JP6548326B2 - 低アウトガス性ホットメルト接着剤 - Google Patents
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Description
一方、自動車分野においても、自動車内装材の製造の際にホットメルト接着剤が使用されている(例えば特許文献2を参照)。
一方、自動車内装材に使用される接着剤としては、人体に影響を与える有機揮発分が少ない接着剤が望まれている。
<1>120℃で加熱したときに発生する有機揮発分の量がトルエン換算値で200質量ppm以下であるメタロセンポリオレフィンを含有する、低アウトガス性ホットメルト接着剤。
<2>前記メタロセンポリオレフィンが、重合体を構成するモノマーの50モル%以上がプロピレンモノマーであるプロピレン系重合体である、上記<1>に記載の低アウトガス性ホットメルト接着剤。
<3>前記メタロセンポリオレフィンが下記条件(a)、(b)、(c)及び(d)を満たす、上記<1>又は<2>に記載の低アウトガス性ホットメルト接着剤。
(a)メソペンタッド分率[mmmm]が20モル%以上80モル%以下である。
(b)重量平均分子量(Mw)が10,000以上80,000以下である。
(c)分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下である。
(d)ラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]が0.3モル%を超える。
<4>前記メタロセンポリオレフィンが下記条件(e)を満たす、上記<1>〜<3>のいずれか1つに記載の低アウトガス性ホットメルト接着剤。
(e)25℃における貯蔵弾性率(E’)が100MPa以上である。
<5>前記メタロセンポリオレフィンの含有量が、低アウトガス性ホットメルト接着剤全量に対して1質量%以上100質量%以下である、上記<1>〜<4>のいずれか1つに記載の低アウトガス性ホットメルト接着剤。
<6>更に粘着付与樹脂を含有し、該粘着付与樹脂の含有量が前記メタロセンポリオレフィン100質量部に対して60質量部以下である、上記<1>〜<5>のいずれか1つに記載の低アウトガス性ホットメルト接着剤。
<7>エアフィルタ又は自動車内装材の製造における上記<1>〜<6>のいずれか1つに記載の低アウトガス性ホットメルト接着剤の使用。
本発明のホットメルト接着剤に用いられるメタロセンポリオレフィンは、メタロセン触媒を用いて重合したポリオレフィンであり、120℃で加熱したときに発生する有機揮発分の量がトルエン換算値で200質量ppm以下である。本発明に用いられるメタロセンポリオレフィンは分子量分布が狭く、揮発成分の原因となる低分子量成分の含有量が少ないため、120℃で加熱したときに発生する有機揮発分の量も少ない。
メタロセンポリオレフィンを120℃で加熱したときに発生する有機揮発分の量がトルエン換算値で200質量ppmを超えると、得られるホットメルト接着剤の120℃で発生するアウトガス量が多くなるため好ましくない。
ホットメルト接着剤の低アウトガス性の観点から、メタロセンポリオレフィンを120℃で加熱したときに発生する有機揮発分の量は、トルエン換算値で好ましくは180質量ppm以下、より好ましくは144質量ppm以下、更に好ましくは100質量ppm以下、より更に好ましくは50質量ppm以下、より更に好ましくは29質量ppm以下である。
上記モノマーの中でも、好ましくは炭素数3以上24以下のα−オレフィン、より好ましくは炭素数3以上12以下のα−オレフィン、更に好ましくは炭素数3以上6以下のα−オレフィン、特に好ましくは炭素数3又は4のα−オレフィン、最も好ましくはプロピレンである。
(i)炭素数6以上12以下のα−オレフィンから一種以上選ばれるα−オレフィンの構成単位が0モル%を超え50モル%未満で含まれる。
エチレン系重合体(1)が炭素数6以上12以下のα−オレフィンから一種以上選ばれるα−オレフィンを含有する共重合体である場合には、炭素数6以上12以下のα−オレフィンから一種以上選ばれるα−オレフィンの構成単位の含有量が、重合体を構成するモノマーの好ましくは0モル%を超え50モル%未満、より好ましくは0モル%を超え25モル%以下、さらに好ましくは0モル%を超え20モル%以下、より更に好ましくは0モル%を超え15モル%以下である。
(a)メソペンタッド分率[mmmm]が20モル%以上80モル%以下である。
(b)重量平均分子量(Mw)が10,000以上80,000以下である。
(c)分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下である。
(d)ラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]が0.3モル%を超える。
(e)25℃における貯蔵弾性率(E’)が100MPa以上である。
装置:日本電子(株)製、JNM−EX400型13C−NMR装置
方法:プロトン完全デカップリング法
濃度:220mg/ml
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼンと重ベンゼンの90:10(容量比)混合溶媒
温度:130℃
パルス幅:45°
パルス繰り返し時間:4秒
積算:10,000回
<計算式>
M=m/S×100
R=γ/S×100
S=Pββ+Pαβ+Pαγ
S:全プロピレン単位の側鎖メチル炭素原子のシグナル強度
Pββ:19.8〜22.5ppm
Pαβ:18.0〜17.5ppm
Pαγ:17.5〜17.1ppm
γ:ラセミペンタッド連鎖:20.7〜20.3ppm
m:メソペンタッド連鎖:21.7〜22.5ppm
<GPC測定装置>
カラム :東ソー(株)製「TOSO GMHHR−H(S)HT」
検出器 :液体クロマトグラム用RI検出 ウォーターズ・コーポレーション製「WATERS 150C」
<測定条件>
溶媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン
測定温度 :145℃
流速 :1.0ml/分
試料濃度 :2.2mg/ml
注入量 :160μl
検量線 :Universal Calibration
解析プログラム:HT−GPC(Ver.1.0)
メソペンタッド分率[mmmm]は、立体規則性を表す指標であり、メソペンタッド分率が大きくなると、立体規則性が高くなる。
メタロセンポリオレフィンのメソペンタッド分率が20モル%以上であれば、ホットメルト接着剤のべたつきがなく接着性の観点から好ましい。一方、80モル%以下であれば、ホットメルト接着剤が硬すぎて割れるということがなく、適度な硬度の観点から好ましい。上記観点から、メタロセンポリオレフィンのメソペンタッド分率は、好ましくは20モル%以上、より好ましくは30モル%以上、更に好ましくは40モル%以上、より更に好ましくは47モル%以上であり、また、好ましくは80モル%以下、より好ましくは70モル%以下、更に好ましくは65モル%以下、より更に好ましくは62モル%以下である。
メタロセンポリオレフィンのメソペンタッド分率は、メタロセンポリオレフィン製造時におけるモノマー濃度や反応圧力を調整することで制御することが可能である。
メタロセンポリオレフィンの重量平均分子量(Mw)が10,000以上であれば、ホットメルト接着剤のべたつきがなく接着性の観点から好ましい。一方、80,000以下であれば被着体に対して良好な濡れ性を示す。上記観点から、メタロセンポリオレフィンの重量平均分子量は、好ましくは10,000以上、より好ましくは30,000以上、更に好ましくは51,000以上であり、また、好ましくは80,000以下、より好ましくは70,000以下、更に好ましくは60,000以下である。
メタロセンポリオレフィンの分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下であれば、ホットメルト接着剤のべたつきがなく接着性の観点から好ましい。上記観点から、メタロセンポリオレフィンの分子量分布は、好ましくは2.5以下、より好ましくは2.4以下、更に好ましくは2.3以下、より更に好ましくは2.2以下、より更に好ましくは2.0以下である。なお、メタロセン系触媒を用いることにより、分子量分布を2.5以下に調整することができる。
ラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]は、ポリオレフィンの立体規則性のランダム性を表す指標であり、値が大きいほどポリオレフィンのランダム性が増加する。
メタロセンポリオレフィンのラセミメソラセミメソペンタッド分率が0.3モル%を超えると、ホットメルト接着剤が硬すぎて割れるということがなく、適度な柔軟性の観点から好ましい。上記観点から、メタロセンポリオレフィンのラセミメソラセミメソペンタッド分率は、好ましくは0.3モル%を超え、より好ましくは1モル%以上、更に好ましくは1.4モル%以上、より更に好ましくは3モル%以上である。その上限は、通常、好ましくは10モル%程度であり、より好ましくは7モル%、更に好ましくは5モル%、特に好ましくは4モル%である。
メタロセンポリオレフィンの25℃における貯蔵弾性率(E’)が100MPa以上であれば、接着強度の観点から好ましい。上記観点から、メタロセンポリオレフィンの25℃における貯蔵弾性率は、好ましくは100MPa以上、より好ましくは150MPa以上、更に好ましくは163MPa以上であり、また、好ましくは500MPa以下、より好ましくは400MPa以下、更に好ましくは350MPa以下、より更に好ましくは319MPa以下である。
また、メタロセンポリオレフィンの50℃における貯蔵弾性率が1MPa以上であれば、接着強度の観点から好ましい。上記観点から、メタロセンポリオレフィンの50℃における貯蔵弾性率は、好ましくは1MPa以上、より好ましくは5MPa以上、更に好ましくは15MPa以上、より更に好ましくは30MPa以上、より更に好ましくは47MPa以上であり、また、好ましくは100MPa以下、より好ましくは95MPa以下、更に好ましくは94MPa以下である。
メタロセンポリオレフィンの貯蔵弾性率は、市販の粘弾性測定装置を用いて測定することができ、具体的には実施例に記載の方法で測定することができる。
メタロセンポリオレフィンの23℃における引張弾性率は、接着性の観点から、好ましくは20MPa以上、より好ましくは50MPa以上、更に好ましくは90MPa以上であり、好ましくは350MPa以下、より好ましくは300MPa以下、より更に好ましくは272MPa以下、より更に好ましくは200MPa以下である。
本発明において、メタロセンポリオレフィンの引張弾性率は、JIS K7113に準拠して測定され、具体的には実施例に記載の方法で測定される。
本発明に用いられるメタロセンポリオレフィンは、例えば、WO2003/087172号や特許第4053993号公報に記載されているようなメタロセン系触媒を使用して製造することができる。特に、配位子が架橋基を介して架橋構造を形成している遷移金属化合物を用いたものが好ましく、なかでも、2個の架橋基を介して架橋構造を形成している遷移金属化合物と助触媒を組み合わせて得られるメタロセン系触媒が好ましい。
(i)一般式(I)
で表される遷移金属化合物、並びに
(ii)(ii−1)該(i)成分の遷移金属化合物又はその派生物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物及び(ii−2)アルミノキサンから選ばれる成分
を含有する重合用触媒が挙げられる。
本発明のホットメルト接着剤中のメタロセンポリオレフィンの含有量は、低アウトガス性の観点から、ホットメルト接着剤100質量%に対して好ましくは1質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、より更に好ましくは65質量%以上であり、好ましくは100質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。
本発明のホットメルト接着剤は、粘着性向上の観点、塗布性の観点及び粘度低下による被着体への濡れ性向上の観点から、粘着付与樹脂を含有してもよい。
粘着付与樹脂としては、常温で固体、半固体あるいは液状のものが挙げられ、好ましい具体例としては、ロジン誘導体樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂及び油溶性フェノール樹脂並びにそれらの水素化物からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。本発明では、ベースポリマーであるメタロセンポリオレフィンとの相溶性を考慮して、水素化物を用いることが好ましい。中でも、熱安定性に優れる石油樹脂の水素化物がより好ましい。
本発明のホットメルト接着剤は、ホットメルト接着剤の融着可能時間を短くする観点から、ワックスを含有してもよい。
ただし、ワックスは低分子量のポリマー/オリゴマーの混合物であるため、一般的には雑多な有機揮発分を多く発生するものである。そのため、あらかじめ発生する有機揮発分が確認されたワックスを用いることが好ましい。そのようなワックスとしては、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、アタクチックポリプロピレンワックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の合成ワックスが例示される。これらの中でも、特に精製度の高いポリプロピレンワックス及びポリエチレンワックスが好ましい。
本発明のホットメルト接着剤は、発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて可塑剤、無機フィラー、酸化防止剤等の各種添加剤を少量含有してもよい。
可塑剤としては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、フタル酸エステル類、アジピン酸エステル類、脂肪酸エステル類、グリコール類、エポキシ系高分子可塑剤などを例示できる。
無機フィラーとしては、クレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、ウォラストナイト、シリカ、雲母、カオリン、酸化チタン、ケイソウ土、尿素系樹脂、スチレンビーズ、澱粉、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、石英粉末などを例示できる。
酸化防止剤としては、トリスノニルフェニルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、アデカスタブ 1178((株)ADEKA製、「アデカスタブ」は登録商標)、スミライザー TNP(住友化学(株)製、「スミライザー」は登録商標)、イルガフォス 168(BASF社製、「イルガフォス」は登録商標)、Sandostab P−EPQ(サンド社製、「Sandostab」は登録商標)等のリン系酸化防止剤、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、イルガノックス 1010(BASF社製、「イルガノックス」は登録商標)等のフェノール系酸化防止剤、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、スミライザー TPL(住友化学(株)製)、DSTP「ヨシトミ」(三菱化学(株)製、「ヨシトミ」は登録商標)、アンチオックス L(日油(株)製、「アンチオックス」は登録商標)等のイオウ系酸化防止剤等を例示できる。
本発明のホットメルト接着剤は、上述したメタロセンポリオレフィンと、必要に応じて粘着付与樹脂、ワックス、各種添加剤とをヘンシェルミキサー等を用いてドライブレンドし、ステンレス等からなる耐熱性容器中で回転翼等の攪拌翼を使用して行う加熱攪拌、単軸又は2軸押出機、プラストミルやバンバリーミキサー等により溶融混練することで製造することができる。
本発明のホットメルト剤は、より適度な流動性と良好な接着性のバランスに優れた効果が得られる観点から、190℃での溶融粘度が、好ましくは3,000mPa・s以上、より好ましくは3,470mPa・s以上、更に好ましくは3,500mPa・s以上、更に好ましくは4,220mPa・s以上であり、そして、好ましくは8,000mPa・s以下、より好ましくは7,000mPa・s以下、更に好ましくは5,620mPa・s以下、より更に好ましくは5,500mPa・s以下である。
190℃での溶融粘度は、具体的には実施例に記載の方法で測定される値である。
以下に示す装置及び条件で、13C−NMRスペクトルの測定を行った。なお、ピークの帰属は、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等により「Macromolecules,8,687(1975)」で提案された方法に従った。
装置:日本電子(株)製JNM−EX400型13C−NMR装置
方法:プロトン完全デカップリング法
濃度:220mg/ml
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼンと重ベンゼンの90:10(容量比)混合溶媒
温度:130℃
パルス幅:45°
パルス繰り返し時間:4秒
積算:10,000回
M=m/S×100
R=γ/S×100
S=Pββ+Pαβ+Pαγ
S:全プロピレン単位の側鎖メチル炭素原子のシグナル強度
Pββ:19.8〜22.5ppm
Pαβ:18.0〜17.5ppm
Pαγ:17.5〜17.1ppm
γ:ラセミペンタッド連鎖:20.7〜20.3ppm
m:メソペンタッド連鎖:21.7〜22.5ppm
ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)法により、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を測定し、分子量分布(Mw/Mn)を求めた。測定には、下記の装置及び条件を使用し、ポリスチレン換算の重量平均分子量及び数平均分子量を得た。分子量分布(Mw/Mn)は、これらの重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)より算出した値である。
<GPC測定装置>
カラム :東ソー(株)製「TOSO GMHHR−H(S)HT」
検出器 :液体クロマトグラム用RI検出 ウォーターズ・コーポレーション製「WATERS 150C」
<測定条件>
溶媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン
測定温度 :145℃
流速 :1.0ml/分
試料濃度 :2.2mg/ml
注入量 :160μl
検量線 :Universal Calibration
解析プログラム:HT−GPC(Ver.1.0)
(ポリプロピレン1の製造)
撹拌機付きの内容積20Lのステンレス製反応器に、n−ヘプタンを20L/hr、トリイソブチルアルミニウムを15mmol/hr、さらにジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、特許第4053993号公報の参考例1に従って合成した(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、及びトリイソブチルアルミニウムを質量比1:2:20でプロピレンと事前に接触させて得られた触媒成分を、ジルコニウム換算で6μmol/hrで連続供給した。
反応器内の全圧を1.0MPa・Gに保つようプロピレンと水素とを連続供給し、重合温度を適宜調整し所望の分子量を有する重合溶液を得た。
得られた重合溶液に、酸化防止剤をその含有割合が1000質量ppmになるように添加し、次いで溶媒であるn−ヘプタンを除去することにより、プロピレン単独重合体(ポリプロピレン1)を得た。
(ポリプロピレン2の製造)
撹拌機付きの内容積0.2m3のステンレス製反応器に、n−ヘプタンを25L/h、トリイソブチルアルミニウムを25mmol/h、さらにジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートと特許第4053993号公報の実施例5の記載に従って合成した(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリドをトリイソブチルアルミニウムとプロピレンを事前に接触させ得られた触媒成分をジルコニウムあたり1.8μmol/hで連続供給した。
重合温度65℃で気相部水素濃度を1.5mol%、反応器内の全圧を1.0MPa・Gに保つようプロピレンと水素を連続供給した。
得られた重合溶液に、酸化防止剤を、重合溶液中の含有量が1000ppmになるように添加し、溶媒を除去することにより、プロピレン単独重合体(ポリプロピレン2)を得た。
表2に示すベースポリマー及び粘着付与樹脂を表3に示す量で配合し、1リットル容のステンレス製容器に入れてマントルヒーターにて180℃で30分間加熱して溶融させた後、回転翼で十分に攪拌してホットメルト接着剤を製造した。
ホットメルト接着剤の製造に使用したベースポリマーの120℃におけるアウトガス量、引張弾性率及び貯蔵弾性率を以下に示す方法で測定した。結果を表2に示す。
アウトガスはTDU−GCを用いて測定した(TDU:ゲステル社製、「Thermal Desorption Unit」、GC:アジレント・テクノロジー社製、「7890B GC System」)。サンプルの切り出し片10mgを120℃で20分加熱したときに発生する有機揮発分を測定した。発生ガス量を得られたチャート面積からトルエン換算で算出した。
試料をプレス成形して試験片を作成し、JIS K 7113に準拠して、下記条件にて引張弾性率を測定した。
・試験片(2号ダンベル) 厚み:1mm
・クロスヘッド速度:100mm/min
・ロードセル:100N
・測定温度:23℃
貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定装置((株)日立ハイテクサイエンス製「DMS6100」)を用いて測定した。サンプルとして1mm厚のプレスシートを作成し、−150℃から100℃までの温度範囲で昇温速度2℃/分、測定周波数1Hzにて測定し、得られたグラフから25℃及び50℃における貯蔵弾性率を求めた。
ホットメルト接着剤について溶融粘度及びべたつき性を以下に示す方法で評価した。結果を表3に示す。
JIS K6862に準拠して、190℃において、ブルックフィールド回転粘度計を用いて測定した。
ホットメルト接着剤のべたつき性は官能評価で行った。20〜50歳台の被験者10名に各サンプルのべたつき性を手で触って評価し、平均値を採用した。点数が低い程べたつきが少なく好ましい。
3点:べたつく
2点:少しべたつく
1点:べたつかない
「Affinity GA1950」(ダウ・ケミカル社製、メタロセンポリオレフィン、エチレン−1−オクテン共重合体)
「Vestoplast 708」(エボニック社製、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、重量平均分子量=75,000、エチレン/プロピレン/ブテン=11.3/64.8/23.9(質量比))
「アイマーブ P−125」(出光興産(株)製、水添石油樹脂)
Claims (6)
- エアフィルタ又は自動車内装材の製造における低アウトガス性ホットメルト接着剤の使用であって、
前記低アウトガス性ホットメルト接着剤が、120℃で加熱したときに発生する有機揮発分の量がトルエン換算値で200質量ppm以下であるメタロセンポリオレフィンを含有し、
前記メタロセンポリオレフィンの含有量が、低アウトガス性ホットメルト接着剤全量に対して65質量%以上である、エアフィルタ又は自動車内装材の製造用の低アウトガス性ホットメルト接着剤の使用。 - 前記メタロセンポリオレフィンが、重合体を構成するモノマーの50モル%以上がプロピレンモノマーであるプロピレン系重合体である、請求項1に記載の低アウトガス性ホットメルト接着剤の使用。
- 前記メタロセンポリオレフィンが下記条件(a)、(b)、(c)及び(d)を満たす、請求項1又は2に記載の低アウトガス性ホットメルト接着剤の使用。
(a)メソペンタッド分率[mmmm]が20モル%以上80モル%以下である。
(b)重量平均分子量(Mw)が10,000以上80,000以下である。
(c)分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下である。
(d)ラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]が0.3モル%を超える。 - 前記メタロセンポリオレフィンが下記条件(e)を満たす、請求項1〜3のいずれか1つに記載の低アウトガス性ホットメルト接着剤の使用。
(e)25℃における貯蔵弾性率(E’)が100MPa以上である。 - 前記低アウトガス性ホットメルト接着剤が脂肪族ポリエステル系樹脂を含まない、請求項1〜4のいずれか1つに記載の低アウトガス性ホットメルト接着剤の使用。
- 前記低アウトガス性ホットメルト接着剤が更に粘着付与樹脂を含有し、前記低アウトガス性ホットメルト接着剤における該粘着付与樹脂の含有量が前記メタロセンポリオレフィン100質量部に対して60質量部以下である、請求項1〜5のいずれか1つに記載の低アウトガス性ホットメルト接着剤の使用。
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