以下に、本発明の実施の形態による撮像装置の一例について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態による撮像装置の一例についてその構成を示すブロック図である。
図示の撮像装置は、例えば、デジタルカメラ(以下単にカメラと呼ぶ)であり、撮影レンズユニット(以下レンズユニットと呼ぶ)150およびカメラ本体100を有している。そして、レンズユニット150は、カメラ本体100に対して交換可能に装着される。
レンズユニット150は撮影レンズ(以下単にレンズと呼ぶ)103を備えている。通常、レンズ130は複数枚のレンズで構成されるが、ここでは、簡略化のため一枚のレンズのみが示されている。レンズユニット150側の通信端子6は、カメラ本体100側の通信端子10と接続される。通信端子6および10によってレンズユニット150とカメラ本体100との通信が可能となる。
レンズユニット150に備えられたレンズシステム制御回路4は、通信端子6および10を介してシステム制御部50と通信を行って、絞り駆動回路2によって絞り1を制御する。さらに、レンズシステム制御回路4は、AF駆動回路3を制御してレンズ103の位置を変位させて焦点を合わせるAF動作を行う。
カメラ本体100において、レンズ103の後段にはクイックリターンミラー(以下単にミラーと呼ぶ)12が配置されている。システム制御部50は、露光、ライブビュー撮影、又は動画撮影の際にアクチュエータ(図示せず)によってミラー12をアップダウンする。
ミラー12は、アップダウン制御によって選択的にレンズ103を介して入射した光学像をファインダー16側又は撮像部22側に切替える。ミラーダウンの際には、ミラー12は光軸上に位置づけられ、ミラー12で反射した光学像はペンタプリズム14を介してファインダー16に導かれる。一方、ミラーアップの際には、ミラー12は光学上から退避して、レンズ103を通過した光学像はシャッター101を介して撮像部22に結像する。つまり、撮影又はライブビュー表示の際には、撮像部22に光学像を導くため、ミラー12は上方に跳ね上げられて光軸上から待避する。
なお、ミラー12はその中央部において光を透過可能なハーフミラーであり、これによって、ミラー12は光学像を透過させて焦点検出を行うための焦点検出部11に入射させる。
ユーザーである撮影者は、ファインダー16およびペンタプリズム14を介して、フォーカシングスクリーン13を観察することによって、レンズ103を介して入射した光学像の焦点状態および構図を確認することができる。
AEセンサー17には、ペンタプリズム14によって光学像が入射する。そして、AEセンサー17は光学像によって被写体の輝度を測光する。焦点検出部11は、光学像の合焦状態を検出してデフォーカス量を示すデフォーカス情報をシステム制御部50に送る。システム制御部50はデフォーカス情報に基づいてAF駆動回路3によってレンズ103を駆動制御して位相差AFを行う。
ミラー12の後段にはシャッター101が配置されており、このシャッター101は、例えば、フォーカルプレーンシャッターである。システム制御部50はシャッター101を制御して撮像部22の露光時間を制御する。
撮像部22は、CCD又はCMOS光学素子などの撮像素子を有しており、光学像に応じた電気信号(アナログ信号)を出力する。A/D変換器23は、撮像部22の出力であるアナログ信号を、A/D変換によってデジタル信号(つまり、画像データ)に変換する。
画像処理部24は、A/D変換器23の出力である画像データ、又はメモリ制御部15からの画像データに対して所定の画素補間および縮小などのリサイズ処理と色変換処理を行う。さらに、画像処理部24は、撮影の結果得られた画像データを用いて所定の演算処理を行い、当該演算結果に基づいてシステム制御部50は露光制御および測距制御を行う。これによって、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、およびEF(フラッシュプリ発光)処理が行われる。
また、画像処理部24は、撮影の結果得られた画像データを用いて所定の演算処理を行って、当該演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理を行う。
A/D変換器23の出力である画像データは、画像処理部24およびメモリ制御部15を介して、或いはメモリ制御部15を介してメモリ32に直接書き込まれる。メモリ32には、A/D変換器23の出力である画像データが格納されるとともに、表示部28に表示するための表示用画像データが格納される。メモリ32は、所定枚数の静止画像および所定時間の動画像、そして、音声を格納するために十分な記憶容量を有している。
メモリ32は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。D/A変換器19は、メモリ32に格納された表示用画像データをアナログ画像信号に変換して表示部28に送る。これによって、メモリ32に格納された表示用画像データはD/A変換器19を介して表示部28に画像として表示される。
表示部28は、例えば、LCDであり、メモリ32に格納された表示用画像データをD/A変換器19を介して表示部28に逐次転送して表示すれば、表示部28は電子ビューファインダとして機能し、所謂スルー画像表示(ライブビュー表示)を行うことができる。
ファインダー16内には、ファインダー内液晶表示部(図示せず)が配置されている。システム制御部50は、ファインダー内表示部駆動回路42を駆動制御して、ファインダー内液晶表示部に現在オートフォーカスが行われている測距点を示す枠(AF枠)を表示する。さらに、システム制御部50はファインダー内表示部駆動回路42によってファインダー内液晶表示部にカメラの設定状態を表すアイコンなどを表示する。
また、システム制御部50は、ファインダー外表示部駆動回路44によってファインダー外表示部43にシャッター速度および絞りなどの設定値を表示する。
不揮発性メモリ56は、電気的に消去・記録可能なメモリであって、例えば、EEPROMが用いられる。不揮発性メモリ56には、システム制御部50の動作用の定数およびプログラムなどが記憶される。このプログラムには、後述するフローチャートを実行するためのプログラムが含まれる。
システム制御部50は、カメラ全体を制御する。システム制御部50は前述の不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを実行することによって、後述する処理を行う。システムメモリ52としてRAMが用いられる。システムメモリ52には、システム制御部50の動作用の定数、変数、および不揮発性メモリ56から読み出したプログラムなどが展開される。なお、システム制御部はメモリ32、D/A変換器19、および表示部28など制御することによって表示制御を行う。
システムタイマー53は各種制御に用いる時間および内蔵された時計の時間を計測する計時部である。モード切替スイッチ60、シャッターボタン61、および操作部70はシステム制御部50に各種の動作指示を入力するための操作部材である。
モード切替スイッチ60は、複数の撮影モードのうちいずれかの撮影モードを選択する際に用いられる。複数の撮影モードとして、例えば、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、絞り優先モード(Avモード)、シャッター速度優先モード(Tvモード)がある。また、撮影モードには、撮影シーン別の撮影設定である各種シーンモード、プログラムAEモード、およびカスタムモードなどがある。
シャッターボタン61が所謂半押し(撮影準備指示)されると、システム制御部50に第1シャッタースイッチ信号SW1が送られる。第1シャッタースイッチ信号SW1に応答して、システム制御部50は、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、およびEF(フラッシュプリ発光)処理などを開始する。
シャッターボタン61が所謂全押し(撮影指示)されると、第2シャッタースイッチ信号SW2がシステム制御部50に送られる。第2シャッタースイッチ信号SW2に応答して、システム制御部50は、撮像部22の信号読み出しから記録媒体200に画像データを書き込むまでの一連の撮影処理を開始する。
操作部70は、ユーザーからの操作を受け付けるための入力部である。操作部70には、シャッターボタン61の他、少なくとも後述するメイン電子ダイヤル202、サブ電子ダイヤル203、電源スイッチ72、プロテクト釦205、メニュー釦206、削除釦207、拡大モード釦208、再生指示釦209、シングル/マルチ切り替え釦210、およびマルチコントローラ211が含まれる。
電源制御部80は、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路などを有している。そして、電源制御部80は、電池の装着の有無、電池の種類、および電池残量を検出する。また、電源制御部80は、検出結果およびシステム制御部50の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体200を含む各部に供給する。
電源部30は、アルカリ電池又はリチウム電池などの一次電池、NiCd電池、NiMH電池、又はLi電池などの二次電池を有している。さらに、電源部30には、ACアダプターなどが備えられている。
記録媒体I/F18は、メモリカード(半導体メモリ)又はハードディスクなどの記録媒体200とのインターフェースである。そして、記録媒体200には、撮影の結果得られた画像データが記録される。
通信部54は、無線又は有線ケーブルに接続され、システム制御部50の制御下で映像信号(つまり、画像データ)および音声信号の送受信を行う。通信部54は無線LAN(Local Area Network)又はインターネットに接続可能である。通信部54は撮影の結果得られた画像データ(スルー画像を含む)、記録媒体200に記録された画像データを送信可能であり、また、外部機器から画像データおよびその他の各種情報を受信することができる。
姿勢検知部55は重力方向に対するカメラの姿勢を検知する。姿勢検知部55で検知された姿勢に基づいて、システム制御部50は撮影の結果得られた画像データがカメラを横又は縦のいずれに構えて撮影された画像であるかを判別する。また、システム制御部50は、姿勢検知部55で検知された姿勢を示す向き情報を画像データに付加して画像ファイルを生成し、さらには、上記の判別結果に応じて画像データを回転して記録媒体200に記録することができる。なお、姿勢検知部55として、例えば、加速度センサー又はジャイロセンサーが用いられる。
図2は、図1に示すカメラ本体の外観を示す斜視図である。そして、図2(a)はカメラ本体を正面から示す斜視図であり、図2(b)はカメラ本体を背面から示す斜視図である。なお、図2において、図1に示す構成要素と同一の構成要素については同一の参照番号を付す。
シャッターボタン61は、カメラ本体100の上面に配置されており、前述のように、撮影の準備指示および撮影指示を行うためのボタンである。シャッターボタン61を半押しされると、システム制御部50は被写体の輝度の測定および合焦を行う。また、シャッターボタン61が全押しされると、システム制御部50はシャッター101を制御して撮影を実行する。
メイン電子ダイヤル202は回転操作部材であって、ユーザーはメイン電子ダイヤル202を回転操作することによってシャッター速度および絞りなどの設定値を設定することができる。さらに、ユーザーはメイン電子ダイヤル202を回転操作することによって拡大モードの際の拡大倍率を微調整することができる。
サブ電子ダイヤル203は回転操作部材であって、ユーザーはサブ電子ダイヤル203を回転操作することによって絞りおよび露出補正などの設定値を設定することができる。さらに、ユーザーはサブ電子ダイヤル203を回転操作することによって画像表示状態において画像の1枚送り操作などを行うことができる。
電源スイッチ72はカメラ本体100の背面側に配置されており、電源のON又はOFFを行う際に用いられる。プロテクトボタン205は、記録媒体200に保存された画像データに対して、プロテクト又はレーティングなどの処理を行う際に用いられる。メニューボタン206は、各種設定画面を表示部28に表示させる際に用いられる。
削除ボタン207は、記録媒体200に保存された画像を削除する際に用いられる。拡大モードボタン208は、再生状態において、拡大モードへの遷移指示(拡大モードの開始指示)、および拡大モードから離脱する指示(拡大モードの終了指示)を行う際に用いられる。再生指示ボタン209は、記録媒体200に保存された画像データを表示部28に表示させる際に用いられる。
測距点選択ボタン210は、オートフォーカスの開始ポイントである測距点を選択するモードを選択する際に用いられる。マルチコントローラ211は、オートフォーカスの開始ポイントである測距点の設定を行う際に用いられる。さらに、マルチコントローラ211は、拡大画像表示状態において、拡大枠(拡大している範囲)の移動を行う際に用いられ、複数方向に操作可能な操作部材である。
動画レバー212は、カメラを動画記録可能状態に遷移させる際に用いられる。ユーザーは、レバーを動画側に倒す(動画撮影モードの位置としてオンにする)ことによって、カメラを動画記録を開始可能な状態とする。以下、動画記録可能な状態(動画記録可能な動作モード)を、動画ライブビュー状態(動画撮影モード)と呼ぶ。動画開始ボタン213は、動画記録を開始する際に用いられる。
図3Aおよび図3Bは、図1に示すカメラで行われる撮影モード処理を説明するためのフローチャートである。撮影モード処理は、不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを、システムメモリ52に展開してシステム制御部50が実行することによって行われる。
撮影モードにおいて電源がオンとされるか又は再生モードなどの他の動作モードで起動していた状態からシャッターボタン61の半押し又は再生ボタンの押下によって撮影モードに切り替えられると、システム制御部50は撮影モード処理を開始する。
まず、システム制御部50は、動画レバー212がオンであるか(つまり、動画撮影モードの位置となっているか)否かを判定する(S301)。動画レバー212がオンとなっていると(S301において、YES)、システム制御部50は、動画ライブビュー表示(動画LV)を開始する(S302)。
ここでは、システム制御部50はクイックリターンミラー12をアップさせる。そして、システム制御部50は設定された絞り値をレンズシステム制御回路4に送って、絞り駆動回路2によって絞り1を絞り込ませる(つまり、絞り1を設定された絞り値とする)。続いて、システム制御部50はシャッター17を開く。そして、システム制御部50は設定されたシャッター速度に基づいて撮像部22の駆動タイミングを制御する。さらに、システム制御部50は設定されたISO値に応じたゲインで撮像部22を制御してアナログ信号を増幅する。撮像部22の出力であるアナログ信号はA/D変換回路23でデジタル信号に変換されて、画像処理部24によってメモリ制御部15を介して画像データとしてメモリ32に書き込まれる。
続いて、システム制御部50は、メモリ32に書き込まれた画像データを、メモリ制御部15を介してD/A変換回路19に送る。これによって、D/A変換回路19によって画像データはアナログ画像信号に変換されて表示部28動画ライブビューとして表示される。
動画ライブビューは、動画記録された画像データと同一のシャッター速度(設定されたシャッター速度)で撮影された画像はない。但し、動画ライブビューにおいては、撮像部22の駆動タイミング制御によって、設定されたシャッター速度に近づけるとともにゲイン調整によって、設定されたシャッター速度で記録される画像データと同等の明るさの画像を表示する。つまり、動画ライブビューは、設定されたシャッター速度を反映した画像となる。
続いて、システム制御部50は、後述するようにして、シャッター速度チェック処理を行う(S303)。このシャッター速度チェック処理では、システム制御部50は静止画用に設定されたシャッター速度が設定された動画のフレームレートの1フレームに要する時間よりも長いと、シャッター速度の設定を動画の1フレームに要する時間以下に調整する。
次に、システム制御部50は、露出設定ステップ(以下露出ステップともいう)の設定操作があったか否かを判定する(S304)。露出設定ステップの設定操作があると(S304において、YES)、システム制御部50はユーザー操作によって選択された露出設定ステップを不揮発性メモリ56に記録する(S305)。そして、システム制御部50はS303の処理に戻る。
図4は、図1に示す表示部に表示される設定画面を説明するための図である。そして、図4(a)は露出設定ステップの設定画面を示す図であり、図4(b)は動画記録サイズの設定画面を示す図である。
撮影モードにおいて、ユーザーによってメニューボタン206が押下されると、システム制御部50は各種設定のためのメニュー画面を表示部28に表示する。そして、メニュー画面において、露出設定ステップ設定項目が選択されると、システム制御部50は図4(a)に示す露出設定ステップ設定画面を表示部28に表示する。
図4(a)に示す露出設定ステップ設定画面には第1〜第3の選択肢が表示され、ユーザーは第1〜第3の選択肢をいずれかを選択することができる(露出設定ステップ設定操作)。
図5は、露出設定ステップ設定画面で設定可能なシャッター速度の設定値を説明するための図である。そして、図5(a)は1/3段刻みで設定可能なシャッター速度の設定値の一覧を示す図であり、図5(b)は1/2段刻みで設定可能なシャッター速度の設定値の一覧を示す図である。また、図5(c)は1段刻みで設定可能なシャッター速度の設定値の一覧を示す図である。なお、図5(a)〜図5(c)に示す一覧(テーブル)は予め不揮発性メモリ56に記憶されているものとする。
第1の選択肢では、設定1/3、露出補正1/3、1/3…1/3段ステップ、つまり、シャッター速度および露出補正を1/3段刻みで設定することができる(図5(a)参照)。第2の選択肢では、設定1、露出補正1/3、1/1…1段ステップ、つまり、シャッター速度を1段刻みで、露出補正を1/3段刻みで設定することができる(図5(c)参照)。第3の選択肢では、設定1/2、露出補正1/2、1/2…1/2段ステップ、つまり、シャッター速度および露出補正を1/2段刻みで設定することができる(図5(b)参照)。
ユーザーによって設定された露出設定ステップは、現在の露出設定ステップの設定として、不揮発性メモリ56に記録される。
続いて、システム制御部50は、動画レバー212がオフとされたか(静止画撮影モードの位置とされたか)否かを判定する(S306)。動画レバー212がオフとされると(S306において、YES)、システム制御部50は、後述のS321の処理に進む。
動画レバー212がオンであると(S306において、NO)、システム制御部50は、シャッター速度の変更操作があったか否かを判定する(S307)。ここでは、システム制御部50はメイン電子ダイヤル202が操作されたか否かを判定することになる。
シャッター速度の変更操作があると(S307において、YES)、システム制御部50はメイン電子ダイヤル202の操作量に応じたシャッター速度の変更処理を行う(S308)。この変更処理によって、メイン電子ダイヤル202の操作に応じたシャッター速度が仮設定される。
続いて、システム制御部50は、設定されたシャッター速度が現在設定されている動画のフレームレートの逆数より長秒側であるか(長いか)否かを判定する(S309)。例えば、フレームレートが25fpsであった場合は、システム制御部50はシャッター速度が1/25秒より長いか否かを判定する。
シャッター速度が現在設定されている動画のフレームレートの逆数より長秒側であると(S309において、YES)、システム制御部50は、シャッター速度を、強制的に動画のフレームレートの逆数に設定する(S310)。例えば、動画のフレームレートが25fpsであって、設定されたシャッター速度(変更前)が1/20秒であった場合には、システム制御部50はシャッター速度を1/25秒に変更する。これによって、シャッター速度が動画1フレームより長くなることを防止しつつ、変更前のシャッター速度(つまり、ユーザーが設定したシャッター速度)に極力近い値とすることができる。
なお、ここで設定される変更後のシャッター速度は、正確に動画のフレームレートの逆数でなくてもよい。変更前のシャッター速度よりも短く、動画のフレームレートにおける1フレームに要する時間以下で、かつ現在の露出設定ステップに則った値のうち変更前のシャッター速度より短い側で最も近い値よりも長ければよい。
例えば、変更前のシャッター速度が1/20秒、動画のフレームレートが24fps、露出設定ステップが1/2段であった場合には、次のようにしてもよい。つまり、フレームレートの逆数の1/24秒ではなく、変更前のシャッター速度の1/20秒より短く、フレームレートの逆数の1/24秒以下で1/30秒(1/2段刻みに則った値のうち1/20秒より短い側で最も近い値)よりも長い1/25秒としてもよい。
さらに、変更後のシャッター速度は、全ての露出設定ステップで設定可能なシャッター速度のうちいずれかにすることが望ましい。これによって、既存のシャッター速度の制御コマンドを流用できるので、処理の複雑化を軽減することができる。例えば、上述の1/25秒は、1/2段刻みの露出設定ステップには存在しないが、1/3段刻みため、新たなコマンドを用意することなく、1/3段刻みの場合と同様の制御コマンドを流用して設定することができる。また、このようなフレームレートの逆数近傍値であっても、シャッター速度が動画1フレーム分より長くなることを防止しつつ、変更前のシャッター速度(つまり、ユーザーが設定したシャッター速度)に極力近い値とすることができる。
S310の処理の後、システム制御部50は、表示部28に表示されたシャッター速度の設定値を更新する(S311)。なお、シャッター速度が現在設定されている動画のフレームレートの逆数より長秒側でないと(S309において、NO)、システム制御部50はS311の処理に進む。
S311の処理においては、S308の処理を経由してS309において”NO”であると、システム制御部50はS308で仮設定されたシャッター速度を確定する。そして、システム制御部50は当該シャッター速度を表示部28の表示に反映させるととともに、動画ライブビュー表示にも確定したシャッター速度を反映させる。
一方、S308の処理を経由してS309において”YES”であると、システム制御部50はS308で仮設定されたシャッター速度ではなく、S310において変更されたシャッター速度を確定する。そして、システム制御部50は当該シャッター速度を表示部28の表示に反映させるとともに、動画ライブビュー表示にも反映させる。
つまり、S308の処理においてフレームレートの逆数より長秒側のシャッター速度に設定されたとしても、その設定は仮設定に過ぎず、当該シャッター速度は設定値の表示および動画ライブビューに反映されない。シャッター速度がフレームレートの逆数又は逆数近傍値に達するまで、システム制御部50はメイン電子ダイヤル202の長秒側への回転操作に応じてシャッター速度の設定値を変更するが、それ以上はいくら長秒側に回転操作してもシャッター速度は変わらない。このように、シャッター速度の長秒側の限界値はフレームレートの逆数又は逆数近傍値となる。
前述のS307において、シャッター速度の変更操作がないと(S307において、NO)、システム制御部50はフレームレートの変更操作があったか否かを判定する(S312)。S312の処理においては、例えば、システム制御部50は、図4(b)に示す動画記録サイズ設定画面においてユーザーによっていずれかの選択肢を選択する操作があったか否かを判定する。
図4(b)に示すように、動画記録サイズの設定値として設定可能な選択肢は、記録画素数、フレームレート、および動画圧縮方式がセットの選択肢であり、全部で7パターンある。そして、フレームレートについては、25fps、24fps、および50fpsの3つである。
なお、フレームレートの設定手法はこの例に限るものではなく、フレームレートだけの選択肢から1つのフレームレートを設定できるようにしてもよい。さらには、フレームレートには30fpsおよび60fpsなどの他のフレームレートがあってもよい。
フレームレートの変更操作があると(S312において、YES)、システム制御部50は、変更操作に応じてフレームレートを設定する(S313)。そして、システム制御部50はS309の処理に進む。
S313の処理では、例えば、システム制御部50は、動画記録サイズ設定画面で選択された動画記録サイズのセットに含まれるフレームレートに、動画のフレームレートを設定する。そして、システム制御部50は、当該設定したフレームレートを不揮発性メモリ56に記録して動画ライブビュー表示に反映する。
S313の処理を経由して、S309において”YES”であると、システム制御部50はフレームレートの変更に応じてS310で設定されたシャッター速度を確定する。そして、システム制御部50は当該シャッター速度を表示部28の表示に反映させるとともに、動画ライブビュー表示に反映させる。
一方、S313の処理を経由して、S309において”NO”であると、システム制御部50はシャッター速度に変更はないので表示を更新しない。
図6は、図3Aおよび図3Bに示すシャッター速度設定表示更新による表示を説明するための図である。そして、図6(a)は第1の例を示す図であり、図6(b)は第2の例を示す図である。また、図6(c)は第3の例を示す図である。
図6(a)に示す例では、フレームレートが25fpsであり、かつ露出設定ステップが1/3段に設定されている。そして、シャッター速度が1/3段に則った値(速度)である1/25秒に設定されている。表示部28には、動画ライブビュー601とともに、現在設定されているシャッター速度602aが表示される。シャッター速度はフレームレート25fpsの逆数の1/25秒となっており、長秒側の限界値に達している。このため、この状態からメイン電子ダイヤル202を長秒側に回転させても、システム制御部50はシャッター速度を変更せず、シャッター速度602aの表示は変わらない。
図6(b)に示す例では、フレームレートが25fpsであり、かつ露出設定ステップが1/2段に設定されている。そして、シャッター速度が1/2段に則っていない値である1/25秒に設定されている。この状況は、S310においてフレームレートの逆数又は近傍値がシャッター速度として設定された状態である。表示部28には、動画ライブビュー601とともに、現在設定されているシャッター速度602bが表示される。シャッター速度が1/2段に則っていない値であるので、ユーザーの混乱を防ぐため、システム制御部50はシャッター速度602bを点滅表示する。これによって、ユーザーに1/2段に則っていない特異的な状態であることを認識させるようにする。
ここでは、点滅表示に限らず、図6(a)に示すシャッター速度602aと異なる色又は太さで表示するなどの表示形態を変えるようにしてもよい。さらには、システム制御部50はシャッター速度の設定値が変更されてから所定の時間(例えば、2秒)だけ図6(a)に示すシャッター速度602aと異なる表示形態で表示する。そして、所定の時間が経過すると、システム制御部50は図6(a)に示すシャッター速度602aと同一の表示形態で表示するようにしてもよい。
また、シャッター速度602bの表示形態を変えるのみではなく、フレームレートを示す25fpsの表示部分についても同時に点滅又は色を変えるなどの表示形態を変更するようにしてもよい。こうすれば、シャッター速度602bが1/2段に則っていない特異的な状況の要因がフレームレートにあることをユーザーに認識させることができる。なお、シャッター速度はフレームレート25fpsの逆数の1/25秒となっており、長秒側の限界値に達している。このため、この状態からメイン電子ダイヤル202を長秒側に回転させても、システム制御部50はシャッター速度を変更しない。
図6(c)に示す例では、フレームレートが50fpsであり、かつ露出設定ステップが1/3段に設定されている。そして、シャッター速度が1/3段に則った値である1/50秒に設定されている。シャッター速度が1/3段に則っているので、ここでは、図6(a)と同様、システム制御部50はシャッター速度602cを通常の表示形態で表示する。シャッター速度602cはフレームレート50fpsの逆数の1/50秒となっており、長秒側の限界値に達している。このため、この状態からメイン電子ダイヤル202を長秒側に回転させても、システム制御部50はシャッター速度を変更せず、シャッター速度602cの表示は変わらない。
再び図3Aおよび図3Bを参照して、フレームレートの変更操作がないと(S312において、NO)、システム制御部50は、動画開始ボタン213が押下されたか否かを判定する(S314)。なお、S311の処理の後、システム制御部50はS314の処理に進む。
動画開始ボタン213が押し下げられると(S314において、YES)、システム制御部50は動画記録を行う(S315)。ここでは、システム制御部50は、設定したフレームレートおよびシャッター速度などの各種パラメータを用いて、撮像部22を制御して動画を撮像する。そして、システム制御部50は撮像の結果得られた動画を動画ファイルとして記録媒体200に記録する。
続いて、システム制御部50は、動画開始ボタン213が押下されたか否かを判定する(S316)。動画開始ボタン213が押し下げられないと(S316において、NO)、システム制御部50は、S315の処理に戻って動画記録を継続する。
一方、動画開始ボタン213が押し下げられると(S316において、YES)、システム制御部50は動画記録を停止する(S317)。そして、システム制御部50は撮影モードの終了イベントがあったか否かを判定する(S318)。
撮影モードの終了イベントとは、電源をオフする操作、再生モードなどの他の動作モードに移行させる操作、又は電池残容量の低下などである。終了イベントがあると(S318において、YES)、システム制御部50は撮影モード処理を終了する。終了イベントがないと(S318において、NO)、システム制御部50はS304の処理に戻る。
前述のS301において、動画レバーがオフとなっていると(S301において、NO)、つまり、静止画撮影モード(動画記録不可能状態)であると、システム制御部50は、動画ライブビューが表示中であるか否かを判定する(S321)。動画ライブビューが表示中であると(S321において、YES)、システム制御部50は動画ライブビューの表示を終了する(S322)。ここでは、システム制御部50は撮像部22を制御して画像の取り込みを停止して、シャッター101を閉じる。さらに、システム制御部50はミラー12をダウンさせるとともに、絞り駆動回路2によって絞り1を開放させる。これによって、システム制御部50は動画ライブビューを終了する。
続いて、システム制御部50は、後述するようにしてシャッター速度チェック処理を行う(S323)。なお、S322を経由して、S323において行われるシャッター速度チェック処理は、動画撮影モードから静止画撮影モードへの遷移に伴うチェックである。動画撮影モード(動画LV表示状態)においてS310の処理でシャッター速度が露出設置ステップ(段数)に則っていない値に設定されている場合には、このシャッター速度チェック処理で露出設置ステップに則った値に調整されることになる。
動画ライブビューが表示中でないと(S321において、NO)、システム制御部50は露出ステップ設定操作があったか否かを判定する(S324)。なお、S324の処理は前述のS304の処理と同様である。
露出ステップ設定操作があると(S324において、YES)、システム制御部50はユーザー操作によって選択された露出設定ステップを設定して、当該露出設定ステップを不揮発性メモリ56に記録する(S325)。そして、システム制御部50はS323の処理に進む。
S325の処理を経由して行われるシャッター速度チェック処理では、露出設定ステップが変更されたことによって現在設定されているシャッター速度が変更後の露出設定ステップ(段数)に則らない値となった場合に、変更後の露出設定ステップに則った値に調整することになる。
露出ステップ設定操作がないと(S324において、NO)、システム制御部50は、動画レバー212がオンとなったか(動画撮影モードの位置となったか)否かを判定する(S326)。なお、S323の処理の後、システム制御部50はS326の処理に進む。
動画レバーがオンとなると(S326において、YES)、システム制御部50はS302の処理に進む。一方、動画レバーがオフであると(S326において、NO)、システム制御部50は、動画記録不可能状態であるとしてシャッター速度変更操作があったか否かを判定する(S327)。なお、S327の処理はS307の処理と同様の処理である。
シャッター速度変更操作があると(S327において、YES)、システム制御部50はシャッター速度変更処理を行う(S328)。なお、S328の処理はS308の処理と同様の処理である。但し、S328の処理で変更されたシャッター速度は動画のフレームレートに合わせて調整されることはないので、確定値である。
続いて、システム制御部50は、表示部28に表示されたシャッター速度の設定値を更新する(S329)。そして、システム制御部50はS324の処理に戻る。
シャッター速度変更操作がないと(S327において、NO)、システム制御部50はシャッターボタン61が半押しされて第1のシャッタースイッチ信号SW1がオンとなったか否かを判定する(S330)。SW1がオンとなると(S330において、YES)、システム制御部50は、撮影の準備動作、例えば、オートフォーカス(AF)および自動露出処理(AE)を行う(S331)。なお、露出調整をマニュアルで行う場合にはAEは行われない。
次に、システム制御部50はシャッターボタン61が全押しされて第2のシャッタースイッチ信号SW2がオンとなったか否かを判定する(S332)。SW2がオフであると(S332において、NO)、システム制御部50はSW1がオンであるか否かを判定する(S333)。
SW1がオンであると(S333において、YES)、システム制御部50はS332の処理に戻る。SW1がオフであると(S333において、NO)、システム制御部50はS324の処理に戻る。
SW2がオンであると(S332において、YES)、システム制御部50は静止画撮影を行う(S334)。ここでは、システム制御部50は、設定したシャッター速度などの各種パラメータを用いて、撮像部22を制御して静止画を撮像して、撮像の結果得られた静止画を静止画ファイルとして記録媒体200に記録する。その後、システム制御部50はS324の処理に戻る。
S330において、SW1がオフであると(S330において、NO)、システム制御部50はその他の操作が行われたか否かを判定する(S335)。その他の操作が行われると(S335において、YES)、システム制御部50はその他の操作に応じた処理(その他の処理)を行う(S336)。そして、システム制御部50はS324の処理に戻る。
その他の操作が行われないと(S335において、YES)、システム制御部50は終了イベントがあったか否かを判定する(S337)。S337の処理はS318の処理と同様の処理である。終了イベントがあると(S337において、YES)、システム制御部50は撮影モード処理を終了する。一方、終了イベントがないと(S337において、NO)、システム制御部50はS324の処理に戻る。
ところで、図1に示すカメラ100では、動画レバー212が動画撮影モード側の位置となっている場合(S302〜S318)には、シャッターボタン61が全押しされても静止画の撮影は行われない。これに限るものではなく、動画レバー212が動画撮影モード側の位置となっている場合においても、シャッターボタン61が全押しされると、システム制御部50は静止画撮影を行うようにしてもよい。この場合、シャッター速度がS310で動画のフレームレートの逆数に設定されていた場合には、システム制御部50は静止画撮影の際に当該シャッター速度(フレームレートの逆数又は逆数近傍値)で撮影を行う。動画ライブビューでユーザーが確認していたライブビュー画像と静止画撮影で得られる画像のシャッター速度が異なってしまうと、ユーザーが意図した画像が得られない可能性があるので、上述のようにシャッター速度を設定する。
図7は、図3Aおよび図3Bに示すシャッター速度チェック処理を説明するためのフローチャートである。図示のフローチャートに係る処理は、不揮発性メモリ56に記録されたプログラムをシステムメモリ52に展開してシステム制御部50が実行することによって行われる。
シャッター速度チェック処理を開始すると、システム制御部50は設定されたシャッター速度が現在設定されている露出設定ステップ(段数)に則った値(速度)であるか否かを判定する(S701)。ここでは、システム制御部50は、図5(a)〜図5(c)に示す一覧(テーブル)において、現在の段数に対応するテーブルに存在するシャッター速度が設定されているか否かを判定することになる。
シャッター速度が現在設定されている露出設定ステップ(段数)に則った値ででないと(S701において、NO)、システム制御部50は、現在の露出設定ステップ(シャッター速度の段数)が1/3段刻みであるか否かを判定する(S702)。現在の露出設定ステップが1/3段刻みであると(S702において、YES)、システム制御部50は、1/3段刻みで設定可能な値(図5(a)に存在する値)のうち現在のシャッター速度(変更前のシャッター速度)に最も近い値にシャッター速度を変更する(S703)。例えば、シャッター速度が1/45秒だった場合には、システム制御部50はシャッター速度を1/50秒に変更する。
現在の露出設定ステップが1/3段刻みでないと(S702において、NO)、システム制御部50は、現在の露出設定ステップ(シャッター速度の段数)が1/2段刻みであるか否かを判定する(S704)。現在の露出設定ステップが1/2段刻みであると(S704において、YES)、システム制御部50は、1/2段刻みで設定可能な値(図5(b)に存在する値)のうち現在のシャッター速度(変更前のシャッター速度)に最も近い値にシャッター速度を変更する(S705)。例えば、シャッター速度が1/25秒である場合には、システム制御部50はシャッター速度を1/30秒に変更する。
現在の露出設定ステップが1/2段刻みでないと(S704において、NO)、システム制御部50は、1段刻みで設定可能な値(図5(c)に存在する値)のうち現在のシャッター速度(変更前のシャッター速度)に最も近い値にシャッター速度を変更する(S706)。例えば、シャッター速度が1/25秒である場合には、システム制御部50はシャッター速度を1/30秒に変更する。
S702〜706の処理によって、シャッター速度の設定ステップ(露出設定ステップ)が変更された場合、変更された設定ステップに則るようにシャッター速度が調整される。また、動画ライブビューの際に動画のフレームレートに合わせてシャッター速度が調整されていた状態から動画ライブビューを解除して静止画撮影モードに移行した際にも、現状の設定ステップに則るようにシャッター速度が調整される。
S703、S705、又はS706の処理の後、システム制御部50は動画ライブビュー中であるか否かを判定する(S707)。動画ライブビュー中であると(S707において、YES)、システム制御部50は、設定されたシャッター速度が現在設定されている動画のフレームレートの逆数より長秒側であるか(長いか)否かを判定する(S708)。
シャッター速度が現在設定されている動画のフレームレートの逆数より長秒側であると(S708において、YES)、システム制御部50は、シャッター速度を動画のフレームレートの逆数又は逆数の近傍値に変更して設定する(S709)。S709の処理は、図3Aに示すS310の処理と同様の処理である。そして、システム制御部50はシャッター速度チェック処理を終了する。
シャッター速度が現在設定されている動画のフレームレートの逆数より長秒側でないと(S708において、NO)、システム制御部50はシャッター速度チェック処理を終了する。なお、動画ライブビュー中でないと(S707において、NO)、システム制御部50はシャッター速度チェック処理を終了する。
これによって、動画ライブビュー中に露出設定ステップが変更された場合でも、シャッター速度が動画1フレーム分より長くなることを防止しつつ、変更前のシャッター速度(つまり、ユーザーが設定したシャッター速度)に極力近い値とすることができる。
図8は、図3Aおよび図3Bに示すシャッター速度変更処理を説明するためのフローチャートである。図示のフローチャートに係る処理は、不揮発性メモリ56に記録されたプログラムをシステムメモリ52に展開してシステム制御部50が実行することによって行われる。また、この処理はメイン電子ダイヤル202の操作に応じてシャッター速度を変更(仮設定)する処理である。
シャッター速度変更処理を開始すると、システム制御部50は、設定した露出設定ステップ(露出ステップともいう)を不揮発性メモリ56から読み出して取得する(S800)。さらに、システム制御部50は設定したシャッター速度(現状TV値)を不揮発性メモリ56から読み出して取得する(S801)。
続いて、システム制御部50は、露出設定ステップが1/3段刻みであるか否かを判定する(S802)。露出設定ステップが1/3段刻みでないと(ステップ802において、NO)、システム制御部50は露出設定ステップが1/2段刻みであるか否かを判定する(S803)。一方、露出設定ステップが1/3段刻みであると(ステップ802において、YES)、システム制御部50は、図5(a)に示すテーブルから、S801で読み出したシャッター速度に対応するテーブルナンバー(N)を得る(S804)。
次に、システム制御部50は、図5(a)に示すテーブルから1/3段刻みで設定可能な最小のシャッター速度に対応するテーブルナンバー(N_Min)を得る(S805)。さらに、システム制御部50は、図5(a)に示すテーブルから1/3段刻みで設定可能な最大のシャッター速度に対応するテーブルナンバー(N_Max)を得る(S806)。
前述のS803において、露出設定ステップが1/2段刻みであると(S803において、YES)、システム制御部50は、図5(b)に示すテーブルから、S801で読み出したシャッター速度に対応するテーブルナンバーを得る(S807)。さらに、システム制御部50は図5(b)に示すテーブルから1/2段刻みで設定可能な最小のシャッター速度に対応するテーブルナンバーを得る(S808)。そして、システム制御部50は、図5(b)に示すテーブルから1/2段刻みで設定可能な最大のシャッター速度に対応するテーブルナンバーを得る(S809)。
露出設定ステップが1/2段刻みでないと(S803において、NO)、システム制御部50は、図5(c)に示すテーブルから、S801で読み出したシャッター速度に対応するテーブルナンバーを得る(S810)。さらに、システム制御部50は図5(c)に示すテーブルから1段刻みで設定可能な最小のシャッター速度に対応するテーブルナンバーを得る(S811)。そして、システム制御部50は、図5(c)に示すテーブルから1段刻みで設定可能な最大のシャッター速度に対応するテーブルナンバーを得る(S812)。
S806、S809、又はS812の処理の後、システム制御部50はメイン電子ダイヤル202の回転方向が正転方向(時計回り:右)であるか否かを判定する(S813)。メイン電子ダイヤル202の回転方向が正転方向であると(S813において、YES)、システム制御部50はテーブルナンバー(N)をインクリメントして、N=N+1とする(S814)。一方、メイン電子ダイヤル202の回転方向が反転方向(反時計回り:左)であると(S813において、NO)、システム制御部50はテーブルナンバー(N)をデクリメント、N=N−1とする(S815)。
S814の処理の後、システム制御部50は、テーブルナンバー(N)>最大テーブルナンバー(N_Max)であるか否かを判定する(S816)。テーブルナンバー(N)>最大テーブルナンバー(N_Max)であると(S816において、YES)、システム制御部50はテーブルナンバー(N)をデクリメントして、N=N−1とする(S817)。
S815の処理の後、システム制御部50は、テーブルナンバー(N)<最小テーブルナンバー(N_Min)であるか否かを判定する(S818)。テーブルナンバー(N)<最小テーブルナンバー(N_Min)であると(S818において、YES)、システム制御部50はテーブルナンバー(N)をインリメントして、N=N+1とする(S819)。
S817の処理の後、システム制御部50はテーブルナンバー(N)と図5(a)〜図5(c)に示すいずれかのテーブルとに基づいてシャッター速度を求めて、当該シャッター速度を新たなシャッター速度として設定する(S820)。そして、システム制御部50はシャッター速度変更処理を終了する。なお、S819の処理の後、システム制御部50はS820の処理に進む。
S816において、テーブルナンバー(N)≦最大テーブルナンバー(N_Max)であると(S816において、NO)、システム制御部50はS820の処理に進む。また、S818において、テーブルナンバー(N)≧最小テーブルナンバー(N_Min)であると(S818において、NO)、システム制御部50はS820の処理に進む。
このようにして、シャッター速度を変更することによって、ユーザーが設定した露出設定ステップ(段数)に基づいてシャッター速度を設定することができる。
このように、本発明の第1の実施形態では、動画ライブビューを表示している状態においては、露出設定ステップに応じてシャッター速度が設定される。この際、動画フレームレートの逆数であるシャッター速度については、露出設定ステップに拘わらず設定することができる。また、動画ライブビューが表示されていない状態では、シャッター速度は露出設定ステップに従って設定される。この結果、動画撮影および静止画撮影に拘わらずユーザー所望のシャッター速度を設定することができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態によるカメラの一例について説明する。なお、第2の実施形態によるカメラの構成は図1および図2に示すカメラと同様である。
上述の第1の実施形態においては、動画ライブビューが表示されている状態においても、静止画撮影の際のシャッター速度の段数刻みと同一の段数刻みが用いられる。そして、この際に、長秒側の限界値のみ段数刻みに則らない値(フレームレートの逆数又は近傍値)とする。
一方、第2の実施形態においては、後述するように、動画ライブビューが表示されている状態では、静止画撮影の際のシャッター速度の段数刻みと同一の段数刻みを用いない。そして、第2の実施形態では、設定可能なフレームレートの逆数又は逆数近傍値を含む段数刻みを用いる。例えば、動画ライブビューが表示されている状態となると、1/25秒(25fpsの逆数および24fpsの逆数の短秒側近傍値)と1/50秒(50fpsの逆数)とを設定可能なシャッター速度に含む1/4段刻みのシャッター速度を用いる。
なお、動画ライブビューが表示されている状態では、設定可能なシャッター速度は、1/4段刻みのシャッター速度に則った値で、かつ設定された動画のフレームレートの逆数以下の値となる。
図9Aおよび図9Bは、本発明の第2の実施形態によるカメラで行われる撮影モード処理を説明するためのフローチャートである。
なお、図示のフローチャートに係る処理は、不揮発性メモリ56に記録されたプログラムをシステムメモリ52に展開してシステム制御部50が実行することによって行われる。また、図9Aおよび図9Bに示すフローチャートにおいて、図3Aおよび図3Bに示すフローチャートのステップ同一のステップについて同一の参照符号を付して説明を省略する。
システム制御部50は、S303においてシャッター速度チェック処理を行った後、S306の処理に進む。つまり、動画ライブビューが表示された状態では、システム制御部50は露出設定ステップの変更操作を受けつけない(図3Aに示すS304およびS305の処理は行われない)。これによって、動画ライブビューが表示された状態では、システム制御部50は露出設定ステップを1/4段刻みとして、他の段数刻みを用いないようにする。
S307において、シャッター速度変更操作があると(S307において、YES)、システム制御部50は、後述するようにして、1/4段刻みでシャッター速度変更処理を行う(S908)。その後、システム制御部50はS309の処理に進む。
なお、S310の処理で設定されるシャッター速度は、設定ステップが1/4段に則った値で、かつ設定された動画のフレームレートの逆数以下で最も大きい値となる。例えば、フレームレートが24fpsである場合には、シャッター速度は1/25秒に設定されることになる。
図10は、図9Aに示す1/4段刻みのシャッター速度変更処理を説明するためのフローチャートである。なお、図示のフローチャートに係る処理は、不揮発性メモリ56に記録されたプログラムをシステムメモリ52に展開してシステム制御部50が実行することによって行われる。
1/4段刻みのシャッター速度変更処理を開始すると、システム制御部50は、設定したシャッター速度(現状TV値)を不揮発性メモリ56から読み出して取得する(S1000)。
図11は、1/4段刻みでシャッター速度の変更を行う際に用いられるテーブルの一例を示す図である。なお、図11に示すテーブルは、予め不揮発性メモリ56に記録されている。
続いて、システム制御部50は、図11に示すテーブルから、S1000で読み出したシャッター速度に対応するテーブルナンバー(N)を得る(S1001)。そして、システム制御部50は、図11に示すテーブルから、1/4段刻みで設定可能な最小のシャッター速度に対応するテーブルナンバー(N_Min)を得る(S1002)。さらに、システム制御部50は、図11に示すテーブルから、1/4段刻みで設定可能な最大のシャッター速度に対応するテーブルナンバー(N_Max)を得る(S1003)。
続いて、システム制御部50はメイン電子ダイヤル202の回転方向が正転方向(時計回り:右)であるか否かを判定する(S1004)。メイン電子ダイヤル202の回転方向が正転方向であると(S1004において、YES)、システム制御部50はテーブルナンバー(N)をインクリメントして、N=N+1とする(S1005)。
一方、メイン電子ダイヤル202の回転方向が反転方向(反時計回り:左)であると(S1004において、NO)、システム制御部50はテーブルナンバー(N)をデクリメント、N=N−1とする(S1006)。
S1005の処理の後、システム制御部50は、テーブルナンバー(N)>最大テーブルナンバー(N_Max)であるか否かを判定する(S1007)。テーブルナンバー(N)>最大テーブルナンバー(N_Max)であると(S1007において、YES)、システム制御部50はテーブルナンバー(N)をデクリメントして、N=N−1とする(S1008)。
S1007の処理の後、システム制御部50は、テーブルナンバー(N)<最小テーブルナンバー(N_Min)であるか否かを判定する(S1009)。テーブルナンバー(N)<最小テーブルナンバー(N_Min)であると(S1009において、YES)、システム制御部50はテーブルナンバー(N)をインリメントして、N=N+1とする(S1010)。
S1008の処理の後、システム制御部50はテーブルナンバー(N)と図11に示すテーブルとに基づいてシャッター速度を求めて、当該シャッター速度を新たなシャッター速度として設定する(S1011)。そして、システム制御部50はシャッター速度変更処理を終了する。なお、S1010の処理の後、システム制御部50はS1011の処理に進む。
S1007において、テーブルナンバー(N)≦最大テーブルナンバー(N_Max)であると(S1007において、NO)、システム制御部50はS1011の処理に進む。また、S1009において、テーブルナンバー(N)≧最小テーブルナンバー(N_Min)であると(S1009において、NO)、システム制御部50はS1011の処理に進む。
このように、本発明の第2の実施形態では、動画ライブビューを表示している状態においては、一律に1/4段刻みでシャッター速度が設定される。これによって、動画フレームレートに拘わらず、フレームレートの逆数又は逆数の近傍値にシャッター速度を設定することができる。そして、動画ライブビューを表示していない状態では、ユーザーによって設定された露出設定ステップに応じてシャッター速度が設定される。この結果、動画撮影および静止画撮影に拘わらずユーザー所望のシャッター速度を設定することができる。
上述の説明から明らかなように、図1に示す例においては、システム制御部50およびモード切替スイッチ60がモード設定手段として機能する。また、操作部70およびシステム制御部50は露出ステップ設定手段として機能し、システム制御部50はフレームレート設定手段、シャッター速度設定手段、および制御手段として機能する。
なお、システム制御部50の制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
また、上述した実施形態においては、本発明をデジタルカメラに適用した場合を例にして説明したが、これはこの例に限定されず、動画および静止画を撮影する機能を有する電子機器であれば適用可能である。すなわち、本発明はパーソナルコンピュータやPDA、携帯電話端末や携帯型の画像ビューワ、ゲーム機などに適用可能である。
[その他の実施形態]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。