能な仮想的な通貨である。電子決済サーバは、購入処理部612からの問い合わせに応答して、仮想通貨の購入額をユーザのクレジットカードやプリペイカード等で精算する処理を行う。例えば電子決済等により仮想通貨をユーザに購入させる。仮想通貨が購入されると、精算された購入額相当の仮想通貨(ゲーム内ポイント)がユーザに付与される。具体的には管理部616が、ユーザが購入した仮想通貨を、当該ユーザのユーザIDに関連づけてユーザ情報記憶部678に記憶させる。
ショップ処理部613(ショップ処理部113。以下、同様)は、購入した仮想通貨をユーザが消費することでゲームのアイテムの獲得が可能な仮想的なショップの設定処理を行う。このショップは、ゲーム空間(ネットワーク空間)に存在する仮想的なショップである。ユーザは、仮想通貨を支払って(消費して)、アイテムを直接購入することで、アイテムを獲得してもよい。或いは、仮想通貨を支払って(消費して)、仮想抽選器(ガチャ等)による抽選処理を行い、この抽選処理の結果、アイテム(レアアイテム等)を獲得してもよい。例えばアイテムが獲得可能(取得可能)なショップは、アイテムの購入が可能なショップや、アイテムを仮想抽選器の抽選により獲得可能なショップである。またショップの設定処理は、ショップを出現させたり、ショップに関する各種の設定を行う処理である。またアイテムはゲーム等で使用可能なゲーム表示物などである。例えばアイテムとしては、武器、防具等の装備品や、体力回復や装飾用等の道具などの種々のゲームアイテムを想定できる。
そしてショップ処理部613は、ユーザの仮想通貨の購入情報に基づいて、特別ショップ(専門ショップ、特殊ショップ)を出現させる処理を行う。例えばショップ(仮想的なショップ)として、通常ショップとは異なる特別ショップを出現(オープン)させる。例えばショップ処理部613は、ユーザ情報に関連づけられた仮想通貨の購入情報を、ユーザ情報記憶部678(購入情報記憶部)から読み出す。そして、読み出した購入情報に基づいて、特別ショップを出現させる処理を行う。例えばショップ処理部613は、購入情報が含む仮想通貨の購入額等に基づいて、特別ショップの出現条件が満たされたか否かを判定する。そして出現条件が満たされた場合に、特別ショップを出現させる。特別ショップを出現させる処理は、例えば少なくとも特別ショップで獲得可能なアイテムをユーザに認識可能な状態にする処理である。例えば特別ショップで獲得可能なアイテムの情報をユーザに表示(提示)する処理である。具体的には、特別ショップの画面を表示する処理である。なお特別ショップが出現したことを通知する処理であってもよい。
この場合にショップ処理部613は、例えば通常ショップを特別ショップに変更することで、特別ショップを出現させる。通常ショップを特別ショップに変更する処理は、例えば通常ショップで獲得可能なアイテムに加えて、特別ショップに独自のアイテムを獲得可能にしたり、通常ショップで獲得可能なアイテムの内容を変更して、特別ショップ用のアイテムに変化させたり、或いは通常ショップのラインアップやお買い得度を変更する処理などである。
またショップ処理部613は、獲得可能(購入可能)なアイテムの設定が異なる複数の特別ショップの中から選択することで、特別ショップを出現させてもよい。例えばショップ情報記憶部672(ショップ情報記憶部172。以下、同様)に複数の特別ショップの情報を、ショップ情報として記憶しておく。そして、このショップ情報の中から特別ショップの抽出処理を行うことで、ユーザに提示する特別ショップを選択する。これらの複数の特別ショップでは、少なくとも2つの特別ショップにおいて、獲得可能なアイテムの設定(種類、内容、又はラインアップ等)が異なっている。
またショップ処理部613は、ユーザの仮想通貨の購入状況に応じて、出現させる特別ショップの設定処理を行う。この特別ショップの設定処理は、例えば通常ショップを特別ショップに変更する処理、複数の特別ショップの中から出現させる特別ショップを選択する処理、或いは、特別ショップの内容等について各種の設定を行う処理などである。ユーザの仮想通貨の購入状況は、例えばユーザの仮想通貨の購入額、購入累計額、購入頻度及び購入時期(いつ購入したか)の少なくとも1つである。
またショップ処理部613は、ユーザの仮想通貨の購入額又は購入累計額が大きいほど、或いは仮想通貨の購入頻度が高いほど、アイテムの獲得がより有利な特別ショップを出現させる。仮想通貨の購入額、購入累計額、購入頻度は、購入情報としてユーザ情報に関連づけられている情報である。購入累計額は、例えばそれまでのユーザの仮想通貨の購入額の累計処理(積算処理)により得られるものである。購入頻度は、例えば購入の頻度を表す指標であり、例えば仮想通貨の購入回数や、或いは、各購入回数での購入額等に決定できる。アイテムの獲得がより有利とは、よりレア度、ランクが高いアイテムが獲得可能になったり、アイテムの獲得(購入、抽選)に必要な仮想通貨の額が少なかったり、或いはアイテムのラインアップが増えることなどである。
またショップ処理部613は、ユーザの仮想通貨の購入状況に応じて、特別ショップの出現期間の設定処理を行う。特別ショップの出現期間(オープン期間)の設定処理は、例えば出現期間の変化処理であり、例えば出現期間の長さを変化させたり、出現期間の開始タイミングや終了タイミングを変化させる処理である。例えば仮想通貨の購入額や購入累計額が大きいほど、或いは購入頻度が高いほど、特別ショップの出現期間を長くする。また出現期間の設定処理は、出現期間でのアイテムのラインアップやお買い得度などの出現期間に関連する各種パラメータを設定(変化)する処理であってもよい。
またショップ処理部613は、仮想通貨の消費によりアイテムを購入させることで、或いは仮想通貨の消費によりアイテムの抽選処理を行うことで、ユーザにアイテムを獲得させる。例えば仮想通貨をユーザが支払うことで、アイテムを購入させたり、仮想通貨を支払って仮想抽選器の抽選を行うことで、アイテムを獲得させる。
またゲーム処理部611は、特別ショップでのユーザの仮想通貨の消費状況に応じて、ゲーム処理のゲームパラメータの設定処理を行う。例えばゲームパラメータを変化させたり、各種の値に設定する処理などを行う。特別ショップでのユーザの仮想通貨の消費状況は、例えば特別ショップでの仮想通貨の消費額(支払額。アイテムの購入額)、仮想通貨の消費時期又は仮想通貨の消費頻度である。例えばゲーム処理部611は、特別ショップでの仮想通貨の消費額が大きいほど、或いは仮想通貨の消費時期が早いほど、ゲームパラメータを有利な設定に変化させる。ゲームパラメータは、ゲーム処理(ゲーム進行処理等)に使用されるパラメータである。ゲームパラメータは、例えばキャラクタ(ユーザキャラクタ)のパラメータ、アイテムのパラメータ、又はゲームの進行処理用のパラメータなどである。キャラクタのパラメータは、キャラクタ(ユーザ)のステータスや能力等を表すパラメータである。例えばキャラクタのゲームパラメータとしては、キャラクタの能力(戦闘力、守備力、知力等)を表すパラメータ、キャラクタの状態や心理を表すステータスパラメータ、キャラクタの属性を表すパラメータ、キャラクタの行動に関するパラメータ、或いはキャラクタの所持物に関するパラメータなどの種々のパラメータを想定できる。アイテムのパラメータは、アイテムの能力(攻撃力、守備力等)、属性又は状態等を表すパラメータである。ゲームパラメータを有利な設定に変化させるとは、例えばゲームにおいてより有利になるようにゲームパラメータを変化させたり、ユーザがゲームにおいて各種の恩恵を得られるようにゲームパラメータを変化させることである。例えばゲームパラメータで表される能力を高くしたり、ゲームパラメータを用いた発動の効果を高めることなどである。例えばゲーム処理部611は、特別ショップでのユーザの仮想通貨の消費状況に応じて、ユーザに対応するキャラクタ(ユーザに対応してゲーム空間に登場するユーザキャラクタ)のパラメータの設定処理を行う。例えばキャラクタのパラメータを仮想通貨の消費状況に応じて変化させる処理を行う。ユーザに対応するキャラクタは、例えばユーザの分身等としてゲーム世界に現れるキャラクタである。このキャラクタは、例えばユーザの操作情報に基づいて操作されて動作する。
またゲーム処理部611は、特別ショップでのユーザの仮想通貨の消費状況に応じて、ゲーム進行の変化処理を行う。例えば仮想通貨の消費状況に応じて、様々なゲームイベントを発生して、ゲーム進行を変化させる。例えば仮想通貨の消費状況に応じて、ゲーム展開を異ならせる。例えば特別ショップでの仮想通貨の消費額(支払額、消費量)が高いと、ユーザにとってより有利なゲームイベントを発生させて、よりユーザが有利になるようにゲームを進行させる。
またショップ処理部613は、特別ショップでのユーザの仮想通貨の消費状況に応じて、特別ショップでのアイテムの割引処理及び特別ショップで獲得可能なアイテムの変化処理の少なくとも一方を行う。アイテムの割引処理は、例えばアイテムの獲得に可能な仮想通貨の消費額(支払額)をディスカウントする処理である。特別ショップで獲得可能なアイテムの変化処理は、特別ショップでのアイテムのラインアップを変化させたり、アイテムのお買い得度を変化させたり、或いはアイテムの内容(設定内容、ゲームパラメータ値)を変化させることである。
またショップ処理部613は、特別ショップでのユーザの仮想通貨の消費状況に応じて、新たな特別ショップを出現させる。例えば、これまでユーザが利用できなかった特別ショップを、新たに出現(オープン)させる。例えば、ある特別ショップでの仮想通貨の消費額等が大きかった場合には、その特別ショップとは異なる特別ショップ(アイテムのラインアップや内容等が異なるショップ)を、新たにユーザに提示する。
またゲーム処理部611は、ゲーム処理により所与のゲームイベントを発生する。そしてショップ処理部613は、ゲームイベントが発生した場合に、ユーザの仮想通貨の購入情報に基づいて、特別ショップを出現させる。例えば特定のゲームイベントが発生し、且つ、ユーザの仮想通貨の購入情報に基づく出現条件(例えば仮想通貨を所与の額以上購入等)が満たされた場合に、特別ショップを出現させる。そしてこの場合に、例えば、発生したゲームイベントに対応したアイテムの獲得が可能な特別ショップを出現させる。
ここで、ゲームイベントに対応したアイテムは、ユーザをより有利な設定にするアイテムである。例えば発生したゲームイベントにおいて、ユーザをより有利な設定にするアイテムである。別の言い方をすれば、ゲームイベントに対応したアイテムは、発生したゲームイベントで使用された場合に、ゲームイベントのクリアをより容易にするアイテムである。例えば発生したゲームイベントで使用された場合に、他のゲームイベントで使用された場合に比べて、ゲームイベントのクリアをより容易にするアイテムである。或いは、ゲームイベントに対応したアイテムは、ゲームイベントで獲得されるアイテムとの合成対象となるアイテムである。
例えばゲーム処理部611が発生させるゲームイベントは、ゲーム進行上、ユーザにとって重要なイベントであり、特別なイベントである。このようなゲームイベントとしては、例えば能力値が非常に高いボスと呼ばれるような特定のキャラクタを出現させるイベントがある。このボスキャラクタのような特定のキャラクタが出現するゲームイベントが発生し、且つ、ユーザの仮想通貨の購入情報に基づく出現条件が満たされた場合に、ショップ処理部612は、この特定のキャラクタに対して有効なアイテムを獲得可能な特別ショップを出現させる。例えば、出現した特別ショップで獲得可能なアイテムは、この特定のキャラクタが出現するゲームイベントで使用された場合に、ユーザをより有利な設定にするアイテムである。或いは、この特定のキャラクタが出現するゲームイベントで使用された場合に、ゲームイベントのクリア(特定のキャラクタへの勝利)を、より容易にするアイテムである。或いは、特定のキャラクタに勝利することで、その特定のキャラクタの所持アイテムをユーザが獲得したとする。この場合に、その所持アイテムとの合成対象となるアイテムが、出現した特別ショップにおいて獲得可能になる。
なお本実施形態のシステムは、ユーザが仮想通貨を購入するための処理を行う購入処理部612と、ユーザが購入した仮想通貨の購入情報をユーザ情報に関連づけて管理する管理部616と、購入した仮想通貨をユーザが消費することでアイテムの獲得が可能な仮想的なショップの設定処理を行うショップ処理部613を含む仮想通貨処理システム(仮想通貨消費システム)であってもよい。例えばアイテムとしては、ゲームに使用可能なアイテム以外にも、仮想通貨により取得可能(購入可能)な種々の物(商品等)を想定できる。そしてショップ処理部613は、ユーザの仮想通貨の購入情報に基づいて、ショップとして、通常ショップとは異なる特別ショップを出現させる。例えば通常ショップとは、取得可能なアイテムが異なる特別ショップを出現させる。
なお以上では、本実施形態のゲーム処理、購入処理、ショップ処理、管理処理等を、図2のサーバシステム500が行う場合について説明したが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、上記に説明した本実施形態のゲーム処理、購入処理、ショップ処理、管理処理等の一部又は全部を図3の端末装置TMが行うようにしてもよい。この場合には、端末装置TM(或いは端末装置とサーバシステムが連携したシステム)が本実施形態のゲームシステムとして機能することになる。
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について詳細に説明する。なお、以下では本実施形態の手法をキャラクタを用いた対戦ゲームに適用した場合を主に例にとり説明するが、本実施形態の手法は、種々のゲーム(RPG、アクションゲーム、レースゲーム、競争ゲーム、シミュレーションゲーム、カードゲーム、スポーツゲーム、クイズゲーム、パズルゲーム、コミュニケーションゲーム、或いは音楽ゲーム等)に適用でき、ゲーム以外にも適用可能である。
2.1 特別ショップの出現
図4は本実施形態のゲームシステムで実現されるゲームのホーム画面(メイン画面、マイページ画面)の例である。図4ではキャラクタCH(ユーザキャラクタ)の画像やランク、名前、仮想通貨の所持ポイントなどの各種のステータス情報が表示されている。またA1のアイコン(タブ)をユーザが選択(タッチ画面の場合のタッチ。以下、同様)することで、仮想通貨であるポイントの購入画面に移行する。またA2、A3のアイコンを選択することで、アイテムやガチャのショップ画面に移行する。A4のアイコンを選択することで、対戦ゲームの画面になる。A5には各種のお知らせが表示される。例えば特別ショップが出現したことをA5のお知らせ画面でユーザに知らせてもよい。またA6には各種の広告が表示される。特別ショップについてはこの広告に表示してもよい。
ユーザが図4のA4のゲームプレイのアイコンを選択すると、図5に示すようなゲーム画面でのゲームプレイが可能になる。図5のゲームでは、ユーザのキャラクタCH及びそれに従属するキャラクタCS1、CS2と、敵キャラクタCE1、CE2、CE3との対戦が行われる。ユーザはCH、CS1、CS2の中から所望のキャラクタを指のタッチで選択して、スライド操作等を行うことで、攻撃対象を決定して、敵キャラクタCE1、CE2、CE3に対して攻撃を行う。なおユーザがB1のアイコンを選択することで、自動戦闘による対戦も可能である。自動戦闘による対戦を一時停止する場合にはB2に示すアイコンを選択する。またCH、CS1、CS2の各キャラクタはスキルを有しており、このスキルを発動させたい場合にはB3に示すアイコンを選択する。
ユーザは、仮想通貨を購入する場合にはA1のアイコンを選択する。すると仮想通貨の購入画面が表示され、ユーザは電子決済等により所望の対価を支払うことで、仮想通貨を購入できる。
仮想通貨を購入したユーザは、購入した仮想通貨のポイントを消費することで(仮想通貨を支払うことで)、アイテムのショップにおいてアイテムを購入できる。また購入した仮想通貨のポイントを消費することで、仮想抽選器であるガチャの抽選を行うことができ、抽選に当たることでレアアイテム等を獲得できる。
例えばユーザがショップでゲームのアイテムを購入する場合には、図4のA2のアイコンを選択する。すると図6(A)〜図7(B)で説明するアイテムのショップ画面が表示される。
図6(A)は通常ショップのショップ画面である。図6(A)のC1には、この通常ショップで購入可能(広義には獲得可能)なアイテムITA、ITB、ITCがラインアップとして提示されている。ユーザは、ITA、ITB、ITCの中から所望のアイテムを選択し、C2に示す購入のアイコンを選択することで、当該アイテムを購入できる。この購入により、購入したアイコンに対応する仮想通貨のポイントが消費される。例えば図6(A)では、アイテムITA、ITB、ITCの購入により100ポイントの仮想通貨が消費される。
このように本実施形態では、ユーザが仮想通貨を購入するための購入処理が行われる。例えば図4でユーザがA1のアイコンをタッチし、仮想通貨の購入を行うと、この購入の要求が受け付けられ、電子決済等によりユーザは、ゲーム内で使用できる仮想的な通貨である仮想通貨を購入できる。仮想通貨のレートの設定は様々であり、例えば仮想通貨の1ポイントが、1円であってもよいし、10円であってもよい。或いは、1円よりも低かったり、10円よりも高くてもよい。そしてユーザが購入した仮想通貨の購入情報が、ユーザ情報に関連づけて図2のユーザ情報記憶部678に記憶される。この購入情報は、例えば仮想通貨の購入額、購入日時などの情報を含む。そして図6(A)に示すように、購入した仮想通貨をユーザが消費することでアイテムの獲得が可能なショップが用意される。このショップは、ゲーム空間(ネットワーク空間)に用意される仮想的なショップ(現実世界のショップとは異なるショップ)である。例えば図6(A)のC1でユーザが所望のアイテムを選択して、C2の購入のアイコンを選択すると、ストックされていたユーザの仮想通貨が消費されて、ユーザはアイテムを購入(広義には獲得)できる。
このとき、本実施形態では、ユーザの仮想通貨の購入情報に基づいて、通常ショップとは異なる特別ショップを出現させる。例えばユーザの仮想通貨の購入額等に応じて、特別ショップを出現させる。例えばユーザが所定額の仮想通貨を購入するなどして、特別ショップの出現条件が満たされると、特別ショップがオープンする。
図6(B)、図7(A)、図7(B)は、アイテムの特別ショップの例を示すショップ画面である。
本実施形態の1つの手法では、通常ショップを特別ショップに変更することで、特別ショップを出現させる。例えば図6(B)では、図6(A)の通常ショップのアイテムのラインアップに加えて、C3に示す特別なアイテムITSPを購入できる。図6(A)の通常ショップと図6(B)の特別ショップの違いは、アイテムITSPのラインアップであり、図6(B)の特別ショップは図6(A)の通常ショップを変更したものであると言うことができる。
特別ショップで購入できるアイテムITSPは、例えば特別な効果を奏するアイテムである。例えばアイテムITSPは、図5の対戦ゲームなどのゲームイベントにおいて、ユーザのゲーム状況を優位にするアイテムである。例えば敵キャラクタCE1、CE2、CE3に対して大きなダメージを与えたり、敵からの攻撃を効果的に防御できる効果を、アイテムITSPは奏する。例えば敵キャラクタCE1、CE2、CE3が火属性である場合に、火属性に強い水属性のアイテムを、特別なアイテムITSPとして、図6(B)の特別ショップに出現させる。また特別ショップのアイテムITSPは、多くのユーザが獲得を望むレアアイテムと呼ばれるものであってもよい。
図7(A)でも、通常ショップを特別ショップに変更することで、特別ショップを出現させている。図7(A)では、アイテムITCが例えば20%の割引(ディスカウント)となっている。即ち図6(A)の通常ショップでは、アイテムITCの購入に100ポイントの仮想通貨が必要であったが、図7(A)では、それよりも安い80ポイントでアイテムITCを購入できる。このように図7(A)では、通常ショップで売っているアイテムの内容が変更されており、通常ショップを変更した特別ショップが出現している。
また本実施形態の他の手法では、複数の特別ショップの中から選択することで、特別ショップを出現させている。具体的には、獲得可能なアイテムの設定が異なる複数の特別ショップの中からの選択処理により特別ショップを出現させる。
例えば図7(B)ではD2に示すように、図6(A)の通常ショップとは異なる特別ショップが新たに出現している。この特別ショップでは、D3に示すように当該特別ショップに独自の特別なアイテムITSPA、ITSPB、ITSPCが購入可能になっている。これらのアイテムITSPA、ITSPB、ITSPCは、例えば、図6(B)のC3のアイテムITSPと同様に、図5の対戦ゲーム等のゲームイベントにおいて、ユーザを有利にする効果を奏するアイテムである。或いはレアアイテムと呼ばれる獲得が困難な貴重なアイテムである。
図8(A)、図8(B)はガチャショップの特別ショップの例である。図8(A)は図7(A)と同様に、通常ショップを変更することで出現する特別ショップの例である。図8(A)の特別ショップでは、E1に示すように、ガチャGACのレアアイテムの当たり確率がアップしている。即ち、このガチャGACは通常ショップにおいてもラインアップとなっているが、特別ショップでのガチャGACは、通常ショップでのガチャGACに比べて、レアアイテムが当たる確率が高くなっている。図9(A)に示すように、通常ショップでは、ガチャGACでのレアアイテムの当たり確率が例えば2%であるのに対して、特別ショップでは例えば10%にアップしている。従って、ユーザは、同じ300ポイントの仮想通貨を消費して、特別ショップにおいてガチャGACによる抽選を行った場合、通常ショップで抽選を行う場合に比べて、高い確率でレアアイテムを獲得できるようになる。
図8(B)では、複数の特別ショップの中から選択することで、ガチャの特別ショップを出現させている。具体的には、獲得可能なアイテムの設定(例えばガチャの種類、当たり確率又はガチャにより当たるレアアイテムの設定等)が異なる複数の特別ショップの中からの選択処理により、特別ショップを出現させる。例えば図8(B)ではE2に示すように、通常ショップとは異なる特別ショップが新たに出現している。この特別ショップでは、E3に示すように、通常ショップでは遊ぶことができない特別なガチャGASPA、GASPB、GASPCが用意されている。ユーザは、GASPA、GASPB、GASPCから所望のガチャを選択して、仮想通貨を支払うことで、通常ショップのガチャとは異なる設定のガチャにより、レアアイテムを獲得できるようになる。例えば図9(B)は特別ショップのガチャGASPA、GASPB、GASPCの当たり確率の例である。例えばユーザは200、500ポイントの仮想通貨を消費することで、各々、当たり確率が5%、20%といように高い特別なガチャGASPA、GASPBをプレイできる。また1000ポイントの仮想通貨を消費すれば、例えば当たり確率が50%というように非常に高い特別なガチャGASPCをプレイできる。
以上のように特別ショップでのアイテムの獲得は、図6(B)〜7(B)のように仮想通貨の消費によりアイテムを購入させることによるものであってもよいし、図8(A)、図8(B)のように、仮想通貨の消費によりアイテムの抽選処理を行うことによるものであってもよい。
図10に仮想通貨の購入情報の一例を示す。この購入情報は例えばユーザID(図10ではIDY)に関連づけられている。このように購入情報がユーザIDに関連づけられることで、図2の管理部616は、ユーザが購入した仮想通貨の購入情報をユーザ情報に関連づけて管理することが可能になる。
図10に示すように、購入情報は、仮想通貨の購入額(購入量)の情報を含むことができる。この購入額の情報は、例えば仮想通貨の購入の日時に関連づけて記録される。また購入情報は、仮想通貨の消費額(消費量)の情報を含むことができる。この消費額の情報は、仮想通貨の消費(支払い)の日時に関連づけて記録される。仮想通貨の消費の日時は、例えばショップでのアイテムの購入の日時や仮想抽選器(ガチャ)の抽選プレイの日時である。また購入情報は、仮想通貨の残高、購入累計額、購入回数の情報を含むことができる。仮想通貨の残高は、仮想通貨の購入額、消費額等に基づいて計算できる。購入累計額は、仮想通貨の購入額の累計処理等により計算できる。購入回数は、例えば仮想通貨の購入毎にカウントアップされる。仮想通貨の購入頻度は、この購入回数により求めることができる。例えば購入頻度は、購入回数そのものであってもよいし、購入回数と購入額とに基づき求められるものであってもよい。例えば、同じ購入回数でも、各購入時における購入額が高いほど、頻度が高く評価されるように購入頻度を設定してもよい。なお購入情報は、図10の例に限定されず、種々の変形実施が可能である。
図11にショップ情報の一例を示す。このショップ情報は、ショップIDを含むことができる。ショップIDは、システムで用意されるショップのID情報であり、ショップを特定するための情報である。またショップ情報は、ショップの種別やランクの情報を含むことができる。ショップの種別は、ショップの種類等を特定するためのものである。例えばアイテムのショップと仮想抽選器のショップは異なる種別に分類される。また、例えば販売されるアイテムや仮想抽選器の種類等に応じて、ショップの種別を設定してもよい。ショップのランクは、ショップの等級やレア度を設定するためのものであり、例えば図11では、ショップのランクとしてランクC、ランクB、ランクA、ランクS(RKC、RCB、RKA、RKS)が用意されている。ランクCは等級(レア度)が最も低く、ランクSは等級が最も高い。またショップ情報は、アイテムリスト又は仮想抽選器リスト、出現期間情報、出現フラグの情報を含むことができる。アイテムリスト、仮想抽選器リストは、ショップにラインアップとして用意されるアイテム、仮想抽選器を特定するための情報であり、これらのリストにより、ショップで販売されるアイテム、仮想抽選器が設定される。出現期間情報は、ショップの出現期間(オープン期間)を特定するための情報であり、この出現期間情報により、ショップの出現期間の長さや時期等が設定される。出現フラグは、例えば、既に出現した特別ショップでは、当該フラグが出現済みに設定され、未だ出現していない特別ショップでは、当該フラグが未出現に設定される。
図11のようなショップ情報を用いることで、獲得可能なアイテムの設定が異なる複数の特別ショップの中からの選択による、特別ショップの出現が可能になる。例えば図11のようなショップ情報により、獲得可能なアイテムの設定が異なる複数の特別ショップを用意する。そして、これらの複数の特別ショップの中から、例えば後述する仮想通貨の購入状況に基づいて、出現させる特別ショップを選択する。ここで獲得可能なアイテムの設定が異なるとは、例えば図11のショップ情報において、アイテムリストや仮想抽選器リストの内容が異なることである。或いは、ショップの種別、ランク又は出現期間情報が異なることであってもよい。
以上のように本実施形態では、ユーザの仮想通貨の購入情報に基づいて、通常ショップとは異なる特別ショップを出現させている。例えば図10に示すような購入情報に基づいて、図6(B)〜図8(B)に示すような特別ショップを出現させる。例えばユーザの仮想通貨の購入額が所与の額を超えた場合に特別ショップを出現させる。或いは、ユーザの仮想通貨の購入累計額が所与の額を超えた場合や、ユーザの仮想通貨の購入頻度(購入回数)が所与の頻度を超えた場合に、特別ショップを出現させてもよい。これらの購入額、購入累計額、購入頻度は、図10に例示される購入情報に基づき取得できる。
例えば仮想通貨を利用するこれまでのシステムでは、ユーザが購入した仮想通貨を消費させる効果的な動機づけを与えることができなかった。このためユーザは、仮想通貨を購入した後、購入した仮想通貨をなかなか消費しないようになり、仮想通貨がストックされたままの状態になってしまっていた。従って、ユーザは、購入済みの仮想通貨が十分にストックされているため、次回の仮想通貨の購入を行わなくなってしまう。この結果、仮想通貨の購入によるユーザへの課金が停滞してしまい、効率的な課金処理を実現できなった。
これに対して本実施形態の手法によれば、ユーザの仮想通貨の購入額等の購入情報に基づいて、通常ショップとは異なる特別ショップを出現させる。この特別ショップでは、図6(B)〜図8(B)で説明したように、通常ショップとは異なる設定のアイテムや仮想抽選器がラインアップとして用意される。そして、特別ショップで用意されるアイテムは、ユーザが参加する対戦ゲーム等のゲームイベントにおいて、ユーザを有利にする効果を奏したり、よりレア度の高いアイテムとなっている。或いは特別ショップで用意される仮想抽選器は、図9(A)、図9(B)に示すように抽選の当たりの確率等が有利な設定になっている。従って、ユーザは、出現した特別ショップでのアイテムの獲得が動機づけとなって、購入した仮想通貨を積極的に消費するようになる。例えば仮想通貨を消費して、特別ショップのアイテムを購入したり、特別ショップの仮想抽選器の抽選プレイを行うようになる。これにより、ユーザがストックしている仮想通貨が消費され、例えば仮想通貨の残高が0になったり、0に近づくと、特別ショップでのアイテム獲得を望むユーザは、次回の仮想通貨の購入を行うようになる。即ち、ユーザが購入した仮想通貨がストックされたままの状態となって内部留保されてしま事態を防止できる。従って、仮想通貨の購入によるユーザへの課金が促進され、効率的な課金処理を実現することが可能になる。
また本実施形態では、例えば通常ショップを特別ショップに変更することで、特別ショップを出現させる。このようにすれば、通常ショップのラインアップ等の一部を変更するだけで、出現させる特別ショップを用意できるため、特別ショップの出現処理の簡素化や処理負荷の軽減を図れる。
或いは、本実施形態では、獲得可能なアイテムの設定が異なる複数の特別ショップの中から選択することで、特別ショップを出現させる。このようにすれば、獲得可能なアイテムの設定(アイテムのラインアップ、種別、ランク、レア度、効果又は当たり確率等)が異なる様々な特別ショップを用意し、その中から選択された特別ショップを、出現した特別ショップとしてユーザに提供できる。従って、ユーザに提供可能な特別ショップのバラエティー度等を向上できる。
なお、特別ショップでのアイテムや仮想抽選器の設定としては種々の変形実施が可能である。例えば特別ショップと通常ショップの相違としては、アイテムや仮想抽選器のラインアップや内容の相違だけではなく、在庫数や種類等の相違であってもよい。
2.2 仮想通貨の購入状況に応じた処理
本実施形態では、仮想通貨の購入状況に応じた種々の処理を行う。例えば本実施形態では、ユーザの仮想通貨の購入状況に応じて、出現させる特別ショップの設定処理を行う。仮想通貨の購入状況は、例えば仮想通貨の購入額、購入累計額、購入頻度又は購入時期などである。仮想通貨の購入額、購入累計額、購入頻度、購入時期は、例えば図10の仮想通貨の購入情報により特定できる。このようにすれば、仮想通貨の購入状況に応じた特別ショップを出現させることができ、仮想通貨の購入の効果的な動機づけをユーザに与えることができる。
例えば本実施形態では、仮想通貨の購入額又は購入累計額が大きいほど、或いは仮想通貨の購入頻度が高いほど、アイテムの獲得がより有利な特別ショップを出現させる。或いは、仮想通貨の購入時期が早いほど、アイテムの獲得がより有利な特別ショップを出現させてもよい。例えばユーザがゲームにログインしてから、直ぐに仮想通貨を購入した場合などに、より有利な設定の特別ショップを出現させる。このようにすれば、仮想通貨の購入額や購入累計額が大きいほど、或いは購入頻度が高いほど、或いは購入時期が早いほど、アイテムの獲得がより有利な特別ショップが出現するようになるため、ユーザは、より多くの額の仮想通貨を購入したり、より早くアイテムを購入するようになる。従って、仮想通貨の購入の効果的な動機づけをユーザに与えることができる。
図12は、仮想通貨の購入状況に応じた特別ショップの設定処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ユーザの仮想通貨の購入情報を読み出す(ステップS1)。例えば図2のユーザ情報記憶部678(広義には記憶部)から、ユーザ情報(ユーザID)に関連づけられた図10に示すような購入情報を読み出す。そして、読み出された購入情報に基づいて、ユーザの購入額、購入累計額、購入頻度、又は購入時期等の購入状況を判断する(ステップS2)。例えば後述するような仮想通貨の購入状況の評価値を求める。
次に特別ショップの出現条件が満たされたか否かを判断する(ステップS3)。例えばユーザが所定額以上の仮想通貨を購入した場合等に、特別ショップの出現条件が満たされたと判断する。そして、出現条件が満たされた場合には、ユーザの仮想通貨の購入状況に応じて、出現させる特別ショップの設定処理を行う(ステップS4)。例えば、通常ショップを変更することで、特別ショップを出現させるのか、或いは、複数の特別ショップの中からの選択により特別ショップを出現させるのかを判断する。或いは、出現させる特別ショップでのアイテムや仮想抽選器のラインアップの設定を行う。或いは、出現させる特別ショップの種別、ランク又は出現期間の設定を行う。そして、このように設定された特別ショップを出現させる処理を行う(ステップS5)。例えば図6(B)〜図8(B)に示すような特別ショップのショップ画面をユーザに対して表示可能にする。
図13は、特別ショップの設定処理の詳細例を示すフローチャートである。まず、ユーザの仮想通貨の購入状況に基づいて、出現させる特別ショップのランク、種別等を決定する(ステップS11)。例えば図11のショップ情報で説明したショップのランク、種別等を決定する。またユーザの仮想通貨の購入状況に応じて、特別ショップの出現期間を設定する(ステップS12)。例えば特別ショップの出現期間の長さ又は時期等を設定する。
そして出現対象となる複数の特別ショップ(図11のショップ情報)の中から、決定されたランク、種別等に対応する特別ショップを抽出する(ステップS13)。例えばユーザの仮想通貨の購入額、購入累計額又は購入頻度が高く、ステップS11で決定されたショップのランクが高かった場合には、図11のショップ情報において、ランクが高い特別ショップ(例えばSランク、Aランク等)を、出現させる特別ショップとして選択する。一方、ユーザの仮想通貨の購入額、購入累計額又は購入頻度が低く、ステップS11で決定されたショップのランクが低かった場合には、図11のショップ情報において、ランクが低い特別ショップ(例えばCランク、Bランク等)を、出現させる特別ショップとして選択する。そして、抽出された特別ショップを、設定された出現期間において出現させる(ステップS14)。例えばステップS12で設定された特別ショップの出現期間が長かった場合には、長い期間に亘って特別ショップを出現させる。またステップS12で、出現期間の時期も設定された場合には、その時期における出現期間において特別ショップを出現させる。
図14(A)〜図15は仮想通貨の購入状況に応じた処理例についての説明図である。例えば本実施形態では仮想通貨の購入状況についての評価値を求める。この評価値は、例えば仮想通貨の購入額、購入累計額、購入頻度又は購入時期等に基づいて求めることができる。例えば購入額、購入累計額又は購入頻度が高いほど、或いは購入時期が早いほど、当該評価値は高くなる。逆に購入額、購入累計額又は購入頻度が低いほど、或いは購入時期が遅いほど、当該評価値は低くなる。そして図14(A)では、この仮想通貨の購入状況の評価値に基づいて、出現させる特別ショップのランクが設定される。具体的には購入状況の評価値が高いほど、高いランクの特別ショップが出現するようになる。高いランクの特別ショップでは、より価値の高いアイテム(レア度が高いアイテム)や、ゲーム等においてユーザをより有利にするアイテムの獲得が可能になっている。或いは、高いランクの特別ショップでは、アイテムの割引率が高かったり、在庫数が多かったり、アイテムの当たりの確率が低い仮想抽選器が用意されている。
このように仮想通貨の購入状況の評価値に応じて、出現させる特別ショップのランクを高いランクに決定すれば、例えば仮想通貨の購入額が多いなどして、購入状況の評価値が高いユーザに対して、より高いランクの特別ショップを出現させることができる。従って、高いランクの特別ショップの出現を望むユーザは、より多い額の仮想通貨を購入するようになり、仮想通貨の購入の効果的な動機づけをユーザに与えることができる。
また図14(B)では、ユーザの仮想通貨の購入状況の評価値に応じて、特別ショップの出現期間が設定されている。具体的には購入状況の評価値が高いほど、特別ショップの出現期間(オープン期間)が長くなっている。例えば特別ショップは特定の出現期間の間だけ、オープンしており、仮想通貨の購入額が多いなどして、購入状況の評価値が高いユーザに対しては、より長い期間の間、特別ショップをオープンさせる。例えば評価値が低いユーザに対しては、特別ショップの出現期間は例えば3日になるが、評価値が高いユーザに対しては、特別ショップの出現期間は例えば1週間になる。このようにすれば、ユーザの仮想通貨の購入状況を反映させた特別ショップの出現期間の設定処理を実現できる。そして、特別ショップの長い出現期間を望むユーザは、より多い額の仮想通貨を購入するようになり、仮想通貨の購入の効果的な動機づけをユーザに与えることができる。
また図15では、特別ショップの出現期間での経過時間に応じて、例えばアイテムのラインアップ数やお買い得度が低くなる。例えば特別ショップの出現開始タイミングでは、アイテムのラインアップ数やお買い得度が高いが、時間の経過と共にラインアップ数やお買い得度が低くなって行く。このようにすれば、ユーザは、特別ショップでアイテム等を早期に購入するようになり、仮想通貨の消費の効果的な動機づけをユーザに与えることができる。
そして図15に示すように、仮想通貨の購入状況の評価値が高い場合は、評価値が低い場合に比べて、アイテムのラインアップ数やお買い得度の時間経過による減少率(単位時間当たりの変化量)が小さくなっている。従って、仮想通貨の購入額が多いなどして評価値が高いユーザについては、出現期間でのアイテムのラインアップ数やお買い得度の減少度が低くなり、購入状況の評価値が高いユーザを、より優遇することが可能になる。
2.3 特別ショップでの仮想通貨の消費状況に応じた処理
本実施形態では、特別ショップでの仮想通貨の消費状況に応じた種々の処理を行う。仮想通貨の消費状況は、例えば特別ショップでの仮想通貨の消費額、消費時期又は消費頻度等である。この仮想通貨の消費状況は、例えば特別ショップでのアイテムの購入状況や仮想抽選器の抽選プレイの状況に対応する。
例えば本実施形態では、特別ショップでのユーザの仮想通貨の消費状況に応じて、ゲーム処理のゲームパラメータの設定処理を行う。具体的には、特別ショップでの仮想通貨の消費額が大きいほど、或いは仮想通貨の消費時期が早いほど、ゲームパラメータを有利な設定に変化させる。このようにすれば、仮想通貨の消費状況により、ゲーム処理のゲームパラメータが様々に変化するようになり、ユーザの仮想通貨の消費等を促すことが可能になる。そして、消費額が大きいほど、或いは消費時期が早いほど、ゲームパラメータが有利な設定に変化するため、より多くの額の仮想通貨を消費したり、より早く仮想通貨を消費することを、ユーザに促すことができる。なお、特別ショップでの仮想通貨の消費額は、特別ショップでのアイテムの購入額、仮想抽選器のプレイ金額(抽選に対して支払う額)である。また特別ショップの仮想通貨の消費時期は、特別ショップでのアイテムの購入時期、仮想抽選器のプレイ時期に対応する。
例えば本実施形態では、特別ショップでのユーザの仮想通貨の消費状況に応じて、ユーザに対応するキャラクタのパラメータの設定処理を行う。例えば図5のキャラクタCHや、或いはキャラクタCS1、CS2のパラメータ(攻撃力、守備力等のパラメータ)の設定処理(変化処理等)を行う。このようにすれば、仮想通貨の消費状況を、そのユーザのキャラクタのパラメータに反映させることができる。そして、キャラクタのパラメータを、より有利な設定にするために、ユーザが仮想通貨を消費するようになるため、仮想通貨の消費の効果的な動機づけをユーザに与えることができる。
図16は特別ショップでの仮想通貨の消費状況に応じたゲームパラメータの設定処理のフローチャートである。
まず、特別ショップでのユーザの仮想通貨の消費額、消費時期、又は消費頻度等の消費状況を判断する(ステップS21)。例えば後述するような仮想通貨の消費状況の評価値を求める。次に、特別ショップでのユーザの仮想通貨の消費状況に応じて、アイテムのパラメータ又はキャラクタのパラメータ等のゲームパラメータを設定する(ステップS22)。例えば仮想通貨の消費状況に基づいて、ゲームパラメータの値を様々に変化させる。そしてゲーム処理を行う場合には、仮想通貨の消費状況に応じて設定されたゲームパラメータに基づいてゲーム処理を実行する(ステップS23、S24)。例えば特別ショップでの仮想通貨の消費額が大きいほど、或いは仮想通貨の消費時期が早いほど、ゲームパラメータをより有利な設定にする。
図17は特別ショップでの仮想通貨の消費状況に基づくゲームパラメータの設定処理についての説明図である。例えば本実施形態では特別ショップでの仮想通貨の消費状況についての評価値を求める。この評価値は、例えば特別ショップでの仮想通貨の消費額、消費時期、又は消費頻度等に基づいて求めることができる。例えば消費額や消費頻度が高いほど、或いは消費時期が早いほど、当該評価値は高くなる。逆に、消費額や消費頻度が低いほど、或いは消費時期が遅いほど、当該評価値は低くなる。例えば出現した特別ショップで、多くのアイテムを頻繁に購入したり、仮想抽選器による抽選を頻繁に行うと、消費状況の評価値が高くなる。また特別ショップが出現してから、早い時期に、当該特別ショップでアイテムを購入したり、仮想抽選器の抽選プレイを行うと、消費状況の評価値は高くなる。
そして図17では、この仮想通貨の消費状況の評価値に基づいて、アイテムのパラメータやキャラクタのパラメータ等のゲームパラメータが設定される。具体的には、特別ショップでの仮想通貨の消費状況の評価値が高いほど、ゲームパラメータはより有利な設定になる。例えばアイテムのパラメータを、ゲームにおいてより有利な効果を発生する設定にしたり、ユーザに対応するキャラクタの攻撃力や守備力のパラメータを上昇させる。こうすることで、仮想通貨の消費状況の評価値が高いユーザは、自身がプレイするゲームを、より有利に進めることが可能になる。従って、当該ユーザは、出現した特別ショップにおいて、積極的にアイテムを購入したり、仮想抽選器をプレイするようになり、仮想通貨をより消費するようになる。従って、仮想通貨の消費の効果的な動機づけをユーザに与えることができ、仮想通貨の消費を促すことが可能になる。このため、例えば仮想通貨の残高がゼロになったり、ゼロに近づくと、ユーザは更に仮想通貨を購入するようになる。従って、仮想通貨の購入によるユーザへの課金が促進され、効率的な課金処理を実現することが可能になる。
また本実施形態では、特別ショップでのユーザの仮想通貨の消費状況に応じて、ゲーム進行の変化処理を行ってもよい。図18は、仮想通貨の消費状況に応じたゲーム進行の変化処理の一例を示すフローチャートである。
まず、特別ショップでの仮想通貨の消費額、消費時期又は消費頻度等に基づいて、仮想通貨の消費状況の評価値を算出する(ステップS31)。そして消費状況の評価値がしきい値VT1を越えたか否かを判断する(ステップS32)。ここでは評価値は、消費額、消費頻度が高いほど、或いは消費時期が早いほど、高い値になっている。消費状況の評価値がしきい値VT1を越えている場合には、しきい値VT2を越えたか否かを判断する(ステップS33)。しきい値VT2はVT1よりも大きな値である。そして、消費状況の評価値がしきい値VT1を越えているが、VT2は越えていない場合には、有利度AD1の対戦イベント、抽選イベント等のゲームイベントを発生する(ステップS33、S34)。一方、消費状況の評価値がしきい値VT2を越えている場合には、有利度AD2の対戦イベント、抽選イベント等を発生させる(ステップS33、S35)。この有利度AD2はAD1よりも大きい。即ち、ステップS35で発生した有利度AD2のゲームイベントでは、ステップS34で発生した有利度AD1のゲームイベントよりも、ユーザは、より有利に対戦イベントのゲームをプレイしたり、より有利な設定の抽選イベントをプレイできるようになる。
このような本実施形態の手法によれば、特別ショップでのユーザの仮想通貨の消費状況が反映したゲームイベントが発生するようになる。従って、例えば、より有利なゲームイベントの発生を望むユーザは、特別ショップにおいて多数のアイテムを購入したり、仮想抽選器の抽選をたくさんプレイするようになる。従って、仮想通貨の消費の効果的な動機づけをユーザに与えることができ、仮想通貨の消費を促すことが可能になる。このため、ユーザが更に仮想通貨を購入するようになり、ユーザに対する効率的な課金処理を実現することが可能になる。
また本実施形態では特別ショップでのユーザの仮想通貨の消費状況に応じて、特別ショップでのアイテムの割引処理や、特別ショップで獲得可能なアイテムの変化処理を行う。図19(A)、図19(B)は、このようなアイテムの割引処理や変化処理の説明図である。
例えば図19(A)では、特別ショップでの仮想通貨の消費状況の評価値が高いほど、特別ショップでのアイテムの割引率を高くしている。即ち、より少ない価格の仮想通貨で、アイテムを購入できるように、特別ショップでの割引処理(ディスカウント)を行う。或いは、仮想抽選器のプレイ料金の割引処理を行ってよい。このように、仮想通貨の消費状況の評価値に応じた割引処理を行えば、アイテム等の割引率が高いことが動機づけとなって、特別ショップでのユーザの仮想通貨の消費を促すことが可能になる。従って、更なるユーザの仮想通貨の購入を促進でき、効率的な課金処理の実現が可能になる。
また図19(B)では、特別ショップでの仮想通貨の消費状況の評価値が高いほど、特別ショップでのアイテムのラインアップ数を多くしたり、特別ショップで取得可能なアイテムのレア度を高くしている。即ち、特別ショップで取得可能なアイテムの変化処理を行っている。なお、特別ショップでの仮想抽選器のラインアップ数を多くしたり、抽選により当たるアイテムのレア度を高くしてもよく、これによっても特別ショップで取得可能なアイテムの変化処理が実現される。このように、仮想通貨の消費状況の評価値に応じたアイテムの変化処理を行えば、アイテムのラインアップ数の増加やレア度の上昇が動機づけとなって、特別ショップでのユーザの仮想通貨の消費を促すことが可能になる。従って、更なるユーザの仮想通貨の購入を促進でき、効率的な課金処理の実現が可能になる。
また本実施形態では、特別ショップでのユーザの仮想通貨の消費状況に応じて、新たな特別ショップを出現させる。図20は、仮想通貨の消費状況に応じた新たな特別ショップの出現処理のフローチャートである。
まず、特別ショップでの仮想通貨の消費額、消費時期又は消費頻度等に基づいて、仮想通貨の消費状況の評価値を算出する(ステップS41)。次に、算出された消費状況の評価値がしきい値VTAを越えたか否かを判断する(ステップS42)。そして消費状況の評価値がしきい値VTAを越えた場合には、新たな特別ショップを出現させる処理を行う(ステップS43)。例えば、現在、出現している特別ショップとは異なる特別ショップを出現させる。例えばランク、種別、或いは購入可能なアイテムやプレイ可能な仮想抽選器が異なる新たな特別ショップを出現させる。
このようにすれば、ユーザは、新たな特別ショップを出現させることが動機づけとなって、現在、出現している特別ショップにおいて、アイテムを購入したり、仮想抽選器をプレイして、より多くの仮想通貨を消費するようになる。従って、仮想通貨の消費の連鎖を生み出すことができ、ユーザの更なる仮想通貨の購入を促進できるようになるため、効率的な課金処理の実現が可能になる。
2.4 ゲームイベントによる特別ショップの出現
本実施形態では、ゲーム処理により所与のゲームイベントを発生する。そしてゲームイベントが発生した場合に、ユーザの仮想通貨の購入情報に基づいて、特別ショップを出現させる。例えば特定のゲームイベントが発生し、且つ、ユーザの仮想通貨の購入情報に基づく出現条件が満たされた場合に、特別ショップを出現させる。そしてこの場合に、例えば、発生したゲームイベントに対応したアイテムの獲得が可能な特別ショップを出現させる。
例えば図21では、このようなゲームイベントとして、ボスキャラクタCHBSが出現するイベントを発生させている。例えばネットワークゲームなどにおいては、デイリーイベントとして、このようなボスキャラクタCHBSの出現のゲームイベントを発生させる。そしてユーザは、このボスキャラクタCHBSを倒すことで、ボスキャラクタCHBSが所持する貴重なアイテムを獲得することができる。一例としては、ネットワークゲームに参加するユーザのうち、出現したボスキャラクタCHBSを最初に倒したユーザ(又はユーザが属するチーム)が、このボスキャラクタCHBSの所持アイテムを総取りできる。従って、ネットワークゲームに参加するユーザは、このボスキャラクタCHBSを倒す対戦ゲームに熱中して、躍起になってボスキャラクタを倒そうとする。
この時、本実施形態では、図21のF1に示すように、ボス用特別ショップを出現させる。即ち、図21に示すようなゲームイベントが発生し、且つ、ユーザの仮想通貨の購入情報に基づく出現条件が満たされた場合に、ボス用特別ショップを出現させる。具体的には、F1に示すように、ボス用特別ショップがオープンしたことをユーザに通知し、その通知を見たユーザがF2に示すアイコン(タブ)を選択すると、そのボス用特別ショップのショップ画面に移行できるようにする。
このボス用特別ショップは、ボスキャラクタCHBSとの対戦においてユーザを有利にするアイテムの獲得が可能な特別ショップとなっている。即ち、このようなアイテムがボス用特別ショップのラインアップとして用意される。例えばボスキャラクタCHBSが火の属性(広義には第1の属性)であった場合には、この火の属性に対して強い水の属性(広義には、第1の属性に対して優位な第2の属性)のアイテムが、ボス用特別ショップにラインアップとして用意され、ユーザが購入可能(獲得可能)になる。また、ボスキャラクタCHBSが、攻撃力が非常に強いキャラクタである場合には、ユーザのキャラクタCH、CS1、CS2の防御力を大幅にアップできるアイテム(防具等)が、ボス用特別ショップにおいて購入可能になる。また、ボスキャラクタCHBSが、守備力が非常に強いキャラクタである場合には、ユーザのキャラクタCH、CS1、CS2の攻撃力を大幅にアップできるアイテム(武器等)が、ボス用特別ショップにおいて購入可能になる。またボスキャラクタCHBSが毒攻撃や魔法攻撃などを行う場合には、毒の治療を行うアイテムや、魔法攻撃を弱めるアイテムが、ボス用特別ショップにおいて購入可能になる。
このようなボス用特別ショップが出現すると、ユーザは、ボスキャラクタCHBSを倒すために、ボス用特別ショップにおいて仮想通貨をたくさん消費して、躍起になってアイテムを購入するようになる。即ち、仮想通貨を消費することの効果的な動機づけをユーザに与えることができ、仮想通貨の消費を効果的に促すことが可能になる。これにより、効率的な課金処理を実現できるようになる。
また本実施形態において、図21のようなゲームイベントが発生した場合に、発生したゲームイベントに対応したアイテムの獲得が可能な特別ショップを出現させている。例えば図21では、このような特別ショップとしてボス用特別ショップを出現させている。
この場合の特別ショップで獲得可能な、ゲームイベントに対応したアイテムとしては、種々のアイテムを想定できる。例えばゲームイベントに対応したアイテムは、ユーザをより有利な設定にするアイテムである。ユーザをより有利な設定にするアイテムは、例えばユーザのゲームクリアをより容易にするアイテムである。図21の例では、ボスキャラクタCHBSとの対戦において、ユーザをより有利に設定するアイテムである。例えばユーザをより有利に設定するアイテムは、ボスキャラクタCHBSの属性に対して優位な属性を有するアイテムである。また、ユーザをより有利に設定するアイテムは、例えばボスキャラクタCHBSの攻撃力が高い場合には、ユーザのキャラクタCH、CS1、CS2の防御力を高めるアイテムであり、ボスキャラクタCHBSの守備力が高い場合には、ユーザのキャラクタCH、CS1、CS2の攻撃力を高めるアイテムである。
また、ゲームイベントに対応したアイテムは、ゲームイベントで獲得されるアイテムとの合成対象となるアイテムであってもよい。例えば図21の対戦においてボスキャラクタCHBSを倒すと、ユーザは、ボスキャラクタCHBSの所持アイテムを獲得できる。そしてボス用特別ショップでは、このようにして獲得したボスキャラクタCHBSの所持アイテムとの合成対象となるアイテムを販売している。ユーザは、このアイテムを購入して、ボスキャラクタCHBSの所持アイテムとのアイテム合成を行うことで、更に強力なアイテムを獲得できる。即ち、ユーザのゲームプレイを更に有利にする特別なアイテムを獲得できるようになる。
ゲームイベントに対応したアイテムとして、このようなアイテムを購入可能にすれば、ユーザは、ゲームを有利に進めたり、アイテム合成により更に貴重なアイテムを獲得するために、特別ショップでのアイテム購入を積極的に行うようになる。これにより、ユーザの仮想通貨の消費を促すことができ、効率的な課金処理を実現できるようになる。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語(獲得等)と共に記載された用語(購入等)は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、ゲーム処理、仮想通貨の購入処理、ショップ処理、購入情報の管理処理、特別ショップの出現処理等も本実施形態で説明したものに限定されず、これらと均等な手法も本発明の範囲に含まれる。