JP6554717B2 - 磁気共鳴装置およびプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、拡散情報を含むデータを収集する磁気共鳴装置、およびこの磁気共鳴装置に適用されるプログラムに関する。
近年、拡散強調イメージング(DWI:Diffusion Weighted Imaging)が普及している。DWIは、MPG(Motion Probing Gradient)と呼ばれる磁場強度の大きい勾配磁場を印加することによって、撮影部位の拡散情報を含む拡散強調画像を取得する方法である。拡散強調画像を用いることにより、見かけの拡散係数(ADC:Apparent Diffusion Coefficient)など、種々の拡散情報を取得することができる。しかし、MPGの印加中に、拍動、蠕動により組織(tissue)が動いてしまうと、画像強度の損失(image intensity loss)が生じることが知られている。このような損失が生じると、見かけの拡散係数(以下、「ADC」と呼ぶ)の値の推定誤差が大きくなるという問題がある。そこで、この問題に対処するために、モジュレーションマップ(Modulation Map)を用いて準同型フィルタリング(Homomorphic Filtering)を実行する方法が知られている(非特許文献1参照)。
特開2012−157687号公報
Lim, Two-dimensional signal and image processing, Prentice Hall, 1990
しかし、準同型フィルタリングを実行した場合、画像のコントラストが変化するという問題がある。
したがって、できるだけコントラストの変化を生じさせない技術が望まれている。
本発明の第1の観点は、複数の部位を含む撮影部位を横切るスライスから拡散情報を含むデータを収集するための第1のシーケンスを複数回実行するスキャン手段と、
前記第1のシーケンスを複数回実行することにより収集されたデータに基づいて、拡散情報を含む複数の第1の画像を作成する第1の画像作成手段と、
前記第1の画像ごとに、前記第1の画像のうちの画像強度の損失が生じた第1の部分において画像強度を復元するための第1のフィルタリングを実行する第1のフィルタ手段であって、前記第1の画像の中の第2の部分において前記第1のフィルタリングを実行しない第1のフィルタ手段とを有する磁気共鳴装置である。
本発明の第2の観点は、複数の部位を含む撮影部位を横切るスライスから拡散情報を含むデータを収集するための第1のシーケンスを複数回実行する磁気共鳴装置に適用されるプログラムであって、
前記第1のシーケンスを複数回実行することにより収集されたデータに基づいて、拡散情報を含む複数の第1の画像を作成する第1の画像作成処理と、
前記第1の画像ごとに、前記第1の画像のうちの画像強度の損失が生じた第1の部分において画像強度を復元するための第1のフィルタリングを実行する第1のフィルタ処理であって、前記第1の画像の中の第2の部分において前記第1のフィルタリングを実行しない第1のフィルタ処理と、
をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
第1の画像の中の第2の部分において第1のフィルタリングが実行されないので、コントラストの変化を防止することができる。
本発明の一形態の磁気共鳴装置の概略図である。 プロセッサ9が実行する処理を示す図である。 MR装置の動作フローを示す図である。 スキャンを実行するときに設定されるスライスを示す図である。 スライスの拡散強調画像を取得するためのスキャンSCの説明図である。 スキャンSC1の説明図である。 シーケンスE1の一例を示す図である。 期間V1のシーケンスE1〜E3により得られた拡散強調画像DW11、DW21、DW31(b=b1)を概略的に示す図である。 期間V2のシーケンスE1〜E3により得られた拡散強調画像を概略的に示す図である。 期間VnにおいてシーケンスE1、E2、およびE3を実行することにより取得された拡散強調画像を概略的に示す図である。 スキャンSC2の説明図である。 シーケンスF1の一例を示す図である。 期間W1〜Wnにおいて取得された拡散強調画像を概略的に示す図である。 拡散強調画像DW11の一例を示す図である。 拡散強調画像DW11〜DW1nを示す図である。 SDマップの作成方法を概略的に示す図である。 スライス2のSDマップ2およびスライス3のSDマップ3を概略的に示す図である。 b=b2において、スライスごとに取得されたSDマップを概略的に示す図である。 SDマップの一例を示す図である。 マスクMK1〜MK3を作成する方法の説明図である。 マスクMK4〜MK6を作成する方法の説明図である。 マスクMK1の具体的な一例を示す図である。 モジュレーションマップの作成方法の説明図である。 準同型フィルタリングが実行される領域を限定せずに式(1)を用いて準同型フィルタリングを実行する例の説明図である。 準同型フィルタリングが実行される領域を限定し、式(1)を用いて準同型フィルタリングを実行する例の説明図である。 b=b1における準同型フィルタ画像を示す図である。 b=b2における準同型フィルタ画像を示す図である。 差分画像DIFの一例を示す図である。 マスクMK1をローパルフィルタリングするときの説明図である。 差分画像DIFをローパスフィルタリングするときの説明図である。 第2項の説明図である。 第1項の説明図である。 画像部分D1およびD2を加算するときの説明図である。 b=b1における復元画像を示す図である。 b=b2における復元画像を示す図である。 復元画像の合成方法の一例を示す図である。 合成画像DCの一例を示す図である。 b=b2におけるスライス1の合成画像DCを概略的に示す図である。 シミュレーション条件の説明図である。 シミュレーション結果を示す図である。 ADCマップを示す図である。
以下、発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、以下の形態に限定されることはない。
図1は、本発明の一形態の磁気共鳴装置の概略図である。
磁気共鳴装置(以下、「MR装置」と呼ぶ)100は、マグネット2、テーブル3、受信RFコイル4などを有している。
マグネット2は、被検体13が収容されるボア21を有している。また、マグネット2は、超伝導コイル、勾配コイル、RFコイルなど(図示せず)を有している。超伝導コイルは静磁場を印加し、勾配コイルは勾配磁場を印加し、RFコイルはRFパルスを印加する。
テーブル3は、被検体13を支持するためのクレードル3aを有している。クレードル3aは、ボア21内に移動できるように構成されている。クレードル3aによって、被検体13はボア21に搬送される。
受信RFコイル(以下、単に「コイル」と呼ぶ)4は、被検体13の胴部に取り付けられている。
MR装置100は、更に、送信器5、勾配磁場電源6、受信器7、コンピュータ8、操作部11、および表示部12などを有している。
送信器5はRFコイルに電流を供給し、勾配磁場電源6は勾配コイルに電流を供給する。受信器7は、コイル4が受信した信号に対して、検波などの信号処理を行う。尚、マグネット2、送信器5、勾配磁場電源6、受信器7を合わせたものがスキャン手段に相当する。
コンピュータ8はMR装置100の各部の動作を制御する。コンピュータ8はプロセッサ9およびメモリ10などを有している。
メモリ10には、プロセッサ9により実行されるプログラムが記憶されている。プロセッサ9は、メモリ10に記憶されているプログラムを読み出し、プログラムに記述されている処理を実行する。図2に、プロセッサ9が実行する処理を示す。
画像作成手段91は、スキャンにより収集されたデータに基づいて画像を作成する。
マスク作成手段92は、準同型フィルタリングを実行するときに使用するマスク(図22参照)を作成する。マスクの詳細については後述する。
モジュレーションマップ作成手段93は、準同型フィルタリングを実行するときに使用するモジュレーションマップ(図23参照)を作成する。モジュレーションマップの詳細については後述する。
準同型フィルタ手段94は、マスクとモジュレーションマップを用いて、画像作成手段91により作成された画像に対して準同型フィルタリングを実行する。準同型フィルタ手段94は第1のフィルタ手段に相当する。
差分画像作成手段95は、後述する差分画像(図28参照)を作成する。
ローパスフィルタ手段96は、マスクや差分画像に対してローパルフィルタリングを実行する。ローパルフィルタ手段96は第2のフィルタ手段に相当する。
復元画像作成手段97は、後述する式(3)に基づいて復元画像を求める。復元画像作成手段97は第2の画像作成手段に相当する。
合成画像作成手段98は、復元画像を合成することにより合成画像を作成する。
ADCマップ作成手段99は、合成画像に基づいてADCマップを作成する。
プロセッサ9は、画像作成手段91〜ADCマップ作成手段99を構成する一例であり、メモリ10に記憶されているプログラムを実行することにより、これらの手段として機能する。
操作部11は、オペレータにより操作され、種々の情報をコンピュータ8に入力する。表示部12は種々の情報を表示する。
MR装置100は、上記のように構成されている。
本形態では、MR装置100を用いて被検体をスキャンし、スキャンにより得られたデータに基づいてADCマップを作成する。以下に、MR装置100の動作フローについて説明する。
図3は、MR装置の動作フローを示す図である。
ステップST1では、拡散強調画像を取得するためのスキャンが実行される(図4および図5参照)。
図4はスキャンを実行するときに設定されるスライスを示す図、図5はスライスの拡散強調画像を取得するためのスキャンSCの説明図である。
本形態では、肝臓を横切る位置にスライスが設定される。図4では、説明の便宜上、3枚のスライス1〜3が設定された例が示されている。
スキャンSCは、2つのスキャンSC1およびSC2に分けられる。スキャンSC1は、拡散強調の強さを表すb値がb=b1に設定されたMPG(Motion Probing Gradient)を有するシーケンスによりスライス1〜3の拡散情報を取得するためのスキャンである。一方、スキャンSC2は、b=b2に設定されたMPGを有するシーケンスによりスライス1〜3の拡散情報を取得するためのスキャンである。
図6はスキャンSC1の説明図である。
図6には、各スライスのNEX(Number of Excitation:励起回数)がn回の例(NEX=n)が示されている。スキャンSC1は、n個の期間V1〜Vnを有している。各期間では、3つのシーケンスE1、E2、およびE3が実行される。したがって、スキャンSC1では、3つのシーケンスE1、E2、およびE3のセットがn回実行される。以下に、スキャンSC1の期間V1〜Vnで実行されるシーケンスE1、E2、E3について説明する。
スキャンSC1では、先ず、期間V1において、シーケンスE1が実行される(図7参照)。
図7は、シーケンスE1の一例を示す図である。
シーケンスE1は、以下のパルス(1)〜(4)を有している。
(1)RFパルス
(1a)スライスを励起するための励起パルスα1
(1b)スピンを再収束させるためのリフォーカスパルスα2
(2)スライス選択方向の勾配パルス
(2a)スライスを選択するためのスライス選択勾配パルスGs1およびGs2
(3)周波数エンコード方向の勾配パルス
(3a)勾配パルスGfs
(3b)b=b1のMPG
(3c)エコーを収集するための読出し勾配パルスGre
(4)位相エンコード方向の勾配パルス
(4a)勾配パルスGps
(4b)位相エンコード勾配パルスGp
シーケンスE1は、スライス1を励起し、スライス1の拡散強調画像(b=b1)の再構成に必要なk空間のデータを収集する。本形態では、シーケンスE1は、スライス1の拡散強調画像(b=b1)の再構成に必要なk空間の全データを1回のショットで収集する(シングルショット法)。画像作成手段91(図2参照)は、シーケンスE1により収集されたデータに基づいて、拡散強調画像を作成する。
シーケンスE1が終了した後、シーケンスE2が実行される。
シーケンスE2も、シーケンスE1と同様に、図7に示すシーケンスチャートで表される。ただし、シーケンスE2は、スライス2が励起されるようにRFパルスの周波数が設定されている。シーケンスE2は、スライス2を励起し、スライス2の拡散強調画像(b=b1)の再構成に必要なk空間のデータを収集する。画像作成手段91は、シーケンスE2により収集されたデータに基づいて、拡散強調画像を作成する。
シーケンスE2が終了した後、シーケンスE3が実行される。
シーケンスE3も、シーケンスE1と同様に、図7に示すシーケンスチャートで表される。ただし、シーケンスE3は、スライス3が励起されるようにRFパルスの周波数が設定されている。シーケンスE3は、スライス3を励起し、スライス3の拡散強調画像(b=b1)の再構成に必要なk空間のデータを収集する。画像作成手段91は、シーケンスE3により収集されたデータに基づいて、拡散強調画像を作成する。
したがって、期間V1においてシーケンスE1、E2、およびE3を実行することにより、スライス1〜3の各々の拡散強調画像を取得することができる。図8に、期間V1のシーケンスE1〜E3により得られた拡散強調画像DW11、DW21、DW31(b=b1)を概略的に示す。
期間V1の後、次の期間V2においてシーケンスが実行される。
期間V2でも、期間V1と同様に、シーケンスE1、E2、およびE3が実行される。したがって、期間V2でも、スライス1〜3の各々の拡散強調画像(b=b1)を取得することができる。図9に、期間V2のシーケンスE1〜E3により得られた拡散強調画像を概略的に示す。図9では、期間V1で取得された拡散強調画像と、期間V2で取得された拡散強調画像とを区別するために、期間V2で取得された拡散強調画像を符号「DW12」、「DW22」、「DW32」で示してある。
以下同様に、3つのシーケンスE1、E2、およびE3のセットが繰り返し実行される。そして、スキャンSC1の最後の期間Vnにおいて、シーケンスE1、E2、およびE3が実行される。図10に、期間VnにおいてシーケンスE1、E2、およびE3を実行することにより取得された拡散強調画像を概略的に示す。図10では、期間Vnで取得された拡散強調画像を符号「DW1n」、「DW2n」、「DW3n」で示してある。
次に、スキャンSC2について説明する。
図11はスキャンSC2の説明図である。
図11は、図6と同様に、NEX=nの例を示している。スキャンSC2は、n個の期間W1〜Wnを有している。各期間では、3つのシーケンスF1、F2、およびF3が実行される。したがって、スキャンS2では、3つのシーケンスF1、F2、およびF3のセットがn回実行される。以下に、スキャンSC2の期間W1〜Wnで実行されるシーケンスF1、F2、F3について説明する。
スキャンSC2では、先ず、期間W1において、シーケンスF1が実行される(図12参照)。
図12は、シーケンスF1の一例を示す図である。
シーケンスF1は、シーケンスE1(図7参照)と比較すると、b=b2に設定されたMPGを有しているが、その他のパルスは、シーケンスE1と同じである。したがって、シーケンスF1は、スライス1を励起し、スライス1の拡散強調画像(b=b2)の再構成に必要なk空間のデータを収集する。画像作成手段91は、シーケンスF1により収集されたデータに基づいて、拡散強調画像を作成する。
シーケンスF1が終了した後、シーケンスF2が実行される。
シーケンスF2も、シーケンスF1と同様に、図12に示すシーケンスチャートで表される。ただし、シーケンスF2は、スライス2が励起されるようにRFパルスの周波数が設定されている。シーケンスF2は、スライス2を励起し、スライス2の拡散強調画像(b=b2)の再構成に必要なk空間のデータを収集する。画像作成手段91は、シーケンスF2により収集されたデータに基づいて、拡散強調画像を作成する。
シーケンスF2が終了した後、シーケンスF3が実行される。
シーケンスF3も、シーケンスF1と同様に、図12に示すシーケンスチャートで表される。ただし、シーケンスF3は、スライス3が励起されるようにRFパルスの周波数が設定されている。シーケンスF3は、スライス3を励起し、スライス3の拡散強調画像(b=b2)の再構成に必要なk空間のデータを収集する。画像作成手段91は、シーケンスF3により収集されたデータに基づいて、拡散強調画像を作成する。
以下同様に、期間W2〜Wnについても、3つのシーケンスF1、F2、およびF3のセットが繰り返し実行される。したがって、スキャンSC2を実行することにより、1枚のスライスにつき、n枚の拡散強調画像を取得することができる。図13に、期間W1〜Wnにおいて取得された拡散強調画像を概略的に示す。
このようにして、スキャンSC1およびSC2が実行される。スキャンSC1およびSC2は被検体が息止めしている間に実行してもよいし、呼吸同期法を用いて実行してもよい。
ただし、MPGの印加中に、拍動、蠕動などが原因で器官が動いてしまうと、器官の動きの影響を受けて、拡散強調画像に画像強度の損失(信号損失)が現れることが知られている。図14に、拡散強調画像DW11の一例を示す。図14では、拡散強調画像DW11の中の一部(例えば、肝臓の左葉、胃、および脾臓)に、画像強度の損失LO1、LO2、およびLO3が現れている。このような画像強度の損失は、後述するステップST8においてADCマップを作成する場合、ADC値の誤差の原因になるので、拡散強調画像DW11の中で画像強度の損失が生じている部分の画像強度はできるだけ復元する必要がある。そこで、本形態では、スキャンSC1およびSC2を実行した後、画像強度を復元するためにステップST2を実行する。以下に、ステップST2について説明する。尚、ステップST2は、ステップST21およびST22を有しているので、ステップST21およびST22について順に説明する。
ステップST21では、マスク作成手段92(図2参照)が、後述するステップST22で使用するマスク(図22参照)を作成する。以下に、マスクの作成方法について説明する。
先ず、マスク作成手段92は、b=b1のスキャンSC1により得られた拡散強調画像の中から、スライス1の拡散強調画像DW11〜DW1nを選択する。図15に、選択された拡散強調画像DW11〜DW1nを示す。
次に、マスク作成手段92は、拡散強調画像DW11〜DW1nのピクセル値の標準偏差を表すSDマップを作成する。図16に、SDマップの作成方法を概略的に示す。
マスク作成手段92は、拡散強調画像DW11〜DW1nから同じ位置のピクセルのピクセル値を選択し、選択したピクセル値の標準偏差を求める。例えば、拡散強調画像DW11〜DW1nのピクセルPaのピクセル値の標準偏差を求める場合、マスク作成手段92は、拡散強調画像DW11〜DW1nからピクセルPaのピクセル値Xa1〜Xanを選択する。そして、ピクセル値Xa1〜Xanの標準偏差σaを計算する。このようにして計算された標準偏差σaが、SDマップ1のピクセルPaにおける値として用いられる。
上記の説明では、SDマップのピクセルPaにおける標準偏差σaを求める方法について説明したが、SDマップの他のピクセルにおける標準偏差も同じ方法で計算される。例えば、拡散強調画像DW11〜DW1nのピクセルPbにおけるピクセル値Xb1〜Xbnの標準偏差σbを計算することにより、SDマップ1のピクセルPbにおける値を得ることができる。同様に、拡散強調画像DW11〜DW1nのピクセルPcにおけるピクセル値Xc1〜Xcnの標準偏差σcを計算することにより、SDマップ1のピクセルPcにおける値を得ることができる。
したがって、ピクセルごとに標準偏差を計算することにより、b=b1におけるスライス1のSDマップ1を得ることができる。
図15および図16では、スライス1のSDマップ1を作成する手順について示されているが、他のスライス2およびスライス3についても同様の方法でSDマップを得ることができる。図17に、スライス2のSDマップ2およびスライス3のSDマップ3を概略的に示す。このように、スライスごとにSDマップを得ることができる。
尚、図15〜図17では、b=b1のスキャンSC1により取得された拡散強調画像を用いてSDマップを作成した例について示されているが、b=b2のスキャンSC2により取得された拡散強調画像に対しても、同様の方法でスライスごとにSDマップが作成される。図18に、b=b2において、スライスごとに取得されたSDマップを概略的に示す。
したがって、全部で6枚のSDマップが作成される。図19に、SDマップの一例を示す。
肝臓の左葉、胃、脾臓など、心臓の近くに位置している部位は、拍動の影響を受けて動いてしまうので、肝臓の左葉、胃、脾臓などの部位のピクセル値は時間とともに変化する傾向がある。一方、肝臓の右葉は、心臓から遠いので、心臓の拍動の影響をあまり受けない。したがって、肝臓の右葉のピクセル値の時間変化はそれほど大きくならない傾向がある。このため、SDマップから、心臓の拍動の影響を受けやすい部位と、心臓の拍動の影響をあまり受けない部位とをおおまかに区別することができる。
次に、マスク作成手段92は、SDマップに基づいてマスクを作成する。図20および図21に、SDマップに基づいてマスクを作成する方法を概略的に示す。マスク作成手段92は、SDマップ1〜6の各々に対してしきい値処理THを行う。しきい値THは、SDマップのピクセル値のうち、しきい値より小さいピクセル値を「0」に設定し、一方、しきい値以上のピクセル値を「1」に設定する。したがって、各SDマップは、「0」の領域と、「1」の領域とに分けられる。このように、各SDマップを「0」の領域と「1」の領域とに分けることにより、マスクMK1〜MK6を作成することができる。図22に、マスクMK1〜MK6のうち、代表して、マスクMK1の具体的な一例を示す。図22では、ピクセル値1の領域が白で示されており、ピクセル値0の領域が黒で示されている。
上記のように、SDマップは、心臓の拍動などの影響を受けやすい部位のピクセル値と、心臓の拍動などの影響をあまり受けない部位のピクセル値が異なっている。したがって、SDマップをしきい値処理することにより、心臓の拍動の影響を受けやすい部位(肝臓の左葉、胃、脾臓など)と、心臓の拍動の影響をあまり受けない部位(肝臓の右葉など)とを区別することができる。マスクMK1を参照すると、心臓の拍動の影響を受けやすい部位(肝臓の左葉、胃、脾臓など)にはピクセル値1が割り当てられており、心臓の拍動の影響をあまり受けない部位(肝臓の右葉など)には主にピクセル値0が割り当てられていることがわかる。また、心臓の拍動の影響を受けやすい部位(肝臓の左葉、胃、脾臓など)は画像強度の損失が生じやすく、一方、心臓の拍動の影響をあまり受けない部位(肝臓の右葉など)は画像強度の損失は生じにくい。したがって、マスクMK1のピクセル値1の領域は、画像強度の損失が生じる可能性が高い部位に対応しており、一方、マスクMK1のピクセル値0の領域は、画像強度の損失が生じにくい部位に対応していることがわかる。
マスクMK1〜MK6を作成した後、ステップST22に進む。
ステップST22では、拡散強調画像の準同型フィルタリングを実行する。以下にステップST22について説明する。尚、どの拡散強調画像に対しても準同型フィルタリングの処理手順は同じである。したがって、以下の説明では、スキャンSC1及びSC2により取得された拡散強調画像のうち、代表して拡散強調画像DW11を取り上げ、拡散強調画像DW11に対して準同型フィルタリングを実行するときの手順について説明する。
ステップST22では、先ず、モジュレーションマップ作成手段93(図2参照)が、準同型フィルタリングに用いられるモジュレーションマップを作成する(図23参照)。
図23はモジュレーションマップの作成方法の説明図である。
モジュレーションマップ作成手段93は、先ず、拡散強調画像DW11のローパスフィルタリングを実行する。図23では、拡散強調画像DW11をローパスフィルタリングすることにより得られた画像(以下、「ローパスフィルタ画像」と呼ぶ)を、符号「DWlpf」で示してある。
次に、モジュレーションマップ作成手段93は、ローパスフィルタ画像DWlpfを反転し、反転画像を作成する。これにより、モジュレーションマップDmod1が作成される。
モジュレーションマップDmod1を作成した後、準同型フィルタ手段94(図2参照)が、モジュレーションマップDmod1を用いて、拡散強調画像DW11に対して準同型フィルタリングを実行する。具体的には、以下の式に基づいて準同型フィルタリングを実行する。
HM11=DW11*Dmod1 ・・・(1)
式(1)のHM11は、準同型フィルタリングにより得られた画像(以下、「準同型フィルタ画像」と呼ぶ)を表している。
以下に、準同型フィルタリングについて説明する。尚、本形態では、準同型フィルタリングを実行する場合、マスクMK1に基づいて準同型フィルタリングが実行される領域を限定している。以下に、この理由を明確にするために、先に、準同型フィルタリングが実行される領域を限定せずに式(1)を用いて準同型フィルタリングを実行する例を説明する。その後、マスクMK1に基づいて準同型フィルタリングが実行される領域を限定し、式(1)を用いて準同型フィルタリングを実行する本形態の方法について説明する。
図24は、準同型フィルタリングが実行される領域を限定せずに式(1)を用いて準同型フィルタリングを実行する例の説明図である。
拡散強調画像DW11にモジュレーションマップDmod1を乗算することにより、拡散強調画像DW11の準同型フィルタリングを実行する。これにより、準同型フィルタ画像HMが得られる。
図24では、画像強度の損失LO1、LO2、LO3のうち、LO1およびLO2において、画像強度が復元された例が示されている。したがって、準同型フィルタリングにより、脾臓における画像強度の損失LO3は残っているが、肝臓の左葉および胃は画像強度が復元された準同型フィルタ画像HMを取得することができる。
しかし、準同型フィルタリングは、画像強度を復元できる一方で、コントラストを増強させる作用を有している。したがって、準同型フィルタリングによりコントラストが変化してしまうという問題がある。特に、コントラストが変化すると、後述するステップST8において算出するADCの誤差が大きくなりやすいので、コントラストはできるだけ変化しないようにすることが望まれる。
そこで、本形態では、準同型フィルタ手段94は、マスクMK1(図22参照)に基づいて、準同型フィルタリングを実行する領域を限定している。マスクMK1に基づいて準同型フィルタリングを実行する領域を限定することにより、拡散強調画像DW11の中で画像強度の損失があまり生じていない部分では、コントラストの変化を防止することができるという効果がある。以下に、この効果が得られる理由について、図25を参照しながら説明する。
マスクMK1は、ピクセル値1の領域と、ピクセル値0の領域とを有している。マスクMK1のピクセル値1の領域は、画像強度の損失が生じている部位(例えば、肝臓の左葉および胃)に対応しているが、マスクMK1のピクセル値0の領域は、画像強度の損失があまり生じていない部位(例えば、肝臓の右葉)に対応している。したがって、拡散強調画像DW11の中で、マスクMK1のピクセル値1の領域に対応する部分では、画像強度を復元するための準同型フィルタリングを実行する必要があるが、拡散強調画像DW11の中で、マスクMK1のピクセル値0の領域に対応する部分では、画像強度の損失があまり生じていないので準同型フィルタリングを行う必要がない。そこで、本形態では、拡散強調画像DW11の中で、マスクMK1のピクセル値1の領域に対応する部分では準同型フィルタリングを実行するが、マスクMK1のピクセル値0の領域に対応する部分では、準同型フィルタリングを行わないようにしている。これにより、肝臓の右葉の大部分では準同型フィルタリングは実行されないので、コントラストの変化を防止することができる。したがって、準同型フィルタ画像HM11は、肝臓の左葉および胃においては画像強度が復元されており、肝臓の右葉ではコントラストの変化が防止されている。このような理由から、本形態では、マスクMK1(図22参照)に基づいて、準同型フィルタリングを実行する領域を限定している。
上記の説明では、拡散強調画像DW11の準同型フィルタ画像HM11を得る方法について述べたが、他の拡散強調画像についても、同様の方法で準同型フィルタ画像を得ることができる。したがって、拡散強調画像ごとに準同型フィルタ画像を得ることができる。図26および図27に準同型フィルタ画像を概略的に示す。図26では、b=b1における準同型フィルタ画像が示されており、図27では、b=b2における準同型フィルタ画像が示されている。尚、図26および図27では、図面のスペースの制約上、スライス1の拡散強調画像から得られた準同型フィルタ画像のみが示されているが、他のスライスの拡散強調画像に対しても同様に準同型フィルタ画像が得られる。
上記のように、マスクMK1を用いて準同型フィルタリングを実行することにより、肝臓の右葉においてコントラストの変化を防止しながら、肝臓の左葉や胃において画像強度を復元することができる。しかし、マスクMK1のピクセル値1の領域においては準同型フィルタリングが実行されているので、肝臓の左葉や胃では、画像強度が復元される一方で、コントラストが増強する。したがって、図25に示す準同型フィルタ画像HM11を、画像強度が復元された復元画像として使用した場合、肝臓の左葉や胃においてADCの誤差が大きくなると考えられる。そこで、本形態では、ステップST22において準同型フィルタ画像を作成した後、ステップST3〜ST6が実行される。ステップST3〜ST6では、準同型フィルタ画像を用いて、良好なコントラストを有するとともに画像強度が復元された復元画像が作成される。以下に、ステップST3〜ST6について説明する。尚、どの準同型フィルタ画像に対してもステップST3〜ST6の処理は同じである。したがって、以下の説明では、ステップST22で得られた準同型フィルタ画像のうち、代表して準同型フィルタ画像HM11を取り上げ、準同型フィルタ画像HM11に対してステップST3〜ST6を実行するときの方法について説明する。
ステップST3では、差分画像作成手段95(図2参照)が、以下の式(2)に基づいて、準同型フィルタ画像HM11と拡散強調画像DW11との差分画像DIFを求める。
DIF=HM11−DW11 ・・・(2)
図28に、差分画像DIFの一例を示す。差分画像DIFは、準同型フィルタ画像HM11と拡散強調画像DW11とのピクセル値の差を表している。図28から、差分画像DIFは、肝臓の左葉や胃において、大きいピクセル値を有していることがわかる。したがって、準同型フィルタリングを実行することにより、肝臓の左葉や胃では画像強度が復元されていることがわかる。差分画像DIFを求めた後、ステップST4に進む。
ステップST4では、ローパスフィルタリング手段96(図2参照)が、マスクMK1に対してローパスフィルタリングを実行する。図29は、マスクMK1をローパルフィルタリングするときの説明図である。マスクMK1をローパスフィルタリングすることにより、マスクMK1のピクセル値1と0との境界において滑らかな信号変化を実現することができる。以下では、ローパスフィルタリングが実行された後のマスクMK1を、符号「MK1lpf」で表すことにする。マスクMK1lpfを作成した後、ステップST5に進む。
ステップST5では、ローパスフィルタリング手段96が、差分画像DIF(図28参照)に対してローパスフィルタリングを実行する。図30は、差分画像DIFをローパスフィルタリングするときの説明図である。図30では、ローパルフィルタリングが実行された後の差分画像DIFを、符号「DIFlpf」で示す。差分画像DIFをローパスフィルタリングすることにより、ピクセル値を滑らかに変化させることができるので、準同型フィルタリングにより増強されてしまったコントラストを低減することができる。差分画像DIFlpfは、差分画像DIFと比較すると、ピクセル値が滑らかに変化しており、コントラストが低減されている。差分画像DIFlpfを作成した後、ステップST6に進む。
ステップST6では、復元画像作成手段97(図2参照)が、差分画像DIFlpfを用いて、画像強度が復元されるとともに良好なコントラストを有する復元画像を作成する。以下に、復元画像の作成方法について説明する。本形態では、復元画像は、以下の式(3)に従って作成される。
RS11=(1−MK1lpf)*DW11+MK1lpf*(DW11+DIFlpf
・・・(3)
ここで、RS11:復元画像
MK1lpf:ローパスフィルタリングされた後のマスク
DW11:拡散強調画像
DIFlpf:ローパルフィルタリングされた後の差分画像
以下に、式(3)について説明する。尚、式(3)の説明については、先ず、右辺第2項について先に説明し、次に、右辺第1項について説明する。
図31は第2項の説明図である。
第2項の計算を行う場合、復元画像作成手段97は、拡散強調画像DW11に差分画像DIFlpfを加算する。先に説明したように、差分画像DIFlpfは、差分画像DIFと比較すると、準同型フィルタリングにより増強されたコントラストが低減されている。したがって、拡散強調画像DW11に差分画像DIFlpfを加算することにより、肝臓の左葉および胃の画像強度が復元され、且つコントラストも低減された加算画像(DW11+DIFlpf)を得ることができる。
そして、復元画像作成手段97は、加算画像(DW11+DIFlpf)に対してマスクMK1lpfを乗算する。マスクMK1lpfを乗算することにより、加算画像(DW11+DIFlpf)の中から、マスクMK1lpfのピクセル値1の領域に対応する画像部分D2を取り出すことができる。尚、マスクMK1lpfのピクセル値1の領域は、肝臓の左葉および胃を含んでいる。したがって、加算画像(DW11+DIFlpf)の中から取り出された画像部分D2には、画像強度が復元された肝臓の左葉および胃が含まれている。
図32は第1項の説明図である。
第1項の(1−MK1lpf)は、マスクMK1lpfのピクセル値を反転させることにより得られる反転マスクを表している。マスクMK1lpfのピクセル値1は、反転マスク(1−MK1lpf)ではピクセル値0であり、マスクMK1lpfのピクセル値0は、反転マスク(1−MK1lpf)ではピクセル値1である。
第1項の計算を行う場合、復元画像作成手段97は、拡散強調画像DW11に反転マスク(1−MK1lpf)を乗算する。反転マスク(1−MK1lpf)を乗算することにより、拡散強調画像DW11の中から、反転マスク(1−MK1lpf)のピクセル値1の領域に対応する画像部分D1を取り出すことができる。
次に、復元画像作成手段97は、加算画像(DW11+DIFlpf)から取り出した画像部分D2と、拡散強調画像DW11から取り出した画像部分D1とを加算する。図33は、画像部分D1およびD2を加算するときの説明図である。加算により復元画像RS11を得ることができる。
復元画像RS11は、加算画像(DW11+DIFlpf)から取り出された画像部分D2を含んでいるので、肝臓の左葉および胃では画像強度が復元され、且つコントラストも低減されている。
また、本形態では、加算画像(DW11+DIFlpf)から画像部分D2を取り出す場合、ローパスフィルタリングされたマスクMK1lpfが使用されている。したがって、加算画像(DW11+DIFlpf)から取り出された画像部分D2のエッジにおいて、ピクセル値を滑らかに変化させることができる。更に、拡散強調画像DW11から画像部分D1を取り出す場合、ローパスフィルタリングされたマスクMK1lpfの反転マスク(1−MK1lpf)が使用されている。したがって、拡散強調画像DW11から取り出された画像部分D1のエッジにおいて、ピクセル値を滑らかに変化させることができる。このため、画像部分D1とD2とを加算しても、画像部分D1とD2との境界における位置ずれが原因で生じるアーチファクトを低減することができる。
上記の説明では、準同型フィルタ画像HM11に基づいて復元画像RS11を得る方法について述べられているが、他の準同型フィルタ画像についても、同様の方法で復元画像を得ることができる。したがって、準同型フィルタ画像ごとに復元画像を得ることができる。図34および図35に復元画像を概略的に示す。図34では、b=b1における復元画像が示されており、図35では、b=b2における復元画像が示されている。尚、図34および図35では、図面のスペースの制約上、スライス1の準同型フィルタ画像から得られた復元画像RS11〜RS1nおよびRS41〜RS4nのみが示されているが、他のスライスの準同型フィルタ画像からも同様に復元画像が得られる。
本形態では、準同型フィルタリング(ステップST22)の手法を用いることにより、肝臓の左葉および胃の画像強度が復元された復元画像(図33参照)を得ることができる。
しかし、準同型フィルタリングを行っただけでは画像強度を十分に復元できない部位がある。図33を参照すると、肝臓の左葉や胃の画像強度は復元されているが、脾臓では準同型フィルタリングを実行しても画像強度は十分に復元できていないことがわかる。そこで、本形態では、脾臓の画像強度を復元するため、ステップST7が実行される。
ステップST7では、合成画像作成手段98(図2参照)が、復元画像を合成する。
図36は、復元画像の合成方法の一例を示す図である。
先ず、合成画像作成手段98は、ステップST6で得られた復元画像の中から、スライス1の復元画像RS11〜RS1nを選択する。そして、合成画像作成手段98は、以下の式を用いて復元画像RS11〜RS1nを合成する。
式(4)は、振幅二乗重み付け平均法により復元画像RS11〜RS1nを重み付けし、重み付けされた復元画像RS11〜RS1nの平均を計算している。
合成画像作成手段98は、式(4)に従ってスライス1の復元画像RS11〜RS1nを合成する。したがって、合成画像DCを得ることができる。図37に、合成画像DCの一例を示す。
上記のように、準同型フィルタリングを実行しても脾臓の画像強度は十分に復元することは難しいので、復元画像RS11〜RS1nは脾臓に画像強度の損失を持つことが多い(図33参照)。しかし、復元画像RS11〜RS1nを比較すると、一般的に、脾臓の中に現れる画像強度の損失の位置は、脾臓の動きなどが原因で異なっている。したがって、復元画像RS11〜RS1nを合成することにより、或る復元画像の脾臓に現れる画像強度の損失を、別の復元画像によって復元することができる。したがって、図37に示すように、脾臓の画像強度が復元された合成画像DCを得ることができる。尚、本形態では、振幅二乗重み付け平均法を用いているが、画像強度を復元できるのであれば、振幅二乗重み付け平均法とは別の方法で復元画像を合成してもよい。例えば、復元画像RS11〜RS1nのうちの一部の復元画像には重み付けを行うが、残りの復元画像には重み付けを行わず、重み付けされた復元画像と重み付けされていない復元画像とを合成してもよい。また、復元画像RS11〜RS1nの相加平均法で復元画像RS11〜RS1nを合成してもよい。
図36では、b=b1におけるスライス1の合成画像DCを作成する例について説明したが、b=b2におけるスライス1の合成画像についても、振幅二乗重み付け平均法により合成画像を取得することができる。図38に、b=b2におけるスライス1の合成画像DCを概略的に示す。
尚、上記の説明では、スライス1の合成画像の作成方法について説明したが、他のスライスについても同様に合成画像が作成される。したがって、b=b1における各スライスの合成画像と、b=b2における各スライスの合成画像とが作成される。
合成画像を作成した後、ステップST8に進む。
ステップST8では、ADCマップ作成手段99(図2参照)が、b=b1における合成画像と、b=b2における合成画像に基づいて、スライスごとにADCマップを作成する。例えば、スライス1のADCマップは、合成画像DCおよびDCを用いて作成することができる。各スライスのADCマップを作成した後、フローを終了する。
本形態では、ステップST7で復元画像を合成しているので、準同型フィルタリングでは十分に復元することができなかった脾臓の画像強度を復元することができる。
また、本形態では、マスクMK1のピクセル値1の領域では、準同型フィルタリングが行われるが、マスクMK1のピクセル値0の領域では、準同型フィルタリングが行われないようにしている。したがって、準同型フィルタリングが実行されない領域ではコントラストの変化を防止することができる。
また、本形態のシーケンスSCでは、2つのb値(b=b1およびb=b2)が用いられているが、2つのb値のうちの一方は、b=0であってもよい。b=0に設定する場合は、図7(又は図12)に示すシーケンスのMPGが印加されないようにすればよい。また、b値の数は2つに限定されることはなく、1つのb値のみを用いた例を実行してもよいし、3つ以上のb値を用いた例を実行してもよい。
次に、本形態の効果を検証するために、シミュレーションを実行した。以下に、シミュレーション結果について説明する。
図39は、シミュレーション条件の説明図である。
シミュレーションでは、スピンエコーEPI画像(レファレンス画像)に対してランダムに特定された25箇所(図39に「+」で示されている箇所)における信号値を表すシミュレーションデータを得た。
次に、シミュレーションデータを合成した。具体的には、以下の3つの方法で合成を行った。
(a)シミュレーションデータを相加平均法で合成した。
(b)シミュレーションデータを振幅二乗重み付き平均法で合成した。
(c)シミュレーションデータを準同型フィルタリングし、準同型フィルタリングされたデータを振幅二乗重み付き平均法で合成した。
図40はシミュレーション結果を示す図である。
図40は、上記の方法(a)、(b)、および(c)で合成されたデータの正規化二乗平均誤差(Normalized Root Mean Squared Error)を表すグラフである。横軸は、レファンレス画像に特定された25個の各箇所を表している。縦軸は正規化二乗平均誤差である。図40を参照すると、(c)の方法が最も小さい誤差を示していることがわかる。したがって、準同型フィルタリングと振幅二乗重み付き平均法の組合せが画像強度の復元に有効であることがわかる。
また、b=0のスキャンA(NEX=4)と、b=1000のスキャンB(NEX=4)とを実行し、両方のスキャンAおよびBにより得られたデータに基づいてADCマップを作成した。具体的には、以下の2つの方法でADCマップを作成した。
(m1)スキャンAにより得られた4枚の画像を相加平均法で合成し、合成画像を得た。同様に、スキャンBにより得られた4枚の画像を相加平均法で合成し、合成画像を得た。そして、この2つの合成画像に基づいてADCマップを作成した。
(m2)スキャンAにより得られた4枚の画像を準同型フィルタリングし、4枚の準同型フィルタ画像HMa1〜HMa4を得た。そして、4枚の準同型フィルタ画像HMa1〜HMa4に基づいて4枚の復元画像RSa1〜RSa4を作成した。次に、4枚の復元画像RSa1〜RSa4を振幅二乗重み付け平均法で合成し、合成画像DCaを得た。
同様に、スキャンBにより得られた4枚の画像を準同型フィルタリングし、4枚の準同型フィルタ画像HMb1〜HMb4を得た。そして、4枚の準同型フィルタ画像HMb1〜HMb4に基づいて4枚の復元画像RSb1〜RSb4を作成した。次に、4枚の復元画像RSb1〜RSb4を振幅二乗重み付け平均法で合成し、合成画像DCbを得た。そして、この2つの合成画像に基づいてADCマップを作成した。
図41はADCマップを示す図である。
図41(a)は、方法(m1)を用いて作成されたADCマップを示し、図41(b)は、方法(m2)を用いて作成されたADCマップを示す。
図41(a)では、肝臓の左葉や脾臓におけるADC値は、拍動の影響を受けて、実際のADC値よりも大きい値になる。これに対し、図41(b)では、肝臓の左葉や脾臓のADC値は、図41(a)のADC値よりも小さくなっている。したがって、準同型フィルタリングと振幅二乗重み付け平均法との両方を用いることにより、高品質のADCマップが得られることがわかる。
2 マグネット
3 テーブル
3a クレードル
4 コイル
5 送信器
6 勾配磁場電源
7 受信器
8 コンピュータ
9 プロセッサ
10 メモリ
11 操作部
12 表示部
13 被検体
21 ボア
91 画像作成手段
92 マスク作成手段
93 モジュレーションマップ作成手段
94 準同型フィルタ手段
95 差分画像作成手段
96 ローパスフィルタ手段
97 復元画像作成手段
98 合成画像作成手段
99 ADCマップ作成手段
100 MR装置

Claims (14)

  1. 複数の部位を含む撮影部位を横切るスライスから拡散情報を含むデータを収集するための第1のシーケンスを複数回実行するスキャン手段と、
    前記第1のシーケンスを複数回実行することにより収集されたデータに基づいて、拡散情報を含む複数の第1の画像を作成する第1の画像作成手段と、
    前記第1の画像ごとに、前記第1の画像のうちの画像強度の損失が生じた第1の部分において画像強度を復元するための準同型フィルタリングを実行する第1のフィルタ手段であって、前記第1の画像の中の第2の部分において前記準同型フィルタリングを実行しない第1のフィルタ手段と、
    前記第1の画像に基づいて、前記準同型フィルタリングするためのモジュレーションマップを作成するモジュレーションマップ作成手段と
    を有し、
    前記第1のフィルタ手段は、
    前記モジュレーションマップを用いて、前記準同型フィルタリングを実行する、磁気共鳴装置。
  2. 前記第1の画像の前記第1の部分に対応する第1の領域と、前記第1の画像の前記第2の部分に対応する第2の領域とを含むマスクを作成するマスク作成手段を有し、
    前記第1のフィルタ手段は、
    前記第1の画像の中で、前記マスクの第1の領域に対応する部分において、前記準同型フィルタリングを実行するが、前記第1の画像の中で、前記マスクの第の領域に対応する部分において、前記準同型フィルタリングを実行しない、請求項1に記載の磁気共鳴装置。
  3. 前記マスク作成手段は、
    前記複数の第1の画像のピクセル値の標準偏差を表す標準偏差マップを作成し、前記標準偏差マップに基づいて前記マスクを作成する、請求項2に記載の磁気共鳴装置。
  4. 前記第1の画像を準同型フィルタリングすることにより得られた第2の画像と、前記第1の画像とを差分することにより、差分画像を作成する差分画像作成手段と、
    前記差分画像をローパスフィルタリングするための第2のフィルタ手段と、
    ローパスフィルタリングされた差分画像と前記第1の画像とを加算することによりに得られる第1の加算画像を作成する第2の画像作成手段と、
    を有する、請求項2又は3に記載の磁気共鳴装置。
  5. 前記第2のフィルタ手段は、
    前記マスクの前記第1の領域と前記第2の領域との境界におけるピクセル値が滑らかに変化するように、前記マスクをローパスフィルタリングし、
    前記第2の画像作成手段は、
    ローパスフィルタリングされたマスクを用いて、前記第1の加算画像から第1の画像部分を取り出し、
    前記ローパスフィルタリングされたマスクの反転マスクを用いて、前記第1の画像から第2の画像部分を取り出し、
    前記第1の画像部分と前記第2の画像部分とを加算することにより、第3の画像を作成する、請求項に記載の磁気共鳴装置。
  6. 前記第2の画像作成手段は複数の第3の画像を作成し、
    前記複数の第3の画像を合成することにより合成画像を作成する第3の画像作成手段を有する、請求項に記載の磁気共鳴装置。
  7. 前記第3の画像作成手段は、
    前記複数の第3の画像の各々を重み付けし、重み付けされた複数の第3の画像に基づいて前記合成画像を作成する、請求項に記載の磁気共鳴装置。
  8. 前記第3の画像作成手段は、
    振幅二乗重み付き平均法を用いて前記複数の第2の画像の各々を重み付けする、請求項に記載の磁気共鳴装置。
  9. 前記合成画像と、前記合成画像とは別の合成画像とに基づいて、ADCマップを作成するADCマップ作成手段を有する、請求項6〜8のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
  10. 前記スキャン手段は、
    前記スライスからデータを収集するための第2のシーケンスを複数回実行し、
    前記別の合成画像は、
    前記第2のシーケンスを複数回実行することにより得られたデータに基づいて作成されている、請求項に記載の磁気共鳴装置。
  11. 前記第1のシーケンスは、拡散強調を行うための第1の勾配パルスであって、拡散強調の強さを表すb値が第1の値に設定された第1の勾配パルスを含み、
    前記第2のシーケンスは、拡散強調を行うための第2の勾配パルスであって、拡散強調の強さを表すb値が第2の値に設定された第2の勾配パルスを含む、請求項10に記載の磁気共鳴装置。
  12. 前記第1のシーケンスは、拡散強調を行うための第1の勾配パルスであって、拡散強調の強さを表すb値が第1の値に設定された第1の勾配パルスを含み、
    前記第2のシーケンスは、拡散強調を行うための勾配パルスを含んでいない、請求項10に記載の磁気共鳴装置。
  13. 前記第1の画像の前記第1の部分は肝臓の左葉および胃を含んでおり、前記第1の画像の前記第2の部分は肝臓の右葉を含んでいる、請求項1〜12のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
  14. 複数の部位を含む撮影部位を横切るスライスから拡散情報を含むデータを収集するための第1のシーケンスを複数回実行する磁気共鳴装置に適用されるプログラムであって、
    前記第1のシーケンスを複数回実行することにより収集されたデータに基づいて、拡散情報を含む複数の第1の画像を作成する第1の画像作成処理と、
    前記第1の画像ごとに、前記第1の画像のうちの画像強度の損失が生じた第1の部分において画像強度を復元するための準同型フィルタリングを実行する第1のフィルタ処理であって、前記第1の画像の中の第2の部分において前記準同型フィルタリングを実行しない第1のフィルタ処理と、
    前記第1の画像に基づいて、前記準同型フィルタリングするためのモジュレーションマップを作成するモジュレーションマップ作成処理と
    をコンピュータに実行させるためのプログラムであり、
    前記第1のフィルタ処理は、
    前記モジュレーションマップを用いて、前記準同型フィルタリングを実行する、プログラム。


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