JP4714721B2 - 走行式油圧作業機 - Google Patents

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Description

本発明は、原動機(エンジン)によりトランスミッションを駆動し、走行を行うとともに、原動機により油圧ポンプを駆動して作業アクチュエータを作動し、フロント作業装置を駆動することで所定の作業を行うホイールローダやテレスコピックハンドラー等の走行式油圧作業機に関する。
従来の一般的な走行式油圧作業機では、油圧ポンプは固定容量型であり、ポンプ最大吸収トルクも一定(固定)である。このため、油圧ポンプと走行(トランスミッション)に配分されるエンジン出力トルクの割合も一定であり、走行の最大トルクも一定である。
このような従来の一般的な走行式油圧作業機に対し、可変容量型の油圧ポンプを用い、油圧ポンプの最大吸収トルクを変えることができるようにしたものとして特許文献1に記載のものがある。
特許文献1記載の従来技術は、走行駆動装置と作業アクチュエータの負荷の和(油圧ポンプの吸収トルクとトランスミッショントルク(走行トルク)の和)を検出し、その和がエンジンの出力トルクよりも小さい場合は作業アクチュエータ用の可変容量型の油圧ポンプの最大吸収トルクを設定値に維持し、コンバインストール時など走行駆動装置と作業アクチュエータの負荷の和がエンジン出力トルクよりも大きくなると可変容量型の油圧ポンプの最大吸収トルク(最大ポンプトルク)を小さくして走行トルクを増大させ、大きな牽引力を得らるようにしたものである。
また、特許文献1記載の従来技術は、更に、走行駆動装置の作動状態(走行状態)と作業アクチュエータの負荷状態(フロント作業装置の負荷状態)を検出することにより、走行駆動装置がストール状態にあり、走行駆動装置と作業アクチュエータの負荷の和がエンジン出力トルクよりも大きくなるときでも、作業アクチュエータの負荷圧力が低い場合は最大ポンプトルクの下げ制御を抑えて油圧ポンプの吐出流量を増やし、作用アクチュエータの駆動速度(作業速度)を上げるようにしている。
特開2005−155494
特許文献1記載の従来技術では、上記のように走行駆動装置と作業アクチュエータの負荷の和を検出するとともに、走行駆動装置の作動状態(走行状態)と作業アクチュエータの負荷状態(フロント作業装置の負荷状態)を検出することにより、掘削作業等、走行駆動装置と作業アクチュエータとの複合操作時にエンジンの出力を有効利用し、作業効率を向上することができる。また、作業アクチュエータの負荷圧力が低い場合は最大ポンプトルクの下げ制御を抑えて油圧ポンプの吐出流量を増やすことにより作業アクチュエータの駆動速度(作業速度)を上げ、複合操作性を良好に保ち、作業性及び作業効率を向上させることができる。
しかしながら、上記従来技術では、ある作業において作業性が低下し、作業効率が落ちる不具合が生じていた。
例えば、ホイールローダで行う作業として、バケットを下げた状態で走行力によりバケットを地山の土砂に押し込み、車体を走行させながらバケットに土砂を掬い込み、バケットを上げて掬い込んだ土砂を高く積み上げる作業がある。バケット押し込み後の土砂の掬い込み・積み上げ作業を一般にかきあげ作業と呼んでいる。このかきあげ作業では走行力よりもフロント作業装置の上げ速度(作業速度)を増加させることにより作業量が増え、作業効率が向上する。
しかし、かきあげ作業のバケット上げ操作時は必ずしも作業アクチュエータの負荷圧力が低下するとは限らず、特にフロント作業装置が高くなると作業アクチュエータの負荷圧力が上昇する場合が多い。このようにかきあげ作業で負荷圧力が高くなると、特許文献1記載の従来技術では掘削時と同じ条件であると判断されるため、最大ポンプトルクの下げ制御が機能して油圧ポンプの最大吸収トルクが下がってしまい、フロント作業装置の上げ速度が低下する。その結果、作業速度が遅くなり、作業性及び作業効率が低下する。
本発明の目的は、走行と作業アクチュエータとの複合操作時に、フロント作業装置の操作状況(作業状況)を正確に把握した最大ポンプトルクの下げ制御を可能とし、複合操作性を良好に保ち、作業性及び作業効率を向上する走行式油圧作業機を提供することである。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、少なくとも1つの原動機と、この原動機を装架する車体と、この車体に設けられ、前記原動機に連結されたトルクコンバータを含む走行手段と、前記原動機により駆動される可変容量型の油圧ポンプと、前記車体に設けられたフロント作業装置と、前記油圧ポンプの圧油によって作動し前記フロント作業装置を駆動する少なくとも1つの作業アクチュェータとを備えた走行式油圧作業機において、前記油圧ポンプの吸収トルクと前記走行手段の走行トルクの和が原動機の出力トルクを超えたかどうかを検出する第1検出手段と、前記走行手段の作動状況を検出する第2検出手段と、前記フロント作業装置の位置を検出する第3検出手段と、前記第1検出手段により油圧ポンプの吸収トルクと走行トルクの和が原動機の出力トルクを超えたことが検出されると、前記第2検出手段により検出された走行手段の作動状況及び前記第3検出手段により検出されたフロント作業装置の位置に応じて、前記油圧ポンプの最大吸収トルクを補正するポンプトルク補正手段とを有するものとする。
このように第1検出手段、第2検出手段、第3検出手段とポンプトルク補正手段を設け、第1検出手段により油圧ポンプの吸収トルクと走行トルクの和が原動機の出力トルクを超えたことが検出されると、第2検出手段により検出された走行手段の作動状況及び第3検出手段により検出されたフロント作業装置の位置に応じて、油圧ポンプの最大吸収トルクを補正することにより、走行と作業アクチュエータとの複合操作時にフロント作業装置の操作状況(作業状況)を正確に把握した最大ポンプトルクの下げ制御が可能となり、例えばかきあげ作業時にフロント作業装置の上げ速度を上げることで複合操作性を良好に保ち、作業性及び作業効率を向上することができる。
(2)上記(1)において、好ましくは、前記ポンプトルクの補正手段は、前記第1検出手段により油圧ポンプの吸収トルクと走行トルクの和が原動機の出力トルクを超えたことが検出されると補正トルクを求める第1手段と、前記第2検出手段により検出された走行手段の作動状況に応じて前記補正トルクを補正する第2手段と、前記第3検出手段により検出されたフロント作業装置の位置に応じて前記補正トルクを補正する第3手段と、前記油圧ポンプの最大吸収トルクを前記第2手段及び第3手段で補正した補正トルク分減らすよう制御する第4手段とを有する。
これにより油圧ポンプの吸収トルクと走行トルクの和が原動機の出力トルクを超えたことが検出されると、走行手段の作動状況に応じて油圧ポンプの最大吸収トルクを補正されるため、走行手段の作動状況に応じてポンプ吸収トルク減らし、走行トルクを増加させることができる。また、走行手段の作動状況とフロント作業装置の位置に応じて油圧ポンプの最大吸収トルクを補正され、フロント作業装置の操作状況(作業状況)を正確に把握した最大ポンプトルクの下げ制御が可能となり、例えばかきあげ作業時にフロント作業装置の上げ速度を上げることで複合操作性を良好に保ち、作業性及び作業効率を向上することができる。
(3)また上記(2)において、好ましくは、前記第3手段は、前記第3検出手段により前記フロント作業装置がある一定の位置まで変位したことが検出されると、前記補正トルクを減らすか0にするよう補正する。
これによりフロント作業装置の位置に応じて油圧ポンプの最大吸収トルクの減少量が調整されるため、フロント作業装置の操作状況(作業状況)を正確に把握した最大ポンプトルクの下げ制御が可能となる。
(4)また上記(1)において、好ましくは、更に、前記作業アクチュエータの負荷状況を検出する第4検出手段を有し、前記ポンプトルクの補正手段は、前記第1検出手段により油圧ポンプの吸収トルクと走行トルクの和が原動機の出力トルクを超えたことが検出されると、前記第2検出手段により検出された走行手段の作動状況と、前記第3検出手段により検出されたフロント作業装置の位置と、前記第4検出手段により検出された作業アクチュエータの負荷状況に応じて前記油圧ポンプの最大吸収トルクを補正する。
これによりフロント作業装置の位置と作業アクチュエータの負荷状況によりフロント作業装置の操作状況(作業状況)を把握できるため、更にフロント作業装置の操作状況(作業状況)を正確に把握した最大ポンプトルクの下げ制御が可能となる。
本発明によれば、走行と作業アクチュエータとの複合操作時に、フロント作業装置の操作状況(作業状況)を正確に把握した最大ポンプトルクの下げ制御が可能となり、例えばかきあげ作業時にフロント作業装置の上げ速度を上げることで複合操作性を良好に保ち、作業性及び作業効率を向上することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係わる走行式油圧作業機(ホイールローダ)の駆動系の全体システムを示す図である。
図1において、本実施の形態に係わる走行式油圧作業機は、原動機であるディーゼルエンジン(以下単にエンジンという)1と、エンジン1により駆動される作業系2及び走行系(走行手段)3と、制御系4とを備えている。
エンジン1は電子ガバナ41を備え、電子ガバナ41はアクセルペダル42の操作量(アクセル量)に応じて燃料噴射量が調整され、エンジン1の回転数を調整する。アクセルペダル42はオペレータにより操作され、目標とするエンジン回転数(以下、目標回転数という)を指令する手段であり、その踏み込み量(アクセル量)に応じて目標回転数が設定される。
作業系2は、エンジン1により駆動される油圧ポンプ12と、油圧ポンプ12から吐出される圧油によって作動する複数の油圧アクチュエータ(作業アクチュエータ)13,14と、油圧ポンプ12と複数の油圧アクチュエータ13,14との間に設けられ対応するアクチュエータに供給される圧油の流れを制御する方向切換弁17,18と、方向切換弁17,18を切り換え油圧アクチュエータ13,14を制御するパイロット圧(操作信号)を発生させる複数の操作レバー装置23,24と、操作レバー装置23,24に元圧となる圧油を供給するパイロット油圧ポンプ27とを有している。本実施の形態において、油圧アクチュエータ13はバケットシリンダであり、油圧アクチュエータ14はブームシリンダである(後述)。
油圧ポンプ12は可変容量型であり、トルク制御レギュレータ28が備えられている。トルク制御レギュレータ28は、油圧ポンプ12の吐出圧力が上昇するとき、それに応じて油圧ポンプ12の傾転(容量)を減少し、油圧ポンプ12の吸収トルクが設定値(最大ポンプ吸収トルク)を超えないよう油圧ポンプ12の傾転(容量)を制御する。トルク制御レギュレータ28の設定値(最大ポンプ吸収トルク)は可変であり、トルク制御電磁弁29により制御される。トルク制御電磁弁29は電気的な指令信号により作動し、パイロット油圧ポンプ27の吐出圧を油圧源として指令信号に応じた制御圧力を出力する。
走行系3は走行駆動装置を構成するものであり、エンジン1の出力軸に油圧ポンプ12と直列に連結されたトルクコンバータ31と、このトルクコンバータ31の出力軸に連結されたトランスミッション(T/M)32と、このトランスミッション32にディファレンシャルギヤ33,34を介して連結された前輪35及び後輪36とを有している。
制御系4は、アクセルペタル42の踏み込み量(アクセル量)を検出する位置センサー43と、エンジン1の出力回転数(トルクコンバータ31の入力回転数)を検出する回転センサー45と、トルクコンバータ31の出力回転数を検出する回転センサー46と、走行式油圧作業機のフロント作業装置104(図2参照)の位置(ブーム角度)を検出する角度センサー47と、コントローラ48とを有している。コントローラ48は、位置センサー43からの信号に基づいてアクセル量に応じた回転数となるようエンジン1の電子ガバナに指令信号を出力するエンジン制御機能と、位置センサー43、回転センサー45,46、角度センサー47からの信号に基づいて所定の演算処理を行い、トルク制御電磁弁29に指令信号を出力するポンプ制御機能とを有している。
本実施の形態においては、走行式油圧作業機はホイールローダであり、本実施の形態は本発明をホイールローダに適用した場合のものである。
図2は、本発明が適用されるホイールローダの外観を示す図である。図1において、ホイールローダ100は相互に回動自在にピン結合された車体前部101と車体後部102とを備え、車体前部101と車体後部102とで車体を構成している。車体前部101にはフロント作業装置104が設けられ、車体後部102には運転席106が設けられ、運転席106には操作レバー装置107、ハンドル108や前述したアクセルペダル42等の操作手段が設けられている。また、車体前部101及び車体後部102にはそれぞれ前述した前輪35及び後輪36が取り付けられるとともに、車体後部102には前述したエンジン1、油圧ポンプ12、トルクコンバータ31、トランスミッション32、コントローラ48等の各機器が搭載され、アクセルペダル42を踏み込んでエンジン1を制御し、エンジン1で発生した動力をトルクコンバータ31及びトランスミッション32を介して前輪35及び後輪36に伝達することで走行を行う。車体前部101と車体後部102との間にはステアリングシリンダ103が設けられ、ハンドル108を操作することによりステアリングシリンダ103が作動し、車体後部102に対する車体前部101の向き(車体の進行方向)が変わる。
フロント作業装置104はバケット(作業具)111とブーム112を有し、バケット111は前述したバケットシリンダ13の伸縮により上下に回動(チルト・ダンプ動作)し、ブーム112は前述したブームシリンダ14の伸縮により上下に回動する。ブーム112とブームシリンダ14はそれぞれ支持部115にピン結合され、支持部115と共にリンク機構を構成している。操作レバー装置107は十字方向に操作可能な操作レバーを備え、操作レバーを十字の一方向に操作すると前述した操作レバー装置23として機能し、方向切換弁17を切り換えてバケットシリンダ113を伸縮し、操作レバーを十字の他方向に操作すると前述した操作レバー装置24として機能しバケット111を上下に回動し、方向切換弁18を切り換えてブームシリンダ112を伸縮しブーム112を上下に回動する。ブーム12と支持部115とのピン結合部分に前述した角度センサー47が設けられている。
図3はコントローラ48のポンプ制御機能を示す機能ブロック図である。
図3において、コントローラ48は、目標回転数演算部80、ベーストルク演算部81、回転数偏差演算部82、補正トルク演算部83、速度比演算部84、走行状態判定部85、乗算部88、第1の作業状態判定部であるフロント位置判定部91、乗算部92、加算部93の各機能を有している。
目標回転数演算部80は、位置センサー43からのアクセル量の検出信号を入力し、これをメモリに記憶してあるテーブルに参照させ、そのときのアクセル量に対応する目標エンジン回転数NRを演算する。目標回転数NRは作業時にオペレータが意図するエンジン回転数であり、メモリのテーブルには、アクセル量が増大するに従って目標回転数NRが増大するように両者の関係が設定されている。
ベーストルク演算部81は、目標エンジン回転数NRを入力し、これをメモリに記憶してあるテーブルに参照させ、そのときの目標エンジン回転数NRに応じたポンプベーストルクTRを算出する。メモリのテーブルには、目標エンジン回転数NRが上昇するに従ってポンプベーストルクTRが増大するようNRとTRの関係が設定されている。
回転数偏差演算部82は、回転センサー45により検出されたエンジン1の出力回転数(以下実エンジン回転数NAという)から目標回転数演算部80で演算された目標エンジン回転数NRを差し引いてエンジン回転数偏差ΔN(=NA−NR)を算出する。
補正トルク演算部83は、回転数偏差演算部82で演算された回転数偏差ΔNを入力し、これをメモリに記憶してあるテーブルに参照させ、そのときの回転数偏差ΔNに対応する補正トルクΔTを演算する。補正トルクΔTは、油圧ポンプ12が最大吸収トルクを消費し、そのポンプ吸収トルク(作業負荷)とトルクコンバータ31の入力トルク(走行トルク)との和がエンジン出力トルクを超えるような高負荷の運転状態となったときに油圧ポンプ12の最大吸収トルクを下げ、その分、走行トルクを上げ大きな牽引力が得られるようにするためのものであり、メモリのテーブルには、実エンジン回転数NAが目標エンジン回転数NRに一致し、回転数偏差ΔNが0であるときはΔT=0であり、実エンジン回転数の低下量が増大し、回転数偏差ΔNが負の値の領域で第1設定値以下になると、回転数偏差ΔNが減少するに従って補正トルクΔTが負の値の領域で0よりも小さくなり、回転数偏差ΔNが第2設定値(<第1設定値)以下に低下すると、ΔT=ΔTCの一定値となるようにΔNとΔTの関係が設定されている。
速度比演算部84は、回転数センサー45,46からのトルクコンバータ31の入出力回転数の検出信号を入力し、e=出力回転数/入力回転数の演算を行い、トルクコンバータ速度比eを算出する。
走行状態判定部85は、速度比演算部83で演算されたトルクコンバータ速度比eを入力し、これをメモリに記憶してあるテーブルに参照させ、そのときのトルクコンバータ速度比eに対応する第1判定係数αを演算する。第1判定係数αは、トルクコンバータ速度比eが小さくないとき(トルクコンバータ31がストールに近い状態にないとき)、つまり走行系3が大きな走行力(走行トルク)を必要としない作動状況にあるときは、補正トルクΔTによるポンプ吸収トルクの補正(ポンプ最大吸収トルクの減少)を制限するためのものであり、メモリのテーブルには、トルクコンバータ速度比eが第1設定値よりも小さいときはα=1であり、トルクコンバータ速度比eが第2設定値(>第1設定値)以上になるとα=0であり、トルクコンバータ速度比eが第1設定値と第2設定値の間にあるときは、所定の割合(ゲイン)でトルクコンバータ速度比eが上昇するに従いαが小さくなるようeとαの関係が設定されている。
フロント位置判定部91は、角度センサー47からのブーム112の回動角度(ブーム角度:フロント作業装置104の高さ位置)の検出信号を入力し、これをメモリに記憶してあるテーブルに参照させ、そのときのブーム角度に対応する第2判定係数ηを演算する。ブーム角度はブーム112が下方の回動位置にあり、フロント作業装置104が最も低い位置にあるとき(例えばバケット111が掘削姿勢で地面に接する位置にあるとき)に最も小さくなり(例えば0°)、その位置からブーム112が上方に回動してフロント作業装置104が上がるにしたがって増加する。第2判定係数ηは、ブーム角度が大きいとき(フロント作業装置104の位置が高いとき)、つまり走行しながらフロント作業装置104のバケット111に土砂を掬い込み、バケット111を上げて掬い込んだ土砂を高く上げる作業であるかきあげ作業にあるとみなせるときに、補正トルクΔTによるポンプ吸収トルクの補正(ポンプ最大吸収トルクの減少)を制限するためのものであり、メモリのテーブルには、ブーム角度が第1設定値よりも小さいときはη=1であり、ブーム角度が第2設定値(>第1設定値)以上になるとη=0であり、ブーム角度第1設定値と第2設定値の間にあるときは、所定の割合(ゲイン)でブーム角度が増大するにしたがってηが小さくなるようにブーム角度とηの関係が設定されている。
乗算部88,92は、補正トルク演算部83で演算した補正トルクΔTに走行状態判定部85の出力である第1判定係数αとフロント位置判定部91の出力である第2判定係数ηとを掛け合わせ、補正トルクΔTAを演算する。
加算部93は、ベーストルク演算部81で演算したポンプベーストルクTRに補正トルクΔTA(負の値)を加算し、補正したポンプベーストルクTRAを演算する。このポンプベーストルクTRAは既知の方法によりトルク制御電磁弁29の指令信号に変換され、トルク制御電磁弁29に出力される。これによりトルク制御電磁弁29は指令信号に応じた制御圧力をトルク制御レギュレータ28に出力し、トルク制御レギュレータ28に設定される最大ポンプ吸収トルクがTRAとなるように制御する。
本実施の形態に係わる走行式油圧作業機のトルクコンバータ31の出力トルク(以下、適宜トルコントルクという)と油圧ポンプ12の吸収トルク(以下、適宜ポンプトルクという)の設定関係について図4を用いて説明する。図4において、横軸はエンジン1の回転数、縦軸はトルクを示す。また、TEは電子ガバナ41の燃料噴射量が最大となる全負荷領域におけるエンジン1の出力トルク(以下、適宜エンジントルクという)、TRは電子ガバナ41の燃料噴射量が最大となる前のレギュレーション領域におけるエンジン1の出力トルク(以下、適宜エンジントルクという)、TTはトルクコンバータ31の出力トルク(トルコントルク)、TPは油圧ポンプ12の最大吸収トルク(以下、適宜最大ポンプトルクという)である。レギュレーション領域におけるエンジン出力トルクTRは右下がりの傾斜を持つドループ特性に設定した場合のものである。
図示のトルコントルクTTはトルクコンバータ31がストール状態(出力回転数が0で速度比e=0)にある時のものであり、油圧作業機が動き始め速度比が0から増えるに従いトルコントルクTTは減少するよう図示矢印Xの方向に変化する。また、図示の最大ポンプトルクTPは、アクセルペダル42を最大に踏み込んでエンジン1の目標回転数を最大の定格回転数N0に設定し、乗算部88,92で演算される補正トルクΔTAが0のときのもの(TPmax)であり、アクセルペダル42の踏み込み量を減らしてエンジン回転数を低下させるに従い、目標回転数演算部80で演算される目標回転数NRも低下し、べーストルク演算部81で演算されるベーストルクTRも減るため、最大ポンプトルクPTは図示矢印Yに示すように減少する。また、補正トルクΔTAが0から減る(ΔTAの絶対値が増加する)に従い補正したポンプベーストルクTRAも減るため、最大ポンプトルクTPは同様に図示矢印Yに示すように減少する。
本実施の形態のようにトルクコンバータ付きの走行式油圧作業機の場合、走行力(牽引力)が非常に重要である。よって、エンジン1としては、定格回転数N0における出力トルク(B点)がトルコントルクの最大値(A点)よりも大きく余裕のあるものを選ぶ。一方、最大ポンプトルクTPは、バケット作業時の掘削バランス(走行牽引力とフロント力のバランス)により決定され、基本的には、トルコントルクTTよりは小さい値となる(C点)。A点でのエンジン回転数はN1(>N0)であり、C点でのエンジン回転数はN2(>N0)である。よって、トルコン付きの走行式油圧作業機では、フロント単独操作はもちろん、走行単独操作でもエンジン1の回転数は目標の定格回転数N0よりも下回ることはない。
以上において、回転センサー45、コントローラ48の目標回転数演算部80及び回転数偏差演算部82は、油圧ポンプ12の吸収トルクと走行系(走行手段)3の走行トルクの和がエンジン(原動機)1の出力トルクを超えたかどうかを検出する第1検出手段を構成し、回転センサー45,46及びコントローラ48の速度比演算部84は、走行手段3の作動状況を検出する第2検出手段を構成し、角度センサー47はフロント作業装置104の位置を検出する第3検出手段を構成し、コントローラ48の補正トルク演算部83、走行状態判定部85、フロント位置判定部91、乗算部88,92及び加算部93は、上記第1検出手段により油圧ポンプ12の吸収トルクと走行トルクの和が原動機1の出力トルクを超えたことが検出されると、上記第2検出手段により検出された走行手段3の作動状況及び上記第3検出手段により検出されたフロント作業装置104の位置に応じて、油圧ポンプ12の最大吸収トルクを補正するポンプトルク補正手段を構成する。
また、コントローラ48の補正トルク演算部83は、上記第1検出手段(回転センサー45、コントローラ48の目標回転数演算部80及び回転数偏差演算部82)により油圧ポンプ12の吸収トルクと走行トルクの和が原動機1の出力トルクを超えたことが検出されると補正トルクを求める第1手段を構成し、コントローラ48の走行状態判定部85及び乗算部88は、上記第2検出手段(回転センサー45,46及びコントローラ48の速度比演算部84)により検出された走行手段3の作動状況に応じて上記補正トルクを補正する第2手段を構成し、コントローラ48のフロント位置判定部91及び乗算部92は、上記第3検出手段(角度センサー47)により検出されたフロント作業装置104の位置に応じて上記補正トルクを補正する第3手段を構成し、加算部93は、油圧ポンプ12の最大吸収トルクを上記第2手段及び第3手段で補正した補正トルク分減らすよう制御する第4手段を構成する。
次に、本実施の形態の動作を説明する。
図5は、アクセルペダル42をほぼ最大に踏み込んで目標エンジン回転数NRを定格回転数N0に設定し、トルクコンバータ31の速度比eがe=0(ストール状態)の場合のものであり、図6はアクセルペダル42をほぼ最大に踏み込んで目標エンジン回転数NRを定格回転数N0に設定し、トルクコンバータ31の速度比eがe=0.1〜0.2程度の場合のものである。
図5及び図6において、TEPはTEからTPmaxを引いた油圧ポンプ12が最大吸収トルクTPを消費しているときのトルクコンバータ31(走行側)で利用可能なエンジントルクである。また、TPminは最大ポンプトルクTPが補正トルクΔTCの分だけ低下したときの最大ポンプトルクであり、TEPAは、TEからTPminを引いた最大ポンプトルクTPが補正トルクΔTCの分だけ低下したときのトルクコンバータ31で利用可能なエンジントルクである。補正トルクΔTAが0からΔTCの間で変化するとき、油圧ポンプ12が最大吸収トルクTPはTPmaxからTPminの間で変化し、トルクコンバータ31で利用可能なエンジントルクはTEPとTEPAとの間で変化する。
<運転状態1:図6のA点或いはD点>
トルクコンバータ31がストール状態(e=0)にあっても、フロント作業を行っていないか、フロント作業を行っていてもポンプ吐出圧が低く油圧ポンプ12が消費するポンプトルクが僅かであるときは、エンジントルク≧トルコントルク+ポンプトルクとなる。この場合はエンジン回転数は低下せず、走行負荷とポンプ負荷(アクチュエータ負荷)のマッチング点は図6のA点或いはTTのカーブと定格回転数N0から上方に伸ばした直線との交点であるD点付近となる。なお、このとき、図3の回転数偏差演算部82で演算される回転数偏差はΔN≒0となるため、補正トルク演算部83で演算される補正トルクはΔT=0となる。よって、最大ポンプトルクTPは低下しない。
<運転状態2:図6のE点及びF点>
トルクコンバータ31がストール状態(e=0)となり、かつ油圧ポンプ12のトルク消費量が増加し、エンジントルク<トルコントルク+ポンプトルクとなると、エンジン1は過負荷状態となり、実エンジン回転数NAは低下する。このため図3の回転数偏差演算部82では回転数偏差ΔN<0が演算され、補正トルク演算部83で補正トルクΔT>0、例えばΔT=ΔTCが演算される。また、速度比e=0であるので、走行状態判定部85で第1判定係数α=1が演算される。更に、トルクコンバータ31のストール状態(e=0)では、バケットを地山に押し込む掘削作業等、走行牽引力(押し付け力)を必要とする作業を行っている場合が多く、このような作業では、ブーム112の回動角度が小さく、フロント作業装置104が低い姿勢にある場合が多い。この場合、図3のフロント位置判定部91では例えばブーム角度<第1設定値となり、第2判定係数η=1が演算される。その結果、乗算部88,92で補正トルクΔTA=ΔT(すなわちΔTA=ΔTC)が演算され、最大ポンプトルクTPはΔTC分低下してTPminとなるため、油圧ポンプ12が最大吸収トルクTPを消費するときのトルクコンバータ31で利用可能なエンジントルクはTEPAまで増加する。よって、このときは、走行負荷とポンプ負荷のマッチング点はTT(e=0)のカーブとTEPAのカーブの交点であるF点となり、エンジン回転数は定格回転数N0からN4へと低下する。
固定容量型の油圧ポンプを用いる従来の一般的な走行式油圧作業機では、上記と同様の運転状態では最大ポンプトルクTPは変化せず、トルクコンバータ31で利用可能なエンジントルクはTEPのままであるため、走行負荷とポンプ負荷のマッチング点はTT(e=0)のカーブとTEPのカーブの交点であるE点となり、エンジン回転数はN3(<N4)へと低下する。
このように従来の一般的な走行式油圧作業機では、最大ポンプトルクTPは変化せず、トルクコンバータ31で利用可能なエンジントルクはTEPのままであるため、走行牽引力(押し付け力)を増加することはできない。これに対し、本実施の形態では、走行力(牽引力)はTEPからTEPAへと増加するため、地山の掘削作業等牽引力を必要とする運転状態において、大きな牽引力を確保することができ、エンジン出力を有効に利用することができる。
<運転状態3:図6のG点及びH点>
トルクコンバータ31の速度比がe=0.1〜0.2程度で、エンジントルク<トルコントルク+ポンプトルクとなる場合も、エンジン1は過負荷状態となり、実エンジン回転数NAは低下する。このため図3の回転数偏差演算部82で回転数偏差ΔN<0が演算され、補正トルク演算部83で補正トルクΔT>0、例えばΔT=ΔTCが演算される。一方、このとき、走行状態判定部85では、例えば第1設定値<0.2であるとすると、第1判定係数α=1が演算される。更に、トルクコンバータ31の速度比がe=0.1〜0.2程度である状態が、掘削後のかきあげ作業(走行しながらフロント作業装置104のバケット111に土砂を掬い込み、バケット111を上げて掬い込んだ土砂を高く上げる作業)であるとすると、図3のフロント位置判定部91では例えばブーム角度>第1設定値となり、第2判定係数η<1が演算され、ブーム角度>第2設定値となると、第2判定係数η=0が演算される。その結果、乗算部88,92で補正トルクΔTA<ΔT(すなわちΔTA<ΔTC)、例えばΔTA=0が演算され、最大ポンプトルクTPは最大のTPmaxのままとなるため、油圧ポンプ12が最大吸収トルクTPを消費するときのトルクコンバータ31で利用可能なエンジントルクもTEPのままである。よって、このときは、走行負荷とポンプ負荷のマッチング点は図6のTT(e=0.1〜0.2)のカーブとTEPのカーブの交点であるG点となる。
ここで、例えば特許第2968558号公報に記載の従来技術では、上記と同様の運転状態では、ブーム角度(フロント作業装置104の高さ位置)を見ていないため、運転状態2の場合と同様、エンジントルク<トルコントルク+ポンプトルクとなると直ちに最大ポンプトルクTPを減らし、トルクコンバータ31で利用可能なエンジントルクをTEPAへと増やしていた。この場合、走行負荷とポンプ負荷のマッチング点はTT(e=0.1〜0.2)のカーブとTEPAのカーブの交点であるH点となる。
ここで、フロント作業装置104の高さ位置が高くなる作業状態では、フロント作業装置の上げ速度を速くすると作業速度が速くなって作業量が増え、作業効率が上昇する。特許第2968558号公報に記載の従来技術では、そのような場合でも最大ポンプトルクTPを減らし、トルクコンバータ31で利用可能なエンジントルクをTEPAへと増加させるため、作業速度が低下し、作業効率が低下する。これに対し、本実施の形態では、最大ポンプトルクTPは減少しないため、油圧ポンプ12はポンプトルクを最大TPまで増加させ、作業速度を確保して作業効率を向上することができる。
次に、本実施の形態に係わる具体的な作業例を説明する。
<掘削作業及びかきあげ作業の概要>
作業例として、例えば、地山等の土砂の掘削作業と、その後のかきあげ作業がある。掘削作業は、フロント作業装置104を下げ、アクセルペダル42を操作してエンジン回転数を制御しながら走行力(牽引力)によりバケット111を土砂(掘削対象物)に押し込み、バケット111に上方のフロント力を与えながら土砂を掘削する作業である。かきあげ作業は、ブーム112を上方に回動させることでフロント作業装置104を上昇させ、走行しながら(掘削作業で地山を掘削した場合は地山を登坂しながら)バケット111に土砂を掬い込み、バケット111を上げて掬い込んだ土砂を高く積み上げる作業である。
掘削作業では、バケット押し込み時にコンバインドストール状態となり、エンジントルク<トルコントルク+ポンプトルクとなる。コンバインドストール状態とは、トルクコンバータ31がストール状態(e=0)にあり、かつ油圧ポンプ12の吐出圧が図示しないメインリリーフ弁の設定圧まで上昇したリリーフ状態となる状態である。
地山を登坂しながらのかきあげ作業では、トルクコンバータ31の速度比は例えば0.1〜0.2程度の走行状態となる。また、バケット111に掬い込んだ土砂をブーム112の回動により素早く上方に持ち上げるため、油圧ポンプ12の吐出圧(作業負荷)はリリーフ圧近くまで上昇する。このため、この場合もエンジントルク<トルコントルク+ポンプトルクとなる。
<掘削作業>
従来の一般的な走行式油圧作業機では、油圧ポンプの最大吸収トルクは一定(固定)であるため、コンバインストール状態ではマッチング点は図5のE点となり、エンジン回転数はN3となる。この場合、エンジン1の出力トルクは油圧ポンプ12に優先して使用されている。
本実施の形態では、バケット押し込み時にコンバインドストール状態になると、エンジン回転数が低下して補正トルク演算部83では補正トルクΔT=ΔTCが演算される。また、このときコンバインドストール状態であるため速度比演算部84では速度比eとしてe≒0が演算され、走行状態判定部85で第1判定係数αとしてα=1が演算される。また、このときフロント作業装置104は下がっているため、ブーム角度は小さく(≒0°)、フロント位置判定部91では第2判定係数η=1が演算される。これにより乗算部88,92では補正トルクΔTA=ΔTCが演算され、加算部93では、ベーストルク演算部81で演算されたベーストルクTRと補正トルクΔTA(=ΔT)を加算した値(TRからΔTAの絶対値を減算した値)が補正されたベーストルクTRAとして演算される。つまり、補正されたベーストルクTRAは補正トルクΔTCの分だけ低下する。これにより最大ポンプトルクTPはTPminに低下し、走行で使用可能なエンジントルクTEPは図5の実線から破線のTEPAへと増加し、マッチング点は図5のF点となり、トルコントルクが増加して牽引力が増大し、エンジン出力を有効に利用できる。
<かきあげ作業>
特許第2968558号公報に記載の従来技術では、エンジントルク<トルコントルク+ポンプトルクとなると、そのことをエンジン回転数の低下で検出して直ちに最大ポンプトルクTPをTPminに減らし、トルクコンバータ31で利用可能なエンジントルクをTEPAへと増やしていた。このためポンプトルクが下がり、マッチング点は図6のH点となり、油圧ポンプ12の吐出流量が低下する結果、バケットの持ち上げ速度が低下し、作業量が低下するという問題があった。
本実施の形態では、かきあげ作業でエンジントルク<トルコントルク+ポンプトルクとなってエンジン回転数が低下し、補正トルク演算部83で補正トルクΔT=ΔTCが演算され、速度比演算部84で速度比eとしてe=0.1〜0.2(<第1設定値)程度が演算され、走行状態判定部85で第1判定係数αとしてα=1が演算される一方、ブーム112が上方に回動するにしたがってブーム角度が増加するため、フロント位置判定部91では第2判定係数ηとして1から0へと次第に小さくなる値が演算され、ブーム角度>第2設定値となると、第2判定係数η=0が演算される。これにより乗算部88,92では補正トルクΔTAとして、ブーム角度が増加するにしたがってΔTC以下に小さくなる値が演算され、ブーム角度>第2設定値となり第2判定係数η=0が演算されると、ΔTA=0が演算される。その結果、最大ポンプトルクTPの低下量は次第に減少し、ブーム角度>第2設定値となると最大ポンプトルクTPは低下せずTPmaxのままとなり、マッチング点は図6のG点となる。よって、油圧ポンプ12の吐出流量の低下を制限し(油圧ポンプ12の吐出流量を増やし)、バケット速度を速くし、作業量を増やし作業効率を向上することができる。
以上のように本実施の形態によれば、走行と作業アクチュエータとの複合操作時に作業状況を正確に把握した最大ポンプトルクの下げ制御が可能となり、複合操作性を良好に保ち、作業性及び作業効率を向上することができる。
本発明の第2の実施の形態を図7及び図8により説明する。図7中、図1に示す部材と同等のものには同じ符号を付し、図8中、図3に示した機能と同等のものには同じ符号を付している。
図7において、本実施の形態に係わる走行式油圧作業機は制御系4Aを備え、制御系4Aは、図1に示した第1の実施の形態のものに加え、油圧アクチュエータ13,14の負荷状況として油圧ポンプ12の吐出圧を検出する圧力センサー44を更に備え、コントローラ48Aは、そのポンプ制御機能において、位置センサー43、圧力センサー44、回転センサー45,46、角度センサー47からの信号に基づいて所定の演算処理を行い、トルク制御電磁弁29に指令信号を出力する。作業系2及び走行系3の構成及びコントローラ48Aが備えるエンジン制御機能は図1に示した第1の実施の形態のものと同じである。
図8において、コントローラ48Aは、図3に示した諸機能に加え、第2の作業状態判定部である作業負荷判定部86及び選択部87の機能を有している。
作業負荷判定部86は、圧力センサー44からのポンプ圧の検出信号を入力し、これをメモリに記憶してあるテーブルに参照させ、そのときのポンプ圧に対応する第3判定係数βを演算する。第3判定係数βは、油圧ポンプ12の吐出圧がそれほど高くない(作業負荷がそれほど大きくない)とき、つまり作業系2が多めのポンプ流量を必要とする作動状況にあるときは、補正トルクΔTによるポンプ吸収トルクの補正(ポンプ最大吸収トルクの減少)を制限するためのものであり、メモリのテーブルには、ポンプ圧が第1設定値よりも低いときはβ=0であり、ポンプ圧が第2設定値(>第1設定値)以上になるとβ=1であり、ポンプ圧が第1設定値と第2設定値の間にあるときは、所定の割合(ゲイン)でポンプ圧が低下するに従いβが小さくなるようポンプ圧とβの関係が設定されている。
選択部87は、第1判定係数αと第3判定係数βの小さい方の値を選択し、それを判定係数γとする。ここで、第1判定係数αと第3判定係数βが等しい場合は、選択部87は予め決めた論理によりそのうちの1つ、例えばαを選択する。
乗算部88,92は、補正トルク演算部83で演算した補正トルクΔTに選択部87の出力である判定係数γを乗じ、補正トルクΔTAとする。
以上において、圧力センサー44は油圧アクチュエータ13,14(作業アクチュエータ)の負荷状況を検出する第4検出手段を構成し、コントローラ48Aの補正トルク演算部83、走行状態判定部85、作業負荷判定部86、選択部87、フロント位置判定部91、乗算部88,92及び加算部93は、上記第1検出手段(回転センサー45、コントローラ48Aの目標回転数演算部80及び回転数偏差演算部82)により油圧ポンプ12の吸収トルクと走行トルクの和が原動機1の出力トルクを超えたことが検出されると、上記第2検出手段(回転センサー45,46及びコントローラ48Aの速度比演算部84)により検出された走行手段3の作動状況と、上記第3検出手段(角度センサー47)により検出されたフロント作業装置104の位置と、上記第4検出手段(圧力センサー44)により検出された作業アクチュエータ13,14の負荷状況に応じて油圧ポンプ12の最大吸収トルクを補正するポンプトルク補正手段を構成する。
以上のように構成した本実施の形態では、かきあげ作業のフロント作業装置の上げ始めにおいてフロント作業装置104が低い姿勢にあるときでも、油圧アクチュエータ14(ブームシリンダ)の負荷圧力が低く、油圧ポンプ12の吐出圧(ポンプ圧)が低いときは、第3判定係数βとしてβ=0或いはβ<<1を演算し、補正トルクΔTA=0或いはΔTA<<ΔTCとし、それに応じて補正されたベーストルクTRAを増やし、最大ポンプトルクの下げ制御を行わないか、最大ポンプトルクの下げ制御を大幅に制限する。これにより、かきあげ作業のフロント作業装置の上げ始めのフロント作業装置104が低い姿勢にあるときから、油圧ポンプ12の吐出流量を増やして作業速度を上げることができる。
本発明の第3の実施の形態を図9により説明する。図9中、図3及び図8に示した機能と同等のものには同じ符号を付している。
図9において、本実施の形態に係わる走行式油圧作業機のコントローラ48Bは、図3に示した第1の実施の形態のコントローラ48と同様、目標回転数演算部80、ベーストルク演算部81、回転数偏差演算部82、補正トルク演算部83、速度比演算部84、走行状態判定部85、乗算部88、フロント位置判定部91、加算部93の各機能を有するとともに、第1の実施の形態であった乗算部92に代えて選択部87を備え、選択部87にいおて走行状態判定部85で演算した第1判定係数αとフロント位置判定部91で演算した第2判定係数ηの小さい方の値を選択し、その選択結果を判定係数γとする。ここで、第1判定係数αと第3判定係数ηが等しい場合は、選択部87は予め決めた論理によりそのうちの1つ、例えばαを選択する。選択部87で求めた判定係数γは乗算部88において補正トルク演算部83で演算した補正トルクΔTと乗じられ、補正トルクΔTAを算出する。
以上において、コントローラ48Bの補正トルク演算部83、走行状態判定部85、フロント位置判定部91、選択部87、乗算部88及び加算部93は、上記第1検出手段(回転センサー45、コントローラ48Bの目標回転数演算部80及び回転数偏差演算部82)により油圧ポンプ12の吸収トルクと走行トルクの和が原動機1の出力トルクを超えたことが検出されると、上記第2検出手段(回転センサー45,46及びコントローラ48Bの速度比演算部84)により検出された走行手段3の作動状況及び上記第3検出手段(角度センサー47)により検出されたフロント作業装置104の位置に応じて、油圧ポンプ12の最大吸収トルクを補正するポンプトルク補正手段を構成する。
このように構成した本実施の形態においても第1の実施の形態と同様に動作し、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
このように構成した本実施の形態における動作は第1の実施の形態と実質的に同じであり、本実施の形態によっても第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
本発明の第4の実施の形態を図10により説明する。図10中、図3、図8及び図9に示した機能と同等のものには同じ符号を付している。
図10において、本実施の形態に係わる走行式油圧作業機のコントローラ48Cは、図8に示した第2の実施の形態のコントローラ48Aと同様、目標回転数演算部80、ベーストルク演算部81、回転数偏差演算部82、補正トルク演算部83、速度比演算部84、走行状態判定部85、作業負荷判定部86、選択部87、乗算部88、フロント位置判定部91、加算部93の各機能を有している。ただし、選択部87は、図9に示した第3の実施の形態の場合と同様、走行状態判定部85で演算した第1判定係数αとフロント位置判定部91で演算した第2判定係数ηの小さい方の値を選択し、その選択結果を判定係数γとする。選択部87で求めた判定係数γとフロント位置判定部91で求めた第2判定係数ηは乗算部88,92において補正トルク演算部83で演算した補正トルクΔTと乗じられ、補正トルクΔTAを算出する。
以上において、コントローラ48Cの補正トルク演算部83、走行状態判定部85、フロント位置判定部91、選択部87、作業負荷判定部86、乗算部88,92及び加算部93は、上記第1検出手段(回転センサー45、コントローラ48Cの目標回転数演算部80及び回転数偏差演算部82)により油圧ポンプ12の吸収トルクと走行トルクの和が原動機1の出力トルクを超えたことが検出されると、上記第2検出手段(回転センサー45,46及びコントローラ48Cの速度比演算部84)により検出された走行手段3の作動状況と、上記第3検出手段(角度センサー47)により検出されたフロント作業装置104の位置と、上記第4検出手段(圧力センサー44)により検出された作業アクチュエータ13,14の負荷状況に応じて油圧ポンプ12の最大吸収トルクを補正するポンプトルク補正手段を構成する。
このように構成した本実施の形態における動作は第2の実施の形態と実質的に同じであり、本実施の形態によっても第2の実施の形態と同様の効果が得られる。
なお、以上述べた実施の形態では、走行式油圧作業機としてホイールローダを例にとり説明したが、トルクコンバータ付きのものであればそれ以外の走行式油圧作業機に適用しても、同様の効果が得られる。ホイールローダ以外のトルクコンバータ付き走行式油圧作業機としては、例えば、テレスコピックハンドラー、ホイールショベル等を挙げることができる。
本発明の第1の実施の形態に係わる走行式油圧作業機の全体システムを示す図である。 本発明が適用されるホイールローダの外観を示す図である。 本発明の第1の実施の形態におけるコントローラのポンプ制御機能を示す機能ブロック図である。 本実施の形態に係わる走行式油圧作業機のエンジン出力に対するトルクコンバータの出力トルクと油圧ポンプ12の吸収トルクの設定関係を示す図である。 本実施の形態に係わる走行式油圧作業機の動作状態を示す図である。 本実施の形態に係わる走行式油圧作業機の動作状態を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係わる走行式油圧作業機の全体システムを示す図である。 本発明の第2の実施の形態におけるコントローラのポンプ制御機能を示す機能ブロック図である。 本発明の第3の実施の形態におけるコントローラのポンプ制御機能を示す機能ブロック図である。 本発明の第4の実施の形態におけるコントローラのポンプ制御機能を示す機能ブロック図である。
符号の説明
1 原動機(エンジン)
2 作業系
3 走行系
4,4A 制御系
12 油圧ポンプ
13,14 油圧アクチュエータ
17,18 方向切換弁
23,24 操作レバー装置
28 トルク制御レギュレータ
29 トルク制御電磁弁
31 トルクコンバータ
32 トランスミッション
33,34 ディファレンシャルギヤ
35 前輪
36 後輪
41 電子ガバナ
42 アクセルペダル
43 位置センサー
44 圧力センサー
45,46 回転センサー
47 角度センサー
48,48A,48B,48C コントローラ
80 目標回転数演算部
81 ベーストルク演算部
82 回転数偏差演算部
83 補正トルク演算部
84 速度比演算部
85 走行状態判定部
86 作業負荷判定部
87 選択部
88 乗算部
91 フロント位置判定部
92 乗算部
93 加算部
100 ホイールローダ
101 車体前部
102 車体後部
104 フロント作業装置
106 運転席
107 操作レバー装置
108 ハンドル
111 バケット
112 ブーム

Claims (4)

  1. 少なくとも1つの原動機と、この原動機を装架する車体と、この車体に設けられ、前記原動機に連結されたトルクコンバータを含む走行手段と、前記原動機により駆動される可変容量型の油圧ポンプと、前記車体に設けられたフロント作業装置と、前記油圧ポンプの圧油によって作動し前記フロント作業装置を駆動する少なくとも1つの作業アクチュェータとを備えた走行式油圧作業機において、
    前記油圧ポンプの吸収トルクと前記走行手段の走行トルクの和が原動機の出力トルクを超えたかどうかを検出する第1検出手段と、
    前記走行手段の作動状況を検出する第2検出手段と、
    前記フロント作業装置の位置を検出する第3検出手段と、
    前記第1検出手段により油圧ポンプの吸収トルクと走行トルクの和が原動機の出力トルクを超えたことが検出されると、前記第2検出手段により検出された走行手段の作動状況及び前記第3検出手段により検出されたフロント作業装置の位置に応じて、前記油圧ポンプの最大吸収トルクを補正するポンプトルク補正手段とを有することを特徴とする走行式油圧作業機。
  2. 請求項1記載の走行式油圧作業機において、
    前記ポンプトルクの補正手段は、前記第1検出手段により油圧ポンプの吸収トルクと走行トルクの和が原動機の出力トルクを超えたことが検出されると補正トルクを求める第1手段と、前記第2検出手段により検出された走行手段の作動状況に応じて前記補正トルクを補正する第2手段と、前記第3検出手段により検出されたフロント作業装置の位置に応じて前記補正トルクを補正する第3手段と、前記油圧ポンプの最大吸収トルクを前記第2手段及び第3手段で補正した補正トルク分減らすよう制御する第4手段とを有することを特徴とする走行式油圧作業機。
  3. 請求項2記載の走行式油圧作業機において、
    前記第3手段は、前記第3検出手段により前記フロント作業装置がある一定の位置まで変位したことが検出されると、前記補正トルクを減らすか0にするよう補正することを特徴とする走行式油圧作業機。
  4. 請求項1記載の走行式油圧作業機において、
    更に、前記作業アクチュエータの負荷状況を検出する第4検出手段を有し、
    前記ポンプトルクの補正手段は、前記第1検出手段により油圧ポンプの吸収トルクと走行トルクの和が原動機の出力トルクを超えたことが検出されると、前記第2検出手段により検出された走行手段の作動状況と、前記第3検出手段により検出されたフロント作業装置の位置と、前記第4検出手段により検出された作業アクチュエータの負荷状況に応じて前記油圧ポンプの最大吸収トルクを補正することを特徴とする走行式油圧作業機。
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