JP2015124298A - ガラス用接着剤、ガラス用シーリング剤、ガラス成形品及び合わせガラス - Google Patents
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Abstract
【課題】着色が少なく、透明性に優れたガラス用接着剤、並びにそれを用いたガラス用シーリング剤、ガラス成形品及び合わせガラスを提供すること。
【解決手段】下記(1)〜(3)を満たすプロピレン単独重合体を含むことを特徴とするガラス用接着剤、それを用いたガラス用シーリング剤、ガラス成形品及び合わせガラス。
(1)メソペンタッド分率[mmmm]が20〜80%である。
(2)重量平均分子量(Mw)が10,000〜500,000である。
(3)分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下である。
【選択図】なし
【解決手段】下記(1)〜(3)を満たすプロピレン単独重合体を含むことを特徴とするガラス用接着剤、それを用いたガラス用シーリング剤、ガラス成形品及び合わせガラス。
(1)メソペンタッド分率[mmmm]が20〜80%である。
(2)重量平均分子量(Mw)が10,000〜500,000である。
(3)分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下である。
【選択図】なし
Description
本発明はガラス用接着剤、並びにそれを用いたガラス用シーリング剤、ガラス成形品及び合わせガラスに関する。
従来、自動車に用いるガラス、特にフロントガラスには、ガラス板の間に透明接着剤からなる中間層を挟持させてなる合わせガラスが使用されている。この合わせガラスは、中間膜が存在することにより、全体としての耐貫通性等が向上しており、また、外部から衝撃を受けた際には、ガラス片が飛散しにくくなっている。
このような中間膜を形成するガラス用接着剤として、特許文献1には、エチレン酢酸ビニル共重合体を用いることが開示されており、また特許文献2には、官能化されたポリオレフィンを使用することが開示されている。
このような中間膜を形成するガラス用接着剤として、特許文献1には、エチレン酢酸ビニル共重合体を用いることが開示されており、また特許文献2には、官能化されたポリオレフィンを使用することが開示されている。
このうち、特許文献2にはポリ−α−オレフィンをガラス用接着剤として用いることが記載されているが、ここに開示されている製造方法で得られたポリ−α−オレフィンは茶褐色に着色しやすく、更に加熱溶融させる際にその着色が強まる問題があった。加えて、その成分構成上低分子量成分を多量に含有するため、表面に凹凸が生じることにより、ガラスとの界面に不定形または筋状の外観不良が発生する問題があった。
従って本発明は、着色が少なく、透明性に優れ、かつガラスとの界面に外観不良を生じにくいガラス用接着剤、並びにそれを用いたガラス用シーリング剤、ガラス成形品及び合わせガラスを提供することを目的とする。
従って本発明は、着色が少なく、透明性に優れ、かつガラスとの界面に外観不良を生じにくいガラス用接着剤、並びにそれを用いたガラス用シーリング剤、ガラス成形品及び合わせガラスを提供することを目的とする。
本発明者は鋭意研究を重ねた結果、特定の立体規則性、分子量及び分子量分布を有するプロピレン単独重合体をガラス用接着剤として用いることで、上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち本発明は、以下を提供するものである。
1.下記(1)〜(3)を満たすプロピレン単独重合体を含むことを特徴とするガラス用接着剤。
(1)メソペンタッド分率[mmmm]が20〜80%である。
(2)重量平均分子量(Mw)が10,000〜500,000である。
(3)分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下である。
2.上記1に記載のガラス用接着剤からなるガラス用シーリング剤。
3.上記1に記載のガラス用接着剤を用いて貼り合わされたガラス成形品。
4.ガラス板と、ガラス板又はプラスチックシートとが、中間膜を挟持してなる合わせガラスであって、該中間膜が上記1に記載のガラス用接着剤からなる合わせガラス。
すなわち本発明は、以下を提供するものである。
1.下記(1)〜(3)を満たすプロピレン単独重合体を含むことを特徴とするガラス用接着剤。
(1)メソペンタッド分率[mmmm]が20〜80%である。
(2)重量平均分子量(Mw)が10,000〜500,000である。
(3)分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下である。
2.上記1に記載のガラス用接着剤からなるガラス用シーリング剤。
3.上記1に記載のガラス用接着剤を用いて貼り合わされたガラス成形品。
4.ガラス板と、ガラス板又はプラスチックシートとが、中間膜を挟持してなる合わせガラスであって、該中間膜が上記1に記載のガラス用接着剤からなる合わせガラス。
本発明によれば、着色が少なく、透明性に優れ、かつガラスとの界面に外観不良を生じにくいガラス用接着剤、並びにそれを用いたガラス用シーリング剤、ガラス成形品及び合わせガラスを提供することができる。
本発明のガラス用接着剤は、後述するプロピレン単独重合体を含むことを特徴とする。
[プロピレン単独重合体]
上記プロピレン単独重合体は、下記(1)〜(3)を満たし、好ましくは更に下記(4)及び(5)を満たす。
(1)メソペンタッド分率[mmmm]が20〜80モル%である。
(2)重量平均分子量(Mw)が10,000〜500,000である。
(3)分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下である。
(4)ラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]が2.5モル%未満である。
(5)融点(Tm−D)が0〜140℃である。
上記プロピレン単独重合体は、下記(1)〜(3)を満たし、好ましくは更に下記(4)及び(5)を満たす。
(1)メソペンタッド分率[mmmm]が20〜80モル%である。
(2)重量平均分子量(Mw)が10,000〜500,000である。
(3)分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下である。
(4)ラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]が2.5モル%未満である。
(5)融点(Tm−D)が0〜140℃である。
本発明において、メソペンタッド分率[mmmm]及びラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]は、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等により「Macromolecules,6,925(1973)」で提案された方法に準拠して求めたものであり、13C−NMRスペクトルのメチル基のシグナルにより測定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのメソ分率及びラセミメソラセミメソ分率である。
13C−NMRスペクトルの測定は、下記の装置及び条件にて行った。
装置:日本電子(株)製、JNM−EX400型13C−NMR装置
方法:プロトン完全デカップリング法
濃度:220mg/ml
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼンと重ベンゼンの90:10(容量比)混合溶媒
温度:130℃
パルス幅:45°
パルス繰り返し時間:4秒
積算:10,000回
装置:日本電子(株)製、JNM−EX400型13C−NMR装置
方法:プロトン完全デカップリング法
濃度:220mg/ml
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼンと重ベンゼンの90:10(容量比)混合溶媒
温度:130℃
パルス幅:45°
パルス繰り返し時間:4秒
積算:10,000回
<計算式>
M=m/S×100
R=γ/S×100
S=Pββ+Pαβ+Pαγ
S:全プロピレン単位の側鎖メチル炭素原子のシグナル強度
Pββ:19.8〜22.5ppm
Pαβ:18.0〜17.5ppm
Pαγ:17.5〜17.1ppm
γ:ラセミペンタッド連鎖:20.7〜20.3ppm
m:メソペンタッド連鎖:21.7〜22.5ppm
M=m/S×100
R=γ/S×100
S=Pββ+Pαβ+Pαγ
S:全プロピレン単位の側鎖メチル炭素原子のシグナル強度
Pββ:19.8〜22.5ppm
Pαβ:18.0〜17.5ppm
Pαγ:17.5〜17.1ppm
γ:ラセミペンタッド連鎖:20.7〜20.3ppm
m:メソペンタッド連鎖:21.7〜22.5ppm
また、本発明において、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、下記の装置及び条件で測定したポリスチレン換算のものであり、分子量分布(Mw/Mn)は、これらの重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)より算出した値である。
<GPC測定装置>
カラム :TOSO GMHHR−H(S)HT
検出器 :液体クロマトグラム用RI検出器 WATERS 150C
<測定条件>
溶媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン
測定温度 :145℃
流速 :1.0ミリリットル/分
試料濃度 :2.2mg/ミリリットル
注入量 :160マイクロリットル
検量線 :Universal Calibration
解析プログラム:HT−GPC(Ver.1.0)
<GPC測定装置>
カラム :TOSO GMHHR−H(S)HT
検出器 :液体クロマトグラム用RI検出器 WATERS 150C
<測定条件>
溶媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン
測定温度 :145℃
流速 :1.0ミリリットル/分
試料濃度 :2.2mg/ミリリットル
注入量 :160マイクロリットル
検量線 :Universal Calibration
解析プログラム:HT−GPC(Ver.1.0)
(1)メソペンタッド分率[mmmm]
前記プロピレン単独重合体は、メソペンタッド分率[mmmm]が20〜80モル%である。[mmmm]が20モル%未満であると、凝集力に劣る。また、[mmmm]が80モル%超であると、被着体であるガラスに対する濡れ性が悪化し、接着力が低下する。このような観点から、メソペンタッド分率[mmmm]は、好ましくは30〜75モル%であり、より好ましくは35〜70モル%である。モノマー濃度や反応圧力を調整することで、プロピレン単独重合体のメソペンタッド分率[mmmm]を制御することが可能である。
前記プロピレン単独重合体は、メソペンタッド分率[mmmm]が20〜80モル%である。[mmmm]が20モル%未満であると、凝集力に劣る。また、[mmmm]が80モル%超であると、被着体であるガラスに対する濡れ性が悪化し、接着力が低下する。このような観点から、メソペンタッド分率[mmmm]は、好ましくは30〜75モル%であり、より好ましくは35〜70モル%である。モノマー濃度や反応圧力を調整することで、プロピレン単独重合体のメソペンタッド分率[mmmm]を制御することが可能である。
(2)重量平均分子量(Mw)
前記プロピレン系重合体は、重量平均分子量が10,000〜500,000である。重量平均分子量が10,000未満であると、凝集力が弱い。また、重量平均分子量が500,000超であると、粘度が高くなりすぎるため、塗工性に劣る。このような観点から、プロピレン系重合体の重量平均分子量は、好ましくは15,000〜400,000、より好ましくは20,000〜300,000である。プロピレン系重合体の重量平均分子量は、重合条件(プロピレン圧、重合時間等)を適宜調整することで制御可能である。
前記プロピレン系重合体は、重量平均分子量が10,000〜500,000である。重量平均分子量が10,000未満であると、凝集力が弱い。また、重量平均分子量が500,000超であると、粘度が高くなりすぎるため、塗工性に劣る。このような観点から、プロピレン系重合体の重量平均分子量は、好ましくは15,000〜400,000、より好ましくは20,000〜300,000である。プロピレン系重合体の重量平均分子量は、重合条件(プロピレン圧、重合時間等)を適宜調整することで制御可能である。
(3)分子量分布(Mw/Mn)
前記プロピレン単独重合体は、分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下である。分子量分布が2.5を超えると、塗工性に劣り、また低分子量成分が多くなることで着色が生じる。このような観点から、分子量分布は、好ましくは2.4以下、より好ましくは2.2以下である。プロピレン単独重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、メタロセン系触媒を用いることにより、2.5以下に制御することができる。
前記プロピレン単独重合体は、分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下である。分子量分布が2.5を超えると、塗工性に劣り、また低分子量成分が多くなることで着色が生じる。このような観点から、分子量分布は、好ましくは2.4以下、より好ましくは2.2以下である。プロピレン単独重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、メタロセン系触媒を用いることにより、2.5以下に制御することができる。
(4)ラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]
前記プロピレン単独重合体は、ラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]が2.5モル%未満であることが好ましい。ラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]が2.5モル%未満であれば、良好な凝集力を示す。このような観点から、ラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]は、より好ましくは2.4モル%未満、さらに好ましくは2.2モル%未満である。本明細書に示すようなメタロセン触媒を用いて触媒を適宜変更することにより、ラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]を制御させることができる。
前記プロピレン単独重合体は、ラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]が2.5モル%未満であることが好ましい。ラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]が2.5モル%未満であれば、良好な凝集力を示す。このような観点から、ラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]は、より好ましくは2.4モル%未満、さらに好ましくは2.2モル%未満である。本明細書に示すようなメタロセン触媒を用いて触媒を適宜変更することにより、ラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]を制御させることができる。
(5)融点(Tm−D)
前記プロピレン単独重合体の融点(Tm−D)は、塗工性、成形性の観点から、好ましくは0〜140℃、より好ましくは20〜130℃、更に好ましくは40〜120℃である。
なお、本発明では、示差走査型熱量計(パーキン・エルマー社製、DSC−7)を用い、試料10mgを窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップを融点(Tm−D)とする。モノマー濃度や反応圧力を調整することで、融点を制御することが可能である。
前記プロピレン単独重合体の融点(Tm−D)は、塗工性、成形性の観点から、好ましくは0〜140℃、より好ましくは20〜130℃、更に好ましくは40〜120℃である。
なお、本発明では、示差走査型熱量計(パーキン・エルマー社製、DSC−7)を用い、試料10mgを窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップを融点(Tm−D)とする。モノマー濃度や反応圧力を調整することで、融点を制御することが可能である。
(プロピレン単独重合体の製造方法)
前記プロピレン単独重合体の製造方法としては、メタロセン触媒を用いて、プロピレンを単独重合してプロピレン単独重合体を製造する方法が挙げられる。
メタロセン系触媒としては、特開昭58−19309号公報、特開昭61−130314号公報、特開平3−163088号公報、特開平4−300887号公報、特開平4−211694号公報、特表平1−502036号公報等に記載されるようなシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基等を1又は2個配位子とする遷移金属化合物、及び該配位子が幾何学的に制御された遷移金属化合物と助触媒を組み合わせて得られる触媒が挙げられる。
前記プロピレン単独重合体の製造方法としては、メタロセン触媒を用いて、プロピレンを単独重合してプロピレン単独重合体を製造する方法が挙げられる。
メタロセン系触媒としては、特開昭58−19309号公報、特開昭61−130314号公報、特開平3−163088号公報、特開平4−300887号公報、特開平4−211694号公報、特表平1−502036号公報等に記載されるようなシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基等を1又は2個配位子とする遷移金属化合物、及び該配位子が幾何学的に制御された遷移金属化合物と助触媒を組み合わせて得られる触媒が挙げられる。
前記プロピレン単独重合体の製造方法においては、メタロセン触媒のなかでも、配位子が架橋基を介して架橋構造を形成している遷移金属化合物からなる場合が好ましく、なかでも、2個の架橋基を介して架橋構造を形成している遷移金属化合物と助触媒を組み合わせて得られるメタロセン触媒を用いる方法がさらに好ましい。
具体的に例示すれば、(A)一般式(I)で表される遷移金属化合物、及び(B)(B−1)該(A)成分の遷移金属化合物又はその派生物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物及び(B−2)アルミノキサンから選ばれる成分を含有する重合用触媒の存在下、プロピレンを単独重合させる方法が挙げられる。
具体的に例示すれば、(A)一般式(I)で表される遷移金属化合物、及び(B)(B−1)該(A)成分の遷移金属化合物又はその派生物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物及び(B−2)アルミノキサンから選ばれる成分を含有する重合用触媒の存在下、プロピレンを単独重合させる方法が挙げられる。
〔式中、Mは周期律表第3〜10族又はランタノイド系列の金属元素を示す。E1及びE2はそれぞれ置換シクロペンタジエニル基,インデニル基,置換インデニル基,ヘテロシクロペンタジエニル基,置換ヘテロシクロペンタジエニル基,アミド基,ホスフィド基,炭化水素基及び珪素含有基の中から選ばれた配位子であって、A1及びA2を介して架橋構造を形成しており、またそれらは互いに同一でも異なっていてもよい。Xはσ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合、複数のXは同じでも異なっていてもよく、他のX,E1,E2又はYと架橋していてもよい。Yはルイス塩基を示し、Yが複数ある場合、複数のYは同じでも異なっていてもよく、他のY,E1,E2又はXと架橋していてもよい。A1及びA2は二つの配位子を結合する二価の架橋基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO2−、−Se−、−NR1−、−PR1−、−P(O)R1−、−BR1−又は−AlR1−を示し、R1は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基又は炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。qは1〜5の整数で〔(Mの原子価)−2〕を示し、rは0〜3の整数を示す。〕
上記一般式(I)において、Mは周期律表第3〜10族又はランタノイド系列の金属元素を示し、具体例としてはチタン,ジルコニウム,ハフニウム,イットリウム,バナジウム,クロム,マンガン,ニッケル,コバルト,パラジウム及びランタノイド系金属などが挙げられる。これらの中ではオレフィン重合活性などの点から周期律表第4族の金属元素が好ましく、特にチタン,ジルコニウム及びハフニウムが好適である。
E1及びE2はそれぞれ、置換シクロペンタジエニル基,インデニル基,置換インデニル基,ヘテロシクロペンタジエニル基,置換ヘテロシクロペンタジエニル基,アミド基(−N<),ホスフィン基(−P<),炭化水素基〔>CR−,>C<〕及び珪素含有基〔>SiR−,>Si<〕(但し、Rは水素又は炭素数1〜20の炭化水素基あるいはヘテロ原子含有基である)の中から選ばれた配位子を示し、A1及びA2を介して架橋構造を形成している。また、E1及びE2は互いに同一でも異なっていてもよい。このE1及びE2としては、置換シクロペンタジエニル基,インデニル基及び置換インデニル基が好ましい。置換基としては、炭素数1〜20の炭化水素基、珪素含有基などが挙げられる。
また、Xはσ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合、複数のXは同じでも異なっていてもよく、他のX,E1,E2又はYと架橋していてもよい。該Xの具体例としては、ハロゲン原子,炭素数1〜20の炭化水素基,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数6〜20のアリールオキシ基,炭素数1〜20のアミド基,炭素数1〜20の珪素含有基,炭素数1〜20のホスフィド基,炭素数1〜20のスルフィド基,炭素数1〜20のアシル基などが挙げられる。
ハロゲン原子としては、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。炭素数1〜20の炭化水素基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基等のアルキル基;ビニル基、プロペニル基、シクロヘキセニル基等のアルケニル基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアリールアルキル基;フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントラセニル基、フェナントニル基等のアリール基等が挙げられる。なかでもメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基やフェニル基等のアリール基が好ましい。
炭素数1〜20のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基等が挙げられる。炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基等が挙げられる。炭素数1〜20のアミド基としては、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、ジプロピルアミド基、ジブチルアミド基、ジシクロヘキシルアミド基、メチルエチルアミド基等のアルキルアミド基や、ジビニルアミド基、ジプロペニルアミド基、ジシクロヘキセニルアミド基等のアルケニルアミド基;ジベンジルアミド基、フェニルエチルアミド基、フェニルプロピルアミド基等のアリールアルキルアミド基;ジフェニルアミド基、ジナフチルアミド基等のアリールアミド基が挙げられる。
炭素数1〜20のケイ素含有基としては、メチルシリル基、フェニルシリル基等のモノ炭化水素置換シリル基;ジメチルシリル基、ジフェニルシリル基等のジ炭化水素置換シリル基;トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリトリルシリル基、トリナフチルシリル基等のトリ炭化水素置換シリル基;トリメチルシリルエーテル基等の炭化水素置換シリルエーテル基;トリメチルシリルメチル基等のケイ素置換アルキル基;トリメチルシリルフェニル基等のケイ素置換アリール基等が挙げられる。なかでもトリメチルシリルメチル基、フェニルジメチルシリルエチル基等が好ましい。
炭素数1〜20のケイ素含有基としては、メチルシリル基、フェニルシリル基等のモノ炭化水素置換シリル基;ジメチルシリル基、ジフェニルシリル基等のジ炭化水素置換シリル基;トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリトリルシリル基、トリナフチルシリル基等のトリ炭化水素置換シリル基;トリメチルシリルエーテル基等の炭化水素置換シリルエーテル基;トリメチルシリルメチル基等のケイ素置換アルキル基;トリメチルシリルフェニル基等のケイ素置換アリール基等が挙げられる。なかでもトリメチルシリルメチル基、フェニルジメチルシリルエチル基等が好ましい。
炭素数1〜20のホスフィド基としては、メチルスルフィド基、エチルスルフィド基、プロピルスルフィド基、ブチルスルフィド基、ヘキシルスルフィド基、シクロヘキシルスルフィド基、オクチルスルフィド基等のアルキルスルフィド基;ビニルスルフィド基、プロペニルスルフィド基、シクロヘキセニルスルフィド基等のアルケニルスルフィド基;ベンジルスルフィド基、フェニルエチルスルフィド基、フェニルプロピルスルフィド基等のアリールアルキルスルフィド基;フェニルスルフィド基、トリルスルフィド基、ジメチルフェニルスルフィド基、トリメチルフェニルスルフィド基、エチルフェニルスルフィド基、プロピルフェニルスルフィド基、ビフェニルスルフィド基、ナフチルスルフィド基、メチルナフチルスルフィド基、アントラセニルスルフィド基、フェナントニルスルフィド基等のアリールスルフィド基が挙げられる。
炭素数1〜20のスルフィド基としては、メチルスルフィド基、エチルスルフィド基、プロピルスルフィド基、ブチルスルフィド基、ヘキシルスルフィド基、シクロヘキシルスルフィド基、オクチルスルフィド基等のアルキルスルフィド基;ビニルスルフィド基、プロペニルスルフィド基、シクロヘキセニルスルフィド基等のアルケニルスルフィド基;ベンジルスルフィド基、フェニルエチルスルフィド基、フェニルプロピルスルフィド基等のアリールアルキルスルフィド基;フェニルスルフィド基、トリルスルフィド基、ジメチルフェニルスルフィド基、トリメチルフェニルスルフィド基、エチルフェニルスルフィド基、プロピルフェニルスルフィド基、ビフェニルスルフィド基、ナフチルスルフィド基、メチルナフチルスルフィド基、アントラセニルスルフィド基、フェナントニルスルフィド基等のアリールスルフィド基が挙げられる。
炭素数1〜20のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、パルミトイル基、テアロイル基、オレオイル基等のアルキルアシル基、ベンゾイル基、トルオイル基、サリチロイル基、シンナモイル基、ナフトイル基、フタロイル基等のアリールアシル基、シュウ酸、マロン酸、コハク酸等のジカルボン酸からそれぞれ誘導されるオキサリル基、マロニル基、スクシニル基等が挙げられる。
炭素数1〜20のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、パルミトイル基、テアロイル基、オレオイル基等のアルキルアシル基、ベンゾイル基、トルオイル基、サリチロイル基、シンナモイル基、ナフトイル基、フタロイル基等のアリールアシル基、シュウ酸、マロン酸、コハク酸等のジカルボン酸からそれぞれ誘導されるオキサリル基、マロニル基、スクシニル基等が挙げられる。
一方、Yはルイス塩基を示し、Yが複数ある場合、複数のYは同じでも異なっていてもよく、他のYやE1,E2又はXと架橋していてもよい。このYのルイス塩基の具体例としては、アミン類,エーテル類,ホスフィン類,チオエーテル類等を挙げることができる。
アミンとしては、炭素数1〜20のアミンが挙げられ、具体的には、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、メチルエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、メチルエチルアミン等のアルキルアミン;ビニルアミン、プロペニルアミン、シクロヘキセニルアミン、ジビニルアミン、ジプロペニルアミン、ジシクロヘキセニルアミン等のアルケニルアミン;フェニルアミン、フェニルエチルアミン、フェニルプロピルアミン等のアリールアルキルアミン;ジフェニルアミン、ジナフチルアミン等のアリールアミンが挙げられる。
アミンとしては、炭素数1〜20のアミンが挙げられ、具体的には、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、メチルエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、メチルエチルアミン等のアルキルアミン;ビニルアミン、プロペニルアミン、シクロヘキセニルアミン、ジビニルアミン、ジプロペニルアミン、ジシクロヘキセニルアミン等のアルケニルアミン;フェニルアミン、フェニルエチルアミン、フェニルプロピルアミン等のアリールアルキルアミン;ジフェニルアミン、ジナフチルアミン等のアリールアミンが挙げられる。
エーテル類としては、メチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、イソブチルエーテル、n−アミルエーテル、イソアミルエーテル等の脂肪族単一エーテル化合物;メチルエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、メチル−n−アミルエーテル、メチルイソアミルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルイソプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、エチルイソブチルエーテル、エチル−n−アミルエーテル、エチルイソアミルエーテル等の脂肪族混成エーテル化合物;ビニルエーテル、アリルエーテル、メチルビニルエーテル、メチルアリルエーテル、エチルビニルエーテル、エチルアリルエーテル等の脂肪族不飽和エーテル化合物;アニソール、フェネトール、フェニルエーテル、ベンジルエーテル、フェニルベンジルエーテル、α−ナフチルエーテル、β−ナフチルエーテル等の芳香族エーテル化合物、酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化トリメチレン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン等の環式エーテル化合物が挙げられる。
ホスフィン類としては、炭素数1〜20のホスフィンが挙げられる。具体的には、メチルホスフィン、エチルホスフィン、プロピルホスフィン、ブチルホスフィン、ヘキシルホスフィン、シクロヘキシルホスフィン、オクチルホスフィン等のモノ炭化水素置換ホスフィン;ジメチルホスフィン、ジエチルホスフィン、ジプロピルホスフィン、ジブチルホスフィン、ジヘキシルホスフィン、ジシクロヘキシルホスフィン、ジオクチルホスフィン等のジ炭化水素置換ホスフィン;トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン等のトリ炭化水素置換ホスフィン等のアルキルホスフィンや、ビニルホスフィン、プロペニルホスフィン、シクロヘキセニルホスフィン等のモノアルケニルホスフィンやホスフィンの水素原子をアルケニルが2個置換したジアルケニルホスフィン;ホスフィンの水素原子をアルケニルが3個置換したトリアルケニルホスフィン;ベンジルホスフィン、フェニルエチルホスフィン、フェニルプロピルホスフィン等のアリールアルキルホスフィン;ホスフィンの水素原子をアリール又はアルケニルが3個置換したジアリールアルキルホスフィン又はアリールジアルキルホスフィン;フェニルホスフィン、トリルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、トリメチルフェニルホスフィン、エチルフェニルホスフィン、プロピルフェニルホスフィン、ビフェニルホスフィン、ナフチルホスフィン、メチルナフチルホスフィン、アントラセニルホスフィン、フェナントニルホスフィン;ホスフィンの水素原子をアルキルアリールが2個置換したジ(アルキルアリール)ホスフィン;ホスフィンの水素原子をアルキルアリールが3個置換したトリ(アルキルアリール)ホスフィン等のアリールホスフィンが挙げられる。チオエーテル類としては、前記のスルフィドが挙げられる。
次に、A1及びA2は二つの配位子を結合する二価の架橋基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO2−、−Se−、−NR1−、−PR1−、−P(O)R1−、−BR1−又は−AlR1−を示し、R1は水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。このような架橋基としては、例えば下記一般式(II)で表されるものが挙げられる。
その具体例としては、メチレン基,エチレン基,エチリデン基,プロピリデン基,イソプロピリデン基,シクロヘキシリデン基,1,2−シクロヘキシレン基,ビニリデン基(CH2=C=),ジメチルシリレン基,ジフェニルシリレン基,メチルフェニルシリレン基,ジメチルゲルミレン基,ジメチルスタニレン基,テトラメチルジシリレン基,ジフェニルジシリレン基などを挙げることができる。これらの中で、エチレン基,イソプロピリデン基及びジメチルシリレン基が好適である。
qは1〜5の整数で〔(Mの原子価)−2〕を示し、rは0〜3の整数を示す。
一般式(I)で表される遷移金属化合物の具体例としては、WO02/16450に記載の具体例が本発明においても好適な例として挙げられる。
より好ましい具体例としては、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド等が挙げられる。
より好ましい具体例としては、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド等が挙げられる。
次に、(B)成分のうちの(B−1)成分としては、上記(A)成分の遷移金属化合物と反応して、イオン性の錯体を形成しうる化合物であれば、いずれのものでも使用できるが、次の一般式(III),(IV)で表されるものを好適に使用することができる。
(〔L1−R10〕k+)a (〔Z〕-)b ・・・(III)
(〔L2〕k+)a(〔Z〕-)b ・・・(IV)
(ただし、L2はM2、R11R12M3、R13 3C又はR14M3である。)
(〔L1−R10〕k+)a (〔Z〕-)b ・・・(III)
(〔L2〕k+)a(〔Z〕-)b ・・・(IV)
(ただし、L2はM2、R11R12M3、R13 3C又はR14M3である。)
前記一般式(III)及び(IV)中、L1はルイス塩基を示し、〔Z〕-は、非配位性アニオン〔Z1〕-及び〔Z2〕-を示す。
〔Z1〕-は複数の基が元素に結合したアニオンすなわち〔M1G1G2・・・Gf〕-を示す。ここで、M1は周期律表第5〜15族元素、好ましくは周期律表第13〜15族元素を示す。G1〜Gfはそれぞれ水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20のアルキル基,炭素数2〜40のジアルキルアミノ基,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数6〜20のアリール基,炭素数6〜20のアリールオキシ基,炭素数7〜40のアルキルアリール基,炭素数7〜40のアリールアルキル基,炭素数1〜20のハロゲン置換炭化水素基,炭素数1〜20のアシルオキシ基,有機メタロイド基、又は炭素数2〜20のヘテロ原子含有炭化水素基を示す。G1〜Gfのうち2つ以上が環を形成していてもよい。fは〔(中心金属M1の原子価)+1〕の整数を示す。
〔Z2〕-は、酸解離定数の逆数の対数(pKa)が−10以下のブレンステッド酸単独又はブレンステッド酸及びルイス酸の組合せの共役塩基、あるいは一般的に超強酸と定義される酸の共役塩基を示す。また、ルイス塩基が配位していてもよい。
また、R10は水素原子,炭素数1〜20のアルキル基,炭素数6〜20のアリール基,アルキルアリール基又はアリールアルキル基を示す。
R11及びR12はそれぞれシクロペンタジエニル基,置換シクロペンタジエニル基,インデニル基又はフルオレニル基を示す。
R13は炭素数1〜20のアルキル基,アリール基,アルキルアリール基又はアリールアルキル基を示す。
R14はテトラフェニルポルフィリン,フタロシアニン等の大環状配位子を示す。kは〔L1−R10〕,〔L2〕のイオン価数で1〜3の整数、aは1以上の整数、b=(k×a)である。M2は、周期律表第1〜3、11〜13、17族元素を含むものであり、M3は、周期律表第7〜12族元素を示す。
〔Z1〕-は複数の基が元素に結合したアニオンすなわち〔M1G1G2・・・Gf〕-を示す。ここで、M1は周期律表第5〜15族元素、好ましくは周期律表第13〜15族元素を示す。G1〜Gfはそれぞれ水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20のアルキル基,炭素数2〜40のジアルキルアミノ基,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数6〜20のアリール基,炭素数6〜20のアリールオキシ基,炭素数7〜40のアルキルアリール基,炭素数7〜40のアリールアルキル基,炭素数1〜20のハロゲン置換炭化水素基,炭素数1〜20のアシルオキシ基,有機メタロイド基、又は炭素数2〜20のヘテロ原子含有炭化水素基を示す。G1〜Gfのうち2つ以上が環を形成していてもよい。fは〔(中心金属M1の原子価)+1〕の整数を示す。
〔Z2〕-は、酸解離定数の逆数の対数(pKa)が−10以下のブレンステッド酸単独又はブレンステッド酸及びルイス酸の組合せの共役塩基、あるいは一般的に超強酸と定義される酸の共役塩基を示す。また、ルイス塩基が配位していてもよい。
また、R10は水素原子,炭素数1〜20のアルキル基,炭素数6〜20のアリール基,アルキルアリール基又はアリールアルキル基を示す。
R11及びR12はそれぞれシクロペンタジエニル基,置換シクロペンタジエニル基,インデニル基又はフルオレニル基を示す。
R13は炭素数1〜20のアルキル基,アリール基,アルキルアリール基又はアリールアルキル基を示す。
R14はテトラフェニルポルフィリン,フタロシアニン等の大環状配位子を示す。kは〔L1−R10〕,〔L2〕のイオン価数で1〜3の整数、aは1以上の整数、b=(k×a)である。M2は、周期律表第1〜3、11〜13、17族元素を含むものであり、M3は、周期律表第7〜12族元素を示す。
ここで、L1の具体例としては、アンモニア,メチルアミン,アニリン,ジメチルアミン,ジエチルアミン,N−メチルアニリン,ジフェニルアミン,N,N−ジメチルアニリン,トリメチルアミン,トリエチルアミン,トリ−n−ブチルアミン,メチルジフェニルアミン,ピリジン,p−ブロモ−N,N−ジメチルアニリン,p−ニトロ−N,N−ジメチルアニリンなどのアミン類、トリエチルホスフィン,トリフェニルホスフィン,ジフェニルホスフィンなどのホスフィン類、テトラヒドロチオフェンなどのチオエーテル類、安息香酸エチルなどのエステル類、アセトニトリル,ベンゾニトリルなどのニトリル類などを挙げることができる。
R10の具体例としては水素,メチル基,エチル基,ベンジル基,トリチル基等を挙げることができ、R11,R12の具体例としては、シクロペンタジエニル基,メチルシクロペンタジエニル基,エチルシクロペンタジエニル基,ペンタメチルシクロペンタジエニル基等を挙げることができる。R13の具体例としては、フェニル基,p−トリル基,p−メトキシフェニル基等を挙げることができ、R14の具体例としてはテトラフェニルポルフィン,フタロシアニン,アリル,メタリル等を挙げることができる。また、M2の具体例としては、Li,Na,K,Ag,Cu,Br,I,I3等を挙げることができ、M3の具体例としては、Mn,Fe,Co,Ni,Zn等を挙げることができる。
また、〔Z1〕-、すなわち〔M1G1G2・・・Gf〕において、M1の具体例としてはB,Al,Si,P,As,Sbなど、好ましくはB及びAlが挙げられる。また、G1,G2〜Gfの具体例としては、ジアルキルアミノ基としてジメチルアミノ基,ジエチルアミノ基など、アルコキシ基若しくはアリールオキシ基としてメトキシ基,エトキシ基,n−ブトキシ基,フェノキシ基など、炭化水素基としてメチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,n−オクチル基,n−エイコシル基,フェニル基,p−トリル基,ベンジル基,4−t−ブチルフェニル基,3,5−ジメチルフェニル基など、ハロゲン原子としてフッ素,塩素,臭素,ヨウ素,ヘテロ原子含有炭化水素基としてp−フルオロフェニル基,3,5−ジフルオロフェニル基,ペンタクロロフェニル基,3,4,5−トリフルオロフェニル基,ペンタフルオロフェニル基,3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基,ビス(トリメチルシリル)メチル基など、有機メタロイド基としてペンタメチルアンチモン基、トリメチルシリル基,トリメチルゲルミル基,ジフェニルアルシン基,ジシクロヘキシルアンチモン基,ジフェニル硼素などが挙げられる。
また、非配位性のアニオンすなわちpKaが−10以下のブレンステッド酸単独又はブレンステッド酸及びルイス酸の組合せの共役塩基〔Z2〕-の具体例としてはトリフルオロメタンスルホン酸アニオン(CF3SO3)-,ビス(トリフルオロメタンスルホニル)メチルアニオン,ビス(トリフルオロメタンスルホニル)ベンジルアニオン,ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド,過塩素酸アニオン(ClO4)-,トリフルオロ酢酸アニオン(CF3CO2)-,ヘキサフルオロアンチモンアニオン(SbF6)-,フルオロスルホン酸アニオン(FSO3)-,クロロスルホン酸アニオン(ClSO3)-,フルオロスルホン酸アニオン/5−フッ化アンチモン(FSO3/SbF5)-,フルオロスルホン酸アニオン/5−フッ化砒素(FSO3/AsF5)-,トリフルオロメタンスルホン酸/5−フッ化アンチモン(CF3SO3/SbF5)-などを挙げることができる。
このような前記(A)成分の遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成するイオン性化合物、すなわち(B−1)成分化合物の具体例としては、テトラフェニル硼酸トリエチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸トリ−n−ブチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸トリメチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸テトラエチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸メチル(トリ−n−ブチル)アンモニウム,テトラフェニル硼酸ベンジル(トリ−n−ブチル)アンモニウム,テトラフェニル硼酸ジメチルジフェニルアンモニウム,テトラフェニル硼酸トリフェニル(メチル)アンモニウム,テトラフェニル硼酸トリメチルアニリニウム,テトラフェニル硼酸メチルピリジニウム,テトラフェニル硼酸ベンジルピリジニウム,テトラフェニル硼酸メチル(2−シアノピリジニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリエチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリ−n−ブチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラ−n−ブチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラエチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジル(トリ−n−ブチル)アンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルジフェニルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニル(メチル)アンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルアニリニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルアニリニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリメチルアニリニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルピリジニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジルピリジニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチル(2−シアノピリジニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジル(2−シアノピリジニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチル(4−シアノピリジニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニルホスホニウム,テトラキス〔ビス(3,5−ジトリフルオロメチル)フェニル〕硼酸ジメチルアニリニウム,テトラフェニル硼酸フェロセニウム,テトラフェニル硼酸銀,テトラフェニル硼酸トリチル,テトラフェニル硼酸テトラフェニルポルフィリンマンガン,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸フェロセニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(1,1’−ジメチルフェロセニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸デカメチルフェロセニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸銀、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリチル,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸リチウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ナトリウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テオラフェニルポルフィリンマンガン,テトラフルオロ硼酸銀,ヘキサフルオロ燐酸銀,ヘキサフルオロ砒素酸銀,過塩素酸銀,トリフルオロ酢酸銀,トリフルオロメタンスルホン酸銀などを挙げることができる。
(B−1)は一種用いてもよく、また二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B−1)は一種用いてもよく、また二種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、(B−2)成分のアルミノキサンとしては、一般式(V)
(式中、R15は炭素数1〜20、好ましくは1〜12のアルキル基,アルケニル基,アリール基,アリールアルキル基などの炭化水素基あるいはハロゲン原子を示し、wは平均重合度を示し、通常2〜50、好ましくは2〜40の整数である。なお、各R15は同じでも異なっていてもよい。)
で示される鎖状アルミノキサン、及び一般式(VI)
(式中、R15及びwは前記一般式(V)におけるものと同じである。)
で示される環状アルミノキサンを挙げることができる。
で示される鎖状アルミノキサン、及び一般式(VI)
で示される環状アルミノキサンを挙げることができる。
前記アルミノキサンの製造法としては、アルキルアルミニウムと水などの縮合剤とを接触させる方法が挙げられるが、その手段については特に限定はなく、公知の方法に準じて反応させればよい。例えば、(i)有機アルミニウム化合物を有機溶剤に溶解しておき、これを水と接触させる方法、(ii)重合時に当初有機アルミニウム化合物を加えておき、後に水を添加する方法、(iii)金属塩などに含有されている結晶水、無機物や有機物への吸着水を有機アルミニウム化合物と反応させる方法、(iv)テトラアルキルジアルミノキサンにトリアルキルアルミニウムを反応させ、さらに水を反応させる方法などがある。なお、アルミノキサンとしては、トルエン不溶性のものであってもよい。
これらのアルミノキサンは一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのアルミノキサンは一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)触媒成分と(B)触媒成分との使用割合は、(B)触媒成分として(B−1)化合物を用いた場合には、モル比で好ましくは10:1〜1:100、より好ましくは2:1〜1:10の範囲が望ましく、上記範囲を逸脱する場合は、単位質量ポリマーあたりの触媒コストが高くなり、実用的でない。また(B−2)化合物を用いた場合には、モル比で好ましくは1:1〜1:1000000、より好ましくは1:10〜1:10000の範囲が望ましい。この範囲を逸脱する場合は単位質量ポリマーあたりの触媒コストが高くなり、実用的でない。また、触媒成分(B)としては(B−1),(B−2)を単独又は二種以上組み合わせて用いることもできる。
上記製造方法における重合用触媒は、上記(A)成分及び(B)成分に加えて(C)成分として有機アルミニウム化合物を用いることができる。
ここで、(C)成分の有機アルミニウム化合物としては、一般式(VII)
R16 v AlJ3-v ・・・(VII)
〔式中、R16は炭素数1〜10のアルキル基、Jは水素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン原子を示し、vは1〜3の整数である〕
で示される化合物が用いられる。
前記一般式(VII)で示される化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム,トリエチルアルミニウム,トリイソプロピルアルミニウム,トリイソブチルアルミニウム,ジメチルアルミニウムクロリド,ジエチルアルミニウムクロリド,メチルアルミニウムジクロリド,エチルアルミニウムジクロリド,ジメチルアルミニウムフルオリド,ジイソブチルアルミニウムヒドリド,ジエチルアルミニウムヒドリド,エチルアルミニウムセスキクロリド等が挙げられる。
これらの有機アルミニウム化合物は一種用いてもよく、二種以上を組合せて用いてもよい。
ここで、(C)成分の有機アルミニウム化合物としては、一般式(VII)
R16 v AlJ3-v ・・・(VII)
〔式中、R16は炭素数1〜10のアルキル基、Jは水素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン原子を示し、vは1〜3の整数である〕
で示される化合物が用いられる。
前記一般式(VII)で示される化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム,トリエチルアルミニウム,トリイソプロピルアルミニウム,トリイソブチルアルミニウム,ジメチルアルミニウムクロリド,ジエチルアルミニウムクロリド,メチルアルミニウムジクロリド,エチルアルミニウムジクロリド,ジメチルアルミニウムフルオリド,ジイソブチルアルミニウムヒドリド,ジエチルアルミニウムヒドリド,エチルアルミニウムセスキクロリド等が挙げられる。
これらの有機アルミニウム化合物は一種用いてもよく、二種以上を組合せて用いてもよい。
上記製造方法においては、上述した(A)成分、(B)成分及び(C)成分を用いて予備接触を行なうこともできる。予備接触は、(A)成分に、例えば、(B)成分を接触させることにより行なうことができるが、その方法に特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。これら予備接触により触媒活性の向上や、助触媒である(B)成分の使用割合の低減など、触媒コストの低減に効果的である。また、さらに、(A)成分と(B−2)成分を接触させることにより、上記効果と共に、分子量向上効果も見られる。また、予備接触温度は、通常−20℃〜200℃、好ましくは−10℃〜150℃、より好ましくは、0℃〜80℃である。予備接触においては、溶媒の不活性炭化水素として、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素などを用いることができる。これらの中で特に好ましいものは、脂肪族炭化水素である。
前記(A)触媒成分と(C)触媒成分との使用割合は、モル比で好ましくは1:1〜1:10000、より好ましくは1:5〜1:2000、さらに好ましくは1:10ないし1:1000の範囲が望ましい。該(C)触媒成分を用いることにより、遷移金属当たりの重合活性を向上させることができるが、あまり多いと有機アルミニウム化合物が無駄になるとともに、重合体中に多量に残存し、好ましくない。
前記(A)触媒成分と(C)触媒成分との使用割合は、モル比で好ましくは1:1〜1:10000、より好ましくは1:5〜1:2000、さらに好ましくは1:10ないし1:1000の範囲が望ましい。該(C)触媒成分を用いることにより、遷移金属当たりの重合活性を向上させることができるが、あまり多いと有機アルミニウム化合物が無駄になるとともに、重合体中に多量に残存し、好ましくない。
本発明においては、触媒成分の少なくとも一種を適当な担体に担持して用いることができる。該担体の種類については特に制限はなく、無機酸化物担体、それ以外の無機担体及び有機担体のいずれも用いることができるが、特に無機酸化物担体あるいはそれ以外の無機担体が好ましい。
無機酸化物担体としては、具体的には、SiO2,Al2O3,MgO,ZrO2,TiO2,Fe2O3,B2O3,CaO,ZnO,BaO,ThO2やこれらの混合物、例えばシリカアルミナ,ゼオライト,フェライト,グラスファイバーなどが挙げられる。これらの中では、特にSiO2,Al2O3が好ましい。なお、上記無機酸化物担体は、少量の炭酸塩,硝酸塩,硫酸塩などを含有してもよい。
一方、上記以外の担体として、MgCl2,Mg(OC2H5)2などで代表される一般式MgR17 XX1 yで表されるマグネシウム化合物やその錯塩などを挙げることができる。ここで、R17は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基又は炭素数6〜20のアリール基、X1はハロゲン原子又は炭素数1〜20のアルキル基を示し、xは0〜2、yは0〜2であり、かつx+y=2である。各R17及び各X1はそれぞれ同一でもよく、また異なってもいてもよい。
また、有機担体としては、ポリスチレン,スチレン−ジビニルベンゼン共重合体,ポリエチレン,ポリ1−ブテン,置換ポリスチレン,ポリアリレートなどの重合体やスターチ,カーボンなどを挙げることができる。
上記製造方法において用いられる担体としては、MgCl2,MgCl(OC2H5),Mg(OC2H5)2,SiO2,Al2O3などが好ましい。また担体の性状は、その種類及び製法により異なるが、平均粒径は通常1〜300μm、好ましくは10〜200μm、より好ましくは20〜100μmである。
粒径が小さいと重合体中の微粉が増大し、粒径が大きいと重合体中の粗大粒子が増大し嵩密度の低下やホッパーの詰まりの原因になる。
また、担体の比表面積は、通常1〜1000m2/g、好ましくは50〜500m2/g、細孔容積は通常0.1〜5cm3/g、好ましくは0.3〜3cm3/gである。
比表面積又は細孔容積のいずれかが上記範囲を逸脱すると、触媒活性が低下することがある。なお、比表面積及び細孔容積は、例えばBET法に従って吸着された窒素ガスの体積から求めることができる。
さらに、上記担体が無機酸化物担体である場合には、通常150〜1000℃、好ましくは200〜800℃で焼成して用いることが望ましい。
無機酸化物担体としては、具体的には、SiO2,Al2O3,MgO,ZrO2,TiO2,Fe2O3,B2O3,CaO,ZnO,BaO,ThO2やこれらの混合物、例えばシリカアルミナ,ゼオライト,フェライト,グラスファイバーなどが挙げられる。これらの中では、特にSiO2,Al2O3が好ましい。なお、上記無機酸化物担体は、少量の炭酸塩,硝酸塩,硫酸塩などを含有してもよい。
一方、上記以外の担体として、MgCl2,Mg(OC2H5)2などで代表される一般式MgR17 XX1 yで表されるマグネシウム化合物やその錯塩などを挙げることができる。ここで、R17は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基又は炭素数6〜20のアリール基、X1はハロゲン原子又は炭素数1〜20のアルキル基を示し、xは0〜2、yは0〜2であり、かつx+y=2である。各R17及び各X1はそれぞれ同一でもよく、また異なってもいてもよい。
また、有機担体としては、ポリスチレン,スチレン−ジビニルベンゼン共重合体,ポリエチレン,ポリ1−ブテン,置換ポリスチレン,ポリアリレートなどの重合体やスターチ,カーボンなどを挙げることができる。
上記製造方法において用いられる担体としては、MgCl2,MgCl(OC2H5),Mg(OC2H5)2,SiO2,Al2O3などが好ましい。また担体の性状は、その種類及び製法により異なるが、平均粒径は通常1〜300μm、好ましくは10〜200μm、より好ましくは20〜100μmである。
粒径が小さいと重合体中の微粉が増大し、粒径が大きいと重合体中の粗大粒子が増大し嵩密度の低下やホッパーの詰まりの原因になる。
また、担体の比表面積は、通常1〜1000m2/g、好ましくは50〜500m2/g、細孔容積は通常0.1〜5cm3/g、好ましくは0.3〜3cm3/gである。
比表面積又は細孔容積のいずれかが上記範囲を逸脱すると、触媒活性が低下することがある。なお、比表面積及び細孔容積は、例えばBET法に従って吸着された窒素ガスの体積から求めることができる。
さらに、上記担体が無機酸化物担体である場合には、通常150〜1000℃、好ましくは200〜800℃で焼成して用いることが望ましい。
触媒成分の少なくとも一種を前記担体に担持させる場合、(A)触媒成分及び(B)触媒成分の少なくとも一方を、好ましくは(A)触媒成分及び(B)触媒成分の両方を担持させるのが望ましい。
該担体に、(A)成分及び(B)成分の少なくとも一方を担持させる方法については、特に制限されないが、例えば(i)(A)成分及び(B)成分の少なくとも一方と担体とを混合する方法、(ii)担体を有機アルミニウム化合物又はハロゲン含有ケイ素化合物で処理したのち、不活性溶媒中で(A)成分及び(B)成分の少なくとも一方と混合する方法、(iii)担体と(A)成分及び/又は(B)成分と有機アルミニウム化合物又はハロゲン含有ケイ素化合物とを反応させる方法、(iv)(A)成分又は(B)成分を担体に担持させたのち、(B)成分又は(A)成分と混合する方法、(v)(A)成分と(B)成分との接触反応物を担体と混合する方法、(vi)(A)成分と(B)成分との接触反応に際して、担体を共存させる方法などを用いることができる。
なお、上記(iv)、(v)及び(vi)の反応において、(C)成分の有機アルミニウム化合物を添加することもできる。
該担体に、(A)成分及び(B)成分の少なくとも一方を担持させる方法については、特に制限されないが、例えば(i)(A)成分及び(B)成分の少なくとも一方と担体とを混合する方法、(ii)担体を有機アルミニウム化合物又はハロゲン含有ケイ素化合物で処理したのち、不活性溶媒中で(A)成分及び(B)成分の少なくとも一方と混合する方法、(iii)担体と(A)成分及び/又は(B)成分と有機アルミニウム化合物又はハロゲン含有ケイ素化合物とを反応させる方法、(iv)(A)成分又は(B)成分を担体に担持させたのち、(B)成分又は(A)成分と混合する方法、(v)(A)成分と(B)成分との接触反応物を担体と混合する方法、(vi)(A)成分と(B)成分との接触反応に際して、担体を共存させる方法などを用いることができる。
なお、上記(iv)、(v)及び(vi)の反応において、(C)成分の有機アルミニウム化合物を添加することもできる。
本発明においては、前記(A),(B),(C)を接触させる際に、弾性波を照射させて触媒を調製してもよい。弾性波としては、通常音波、特に好ましくは超音波が挙げられる。具体的には、周波数が1〜1000kHzの超音波、好ましくは10〜500kHzの超音波が挙げられる。
このようにして得られた触媒は、いったん溶媒留去を行って固体として取り出してから重合に用いてもよいし、そのまま重合に用いてもよい。
また、本発明においては、(A)成分及び(B)成分の少なくとも一方の担体への担持操作を重合系内で行うことにより触媒を生成させることができる。例えば(A)成分及び(B)成分の少なくとも一方と担体とさらに必要により前記(C)成分の有機アルミニウム化合物を加え、エチレンなどのオレフィンを常圧〜2MPa(gauge)加えて、−20〜200℃で1分〜2時間程度予備重合を行い触媒粒子を生成させる方法を用いることができる。
本発明においては、(B−1)成分と担体との使用割合は、質量比で好ましくは1:5〜1:10000、より好ましくは1:10〜1:500とするのが望ましく、(B−2)成分と担体との使用割合は、質量比で好ましくは1:0.5〜1:1000、より好ましくは1:1〜1:50とするのが望ましい。(B)成分として二種以上を混合して用いる場合は、各(B)成分と担体との使用割合が質量比で上記範囲内にあることが望ましい。また、(A)成分と担体との使用割合は、質量比で、好ましくは1:5〜1:10000、より好ましくは1:10〜1:500とするのが望ましい。
(B)成分〔(B−1)成分又は(B−2)成分〕と担体との使用割合、又は(A)成分と担体との使用割合が上記範囲を逸脱すると、活性が低下することがある。このようにして調製された本発明の重合用触媒の平均粒径は、通常2〜200μm、好ましくは10〜150μm、特に好ましくは20〜100μmであり、比表面積は、通常20〜1000m2/g、好ましくは50〜500m2/gである。平均粒径が2μm未満であると重合体中の微粉が増大することがあり、200μmを超えると重合体中の粗大粒子が増大することがある。比表面積が20m2/g未満であると活性が低下することがあり、1000m2/gを超えると重合体の嵩密度が低下することがある。また、本発明の触媒において、担体100g中の遷移金属量は、通常0.05〜10g、特に0.1〜2gであることが好ましい。遷移金属量が上記範囲外であると、活性が低くなることがある。
このように担体に担持することによって工業的に有利な高い嵩密度と優れた粒径分布を有する重合体を得ることができる。
このようにして得られた触媒は、いったん溶媒留去を行って固体として取り出してから重合に用いてもよいし、そのまま重合に用いてもよい。
また、本発明においては、(A)成分及び(B)成分の少なくとも一方の担体への担持操作を重合系内で行うことにより触媒を生成させることができる。例えば(A)成分及び(B)成分の少なくとも一方と担体とさらに必要により前記(C)成分の有機アルミニウム化合物を加え、エチレンなどのオレフィンを常圧〜2MPa(gauge)加えて、−20〜200℃で1分〜2時間程度予備重合を行い触媒粒子を生成させる方法を用いることができる。
本発明においては、(B−1)成分と担体との使用割合は、質量比で好ましくは1:5〜1:10000、より好ましくは1:10〜1:500とするのが望ましく、(B−2)成分と担体との使用割合は、質量比で好ましくは1:0.5〜1:1000、より好ましくは1:1〜1:50とするのが望ましい。(B)成分として二種以上を混合して用いる場合は、各(B)成分と担体との使用割合が質量比で上記範囲内にあることが望ましい。また、(A)成分と担体との使用割合は、質量比で、好ましくは1:5〜1:10000、より好ましくは1:10〜1:500とするのが望ましい。
(B)成分〔(B−1)成分又は(B−2)成分〕と担体との使用割合、又は(A)成分と担体との使用割合が上記範囲を逸脱すると、活性が低下することがある。このようにして調製された本発明の重合用触媒の平均粒径は、通常2〜200μm、好ましくは10〜150μm、特に好ましくは20〜100μmであり、比表面積は、通常20〜1000m2/g、好ましくは50〜500m2/gである。平均粒径が2μm未満であると重合体中の微粉が増大することがあり、200μmを超えると重合体中の粗大粒子が増大することがある。比表面積が20m2/g未満であると活性が低下することがあり、1000m2/gを超えると重合体の嵩密度が低下することがある。また、本発明の触媒において、担体100g中の遷移金属量は、通常0.05〜10g、特に0.1〜2gであることが好ましい。遷移金属量が上記範囲外であると、活性が低くなることがある。
このように担体に担持することによって工業的に有利な高い嵩密度と優れた粒径分布を有する重合体を得ることができる。
前記プロピレン単独重合体としては、上述した重合用触媒を用いて、プロピレンを単独重合して製造することができる。
この場合、重合方法は特に制限されず、スラリー重合法,気相重合法,塊状重合法,溶液重合法,懸濁重合法などのいずれの方法を用いてもよいが、スラリー重合法,気相重合法が特に好ましい。また、反応の制御が容易という観点から溶液重合法が特に好ましい。
重合条件については、重合温度は通常−100〜250℃、好ましくは−50〜200℃、より好ましくは0〜130℃である。また、反応原料に対する触媒の使用割合は、原料モノマー/上記(A)成分(モル比)が好ましくは105〜108、特に106〜107となることが好ましい。さらに、重合時間は通常5分〜10時間、反応圧力は好ましくは常圧〜3MPa(gauge)、より好ましくは常圧〜2.5MPa(gauge)、さらに好ましくは常圧〜2MPa(gauge)である。反応圧力を調整することで、メソペンタッド分率[mmmm]を制御することが可能である。
重合体の分子量の調節方法としては、各触媒成分の種類,使用量,重合温度の選択、さらには水素存在下での重合などがある。
この場合、重合方法は特に制限されず、スラリー重合法,気相重合法,塊状重合法,溶液重合法,懸濁重合法などのいずれの方法を用いてもよいが、スラリー重合法,気相重合法が特に好ましい。また、反応の制御が容易という観点から溶液重合法が特に好ましい。
重合条件については、重合温度は通常−100〜250℃、好ましくは−50〜200℃、より好ましくは0〜130℃である。また、反応原料に対する触媒の使用割合は、原料モノマー/上記(A)成分(モル比)が好ましくは105〜108、特に106〜107となることが好ましい。さらに、重合時間は通常5分〜10時間、反応圧力は好ましくは常圧〜3MPa(gauge)、より好ましくは常圧〜2.5MPa(gauge)、さらに好ましくは常圧〜2MPa(gauge)である。反応圧力を調整することで、メソペンタッド分率[mmmm]を制御することが可能である。
重合体の分子量の調節方法としては、各触媒成分の種類,使用量,重合温度の選択、さらには水素存在下での重合などがある。
重合溶媒を用いる場合、例えば、ベンゼン,トルエン,キシレン,エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素、シクロペンタン,シクロヘキサン,メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、ペンタン,ヘキサン,ヘプタン,オクタンなどの脂肪族炭化水素、クロロホルム,ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素などを用いることができる。これらの溶媒は一種を単独で用いてもよく、二種以上のものを組み合わせてもよい。また、α−オレフィンなどのモノマーを溶媒として用いてもよい。なお、重合方法によっては無溶媒で行うことができる。
重合に際しては、前記重合用触媒を用いて予備重合を行うことができる。予備重合は、固体触媒成分に、例えば、少量のオレフィンを接触させることにより行うことができるが、その方法に特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。予備重合に用いるオレフィンについては特に制限はなく、例えばエチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン、あるいはこれらの混合物などを挙げることができるが、該重合において用いるオレフィンと同じオレフィンを用いることが有利である。
また、予備重合温度は、通常−20〜200℃、好ましくは−10〜130℃、より好ましくは0〜80℃である。予備重合においては、溶媒として、脂肪族炭化水素,芳香族炭化水素,モノマーなどを用いることができる。これらの中で特に好ましいのは脂肪族炭化水素である。また、予備重合は無溶媒で行ってもよい。
予備重合においては、予備重合生成物の極限粘度[η](135℃デカリン中で測定)が0.2デシリットル/g以上、特に0.5デシリットル/g以上、触媒中の遷移金属成分1ミリモル当たりに対する予備重合生成物の量が1〜10000g、特に10〜1000gとなるように条件を調整することが望ましい。
重合に際しては、前記重合用触媒を用いて予備重合を行うことができる。予備重合は、固体触媒成分に、例えば、少量のオレフィンを接触させることにより行うことができるが、その方法に特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。予備重合に用いるオレフィンについては特に制限はなく、例えばエチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン、あるいはこれらの混合物などを挙げることができるが、該重合において用いるオレフィンと同じオレフィンを用いることが有利である。
また、予備重合温度は、通常−20〜200℃、好ましくは−10〜130℃、より好ましくは0〜80℃である。予備重合においては、溶媒として、脂肪族炭化水素,芳香族炭化水素,モノマーなどを用いることができる。これらの中で特に好ましいのは脂肪族炭化水素である。また、予備重合は無溶媒で行ってもよい。
予備重合においては、予備重合生成物の極限粘度[η](135℃デカリン中で測定)が0.2デシリットル/g以上、特に0.5デシリットル/g以上、触媒中の遷移金属成分1ミリモル当たりに対する予備重合生成物の量が1〜10000g、特に10〜1000gとなるように条件を調整することが望ましい。
上記プロピレン単独重合体としては、未変性のものが着色抑止等の観点から好ましいが、本発明の効果に悪影響を及ぼさない範囲において、分子末端を官能化した官能化プロピレン単独重合体であってもよい。
官能化プロピレン単独重合体が有する官能基としては、例えば、水酸基、エポキシ基、アルコキシシリル基、アルキルシリル基、カルボキシル基、アミノ基及びイソシアナート基が挙げられる。
官能化プロピレン単独重合体が有する官能基としては、例えば、水酸基、エポキシ基、アルコキシシリル基、アルキルシリル基、カルボキシル基、アミノ基及びイソシアナート基が挙げられる。
本発明のガラス用接着剤は、前記プロピレン単独重合体のみからなるものであってもよいが、さらにエチレン系重合体、粘着付与樹脂、ワックス等を含有するものであってもよい。
本発明のガラス用接着剤は、前記プロピレン単独重合体を50質量%以上含有することが好ましく、70質量%以上含有することがより好ましく、90質量%以上含有することがさらに好ましい。
本発明のガラス用接着剤は、前記プロピレン単独重合体を50質量%以上含有することが好ましく、70質量%以上含有することがより好ましく、90質量%以上含有することがさらに好ましい。
(エチレン系重合体)
前記エチレン系重合体としては、具体的には、ポリエチレンや、エチレンと炭素数3〜10のオレフィンとの共重合体が挙げられる。接着性の観点からは、好ましくはエチレン−α−オレフィン共重合体である。α−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン,1−ペンテン,4−メチル−1−ペンテン,1−ヘキセン,1−オクテン,1−デセン,1−ドデセン,1−テトラデセン,1−ヘキサデセン,1−オクタデセン,1−エイコセン等が挙げられる。本発明においては、これらのうち一種又は二種以上を用いることができる。これらのα−オレフィンの中でも1−オクテンが好ましい。本発明に用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体は、接着性の観点から、エチレンから導かれる構成単位50〜90質量%と、α−オレフィンから導かれる構成単位を10〜50質量%含有するものが好ましい。
前記エチレン系重合体としては、具体的には、ポリエチレンや、エチレンと炭素数3〜10のオレフィンとの共重合体が挙げられる。接着性の観点からは、好ましくはエチレン−α−オレフィン共重合体である。α−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン,1−ペンテン,4−メチル−1−ペンテン,1−ヘキセン,1−オクテン,1−デセン,1−ドデセン,1−テトラデセン,1−ヘキサデセン,1−オクタデセン,1−エイコセン等が挙げられる。本発明においては、これらのうち一種又は二種以上を用いることができる。これらのα−オレフィンの中でも1−オクテンが好ましい。本発明に用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体は、接着性の観点から、エチレンから導かれる構成単位50〜90質量%と、α−オレフィンから導かれる構成単位を10〜50質量%含有するものが好ましい。
上記エチレン系重合体の融点は、耐熱クリープ性の観点から、好ましくは60〜100℃、より好ましくは60〜75℃である。エチレン系重合体の融点は、示差走査熱量測定により測定することができる。
本発明に用いられるエチレン系重合体の市販品としては、Exactシリーズ(エクソン・モービル社製)、Affinity polymerシリーズ(ダウ・ケミカル社製)等があり、より好ましくは、Affinity GA1950(ダウ・ケミカル社製)が挙げられる(いずれも商品名)。
(粘着付与樹脂)
本発明のガラス用接着剤は、粘着付与樹脂を含有してもよい。
粘着付与樹脂としては、例えば、ロジン誘導体樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール樹脂などからなる常温で固体、半固体あるいは液状のもの等を挙げることができる。これらは単独で又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明では、ベースポリマーとの相溶性を考慮して、水素添加物を用いることが好ましい。中でも、熱安定性に優れる石油樹脂の水素化物がより好ましく、脂肪族系または脂肪族を含む共重合体系炭化水素石油樹脂の水素化物が特に好ましい。
粘着付与樹脂の市販品としては、アイマーブP−125、P−100、P−140(以上、出光興産(株)製)、ユーメックス1001(三洋化成工業(株)製)、ハイレッツT1115(三井化学(株)製)、クリアロンK100(ヤスハラケミカル(株)製)、ECR227、エスコレッツ2101(以上、トーネックス(株)製)、アルコンP100(荒川化学(株)製)、Regalrez 1078(ハーキュレス(Hercules)社製)、Eastotac H−130R(イーストマン・ケミカル社製)等を挙げることができる(いずれも商品名)。
本発明のガラス用接着剤における粘着付与樹脂の含有量は、粘着性向上、塗布性、及び粘度低下による被着体への濡れ性向上の観点から、本発明のガラス用接着剤全量に対して、好ましくは20〜60質量%、より好ましくは30〜55質量%である。本発明のガラス用接着剤における粘着性付与樹脂の配合量が20質量%以上であると、粘着性が向上する。本発明のガラス用接着剤における粘着性付与樹脂の配合量が60質量%以下であると、ガラス用接着剤の接着強度が低下することはない。
本発明のガラス用接着剤は、粘着付与樹脂を含有してもよい。
粘着付与樹脂としては、例えば、ロジン誘導体樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール樹脂などからなる常温で固体、半固体あるいは液状のもの等を挙げることができる。これらは単独で又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明では、ベースポリマーとの相溶性を考慮して、水素添加物を用いることが好ましい。中でも、熱安定性に優れる石油樹脂の水素化物がより好ましく、脂肪族系または脂肪族を含む共重合体系炭化水素石油樹脂の水素化物が特に好ましい。
粘着付与樹脂の市販品としては、アイマーブP−125、P−100、P−140(以上、出光興産(株)製)、ユーメックス1001(三洋化成工業(株)製)、ハイレッツT1115(三井化学(株)製)、クリアロンK100(ヤスハラケミカル(株)製)、ECR227、エスコレッツ2101(以上、トーネックス(株)製)、アルコンP100(荒川化学(株)製)、Regalrez 1078(ハーキュレス(Hercules)社製)、Eastotac H−130R(イーストマン・ケミカル社製)等を挙げることができる(いずれも商品名)。
本発明のガラス用接着剤における粘着付与樹脂の含有量は、粘着性向上、塗布性、及び粘度低下による被着体への濡れ性向上の観点から、本発明のガラス用接着剤全量に対して、好ましくは20〜60質量%、より好ましくは30〜55質量%である。本発明のガラス用接着剤における粘着性付与樹脂の配合量が20質量%以上であると、粘着性が向上する。本発明のガラス用接着剤における粘着性付与樹脂の配合量が60質量%以下であると、ガラス用接着剤の接着強度が低下することはない。
(ワックス)
本発明のガラス用接着剤は、ワックスを含有してもよい。
ワックスとしては、例えば、動物ワックス、植物ワックス、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、木蝋、蜜蝋、鉱物ワックス、石油ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス、高級脂肪酸ワックス、高級脂肪酸エステルワックス、フィッシャー・トロプシュワックス等が挙げられる。
本発明のガラス用接着剤におけるワックスの含有量は、塗布性、及び粘度低下による被着体への濡れ性向上の観点から、ガラス用接着剤全量に対して、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%である。本発明のガラス用接着剤におけるワックスの含有量が40質量%以下であると、接着力が低下することはない。
本発明のガラス用接着剤は、ワックスを含有してもよい。
ワックスとしては、例えば、動物ワックス、植物ワックス、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、木蝋、蜜蝋、鉱物ワックス、石油ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス、高級脂肪酸ワックス、高級脂肪酸エステルワックス、フィッシャー・トロプシュワックス等が挙げられる。
本発明のガラス用接着剤におけるワックスの含有量は、塗布性、及び粘度低下による被着体への濡れ性向上の観点から、ガラス用接着剤全量に対して、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%である。本発明のガラス用接着剤におけるワックスの含有量が40質量%以下であると、接着力が低下することはない。
(添加剤)
また、本発明のガラス用接着剤は、必要に応じて可塑剤、無機フィラー、酸化防止剤、開始剤等の各種添加剤を含有してもよい。
上記可塑剤としては、ワックス、フタル酸エステル類、アジピン酸エステル類、脂肪酸エステル類、グリコール類、エポキシ系高分子可塑剤などを例示できる。
上記無機フィラーとしては、クレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸バリウムなどなどを例示できる。
上記酸化防止剤としては、トリスノニフェニルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、アデカスタブ1178((株)ADEKA製)、スタミライザーTNP(住友化学(株)製)、イルガフォス168(BASF社製)、SandstabP−EPQ(サンド社製)、等のリン系酸化防止剤、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、スミライザーBHT(住友化学(株)製)、イルガノックス1010(BASF社製)等のフェノール系酸化防止剤、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、スミライザーTPL(住友化学(株)製)、ヨシノックスDLTP(吉富製薬(製))、アンチオックスL(日油(株)製)等のイオウ系酸化防止剤などを例示できる。
また、本発明のガラス用接着剤は、必要に応じて可塑剤、無機フィラー、酸化防止剤、開始剤等の各種添加剤を含有してもよい。
上記可塑剤としては、ワックス、フタル酸エステル類、アジピン酸エステル類、脂肪酸エステル類、グリコール類、エポキシ系高分子可塑剤などを例示できる。
上記無機フィラーとしては、クレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸バリウムなどなどを例示できる。
上記酸化防止剤としては、トリスノニフェニルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、アデカスタブ1178((株)ADEKA製)、スタミライザーTNP(住友化学(株)製)、イルガフォス168(BASF社製)、SandstabP−EPQ(サンド社製)、等のリン系酸化防止剤、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、スミライザーBHT(住友化学(株)製)、イルガノックス1010(BASF社製)等のフェノール系酸化防止剤、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、スミライザーTPL(住友化学(株)製)、ヨシノックスDLTP(吉富製薬(製))、アンチオックスL(日油(株)製)等のイオウ系酸化防止剤などを例示できる。
本発明のガラス用接着剤は、硬化後のガラス用接着剤層の種々の物性(機械的強度、接着性、透明性等の光学的特性、耐熱性、耐光性、架橋速度等)の改良あるいは調整、特に機械的強度の改良のため、アクリロキシ基含有化合物、メタクリロキシ基含有化合物及び/又はエポキシ基含有化合物を含有してもよい。
また本発明のガラス用接着剤は、ガラス板とガラス板又はプラスチックフィルムとの接着力をさらに高めるために、接着向上剤として、シランカップリング剤を含有していてもよい。
また本発明のガラス用接着剤は、ガラス板とガラス板又はプラスチックフィルムとの接着力をさらに高めるために、接着向上剤として、シランカップリング剤を含有していてもよい。
(ガラス用接着剤の製造方法)
本発明のガラス用接着剤に前記プロピレン単独重合体以外の成分を含有させる場合、その製造方法は特に限定されるものではなく、必要に応じて前記プロピレン単独重合体、エチレン系重合体、粘着付与樹脂、ワックス等をドライブレンドし、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、加圧ニーダー、攪拌機を備えた溶融釜又は一軸若しくは二軸の押出機を用いて機械的に混合する方法を用いることができる。このときに、必要に応じて加熱することも可能である。また、適当な溶剤に配合材を投入し、これを攪拌することによって組成物の均一な溶液を得た後、溶剤を留去する方法も用いることができる。さらに、必要に応じ、押出機、射出成型機、及びプレス機等により該組成物を接着剤として成型することができる。
本発明のガラス用接着剤に前記プロピレン単独重合体以外の成分を含有させる場合、その製造方法は特に限定されるものではなく、必要に応じて前記プロピレン単独重合体、エチレン系重合体、粘着付与樹脂、ワックス等をドライブレンドし、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、加圧ニーダー、攪拌機を備えた溶融釜又は一軸若しくは二軸の押出機を用いて機械的に混合する方法を用いることができる。このときに、必要に応じて加熱することも可能である。また、適当な溶剤に配合材を投入し、これを攪拌することによって組成物の均一な溶液を得た後、溶剤を留去する方法も用いることができる。さらに、必要に応じ、押出機、射出成型機、及びプレス機等により該組成物を接着剤として成型することができる。
(ガラス用シーリング剤)
本発明のガラス用接着剤は、例えば自動車のドア及び嵌め込みの窓枠、あるいは車両、ビル等の窓枠に嵌め込む際に用いるガラス用シーリング剤として用いることができる。
また、特にバリヤ機能を向上させたい場合は、側面のシーリング剤層の上及びその周辺にバリヤ層を形成し、さらにその上にプライヤー層を形成することにより実現できる。
本発明のガラス用接着剤は、例えば自動車のドア及び嵌め込みの窓枠、あるいは車両、ビル等の窓枠に嵌め込む際に用いるガラス用シーリング剤として用いることができる。
また、特にバリヤ機能を向上させたい場合は、側面のシーリング剤層の上及びその周辺にバリヤ層を形成し、さらにその上にプライヤー層を形成することにより実現できる。
(ガラス成形品)
本発明のガラス用接着剤は、ガラス成形品を貼りあわせる際に使用することができる。
より具体的には、本発明のガラス用接着剤は、合わせガラスの中間膜を形成するガラス用接着剤として好適に使用することができる。
上記合わせガラスは、ガラス板と、他のガラス板又はプラスチックシートとを、本発明のガラス用接着剤を用いて貼り合わせることで製造でき、このようにして得られた合わせガラスは、本発明のガラス用接着剤からなる中間膜を有するものとなる。
合わせガラスにおける中間膜の膜厚は、10μm〜50mm程度であることが好ましく、20μm〜30mmであることがより好ましい。
本発明のガラス用接着剤は、ガラス成形品を貼りあわせる際に使用することができる。
より具体的には、本発明のガラス用接着剤は、合わせガラスの中間膜を形成するガラス用接着剤として好適に使用することができる。
上記合わせガラスは、ガラス板と、他のガラス板又はプラスチックシートとを、本発明のガラス用接着剤を用いて貼り合わせることで製造でき、このようにして得られた合わせガラスは、本発明のガラス用接着剤からなる中間膜を有するものとなる。
合わせガラスにおける中間膜の膜厚は、10μm〜50mm程度であることが好ましく、20μm〜30mmであることがより好ましい。
上記合わせガラスの製造方法としては、例えば、本発明のガラス用接着剤を、好ましくは50℃〜300℃で、より好ましくは100℃〜200℃で、さらに好ましくは110℃〜180℃で溶融してガラス板に塗布し、貼り合せる方法が挙げられる。
ガラス用接着剤を塗布する方法は特に限定されず、例えばロール塗布、ワイドスリットダイ、ナイフ塗布、点状塗布、マルチライン塗布、回転熱塗布、スワーリング法または広い面積ではメルトブロウ法もしくはエアアシステッドスプレー法でのスプレー塗布が挙げられる。塗布されたガラス板は、引き続きいわゆるオープンタイム内にもう一枚のガラス板又はプラスチックシートと貼り合わせられる。
ガラス用接着剤を塗布する方法は特に限定されず、例えばロール塗布、ワイドスリットダイ、ナイフ塗布、点状塗布、マルチライン塗布、回転熱塗布、スワーリング法または広い面積ではメルトブロウ法もしくはエアアシステッドスプレー法でのスプレー塗布が挙げられる。塗布されたガラス板は、引き続きいわゆるオープンタイム内にもう一枚のガラス板又はプラスチックシートと貼り合わせられる。
また、合わせガラスの製造方法の別の態様として、ガラス用接着剤を成型してプラスチックフィルムを積層させ、このサンドイッチ構造の積層体を脱気したのち、加熱下に押圧することも可能である。その後、所望により、プラスチックフィルム上へハードコート処理することで合わせガラスを得ることができる。あるいは、前記積層工程の後、ハードコートを塗布し、UV硬化後、加熱下押圧して合わせガラスを得ることもできる。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
合成例1
[錯体A((1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド)]
特許第4053993号公報の参考例1の記載に従って、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)を合成した。
[錯体A((1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド)]
特許第4053993号公報の参考例1の記載に従って、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)を合成した。
実施例1
(プロピレン単独重合体の製造)
撹拌機付き、内容積68m3のステンレス製反応器に、n−ヘプタンを5.2m3/h、トリイソブチルアルミニウムを0.6mol/h、さらに、ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレートと錯体Aとトリイソブチルアルミニウムとプロピレンを事前に接触させ得られた触媒成分をジルコニウムあたり0.7mmol/hで連続供給した。
重合温度85℃で気相部水素濃度を5.0mol%、反応器内の全圧を1.7MPa・Gに保つようプロピレンと水素を連続供給した。
得られた重合溶液に、イルガノックス1010(商品名、BASF社製)を、重合溶液中の含有量が1000ppmになるように添加し、溶媒を除去することにより、プロピレン単独重合体を得た。
(プロピレン単独重合体の製造)
撹拌機付き、内容積68m3のステンレス製反応器に、n−ヘプタンを5.2m3/h、トリイソブチルアルミニウムを0.6mol/h、さらに、ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレートと錯体Aとトリイソブチルアルミニウムとプロピレンを事前に接触させ得られた触媒成分をジルコニウムあたり0.7mmol/hで連続供給した。
重合温度85℃で気相部水素濃度を5.0mol%、反応器内の全圧を1.7MPa・Gに保つようプロピレンと水素を連続供給した。
得られた重合溶液に、イルガノックス1010(商品名、BASF社製)を、重合溶液中の含有量が1000ppmになるように添加し、溶媒を除去することにより、プロピレン単独重合体を得た。
上述のようにして得られたプロピレン単独重合体について、下記評価方法にてメソペンタッド分率[mmmm]、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)及び融点(Tm−D)を測定した。
〔立体規則性の評価:NMR測定〕
以下に示す装置及び条件で、13C−NMRスペクトルの測定を行った。なお、ピークの帰属は、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等により「Macromolecules,8,687(1975)」で提案された方法に従った。結果を第1表に示す。
装置:日本電子(株)製、JNM−EX400型13C−NMR装置
方法:プロトン完全デカップリング法
濃度:220mg/ml
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼンと重ベンゼンの90:10(容量比)混合溶媒
温度:130℃
パルス幅:45°
パルス繰り返し時間:4秒
積算:10,000回
〔立体規則性の評価:NMR測定〕
以下に示す装置及び条件で、13C−NMRスペクトルの測定を行った。なお、ピークの帰属は、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等により「Macromolecules,8,687(1975)」で提案された方法に従った。結果を第1表に示す。
装置:日本電子(株)製、JNM−EX400型13C−NMR装置
方法:プロトン完全デカップリング法
濃度:220mg/ml
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼンと重ベンゼンの90:10(容量比)混合溶媒
温度:130℃
パルス幅:45°
パルス繰り返し時間:4秒
積算:10,000回
<計算式>
M=m/S×100
R=γ/S×100
S=Pββ+Pαβ+Pαγ
S:全プロピレン単位の側鎖メチル炭素原子のシグナル強度
Pββ:19.8〜22.5ppm
Pαβ:18.0〜17.5ppm
Pαγ:17.5〜17.1ppm
γ:ラセミペンタッド連鎖:20.7〜20.3ppm
m:メソペンタッド連鎖:21.7〜22.5ppm
M=m/S×100
R=γ/S×100
S=Pββ+Pαβ+Pαγ
S:全プロピレン単位の側鎖メチル炭素原子のシグナル強度
Pββ:19.8〜22.5ppm
Pαβ:18.0〜17.5ppm
Pαγ:17.5〜17.1ppm
γ:ラセミペンタッド連鎖:20.7〜20.3ppm
m:メソペンタッド連鎖:21.7〜22.5ppm
メソペンタッド分率[mmmm]は、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等により「Macromolecules,6,925(1973)」で提案された方法に準拠して求めたものであり、13C−NMRスペクトルのメチル基のシグナルにより測定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのメソ分率及びラセミメソラセミメソ分率である。
〔重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)測定〕
ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)法により、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。測定には、下記の装置及び条件を使用し、ポリスチレン換算の重量平均分子量を得た。結果を第1表に示す。
<GPC測定装置>
カラム :TOSO GMHHR−H(S)HT
検出器 :液体クロマトグラム用RI検出器 WATERS 150C
<測定条件>
溶媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン
測定温度 :145℃
流速 :1.0ml/分
試料濃度 :2.2mg/ml
注入量 :160μl
検量線 :Universal Calibration
解析プログラム:HT−GPC(Ver.1.0)
ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)法により、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。測定には、下記の装置及び条件を使用し、ポリスチレン換算の重量平均分子量を得た。結果を第1表に示す。
<GPC測定装置>
カラム :TOSO GMHHR−H(S)HT
検出器 :液体クロマトグラム用RI検出器 WATERS 150C
<測定条件>
溶媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン
測定温度 :145℃
流速 :1.0ml/分
試料濃度 :2.2mg/ml
注入量 :160μl
検量線 :Universal Calibration
解析プログラム:HT−GPC(Ver.1.0)
〔融点(Tm−D)〕
示差走査型熱量計(パーキン・エルマー社製、DSC−7)を用い、試料10mgを窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップから融点(Tm−D)を求めた。結果を第1表に示す。
示差走査型熱量計(パーキン・エルマー社製、DSC−7)を用い、試料10mgを窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップから融点(Tm−D)を求めた。結果を第1表に示す。
(試験片の作製)
上記で得られたプロピレン単独重合体を、プレス成形機を用いて、ヒータ設定温度160℃で成形し、150×150mm、厚み1mmの樹脂板を作製し、ここから60×60mmを切り出し、試験片とした。
上記で得られたプロピレン単独重合体を、プレス成形機を用いて、ヒータ設定温度160℃で成形し、150×150mm、厚み1mmの樹脂板を作製し、ここから60×60mmを切り出し、試験片とした。
(試験片の評価)
上述のようにして得られた試験片について、下記評価方法にてYI(透過)、ヘイズ、全光線透過率、及び光沢を評価した。評価結果を第2表に示す。
YI(透過):JIS Z8722に準拠して測定した。
ヘイズ、全光線透過率:JIS K7136に準拠して測定した。
光沢:JIS Z8741に準拠して測定した。
上述のようにして得られた試験片について、下記評価方法にてYI(透過)、ヘイズ、全光線透過率、及び光沢を評価した。評価結果を第2表に示す。
YI(透過):JIS Z8722に準拠して測定した。
ヘイズ、全光線透過率:JIS K7136に準拠して測定した。
光沢:JIS Z8741に準拠して測定した。
(フィルムの作製)
上記で得られたプロピレン単独重合体を、メック社製ホットロールバーコーターを用いて、設定温度150℃で厚さ100μmのフィルムとした。
上記で得られたプロピレン単独重合体を、メック社製ホットロールバーコーターを用いて、設定温度150℃で厚さ100μmのフィルムとした。
(合わせガラスの作製)
ホットプレート(HPD−3000、アズワン株式会社製)を170℃に設定し、ホットプレート上にアルミホイル(三菱アルミニウム社ニッパクホイル 厚み12μm)を静置した。
次いで、アセトンで脱脂したガラス(スライドガラス、東新理興社製、26×76mm)の上に、前記フィルムを同形状に切って載せておき、その状態で両者を同時にホットプレートに載せ、2分間加熱した。尚、ガラス上面の表面温度は140℃であった。
次に他の脱脂されたスライドガラスを、溶融したフィルムの上に載せ、更に2kgの重りを載せ、1分間保持した。その後まず重りを外し、続いて貼り合わされた合わせガラスを平板上に移動させ、更に2kgの重りを再度載せた状態で2分間静置して冷却した。その後、23℃、50%RH環境下で一日放置し、本発明の合わせガラスを得た。
ホットプレート(HPD−3000、アズワン株式会社製)を170℃に設定し、ホットプレート上にアルミホイル(三菱アルミニウム社ニッパクホイル 厚み12μm)を静置した。
次いで、アセトンで脱脂したガラス(スライドガラス、東新理興社製、26×76mm)の上に、前記フィルムを同形状に切って載せておき、その状態で両者を同時にホットプレートに載せ、2分間加熱した。尚、ガラス上面の表面温度は140℃であった。
次に他の脱脂されたスライドガラスを、溶融したフィルムの上に載せ、更に2kgの重りを載せ、1分間保持した。その後まず重りを外し、続いて貼り合わされた合わせガラスを平板上に移動させ、更に2kgの重りを再度載せた状態で2分間静置して冷却した。その後、23℃、50%RH環境下で一日放置し、本発明の合わせガラスを得た。
(剥離試験)
得られた合わせガラスの端面を持ち剥離試験を実施したところ、剥離不能であり、接着強度は良好であった。
得られた合わせガラスの端面を持ち剥離試験を実施したところ、剥離不能であり、接着強度は良好であった。
比較例1
非晶性ポリアルファオレフィン(Vestoplast 750、Evonik Degussa社製)について、実施例1と同様にして重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)及び融点(Tm−D)を測定した。結果を第1表に示す。
また、実施例1において、実施例1で得られたプロピレン単独重合体に代えて、上記非晶性ポリアルファオレフィンを用いた以外は、実施例1と同様にして試験片を作製し、YI(透過)、ヘイズ、全光線透過率、及び光沢を評価した。評価結果を第2表に示す。
さらに、実施例1において、製造例1で得られたプロピレン単独重合体に代えて、非晶性ポリアルファオレフィン(Vestoplast 750、Evonik Degussa社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして合わせガラスを作製し、剥離試験を実施したところ、剥離不能であり、接着強度は良好であった。
非晶性ポリアルファオレフィン(Vestoplast 750、Evonik Degussa社製)について、実施例1と同様にして重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)及び融点(Tm−D)を測定した。結果を第1表に示す。
また、実施例1において、実施例1で得られたプロピレン単独重合体に代えて、上記非晶性ポリアルファオレフィンを用いた以外は、実施例1と同様にして試験片を作製し、YI(透過)、ヘイズ、全光線透過率、及び光沢を評価した。評価結果を第2表に示す。
さらに、実施例1において、製造例1で得られたプロピレン単独重合体に代えて、非晶性ポリアルファオレフィン(Vestoplast 750、Evonik Degussa社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして合わせガラスを作製し、剥離試験を実施したところ、剥離不能であり、接着強度は良好であった。
第2表より、実施例1で得られた本発明のガラス用接着剤は、YIが低いため着色が少なく、ヘイズが低く全光線透過率が高いため透明性に優れ、さらに光沢が高いため表面が平滑であってガラスとの界面に外観不良を生じにくく、かつガラス用接着剤として良好な接着性を示すことが確認できた。
本発明のガラス用接着剤は、自動車のフロントガラスやドアガラスとして用いられる合わせガラスを製造する際に有用である。
Claims (4)
- 下記(1)〜(3)を満たすプロピレン単独重合体を含むことを特徴とするガラス用接着剤。
(1)メソペンタッド分率[mmmm]が20〜80%である。
(2)重量平均分子量(Mw)が10,000〜500,000である。
(3)分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下である。 - 請求項1に記載のガラス用接着剤からなるガラス用シーリング剤。
- 請求項1に記載のガラス用接着剤を用いて貼り合わされたガラス成形品。
- ガラス板と、ガラス板又はプラスチックシートとが、中間膜を挟持してなる合わせガラスであって、該中間膜が請求項1に記載のガラス用接着剤からなる合わせガラス。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013269966A JP2015124298A (ja) | 2013-12-26 | 2013-12-26 | ガラス用接着剤、ガラス用シーリング剤、ガラス成形品及び合わせガラス |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017031273A (ja) * | 2015-07-30 | 2017-02-09 | 出光興産株式会社 | 低アウトガス性ホットメルト接着剤 |
-
2013
- 2013-12-26 JP JP2013269966A patent/JP2015124298A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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