JP6552916B2 - ホイールローダ - Google Patents

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Description

本発明は、ホイールローダに関する。
自走式作業車両であるホイールローダは、車両を走行させるための走行装置と、掘削などの各種の作業を行なうための作業機とを備えている。走行装置と作業機とは、エンジンからの駆動力によって駆動される。
ホイールローダは、一般的に、走行と作業とを同時に行なう場合が多い。たとえば、掘削作業においては、車両を前進させることにより作業機を土砂の山に押し込むと共に、作業機を上昇させる。これにより、土砂が作業機上に掬い取られる。そのため、エンジンの出力を走行装置と作業機とにバランス良く配分することが重要である。
特許文献1および2では、土石などの掘削対象物に向けて車体を自動走行させ、この走行動作によってバケットを掘削対象物に突っ込ませた後にバケットおよびアームを作動させて掘削作業を行なう、自動運転式のホイールローダが提案されている。
特開2008−8183号公報 特開2008−133657号公報
エンジンの出力を走行装置と作業機とにバランス良く配分できるようにホイールローダの操作を行うには、熟練が必要である。たとえば、不慣れなオペレータが、掘削時にアクセルを踏みすぎて作業機を土砂に押し込み過ぎると、車両が前進できずに停止した状態となる。この状態では、車両を走行させる駆動力が大きすぎるため、作業機を上昇させる駆動力が小さくなる。このため、作業機操作部材を最大に操作しても、作業機が上昇できない。このように車両が動かなくなった状態では、エンジンの出力が高い状態が続くため、燃費(燃料消費量)が増大してしまう。
本発明の目的は、作業機を上昇させる作業に必要な燃費を改善できる、ホイールローダを提供することである。
本発明に係るホイールローダは、車体と、作業機と、前輪と、制御部とを備えている。作業機は、車体の前方に配設されている。作業機は、ブームを有している。前輪は、弾性材料製のタイヤを有している。制御部は、上下方向に圧縮されたタイヤが反発して上下方向に伸長している間に、ブームの上昇を開始する。
上記のホイールローダは、掘削判定部をさらに備えている。掘削判定部は、掘削が行なわれているか否かを判定する。制御部は、掘削が行なわれていると判定された場合に、上下方向に圧縮されたタイヤが反発して上下方向に伸長している間にブームの上昇を開始する。
上記のホイールローダは、角度検出部をさらに備えている。角度検出部は、車体の重心回りのピッチ方向の角度を検出する。制御部は、車体の前方が重心に対して上昇を開始したことが角度検出部により検出された後、ブームの上昇を開始する。
上記のホイールローダは、速度検出部をさらに備えている。速度検出部は、車体の重心回りのピッチ方向の速度を検出する。制御部は、車体の前方が重心に対して上方に動く速度が閾値よりも大きい間に、ブームの上昇を開始する。
上記のホイールローダにおいて、作業機は、バケットをさらに有している。ホイールローダは、バケットのチルト動作を検出するチルト検出部をさらに備えている。制御部は、チルト動作が検出された後、ブームの上昇を開始する。
上記のホイールローダは、アクセル操作検出部をさらに備えている。アクセル操作検出部は、車体を加速させるアクセル操作量を検出する。制御部は、アクセル操作量の減少が検出された後、ブームの上昇を開始する。
本発明のホイールローダによれば、作業機を上昇させる作業に必要な燃費を改善することができる。
実施形態に基づくホイールローダの外観図である。 実施形態に基づくホイールローダの構成を示す模式図である。 ブーム角およびチルト角を示す、ホイールローダの側面図である。 実施形態に基づくホイールローダの掘削作業を説明する図である。 ホイールローダの掘削作業および積込作業を構成する一連の工程の例を示す模式図である。 ホイールローダの掘削作業および積込作業を構成する一連の工程の判定方法を示すテーブルである。 ホイールローダの掘削作業および積込作業時のリフトシリンダの油圧の変化の一例を示すグラフである。 ホイールローダが掘削対象物の掘削を開始した状態を示す側面図である。 掘削開始時におけるホイールローダの傾斜を示す側面図である。 タイヤの圧縮変形を示す模式図である。 タイヤの圧縮量、ピッチ角、およびピッチ方向に車体が動く速度と、時間との関係を示すグラフである。 圧縮変形したタイヤの形状の復元を示す模式図である。 実施形態に基づくホイールローダの制御部の機能構成を説明する図である。 実施形態に基づく制御部の処理の流れの第1の例を説明するフローチャートである。 実施形態に基づく制御部の処理の流れの第2の例を説明するフローチャートである。 実施形態に基づく制御部の処理の流れの第3の例を説明するフローチャートである。
以下、実施形態について図に基づいて説明する。実施形態における構成を適宜組み合わせて用いることは当初から予定されていることである。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
以下、ホイールローダについて、図面を参照しながら説明する。以下の説明において、「上」「下」「前」「後」「左」「右」とは、運転席に着座したオペレータを基準とする用語である。
<全体構成>
図1は、実施形態に基づくホイールローダ1の外観図である。図1に示されるように、ホイールローダ1は、車体2、作業機3、車輪4a,4b、および運転室5を備えている。ホイールローダ1は、車輪4a,4bが回転駆動されることにより自走可能であると共に、作業機3を用いて所望の作業を行うことができる。
車体2は、前車体部2aと後車体部2bとを有している。前車体部2aと後車体部2bとは、互いに左右方向に揺動可能に連結されている。
前車体部2aと後車体部2bとに渡って、一対のステアリングシリンダ11a,11bが設けられている。ステアリングシリンダ11a,11bは、ステアリングポンプ12(図2参照)からの作動油によって駆動される油圧シリンダである。ステアリングシリンダ11a,11bが伸縮することによって、前車体部2aが後車体部2bに対して揺動する。これにより、ホイールローダ1の進行方向が変更される。
なお、図1および後述する図2では、ステアリングシリンダ11a,11bの一方のみを図示しており、他方を省略している。
前車体部2aには、作業機3および一対の前輪4aが取り付けられている。作業機3は、車体2の前方に配設されている。作業機3は、作業機ポンプ13(図2参照)からの作動油によって駆動される。作業機3は、ブーム6と、一対のリフトシリンダ14a,14bと、バケット7と、ベルクランク9と、チルトシリンダ15とを有している。
ブーム6は、前車体部2aに回転可能に支持されている。ブーム6の基端部が、ブームピン16によって、前車体部2aに揺動可能に取り付けられている。リフトシリンダ14a,14bの一端は前車体部2aに取り付けられている。リフトシリンダ14a,14bの他端は、ブーム6に取り付けられている。前車体部2aとブーム6とは、リフトシリンダ14a,14bにより連結されている。リフトシリンダ14a,14bが作業機ポンプ13からの作動油によって伸縮することによって、ブーム6がブームピン16を中心として上下に揺動する。
なお、図1及び図2では、リフトシリンダ14a,14bのうちの一方のみを図示しており、他方を省略している。
バケット7は、ブーム6の先端に回転可能に支持されている。バケット7は、バケットピン17によって、ブーム6の先端部に揺動可能に支持されている。チルトシリンダ15の一端は前車体部2aに取り付けられている。チルトシリンダ15の他端はベルクランク9に取り付けられている。ベルクランク9とバケット7とは、図示しないリンク装置によって連結されている。前車体部2aとバケット7とは、チルトシリンダ15、ベルクランク9およびリンク装置により連結されている。チルトシリンダ15が、作業機ポンプ13からの作動油によって伸縮することによって、バケット7がバケットピン17を中心として上下に揺動する。
後車体部2bには、運転室5および一対の後輪4bが取り付けられている。運転室5は、車体2に搭載されている。運転室5には、オペレータが着座するシート、および後述する操作部8などが内装されている。
前輪4aは、ホイール部4awと、タイヤ4atとを有している。タイヤ4atは、ホイール部4awの外周に装着されている。後輪4bは、ホイール部4bwと、タイヤ4btとを有している。タイヤ4btは、ホイール部4bwの外周に装着されている。タイヤ4at,4btは、弾性材料製である。タイヤ4at,4btは、たとえばゴム製である。
前車体部2aには、詳細を後述する角度検出部44と速度検出部46とが設けられている。
図2は、実施形態に基づくホイールローダ1の構成を示す模式図である。図2に示すように、ホイールローダ1は、駆動源としてのエンジン21、走行装置22、作業機ポンプ13、ステアリングポンプ12、操作部8、制御部10などを備えている。
エンジン21は、ディーゼルエンジンである。エンジン21は燃料噴射ポンプ24を有している。燃料噴射ポンプ24には、電子ガバナ25が設けられている。シリンダ内に噴射する燃料量を調整することにより、エンジン21の出力が制御される。この調整は、電子ガバナ25が制御部10によって制御されることで行われる。
ガバナ25としては、一般的にオールスピード制御方式のガバナが用いられる。ガバナ25は、エンジン回転数が後述するアクセル操作量に応じた目標回転数となるように、負荷に応じてエンジン回転数と燃料噴射量とを調整する。ガバナ25は、目標回転数と実際のエンジン回転数との偏差がなくなるように、燃料噴射量を増減する。
エンジン回転数は、エンジン回転数センサ91によって検出される。エンジン回転数センサ91の検出信号は、制御部10に入力される。
走行装置22は、エンジン21からの駆動力によりホイールローダ1を走行させる装置である。走行装置22は、トルクコンバータ装置23、トランスミッション26、ならびに上述した前輪4aおよび後輪4bなどを有している。
トルクコンバータ装置23は、ロックアップクラッチ27とトルクコンバータ28とを有している。ロックアップクラッチ27は、油圧作動式のクラッチである。ロックアップクラッチ27への作動油の供給がクラッチ制御弁31を介して制御部10によって制御されることにより、ロックアップクラッチ27は、連結状態と非連結状態とに切換可能である。ロックアップクラッチ27が非連結状態である場合には、トルクコンバータ28が、オイルを媒体としてエンジン21からの駆動力を伝達する。ロックアップクラッチ27が連結状態である場合には、トルクコンバータ28の入力側と出力側とが直結される。
トランスミッション26は、前進走行段に対応する前進クラッチCFと、後進走行段に対応する後進クラッチCRとを有している。各クラッチCF,CRの連結状態・非連結状態が切り換えられることによって、車両の前進と後進とが切り換えられる。クラッチCF,CRが共に非連結状態のときは、車両は中立状態となる。
トランスミッション26は、複数の速度段に対応した複数の速度段クラッチC1−C4を有しており、減速比を複数段階に切り換えることができる。各速度段クラッチC1−C4は、油圧作動式の油圧クラッチである。図示しない油圧ポンプからクラッチ制御弁31を介してクラッチC1−C4へ作動油が供給される。クラッチ制御弁31が制御部10によって制御されて、クラッチC1−C4への作動油の供給が制御されることにより、各クラッチC1−C4の連結状態及び非連結状態が切り換えられる。
トランスミッション26の出力軸には、T/M出力回転数センサ92が設けられている。T/M出力回転数センサ92は、トランスミッション26の出力軸の回転数を検出する。T/M出力回転数センサ92からの検出信号は、制御部10に入力される。制御部10は、T/M出力回転数センサ92の検出信号に基づいて車速を算出する。
トランスミッション26の入力軸には、T/M入力回転数センサ93が設けられている。T/M入力回転数センサ93は、トランスミッション26の入力軸の回転数を検出する。T/M入力回転数センサ93からの検出信号は、制御部10に入力される。
トランスミッション26から出力された駆動力は、シャフト32などを介して車輪4a,4bに伝達される。これにより、ホイールローダ1が走行する。エンジン21からの駆動力の一部が走行装置22に伝達されて、ホイールローダ1が走行する。
エンジン21の駆動力の一部は、PTO(Power Take Off)軸33を介して、作業機ポンプ13およびステアリングポンプ12に伝達される。作業機ポンプ13およびステアリングポンプ12は、エンジン21からの駆動力によって駆動される油圧ポンプである。作業機ポンプ13から吐出された作動油は、作業機制御弁34を介してリフトシリンダ14a,14bおよびチルトシリンダ15に供給される。ステアリングポンプ12から吐出された作動油は、ステアリング制御弁35を介してステアリングシリンダ11a,11bに供給される。作業機3は、エンジン21からの駆動力の一部によって駆動される。
作業機ポンプ13から吐出された作動油の圧力は、第1油圧センサ94によって検出される。リフトシリンダ14a,14bに供給される作動油の圧力は、第2油圧センサ95によって検出される。具体的には、第2油圧センサ95は、リフトシリンダ14a,14bを伸長させるときに作動油が供給されるシリンダボトム室の油圧を検出する。チルトシリンダ15に供給される作動油の圧力は、第3油圧センサ96によって検出される。具体的には、第3油圧センサ96は、チルトシリンダ15を伸長させるときに作動油が供給されるシリンダボトム室の油圧を検出する。ステアリングポンプ12から吐出された作動油の圧力は、第4油圧センサ97によって検出される。第1〜第4油圧センサ94−97からの検出信号は、制御部10に入力される。
操作部8は、オペレータによって操作される。操作部8は、アクセル操作部材81a、アクセル操作検出部81b、ステアリング操作部材82a、ステアリング操作検出部82b、ブーム操作部材83a、ブーム操作検出部83b、バケット操作部材84a、バケット操作検出部84b、変速操作部材85a、変速操作検出部85b、FR操作部材86a、および、FR操作検出部86bなどを有している。
アクセル操作部材81aは、エンジン21の目標回転数を設定するために操作される。アクセル操作部材81aは、たとえばアクセルペダルである。アクセル操作部材81aの操作量(アクセルペダルの場合、踏み込み量)を増大すると、車体は加速する。アクセル操作部材81aの操作量を減少すると、車体は減速する。アクセル操作検出部81bは、アクセル操作部材81aの操作量を検出する。アクセル操作部材81aの操作量を、アクセル操作量と称する。アクセル操作検出部81bは、アクセル操作量を検出する。アクセル操作検出部81bは、検出信号を制御部10へ出力する。
ステアリング操作部材82aは、車両の進行方向を操作するために操作される。ステアリング操作部材82aは、たとえばステアリングハンドルである。ステアリング操作検出部82bは、ステアリング操作部材82aの位置を検出し、検出信号を制御部10に出力する。制御部10は、ステアリング操作検出部82bからの検出信号に基づいてステアリング制御弁35を制御する。これにより、ステアリングシリンダ11a,11bが伸縮して、車両の進行方向が変更される。
ブーム操作部材83aは、ブーム6を動作させるために操作される。バケット操作部材84aは、バケット7を動作させるために操作される。ブーム操作部材83aおよびバケット操作部材84aは、たとえば操作レバーである。ブーム操作検出部83bは、ブーム操作部材83aの位置を検出する。バケット操作検出部84bは、バケット操作部材84aの位置を検出する。ブーム操作検出部83b及びバケット操作検出部84bは、検出信号を制御部10に出力する。制御部10は、ブーム操作検出部83bおよびバケット操作検出部84bからの検出信号に基づいて、作業機制御弁34を制御する。これにより、リフトシリンダ14a,14bおよびチルトシリンダ15が伸縮して、ブーム6およびバケット7が動作する。
作業機3には、ブーム角を検出するブーム角検出部98と、チルト角を検出するチルト角検出部99とが設けられている。図3は、ブーム角αおよびチルト角βを示す、ホイールローダ1の側面図である。図3に示すX−X線は、前後の車輪4a,4bの軸中心を結ぶ線である。Y−Y線は、前車体部2aとブーム6との回転支持中心であるブームピン16と、ブーム6とバケット7との回転支持中心であるバケットピン17とを結ぶ線である。Z−Z線は、バケットピン17とバケット7の刃先7aとを結ぶ線である。
ブーム角αは、X−X線とY−Y線とに挟まれた角度をいう。ブーム6はブームピン16を中心として前車体部2aに対して相対回転し、ブーム角αは、前車体部2aに対するブーム6の相対的な回転角度を示す。チルト角βは、Y−Y線とZ−Z線とに挟まれた角度をいう。バケット7はバケットピン17を中心としてブーム6に対して相対回転し、チルト角βは、ブーム6に対するバケット7の相対的な回転角度を示す。
図2に戻って、ブーム角検出部98およびチルト角検出部99は、検出信号を制御部10に出力する。制御部10は、ブーム角αおよびチルト角βに基づいて、バケット7の現在位置を算出する。
変速操作部材85aは、トランスミッション26の速度段を設定するために操作される。変速操作部材85aは、たとえばシフトレバーである。変速操作検出部85bは、変速操作部材85aの位置を検出する。変速操作検出部85bは、検出信号を制御部10に出力する。制御部10は、変速操作検出部85bからの検出信号に基づいて、トランスミッション26の変速を制御する。
FR操作部材86aは、車両の前進と後進とを切り換えるために操作される。FR操作部材86aは、前進、中立および後進の各位置に切り換えられる。FR操作検出部86bは、FR操作部材86aの位置を検出する。FR操作検出部86bは、検出信号を制御部10に出力する。制御部10は、FR操作検出部86bからの検出信号に基づいてクラッチ制御弁31を制御する。これにより、前進クラッチCFおよび後進クラッチCRが制御され、車両の前進と後進と中立状態とが切り換えられる。
制御部10は、一般的にCPU(Central Processing Unit)により各種のプログラムを読み込むことにより実現される。
制御部10は、メモリ60と接続されている。メモリ60は、ワークメモリとして機能するとともに、ホイールローダの機能を実現するための各種のプログラムを格納する。
制御部10は、アクセル操作部材81aの操作量に応じた目標回転数が得られるように、エンジン指令信号をガバナ25に送る。
制御部10は、角度検出部44と接続されている。角度検出部44は、図1に示すように、前車体部2aに設けられている。角度検出部44は、車体2のピッチ角を検出し、検出信号を制御部10に入力する。ここで、ホイールローダ1の重心を通り左右方向に延びる軸回りの方向を、ピッチ方向と称する。ピッチ方向は、車体2の前端が車体2の重心に対して下降または上昇する方向をいう。ピッチ角とは、ピッチ方向における車体2の傾斜角度をいう。ピッチ角は、鉛直方向または水平方向などの基準面に対する車体2の前後方向の傾斜角度である。
制御部10は、速度検出部46と接続されている。速度検出部46は、図1に示すように、前車体部2aに設けられている。速度検出部46は、車体2のピッチ方向の速度を検出し、検出信号を制御部10に入力する。速度検出部46は、車体2の前端が車体2の重心に対して下降または上昇する速度を検出する。
制御部10は、表示器50とも接続される。表示器50には、タッチパネル等の入力装置が設けられ、当該タッチパネルを操作することにより制御部10に対してコマンドを指示することが可能である。また、表示器50は、オペレータに操作ガイダンスを表示することが可能である。
<掘削作業>
本実施形態のホイールローダ1は、土砂などの掘削対象物を掬い取る掘削作業を実行する。図4は、実施形態に基づくホイールローダ1の掘削作業を説明する図である。
図4に示されるように、ホイールローダ1は、バケット7の刃先7aを掘削対象物Pに食い込ませた後に、バケット軌跡Lに沿ってバケット7を上昇させる。これにより、掘削対象物Pを掬い取る掘削作業が実行される。
図5は、ホイールローダ1の掘削作業および積込作業を構成する一連の工程の例を示す模式図である。ホイールローダ1は、次のような複数の工程を順次に行うことを繰り返して、掘削対象物Pを掘削し、ダンプトラックなどの運搬機械に掘削対象物Pを積み込んでいる。
図5(a)に示される前進工程において、オペレータは、リフトシリンダ14a,14bおよびチルトシリンダ15を操作して、作業機3をブーム6が低い位置にありバケット7が水平を向いた掘削姿勢にして、ホイールローダ1を掘削対象物Pに向けて前進させる。
図5(b)および(c)に示される掘削工程において、オペレータは、ホイールローダ1を更に前進させ、バケット7の刃先7aを掘削対象物に突っ込む(図5(b)に示される突込みサブ工程)。その後オペレータは、チルトシリンダ15を操作してバケット7をチルトバックさせ、バケット7内に掘削対象物Pを掬い込む(図5(c)に示される掬込みサブ工程)。掘削対象物Pの種類によって、バケット7を1回チルトバックさせるだけで掬込みサブ工程が完了する場合がある。または、掬込みサブ工程において、バケット7をチルトバックさせ、中立にし、再びチルトバックさせるという動作を繰り返す場合もある。
バケット7に掘削対象物Pをすくい込んだ後、図5(d)に示される後進・ブーム上昇工程において、オペレータは、ホイールローダ1を後進させつつ、リフトシリンダ14a,14bを伸張させて、ブーム6を上昇させる。
図5(e)に示される前進・ブーム上昇工程において、オペレータは、ホイールローダ1を前進させてダンプトラックに接近しつつ、バケット7の高さが積込高さになるまで、リフトシリンダ14a,14bをさらに伸張させて、ブーム6を上昇させる。
図5(f)に示される排土工程において、オペレータは、所定位置でバケット7をダンプして、掘削対象物Pをダンプトラックの荷台上に積み込む。この工程は、その前の前進・ブーム上昇工程から連続的に前進しつつ行われることも多い。
図5(g)に示される後進・ブーム下げ工程において、オペレータは、車両を後進させながらブーム6を下げ、バケット7を掘削姿勢に戻す。
以上が、掘削積込作業の1サイクルをなす典型的な工程である。
さらに、図5(h)には、ホイールローダ1が単純に走行する単純走行工程が示されている。この工程では、オペレータはブーム6を低い位置にしてホイールローダ1を前進させる。バケット7に荷を積んで荷を運搬する場合もあるし、バケット7に荷を積まずに走行する場合もある。
図6は、ホイールローダ1の掘削作業および積込作業を構成する一連の工程の判定方法を示すテーブルである。
図6に示したテーブルにおいて、一番上の「作業工程」の行には、図5(a)〜図5(h)に示した作業工程の名称が示されている。その下の「速度段」、「作業機操作」及び「作業機シリンダ圧力」の行には、現在の工程がどの工程であるかを判定するために制御部10が使用する、各種の判断条件が示されている。
より詳細には、「速度段」の行には、トランスミッション26の速度段についての判定条件が丸印で示されている。ここでは、トランスミッション26が前進4速度段F1〜F4および後進2速度段R1、R2を有する場合を想定している。
「作業機操作」の行には、作業機3に対するオペレータの操作についての判定条件が丸印で示されている。より詳細には、「ブーム」の行にはブーム6に対する操作に関する判定条件が示されており、「バケット」の行にはバケット7に対する操作に関する判定条件が示されている。
「作業機シリンダ圧力」の行には、作業機3のシリンダの現在の油圧、たとえばリフトシリンダ14a,14bのシリンダボトム室の油圧、についての判定条件が示されている。ここで、油圧に関して、4つの基準値A,B,C,Pが予め設定され、これら基準値A,B,C,Pにより複数の圧力範囲(基準値P未満の範囲、基準値AからCの範囲、基準値BからPの範囲、基準値C未満の範囲)が定義され、これらの圧力範囲が上記判断条件として設定されている。4つの基準値A,B,C,Pの大きさは、A>B>C>となっている。
以上のような各工程ごとの「速度段」、「ブーム」、「バケット」「作業機シリンダ圧力」の判定条件の組み合わせを用いることにより、制御部10は、現在行われている工程がどの工程なのかを判別する。
図6に示した制御を行う場合の制御部10の具体的動作を以下に説明する。
図6に示した各工程に対応する「速度段」、「ブーム」、「バケット」および「作業機シリンダ圧力」の判定条件の組み合わせが、予めメモリ60に格納されている。制御部10は、図2に示した変速操作検出部85bおよびFR操作検出部86bからの信号に基づいて、トランスミッション26の現在選択されている速度段(F1〜F4、R1またはR2)を把握する。制御部10は、ブーム操作検出部83bからの信号に基づいて、ブーム6に対する現在の操作の種類(フロート、下げ、中立または上げ)を把握する。制御部10は、バケット操作検出部84bからの信号に基づいて、バケット7に対する現在の操作の種類(ダンプ、中立またはチルト)を把握する。さらに、制御部10は、図2に示した第2油圧センサ95からの信号に基づいて、リフトシリンダ14a,14bのシリンダボトム室の現在の油圧を把握する。
制御部10は、把握された現在の速度段、ブーム操作種類、バケット操作種類およびリフトシリンダ油圧の組み合わせ(つまり現在の作業状態)を、予め記憶してある各工程に対応する「速度段」、「ブーム」、「バケット」および「作業機シリンダ圧力」の判定条件の組み合わせと対照する。この対照する処理の結果として、制御部10は、現在の作業状態に最も良く一致する判定条件の組み合わせがどの工程に対応するのかを判定する。
ここで、図6に示す掘削工程に対応する判定条件の組み合わせは、具体的には次のとおりである。
掘削工程(突込みサブ工程)においては、速度段がF1またはF2、ブーム操作とバケット操作とが共に中立、作業機シリンダ圧力が基準値AからCの範囲である。
掘削工程(掬込みサブ工程)においては、速度段がF1またはF2、ブーム操作が上げまたは中立、バケット操作がチルト、作業機シリンダ圧力が基準値AからCの範囲である。バケット操作については、チルトと中立とが交互に繰り返される判定条件をさらに追加してもよい。掘削対象物Pの状態によっては、バケット7をチルトバックさせ、中立にし、再びチルトバックさせるという動作を繰り返す場合があるからである。
図7は、ホイールローダ1の掘削作業および積込作業時のリフトシリンダ14a,14bの油圧の変化の一例を示すグラフである。図7において、縦軸はリフトシリンダ14a,14bの油圧を示し、横軸は時間を示す。図7には、図5および図6に示した各工程における、リフトシリンダ14a,14bのシリンダボトム室の油圧が示されている。
図7に示すように、リフトシリンダ14a,14bの油圧は、前進工程では低く、掘削工程が開始すると急峻に大幅に上昇し、掘削工程の全区間にわたり継続して高く、掘削工程が終了すると急激に大幅に低下する。リフトシリンダ14a,14bの油圧は、前進工程では全区間にわたり基準値Pより低く、掘削工程では全区間にわたり基準値Pより大幅に高く、その差は明瞭である。
前進工程の時間は、通常数秒間(たとえば5秒)程度ある。したがって、リフトシリンダ14a,14bの油圧が、所定の時間(たとえば1秒)にわたって所定の基準値Pより低く、その後、上昇して基準値Pを超えた時点を検出すると、その時点が掘削工程の開始時点であると検知できる。
図6に示したトランスミッション26の速度段の変化に基づいて、掘削工程が開始した後に速度段が前進から中立または後進へ切り替えられることにより、掘削工程が終了したことを判定できる。または、図7に示したリフトシリンダ14a,14bの油圧の変化に基づいて、掘削工程が開始した後にリフトシリンダ14a,14bの油圧が基準値Bよりも下がり、所定の時間(たとえば1秒)にわたって基準値Bより低い状態を保つことを検出することにより、掘削工程が終了したことを判定できる。
以上説明したように、制御部10は、リフトシリンダ14a,14bの油圧の状態に主に基づいて、現在の工程が掘削工程であるか否かを判断できる。なお、リフトシリンダ14a,14bの油圧に替えてまたは併用して、チルトシリンダ15のシリンダボトム室の油圧を、掘削工程であるか否かの判断に用いてもよい。また、トランスミッション26の速度段、作業機3の位置、および車両走行速度のいずれかまたは組合せを、掘削工程であるか否かの判断に用いてもよい。
<掘削作業時の制御概念>
以下、掘削工程におけるホイールローダ1の挙動、および掘削工程においてブーム6を上昇させる制御について説明する。図8は、ホイールローダ1が掘削対象物Pの掘削を開始した状態を示す側面図である。
図8に示すように、ホイールローダ1が矢印Aの方向に前進し、バケット7の刃先7aを掘削対象物Pに突き刺す。このときバケット7には、矢印Aの向く方向と逆方向の、矢印Bの方向に反力が作用する。加えて、バケット7内に掘削対象物Pが入り込むことにより、その掘削対象物Pに作用する重力の影響で、バケット7には、矢印Cの方向にも力が加えられる。
図9は、掘削開始時におけるホイールローダ1の傾斜を示す側面図である。図9中に示す黒丸は、ホイールローダ1の車体2の重心Gを示す。図9中に示す一点鎖線は、重心Gを通り、地面と平行な直線を示す。ホイールローダ1が水平な地面を走行している場合、図9中に示す一点鎖線は、水平面を示す。図9中にはまた、図8を参照して説明した、バケット7に作用する力の方向を示す矢印Bおよび矢印Cが図示されている。
バケット7に矢印Bおよび矢印C方向の力が作用することにより、図9中に白抜き矢印で示す、車体2の重心G回りのモーメントMが発生する。このモーメントMによって、ホイールローダ1の車体2の前端に、下向きの力が作用する。これにより、車体2が前傾する。車体2は、上述したピッチ方向に沿って傾斜する。車体2の前端は、重心Gに対して下向きに動く。この車体2の傾斜によって、図9中に示すピッチ角θが発生する。
このとき、前輪4aのタイヤ4atは弾性材料製であるので、タイヤ4atは上下方向に圧縮されて弾性変形する。前輪4aが圧縮され縮むことにより、車体2は、重心Gに対してピッチ角θを形成して傾斜する。図9に示すホイールローダ1の左側面図において、車体2は、重心Gの回りに反時計回り方向に変位している。
図10は、タイヤ4atの圧縮変形を示す模式図である。図10において、(a)は、圧縮されておらず変形していない状態の前輪4aを模式的に示す図であり、(b)は、上下方向に圧縮されて変形している状態の前輪4aを模式的に示す図である。
図10(a)では、前輪4aのホイール部4awとタイヤ4atとを、模式的に同心円で示している。ホイール部4awは金属材料製であるため、車体2がピッチ方向に傾斜しても変形しない。そのため、図10(b)では、ホイール部4awは、図10(a)と同じ円形で示されている。一方、タイヤ4atはゴムなどの弾性材料製であるため、車体2が前傾した結果、弾性変形する。図10(b)では、タイヤ4atは、上下方向に圧縮されて撓んでいる。図10(a)と比較して、図10(b)に示すタイヤ4atは、地表面と直交する上下方向の寸法を、図中に示す寸法Δ1分だけ、減少させている。
図11は、タイヤ4atの圧縮量、ピッチ角θ、およびピッチ方向に車体2が動く速度と、時間との関係を示すグラフである。図11(a)の横軸は時間を示し、縦軸は上下方向のタイヤ4atの圧縮量を示す。図11(a)の縦軸のプラス方向は、上下方向にタイヤ4atが圧縮されている状態を示し、マイナス方向は、上下方向にタイヤ4atが伸長している状態を示す。
図11(b)の横軸は時間を示し、縦軸はピッチ角θを示す。図11(b)の縦軸のプラス方向は、車体2の前端が重心Gに対して上方に変位している状態を示し、マイナス方向は、車体2の前端が重心Gに対して下方に変位している状態を示す。図11(b)の縦軸のプラス方向は仰角を示し、マイナス方向は俯角を示す。
図11(c)の横軸は時間を示し、縦軸はピッチ方向に車体2が動く速度を示す。図11(c)の縦軸のプラス方向は、車体2の前端の上向きの動きを示し、マイナス方向は、車体2の前端の下向きの動きを示す。
図11(a),図11(b),図11(c)の時間軸に示す時刻t0は、タイヤ4atが圧縮され始めた時刻であり、重心Gに対して下向きのピッチ角θが発生するとともにピッチ方向の下向きの速度が発生し始めた時刻を示す。時刻t1は、タイヤ4atの圧縮量が増加している最中の時刻であり、重心Gに対して下向きのピッチ角θが増大している最中の時刻を示す。時刻t2は、タイヤ4atの圧縮量が最大となる時刻であり、重心Gに対して下向きのピッチ角θが最大となる時刻を示す。
本実施形態では、タイヤ圧縮量およびピッチ角の単位時間当たりの増加量は一定であるものとする。そのため、タイヤ4atが圧縮している間(時刻t0から時刻t2まで)、ピッチ方向の下向きの速度は一定である。なお、これに限られず、時刻t0から時刻t2まで時間が経過するにつれてピッチ方向の速度が徐々に減少する場合もある。
時刻t2において、バケット7をチルトバックさせるチルト動作(図5(c)参照)が開始する。または、時刻t2において、ホイールローダ1を図8に示す矢印Aの方向に加速させるアクセル操作量が減少する。その結果、バケット7に作用する図8に示す矢印Bの方向の力成分が減少するために、図9に示す車体2の重心G回りのモーメントMが減少する。これにより、前輪4aのタイヤ4atの上下方向の圧縮が開放される。圧縮が開放されたタイヤ4atは、反発して、上下方向に伸長する。
したがって、図11(a)に示すタイヤ4atの圧縮量は、時刻t0から時刻t2まで直線的に増加し、時刻t2において増加を停止して減少し始める。
図11(b)に示すように、重心Gに対して下向きのピッチ角θは、時刻t0から時刻t2まで直線的に増加し、時刻t2において増加を停止して減少し始める。図9に示す左側面図において、時刻t0から時刻t2までは車体2の重心G回りの反時計回り方向の変位が増加し、時刻t2において増加を停止して、車体2は重心G回りに時計回り方向に動き始める。時刻t0から時刻t2まで、車体2の前方が重心に対して下方へ移動する。時刻t2において、車体2の前方が上昇を開始する。
図11(c)に示すように、タイヤ4atが圧縮している間(時刻t0から時刻t2まで)、車体2の前端は、下向きの速度が一定でピッチ方向に動いている。時刻t2を境として、車体2の前端の動く方向が下向きから上向きへと変化する。
図11(a),図11(b),図11(c)の時間軸に示す時刻t3は、タイヤ4atの圧縮量が減少している最中の時刻であり、車体2の前端がピッチ方向の上向きに動いており、重心Gに対して下向きのピッチ角θが減少している最中の時刻である。
時刻t4は、タイヤ4atの圧縮量がゼロとなる瞬間の時刻である。時刻t4において、車体2のピッチ角θもゼロになる。時刻t4において、車体2の前端が上向きに移動する速度は最大になる。
タイヤ4atは弾性材料製であるため、振動する。タイヤ4atは、時刻t4で上下方向の圧縮量がゼロになった後に直ちに停止するのではなく、時刻t4後に上下方向に伸長する。時刻t5は、タイヤ4atの伸長量が最大となる時刻であり、重心Gに対して上向きのピッチ角θが最大となる時刻を示す。時刻t5を境として、車体2の前端の動く方向が、上向きから下向きへと変化する。
したがって、図11(a)に示すように、時刻t2から時刻t4までタイヤ4atの上下方向の圧縮量が減少し、時刻t4から時刻t5までタイヤ4atは上下方向に伸長している。時刻t0から時刻t2まで上下方向に圧縮されたタイヤ4atは、圧縮力を開放されることにより反発して、時刻t2から時刻t5まで上下方向に伸長する。
図11(b)に示すように、車体2は、時刻t0から時刻t4まで重心に対して下向きのピッチ角θを形成して傾斜する。時刻t4の後のタイヤ4atの伸長によって、車体2は重心Gに対して上向きのピッチ角θを形成して傾斜する。
図11(c)に示すように、タイヤ4atが伸長している間(時刻t2から時刻t5まで)、車体2の前端は、上向きの速度を有してピッチ方向に動いている。
図11(c)の縦軸に、車体2のピッチ方向の速度に係る所定の閾値Tvが示されている。図11(c)の横軸に示す時刻t6は、車体2のピッチ方向上向きの速度が増加して閾値Tv以上となる瞬間の時刻である。時刻t7は、車体2のピッチ方向上向きの速度が減少して閾値Tv以下となる瞬間の時刻である。時刻t6から時刻t7まで、車体2のピッチ方向上向きの速度が、閾値Tv以上である。時刻t6の後、時刻t7に至るまでの時間内、車体2の前方が重心Gに対して上方に移動する速度が、閾値Tvよりも大きい。
図10に戻って、図10(a)は、時刻t0以前のタイヤ4atの状態を示している。図10(b)は、時刻t1におけるタイヤ4atの状態を示している。
図12は、圧縮変形したタイヤ4atの形状の復元を示す模式図である。図12において、(a)は、上下方向の圧縮量が最大の状態の前輪4aを模式的に示す図であり、(b)は、圧縮が開放されて上下方向の撓み量が減少している状態の前輪4aを模式的に示す図である。図12(a)と比較して、図12(b)に示すタイヤ4atは、地表面と直交する上下方向の寸法を、図中に示す寸法Δ2分だけ、増加させている。図12(a)は、時刻t2におけるタイヤ4atの状態を示している。図12(b)は、時刻t3におけるタイヤ4atの状態を示している。
本実施形態に基づくホイールローダ1においては、時刻t0から時刻t2まで上下方向に圧縮された前輪4aのタイヤ4atが、その後反発して、時刻t2から時刻t5まで上下方向に伸長する。このタイヤ4atの伸長に伴って、車体2の前方が上方へ移動する。本実施形態のホイールローダ1の制御においては、時刻t2から時刻t5までの車体2の前端の上昇を、ブーム6を上昇させる作業に利用する。
車体2の前方が上向きに動くと、ブームピン16によって車体2に取り付けられたブーム6もまた、上向きに動く。ブーム6が車体2と共に上方に動いている時間中に、リフトシリンダ14a,14bの駆動によるブーム6の上昇を開始する。リフトシリンダ14a,14bの動作で発生するブーム6のリフト力が、タイヤ4atの反発によるブーム6の上昇によって補助される。このようにすれば、ブーム6を所望の高さにまで上げる動作のために必要なリフトシリンダ14a,14bの駆動力を低減することができる。したがって、ブーム6を上昇させる作業に必要な燃費を改善することができる。
<制御システムの構成>
図13は、実施形態に基づくホイールローダ1の制御部10の機能構成を説明する図である。図13に示されるように、制御部10は、掘削判定部101と、角度判定部102と、速度判定部103と、チルト角判定部104と、アクセル操作判定部105と、作業機制御部110とを有している。
掘削判定部101は、掘削が行なわれているか否かを判定する。たとえば、掘削判定部101は、図2に示す変速操作検出部85bから変速操作部材85aの位置に係る検出信号を取得し、FR操作検出部86bからFR操作部材86aの位置に係る検出信号を取得する。掘削判定部101は、これらの検出信号に基づいて、トランスミッション26の現在選択されている速度段が、図6に示す前進4速度段F1〜F4および後進2速度段R1、R2のいずれであるかを判定する。
また掘削判定部101は、図2に示すブーム操作検出部83bから、ブーム操作部材83aの位置に係る検出信号を取得する。掘削判定部101は、この検出信号に基づいて、ブーム6に対する現在の操作の種類(フロート、下げ、中立または上げ)を判定する。
また掘削判定部101は、図2に示すバケット操作検出部84bから、バケット操作部材84aの位置に係る検出信号を取得する。掘削判定部101は、この検出信号に基づいて、バケット7に対する現在の操作の種類(ダンプ、中立またはチルト)を判定する。
また掘削判定部101は、図2に示す第2油圧センサ95から、リフトシリンダ14a,14bに供給される作動油の圧力に係る検出信号を取得する。掘削判定部101は、この検出信号に基づいて、リフトシリンダ14a,14bのシリンダボトム室の現在の油圧を判定する。
図6を参照して上述したように、掘削判定部101は、現在の速度段、ブーム操作種類、バケット操作種類およびリフトシリンダ油圧の組み合わせに基づいて、現在行われている工程が掘削工程であるか否かを判定する。
角度判定部102は、図1,2に示す角度検出部44から、車体2の重心G回りのピッチ方向の角度に係る検出信号を取得する。角度判定部102は、この検出信号に基づいて、車体2の現在のピッチ角の重心Gに対する向きを判定し、ピッチ角の増減を判定する。
速度判定部103は、図1,2に示す速度検出部46から、車体2の重心G回りのピッチ方向の速度に係る検出信号を取得する。速度判定部103は、この検出信号に基づいて、車体2の前端が車体2の重心Gに対して動く向きを判定し、上方に動く速度と所定の閾値Tv(図11(c)参照)との大小の比較を判定する。
チルト角判定部104は、図2に示すチルト角検出部99から、チルト角β(図3参照)に係る検出信号を取得する。チルト角判定部104は、この検出信号に基づいて、チルト角βの増減を判定し、バケット7がチルト動作を行なっているか否かを判定する。
アクセル操作判定部105は、図2に示すアクセル操作検出部81bから、アクセル操作量に係る検出信号を取得する。アクセル操作判定部105は、この検出信号に基づいて、アクセル操作量の増減を判定し、車体2を前進させる走行駆動力の増減を判定する。
作業機制御部110は、ブーム制御部111と、バケット制御部112とを有している。ブーム制御部111は、図2に示すリフトシリンダ14a,14bへの制御指令を生成して、作業機制御弁34に出力する。バケット制御部112は、図2に示すチルトシリンダ15への制御指令を生成して、作業機制御弁34に出力する。これにより、作業機制御弁34が制御され、リフトシリンダ14a,14bおよびチルトシリンダ15が伸縮して、ブーム6およびバケット7が動作する。
図14は、実施形態に基づく制御部10の処理の流れの第1の例を説明するフローチャートである。図14に示されるように、制御部10は、ステップS1において、掘削工程中か否かを判定する。具体的には、掘削判定部101は、現在の速度段、ブーム操作種類、バケット操作種類およびリフトシリンダ油圧の組み合わせに基づいて、現在行われている工程が掘削工程であるか否かを判定する。
掘削工程中であると判断された場合(ステップS1においてYES)、次に制御部10は、ステップS2において、チルト角βを検出する。具体的には、チルト角判定部104は、チルト角検出部99から取得した検出信号に基づいて、現在のチルト角βを算出する。またチルト角判定部104は、現在から単位時間前のチルト角βを、単位時間前にチルト角検出部99から取得した検出信号に基づいて、同様に算出する。さらにチルト角判定部104は、現在のチルト角βと、単位時間前のチルト角βとを比較する。なお、単位時間の長さは、当業者であるならば適宜設計変更可能である。
次に、制御部10は、ステップS3において、バケット7がチルト動作を行なっているか否かを判定する。具体的には、チルト角判定部104は、現在のチルト角βが単位時間前のチルト角βと同じであれば、バケット7はブーム6に対して相対的に動いておらず、チルト動作を行なっていないと判断する。またチルト角判定部104は、現在のチルト角βが単位時間前のチルト角βよりも小さければ、バケット7はダンプ動作を行なっており、チルト動作を行なっていないと判断する。またチルト角判定部104は、現在のチルト角βが単位時間前のチルト角βよりも大きければ、バケット7がチルト動作を行なっていると判断する。
バケット7がチルト動作を行なっていないと判断された場合(ステップS3においてNO)、次に制御部10は、ステップS4において、アクセル操作量を検出する。具体的には、アクセル操作判定部105は、アクセル操作検出部81bから取得した検出信号に基づいて、現在のアクセル操作量を算出する。またアクセル操作判定部105は、現在から単位時間前のアクセル操作量を、単位時間前にアクセル操作検出部81bから取得した検出信号に基づいて、同様に算出する。さらにアクセル操作判定部105は、現在のアクセル操作量と、単位時間前のアクセル操作量とを比較する。
次に、制御部10は、ステップS5において、アクセル操作量が減少しているか否かを判定する。具体的には、アクセル操作判定部105は、現在のアクセル操作量が単位時間前のアクセル操作量と同じ、または現在のアクセル操作量が単位時間前のアクセル操作量よりも大きければ、アクセル操作量が減少していないと判断する。またアクセル操作判定部105は、現在のアクセル操作量が単位時間前のアクセル操作よりも小さければ、アクセル操作量が減少していると判断する。
ステップS3においてバケット7がチルト動作を行なっていると判断された場合(ステップS3においてYES)、および、ステップS5においてアクセル操作量が減少していると判断された場合(ステップS5においてYES)、次に制御部10は、ステップS6において、ブーム6の上昇を開始する。具体的には、ブーム制御部111は、作業機制御弁34に制御指令を出力して、リフトシリンダ14a,14bのシリンダボトム室に作動油を供給させ、リフトシリンダ14a,14bを伸長させる。これにより、ブーム6は上昇を開始する。そして、処理を終了する(エンド)。
ステップS1において掘削工程中でないと判断された場合(ステップS1においてNO)、および、ステップS5においてアクセル操作量が減少していないと判断された場合(ステップS5においてNO)、制御部10は、ステップS6をスキップする。そのため、ブーム6の上昇は実行されない。そして、処理を終了する(エンド)。
当該処理により、バケット7のチルト動作が検出された後、または車体2を加速させるアクセル操作量の減少が検出された後、ブーム6の上昇が開始される。バケット7のチルト動作、またはアクセル操作量の減少によって、バケット7に作用する図8に示す矢印Bの方向の力成分が減少し、図9に示す車体2の重心G回りのモーメントMが減少する。これにより、前輪4aのタイヤ4atの上下方向の圧縮が開放される。圧縮が開放されたタイヤ4atは、反発して、上下方向に伸長する。このタイヤ4atの伸長に伴って、車体2の前方が上方へ移動する。
したがって、ブーム6が車体2と共に上方に動いている時間中にブーム6の上昇を開始できるので、ブーム6の上げ動作のために必要なリフトシリンダ14a,14bの駆動力を低減することができる。よって、ブーム6を上昇させる作業に必要な燃費を改善することができる。
図15は、実施形態に基づく制御部10の処理の流れの第2の例を説明するフローチャートである。図15に示されるように、制御部10は、ステップS11において、掘削工程中か否かを判定する。具体的には、掘削判定部101は、現在の速度段、ブーム操作種類、バケット操作種類およびリフトシリンダ油圧の組み合わせに基づいて、現在行われている工程が掘削工程であるか否かを判定する。
掘削工程中であると判断された場合(ステップS11においてYES)、次に制御部10は、ステップS12において、ピッチ角θを検出する。具体的には、角度判定部102は、角度検出部44から取得した検出信号に基づいて、現在のピッチ角θを算出する。また角度判定部102は、現在から単位時間前のピッチ角θを、単位時間前に角度検出部44から取得した検出信号に基づいて、同様に算出する。さらに角度判定部102は、現在のピッチ角θと、単位時間前のピッチ角θとを比較する。
次に、制御部10は、ステップS13において、ピッチ角θが下向きであるか否かを判定する。具体的には、角度判定部102は、現在のピッチ角θが、図11(b)のグラフに示す縦軸のマイナスの範囲にあれば、車体2の前端が重心Gに対して下方に変位しており、ピッチ角θが下向きであると判断する。また角度判定部102は、現在のピッチ角θが、図11(b)のグラフに示す縦軸のプラスの範囲にあるかまたはゼロであれば、ピッチ角θが下向きでないと判断する。
ステップS13においてピッチ角θが下向きであると判断された場合(ステップS13においてYES)、次に制御部10は、ステップS14において、ピッチ角θが減少しているか否かを判定する。具体的には、角度判定部102は、現在のピッチ角θの大きさが単位時間前のピッチ角θと同じ、または単位時間前のピッチ角θよりも大きければ、ピッチ角θが減少していないと判断する。また角度判定部102は、現在のピッチ角θの大きさが単位時間前のピッチ角θよりも小さければ、ピッチ角θが減少していると判断する。
なお、「ピッチ角θの大きさ」とは、車体2の傾斜の大きさをいう。車体2の傾斜角度が大きいほど、ピッチ角θの大きさは大きい。車体2の前端が重心Gに対して下に向く方向(図9に示す左側面図における反時計回り方向)に、車体2が傾斜している場合、車体2の前端が地面に近いほど、ピッチ角θの大きさが大きい。車体2の前端が重心Gに対して上に向く方向(図9に示す左側面図における時計回り方向)に、車体2が傾斜している場合、車体2の前端が地面から遠いほど、ピッチ角θの大きさが大きい。図11(b)のグラフにおいて、ピッチ角θが縦軸のゼロの値から離れているほど、ピッチ角θの大きさが大きい。
ステップS14においてピッチ角θが減少していないと判断された場合(ステップS14においてNO)、ステップS14の判断が繰り返される。下向きのピッチ角θが減少していない(一定の値を維持、または増加している)間は、図9に示す車体2の重心G回りのモーメントMによって、車体2の前方が重心に対して下向きに動いており、車体2が前傾する角度が単調増加している。この時間内には、ブーム6の上昇は実行されない。
ステップS13においてピッチ角θが下向きでないと判断された場合(ステップS13においてNO)、次に制御部10は、ステップS15において、ピッチ角θが増加しているか否かを判定する。具体的には、角度判定部102は、現在のピッチ角θの大きさが単位時間前のピッチ角θと同じ、または単位時間前のピッチ角θよりも小さければ、ピッチ角θが増加していないと判断する。また角度判定部102は、現在のピッチ角θの大きさが単位時間前のピッチ角θよりも大きければ、ピッチ角θが増加していると判断する。
ステップS14においてピッチ角θが減少していると判断された場合(ステップS14においてYES)、および、ステップS15においてピッチ角θが増加していると判断された場合(ステップS15においてYES)、次に制御部10は、ステップS16において、ブーム6の上昇を開始する。具体的には、ブーム制御部111は、作業機制御弁34に制御指令を出力して、リフトシリンダ14a,14bのシリンダボトム室に作動油を供給させ、リフトシリンダ14a,14bを伸長させる。これにより、ブーム6は上昇を開始する。そして、処理を終了する(エンド)。
ステップS11において掘削工程中でないと判断された場合(ステップS11においてNO)、および、ステップS15においてピッチ角θが増加していないと判断された場合(ステップS15においてNO)、制御部10は、ステップS16をスキップする。そのため、ブーム6の上昇は実行されない。そして、処理を終了する(エンド)。
当該処理により、車体2の前方が重心Gに対して上昇を開始したことが角度検出部44から取得した検出信号に基づいて判定された後、ブーム6の上昇が開始される。上下方向に圧縮された前輪4aのタイヤ4atが反発して上下方向に伸長することによって、車体2の前方が重心Gに対して上昇する。ブーム6が車体2と共に上方に動いている時間中に、ブーム6の上昇が開始される。したがって、ブーム6の上げ動作のために必要なリフトシリンダ14a,14bの駆動力を低減することができ、ブーム6を上昇させる作業に必要な燃費を改善することができる。
図16は、実施形態に基づく制御部10の処理の流れの第3の例を説明するフローチャートである。図16に示されるように、制御部10は、ステップS21において、掘削工程中か否かを判定する。具体的には、掘削判定部101は、現在の速度段、ブーム操作種類、バケット操作種類およびリフトシリンダ油圧の組み合わせに基づいて、現在行われている工程が掘削工程であるか否かを判定する。
掘削工程中であると判断された場合(ステップS21においてYES)、次に制御部10は、ステップS22において、車体2の重心回りのピッチ方向の速度を検出する。具体的には、速度判定部103は、速度検出部46から取得した検出信号に基づいて、車体2の前端が車体2の重心Gに対して動く向きが上向きか下向きかを判別し、その車体2の動きの速度を算出する。
次に、制御部10は、ステップS23において、車体2の重心回りのピッチ方向の速度が上向きか否かを判定する。
ステップS23において車体2のピッチ方向の速度が上向きであると判断された場合(ステップS23においてYES)、次に制御部は、ステップS24において、車体2のピッチ方向の速度が所定の閾値Tv(図11(c)参照)よりも大きいか否かを判定する。
ステップS24において車体2のピッチ方向の速度が閾値Tvよりも大きいと判断された場合(ステップS24においてYES)、次に制御部10は、ステップS25において、ブーム6の上昇を開始する。具体的には、ブーム制御部111は、作業機制御弁34に制御指令を出力して、リフトシリンダ14a,14bのシリンダボトム室に作動油を供給させ、リフトシリンダ14a,14bを伸長させる。これにより、ブーム6は上昇を開始する。そして、処理を終了する(エンド)。
ステップS21において掘削工程中でないと判断された場合(ステップS21においてNO)、ステップS23において車体2の重心回りのピッチ方向の速度が上向きでないと判断された場合(ステップS23においてNO)、および、ステップS24において車体2のピッチ方向の速度が閾値Tv以下と判断された場合(ステップS24においてNO)、制御部10は、ステップS25をスキップする。そのため、ブーム6の上昇は実行されない。そして、処理を終了する(エンド)。
当該処理により、車体2の前方が重心Gに対して上方に動く速度が閾値Tvよりも大きい時間内に、ブーム6の上昇が開始される。上下方向に圧縮された前輪4aのタイヤ4atが反発して上下方向に伸長することによって、車体2の前方が重心Gに対して上昇する。ブーム6が車体2と共に上方に動いており、その動きの速度が所定の閾値Tvよりも大きい時間中に、ブーム6の上昇が開始される。したがって、ブーム6の上げ動作のために必要なリフトシリンダ14a,14bの駆動力を低減することができ、ブーム6を上昇させる作業に必要な燃費を改善することができる。
なお、本例においては、閾値Tvよりも速度が大きい時間中にブーム6の上昇を開始する例について説明した。車体2のピッチ方向の速度が最大となるとき(図11(c)に示す時刻t4)にブーム6の上昇が開始されているようにしてもよく、たとえば図11(c)に示す時刻t2と時刻t4との間にブーム6の上昇を開始してもよい。
なお、上記の実施形態においては、上下方向に圧縮されたタイヤ4atが反発して上下方向に伸長している間にブーム6の上昇を開始する制御について説明した。この例に限られず、掘削工程中においてブーム6の上昇を開始するためにオペレータがブーム操作部材83aを操作する適切なタイミングを、表示器50に表示してもよい。このようにすれば、表示器50に表示された操作ガイダンスに従ってオペレータが作業機3を操作できるので、経験の浅いオペレータが熟練オペレータの操作を効率的に学習することが可能になる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、今回開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 ホイールローダ、2 車体、2a 前車体部、2b 後車体部、3 作業機、4a 前輪、4at,4bt タイヤ、4aw,4bw ホイール部、4b 後輪、5 運転室、6 ブーム、7 バケット、7a 刃先、10 制御部、14a,14b リフトシリンダ、15 チルトシリンダ、16 ブームピン、17 バケットピン、21 エンジン、44 角度検出部、46 速度検出部、50 表示器、81a アクセル操作部材、81b アクセル操作検出部、83a ブーム操作部材、83b ブーム操作検出部、84a バケット操作部材、84b バケット操作検出部、98 ブーム角検出部、99 チルト角検出部、101 掘削判定部、102 角度判定部、103 速度判定部、104 チルト角判定部、105 アクセル操作判定部、110 作業機制御部、111 ブーム制御部、112 バケット制御部。

Claims (8)

  1. 車体と、
    前記車体の前方に配設され、ブームを有する作業機と、
    弾性材料製のタイヤを有する前輪と、
    上下方向に圧縮された前記タイヤが反発して上下方向に伸長する前記タイヤの伸長を検出し、前記タイヤの伸長の検出に基づいて前記ブームの上昇を開始する制御指令を出力する、制御部とを備える、ホイールローダ。
  2. 前記作業機は、前記車体に取り付けられる一端と前記ブームに取り付けられる他端とを有するリフトシリンダをさらに有する、請求項1に記載のホイールローダ。
  3. 掘削が行なわれているか否かを判定する掘削判定部をさらに備え、
    前記掘削が行なわれていると判定された場合に、前記制御部は、上下方向に圧縮された前記タイヤが反発して上下方向に伸長している間に前記ブームの上昇を開始する、請求項1または2に記載のホイールローダ。
  4. 前記車体の重心回りのピッチ方向の角度を検出する角度検出部をさらに備え、
    前記制御部は、前記車体の前方が重心に対して上昇を開始したことが前記角度検出部により検出された後、前記ブームの上昇を開始する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のホイールローダ。
  5. 前記車体の重心回りのピッチ方向の速度を検出する速度検出部をさらに備え、
    前記制御部は、前記車体の前方が重心に対して上方に動く速度が閾値よりも大きい間に、前記ブームの上昇を開始する、請求項1〜のいずれか1項に記載のホイールローダ。
  6. 前記作業機は、バケットをさらに有し、
    前記バケットのチルト動作を検出するチルト検出部をさらに備え、
    前記制御部は、前記チルト動作が検出された後、前記ブームの上昇を開始する、請求項1〜のいずれか1項に記載のホイールローダ。
  7. 前記作業機は、チルトシリンダをさらに有し、
    前記チルトシリンダの伸縮によって前記バケットが前記ブームに対し揺動する、請求項6に記載のホイールローダ。
  8. 前記車体を加速させるアクセル操作量を検出するアクセル操作検出部をさらに備え、
    前記制御部は、前記アクセル操作量の減少が検出された後、前記ブームの上昇を開始する、請求項1〜のいずれか1項に記載のホイールローダ。
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