本発明の詳細な説明
本願の明細書および請求項にわたって、文脈上他の解釈が必要ではない限り、単数形は複数形を包含する。特に不定冠詞が用いられる場合、本明細書は、文脈上他の解釈が必要ではない限り、複数形および単数形を意図していると理解されるべきである。
特定の態様、実施態様または本発明の実施例に関連して記載される特徴、整数、特性、化合物、化学的部分または基は、それらと適用できないとしない限り、任意の他の態様、実施態様または実施例に適用できると理解されるべきである。したがって、本願に記載のすべての実施態様、定義、態様および請求項は、更なる
実施態様、態様または請求項を提供するために、(文脈を考慮して、該組合せが明確に不適である場合を除き)任意の組合せにおいて互いに関連し得る。
本願の明細書および請求項にわたって、単語「含む(comprise)」、「含有する(contain)」ならびに単語の変化形、「含んでいる(comprising)」および「含む(comprises)」は、「含むが、限定されない」を意味し得て、一般的に、他の部分、添加物、要素、整数、工程を除外しない。
他に断らない限り、技術用語を慣例的な使い方に従って用いる。
慣例によれば、遺伝子をイタリック体で、タンパク質を普通のテキストで記載するのが通例である。この技術分野において十分確立された慣例によれば、この文書において遺伝子の名称をイタリック体で書き(翻訳文中イタリック体に代わり『』内に示す)、タンパク質の名称を普通のテキスト(すなわち非イタリック体)で書く。したがって、したがって、「NRAS」は、NRASタンパク質を示すために用い、「『NRAS』」は、遺伝子を示すために用いる。この慣例に従ってこの文書において『NRAS』遺伝子またはNRASタンパク質を示すよう努力がなされるが、当業者は科学的文脈に基づいて「『NRAS』」または「NRAS」への言及いずれが正しいか理解するだろう。
分子生物学における共通の用語の定義は、Benjamin Lewin, Genes V, Oxford University Pressにより発行された, 1994 (ISBN 0-19- 854287-9);Kendrew et al. (eds.), The Encyclopedia of Molecular Biology, Blackwell Science Ltd.により発行された, 1994 (ISBN 0-632-02182-9);およびRobert A. Meyers (ed.), Molecular Biology and Biotechnology: a Comprehensive Desk Reference, VCH Publishers Inc.により発行された, 1995 (ISBN 1-56081-569-8) で見付けられ得る。
本明細書におけるすべての文献刊行物および特許文献は、出典明示により本明細書の一部とする。
上の本明細書に記載のように、本発明者らは、癌患者におけるEGFR阻害剤が介在する治療への抵抗性がNRAS E63K変異およびNRAS G12V変異からなる群より選択される1以上のNRAS変異に関連し得ると判断した。これらの変異は、NRAS活性化変異と考えられる。発明者らはまた、癌患者におけるEGFR阻害剤が介在する治療への抵抗性が『NRAS』コピー数増加に関連し得ることを見出した。さらに発明者らは、患者がEGFR阻害剤介在治療単独へ抵抗性を示す(または示すだろう)としても、これらのNRAS活性化変異または『NRAS』コピー数増加の1以上を抱く癌患者はEGFR阻害剤とMEK阻害剤の組合せで効果的に処置され得ることを見出した。またさらに、発明者らは、患者がEGFR阻害剤介在治療単独へ抵抗性を示す(または示すだろう)としても、G12R NRAS変異を抱く癌患者はEGFR阻害剤とMEK阻害剤の組合せで効果的に処置され得ることを見出した。本発明は、癌患者への処置のより効果的な標的化、特に、EGFR阻害剤の作用への抵抗性を生じたか、または生じるだろう癌のより効果的な特定および処置を可能にする。
したがって一態様において、本発明の方法は、癌患者においてEGFR阻害剤の治療効果への獲得抵抗性の発生を予測するのに用いられ得る。該方法において、患者は、本明細書に記載のようにNRAS変異または『NRAS』コピー数増加の存在を決定するために試験され、そして患者が本発明に従いNRAS活性化変異または『NRAS』コピー数増加を抱くと示される場合、癌は、獲得抵抗性を生じるとして特定される。このような患者は、本明細書に記載のNRAS活性化変異または『NRAS』コピー数増加に対して陽性として記載され得る。
更なる態様において、本発明の方法は、EGFR阻害剤とMEK阻害剤の組合せでの処置に適した癌患者を選択するために用いられ得る。該方法において、癌患者は、本明細書に記載のようにNRAS変異または『NRAS』コピー数増加の存在を決定するために試験され、そして本明細書に記載のNRAS変異の1以上、または『NRAS』コピー数増加が存在する場合、処置に適切であるとして選択される。一実施態様において、NRAS変異または『NRAS』コピー数増加の存在を決定するために試験されるとき、癌患者は、EGFR阻害剤での処置を受けたか、または該処置を受けているものである。
本発明の方法はまた、癌患者のための適切な癌処置計画を選択するために用いられ得る。この方法において、癌患者は、本明細書に記載のNRAS変異または『NRAS』コピー数増加の存在を決定するために試験され、そしてNRAS変異または『NRAS』コピー数増加が存在する場合、EGFR阻害剤とMEK阻害剤の組合せの提供を含む処置計画が選択される。一実施態様において、NRAS変異の存在を決定するために試験されるとき、癌患者は、EGFR阻害剤での処置を受けたか、または該処置を受けているものである。
癌
多くの癌は、EGFRの異常または過剰発現および/またはその特定のリガンド、例えば形質転換増殖因子受容体αの過剰発現に関連する(Gullick, Br Med Bull. 47:87-98, 1991; Modijtahedi and Dean, Int. J. Oncol. 4:277-296, 1994; Salomon et al., Crit Rev Oncol Hematol.19:183-232, 1995)。EGFR過剰発現は、NSCLCを含む多くのヒト癌の予後不良と関連する。
一実施態様において、「癌」はEGFR関連癌を指す。
EGFR関連癌を特定および診断する方法は、当業者に周知である。例として、様々な方法およびそれらが用いられ得る状況の詳細は、Ellison, et al. J Clin Pathol 2013;66:2 79-89において提供される。
例えばEGFR関連癌は、EGFR阻害剤、例えば本明細書に記載のEGFR阻害剤のいずれかでの処置に反応していたか、または該処置に反応しているものである。
EGFR関連癌は、本明細書に記載の1以上のEGFR阻害剤の治療効果に抵抗性になったか、またはなるだろうものであり得る。このような抵抗性は、EGFR、例えばT790Mにおける変異に関連し得る。
EGFR関連癌は、EGFRシグナル伝達経路上の少なくとも一部分依存する(または依存していた)癌(または腫瘍)であり得る。
EGFR関連癌は、EGFRにおける1以上の変異に関連し得る。このようなEGFR変異は、癌の状態へ細胞を形質転換させ得る。
癌に関連するEGFR変異は、EGFR-活性化変異であり得る。このような変異は、一般的にEGFRタンパク質の過剰発現および/または過剰活性を生じる。EGFRの活性いずれかは影響を受け得る。変異は例えば、ヌクレオチド配列において、例えばEGFRをコードするDNAおよび/またはアミノ酸配列にいて、例えばEGFRタンパク質のアミノ酸配列においてにおいて生じ得る。変異は、種々のタンパク質をコードするヌクレオチド配列において、または種々のタンパク質のアミノ酸配列において生じ得て、ここで変異の効果は、EGFRタンパク質の過剰発現および/または過剰活性を生じることである。典型的に変異は、体細胞突然変異である。
例えば、変異は、EGFRのチロシンキナーゼドメインにおける体細胞の機能獲得型突然変異であり得る。いくつかの該変異は、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤への癌の感受性を高める。これらの変異は、一般的にEGFR遺伝子のエキソン18-21内に存在する。例えばWO2005/094397およびWO2005/118876参照。これらの変異の例としては、エキソン19における複数ヌクレオチドのインフレーム欠失(4つのアミノ酸Leu-Arg-Glu-Alaの除去を含む)、およびエキソン21におけるヌクレオチド2573での単一ヌクレオチド置換(T→G)(これは位置858でのロイシンに対するアルギニンの置換(L858R)を生じる)が挙げられる。これらの変異は、特に肺癌、例えば非小細胞性肺癌(NSCLC)に関与する。
L858Rは、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤、例えばエルロチニブ、ゲフィチニブ、アファチニブおよびAZD9291へ反応する癌にしばしば関連するため、本発明に関連して特に興味深い多くのEGFR変異のうちの1つである(更なる詳細は本明細書の他の箇所に含まれる)。本発明の一実施態様において、EGFR関連癌は、L858R;およびエキソン19欠失変異からなる群より選択されるEGFR変異に関連する癌であり得る。
付加的または代替的に、EGFR関連癌は、EGFR T790M変異に関連し得る。この変異は、第1の原発性活性化変異に加えて生じる、EGFRにおける第2部位変異としてしばしば見られる。典型的には第2の変異は、EGFR阻害剤での処置中に生じ、阻害剤への抵抗の機構を提供する。T790M変異は特に、肺癌、例えばNSCLCに関連する。AZD9291は、エキソン19欠失変異、および/またはL858R置換変異、および適宜T790M抵抗性変異に関連するEGFR関連癌の処置に用いられ得る。
EGFR関連癌の例としては:非固形腫瘍、例えば白血病、例えば急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、血液悪性腫瘍(例えば骨髄異形成症候群または骨髄増殖性症候群)またはリンパ腫;ならびに固形腫瘍およびその転移、例えば黒色腫、非小細胞性肺癌(NSCLC)、神経膠腫、肝細胞(肝臓)癌腫、神経膠芽腫、甲状腺の癌腫、胆管、骨、胃、脳/CNS、頭頸部、肝臓、胃、前立腺、***、腎臓、精巣、卵巣、皮膚、頚部、肺、筋肉、ニューロン、食道、膀胱、肺、子宮、外陰、子宮内膜、腎臓、結腸直腸、膵臓、胸膜/腹膜、唾液腺、および類表皮の腫瘍が挙げられ得る。
一実施態様において、EGFR関連癌は固形腫瘍である。
一実施態様において、EGFR関連癌は肺癌である。
一実施態様において、EGFR関連癌はNSCLCである。
この群より選択される癌または該癌の転位との関連で、方法、医療用途、医薬組成物および本発明の他の態様の使用は、適切な実施態様であると考えられている。
癌患者
本発明、任意の適切な生物体において実施され得る。一態様において、患者は、動物またはヒト、例えば哺乳類、例えば恒温の哺乳類である。一態様において、患者はヒトである。
典型的に患者は、本明細書に記載のEGFR関連癌の1以上の臨床または前臨床的症状を示す。患者は、このような癌を患っているか、またはこのような癌に影響を受けやすいとして臨床的に診断されていてもよい。
患者は、EGFR阻害剤、例えばEGFR TKIでの癌治療を受けていてもよく、または該治療を受けていたのでもよい。患者は、本明細書に記載のEGFR阻害剤での治療に獲得抵抗性を既に生じているものまたは生じそうなものであり得る。したがって、本方法は、第2選択または次の治療を提供するために用いられ得る。
抵抗性および獲得抵抗性
本明細書で用いる処置への抵抗性は、癌(または癌患者)が、処置へ反応性でないか、または処置が最初に適用されたときより低い反応性である臨床的状態を記述する(しばしば獲得抵抗性と呼ばれる)。
獲得抵抗性は、癌(または癌患者)が薬剤(例えばEGFR阻害剤)での処置に最初は反応性であるが、時間と共に癌が薬剤での更なる処置により低い反応性になるかまたは反応性でなくなる状況、および癌の進行を指す。癌または癌患者は、経時的に抵抗性の程度(およびそれで処置への反応性の程度)を示し得る。
反応性であるは、処置が、本明細書に記載の少なくとも1つの臨床的に検出可能な治療効果を生じることを意味する。本明細書に記載の臨床的に検出可能な治療効果がない場合、患者は反応性でない。治療効果は、例えば、本明細書に記載の抗癌効果であり得る。
本発明によればEGFR阻害剤へ獲得抵抗性を生じるとして予測される癌は、EGFR阻害剤での処置に対して既に抵抗性であったか、または抵抗性であるだろう癌である。
処置、治療および治療効果
本明細書で用いる用語処置、治療または治療効果は、以下およびその組合せを含む:(1)癌(例えば癌を抑える、低下させるまたは遅らせること)、または維持処置もしくは第2予防の場合のその再発、または少なくとも1つのその臨床または亜臨床的症状を阻害すること(例えばその発症および/または進行を遅らせること);(2)癌に罹患し得るかまたは罹患しやすくなり得るが、癌の臨床または亜臨床的症状をまだ経験していないか示していない、対象体において発症する癌の臨床的症状の出現を防ぐかまたは遅らせること;および/または(3)癌を緩和するおよび/または治す(例えば、癌またはその臨床または亜臨床的症状の少なくとも1つの緩解を生じること、患者を治すことまたは患者を寛解にすること)。本明細書で用いる処置または治療は、予防または予防的処置を含み得る。
したがって例えば、本明細書の治療効果は、癌患者において生じる(1)、(2)および(3)の1以上を指し得る。
本明細書の治療効果は、抗癌効果であり得る。抗癌効果としては、腫瘍成長の阻害、腫瘍成長遅延、腫瘍の緩解、腫瘍の縮小、処置停止中の腫瘍の再生の時間増加、疾患進行の減速が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で言及する第1選択治療における治療効果は、例えば本明細書に記載のNRAS変異の発生により獲得し得る、EGFR阻害剤が介在する治療への獲得抵抗性の発生を遅らせるかまは防ぐことを指し得る。
典型的に治療効果は、臨床的に検出可能な利益を提供する。処置される対象体または患者への利益は、統計学的に有意であり得るか、または患者または医師もしくは他の当業者に少なくとも認知可能であり得る。医薬が、それが投与される各患者において必ずしも臨床効果を生じないことは理解されるだろう;したがって、任意の個々の患者においてまたは特定の患者集団においてさえ、処置は失敗または一部分のみ成功し得て、用語「処置」、「予防」および「阻害剤」ならびに同系統の用語の意味は、それに応じて理解されるべきである。
用語「予防」または「予防的処置」は、健康を維持するか、または癌の開始および/または進行を抑制するもしくは遅らせる目的で、例えば癌発症の機会を低下させるかまたは癌発症を防止する目的で処置または治療への言及を含む。予防の結果は、例えば健康の維持、または癌の開始および/または進行を遅らせることであり得る。任意の個々の患者においてまたは特定の患者集団においてさえ処置は失敗し得ることが思い出されて、この段落は、それに応じて理解されるべきである。
本発明による癌の処置は、従来の方法、例えば抗腫瘍効果の程度、反応率、疾患進行への時間および/または生存率により評価され得る。
本明細書のEGFR関連癌についての第1選択治療は、EGFR阻害剤を用いて癌について以前に処置されていない患者に施される治療を指す。
本明細書のEGFR関連癌についての第2選択治療は、EGFR阻害剤を用いて癌について以前に処置されているが、EGFR阻害剤での処置の間にEGFR関連癌が進行した(またはそうでなければ抵抗性になった)患者に施される治療を指す。
本明細書のEGFR関連癌についての第3選択治療は、癌について以前処置されており、特に2つの異なる治療、例えば異なるEGFR阻害剤で以前処置されている患者に施される治療を指す。
発明者らは、本明細書に開示の処置および/または医療用途の方法が、必要に応じて、EGFR関連癌についての第1、第2、第3または更なる選択治療との関連で適用可能であると考える。
EGFR/『EGFR』
本明細書で用いるEGFRは、上皮細胞増殖因子受容体、一般的にタンパク質キナーゼスーパーファミリーのメンバーである膜貫通糖タンパク質を指す。
EGFRは、処置される種に対応する任意の種であり得る。一態様において、EGFRはヒトEGFRである。
ヒトEGFR(遺伝子番号1956)は、代替的にスプライスされた転写物による異なるアイソフォームに存在する。本明細書で用いるEGFRは、これらのアイソフォームのいずれかを指し得る。
野生型ヒトEGFR遺伝子配列は、遺伝子番号1956で記載される。EGFR遺伝子は、GenBank Accession No. X00588.1においてcDNA配列に対応するmRNA発現産物、およびUniProtKB/Swiss-Prot P00533.2においてEGFRタンパク質アミノ酸配列を有するタンパク質発現産物(これは、成熟タンパク質において開裂したアミノ酸1〜24にて24アミノ酸シグナル配列を含む)を有する。EGFR遺伝子、mRNA、cDNAまたはEGFRタンパク質への本明細書の言及は、コンテクストが許容するように更なる変異を有する、このヒト遺伝子、mRNA(または対応するcDNA)またはタンパク質を指し得る。本明細書で言及されるEGFR mRNA、cDNAまたはタンパク質はまた、コンテクストが許容するように更なる変異を有する、前記のアイソフォーム、例えば膜貫通ドメインおよび細胞内ドメインを欠く可溶性アイソフォームを指し得る。
EGFRは、いくつかの例において、上記のバリアント、例えば自然発生する野生型バリアント(例えば非腫瘍細胞からの)を指し得る。
上記は、ヒト以外の種のEGFRに関して準用する。例えば、EGFR遺伝子、mRNAまたはEGFRタンパク質への本明細書の言及は、コンテクストが許容するように更なる変異を有する、上記のヒト遺伝子、mRNAまたはタンパク質の種ホモログを指し得る。
本明細書で用いるEGFRおよびEGFR変異についてのアミノ酸配列番号付けは、一般的に、UniProtKB/Swiss-Prot P00533.2(これは上記のようにアミノ酸1-24でのシグナル配列を含む)において存在するように野生型ヒトEGFRのアミノ酸配列および番号付けを参照している。したがって例えば、T790M変異への言及は、UniProtKB/Swiss-Prot P00533.2において1210アミノ酸配列におけるアミノ酸790でのTからMへの変化を指す。用いられる参照配列のため、T790M変異は、最初にT766Mとみなされる(Blencke et al. J. Biol. Chem. 278:15435-15440, 2003)。
同様に、本明細書で用いるEGFR cDNA配列番号付けは、GenBank X00588.1における野生型EGFR cDNA配列(塩基187-3819からのタンパク質コード配列を有する)を参照している。
本明細書のEGFR変異への言及はまた、同様の機能効果を有するヒト以外の種のEGFRにおいて対応する位置で生じる変異を包含し得る。
阻害剤
本明細で言及する阻害剤は、例えば、ポリペプチド、核酸、炭水化物、脂質、小分子量化合物、オリゴヌクレオチド、オリゴペプチド、siRNA、アンチセンス、組み換えタンパク質、抗体、ペプチ体、またはそのコンジュゲートもしくはまたは融合タンパク質であり得る。siRNAの報告として、Milhavet O, Gary DS, Mattson MP. (Pharmacol Rev. 2003 Dec;55(4):629-48. For a review of antisense see Opalinska JB, Gewirtz AM. Sci STKE. 2003 Oct 28; 2003 (206): pe47参照。
小分子量化合物は、例えば、2000ダルトン、1000ダルトン、700ダルトンまたは500ダルトン未満の分子量の化合物を指し得る。
本発明における使用のための特定の阻害剤は、小分子EGFR TKIである。
EGFR阻害剤
EGFR阻害剤は、一般的にEGFRの発現および/または活性を低下させるかまたは防止する。適切な阻害剤は、EGFR発現および/または活性に対する阻害効果についてアッセイすることにより特定され得る。
典型的に阻害剤は、発現または活性を適切なアッセイにおいて少なくとも検出可能な量低下させる。阻害剤は、例えば、発現または活性を少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80または少なくとも90%低下させ得る。
EGFRの発現を低下させ得ることによる多くの適切な方法は、当業者に周知である。またさらに、当業者はまた、EGFR活性を低下させることができる多くの薬剤(本明細書の他の箇所で提供される例がこれらに限定されない)に気づくだろう。
任意の適切なEGFR活性は、例えばチロシンキナーゼ活性に影響を及ぼし得る。したがって一態様において、EGFR阻害剤は、チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)を含み得る。チロシンキナーゼ活性の阻害は、任意の適切なアッセイ、例えばWard et.al. J. Med. Chem. 2013, 56:7025-7048に記載されるアッセイにより測定され得る。
EGFRチロシンキナーゼ阻害剤の例としては:ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291、CO-1686、WZ4002、PD153035、およびPF 00299804が挙げられる。阻害剤は、本明細書の他の箇所に記載のこれらの塩の医薬的に許容される塩を含み得る。該阻害剤は、当業者に周知である。
確立されたEGFR TKI、例えばゲフィチニブ、エルロチニブおよびアファチニブは、患者において癌に対する第1選択治療として用いられ得る。AZD9291、CO-1686、WZ4002を含む、より最近開発されたEGFR TKIは、より確立されたEGFR TKI薬の1つに抵抗性を生じたEGFR関連癌に対して(例えば、最初のEGFR活性化変異および更なるEGFR変異、例えばT790Mの両方に関連する癌に対して)時に用いられ得る。
上で示すEGFR TKIのうち:ゲフィチニブ;エルロチニブ;アファチニブ;AZD9291;およびCO-1686からなる群が、本発明に関連して特定の対象の例を表す(該EGFR TKIが、各々適宜医薬的に許容される塩の形態で用いられ得ることは当業者により理解される)。EGFR TKIの使用は、本発明の適切な実施態様を表すこの群より選択される。したがって、EGFR阻害剤が述べられる任意の実施態様、態様または請求項において、更なる実施態様、態様および請求項は、EGFR阻害剤がゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291およびCO1686より選択されるかまたは任意のその医薬的に許容される塩である場合、形成され得る。更なる実施態様、態様および請求項は、EGFR阻害剤がゲフィチニブ、AZD9291およびCO1686より選択される場合、形成され得る。
ゲフィチニブ
EGFR阻害剤は、ゲフィチニブまたはその医薬的に許容される塩を含み得る。
ゲフィチニブは、多くの領域で進行したNSCLCにおける使用が承認されたEGFR TKI薬である。
ゲフィチニブ構造は、以下に示される:
ゲフィチニブは、化学名N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-メトキシ-6-(3-モルホリン-4-イルプロポキシ)キナゾリン-4-アミンとしても知られ得る。
エルロチニブ
EGFR阻害剤は、エルロチニブまたはその医薬的に許容される塩を含み得る。
エルロチニブは、本明細書に記載のように膵臓、肺および他の癌に対して用いられるEGFR TKI薬である。
エルロチニブ構造は、以下に示される:
エルロチニブは、化学名N-(3-エチニルフェニル)-6,7-ビス(2-メトキシエトキシ)キナゾリン-4-アミンとしても知られ得る。
アファチニブ
EGFR阻害剤は、アファチニブまたはその医薬的に許容される塩。を含み得る
アファチニブは、本明細書に記載のように特にNSCLCに対して用いられるEGFR TKI薬である。当該薬物は、ゲフィチニブまたはエルロチニブでの処置へ抵抗性であるかまたは抵抗性であった癌を処置するために用いられることもできる。
アファチニブ構造は、以下に示される:
アファチニブは、化学名N-[4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-7-[[(3S)-テトラヒドロ-3-フラニル]オキシ]-6-キナゾリニル]-4(ジメチルアミノ)-2-ブタンアミドとしても知られ得る。
AZD9291
EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩を含み得る。AZD9291は、EGFR阻害剤、例えばゲフィチニブ、エルロチニブおよび/またはアファチニブでの処置へ抵抗性であるかまたは抵抗性であった癌を処置するために用いられることもできる。
AZD9291は、構造:
を有し、化学名:「N-(2-{2-ジメチルアミノエチル-メチルアミノ}-4-メトキシ-5-{[4-(1-メチルインドール-3-イル)ピリミジン-2-イル]アミノ}フェニル)プロパ-2-エンアミド」としても知られ得る。
AZD9291およびその医薬的に許容される塩は、国際特許出願番号PCT/GB2012/051783(公開番号WO2013/014448)で開示され、この内容は出典明示により本明細書の一部とする。
AZD9291の医薬的に許容される塩は、本明細書に記載の塩のいずれか、例えばメシル酸塩を含み得る。
CO-1686 - 「ロシレチニブ」としても知られる
EGFR阻害剤は、CO-1686またはその医薬的に許容される塩を含み得る。
CO-1686の化学構造は:
である。
CO-1686は、化学名:N-(3-{[2-{[4-(4-アセチルピペラジン-1-イル)-2-メトキシフェニル]アミノ}-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル]アミノ}フェニル)プロパ-2-エンアミドとしても知られ得る。
CO-1686の医薬的に許容される塩は、例えばBr塩を含み得る。
WZ4002
変異体-選択的EGFRチロシンキナーゼ阻害剤は、EGFR T790Mに対して効果であるか。この化合物は、Zhou et al. (Nature 462, 1070-1074; 2009) による刊行物に記載される。
NRAS/『NRAS』
本明細書で用いるNRASは、神経芽腫RASウイルス癌遺伝子ホモログを意味し、『NRAS』癌遺伝子によりコードされる。
NRASは、Ras遺伝子ファミリーのメンバーである。哺乳類のRas遺伝子ファミリーは、HarveyおよびKirsten ras遺伝子(HRASおよびKRAS)、各々の不活性なシュード遺伝子(c-Hras2およびc-Kras1)ならびに『NRAS』遺伝子を含む。RASタンパク質は、GTP-GDP結合およびGTPase活性を有する。
NRAS、処置される種に対応する任意の種であり得る。一態様において、NRASはヒトNRASである。
(野生型)ヒト『NRAS』(『NRAS』)遺伝子は、遺伝子番号4893で記載され、7エキソン(-I、1、II、II、IV、V、VI)からなる。野生型ヒト『NRAS』遺伝子は、典型的にGenBank Accession No. NM_002524においてcDNA配列に対応するmRNA発現産物、およびUniProtKB/Swiss-Prot P01111.1においてNRASタンパク質アミノ酸配列を有するタンパク質発現産物を有する。
『NRAS』遺伝子、mRNA、cDNAまたはNRASタンパク質への本明細書の言及は、コンテクストが許容するように更なる変異を有する、このヒト遺伝子、mRNAもしくは対応するcDNA配列、またはタンパク質を指し得る。
NRASは、いくつかの例において、上記のいずれかのバリアント、例えば自然発生する野生型バリアントを指し得る。
上記は、ヒト以外の種のNRASに関して準用する。例えば、『NRAS』遺伝子、mRNA、cDNAまたはNRASタンパク質への本明細書の言及は、コンテクストが許容するように更なる変異を有する、上記のヒト遺伝子、mRNAまたはタンパク質の種ホモログを指し得る。
本明細書に記載のNRASアミノ酸番号付けおよび変異は、UniProtKB/Swiss-Prot P01111.1におけるアミノ酸配列を参照している。したがって、例えば、NRAS変異E63Kへの本明細書の言及は、UniProtKB/Swiss-Prot P01111.1における189アミノ酸配列中のアミノ酸番号63でのグルタミン酸(E)からリシン(K)への変化を指す。
GenBank Accession No. NM_002524における『NRAS』cDNA配列において、配列をコードするタンパク質は、ヌクレオチド255-824にて示される。570ヌクレオチドコンセンサスコーディング配列はまた、Accession No. CCDS877.1の下CCDSデータベースに存在する。本明細書に記載の『NRAS』cDNA配列番号付けおよび変異は、GenBank Accession No. NM_002524におけるcDNA配列を参照している。
ける対応する位置で生じる変異を包含し得る。
NRAS活性化変異
本明細書で用いるNRAS活性化変異は、一般的にNRASタンパク質の過剰発現および/または過剰活性を生じる。変異は、例えばヌクレオチド配列(例えばNRASをコードするDNAの)および/またはアミノ酸配列(例えばNRASタンパク質配列中の)において生じ得る。本明細書に記載のNRAS変異は、典型的に体細胞突然変異である。
NRASの活性は、例えばGTPase活性によって影響を受け得る。
本明細書に記載のNRAS活性化変異としては:NRAS E63K変異;NRAS G12V変異が挙げられる。本明細書に記載のNRAS活性化変異は、自然発生的に癌発症と共に生じ得るか、またはそれは、例えばEGFR阻害剤での、癌(または患者)の処置への応答における癌(または癌患者)において獲得され得る。本明細書に記載の更なるNRAS変異は、G12R NRAS変異である。
NRAS E63K変異
E63K NRAS変異は、NRASタンパク質アミノ酸配列(配列番号3)におけるE63に対応するアミノ酸位置でのグルタミン酸(E)からリシン(K)へのアミノ酸の変化を指す。
アミノ酸の変化は、典型的に『NRAS』遺伝子におけるDNA配列の変化によりコードされる。典型的にこれは、コード配列のコドン63の変化である(『NRAS』cDNA配列のヌクレオチド441-443)。『NRAS』cDNA配列における塩基441に対応する位置でのGからAへの変化を生じ得て、これは、塩基441〜443に対応する位置でのGAGからAAGへの変化を意味する。(『NRAS』cDNA配列の塩基441〜443に対応する位置でのGAGからAAAへの、二重の核酸塩基置換からまた生じ得る)。
NRAS G12V変異
G12V NRAS変異は、NRASタンパク質アミノ酸配列(配列番号3)におけるG12に対応するアミノ酸位置でのグリシン(G)からバリン(V)へのアミノ酸の変化配列を指す。
アミノ酸の変化は、典型的に『NRAS』遺伝子におけるDNA配列の変化によりコードされる。典型的にこれは、コード配列のコドン12の変化である(『NRAS』cDNA配列のヌクレオチド288-290)。『NRAS』cDNA配列における塩基289に対応する位置でのGからTへの変化を生じ得て、これは、塩基288〜290に対応する位置でのGGTからGTTへの変化を意味する。
NRAS G12R変異
G12R NRAS変異は、NRASタンパク質アミノ酸配列(配列番号3)におけるG12に対応するアミノ酸位置でのグリシン(G)からアルギニン(R)へのアミノ酸の変化配列を指す。アミノ酸の変化は、典型的に『NRAS』遺伝子におけるDNA配列の変化によりコードされる。典型的にこれは、コード配列のコドン12の変化である(『NRAS』cDNA配列のヌクレオチド288-290)。『NRAS』cDNA配列における塩基288に対応する位置でのGからCへの変化を生じ得て、これは、塩基288〜290に対応する位置でのGGTからCGTへの変化を意味する。
『NRAS』コピー数増加(NRAS gain of copy number)
『NRAS』(N-ras)コピー数増加は、コントロール細胞と比較して『NRAS』遺伝子のコピー数の増加の存在を生じるDNAの変化を指す。コントロール細胞は、正常な非癌性細胞またはマッチする正常なコントロール細胞、すなわち同じ患者から得た非癌性細胞/細胞集団であり得る。『NRAS』遺伝子のコピー数の増加はまた、正常な状態を示すコピーの基準数と比較して測定され得る。
例えば、増幅変異は、コントロール細胞と比較して少なくとも1、例えばコピー数増加を欠く細胞と比較して少なくとも2、3、4、5、6、7または8の、『NRAS』遺伝子コピー数増加を生じ得る。遺伝子コピー数は、1超、2超、3超または4超倍の増加を示し得る。
変異およびコピー数増加の検出
本発明の一態様によれば、患者は、NRAS E63K変異;およびNRAS G12V変異の1以上のいずれかより選択されるNRAS活性化変異の存在について試験される。
本発明の更なる態様によれば、患者は、『NRAS』コピー数増加の存在について試験される。
変異またはコピー数増加が検出され得る適切な技術としては、次世代シーケンシング(NGS);エクソームシーケンシング;アレル特異的増幅およびアレイ比較ゲノムハイブリダイゼーション(aCGH)からなる群より選択されるものが挙げられる。
より具体的に、適切な実施態様において、NRAS E63K変異、NRAS G12V変異およびNRAS G12R変異より選択されるNRAS活性化変異の存在は、NGS、アレル特異的増幅またはエクソームシーケンシングによって検出され得る。適切な実施態様において、『NRAS』コピー数増加は、aCGHにより決定され得る。
患者が、変異を示す該患者において任意の適切な指標についてアッセイすることによりこのような変異の存在について試験されると解されるだろう。例えば、指標は、変異を示す、ゲノムDNA(例えば特定の遺伝子もしくは発現制御エレメント)の配列もしくは量;特定のmRNA(もしくは対応するcDNA)の配列もしくは量;タンパク質の配列もしくは量;またはタンパク質活性における変化であり得る。必要に応じて、上記のいずれかは、ゲノムDNA、mRNA(または対応するcDNA)またはタンパク質の適切な断片をアッセイすることにより検出され得る。
遺伝子のための発現制御エレメントは、操作可能に遺伝子に結合され、遺伝子発現を少なくとも部分的に制御するDNAの配列、例えばプロモーターまたはエンハンサー配列を指す。
上記の活性化NRAS変異の1以上を決定するための適切な指標は、遺伝子についての『NRAS』遺伝子もしくは発現制御エレメントの配列;『NRAS』遺伝子(もしくはそれに対応するcDNA)から発現される『NRAS』mRNAの量(増加)もしくは(配列);NRASタンパク質の量(増加)もしくは(配列);またはNRASタンパク質の活性(増加)における変化であり得る。『NRAS』コピー数の増加を決定するための適切な指標は、存在する『NRAS』遺伝子のコピー数の増加である。必要に応じて、上記のいずれかは、『NRAS』ゲノムDNA、mRNA(または対応するcDNA)またはNRASタンパク質の適切な断片をすることアッセイにより検出され得る。
理論に拘束されることを望むものではないが、NRAS変異は、患者における腫瘍細胞、典型的には患者において処置される腫瘍(のうちの1つ)中のDNAにおいて生じると考えられる。したがって、アッセイされるDNA、mRNAまたはタンパク質は、このような腫瘍細胞、典型的には『NRAS』ゲノムDNA、『NRAS』mRNAまたはNRASタンパク質において存在するかまたは発現されるDNA、mRNAまたはタンパク質であり得る。
変異は、任意の適切な方法により検出され得る。典型的に、当該方法は、変異の存在にいて患者から得られた試料をアッセイすることを含む(典型的には、記載の適切な指標をアッセイすることによる)。したがって、本方法はインビトロで実施され得る。いくつかの例において、方法は、患者から適切な試料を得ることを含み得る。
変異を代表する、任意の適切な試料が用いられ得る。例えば、試料は、癌性であるかもしくは癌性であることが疑われている、または癌/腫瘍核酸を含む細胞または組織を含み得る。したがって方法は、変異の存在を決定するため癌性の組織または細胞を試験することを含み得る。典型的に、言及される癌は、患者が処置されている癌である。適切な試料は、生検または他の外科的処置により得られ得る。したがって試料は、腫瘍生検であり得る。いくつかの例において、癌細胞またはそのDNAは、循環中に存在し得て、生体液、例えば血液、血漿、血清または腹水から単離され得る。したがって、方法は、変異の存在を決定するために腫瘍塊からはがれた癌細胞または該癌細胞からの循環する遊離DNAのいずれかを含む生体液を試験することを含み得る。
『NRAS』mRNAもしくはNRASタンパク質(もしくはその断片)の量の変化、NRAS活性の量の変化、または『NRAS』遺伝子のコピー数の変化についてアッセイすることを含む方法は、典型的に:
- 適切な試料中の、『NRAS』mRNAもしくはNRASタンパク質(もしくは断片)のレベル、NRAS活性のレベル、または『NRAS』遺伝子コピー数を決定すること;
- 基準値を有する決定したレベルまたはコピー数を比較すること;および
- 決定したレベルまたはコピー数が基準値より大きい場合、『NRAS』コピー数増加の存在を決定すること
を含む。
NRAS mRNA/タンパク質/NRAS活性のレベルについての適切な基準値は、対象体および試料タイプにマッチしたコントロール集団における中間のレベルを参照して得られ得る。
『NRAS』遺伝子コピー数についての適切な基準値は、2(すなわち、細胞あたり2つのコピー)である。
『NRAS』コピー数増加の存在を決定すること
『NRAS』コピー数における任意の増加は、EGFR介在性癌治療への抵抗性増加を示し得て、該抵抗性の増加は、『NRAS』遺伝子コピー数における増加を決定することにより示され得る。『NRAS』遺伝子コピー数、は直接アッセイされ得るか、または『NRAS』遺伝子コピー数は、『NRAS』遺伝子コピー数の代表である別の指標をアッセイすることにより間接的に決定され得る。
上述したように、『NRAS』コピー数増加の存在は、aCGHアッセイにより検出され得る。別法として、『NRAS』コピー数増加は、癌患者のDNAのシーケンシングにより検出され得る。
『NRAS』コピー数増加はまた、『NRAS』mRNAもしくはNRASタンパク質の量における増加、またはNRAS活性の量における増加を決定することにより検出され得る。『NRAS』mRNAまたはNRASタンパク質の量は、適切な試料において直接アッセイされ得る。別法として、適切な試料は、『NRAS』mRNAまたはNRASタンパク質の量の代表である別の指標についてアッセイされ得る。
mRNAまたはタンパク質のレベルは、当業者に周知である任意の適切な方法により決定され得る。
単に例として、対象体におけるタンパク質(例えばNRASタンパク質)のレベルは、タンパク質が検出されるアッセイによって決定され得て、存在するレベルは、特異的結合パートナーへのタンパク質の結合により決定される。結合パートナーは、直接的または間接的に標識され得る。
タンパク質と結合する抗体または抗体断片は、特に、該結合パートナーの適切な例を表し、これらはイムノアッセイにおいて用いられる。本発明の方法において用いられ得るこの種のイムノアッセイの例としては、酵素結合免疫吸着法(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);および複合イムノアッセイ(例えば、Luminex Corporationにより製造されるLuminexTM アッセイ)からなる群より選択されるものが挙げられる。
NRASへの特異的結合のための抗体は、ハイブリドーマから得られるものであり得る。ハイブリドーマの生成手順は、当業者に周知である。所望のハイブリドーマが選択されクローンが作られたならば、得られる抗体は、適切な培地中で所望のハイブリドーマのインビトロ培養により生成される。代替的な方法として、所望のハイブリドーマは直接マウスに注入され、濃縮量の抗体が得られ得る。
ハイブリドーマ技術により生成されるヒト腫瘍に対するモノクローナル抗体に関する特許としては、米国特許第4,182,124号および第4,196,265号が挙げられる。癌腫細胞上の抗原に特異性を有するモノクローナル抗体に関する技術分野の代表は、米国特許第4,350,683号である。
またさらに、当業者は、多くの市販の抗体がNRASに特異的であり、これらが新しい抗体を生成する必要なく用いられ得ることを認識するだろう。
試料中の『NRAS』mRNAの量を決定するために用いられ得るアッセイとしては、リアルタイム定量的PCRが挙げられる。単に例として、発明者らは、この技術がABI Lifetechnologies製の市販のTaqmanプライマーおよびプローブを用いて実施され得ることを見出した。
NRASの任意の適切な活性は、増加を決定するためにアッセイされ得る。一態様において、NRAS GTPase活性は、増加が示されるかまたは示されないかを評価するためにアッセイされる。
NRAS E63K変異の存在を決定すること
核酸において
患者におけるNRAS E63K変異の存在は、『NRAS』遺伝子コード配列における対応する変異を検出することにより決定され得る。これは、ゲノムDNA配列自体、対応する発現されるmRNA(または対応するcDNA)、またはこれらポリヌクレオチドのいずれかの適切な断片において変異を検出することを含み得て、ここで該断片は、E63K変異をコードする核酸変異に及ぶ。変異はまた、増幅、例えばポリメラーゼ連鎖反応を用いる試験配列に基づいて複製された核酸において検出され得る。例えば、『NRAS』コドン63をコードするNRAS配列のプライマーのいずれかのサイドは、標的配列上へ増幅するために用いられ、変異の有無は、この増幅反応またはその増幅生成物から区別され得る。E63K変異をコードする核酸変異の変異部位は、典型的にNRASコード配列のコドン63においてである。これは、コードされているリシンを生じる『NRAS』cDNA配列中の塩基441-443に対応する塩基のいずれかの変化として理解され得る。特に、変異は、『NRAS』cDNA中の塩基441に対応する位置にて生じ得る。
変異は、NRASコード配列中のコドン63におけるグアニン(G)からアデニン(A)へ(GからAへ、mRNA中のウリジンに対応する)の変化であり得る。特に変化は、『NRAS』cDNA配列中の塩基441に対応する位置におけるGからAへの変化、例えばヌクレオチド441-443に対応する位置におけるGAGからAAGへの変化であり得る。変化は、cDNA配列をコードする『NRAS』中の塩基441および443に対応する位置におけるGからAへの二重の変化、例えばヌクレオチド441-443に対応する位置におけるGAGからAAAへの変化であり得る。
本発明による核酸変異は、任意の適切な方法により検出され得る。
典型的に適切な方法は、対象の核酸領域、すなわち多型座を含む核酸配列を増幅することを含む。任意の適切な増幅法、例えば、PCR増幅、アレル特異的増幅、核酸配列ベース増幅(NASBA)、ライゲーション活性化増幅(LAT)、QB複製システムリガーゼ連鎖反応(LCR)、修復連鎖反応(RCR)核酸増幅、または鎖置換活性(SDA)による核酸増幅が用いられ得る。好ましくはPCR増幅が用いられる。
本明細書において上記の変異部位に及ぶ核酸配列の増幅のためのPCRプライマーは、例えば『NRAS』遺伝子配列または『NRAS』cDNA配列を用いて、当業者により導き出され得る。このようなPCRプライマーのペアは、NRAS ポリペプチドまたはその断片をコードするポリヌクレオチドに適切なPCR条件下でハイブリダイズし、その結果プライマーは変異部位を挟む。
適切なPCRプライマーは、一般的に、変異部位へそれぞれの鎖においてポリヌクレオチド配列5'のセンスストランドまたはアンチセンスストランドに適切なPCR条件下でハイブリダイズする。PCRプライマーは、変異の約200ヌクレオチド内で結合し得る。精製または非精製の形態の任意の核酸検体は、多型座を含む特定の核酸配列を含むかまたは含んでいることが疑われる場合には、開始核酸として利用され得る。したがって、プロセスは、例えばメッセンジャーRNAを含むDNAまたはRNAを増幅させ得て、ここでDNAまたはRNAは、1本鎖または2本鎖であり得る。RNAがテンプレートとして用いられる場合、テンプレートをcDNAへ逆転写するのに最適な酵素および/または条件が利用されるだろう。また、各々の1つの鎖を含むDNA-RNAハイブリッドが、利用され得る。方法は、例えば、アッセイのための適切な患者試料から核酸を抽出することを含み得る。例えば、mRNAが抽出され得て、(mRNAのすべてまたはその一部に)対応するcDNAが逆転写により調製され得る。mRNA抽出およびcDNA調製の方法は、当該技術分野において公知であり、本明細書に記載される。
本明細書に記載の核酸変異を検出することは、典型的に、変異を選択的に検出するための方法で核酸を接触させることを含む。典型的に当該方法は、変異部位での変異体配列とその部位における野生型配列を区別する。当該方法は、検出可能なように標識され得る。
したがって、E63Kをコードする核酸変異の検出のための方法は、cDNAをコードする『NRAS』の塩基441に対応する位置に変異体Gを含み、その位置の塩基がAであることを特定する、ヌクレオチド配列を選択的に検出するための方法で適切な試料を接触させることを含み得る。典型的に当該方法は、この位置における変異体Tと野生型Cを区別する。
当該方法は、例えば、PCRプライマー、オリゴヌクレオチドプローブ、または配列-特異的に開裂する方法、例えば本明細書に記載のもののいずれかであり得る。
いくつかの例において、増幅法自体は、変異体と野生型の核酸配列を区別するために用いられ得て、例えば、増幅は、例えばアレル特異的増幅または当該技術分野において公知の他の適切な技術を用いて、変異を含む核酸について選択的であり得る。
例えば、PCR増幅は、選択的に変異体核酸に結合するが、適切なPCR条件下で野生型核酸に結合しないPCRプライマーを用いて実施され得る。典型的にこのようなプライマーは、変異部位において変異を含むポリヌクレオチドまたはその断片をコードする『NRAS』のセンスストランド配列またはアンチセンスストランド配列に適切なPCR条件下でハイブリダイズするが、この位置にて野生型である第2の『NRAS』ポリヌクレオチドに当該PCR条件下で弱くハイブリダイズするかまたは全くハイブリダイズしない。
例えば、選択的PCRプライマーは、cDNAをコードする『NRAS』の塩基441に対応する位置において変異体Aを含むポリヌクレオチドまたはその断片をコードする『NRAS』のセンスストランド配列またはアンチセンスストランド配列に適切なPCR条件下でハイブリダイズし得るが、この位置にて野生型Gを含むポリヌクレオチドをコードする第2の『NRAS』に当該PCR条件下で弱くハイブリダイズするかまたは全くハイブリダイズしない。
PCR増幅は、このプライマーおよび適切な第2のプライマーを用いて実施され、変異部位において変異(例えば変異体T)を含むPCRアンプリコンを提供し得る。したがってアンプリコンの検出は、変異の存在を示す。
本発明の一態様によれば、NRASタンパク質の位置63に対応する位置においてリシンをコードする核酸配列に選択的にハイブリダイズできるオリゴヌクレオチドが提供される。一実施態様において、cDNAをコードする『NRAS』塩基441に対応する位置において変異体Aを含むが、この位置において野生型Gを含む第2の『NRAS』をコードするポリヌクレオチドに弱くハイブリダイズするかまたは全くハイブリダイズしない、『NRAS』をコードするポリヌクレオチドまたはその断片のセンスストランド配列またはアンチセンスストランド配列に適切な条件下で、オリゴヌクレオチドはハイブリダイズできる。オリゴヌクレオチドは、結出可能な標識を含むかまたは伴い得る。一実施態様において、オリゴヌクレオチドは、PCR反応においてプライマーとして用いられるかまたは用いるのに適切である。別の一実施態様において、オリゴヌクレオチドは、ハイブリダイゼーションプローブとして用いられるかまたは用いるのに適切である。
本発明の別の態様によれば、患者がNRASタンパク質においてE63K置換をコードする核酸を有するかまたは有しないかを決定する方法において用いるための、NRASタンパク質の位置63に対応する位置においてリシンをコードする核酸配列に選択的にハイブリダイズできるオリゴヌクレオチドが提供される。
本発明の別の態様によれば、本明細書に記載のEGFR阻害剤とMEK阻害剤との組合せ処置のために患者を選択する方法において用いるための、NRASタンパク質の位置63に対応する位置においてリシンをコードする核酸配列に選択的にハイブリダイズできるオリゴヌクレオチドが提供される。
PCR反応は、PCRアンプリコンへ検出可能な標識を組み込み得て、方法は、標識を検出することを含み得る。
他の例において、増幅された配列は、特定のDNA配列の検出に通常適用される任意の方法、例えばPCR、オリゴマー制限(Saiki, et. al., Bio/Technology, 3:1008-1012, (1985))、アレル特異的オリゴヌクレオチド(ASO)プローブ解析(Conner, et. al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 80:278, (1983))、オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ(OLA)(Landgren, et. al., Science, 241:1007, (1988))などにより、溶液中においてまたは固体支持体との結合後にさらに分析され得る。DNA解析のための分子技術は再調査された(Landgren, et. al., Science, 242:229-237, (1988))。
一例において、標的核酸は、上記のように少なくとも1つのアレル特異的(変異-選択的)PCRプライマーを用いてPCR増幅され得る。
別の例において、変異-選択的オリゴヌクレオチドプローブ(時にアレル特異的プローブと呼ばれる)は、変異させられた核酸を検出するために用いられ得る。該方法において、適切なハイブリダイゼーション条件下で、変異部位において変異を含む核酸に選択的にハイブリダイズするが、当該変異部位にて野生型である核酸に弱くハイブリダイズするかまたは全くハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチドプローブと増幅された核酸を接触させる。核酸へのプローブの結合の検出は、変異の存在を示す。
プローブ法または核酸のいずれかは、接触工程の前に固定され得る。該方法において、固定されたパートナーに結合する成分は、典型的に標識され、変異の存在を決定することは、標識を検出することを含む。
方法において用いるのに適切なオリゴヌクレオチドプローブは、例えばポリヌクレオチドをコードする『NRAS』またはその断片にハイブリダイズし得て、ここでプローブの配列は、『NRAS』cDNAの塩基441の対応する位置において変異体Aに相補的な塩基を含み、プローブは、適切なハイブリダイゼーション条件下でこの位置にて野生型Cを含むポリヌクレオチドに弱くハイブリダイズするかまたは全くハイブリダイズしない。
アレル特異的オリゴヌクレオチドプローブを設計するための方法は、当該技術分野において公知である。一般的にこれらは、所与の一連の条件で標的配列に正確にハイブリダイズするよう設計された短い1本鎖ポリヌクレオチドである。本明細書で用いるためのプライマーまたはプローブは、一般的に、所与の一連の条件下で標的配列に得的にハイブリダイズする短い1本鎖ポリヌクレオチドである。プライマーまたはプローブは、典型的に少なくとも8のヌクレオチド、例えば、少なくとも10、12、14、16、18、20、30のヌクレオチド、約50までのヌクレオチドの長さを有する。プローブまたはプライマーは、例えば、15、20、25または20未満のヌクレオチドの長さ、例えば8〜15、10〜20または10〜30のヌクレオチドの長さであり得る。アレル特異的オリゴヌクレオチドプローブは、例えば14〜17塩基対、例えば約17塩基であり得る。
本明細書の核酸変異を検出する方法は、大規模なチップアレイ配列ベースの技術を含み得る。チップアレイの適用および開発における差異の調査は、Southern, E. M., Trends In Genetics, 12:110-115 (March 1996) およびCheng et al., Molecular Diagnosis, 1:183-200 (September 1996) によりカバーされる。「DNAチップ」の大規模な解析のための更なる方法は、Hacia et al., Nature Genetics, 14:441-447 (1996) に詳細に記載されている。
本明細書に記載のNRAS E63K変異は、アミノ酸63を包含するNRASタンパク質または適切なその断片のアミノ酸配列中のアミノ酸E63に対応するアミノ酸位置におけるグルタミン酸(E)からリシン(K)への変化についてアッセイすることにより検出され得る。これは、任意の適切な方法によりなされ得る。
例えば、E63K変異を有するNRASタンパク質(またはその断片)の存在は、変異させられたNRASタンパク質またはその断片が特異的結合パートナーに変異させられたNRASタンパク質または断片を結合することにより検出されるアッセイにより決定され得る。特異的結合パートナーは、E63K変異を有する変異体NRASタンパク質または断片に結合し、変異の無いNRASタンパク質または断片に結合しない。結合パートナーは、直接または間接的に標識され得る。
変異体タンパク質と結合する抗体または抗体断片は、特に、該結合パートナーの適切な例を表し、これらはイムノアッセイにおいて用いられる。本発明の方法において用いられ得るこの種のイムノアッセイの例としては、酵素結合免疫吸着法(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);および複合イムノアッセイ(例えば、Luminex Corporationにより製造されるLuminexTM アッセイ)からなる群より選択されるものが挙げられる。ウエスタンブロットが用いられ得る。
変異体E63K NRASを特異的に検出するための抗体は、ハイブリドーマから得られた抗体であり得る。ハイブリドーマから抗体を得るための方法は、本明細書の他の箇所に記載される。
本発明の一態様によれば、NRASタンパク質の位置63に対応する位置においてリシンを含む、EGFRポリペプチドと選択的に結合できる抗体であって、ここで抗体は、NRASタンパク質の位置63に対応する位置においてリシンを有するポリペプチドと、該位置にグルタミン酸を有するものと比較して優先的に結合する、抗体が提供される。
本発明の別の態様によれば、NRASタンパク質の位置63に対応する位置においてリシンを有するNRASタンパク質を患者が有するかまたは有しないかを決定する方法において用いるための、NRASタンパク質の位置63に対応する位置においてリシンを含む、EGFRポリペプチドと選択的に結合できる抗体であって、ここで抗体は、NRASタンパク質の位置63に対応する位置においてリシンを有するポリペプチドと、該位置にグルタミン酸を有するものと比較して優先的に結合する、抗体が提供される。特定の実施態様において、該方法は、本明細書に記載のEGFR阻害剤とMEK阻害剤との組合せ処置のために患者を選択するために用いられる。
アッセイは、適切な試料、例えば本明細書に記載のもののいずれかと特異的結合パートナーを接触させることを含み得る。いくつかの例において、一般的にタンパク質または特にNRASタンパク質は、最初に患者試料から抽出さえて、特異的結合パートナーをタンパク質抽出物と接触させ得る。タンパク質抽出のための方法は、当該技術分野において公知である。NRASタンパク質は、任意の適切な方法により患者試料から抽出され得る。例えば、NRASタンパク質に特異的に結合する抗体が用いられ得る。NRASを結合する抗体は、上記のものと同様の方法を用いるハイブリドーマを用いて得られ得る。
抽出された1または複数のタンパク質は、単離されたとして見なされ得る。本明細書で用いる用語「単離された」は、一般的に、成分が自然に生じる生物体の細胞中の他の生体成分、すなわち他の染色体および染色体外のDNAおよびRNA、ならびにタンパク質から離れて実質的に分離または精製された生体成分(例えば核酸分子またはタンパク質)を意味する。一態様において、抽出されたタンパク質または核酸は、それらが所望の反応における試薬と、例えばプライマーもしくはプローブと、または抗体と相互作用し得る程度に分離されている。「単離され」ている核酸およびタンパク質は、標準的な精製法により精製された核酸およびタンパク質を含む。用語はまた、宿主細胞において組み換え発現により調製される核酸およびタンパク質、ならびに化学的に合成される核酸、タンパク質およびペプチドを包含する。
別の例において、E63K変異を有するNRASタンパク質(またはその断片)の存在は、アミノ酸63におけるNRASタンパク質または断片のアミノ酸配列が、例えばアミノ酸シーケンシングによりまたは配列特異的な開裂法を用いて決定されるアッセイにより決定され得る。
このようなアッセイにおいて、アミノ酸63に及ぶNRASタンパク質またはその断片は、典型的に、本明細書において上記の方法を用いて患者試料から単離される。その後、単離されたタンパク質または断片は、位置63でのアミノ酸を決定する限りでは、少なくともシーケンシングされ得る。適切なシーケンシング法は、当該技術分野において公知である。
NRAS G12V変異の存在を決定すること
核酸において
患者におけるNRAS G12V変異の存在は、『NRAS』遺伝子コード配列における対応する変異を検出することにより決定され得る。
変異部位の位置を除き、E63K変異に関する上記の方法をG12V変異に準用する。
G12V変異をコードする核酸変異の変異部位は、典型的にNRASコード配列のコドン12においてである。これは、コードされているバリンを生じる『NRAS』cDNA配列中の塩基288-290に対応する塩基のいずれかの変化として理解され得る。特に、変異は、『NRAS』cDNA中の塩基289に対応する位置にて生じ得る。
変異は、NRASコード配列中のコドン12におけるGからTへの変化であり得る。特に変化は、『NRAS』cDNA配列中の塩基289に対応する位置におけるGからTへの変化、例えばヌクレオチド288-290に対応する位置におけるGGTからGTTへの変化であり得る。
本発明の一態様によれば、NRASタンパク質の位置12に対応する位置においてバリンをコードする核酸配列に選択的にハイブリダイズできるオリゴヌクレオチドが提供される。一実施態様において、cDNAをコードする『NRAS』塩基289に対応する位置において変異体Tを含むが、この位置において野生型Gを含む第2のNRASをコードするポリヌクレオチドに弱くハイブリダイズするかまたは全くハイブリダイズしない、NRASをコードするポリヌクレオチドまたはその断片のセンスストランド配列またはアンチセンスストランド配列に適切な条件下で、オリゴヌクレオチドはハイブリダイズできる。オリゴヌクレオチドは、結出可能な標識を含むかまたは伴い得る。一実施態様において、オリゴヌクレオチドは、PCR反応においてプライマーとして用いられるかまたは用いるのに適切である。別の一実施態様において、オリゴヌクレオチドは、ハイブリダイゼーションプローブとして用いられるかまたは用いるのに適切である。
本発明の別の態様によれば、患者がNRASタンパク質においてG12V置換をコードする核酸を有するかまたは有しないかを決定する方法において用いるための、NRASタンパク質の位置12に対応する位置においてバリンをコードする核酸配列に選択的にハイブリダイズできるオリゴヌクレオチドが提供される。
本発明の別の態様によれば、本明細書に記載のEGFR阻害剤とMEK阻害剤との組合せ処置のために患者を選択する方法において用いるための、NRASタンパク質の位置12に対応する位置においてバリンをコードする核酸配列に選択的にハイブリダイズできるオリゴヌクレオチドが提供される。
タンパク質において
本明細書に記載のNRAS G12V変異は、アミノ酸12を包含するNRASタンパク質または適切なその断片のアミノ酸配列中のG12に対応するアミノ酸位置におけるグリシン(G)からバリン(V)への変化についてアッセイすることにより検出され得る。これは、任意の適切な方法によりなされ得る。
変異部位の位置を除き、E63K変異に関する上記の方法をG12V変異に準用する。
G12V変異の存在を決定することはまた、NRASタンパク質の量の増加を決定することを含む。
本発明の一態様によれば、NRASタンパク質の位置12に対応する位置においてバリンを含む、EGFRポリペプチドと選択的に結合できる抗体であって、ここで抗体は、NRASタンパク質の位置12に対応する位置においてバリンを有するポリペプチドと、該位置にグリシンを有するものと比較して優先的に結合する、抗体が提供される。
本発明の別の態様によれば、患者がNRASタンパク質の位置12に対応する位置においてバリンを有するNRASタンパク質を有するかまたは有しないかを決定する方法において用いるための、NRASタンパク質の位置12に対応する位置においてバリンを含む、EGFRポリペプチドと選択的に結合できる抗体であって、ここで抗体は、NRASタンパク質の位置12に対応する位置においてバリンを有するポリペプチドと、該位置にグリシンを有するものと比較して優先的に結合する。特定の実施態様において、該方法は、本明細書に記載のEGFR阻害剤とMEK阻害剤との組合せ処置のために患者を選択するために用いられる、抗体が提供される。
NRAS G12R変異の存在を決定すること
核酸において
患者におけるNRAS G12R変異の存在は、『NRAS』遺伝子コード配列における対応する変異を検出することにより決定され得る。
変異部位の位置を除き、E63K変異に関する上記の方法をG12V変異に準用する。
G12R変異をコードする核酸変異の変異部位は、典型的にNRASコード配列のコドン12においてである。これは、コードされているアルギニンを生じる『NRAS』cDNA配列中の塩基288-290に対応する塩基のいずれかの変化として理解され得る。特に、変異は、『NRAS』cDNA中の塩基288に対応する位置にて生じ得る。
変異は、NRASコード配列中のコドン12におけるGからCへの変化であり得る。特に変化は、『NRAS』cDNA配列中の塩基288に対応する位置におけるGからCへの変化、例えばヌクレオチドに288-290対応する位置におけるGGTからCGTへの変化であり得る。
タンパク質において
本明細書に記載のNRAS G12R変異は、アミノ酸12を包含するNRASタンパク質または適切なその断片のアミノ酸配列中のG12に対応するアミノ酸位置におけるグリシン(G)からアルギニン(R)への変化についてアッセイすることにより検出され得る。これは、任意の適切な方法によりなされ得る。
変異部位の位置を除き、E63K変異に関する上記の方法をG12R変異に準用する。
G12R変異の存在を決定することはまた、NRASタンパク質の量の増加を決定することを含む。
本発明による処置
本発明によれば、NRAS活性化変異または『NRAS』遺伝子のコピー数増加を抱くEGFR関連癌患者は、本発明にしたがってEGFR阻害剤とMEK阻害剤の組合せで効果的に処置し得る。
典型的にNRAS変異または『NRAS』遺伝子のコピー数増加を有する癌患者は、EGFR阻害剤での治療をすでに受けたか、または該治療を受けている。患者は、EGFR阻害剤単独での処置に獲得抵抗性の症状を示し得る。この状況において、組合せ処置におけるEGFR阻害剤は、患者の処置において用いられた同じ阻害剤(および患者が獲得抵抗性を有するもの)であり得る。しかしながら、組合せ処置におけるEGFR阻害剤が処置において用いられるもとと異なる阻害剤である処置がまた意図される。その場合、組合せ処置におけるEGFR阻害剤は、一般的に、患者の処置において用いられ、抵抗性を獲得したEGFR阻害剤と同じ世代またはそれより高い世代である
別の一実施態様において、患者においてNRAS E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SもしくはG12C変異または『NRAS』遺伝子のコピー数の増加の存在を決定した後、本発明はまた、EGFR阻害剤での処置をまだ受けていない患者におけるEGFR関連癌のための第1選択治療を提供し得る。この第1選択治療において、EGFR阻害剤とMEK阻害剤の組合せが、(例えば本明細書に記載のNRAS変異の発生による)EGFR阻害剤への獲得抵抗性の発生を遅らせるかまたは防ぐために患者に投与される。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291およびCO1686;またはいずれかの医薬的に許容される塩より選択される。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩である。更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291もしくはCO1686;またはいずれかの医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
別の一実施態様において、患者においてE63KもしくはG12V NRAS活性化変異または『NRAS』遺伝子のコピー数の増加の存在を決定した後、本発明はまた、EGFR阻害剤での処置での処置をまだ受けていない患者におけるEGFR関連癌のための第1選択治療を提供し得る。この第1選択治療において、EGFR阻害剤とMEK阻害剤の組合せが、(例えば本明細書に記載のNRAS変異活性化の発生による)EGFR阻害剤への獲得抵抗性の発生を遅らせるかまたは防ぐために患者に投与される。
本方法において、EGFR阻害剤とMEK阻害剤の組合せが患者に治療上有効量で投与される。
EGFR阻害剤およびMEK阻害剤を含む組合せ処置への本明細書の言及は、1以上のEGFR阻害剤および1以上のMEK阻害剤を含む組合せを包含し、EGFR阻害剤とMEK阻害剤の組合せまたはそれらを含む組合せは、1以上のEGFR阻害剤および/または1以上のMEK阻害剤の組合せを包含すると解されるだろう。EGFR阻害剤およびMEK阻害剤の特定の組合せは、本明細書の他の箇所で考慮されている。
MEK阻害剤
本明細書で用いるMEK阻害剤は、一般的に、Ras/Raf/MEK/ERK経路を阻害する活性を有する。阻害剤は、例えば経路の成分の発現および/または活性を阻害するために作用する、経路の任意の段階における成分に作用し得る。
MEK阻害剤は、例えば小分子量化合物であり得る。
MEK阻害剤は、例えばmRNAの安定性または翻訳を干渉することにより、遺伝子発現を阻害し得る。MEK阻害剤は、アンチセンスオリゴヌクレオチド、低分子干渉(small interfering)RNA(siRNA)(これは、時には低分子干渉(short interfering)RNAまたはサイレンシングRNAとして知られる)、または短ヘアピンRNA(shRNA)(これは、時には小ヘアピンRNAとして知られる)より選択され得る。このようなMEK阻害剤は、例えばmRNAの安定性または翻訳を干渉することにより、mek1および/またはmek2遺伝子の発現を阻害し得る。
典型的に阻害剤は、発現または活性を適切なアッセイにおいて少なくとも検出可能な量低下させる。阻害剤は、例えば、発現または活性を少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80または少なくとも90%低下させ得る。
MEK阻害剤の適切な例としては、この記載の次のページで考えられる。制限されないが、本発明に関連して使用するのに適したMEK阻害剤は:セルメチニブ;トラメチニブ;MEK-162;およびコビメチニブ;ならびにこれらの阻害剤の医薬的に許容される塩からなる群より選択されるものを含む。
セルメチニブ
セルメチニブの化学構造は:
である。
化学名:「(6-(4-ブロモ-2-クロロ-フェニルアミノ)-7-フルオロ-3-メチル-3H-ベンゾイミダゾール-5-カルボン酸(2-ヒドロキシ-エトキシ)-アミド)」としても知られ得る。同様に、化学名:「5-[(4-ブロモ-2-クロロフェニル)アミノ]-4-フルオロ-N-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキサミド」としても知られ得る。
セルメチニブはまた、医薬的に許容される塩、例えば硫酸水素塩;すなわち硫酸水素セルメチニブ(すなわち、1:1 薬物:H2SO4)の形態で提供され得る。適切な実施態様において、MEK阻害剤は、セルメチニブ、またはその医薬的に許容される塩、例えば硫酸水素塩を含み得る。
トラメチニブ
トラメチニブの化学構造は:
である。
化学名:N-(3-{3-シクロプロピル-5-[(2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ]-6,8-ジメチル-2,4,7-トリオキソ-3,4,6,7-テトラヒドロピリド[4,3-d]ピリミジン-1(2H)-イル}フェニル)アセトアミドとしても知られ得る。
トラメチニブはまた、医薬的に許容される塩の形態で提供され得て、文脈上他の解釈が必要ではない限り、本開示におけるトラメチニブへの言及はまた、該医薬的に許容される塩を包含すると取るべきである。
MEK-162
MEK-162の化学構造は:
である。
化学名:5-[(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ]-4-フルオロ-N-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキサミドとしても知られ得る。
MEK-162はまた、医薬的に許容される塩の形態で提供され得て、文脈上他の解釈が必要ではない限り、本開示におけるMEK-162への言及はまた、該医薬的に許容される塩を包含すると取るべきである。
コビメチニブ
コビメチニブの化学構造は:
である。
コビメチニブは、化学名:{3,4-ジフルオロ-2-[(2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ]フェニル}{3-ヒドロキシ-3-[(2S)-ピペリジン-2-イル]アゼチジン-1-イル}メタノンとしても知られ得る。
コビメチニブはまた、医薬的に許容される塩、例えばコビメチニブのフマル酸塩(2:1 薬物:フマル酸)の形態で提供され得る。文脈上他の解釈が必要ではない限り、本開示におけるコビメチニブへの言及はまた、医薬的に許容される塩、例えばフマル酸塩を包含すると取るべきである。
適切な実施態様において、MEK阻害剤は、MEK1およびMEK2の両方の活性を抑制し得る(いわゆる「MEK1/2阻害剤」)。一態様において、MEK阻害剤は、MEK1またはMEK2タンパク質の発現および/または活性を抑制し得る。
MEK1
本明細書で用いるMEK1は、マイトゲン活性化タンパク質キナーゼキナーゼ1を指す。
MEK1は、処置される種に対応する任意の種であり得る。一態様において、MEK1はヒトMEK1である。
(野生型)ヒトMEK1遺伝子は、遺伝子番号5604で記載される。野生型ヒトmek1遺伝子は、典型的にGenBank Accession No. NM_002755.3において『MEK1』cDNA配列に対応するmRNA発現産物、およびUniProtKB/Swiss-Prot Q02750においてMEK1タンパク質アミノ酸配列を有するタンパク質発現産物を有する。GenBank Accession No. NM_002755.3で提示されるMEK1 cDNA配列において、配列をコードするタンパク質は、ヌクレオチド476-1657にて示される。コンセンサスコーディング配列はまた、Accession No. CCDS10216.1の下CCDSデータベースに存在する。
mek1遺伝子(『MEK1』遺伝子)、mRNA、cDNAまたはMEK1タンパク質への本明細書の言及は、このヒト遺伝子、mRNAもしくは対応するcDNA配列、またはタンパク質を指し得る。
MEK1はまた、いくつかの例において、上記のいずれかのバリアント、例えば自然発生するバリアントを指し得る。
上記は、ヒト以外の種のMEK1に関して準用する。例えば、mek1遺伝子、mRNA、cDNAまたはMEK1タンパク質への本明細書の言及は、上記のヒト遺伝子、mRNAまたはタンパク質の種ホモログを指し得る。
MEK2
本明細書で用いるMEK2は、マイトゲン活性化タンパク質キナーゼキナーゼ2を指す。
MEK2は、処置される種に対応する任意の種であり得る。一態様において、MEK2はヒトMEK2である。
(野生型)ヒトMEK2遺伝子は、遺伝子番号5605で記載される。野生型ヒトmek2遺伝子は、典型的にGenBank Accession No. NM_030662.3においてMEK2 cDNA配列に対応する配列を有するmRNA発現産物、およびUniProtKB/Swiss-Prot P36507においてMEK2タンパク質アミノ酸配列を有するタンパク質発現産物を有する。GenBank Accession No. NM_030662.3における『MEK2』cDNA配列において、配列をコードするタンパク質は、ヌクレオチド255-1457にて示される。コンセンサスコーディング配列はまた、Accession No. CCDS12120.1の下CCDSデータベースに存在する。
mek2遺伝子(『MEK2』遺伝子)、mRNA、cDNAまたはMEK2タンパク質への本明細書の言及は、このヒト遺伝子、mRNAもしくは対応するcDNA配列、またはタンパク質を指し得る。
MEK2はまた、いくつかの例において、上記のいずれかのバリアント、例えば自然発生するバリアントを指し得る。
上記は、ヒト以外の種のMEK2に関して準用する。例えば、mek2遺伝子、mRNA、cDNAまたはMEK2タンパク質への本明細書の言及は、上記のヒト遺伝子、mRNAまたはタンパク質の種ホモログを指し得る。
MEK1およびMEK2の阻害剤
MEK阻害剤は、MEK1またはMEK2の任意の適切な活性、例えばタンパク質キナーゼ活性を抑制し得る。タンパク質キナーゼ活性の阻害は、適切なアッセイ、例えばYeh et al. Clin Cancer Res March 1, 2007 13; 1576に記載されるアッセイで測定され得る。
MEK阻害剤は、例えば、ATP-競合的MEK阻害剤、非-ATP競合的MEK阻害剤、またはATP-非競合的MEK阻害剤のいずれか1つより選択され得る。
MEK1および/またはMEK2の活性を抑制する適切なMEK阻害剤としては、セルメチニブが挙げられる。
その患者の腫瘍がNRAS E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SもしくはG12C変異または『NRAS』遺伝子のコピー数の増加を含むことが分かっている患者において用いるための、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤の特定の組合せ。
適切な実施態様において、組合せ処置は、EGFR TKIゲフィチニブ(またはその医薬的に許容される塩)およびMEK阻害剤セルメチニブ(またはその医薬的に許容される塩)を含み得る。適切な実施態様において、組合せ処置は、EGFR TKIゲフィチニブ(またはその医薬的に許容される塩)およびMEK阻害剤トラメチニブ(またはその医薬的に許容される塩)。を含み得る適切な実施態様において、組合せ処置は、EGFR TKIゲフィチニブ(またはその医薬的に許容される塩)およびMEK阻害剤MEK-162(またはその医薬的に許容される塩)を含み得る。適切な実施態様において、組合せ処置は、EGFR TKIゲフィチニブ(またはその医薬的に許容される塩)およびMEK阻害剤コビメチニブ(またはその医薬的に許容される塩)を含み得る。
適切な実施態様において、組合せ処置は、EGFR TKIエルロチニブ(またはその医薬的に許容される塩)およびMEK阻害剤セルメチニブ(またはその医薬的に許容される塩)を含み得る。適切な実施態様において、組合せ処置は、EGFR TKIエルロチニブ(またはその医薬的に許容される塩)およびMEK阻害剤トラメチニブ(またはその医薬的に許容される塩)を含み得る。適切な実施態様において、組合せ処置は、EGFR TKIエルロチニブ(またはその医薬的に許容される塩)およびMEK阻害剤MEK-162(またはその医薬的に許容される塩)を含み得る。適切な実施態様において、組合せ処置は、EGFR TKIエルロチニブ(またはその医薬的に許容される塩)およびMEK阻害剤コビメチニブ(またはその医薬的に許容される塩)を含み得る。
適切な実施態様において、組合せ処置は、EGFR TKIアファチニブ(またはその医薬的に許容される塩)およびMEK阻害剤セルメチニブ(またはその医薬的に許容される塩)を含み得る。適切な実施態様において、組合せ処置は、EGFR TKIアファチニブ(またはその医薬的に許容される塩)およびMEK阻害剤トラメチニブ(またはその医薬的に許容される塩)を含み得る。適切な実施態様において、組合せ処置は、EGFR TKIアファチニブ(またはその医薬的に許容される塩)およびMEK阻害剤MEK-162(またはその医薬的に許容される塩)を含み得る。適切な実施態様において、組合せ処置は、EGFR TKIアファチニブ(またはその医薬的に許容される塩)およびMEK阻害剤コビメチニブ(またはその医薬的に許容される塩)を含み得る。
適切な実施態様において、組合せ処置は、EGFR TKI AZD9291(またはその医薬的に許容される塩)およびMEK阻害剤セルメチニブ(またはその医薬的に許容される塩)を含み得る。適切な実施態様において、組合せ処置は、EGFR TKI AZD9291(またはその医薬的に許容される塩)およびMEK阻害剤トラメチニブ(またはその医薬的に許容される塩)を含み得る。適切な実施態様において、組合せ処置は、EGFR TKI AZD9291(またはその医薬的に許容される塩)およびMEK阻害剤MEK-162(またはその医薬的に許容される塩)を含み得る。適切な実施態様において、組合せ処置は、EGFR TKI AZD9291(またはその医薬的に許容される塩)およびMEK阻害剤コビメチニブ(またはその医薬的に許容される塩)を含み得る。
適切な実施態様において、組合せ処置は、EGFR TKI CO-1686(またはその医薬的に許容される塩)およびMEK阻害剤セルメチニブ(またはその医薬的に許容される塩)を含み得る。適切な実施態様において、組合せ処置は、EGFR TKI CO-1686(またはその医薬的に許容される塩)およびMEK阻害剤トラメチニブ(またはその医薬的に許容される塩)を含み得る。適切な実施態様において、組合せ処置は、EGFR TKI CO-1686(またはその医薬的に許容される塩)およびMEK阻害剤MEK-162(またはその医薬的に許容される塩)を含み得る。適切な実施態様において、組合せ処置は、EGFR TKI CO-1686(またはその医薬的に許容される塩)およびMEK阻害剤コビメチニブ(またはその医薬的に許容される塩)を含み得る。
NRASの阻害剤
MEK1および/またはMEK2がNRASシグナル伝達経路の下流成分であるため、MEK阻害剤は、NRASシグナル伝達に関連する活性を阻害し得る。
MEK阻害剤は、例えばmRNAの安定性または翻訳を干渉することにより、『NRAS』遺伝子の発現を阻害し得る。『NRAS』遺伝子の発現を標的化するsiRNAの例を実施例で提供する。
他の薬剤
本発明によるEGFR阻害剤とMEK阻害剤の組合せは、唯一の治療として癌患者に投与され得る。別法として、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤は、更なる外科手術もしくは放射線療法または更なる化学療法剤もしくは治療用抗体と組み合せて投与され得る。
組合せ投与
本発明によれば、組合せ処置の成分は、互いと組合せてまたは併せて投与され得る。組合せ処置は、組合された調製物、例えばEGFR阻害剤およびMEK阻害剤の組合された調製物の形態であり得る。組合せは、成分の1以上の分割製剤、例えばEGFR阻害剤およびMEK阻害剤の分割製剤を含み得る。
組合せ(例えば分割製剤)における成分は、組合せ処置方法に関して本明細書に記載のように連続して、分割しておよび/または同時に投与され得る。したがって、例えば、EGFR阻害剤は、MEK阻害剤と分割して、連続してまたは同時に投与され得る。
一実施態様において、成分は、同時に(適宜繰り返して)投与される。一実施態様において、成分は、連続して(適宜繰り返して)投与される。一実施態様において、成分は、分割して(適宜繰り返して)投与される。
当業者は、組合せにおける薬剤の分割製剤が連続してまたは順次に投与される場合、これは任意の順に薬剤の投与になり得ると理解するだろう。したがって、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤が連続してまたは順次に投与される場合、これは、MEK阻害剤の後にEGFR阻害剤の投与、またはEGFR阻害剤の後にMEK阻害剤の投与であり得る。
一実施態様において、薬剤の分割製剤は、代替的な投与パターンで投与され得る。
分割製剤の投与が連続または分割である場合、2番目の(または後の)製剤を投与する際の遅れは、組合せ処置の有益な治療効果を失うようなものであるべきでない。
組合せ製剤
本明細書に記載の組合せ処置の成分は、組合せ製剤として提供され得る。
組合せ製剤は、典型的に本明細書に記載の
(a) EGFR阻害剤;および
(b) MEK阻害剤;
を含む。
組合せ製剤は、本明細書に記載の方法によりEGFR関連癌を処置するのに有用である。
組合せ製剤は、医薬的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体と関連して
(a) EGFR阻害剤;および
(b) MEK阻害剤;
を含み得る。
本明細書で定義される組合せ製剤は、成分の組合された調製物の形態であり得る。したがって組合せ生成物は、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤の組合された調製物の形態であり得る。
本明細書で定義される組合せ製剤は、製剤中の薬物の各々の分割製剤を含む、部品のキットを含み得る。したがって、部品のキットは、本明細書に記載のEGFR阻害剤およびMEK阻害剤の分割製剤を含み得る。
組合せ製剤は、
(a) 医薬的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体と関連してEGFR阻害剤またはその医薬的に許容される塩:および
(b) 医薬的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体と関連してMEK阻害剤またはその医薬的に許容される塩;
を含む、部品のキットを含み得て、ここで成分は、癌患者への連続、分割および/または同時投与に適切な形態で提供され、その患者の腫瘍細胞は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SまたはG12C NRAS変異を含む。
更なる実施態様において、腫瘍細胞は、E63K、G12VおよびG12Rより選択されるNRAS変異を含む。
更なる実施態様において、腫瘍細胞は、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRAS変異を含む。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291およびCO1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩である。更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291もしくはCO1686;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、腫瘍細胞は、E63K、G12VまたはG12R NRAS変異を含む。
一実施態様において、腫瘍細胞は、G12R NRAS変異を含む。
組合せ製剤は、
(a) 医薬的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体と関連してEGFR阻害剤;および
(b) 医薬的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体と関連してMEK阻害剤;
を含む、部品のキットを含み得て、ここで成分は、癌患者への連続、分割および/または同時投与に適切な形態で提供され、その患者の腫瘍細胞は、『NRAS』遺伝子のコピー数の増加、またはE63Kおよび/またはG12V NRAS活性化変異を有するNRASタンパク質を含む。
部品のキットは、
医薬的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体と関連して、組合せ製剤中に成分の1つ目を含む第1の容器;および
医薬的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体と各成分関連して、それぞれ組合せ製剤中に成分の2つ目または任意その後を含む第2またはその後の容器を含み得て、そして容器は、該第1および第2ならびにその後の容器について意味する。
本明細書で定義される組合せ製剤は、
(a) EGFR阻害剤;および
(b) MEK阻害剤
を含む医薬組成物を含み得る。
医薬組成物は、一般的に医薬的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体を含む。
組合せ製剤は、
(a) 医薬的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体と関連してEGFR阻害剤;および
(b) 医薬的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体と関連してMEK阻害剤
を含む医薬組成物を含み得る。
本発明の組合せ製剤は、2以上のEGFR阻害剤、および/または2以上のMEK阻害剤を含み得る。組合せ製剤は、本明細書に記載のものより選択される1以上の他の活性薬剤を含み得る。
本明細書に記載の部品のキットは、癌の処置のために連続して、分割しておよび/または同時に成分を投与する説明書をさらに含み得る。
一実施態様において、本明細書に記載の組合せ製剤は、本明細書で定義される製剤が本明細書に記載の方法によりEGFR関連癌を処置するために用いられ得ることを指し示す説明書をさらに含む。製剤は、製剤が本明細書に記載の癌患者において本明細書に記載の癌を処置するのに用いられることを指し示す説明書を含み得る。例えば、製剤は、EGFR阻害剤治療を受けたかまたは受けている患者、および本発明に従いNRAS変異または『NRAS』遺伝子のコピー数の増加について陽性の試験結果が出る患者において癌を処置するのに製剤が用いられ得ることを指し示す説明書を含み得る。別の例において、製剤は、その患者の腫瘍細胞が『NRAS』遺伝子のコピー数の増加またはE63Kおよび/またはG12V NRAS活性化変異を有するNRASタンパク質を含む患者においてEGFR関連癌を処置するために製剤が第1選択治療として用いられ得ることを指し示す説明書を含み得る。別の例において、製剤は、その患者の腫瘍細胞がG12R NRAS変異を含む患者においてEGFR関連癌を処置するのに製剤が用いられ得ることを指し示す説明書を含み得る。一実施態様において、製剤は、その患者の腫瘍細胞がE63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SまたはG12C NRAS変異を含む患者においてEGFR関連癌を処置するのに製剤が用いられ得ることを指し示す説明書を含む。
医療方法および医療用途
本発明はまた、本明細書に記載の組合せ製剤または医薬組成物を投与することを含む、患者においてEGFR関連癌を処置するための方法であって、ここで患者は、NRAS E63K変異;およびNRAS G12V変異からなる群より選択されるNRAS活性化変異:または『NRAS』遺伝子コピー数の増加を有する、方法に関する。
一実施態様において、本明細書に記載の組合せ製剤または医薬組成物を投与することを含む、患者においてEGFR関連癌を処置するための方法であって、ここで患者は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRAS変異、または『NRAS』コピー数増加を有する、方法が提供される。
一実施態様において、患者は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRAS変異を有する。
別の一実施態様において、患者は、E63K、G12VおよびG12Rより選択されるNRAS変異を有する。
更なる実施態様において、患者は、G12R、G12A、G12D、G12SまたはG12Cより選択されるNRAS変異を有する。
一態様において、本発明は、本明細書に記載の方法のいずれかにおいて連続して、分割しておよび/または同時に用いるための、
(a)EGFR阻害剤;および
(b)MEK阻害剤;
を含む、本明細書に定義する組合せ製剤に関する。
さらに、患者においてEGFR関連癌を処置するのに用いるための、本明細書に記載のEGFR阻害剤およびMEK阻害剤を含む組合せ製剤であって、ここで患者は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRAS変異;または『NRAS』遺伝子のコピー数の増加を有し;EGFR阻害剤およびMEK阻害剤は、医薬的に許容されるアジュバント担体または希釈剤と各々関連し、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤は、分割、同時および/または連続投与に提起した形態で提供される、組合せ製剤が提供される。
さらに、患者においてEGFR関連癌を処置するのに用いるための、本明細書に記載のEGFR阻害剤およびMEK阻害剤を含む組合せ製剤であって、ここで患者は、E63K、G12VおよびG12Rより選択されるNRAS変異;または『NRAS』遺伝子のコピー数の増加を有し;EGFR阻害剤およびMEK阻害剤は、医薬的に許容されるアジュバント担体または希釈剤と各々関連し、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤は、分割、同時および/または連続投与に提起した形態で提供される、組合せ製剤が提供される。
更なる実施態様において、NRAS変異は、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択される。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291およびCO1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩である。更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291もしくはCO1686;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
さらに、患者においてEGFR関連癌を処置するのに用いるための、本明細書に記載のEGFR阻害剤およびMEK阻害剤を含む組合せ製剤であって、ここで患者は、NRAS E63K変異およびNRAS G12V変異からなる群より選択されるNRAS活性化変異;または『NRAS』遺伝子のコピー数の増加を有し;EGFR阻害剤およびMEK阻害剤は、医薬的に許容されるアジュバント担体または希釈剤と各々関連し、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤は、分割、同時および/または連続投与に提起した形態で提供される、組合せ製剤が提供される。
更なる態様において、本発明は、患者においてEGFR関連癌を処置するのに用いるための、本明細書に記載の医薬的に許容されるアジュバント担体または希釈剤と関連してEGFR阻害剤およびMEK阻害剤(各々適宜医薬的に許容される塩の形態で)を含む医薬組成物であって、ここで患者は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRAS変異;または『NRAS』コピー数増加を有する、医薬組成物を提供する。
更なる態様において、本発明は、患者においてEGFR関連癌を処置するのに用いるための、本明細書に記載の医薬的に許容されるアジュバント担体または希釈剤と関連してEGFR阻害剤およびMEK阻害剤(各々適宜医薬的に許容される塩の形態で)を含む医薬組成物であって、ここで患者は、NRASタンパク質における位置に対応してE63K、G12VおよびG12Rより選択されるNRAS変異;または『NRAS』コピー数増加を有する、医薬組成物を提供する。
更なる実施態様において、NRAS変異は、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択される。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291およびCO1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩である。更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291もしくはCO1686;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
更なる態様において、本発明は、患者においてEGFR関連癌を処置するのに用いるための、本明細書に記載の医薬的に許容されるアジュバント担体または希釈剤と関連してEGFR阻害剤およびMEK阻害剤を含む医薬組成物であって、ここで患者は、NRASタンパク質における位置に対応してE63KおよびG12Vからなる群より選択されるNRAS活性化変異;または『NRAS』コピー数増加を有する、医薬組成物を提供する。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のための、本明細書に記載の組合せ製剤または医薬組成物の使用であって、ここで患者は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRAS変異、または『NRAS』コピー数増加を有する、使用に関に関する。したがって、本発明は、NRAS変異癌の処置のための医薬の製造のための、本明細書に記載の組合せ製剤または医薬組成物の使用であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるか、または『NRAS』コピー数増加である、使用に関に関する。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のための、本明細書に記載の組合せ製剤または医薬組成物の使用であって、ここで患者は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRAS変異を有する、使用に関に関する。
したがって、本発明は、NRAS変異癌の処置のための医薬の製造のための、本明細書に記載の組合せ製剤または医薬組成物であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択される。更なる実施態様において、NRAS変異は、G12R、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択される。更なる実施態様において、NRAS変異癌は、G12R NRAS変異癌である。更なる実施態様において、NRAS変異癌は、『NRAS』コピー数増加を有する、組合せ製剤または医薬組成物に関する。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のための、本明細書に記載の組合せ製剤または医薬組成物の使用であって、ここで患者は、E63K、G12VおよびG12Rより選択されるNRAS変異を有する、使用に関に関する。
したがって、本発明は、NRAS変異癌の処置のための医薬の製造のための、本明細書に記載の組合せ製剤または医薬組成物の使用であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12VおよびG12Rより選択される、使用に関に関する。
更なる実施態様において、NRAS変異は、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択される。更なる実施態様において、NRAS変異癌は、『NRAS』コピー数増加を有する。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のための、本明細書に記載の組合せ製剤または医薬組成物の使用であって、ここで患者は、NRAS E63K変異およびNRAS G12V変異からなる群より選択されるNRAS活性化変異;または『NRAS』コピー数増加を有する、使用に関に関する。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するのに併用するための、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤であって、ここで患者は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRAS変異;または『NRAS』コピー数増加を有する、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤に関する。
したがって、本発明は、NRAS変異癌を処置するのに併用するための、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるか;または『NRAS』コピー数増加である、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤に関する。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するのに併用するための、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤であって、ここで患者は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRAS変異を有する、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤に関する。したがって、本発明は、NRAS変異癌を処置するのに併用するためのEGFR阻害剤およびMEK阻害剤であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択される、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤に関する。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するのに併用するための、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤であって、ここで患者は、E63K、G12VおよびG12Rより選択されるNRAS変異;または『NRAS』コピー数増加を有する、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤に関する。
したがって、本発明は、NRAS変異癌を処置するのに併用するための、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12VおよびG12Rより選択されるか;または『NRAS』コピー数増加である、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤に関する。
更なる実施態様において、NRAS変異は、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択される。
更なる実施態様において、NRAS変異癌は、G12R NRAS変異癌である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291およびCO1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩である。更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291もしくはCO1686;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するのに併用するための、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤であって、ここで患者は、NRAS E63K変異およびNRAS G12V変異からなる群より選択されるNRAS活性化変異;または『NRAS』コピー数増加を有する、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤に関する。
患者においてEGFR関連癌を処置するのに用いるためのEGFR阻害剤であって、ここで患者は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRAS変異;または『NRAS』コピー数増加を有し、EGFR阻害剤は、MEK阻害剤と組み合せて投与される、EGFR阻害剤をまた提供する。
したがって、NRAS変異癌の処置における使用のためのEGFR阻害剤であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるか;または『NRAS』コピー数増加であり、EGFR阻害剤は、MEK阻害剤と組み合せて投与される、EGFR阻害剤が提供される。
患者においてEGFR関連癌を処置するのに用いるためのEGFR阻害剤であって、ここで患者は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRAS変異を有し;EGFR阻害剤は、MEK阻害剤と組み合せて投与される、EGFR阻害剤をまた提供する。
したがって、NRAS変異癌の処置における使用のためのEGFR阻害剤であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択され;EGFR阻害剤は、MEK阻害剤と組み合せて投与される、EGFR阻害剤が提供される。
患者においてEGFR関連癌を処置するのに用いるためのEGFR阻害剤であって、ここで患者は、E63K、G12VおよびG12Rより選択されるNRAS変異;または『NRAS』コピー数増加を有し、EGFR阻害剤は、MEK阻害剤と組み合せて投与される、EGFR阻害剤をまた提供する。
したがって、NRAS変異癌の処置における使用のためのEGFR阻害剤であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12VおよびG12Rより選択されるか、または『NRAS』コピー数増加であり;EGFR阻害剤は、MEK阻害剤と組み合せて投与される、EGFR阻害剤が提供される。
患者においてEGFR関連癌を処置するのに用いるためのEGFR阻害剤であって、ここで患者は、E63K、G12VおよびG12Rより選択されるNRAS変異を有し;EGFR阻害剤は、MEK阻害剤と組み合せて投与される、EGFR阻害剤をまた提供する。
したがって、NRAS変異癌の処置における使用のためのEGFR阻害剤であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12VおよびG12Rより選択され;EGFR阻害剤は、MEK阻害剤と組み合せて投与される、EGFR阻害剤が提供される。
更なる実施態様において、NRAS変異は、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択される。
更なる実施態様において、NRAS変異癌は、G12R NRAS変異癌である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291およびCO1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である。更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩である。更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291もしくはCO1686;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
患者においてEGFR関連癌を処置するのに用いるためのEGFR阻害剤であって、ここで患者は、NRAS E63K変異およびNRAS G12V変異からなる群より選択されるNRAS活性化変異;または『NRAS』コピー数増加を有し、EGFR阻害剤は、MEK阻害剤と組み合せて投与される、EGFR阻害剤をまた提供する。
患者においてEGFR関連癌を処置するのに用いるためのMEK阻害剤であって、ここで患者は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRAS変異;または『NRAS』コピー数増加を有し、MEK阻害剤は、EGFR阻害剤と組合せて投与される、MEK阻害剤を提供する。
したがって、NRAS変異癌の処置における使用のためのMEK阻害剤であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるか;または『NRAS』コピー数増加であり、MEK阻害剤は、EGFR阻害剤と組合せて投与される、MEK阻害剤が提供される。
患者においてEGFR関連癌を処置するのに用いるためのMEK阻害剤であって、ここで患者は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRAS変異を有し、MEK阻害剤は、EGFR阻害剤と組合せて投与される、MEK阻害剤を提供する。
したがって、NRAS変異癌の処置における使用のためのMEK阻害剤であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択され;MEK阻害剤は、EGFR阻害剤と組合せて投与される、MEK阻害剤が提供される。
患者においてEGFR関連癌を処置するのに用いるためのMEK阻害剤であって、ここで患者は、E63K、G12VおよびG12Rより選択されるNRAS変異;または『NRAS』コピー数増加を有し、MEK阻害剤は、EGFR阻害剤と組合せて投与される、MEK阻害剤を提供する。
したがって、NRAS変異癌の処置における使用のためのMEK阻害剤であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12VおよびG12Rより選択されるか;または『NRAS』コピー数増加であり、MEK阻害剤は、EGFR阻害剤と組合せて投与される、MEK阻害剤が提供される。
患者においてEGFR関連癌を処置するのに用いるためのMEK阻害剤であって、ここで患者は、E63K、G12VおよびG12Rより選択されるNRAS変異を有し、MEK阻害剤は、EGFR阻害剤と組合せて投与される、MEK阻害剤を提供する。
したがって、NRAS変異癌の処置における使用のためのMEK阻害剤であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12VおよびG12Rより選択され、MEK阻害剤は、EGFR阻害剤と組合せて投与される、MEK阻害剤が提供される。
更なる実施態様において、NRAS変異は、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択される。
更なる実施態様において、NRAS変異癌は、G12R NRAS変異癌である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291およびCO1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩である。更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291もしくはCO1686;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
患者においてEGFR関連癌を処置するのに用いるためのMEK阻害剤であって、ここで患者は、NRAS E63K変異およびNRAS G12V変異からなる群より選択されるNRAS活性化変異;または『NRAS』コピー数増加を有し、MEK阻害剤は、EGFR阻害剤と組合せて投与される、MEK阻害剤を提供する。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のためのMEK阻害剤の使用であって、ここで患者は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRAS変異;または『NRAS』コピー数増加を有し、処置は、EGFR阻害剤と組合せてMEK阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
したがって、本発明は、NRAS変異癌の処置のための医薬の製造のためのMEK阻害剤の使用であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるか;または『NRAS』コピー数増加であり、処置は、EGFR阻害剤と組合せてMEK阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のためのMEK阻害剤の使用であって、ここで患者は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRAS変異を有し、処置は、EGFR阻害剤と組合せてMEK阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
したがって、本発明は、NRAS変異癌の処置のための医薬の製造のためのMEK阻害剤の使用であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択され;処置は、EGFR阻害剤と組合せてMEK阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のためのMEK阻害剤の使用であって、ここで患者は、E63K、G12VおよびG12Rより選択されるNRAS変異;または『NRAS』コピー数増加を有し、処置は、EGFR阻害剤と組合せてMEK阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
したがって、本発明は、NRAS変異癌の処置のための医薬の製造のためのMEK阻害剤の使用であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12VおよびG12Rより選択されるか;または『NRAS』コピー数増加であり、処置は、EGFR阻害剤と組合せてMEK阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のためのMEK阻害剤の使用であって、ここで患者は、E63K、G12VおよびG12Rより選択されるNRAS変異を有し、処置は、EGFR阻害剤と組合せてMEK阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
したがって、本発明は、NRAS変異癌の処置のための医薬の製造のためのMEK阻害剤の使用であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択され;処置は、EGFR阻害剤と組合せてMEK阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
更なる実施態様において、NRAS変異は、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択される。
更なる実施態様において、NRAS変異癌は、G12R NRAS変異癌である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291およびCO1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩である。更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291もしくはCO1686;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のためのMEK阻害剤の使用であって、ここで患者は、NRAS E63K変異およびNRAS G12V変異からなる群より選択されるNRAS活性化変異;または『NRAS』コピー数増加を有し、処置は、EGFR阻害剤と組合せてMEK阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
医薬(例えば本明細書に記載の組合せ製剤)は、MEK阻害剤およびEGFR阻害剤を含み得る。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のためのEGFR阻害剤の使用であって、ここで患者は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRAS変異;または『NRAS』コピー数増加を有し、処置は、MEK阻害剤と組合せてEGFR阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
したがって、本発明は、NRAS変異癌の処置のための医薬の製造のためのEGFR阻害剤の使用であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるか;または『NRAS』コピー数増加であり、処置は、MEK阻害剤と組合せてEGFR阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のためのEGFR阻害剤の使用であって、ここで患者は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRAS変異を有し、処置は、MEK阻害剤と組合せてEGFR阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
したがって、本発明は、NRAS変異癌の処置のための医薬の製造のためのEGFR阻害剤の使用であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択され;処置は、MEK阻害剤と組合せてEGFR阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のためのEGFR阻害剤の使用であって、ここで患者は、E63K、G12VおよびG12Rより選択されるNRAS変異;または『NRAS』コピー数増加を有し、処置は、MEK阻害剤と組合せてEGFR阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
したがって、本発明は、NRAS変異癌の処置のための医薬の製造のためのEGFR阻害剤の使用であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12VおよびG12Rより選択されるか;または『NRAS』コピー数増加であり、処置は、MEK阻害剤と組合せてEGFR阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のためのEGFR阻害剤の使用であって、ここで患者は、E63K、G12VおよびG12Rより選択されるNRAS変異を有し、処置は、MEK阻害剤と組合せてEGFR阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
したがって、本発明は、NRAS変異癌の処置のための医薬の製造のためのEGFR阻害剤の使用であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12VおよびG12Rより選択され、処置は、MEK阻害剤と組合せてEGFR阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
更なる実施態様において、NRAS変異は、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択される。
更なる実施態様において、NRAS変異癌は、G12R NRAS変異癌である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291およびCO1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩である。更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291もしくはCO1686;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のためのEGFR阻害剤の使用であって、ここで患者は、NRAS E63K変異およびNRAS G12V変異からなる群より選択されるNRAS活性化変異;または『NRAS』コピー数増加を有し、処置は、MEK阻害剤と組合せてEGFR阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のための、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤の使用であって、ここで患者は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRAS変異;または『NRAS』コピー数増加を有し、処置は、MEK阻害剤と組合せてEGFR阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
したがって、本発明は、NRAS変異癌の処置のための医薬の製造のための、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤の使用であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるか;または『NRAS』コピー数増加であり、処置は、MEK阻害剤と組合せてEGFR阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のための、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤の使用であって、ここで患者は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRAS変異を有し、処置は、MEK阻害剤と組合せてEGFR阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
したがって、本発明は、NRAS変異癌の処置のための医薬の製造のための、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤の使用であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択され;処置は、MEK阻害剤と組合せてEGFR阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のための、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤の使用であって、ここで患者は、E63K、G12VおよびG12Rより選択されるNRAS変異;または『NRAS』コピー数増加を有し、処置は、MEK阻害剤と組合せてEGFR阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
したがって、本発明は、NRAS変異癌の処置のための医薬の製造のための、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤の使用であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12VおよびG12Rより選択されるか;または『NRAS』コピー数増加であり、処置は、MEK阻害剤と組合せてEGFR阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のための、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤の使用であって、ここで患者は、E63K、G12VおよびG12Rより選択されるNRAS変異を有し、処置は、MEK阻害剤と組合せてEGFR阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
したがって、本発明は、NRAS変異癌の処置のための医薬の製造のための、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤の使用であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12VおよびG12Rより選択され;処置は、MEK阻害剤と組合せてEGFR阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
更なる実施態様において、NRAS変異は、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択される。
更なる実施態様において、NRAS変異癌は、G12R NRAS変異癌である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291およびCO1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩である。更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291もしくはCO1686;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のための、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤の使用であって、ここで患者は、NRAS E63K変異およびNRAS G12V変異からなる群より選択されるNRAS活性化変異;または『NRAS』コピー数増加を有し、処置は、MEK阻害剤と組合せてEGFR阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
医薬は、本明細書に記載の組合せ製剤であり得る。
本明細書に記載の組合せ製剤または医薬組成物を投与することを含む、患者においてEGFR関連癌を処置するための方法をまた提供する。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するのに用いるための、本明細書に記載のEGFR阻害剤およびMEK阻害剤を含む組合せ製剤であって、ここでEGFR阻害剤およびMEK阻害剤は、医薬的に許容されるアジュバント担体または希釈剤と各々関連し、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤は、分割、同時および/または連続投与に適した形態で患者に提供され、その患者の腫瘍細胞は、『NRAS』遺伝子のコピー数の増加、またはE63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRASタンパク質変異を含む、組合せ製剤を提供する。
したがって、本発明は、NRAS変異癌の処置において用いるための、本明細書に記載のEGFR阻害剤およびMEK阻害剤を含む組合せ製剤であって、ここでEGFR阻害剤およびMEK阻害剤は、医薬的に許容されるアジュバント担体または希釈剤と各々関連し、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤は、分割、同時および/または連続投与に適した形態で提供され、NRAS変異は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるか、または『NRAS』遺伝子のコピー数増加である、組合せ製剤を提供する。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するのに用いるための、本明細書に記載のEGFR阻害剤およびMEK阻害剤を含む組合せ製剤であって、ここでEGFR阻害剤およびMEK阻害剤は、医薬的に許容されるアジュバント担体または希釈剤と各々関連しEGFR阻害剤およびMEK阻害剤は、分割、同時および/または連続投与に適した形態で患者に提供され、その患者の腫瘍細胞は、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRASタンパク質変異を含む、組合せ製剤を提供する。
したがって、本発明は、NRAS変異癌の処置において用いるための、本明細書に記載のEGFR阻害剤およびMEK阻害剤を含む組合せ製剤であって、ここでEGFR阻害剤およびMEK阻害剤は、医薬的に許容されるアジュバント担体または希釈剤と各々関連し、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤は、分割、同時および/または連続投与に適した形態で提供され、NRAS変異は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択される、組合せ製剤を提供する。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するのに用いるための、本明細書に記載のEGFR阻害剤およびMEK阻害剤を含む組合せ製剤であって、ここでEGFR阻害剤およびMEK阻害剤は、医薬的に許容されるアジュバント担体または希釈剤と各々関連し、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤は、分割、同時および/または連続投与に適した形態で患者に提供され、その患者の腫瘍細胞は、『NRAS』遺伝子のコピー数の増加、またはE63K、G12VおよびG12Rより選択されるNRASタンパク質変異を含む、組合せ製剤を提供する。
したがって、本発明は、NRAS変異癌の処置において用いるための、本明細書に記載のEGFR阻害剤およびMEK阻害剤を含む組合せ製剤であって、ここでEGFR阻害剤およびMEK阻害剤は、医薬的に許容されるアジュバント担体または希釈剤と各々関連し、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤は、分割、同時および/または連続投与に適した形態で提供され、NRAS変異は、E63K、G12VおよびG12Rより選択されるか、または『NRAS』遺伝子のコピー数増加である、組合せ製剤を提供する。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するのに用いるための、本明細書に記載のEGFR阻害剤およびMEK阻害剤を含む組合せ製剤であって、ここでEGFR阻害剤およびMEK阻害剤は、医薬的に許容されるアジュバント担体または希釈剤と各々関連し、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤は、分割、同時および/または連続投与に適した形態で患者に提供され、その患者の腫瘍細胞がE63K、G12VおよびG12Rより選択されるNRASタンパク質変異を含む、組合せ製剤を提供する。
したがって、本発明は、NRAS変異癌の処置において用いるための、本明細書に記載のEGFR阻害剤およびMEK阻害剤を含む組合せ製剤であって、ここでEGFR阻害剤およびMEK阻害剤は、医薬的に許容されるアジュバント担体または希釈剤と各々関連し、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤は、分割、同時および/または連続投与に適した形態で提供され、NRAS変異は、E63K、G12VおよびG12Rより選択される、組合せ製剤を提供する。
更なる実施態様において、NRAS変異は、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択される。
更なる実施態様において、NRAS変異癌は、G12R NRAS変異癌である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291およびCO1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩である。更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291もしくはCO1686;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するのに用いるための、本明細書に記載のEGFR阻害剤およびMEK阻害剤を含む組合せ製剤であって、ここでEGFR阻害剤およびMEK阻害剤は、医薬的に許容されるアジュバント担体または希釈剤と各々関連し、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤は、分割、同時および/または連続投与に適した形態で患者に提供され、その患者の腫瘍細胞は、『NRAS』遺伝子のコピー数の増加、またはE63Kおよび/またはG12V NRAS活性化変異を有するNRASタンパク質を含む、組合せ製剤を提供する。
本発明はまた、患者におけるEGFR関連癌を処置するのに用いるための、本明細書に記載の医薬的に許容されるアジュバント担体または希釈剤に関連してEGFR阻害剤およびMEK阻害剤を含む医薬組成物であって、ここでその患者の腫瘍細胞は、『NRAS』遺伝子のコピー数の増加、またはE63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRASタンパク質変異を含む、医薬組成物に関する。したがって、本発明は、NRAS変異癌の処置における使用のための、本明細書に記載の医薬的に許容されるアジュバント担体または希釈剤に関連してEGFR阻害剤およびMEK阻害剤を含む医薬組成物であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるか、または『NRAS』遺伝子のコピー数増加である、医薬組成物を提供する。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するのに用いるための、本明細書に記載の医薬的に許容されるアジュバント担体または希釈剤に関連してEGFR阻害剤およびMEK阻害剤を含む医薬組成物であって、ここでその患者の腫瘍細胞は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRASタンパク質変異を含む、医薬組成物に関する。
したがって、本発明は、NRAS変異癌の処置における使用のための、本明細書に記載の医薬的に許容されるアジュバント担体または希釈剤に関連してEGFR阻害剤およびMEK阻害剤を含む医薬組成物であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択される、医薬組成物を提供する。
本発明はまた、患者におけるEGFR関連癌を処置するのに用いるための、本明細書に記載の医薬的に許容されるアジュバント担体または希釈剤に関連してEGFR阻害剤およびMEK阻害剤を含む医薬組成物であって、ここでその患者の腫瘍細胞は、『NRAS』遺伝子のコピー数の増加、またはE63K、G12VおよびG12Rより選択されるNRASタンパク質変異を含む、医薬組成物に関する。
したがって、本発明は、NRAS変異癌の処置における使用のための、本明細書に記載の医薬的に許容されるアジュバント担体または希釈剤に関連してEGFR阻害剤およびMEK阻害剤を含む医薬組成物であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12VおよびG12Rより選択されるか、または『NRAS』遺伝子のコピー数増加である、医薬組成物を提供する。
本発明はまた、患者におけるEGFR関連癌を処置するのに用いるための、本明細書に記載の医薬的に許容されるアジュバント担体または希釈剤に関連してEGFR阻害剤およびMEK阻害剤を含む医薬組成物であって、ここでその患者の腫瘍細胞は、E63K、G12VおよびG12Rより選択されるNRASタンパク質変異を含む、医薬組成物に関する。
したがって、本発明は、NRAS変異癌の処置における使用のための、本明細書に記載の医薬的に許容されるアジュバント担体または希釈剤に関連してEGFR阻害剤およびMEK阻害剤を含む医薬組成物であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12VおよびG12Rより選択される、医薬組成物を提供する。
更なる実施態様において、NRAS変異は、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択される。
更なる実施態様において、NRAS変異癌は、G12R NRAS変異癌である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291およびCO1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩である。更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291もしくはCO1686;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
本発明はまた、患者におけるEGFR関連癌を処置するのに用いるための、本明細書に記載の医薬的に許容されるアジュバント担体または希釈剤に関連してEGFR阻害剤およびMEK阻害剤を含む医薬組成物であって、ここでその患者の腫瘍細胞は、『NRAS』遺伝子のコピー数の増加、またはE63Kおよび/またはG12V NRAS活性化変異を有するNRASタンパク質を含む、医薬組成物に関する。
また更に本発明は、患者におけるEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のための、本明細書に記載の組合せ製剤または医薬組成物の使用であって、ここでその患者の腫瘍細胞は、『NRAS』遺伝子のコピー数の増加、またはE63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRASタンパク質変異を含む、使用に関に関する。
したがって、NRAS変異癌の処置のための医薬の製造のための、本明細書に記載の組合せ製剤または医薬組成物の使用であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるか、または『NRAS』遺伝子のコピー数増加である、使用が提供される。
また更に本発明は、患者においてEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のための、本明細書に記載の組合せ製剤または医薬組成物の使用であって、ここでその患者の腫瘍細胞は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRASタンパク質変異を含む、使用に関に関する。
したがって、NRAS変異癌の処置のための医薬の製造のための、本明細書に記載の組合せ製剤または医薬組成物の使用であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択される、使用が提供される。
また更に本発明は、患者におけるEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のための、本明細書に記載の組合せ製剤または医薬組成物の使用であって、ここでその患者の腫瘍細胞は、『NRAS』遺伝子のコピー数の増加、またはE63K、G12VおよびG12Rより選択されるNRASタンパク質変異を含む、使用に関に関する。
したがって、NRAS変異癌の処置のための医薬の製造のための、本明細書に記載の組合せ製剤または医薬組成物の使用であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12VおよびG12Rより選択されるか、または『NRAS』遺伝子のコピー数増加である、使用が提供される。
また更に本発明は、患者においてEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のための、本明細書に記載の組合せ製剤または医薬組成物の使用であって、ここでその患者の腫瘍細胞は、E63K、G12VおよびG12Rより選択されるNRASタンパク質変異を含む、使用に関に関する。
したがって、NRAS変異癌の処置のための医薬の製造のための、本明細書に記載の組合せ製剤または医薬組成物の使用であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12VおよびG12Rより選択される、使用が提供される。
更なる実施態様において、NRAS変異は、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択される。
更なる実施態様において、NRAS変異癌は、G12R NRAS変異癌である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291およびCO1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩である。更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291もしくはCO1686;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
また更に本発明は、患者におけるEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のための、本明細書に記載の組合せ製剤または医薬組成物の使用であって、ここでその患者の腫瘍細胞は、『NRAS』遺伝子のコピー数の増加、またはE63Kおよび/またはG12V NRAS活性化変異を有するNRASタンパク質を含む、使用に関に関する。
本発明はまた、患者におけるEGFR関連癌を処置するのに併用するための、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤であって、ここでその患者の腫瘍細胞は、『NRAS』遺伝子のコピー数の増加、またはE63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRASタンパク質変異を含む、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤に関する。
したがって、本発明は、NRAS変異癌の処置において併用するための、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるか、または『NRAS』遺伝子のコピー数増加である、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤に関する。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するのに併用するための、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤であって、ここでその患者の腫瘍細胞は、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRASタンパク質変異を含む、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤に関する。
したがって本発明は、NRAS変異癌の処置において併用するための、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択される、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤に関する。
本発明はまた、患者におけるEGFR関連癌を処置するのに併用するための、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤であって、ここでその患者の腫瘍細胞は、『NRAS』遺伝子のコピー数の増加、またはE63K、G12VおよびG12Rより選択されるNRASタンパク質変異を含む、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤に関する。
したがって本発明は、NRAS変異癌の処置において併用するための、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12VおよびG12Rより選択されるか、または『NRAS』遺伝子のコピー数増加である、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤に関する。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するのに併用するための、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤であって、ここでその患者の腫瘍細胞は、E63K、G12VおよびG12Rより選択されるNRASタンパク質変異を含む、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤に関する。
したがって本発明は、NRAS変異癌の処置において併用するための、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12VおよびG12Rより選択される、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤に関する。
更なる実施態様において、NRAS変異は、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択される。
更なる実施態様において、NRAS変異癌は、G12R NRAS変異癌である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291およびCO1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩である。更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291もしくはCO1686;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
本発明はまた、患者におけるEGFR関連癌を処置するのに併用するための、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤であって、ここでその患者の腫瘍細胞は、『NRAS』遺伝子のコピー数の増加、またはE63Kおよび/またはG12V NRAS活性化変異を有するNRASタンパク質を含む、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤に関する。
患者においてEGFR関連癌を処置するのに用いるためのEGFR阻害剤であって、ここでEGFR阻害剤は、MEK阻害剤と組み合せて患者に投与され、その患者の腫瘍細胞は、『NRAS』遺伝子のコピー数の増加またはE63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRASタンパク質変異を含む、EGFR阻害剤をまた提供する。
したがって、NRAS変異癌の処置における使用のためのEGFR阻害剤であって、ここでEGFR阻害剤は、MEK阻害剤と組み合せて投与され、NRAS変異は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるか、または『NRAS』遺伝子のコピー数増加である、EGFR阻害剤が提供される。
患者においてEGFR関連癌を処置するのに用いるためのEGFR阻害剤であって、ここでEGFR阻害剤は、MEK阻害剤と組み合せて患者に投与され、その患者の腫瘍細胞は、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRASタンパク質変異を含む、EGFR阻害剤をまた提供する。
したがって、NRAS変異癌の処置における使用のためのEGFR阻害剤であって、ここでEGFR阻害剤は、MEK阻害剤と組み合せて投与され、NRAS変異は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択される、EGFR阻害剤が提供される。
患者においてEGFR関連癌を処置するのに用いるためのEGFR阻害剤であって、ここでEGFR阻害剤は、MEK阻害剤と組み合せて患者に投与され、その患者の腫瘍細胞は、『NRAS』遺伝子のコピー数の増加またはE63K、G12VおよびG12Rより選択されるNRASタンパク質変異を含む、EGFR阻害剤をまた提供する。
したがって、NRAS変異癌の処置における使用のためのEGFR阻害剤であって、ここでEGFR阻害剤は、MEK阻害剤と組み合せて投与され、NRAS変異は、E63K、G12VおよびG12Rより選択されるか、または『NRAS』遺伝子のコピー数増加である、EGFR阻害剤が提供される。
患者においてEGFR関連癌を処置するのに用いるためのEGFR阻害剤であって、ここでEGFR阻害剤は、患者にMEK阻害剤と組み合せて投与され、その患者の腫瘍細胞は、E63K、G12VおよびG12Rより選択されるNRASタンパク質変異を含む、EGFR阻害剤をまた提供する。
したがって、NRAS変異癌の処置における使用のためのEGFR阻害剤であって、ここでEGFR阻害剤は、MEK阻害剤と組み合せて投与され、NRAS変異は、E63K、G12VおよびG12Rより選択される、EGFR阻害剤が提供される。
更なる実施態様において、NRAS変異は、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択される。
更なる実施態様において、NRAS変異癌は、G12R NRAS変異癌である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291およびCO1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩である。更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291もしくはCO1686;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
患者においてEGFR関連癌を処置するのに用いるためのEGFR阻害剤であって、ここでEGFR阻害剤は、MEK阻害剤と組み合せて患者に投与され、その患者の腫瘍細胞は、『NRAS』遺伝子のコピー数の増加、またはE63Kおよび/またはG12V NRAS活性化変異を有するNRASタンパク質を含む、EGFR阻害剤をまた提供する。
患者におけるEGFR関連癌を処置するのに用いるためのMEK阻害剤であって、ここでその患者の腫瘍細胞は、『NRAS』遺伝子のコピー数の増加、またはE63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRASタンパク質変異を含み、MEK阻害剤は、EGFR阻害剤と組合せて投与される、MEK阻害剤を提供する。
したがって、NRAS変異癌の処置における使用のためのMEK阻害剤であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるか、または『NRAS』遺伝子のコピー数増加であり、MEK阻害剤は、EGFR阻害剤と組合せて投与される、MEK阻害剤が提供される。
患者においてEGFR関連癌を処置するのに用いるためのMEK阻害剤であって、ここでその患者の腫瘍細胞は、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRASタンパク質変異を含み、MEK阻害剤は、EGFR阻害剤と組合せて投与される、MEK阻害剤を提供する。
したがって、NRAS変異癌の処置における使用のためのMEK阻害剤であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択され、MEK阻害剤は、EGFR阻害剤と組合せて投与される、MEK阻害剤が提供される。
患者におけるEGFR関連癌を処置するのに用いるためのMEK阻害剤であって、ここでその患者の腫瘍細胞は、『NRAS』遺伝子のコピー数の増加、またはE63K、G12VおよびG12Rより選択されるNRASタンパク質変異を含み、MEK阻害剤は、EGFR阻害剤と組合せて投与される、MEK阻害剤を提供する。
したがって、NRAS変異癌の処置における使用のためのMEK阻害剤であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12VおよびG12Rより選択されるか、または『NRAS』遺伝子のコピー数増加であり、MEK阻害剤は、EGFR阻害剤と組合せて投与される、MEK阻害剤が提供される。
患者においてEGFR関連癌を処置するのに用いるためのMEK阻害剤であって、ここでその患者の腫瘍細胞は、E63K、G12VおよびG12Rより選択されるNRASタンパク質変異を含み、MEK阻害剤は、EGFR阻害剤と組合せて投与される、MEK阻害剤を提供する。
したがって、NRAS変異癌の処置における使用のためのMEK阻害剤であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12VおよびG12Rより選択され、MEK阻害剤は、EGFR阻害剤と組合せて投与される、MEK阻害剤が提供される。
更なる実施態様において、NRAS変異は、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択される。
更なる実施態様において、NRAS変異癌は、G12R NRAS変異癌である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291およびCO1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩である。更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291もしくはCO1686;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
患者におけるEGFR関連癌を処置するのに用いるためのMEK阻害剤であって、ここでその患者の腫瘍細胞は、『NRAS』遺伝子のコピー数の増加、またはE63Kおよび/またはG12V NRAS活性化変異を有するNRASタンパク質を含み、MEK阻害剤は、EGFR阻害剤と組合せて投与される、MEK阻害剤を提供する。
本発明はまた、患者におけるEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のためのMEK阻害剤の使用であって、ここでその患者の腫瘍細胞は、『NRAS』遺伝子のコピー数の増加、またはE63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRASタンパク質変異を含み、処置は、EGFR阻害剤と組合せてMEK阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のためのMEK阻害剤の使用であって、ここでその患者の腫瘍細胞は、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRASタンパク質変異を含み、処置は、EGFR阻害剤と組合せてMEK阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
本発明はまた、患者におけるEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のためのMEK阻害剤の使用であって、ここでその患者の腫瘍細胞は、『NRAS』遺伝子のコピー数の増加、またはE63K、G12VおよびG12Rより選択されるNRASタンパク質変異を含み、処置は、EGFR阻害剤と組合せてMEK阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のためのMEK阻害剤の使用であって、ここでその患者の腫瘍細胞は、E63K、G12VおよびG12Rより選択されるNRASタンパク質変異を含み、処置は、EGFR阻害剤と組合せてMEK阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
更なる実施態様において、NRAS変異は、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択される。
更なる実施態様において、NRAS変異は、G12Rである。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291およびCO1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩である。更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291もしくはCO1686;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
本発明はまた、患者におけるEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のためのMEK阻害剤の使用であって、ここでその患者の腫瘍細胞は、『NRAS』遺伝子のコピー数の増加、またはE63Kおよび/またはG12V NRAS活性化変異を有するNRASタンパク質を含み、処置は、EGFR阻害剤と組合せてMEK阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
本発明はまた、患者におけるEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のためのEGFR阻害剤の使用であって、ここでその患者の腫瘍細胞は、『NRAS』遺伝子のコピー数の増加、またはE63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRASタンパク質変異を含み、処置は、MEK阻害剤と組合せてEGFR阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のためのEGFR阻害剤の使用であって、ここでその患者の腫瘍細胞は、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRASタンパク質変異を含み、処置は、MEK阻害剤と組合せてEGFR阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
本発明はまた、患者におけるEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のためのEGFR阻害剤の使用であって、ここでその患者の腫瘍細胞は、『NRAS』遺伝子のコピー数の増加、またはE63K、G12VおよびG12Rより選択されるNRASタンパク質変異を含み、処置は、MEK阻害剤と組合せてEGFR阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のための、EGFR阻害剤の使用であって、ここでその患者の腫瘍細胞は、E63K、G12VおよびG12Rより選択されるNRASタンパク質変異を含み、処置は、MEK阻害剤と組合せてEGFR阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
更なる実施態様において、NRAS変異は、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択される。
更なる実施態様において、NRAS変異は、G12Rである。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291およびCO1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩である。更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291もしくはCO1686;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
本発明はまた、患者におけるEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のためのEGFR阻害剤の使用であって、ここでその患者の腫瘍細胞は、『NRAS』遺伝子のコピー数の増加、またはE63Kおよび/またはG12V NRAS活性化変異を有するNRASタンパク質を含み、処置は、MEK阻害剤と組合せてEGFR阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
本発明はまた、患者におけるEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のための、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤の使用であって、ここでその患者の腫瘍細胞は、『NRAS』遺伝子のコピー数の増加、またはE63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRASタンパク質変異を含み、処置は、MEK阻害剤と組合せてEGFR阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のための、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤の使用であって、ここでその患者の腫瘍細胞は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるNRASタンパク質変異を含み、処置は、MEK阻害剤と組合せてEGFR阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
本発明はまた、患者におけるEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のための、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤の使用であって、ここでその患者の腫瘍細胞は、『NRAS』遺伝子のコピー数の増加、またはE63K、G12VおよびG12Rより選択されるNRASタンパク質変異を含み、処置は、MEK阻害剤と組合せてEGFR阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
本発明はまた、患者においてEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のための、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤の使用であって、ここでその患者の腫瘍細胞は、E63K、G12VおよびG12Rより選択されるNRASタンパク質変異を含み、処置は、MEK阻害剤と組合せてEGFR阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
更なる実施態様において、NRAS変異は、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択される。
更なる実施態様において、NRAS変異は、G12Rである。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291およびCO1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩である。更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291もしくはCO1686;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
更なる実施態様において、EGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である。
本発明はまた、患者におけるEGFR関連癌を処置するための医薬の製造のための、EGFR阻害剤およびMEK阻害剤の使用であって、ここでその患者の腫瘍細胞は、『NRAS』遺伝子のコピー数の増加、またはE63Kおよび/またはG12V NRAS活性化変異を有するNRASタンパク質を含み、処置は、MEK阻害剤と組合せてEGFR阻害剤を投与することを含む、使用に関に関する。
医薬は、本明細書に記載の組合せ製剤であり得る。
更なる実施態様
一実施態様において、NRAS変異癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤の使用であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択される、使用が提供される。
一実施態様において、NRAS変異癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤の使用であって、ここでNRAS変異は、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択される、使用が提供される。
一実施態様において、NRAS変異癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤の使用であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12VおよびG12Rより選択される、使用が提供される。
更なる実施態様において、NRAS変異は、G12Rである。
一実施態様において、E63Kおよび/またはG12V NRAS変異癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤の使用が提供される。
一実施態様において、G12R NRAS変異癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤の使用が提供される、
一実施態様において、その患者の腫瘍細胞が『NRAS』遺伝子のコピー数の増加を含む患者における癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤の使用が提供される。
一実施態様において、E63K NRAS変異の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤の使用が提供される癌。
したがって、E63K NRAS変異癌の処置にける使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤が提供される。
一実施態様において、G12V NRAS変異癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤の使用が提供される。
したがって、G12V NRAS変異癌の処置にける使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤が提供される。
更なる実施態様において、G12R NRAS変異癌の処置において用いるためのMEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤が提供される。
本明細書に記載の任意の実施態様において、EGFR阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、ダコミチニブ、AZD9291およびCO-1686より選択され得る(前記のすべてが医薬的に許容される塩の形態であり得て、該塩が形成されることを可能にする官能基が少なくとも提供される)。
本明細書に記載の任意の実施態様において、EGFR阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291およびCO-1686より選択され得る(前記のすべてが医薬的に許容される塩の形態であり得て、該塩が形成されることを可能にする官能基が少なくとも提供される)。
一実施態様において、NRAS変異癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤(各々適宜医薬的に許容される塩の形態である)の使用であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択され、EGFR阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291およびCO-1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、使用が提供される。
したがって、NRAS変異癌の処置にける使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択され、EGFR阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291およびCO-1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
更なる実施態様において、NRAS変異は、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択される。
更なる実施態様において、NRAS変異は、G12Rである。
一実施態様において、NRAS変異癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤(各々適宜医薬的に許容される塩の形態である)の使用であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12VおよびG12Rより選択され、EGFR阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291およびCO-1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、使用が提供される。
したがって、NRAS変異癌の処置にける使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12VおよびG12Rより選択され、EGFR阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291およびCO-1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
一実施態様において、NRAS変異癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤(各々適宜医薬的に許容される塩の形態である)の使用であって、ここでNRAS変異は、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択され、EGFR阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291およびCO-1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、使用が提供される。
したがって、NRAS変異癌の処置にける使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでNRAS変異は、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択され、EGFR阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291およびCO-1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
したがって、一実施態様において、E63Kおよび/またはG12V NRAS変異癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤の使用であって、ここでEGFR阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291およびCO-1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、使用が提供される。
一実施態様において、G12R NRAS変異癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤(各々適宜医薬的に許容される塩の形態である)の使用であって、ここでEGFR阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291およびCO-1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、使用が提供される。
したがって、G12R NRAS変異癌の処置にける使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでEGFR阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291およびCO-1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
一実施態様において、その患者の腫瘍細胞が『NRAS』遺伝子のコピー数の増加を含む患者における癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤の使用であって、ここでEGFR阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291およびCO-1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、使用が提供される。
したがって、その患者の腫瘍細胞が『NRAS』遺伝子のコピー数の増加を含む患者における癌の処置にける使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでEGFR阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291およびCO-1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
一実施態様において、E63K NRAS変異癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤の使用であって、ここでEGFR阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291およびCO-1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、使用が提供される。
したがって、E63K NRAS変異癌の処置にける使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでEGFR阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291およびCO-1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。一実施態様において、G12V NRAS変異癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤の使用であって、ここでEGFR阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291およびCO-1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、使用が提供される。
したがって、G12V NRAS変異癌の処置にける使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでEGFR阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291およびCO-1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
一実施態様において、G12R NRAS変異癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤(各々適宜医薬的に許容される塩の形態である)の使用であって、ここでEGFR阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291およびCO-1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、使用が提供される。
したがって、G12R NRAS変異癌の処置にける使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでEGFR阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291およびCO-1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
本明細書に記載の任意の実施態様において、MEK阻害剤は、セルメチニブ、トラメチニブ、MEK-162およびコビメチニブより選択され得る(前記のすべてが医薬的に許容される塩の形態であり得て、該塩が形成されることを可能にする官能基が少なくとも提供される)。
一実施態様において、NRAS変異癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤(各々適宜医薬的に許容される塩の形態である)の使用であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択され、MEK阻害剤は、セルメチニブ、トラメチニブ、MEK-162およびコビメチニブより選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、使用が提供される。
したがって、NRAS変異癌の処置にける使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択され、MEK阻害剤は、セルメチニブ、トラメチニブ、MEK-162およびコビメチニブより選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
一実施態様において、NRAS変異癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤(各々適宜医薬的に許容される塩の形態である)の使用であって、ここでNRAS変異は、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択され、MEK阻害剤は、セルメチニブ、トラメチニブ、MEK-162およびコビメチニブより選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、使用が提供される。
したがって、NRAS変異癌の処置にける使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでNRAS変異は、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択され、MEK阻害剤は、セルメチニブ、トラメチニブ、MEK-162およびコビメチニブより選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
一実施態様において、NRAS変異癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤(各々適宜医薬的に許容される塩の形態である)の使用であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12VおよびG12Rより選択され、MEK阻害剤は、セルメチニブ、トラメチニブ、MEK-162およびコビメチニブより選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、使用が提供される。
したがって、NRAS変異癌の処置にける使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12VおよびG12Rより選択され、MEK阻害剤は、セルメチニブ、トラメチニブ、MEK-162およびコビメチニブより選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
したがって、一実施態様において、E63Kおよび/またはG12V NRAS変異癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤の使用であって、ここでMEK阻害剤は、セルメチニブ、トラメチニブ、MEK-162およびコビメチニブより選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、使用が提供される。
一実施態様において、G12R NRAS変異癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤(各々適宜医薬的に許容される塩の形態である)の使用であって、ここでMEK阻害剤は、セルメチニブ、トラメチニブ、MEK-162およびコビメチニブより選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、使用が提供される。
したがって、G12R NRAS変異癌の処置にける使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでMEK阻害剤は、セルメチニブ、トラメチニブ、MEK-162およびコビメチニブより選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
一実施態様において、その患者の腫瘍細胞が『NRAS』遺伝子のコピー数の増加を含む患者における癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤の使用であって、ここでMEK阻害剤は、セルメチニブ、トラメチニブ、MEK-162およびコビメチニブより選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、使用が提供される。
一実施態様において、E63K NRAS変異癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤の使用であって、ここでMEK阻害剤は、セルメチニブ、トラメチニブ、MEK-162およびコビメチニブより選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、使用が提供される。
したがって、E63K NRAS変異癌の処置にける使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでMEK阻害剤は、セルメチニブ、トラメチニブ、MEK-162およびコビメチニブより選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
一実施態様において、G12V NRAS変異癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤の使用であって、ここでMEK阻害剤は、セルメチニブ、トラメチニブ、MEK-162およびコビメチニブより選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、使用が提供される。
したがって、G12V NRAS変異癌の処置にける使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでMEK阻害剤は、セルメチニブ、トラメチニブ、MEK-162およびコビメチニブより選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
一実施態様において、G12R NRAS変異癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤(各々適宜医薬的に許容される塩の形態である)の使用であって、ここでMEK阻害剤は、セルメチニブ、トラメチニブ、MEK-162およびコビメチニブより選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、使用が提供される。
したがって、G12R NRAS変異癌の処置にける使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでMEK阻害剤は、セルメチニブ、トラメチニブ、MEK-162およびコビメチニブより選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
一実施態様において、NRAS変異癌の処置において使用するための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択され、EGFR阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291およびCO-1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブ、トラメチニブ、MEK-162およびコビメチニブより選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
一実施態様において、NRAS変異癌の処置にける使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでNRAS変異は、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択され、EGFR阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291およびCO-1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブ、トラメチニブ、MEK-162およびコビメチニブより選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
一実施態様において、NRAS変異癌の処置にける使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12VおよびG12Rより選択され、EGFR阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291およびCO-1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブ、トラメチニブ、MEK-162およびコビメチニブより選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
一実施態様において、E63Kおよび/またはG12V NRAS変異癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤の使用であって、ここでEGFR阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291およびCO-1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブ、トラメチニブ、MEK-162およびコビメチニブより選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、使用が提供される。
したがって、E63Kおよび/またはG12V NRAS変異癌の処置にける使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでEGFR阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291およびCO-1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブ、トラメチニブ、MEK-162およびコビメチニブより選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。一実施態様において、その患者の腫瘍細胞が『NRAS』遺伝子のコピー数の増加を含む患者における癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤の使用であって、ここでEGFR阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291およびCO-1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブ、トラメチニブ、MEK-162およびコビメチニブより選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、使用が提供される。
したがって、その患者の腫瘍細胞が『NRAS』遺伝子のコピー数の増加を含む患者における癌の処置にける使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでEGFR阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291およびCO-1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブ、トラメチニブ、MEK-162およびコビメチニブより選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
一実施態様において、E63K NRAS変異癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤の使用であって、ここでEGFR阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291およびCO-1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブ、トラメチニブ、MEK-162およびコビメチニブより選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、使用が提供される。
したがって、E63K NRAS変異癌の処置にける使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでEGFR阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291およびCO-1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブ、トラメチニブ、MEK-162およびコビメチニブより選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
一実施態様において、G12V NRAS変異癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤の使用であって、ここでEGFR阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291およびCO-1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブ、トラメチニブ、MEK-162およびコビメチニブより選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、使用が提供される。
したがって、G12V NRAS変異癌の処置にける使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでEGFR阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291およびCO-1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブ、トラメチニブ、MEK-162およびコビメチニブより選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
一実施態様において、G12R NRAS変異癌の処置における使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでEGFR阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291およびCO-1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブ、トラメチニブ、MEK-162およびコビメチニブより選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
本明細書に記載の任意の実施態様において、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩であり得る。
一実施態様において、NRAS変異癌の処置において使用するための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択され、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
一実施態様において、NRAS変異癌の処置において使用するための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでNRAS変異は、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択され、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
一実施態様において、NRAS変異癌の処置にける使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでNRAS変異は、E63K、G12VおよびG12Rより選択され、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
一実施態様において、E63Kおよび/またはG12V NRAS変異癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤の使用であって、ここでMEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である、使用が提供される。
したがって、E63Kおよび/またはG12V NRAS変異癌の処置にける使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでMEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
一実施態様において、G12R NRAS変異癌の処置にける使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでMEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
一実施態様において、その患者の腫瘍細胞が『NRAS』遺伝子のコピー数の増加を含む患者における癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤の使用であって、ここでMEK阻害剤は、セルメチニブ;またはその医薬的に許容される塩である、使用が提供される。
したがって、その患者の腫瘍細胞が『NRAS』遺伝子のコピー数の増加を含む患者における癌の処置にける使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでMEK阻害剤は、セルメチニブ;またはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
一実施態様において、E63K NRAS変異癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤の使用であって、ここでMEK阻害剤は、セルメチニブ;またはその医薬的に許容される塩である、使用が提供される。
したがって、E63K NRAS変異癌の処置にける使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでMEK阻害剤は、セルメチニブ;またはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
一実施態様において、G12V NRAS変異癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤の使用であって、ここでMEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である、使用が提供される。
したがって、G12V NRAS変異癌の処置にける使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでMEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
本明細書に記載の任意の実施態様において、EGFR阻害剤は、ゲフィチニブおよびAZD9291より選択され、MEK阻害剤は、セルメチニブである(前記のすべてが医薬的に許容される塩の形態であり得る)。
一実施態様において、E63Kおよび/またはG12V NRAS変異癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤の使用であって、ここでEGFR阻害剤は、ゲフィチニブおよびAZD9291より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である、使用が提供される。
したがって、E63Kおよび/またはG12V NRAS変異癌の処置にける使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでEGFR阻害剤は、ゲフィチニブおよびAZD9291より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
一実施態様において、G12R NRAS変異癌の処置における使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでEGFR阻害剤は、ゲフィチニブおよびAZD9291より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
一実施態様において、G12R NRAS変異癌の処置における使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでEGFR阻害剤は、AZD9291およびCO1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
一実施態様において、G12R NRAS変異癌の処置における使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでEGFR阻害剤は、AZD9291またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
一実施態様において、その患者の腫瘍細胞が『NRAS』遺伝子のコピー数の増加を含む患者における癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤の使用であって、ここでEGFR阻害剤は、ゲフィチニブおよびAZD9291より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である、使用が提供される。
したがって、その患者の腫瘍細胞が『NRAS』遺伝子のコピー数の増加を含む患者における癌の処置にける使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでEGFR阻害剤は、ゲフィチニブおよびAZD9291より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
一実施態様において、E63K NRAS変異癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤の使用であって、ここでEGFR阻害剤は、ゲフィチニブおよびAZD9291より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である、使用が提供される。
したがって、E63K NRAS変異癌の処置にける使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでEGFR阻害剤は、ゲフィチニブおよびAZD9291より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
一実施態様において、G12V NRAS変異癌の処置のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤の使用であって、ここでEGFR阻害剤は、ゲフィチニブおよびAZD9291より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である、使用が提供される。
したがって、G12V NRAS変異癌の処置にける使用のための、MEK阻害剤と組合せたEGFR阻害剤であって、ここでEGFR阻害剤は、ゲフィチニブおよびAZD9291より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩であり、MEK阻害剤は、セルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である、EGFR阻害剤が提供される。
「E63K NRAS変異癌」を記載する任意の実施態様において、癌は、「E63K NRAS変異型の肺癌」、「E63K NRAS変異型の非小細胞性肺癌」または「EGFR TKIで以前処置されているE63K NRAS変異癌」であり得る。
「G12V NRAS変異癌」を記載する任意の実施態様において、癌は、「G12V NRAS変異型の肺癌」、「G12V NRAS変異型の非小細胞性肺癌」または「EGFR TKIで以前処置されているG12V NRAS変異癌」であり得る。同様のパターンが、本明細書に記載の更なる実施態様を提供するために、他のNRASタンパク質変異に適用され得る。
「NRAS変異癌」を記載する任意の実施態様において、癌はさらに、「NRAS変異型の肺癌」、「NRAS変異型の非小細胞性肺癌」または「EGFR TKIで以前処置されているNRAS変異癌」として定義され得る。
「その患者の腫瘍細胞が『NRAS』遺伝子のコピー数の増加を含む患者における癌」を記載する任意の実施態様において、癌は、「その患者の腫瘍細胞が『NRAS』遺伝子のコピー数の増加を含む非小細胞性肺癌」または「癌がEGFR TKIで以前処置されている場合、その患者の腫瘍細胞が『NRAS』遺伝子のコピー数の増加を含む患者における癌」であり得る。
組合せ処置の相乗作用
本発明の組合せ処置は、対象体において癌を処置する際に相乗的または有益な効果を生じると予想される。このような効果は、例えば、抗腫瘍効果の程度、反応率、疾患進行への時間または生存率の1以上により決定され得る。
一態様において、効果が、例えば反応の程度、反応/回復率、疾患進行への時間、経験した副作用または生存期間により測定されるように、例えばその従来の用量または濃度において組合せ処置の成分の1つを適用する際に達成できることより治療上優れている場合、相乗的または有益な効果が達成される。
効果が、組合せの成分の1つを用いてたっしされる個々の効果の合計より治療上優れている場合、および/または効果が、個々に成分の1つに応答しない(またはほとんど応答しない)患者の群において達成される場合、相乗的または有益な効果が得られ得る。
また、成分の1つがその従来の用量または濃度で適用され、他の1または複数の成分が減らした用量または濃度で適用され、治療効果が、組合せ処置の成分の従来の量を適用する際に達成できることに等しいかまたはそれより良い場合、組合せ処置は、相乗的または有益な効果であるとして定義され得る。
特に、反応の程度、反応率、疾患進行への時間および生存データの1以上に損失なく、特に反応の持続に損失なくであるが、各成分の従来の用量または濃度が用いられるときに生じるより少ないおよび/または面倒でない副作用を有して、組合せ処置の成分の1つの従来の用量を減らし得る場合、相乗作用または利益は、存在すると言ってもよい。
製剤および送達経路
インビボで用いるための医薬組成物または組合せ製剤は、1以上の医薬的に許容される添加剤、担体もしくは希釈剤、アジュバント、賦形剤、緩衝剤、安定化剤、防腐剤、滑沢剤、または当業者に周知である他の物質と混合して、活性薬剤または薬剤(例えば、本明細書に記載のEGFR阻害剤および/またはMEK阻害剤)を典型的に含む。
本明細書で有用な医薬的に許容される添加剤は、従来的である。E. W. MartinによるRemington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co, Easton, PA, 15th Edition (1975) は、本明細書に記載の化合物の医薬の送達に適切な組成物および製剤を記載する。
該製剤は、さらに慣例的に塩、緩衝剤、防腐剤、抗酸化剤および/または適合する担体の医薬的に許容される濃度を含む。
製剤はまた、抗酸化剤および/または防腐剤を含み得る。抗酸化剤としては、トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、亜硫酸塩(例えば、硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、アセトン重亜硫酸、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム)およびノルジヒドログアイアレチン酸が挙げられ得る。適切な防腐剤は、例えば、フェノール、クロロブタノール、ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、塩化ベンザルコニウムおよび塩化セチルピリジニウムであり得る。
製剤は、単位用量形態であり得る。
本明細書に記載の組成物および製剤は、任意の適切な方法により、標的細胞(または標的細胞を含む組織、器官または対象体)に送達され得る。
対象体へ送達するための投与経路および/または送達手段の例としては、経口、非経口、経皮、皮内、動脈内もしくは静脈内または局所が挙げられる。一例において、投与は、静脈内、動脈内もしくは皮下注射もしくは点滴、または経口投与によりされ得る。
組成物または製剤は、経口投与用であり得る。一態様において、経口組成物は、薬剤のバイオアベイラビリティおよび/または吸収を向上するためにエンハンサーと組み合せて活性薬剤を含む経口の剤形を含み得る。
経口投与(例えば、経口摂取による)に適切な製剤は、不連続単位、例えばカプセル剤、カシェ剤もしくは錠剤、所与の活性薬剤の量を含む各々;散剤もしくは顆粒剤;水性または非水性の液体中の溶液剤もしくは懸濁剤;または水中油型液状乳剤もしくは油中水型液状乳剤;巨丸剤;舐剤;またはペースト剤として存在し得る。
一例において、組成物または製剤は、非経口投与用であり得る。非経口製剤は、1以上の経路、例えば静脈内、皮下、皮内および点滴により投与され;特定の例は静脈内である。本明細書に記載の製剤は、シリンジ、注射器、固形製剤用のプランジャー、ポンプ、または非経口投与用に当該技術分野において認識された任意の他のデバイスを用いて投与され得る。
組成物または製剤は、局所投与、例えば皮膚への投与用であり得る。
量/用量/治療上有効
組成物、例えば医薬組成物中の活性成分(例えばEGFR阻害剤もしくはMEK阻害剤または他の活性薬剤)の実際の量(例えば用量レベル)または濃度は、特定の対象体、組成物および投与様式について所望の治療反応を達成するのに有効である活性成分を得られるために変化し得る(本明細書で「治療上有効な」量または用量という)。
選択される用量レベルは、例えば、特定の活性成分の活性、処置される状態および病態の重症度ならびに、必要に応じて、処置される対象体の以前の病歴に応じ得る。しかしながら、所望の効果を達成するのに必要とされるより低いレベルでの用量を開始し、所望の効果が達成されるまで用量を徐々に増加させることは当該技術分の技術内である
所与の対象体または患者のための本明細書に記載の組合せにおける阻害剤の用量は、疾患または病態の重症度およびタイプ、体重、性別、食事、投与の時間および経路、他の投薬ならびに他の関連する要因、例えば臨床の要因を含む、薬物の作用を変更すると周知である様々な要因を考慮して、担当医または他の当業者により決定され得る。治療上有効な用量は、インビトロまたはインビボの方法いずれかにより決定され得る。
用いられる治療上有効量は、例えば、治療目的、投与経路、および対象体の状態に依存するだろう。したがって、最適な治療効果を得るために必要に応じて治療者または他の当業者が用量を滴定し投与経路を変更することが好ましい。典型的な1日の用量は、上記の要因に応じて、約0.0001mg/kgから250mg/kg以上までの範囲となり得るだろう。典型的に、臨床医または他の当業者は、所望の効果を達成する用量に達するまで本明細書に記載の阻害剤または組合せ(例えば組合せ製剤)を投与するだろう。組合せにおいて薬剤の分割製剤が投与される場合、組合せ中の薬剤が投与され得る順序(すなわち連続、分割および/または同時投与を行うか、およびどの時点で行うか)は、医師または当業者により決定され得る。
薬剤の組合せの投与は、上記のように行われ得て、例えば薬剤の分割製剤は、連続して、分割しておよび/または同時に投与され得る。
医薬的に許容される塩
本発明はまた、本明細書で言及される特定のEGFR阻害剤およびMEK阻害剤の医薬的に許容される塩に関している。したがって「EGFR阻害剤」または「MEK阻害剤」への本明細書の言及は、特定の指名の阻害剤およびその医薬的に許容される塩の両方を包含すると解釈され得る。
指名の阻害剤について記載の使用および適用は、その医薬的に許容される塩に準用するとみなされ得る。
本明細書で用いる用語「医薬的に許容される」は、健全な医学的判断の範囲内で、スク・ベネフィット比に見合った、過剰な毒性、炎症、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症なく、対象体(例えばヒト)の組織と接触させて用いるのに適切な、化合物、物質、組成物および/または投与形態に関連する。
本明細書に記載の薬剤(例えばEGFR阻害剤またはMEK阻害剤)の対応する塩、例えば医薬的に許容される塩を調製する、精製するおよび/または扱うことは便利または望ましくてもよい。
適切な医薬的に許容される塩は、例えば十分に塩基性である酸付加塩、例えば無機または有機酸との酸付加塩であり得る。該酸付加塩としては、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、クエン酸およびマレイン酸塩、ならびにリンおよび硫酸と形成される塩が挙げられるが、これらに限定されない。適切な医薬的に許容される塩は、例えば十分に酸性である塩、例えばアルカリまたはアルカリ土類金属塩であり得る。該アルカリまたはアルカリ土類金属塩としては、アルカリ金属塩、例えばナトリウムもしくはカリウム、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウムもしくはマグネシウム、アンモニウム塩、または有機アミン塩、例えばトリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、N-メチルピペリジン、N-エチルピペリジン、ジベンジルアミンもしくはアミノ酸、例えばリシンが挙げられるが、これらに限定されない。塩は、例えばメシル酸塩またはHBr塩であり得る。
本発明をこれから特定の実施例によりおよび添付の図面を参照して記載し、これは、例示的目的のみのため提供され、本明細書の教示を限定するものとして解釈すべきでない。
実施例1. PC9 ゲフィチニブ-抵抗性細胞集団およびPC9 AZD9291抵抗性細胞集団の生成
試薬
RPMI-1640培地(Sigma R7509)
Dulbeccosリン酸緩衝生理食塩水(PBS)(Sigma D8537)
L-グルタミン 200mM(100 x)(Gibco, Life Technologies 25030)
ウシ胎児血清(Sigma F7524)
TrypLE Express(Gibco, Life Technologies 12605)
AZD9291およびゲフィチニブ(自家)
成長培地
RPMI-1640培地
10%ウシ胎児血清
2mM L-グルタミン
細胞
PC9 ヒト NSCLC-由来細胞
すべての試薬、化合物および細胞は、商業的供給源から入手可能である。
用量漸増法を用いるPC9 ゲフィチニブ、AZD9291またはアファチニブ-抵抗性細胞集団の生成
複数の新鮮なT75フラスコに5 x 105細胞にて成長培地中でPC9細胞を播種し、37℃、5%CO2でインキュベートした。次の日フラスコ中の培地を除去し、20nM ゲフィチニブ、10nM AZD9291または0.8nM アファチニブ(これらの濃度は、前に決定したようにPC9細胞の増殖50%を阻害する(EC50)のに必要とされるゲフィチニブ、AZD9291またはアファチニブのいずれかの濃度を表す)のいずれかが添加された新鮮な成長培地と交換した。細胞をインキュベーターへ戻し、2〜3日毎に培地を交換しながら20nM ゲフィチニブ、10nM AZD9291または0.8nM アファチニブが添加された培地中で培養を継続した。
PC9フラスコの各々について、最初に培養中にほとんどの細胞が死に、フラスコから分離し、これらの細胞を培地交換時に除去した。少数の細胞がフラスコに付着したままであり、抵抗性コロニーとして培養し始めた。フラスコが約80%コンフルエントになるまでこれらのコロニーの増殖は継続された。この段階で培地をフラスコから除去し、PBS 10mlを加えた。PBSで細胞を優しく洗浄し、除去した。TrypLE Express 2mlを加え、トリプシン溶液ですべての細胞を確実に覆うためにフラスコを揺すった。細胞を37℃、5%CO2で10分間インキュベートした。その後、すべての細胞を移動させるためにフラスコを優しく叩き、上記のゲフィチニブ、AZD9291またはアファチニブが添加された合計10mlの成長培地で細胞を再懸濁した。細胞を数え、40nM ゲフィチニブ、20nM AZD9291または1.6nM アファチニブ(すなわち、ゲフィチニブ、AZD9291またはアファチニブ濃度の2倍にする)のいずれかが添加された成長培地中で新鮮なT75フラスコに5 x 105細胞を播種するために用いた。
PC9フラスコの各々について、細胞の培養および継代を上記のように継続し、1500nM ゲフィチニブ、160nM AZD9291または1500nM アファチニブの最大濃度が達成されるまで抵抗性細胞が約80%密集度に到達するごとにゲフィチニブ、AZD9291またはアファチニブ濃度を2倍にした。各抵抗性集団について、各濃度が2倍に達するのに要する時間(すなわちPC9細胞が各約80%密集度に達するのに要する時間)を記録し、濃度に対してプロットした。図1は、ゲフィチニブへ抵抗性であるPC9細胞の集団が生じるのに要する時間についてプロットした例示的データを示す。データは、細胞が約320nM ゲフィチニブへ抵抗となると(約62日目)、阻害剤の濃度の更なる増加は細胞の増殖率および生存に対する影響がより少ないことを示す。このことは、ゲフィチニブの濃度をさらに1500nM に増加させたときでさえ、EGFR阻害を回避でき、細胞を生存させることができる最初の62日にわたって抵抗機構をこれらのPC9細胞が獲得していることを示唆する。
これらの抵抗性細胞をゲフィチニブへ抵抗性である細胞集団として維持した。生成した抵抗性集団を拡大させ、集団内の潜在的な抵抗機構を特定する更なる分子プロファイリングのために細胞試料を凍結した。
AZD9291の1つの濃度を用いたPC9 AZD9291抵抗性細胞集団の生成
新鮮なT75フラスコに5 x 105細胞にて成長培地中PC9細胞を播種し、37℃、5%CO2でインキュベートした。次の日フラスコ中の培地を除去し、(AZD9291の臨床的に適切な濃度として前に決定した)160nM AZD9291が添加された新鮮な成長培地と交換した。細胞をインキュベーターへ戻し、2〜3日毎に培地を交換しながら160nM AZD9291が添加された培地中で培養を継続した。最初に培養中にほとんどの細胞が死に、フラスコから分離し、これらの細胞を培地交換時に除去した。とても少数の細胞がフラスコに付着したままであり、抵抗性コロニーとして培養し始めた。フラスコが約80%コンフルエント(培養中約70日目)になるまでこれらのコロニーの増殖は継続された。
この細胞集団を拡大させ、集団内の潜在的な抵抗機構を特定する更なる分析のために細胞試料を凍結した。
実施例2. ゲフィチニブ、AZD9291およびアファチニブ抵抗性PC9細胞集団の遺伝子プロファイリングおよびNRAS変化の同定
抵抗性細胞からの細胞ペレットの調製
PC9 ゲフィチニブ抵抗性、PC9 AZD9291抵抗性およびPC9 アファチニブ抵抗性の細胞集団の試料を、それらが約80%コンフルエントになるまでT75フラスコで培養した。細胞を前に記載のようにトリプシン処理し、全量10mlのPBSに再懸濁した。5分間1000rpmにて遠心分離することにより細胞をペレット化し、更なるPBS 10mlで洗浄した。細胞を再ペレット化し、可能な限り多くのPBSを除去した。細胞ペレットを更なる処理の最大1週間前に-20℃にて凍結した。
必要に応じて、他の細胞集団、例えば親のPC9細胞からの細胞ペレットを得るために、同様の方法を用いた。
細胞からのDNAの調製
Allprep DNA/RNA/miRNA Universalキット(Qiagen)を用いて、RNAキャリーオーバーを防ぐためにRNase工程を含めて製造業者の説明書に従いDNA試料を調製した。
少なくとも2つのプラットフォーム:次世代シーケンシング(NGS)およびアレイ比較ゲノムハイブリダイゼーション(aCGH)を用いてDNA変異および/または遺伝子コピー数変化の存在を決定するために、DNA試料を用いた。
NRAS E63K、G12VおよびG12R変異の同定
NGSをゲフィチニブ-抵抗性、AZD9291-抵抗性およびアファチニブ-抵抗性のPC9細胞集団について実施した。Qiagen GeneReadシステム(20の肺癌関連遺伝子からのすべてのエキソンを標的化する多重化PCRプライマー)を用いて精製されたDNAを濃縮し、続いてIllumina技術を用いてシーケンシングして、解析を実施した。Sangerシーケンシング、Life Technologies Ion Torrent PGMシーケンシング、またはAgilent HaloplexTM濃縮を用いて試料のサブセットをシーケンシングし、続いてIlluminaシーケンシングすることにより、結果をバリデートした。標準的方法論(目視検査後の、シーケンシング読取QC、ヒトゲノム参照hg19へのアライメント、バリアント同定および変異の呼出し)によるクロマトグラムおよび次世代シーケンシングに基づく方法によって直接読み取ることにより、Sangerシーケンシングを解釈した。
全体として、PC9 ゲフィチニブ抵抗性細胞株(PC9 IR-GM、PC9 IRLR、PC9 IR-4、PCR IR-6)およびAZD9291-抵抗性細胞株(PC9 9291-5、PC9 9291_6、PC9 9291-LOB_1、PC9 9291-3およびPC9 9291-2)ならびに親のPC9細胞株の数を分析した。
新しいNRAS変異、E63Kは、1つのゲフィチニブ-抵抗性細胞株(PC9 IR-LR)および1つのAZD9291-抵抗性細胞株(PC9 9291-LOB_1)において見付けられた。
Qiagen GeneReadシステムおよびHaloplexTM(Agilent Technologies)システムを用いる解析は、E63K変異をコードする対応するDNA変異(CからTへ)が、試験した親のPC9細胞株または他のゲフィチニブ抵抗性またはAZD9291-抵抗性の細胞株において有意なレベル(ノイズを越える)で生じなかったことを示した(以下の表1および表2参照)。したがって、E63K変異は、先在するものではないと思われるが、EGFR阻害に応答して獲得される。
E63K変異について上記のようにNGS解析を実施した。
与えられる最初の数字は読取回数を示し、括弧内の数字はシーケンシングからの平均phredスコア(25未満のスコアはノイズと考えられるだろう)を示す。E63K(CからTへ)変異を太字で表示する。
与えられる最初の数字は読取回数を示し、括弧内の数字はシーケンシングからの平均phredスコアを示す。E63K(CからTへ)変異を太字で表示する。
EGFR T790M変異について細胞株を試験したとき、いずれのE63K抵抗性細胞株もこの変異を有することは見いだされなかった。T709M変異は、他のゲフィチニブ-抵抗性細胞株(PC9 IR-4、PC9 IR-GMおよびPC9 IR-6)において検出されたが、AZD9291-抵抗性細胞株のいずれにも存在しなかった。
『NRAS』コピー数増加の特定
『NRAS』コピー数増加は、親のPC9細胞およびPC9 アファチニブ-抵抗性細胞(PC9_アファチニブ_5)を有するaCGHを用いて特定された。『NRAS』遺伝子コピー数増加を以下の推定コピー数(表3)およびlog2コピー数比(表4)の両方で詳述する。
上記値はPerl Scriptを用いて計算された。次に得られたlog2データを分析し、フォーマットし、視覚化した。すべての試料からのaCGHデータを視覚化するために、> 1の閾値および< -0.5倍率変化(fold change)をすべてのデータに適用した。得られた視覚化から、親のPC9細胞株の平均と比較しコピー数を示すものとしてNRAS遺伝子を特定した。上記のようにNGSを用いると、『NRAS』遺伝子コピー増加はまた、2つのPC9 AZD9291抵抗性集団において検出された(表5)。
実施例4. セルメチニブ(MEK阻害剤)とEGFR阻害剤の組合せに抵抗性である細胞の感受性の分析
エンドポイントでSytox Green染色を用いるアッセイを用いて、細胞増殖および生存に対する標準的経路阻害剤のパネルの影響を測定した。
試薬
RPMI-1640培地(Sigma R7509)
Dulbeccoリン酸緩衝生理食塩水(PBS)(Sigma D8537)
L-グルタミン 200mM(100 x)(Gibco, Life Technologies 25030)
ウシ胎児血清(Sigma F7524)
TrypLE Express(Gibco, Life Technologies 12605)
AZD9291およびゲフィチニブ(自家)
成長培地
RPMI-1640培地
10%ウシ胎児血清
2mM L-グルタミン
Sytox Green溶液 - Sytox Green染色、Invitrogen S7020 5mM ストックを5mM EDTA pH 7.5を含むTBSで2μM に希釈した
ウェル当たりの0.25% Saponin溶液(Sigma-Aldrichカタログ番号84510)(Saponin 2.5%ストック溶液を5mM EDTA pH 7.5を含むTBS中で調製し、ろ過滅菌した)
試験細胞株:
PC9(NRAS WT)
PC9_IRGM(NRAS WT)(AKA. PC9 GR_1)
PC9_9291R LOB1(NRAS E63K)(AKA PC9 AZDR_5)
PC9_IRLR(NRAS E63K)(AKA. PC9 GR_2)
PC9_9291R_3(NRAS G12V)(AKA. PC9 AZDR_2)
PC9_9291R_5(NRAS WT)(AKA. PC9 AZDR_3)
PC9_アファチニブ_5(NRAS WT増加)(AKA. PC9 AR_5)
PC9_IR4_9291R_2(NRAS WT増加)(AKA. PC9 GR6 AZDR_2)
PC9_IR4_9291R_3(NRAS WT増加)(AKA. PC9 GR6 AZDR_3)
方法
384ウェルプレートにウェル当たり1000細胞にて10%ウシ胎児血清、2mM L-グルタミンおよび元のEGFR阻害剤を含むRPMI培地ウェル当たり70μL中で細胞株をプレート化した。
細胞を一晩37℃、5%CO2で付着させた。次の日、Echo Liquid Handler Labcyte(California、USA)を用いてアッセイプレートに試験化合物の滴定を加え、試験細胞をさらに72時間37℃、5%CO2でインキュベートした。10μM の最大濃度および1/3希釈を有する11ポイントの用量反応として各化合物を試験した。化合物処理したプレートの72時間インキュベーション後、ウェル当たり5μLの2μM SYTOX Green Nucleic Acid Stain、Life Technologies(Paisley、UK)を加え、プレートを室温で1時間インキュベートした。ウェル当たりの蛍光細胞の数をAcumen TTP LabTech Ltd.(Melbourn、UK)で測定し、この数は死細胞数を表す。ウェル当たり10μLの0.25% Saponin Sigma(Dorset、UK)を加え、プレートを室温で一晩インキュベートした。ウェル当たりの蛍光細胞の総数をAcumenで取得した。死細胞の数を細胞の総数から引き、生細胞数をプロットして、用量反応曲線からのEC50値を決定した。
NRAS変異を獲得した細胞株は、親細胞およびNRAS変異が検出されなかった他の細胞株と比較したとき、セルメチニブにより感受性であることが観察された。
次の表(表6)は、試験したNRAS WTおよび変異体細胞株にわたるEC
50μM 値を示す。データは、NRAS変異を獲得した細胞株は、元のEGFR阻害剤と組み合せて処理されたとき、親細胞株と比較してセルメチニブにより感受性であることを示す。対照的に、NRAS変異が検出されなかった細胞株は、元のEGFR阻害剤と組み合せて処理されたとき、セルメチニブに感受性でなかった。
実施例5:ゲフィチニブまたはAZD9291抵抗性細胞集団の生存中におけるNRAS E63K変異の機能的役割の分析
新規のNRAS E63K変異がゲフィチニブまたはAZD9291抵抗性細胞の生存を駆り立てる活性化変異であるか調べるために、発明者らは、一連の技術を用いた:
(a) 親のPC9細胞(WT NRAS)における活性なNRASの基礎レベルを、変異体NRASを有する抵抗性細胞における活性なNRASの基礎レベルと比較するための、RAS活性化アッセイ。
(b) 下流のシグナル伝達および細胞増殖に対する影響を調べるための、WTおよび変異体『NRAS』の発現のsiRNAノックダウン。
(c) ゲフィチニブまたはAZD9291による細胞増殖阻害に対する影響を調べるための、PC9細胞におけるNRAS WTおよびNRAS E63K変異体バリアントの外因性発現。
(a) RAS活性化アッセイ
方法
ZD9291を含まない培地中で4日間PC9およびPC9 AZD9291抵抗性細胞を培養した。その後、細胞を6ウェルプレートにプレート化し、血清を一晩欠乏させた。次の日、160nM AZD9291が添加されたまたは添加されていない培地で2時間細胞を処理した。溶解物を調製し、GST-RAS結合ドメインプルダウンアッセイ(Thermo Scientific)を用いて活性なNRASを単離した。NRAS特異的抗体を用いてウエスタンブロットによりプルダウン溶解物を分析した。
結果
基礎的に活性なNRASレベルは、E63KまたはG12V NRAS変異が検出された抵抗性PC-9細胞集団と比較して親のPC-9 細胞において低かった。さらに、2時間160nM AZD9291で親のPC-9細胞を処理すると、リン酸化EGFRおよび活性なNRASが減少した。対照的に変異体NRAS細胞において、リン酸化EGFRの減少は、活性なNRASの対応する減少と関連せず、これは、これらの細胞におけるEGFRと関係のないNRASの構成的活性化を示唆する。結果を図7に示す。
(b) PC9、PC9 ゲフィチニブ-抵抗性およびPC9 AZD9291-抵抗性細胞集団に対するNRASおよびKRAS siRNA処置の影響の分析。
必要に応じてEGFR阻害剤が添加された成長培地ウェル当たり2ml中で6ウェルプレートにウェル当たり5 x 105細胞にてPC9、PC9 ゲフィチニブ-抵抗性およびPC9 AZD9291-抵抗性細胞をプレート化した(抵抗性細胞をEGFR阻害剤の存在下で培養する)。細胞を37℃、5%CO2で一晩インキュベートした。次の日、表7に詳述するように、DharmaconからのsiRNA、最終濃度20nM で細胞を処理した。
トランスフェクション試薬としてRNA iMAX(Invitrogen)を用いてOptimem(Life Technologies)培地中に各siRNAコンストラクトを調製した。各ウェルについて:2.5μLのsiRNA(20μM ストック)を250μLのOptimemと混合し;および2.5μLのRNA iMAXを250μLのOptimemと混合した。2つの溶液をピペッティングにより混合し、室温で5分間静置した。その後、最終的な溶液500μLを6ウェルプレート中の適切な2mLの成長培地へピペットで移した。プレートを優しく回し、さらに37℃、5%CO2で一晩インキュベートした。次の日、各ウェルの細胞を採取し、細胞数を数えた。
その後、EGFR阻害剤が添加された成長培地100μL中で96ウェルプレートにウェル当たり3000細胞にて各トランスフェクションからの細胞の試料を播種し、必要に応じて各トランスフェクション条件について5複製ウェルにわたる。細胞の残りを新鮮な6ウェルプレートに再プレート化した。96および6ウェルプレート両方を更なる増殖のためにインキュベーターへ戻した。
次の日、タンパク質発現のノックダウンがsiRNAで48時間処置した後に評価できるように、溶解物を6ウェルプレートから調製した。溶解物をリン酸化EGFR、リン酸化ERK、NRASおよびKRASのレベルについてウエスタンブロットにより分析した。GAPDHのレベルは、すべての細胞試料にわたるローディングコントロールとして用いられた(図8)。
96ウェルプレート中の対応する細胞をさらに5日間培養させた後、室温で30分間ウェル当たり100μLの4%ホルムアルデヒドを加えることによりそれらを固定した。ウェルをPBSで洗浄し、室温で30分間Hoechst(1/5000希釈)を加えることにより核を染色した。10 x 倍率でウェル当たり9フィールドを数えるCellomics Arrayscanを用いて細胞数を数えた。平均細胞数をプロットした(図9)。
ウエスタンブロットの結果は、用いた3つのNRAS siRNAコンストラクトすべてによってすべての細胞株においてNRAS発現がノックダウンされたが、NRAS発現に対する影響はNTCまたはKRAS siRNAコンストラクトで見られなかったことを示した。一方、KRAS_1 コンストラクトのみがKRAS発現のノックダウンを生じたが、NRASの発現に対して影響を有しなかった(図8)。
siRNAトランスフェクションによる細胞増殖に対する影響は、新規のNRAS変異が特定されたゲフィチニブ-抵抗性およびAZD9291-抵抗性細胞株において、NRAS発現のノックダウンが有意に細胞増殖を抑制したが、KRAS発現のノックダウンは細胞増殖に対して影響を有しなかったことを示した。対照的に、いずれのNRASまたはKRASのノックダウンもPC9親細胞の増殖に対して効果を有しなかった(図9)。
このデータは、NRAS E63K変異が活性化変異であること、およびそれが抵抗性細胞の生存を駆り立てていることを示唆する。
(c) ゲフィチニブまたはAZD9291による細胞増殖阻害に対する影響を調べるための、PC9細胞におけるNRAS WTおよびNRAS E63K変異体DNAバリアントの過剰発現の分析。
コントロールのDNAコンストラクト、pcDNA 3.1+ コントロール、またはE63K変異体『NRAS』、pcDNA 3.1+ / NRAS E63Kを発現するように設計されたコンストラクト(Life Technologies Ltd.)でPC9細胞をトランスフェクトした。96時間の発現について、MaxCyte トランスフェクション技術は、PC9細胞をエレクトロポレートするために用いられた。トランスフェクションの前日にPC9細胞を継代した。トランスフェクションの日に細胞を採取し、MaxCyte緩衝液600μL当たり9 x 107細胞で再懸濁した。細胞懸濁液100μLをMaxCyteキュベットに移し、細胞をDNAコンストラクト20μgとエレクトロポレートした。エレクトロポレーション後、各条件の細胞を6ウェルプレートへ移し、37℃で30分間インキュベートした後、それらをウェル当たり4 x 105細胞にて6ウェルプレートに播種した。一晩インキュベーション後、細胞を採取し、1000細胞/ウェルにて384ウェルプレートに再プレート化した。次の日、100nM AZD9291または300nM ゲフィチニブのいずれかを細胞に投与し、プレートをさらに96時間インキュベートした。本明細書において前記のsytox green法を用いて生細胞数を決定した。図10は、細胞がE63K変異体NRASを過剰発現するとき、AZD9291およびゲフィチニブによる細胞増殖阻害が低下したことを示す。
NRAS G12R変異を含む細胞集団のMEK阻害剤(セルメチニブ)への感受性
本明細書において前記の標準的な方法を用いてAZD9291-抵抗性PC9細胞株を調製した。一連の該抵抗性細胞集団を培養し、分析した。1つの該細胞集団は、NRAS G12R変異を含むことが見出され、この集団はまた、親細胞株と比較してMEK阻害剤、セルメチニブへの感受性が> 5倍増加したことを示した。
本発明は、以下の態様および実施態様を含む。
[発明1]
NRAS変異癌の処置における使用のためのEGFR阻害剤であって、該EGFR阻害剤がMEK阻害剤と組み合せて投与され、該NRAS変異がE63K、G12V、G12R、G12A、G12D、G12SおよびG12Cより選択されるか、または『NRAS』遺伝子のコピー数増加である、EGFR阻害剤。
[発明2]
EGFR阻害剤がゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291およびCO1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、発明1に記載の使用のためのEGFR阻害剤。
[発明3]
EGFR阻害剤がAZD9291およびCO1686より選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、発明1または2に記載の使用のためのEGFR阻害剤。
[発明4]
MEK阻害剤がセルメチニブ、トラメチニブ、MEK-162およびコビメチニブより選択されるか;またはその医薬的に許容される塩である、発明1〜3のいずれか一項に記載の使用のためのEGFR阻害剤。
[発明5]
NRAS変異癌がNRAS変異型の非小細胞性肺癌である、発明1〜4のいずれか一項に記載の使用のためのEGFR阻害剤。
[発明6]
NRAS変異がE63K、G12VおよびG12Rより選択されるか、または『NRAS』遺伝子のコピー数増加である、発明1〜5のいずれか一項に記載の使用のためのEGFR阻害剤。
[発明7]
EGFR阻害剤がAZD9291またはその医薬的に許容される塩である、発明1〜6のいずれか一項に記載の使用のためのEGFR阻害剤。
[発明8]
MEK阻害剤がセルメチニブまたはその医薬的に許容される塩である、発明1〜7のいずれか一項に記載の使用のためのEGFR阻害剤。