JP6546386B2 - 無機フィラー及びその製造方法、樹脂組成物、及び成形品 - Google Patents

無機フィラー及びその製造方法、樹脂組成物、及び成形品 Download PDF

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Description

本発明は、粗大粒子の量が極めて少ない無機フィラー及びその製造方法、その無機フィラーを含有する樹脂組成物、及びその樹脂組成物を硬化させた成形品に関する。
電子装置を構成する半導体デバイスなどの電子部品を封止する封止材、電子部品を配設する基板、その他の精密な部材には物理的特性を向上するために、無機材料から構成されており樹脂材料に比べて熱特性、機械的特性に優れた無機フィラーを樹脂材料中に分散させた樹脂組成物を採用し、その樹脂組成物を成形、固化して成形品にすることによりそれらの部材を形成することがある。
近年、携帯型端末などの電子装置は年々高密度、高精度化が進んでおり、これらに採用する部品にも高密度、高精度であることが要求されている。そのため、封止材や基板などを構成する樹脂組成物中に含有させる無機フィラーの大きさによっては成形品の性能に大きな影響を与えるため所定以上の粒径をもつ粒子である粗大粒子の含有量を制限することが行われている。粗大粒子の含有量を制限する方法として汎用されているのは分級操作である。例えば特許文献1では粒径が50μm以上の粗大粒子を乾式にて行う篩分けにて分離・除去している。
特開2004-269636号公報
ところで、従来より粒径が5μm以上の粗大粒子の含有量を制限することが行われているが更に小さい粒径である3μmを下限とする粗大粒子の含有量を問題にする用途が現れている。粒径5μm付近でも分級は困難であるが、粒径が3μmやそれ以下の粒子を分離して除去することになると、分級の困難さに加えて分級が達成できているかどうかの評価も困難になる。
そのため、従来は3μm以上の粗大粒子を除去した無機フィラーの製造は実現されていなかった。
本発明は上記実情に鑑み完成したものであり、非常に小さい粒径を下限とする粗大粒子を除去した無機フィラー及びその製造方法、その無機フィラーを含有する樹脂組成物、及びその樹脂組成物を硬化させた成形品を提供することを解決すべき課題とする。
(1)上記課題を解決する本発明の無機フィラーは、所定粒径以上の粒径をもつ粗大粒子の個数が、0.5質量%に調製した分散液0.35μL中で10個以下であって、
体積平均粒子径が0.1μm〜3μmの無機物粒子を有し、
前記所定粒径は3μmである。
3μm以上の粒径をもつ粗大粒子の含有量を非常に少ない量に制限することによって従来よりも精密な用途に用いることが可能になった。
上述した(1)に開示の無機フィラーは以下の(2)、(4)〜(8)に記載の構成要素のうちの任意のものを加えることができる。(2)の構成を加えた場合には(3)の構成を加えることができる。なお、分散液の調製は無機フィラーを分散可能な分散媒にて行う。分散媒としては水やアルコール、ケトン系等の有機溶媒から選択することができる。
(2)粒径が2μm以上の粒子の個数が0.5質量%に調製した分散液0.35μL中で100個以下である。
(3)粒径が1μm以上の粒子の個数が0.5質量%に調製した分散液0.35μL中で3000個以下である。
(4)疎水化された表面を持ち粒子径が2〜100nmの微小粒子材料を、前記無機物粒子100質量部に対して0.01質量部〜3質量部を有する混合物である。微小粒子材料を含有させることにより混合物の流動性が向上する。その結果、粗大粒子を除去するために行う分級を精密に行うことが可能になる。
(5)前記所定粒径が2μmである。所定粒径が3μmの場合よりも製造することが困難であり、更なる精密な用途への適用が可能である。
(6)前記微小粒子材料は、一次粒子の体積平均粒径が100nm以下、嵩密度が450g/L以下であり、式(A):−OSiXで表される官能基と、式(B):−OSiYで表される官能基とを表面にもつものである。
(上記式(A)、(B)中;Xはフェニル基、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、イソシアネート基、又はアクリル基であり;X、Xは−OSiR及び−OSiYよりそれぞれ独立して選択され;YはRであり;Y、YはR及び−OSiYよりそれぞれ独立して選択される。YはRであり;Y及びYは、R及び−OSiRからそれぞれ独立して選択され;Rは炭素数1〜3のアルキル基から独立して選択される。なお、X、X、Y、Y、Y、及びYの何れかは、隣接する官能基のX、X、Y、Y、Y、及びYの何れかと−O−にて結合しても良い。)
(7)前記無機物粒子はシリカまたはアルミナである。
(8)上記課題を解決する本発明の無機フィラーの製造方法は、上述の(1)〜(7)の何れかに記載の無機フィラーを製造する製造方法であって、
前記無機物粒子と前記微小粒子材料とを混合した後、前記粗大粒子を除去する分級工程と、
前記分級工程を経た分級物に含まれる粒子の粒径を測定して0.5質量%に調製した分散液0.35μL中での前記粗大粒子の個数を算出する粗大粒子量評価工程と、
前記粗大粒子量評価工程にて算出された粗大粒子の個数が、所定の個数未満になるまで前記分級工程と前記粗大粒子量評価工程とを繰り返し行う工程と、
を有する。
分級工程を行う度にその中に粗大粒子が含まれるかどうかを判断し、粗大粒子の含有量が望む値に至るまで分級工程を繰り返すことにより必要な粗大粒子の含有量をもつ無機フィラーを容易に提供することが可能になった。
上述の(8)の発明では以下の(9)の構成を採用することが可能である。
(9)前記分級工程は、前記無機物粒子と前記微小粒子材料とを混合し、気体中に分散させた状態で遠心分級を行う工程を有する。
微小粒子材料を必須とした上で気体中にて分級することにより、湿式にて分級を行った場合に必要になり得る分級後の乾燥工程を省くことが可能になる。乾燥工程では凝集が進行することがある。すると、所定粒径以上の粗大粒子を分級工程により除去しても存在することがある。なお、凝集は緩やかな結合により生成するため、分離しやすい。そのために凝集が存在しても問題がない用途もあり得る。また、湿式での分級を採用した場合でも分級を行う際に用いる分散媒を乾燥する必要が無い場合には凝集は発生しない。
(10)上記課題を解決する本発明の樹脂組成物は上述の(1)〜(7)の何れかに記載の無機フィラーと、
前記無機フィラーを分散する硬化可能な樹脂材料と、
を有する。
(11)上記課題を解決する本発明の成形品は上述の(10)に記載の樹脂組成物を硬化させることで得られる。
(無機フィラー)
本発明の無機フィラー及びその製造方法について以下実施形態に基づいて説明する。本実施形態の無機フィラーは一般的に用いられるフィラーとしての用途に適用でき、例えば樹脂材料中に分散させて使用することができる。樹脂材料中に本実施形態の無機フィラーを分散させた樹脂組成物は電子部品の封止材、アンダーフィルや、基板などに用いることができる。
本実施形態の無機フィラーは無機物粒子からなる。必要に応じて微小粒子材料を含むことができる。本実施形態の無機フィラーは所定粒径以上の粒径をもつ粗大粒子の質量が0.5質量%に調製した分散液0.35μL中で10個未満である。所定粒径としては3μm、好ましくは2μmである。また、体積平均粒子径が0.1μm〜3μmである。
更に、粒径が2μm以上の粒子の個数が0.5質量%に調製した分散液0.35μL中で100個以下であることが好ましい。また粒径が1μm以上の粒子の個数が0.5質量%に調製した分散液0.35μL中で3000個以下であることが更に好ましい。
粗大粒子の含有量は無機フィラーを適正な分散媒(水やアルコール、ケトン系等の有機溶媒から選択)に分散させて所定粒径と同じ目開きのフィルタを通過させて、フィルタに補足されたフィラーの量を測定して換算する。更には後述の製造方法にて詳しく説明する測定工程にて行う測定方法で測定可能である。無機物粒子は一次粒子の割合が多い方が望ましい。例えば99%以上が一次粒子であることが望ましい。
・無機物粒子
無機物粒子は体積平均粒子径が0.1μm〜3μmである。体積平均粒子の好ましい上限としては1μm、1.5μm、2μmが例示でき、好ましい下限としては0.5μm、0.3μm、0.1μmが例示できる。これらの上限、下限は任意に組み合わせることができる。
無機物粒子を構成する材料は、特に限定しない。例えば金属(金属ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、鉄など)、それらの金属の酸化物、窒化物が例示できる。特にシリカやアルミナが好ましいものとして例示できる。
無機物粒子の形態としては球状、真球状、破砕物、結晶そのままなどが挙げられ特に限定しない。無機物粒子としては球状が望ましい。例えば円形度が0.9以上、0.95以上、0.99以上であることが望ましい。円形度の測定はSEMで写真を撮り、その観察される粒子の面積と周囲長から、(円形度)={4π×(面積)÷(周囲長)}で算出される値として算出する。1に近づくほど真球に近い。具体的には画像処理装置(シスメックス株式会社:FPIA−3000)を用いて100個の粒子について測定した平均値を採用する。
円形度を向上するためには溶融法、VMC法により無機物粒子を形成する手段がある。溶融法は無機物粒子を構成する材料を粉砕などにより粉末状にした後に融点以上の温度をもつ火炎中に投入することにより、粉末を溶融させることにより液化すると、表面張力によって球状化する。その後、火炎中から分離することで、その熔融物は冷却されて球状の無機物粒子が得られる。VMC法は無機物粒子を構成する材料が特定の化合物であるときに採用できる方法である。例えば無機物粒子を構成する材料が酸化物である場合に、その酸化物の酸化前の原料になる物質(酸化物が金属酸化物であるときにはその金属。金属酸化物がシリカである場合には、金属ケイ素、金属酸化物がアルミナである場合には金属アルミニウム。)を粉砕などにより粉末化して、酸素を含む雰囲気中に投入して引火させて反応させることで目的の酸化物を得る方法である。反応が爆発的に進行することにより得られる無機物が気化し、その後の冷却過程において球状化する。窒化物であれば窒素を含む雰囲気にて加熱することで、その他の化合物であれば対応する元素を含む雰囲気で反応を進行することにより球状の無機物粒子を得ることができる可能性もある。
VMC法について具体的に説明する。酸素を含む雰囲気中でバーナーにより助燃剤(炭化水素ガスなど)を燃やして化学炎を形成し、この化学炎中に金属粒子を粉塵雲が形成される程度の量投入し、爆燃を起こさせて金属酸化物粒子を得る方法である。
VMC法の作用について説明すれば以下のようになる。まず、容器中に反応ガスである酸素を含有するガスを充満させ、この反応ガス中で化学炎を形成する。次いで、この化学炎に金属粒子を投入し高濃度(例えば500g/m以上)の粉塵雲を形成する。すると、化学炎により金属粒子表面に熱エネルギーが与えられ、金属粒子の表面温度が上昇し、金属粒子表面から金属材料の蒸気が周囲に広がる。この蒸気が酸素ガスと反応して発火し火炎を生じる。この火炎により生じた熱は、更に金属粒子の気化を促進し、生じた蒸気と酸素ガスが混合され、連鎖的に発火伝播する。従って、金属粒子の粒径は小さいほど比表面積が大きくなり反応性が向上することから投入するエネルギーを少なくできる。
このように連鎖的な発火が進行することによって金属粒子自体も破壊して飛散し、火炎伝播を促す。燃焼後に生成ガスが自然冷却されることにより、金属酸化物粒子の雲ができる。得られた金属酸化物粒子は、バグフィルターや電気集塵器等により捕集される。
VMC法は粉塵爆発の原理を利用するものである。VMC法によれば、瞬時に大量の金属酸化物粒子が得られる。得られる金属酸化物粒子は、略真球状の形状をなす。投入する金属粒子の粒子径、投入量、火炎温度等を調整することにより、得られる金属酸化物粒子の粒子径分布を調整することが可能である。また、原料物質としては金属粒子単独に加えて、金属酸化物粒子も添加することができる。同時に投入する金属酸化物粒子は本方法により得られる金属酸化物粒子を採用することで得られる金属酸化物粒子の純度を保つことができる。金属粒子は表面処理を行うことができる。表面処理は疎水性基(アルキル基など)をもつ表面処理剤を用い表面に導入する反応が採用可能である。
無機物粒子は表面処理を行ってもよい。表面処理は表面処理剤を溶媒に溶解させずにそのまま無機粒子の表面に接触させて行う。表面処理剤としては後述する微小粒子材料について記載したものと同じ表面処理剤が採用できる。
・微小粒子材料(シリカ粒子を例として説明する。以下適宜「微小粒子材料」を「シリカ粒子」と称することがある)
微小粒子材料は所定の粒径範囲をもつ粒子である。微小粒子材料としては粒径が2nm〜100nmである。本実施形態の無機フィラーではこの粒径範囲をもつ粒子が全体の質量を基準として所定の割合で含まれる。微小粒子材料はこの範囲の粒径をもつことにより無機材料の流動性を向上できる。微小粒子材料は、特に一次粒子の大きさの上限が100nmであることが望ましい。下限としては10nmが望ましい。粒径の好ましい上限として、100nm、70nm、50nm、30nm、20nmが挙げられる。また、好ましい下限として、10nmが挙げられる。
微小粒子材料は無機物粒子100質量部に対して0.01質量部〜3質量部になるように混合することが望ましい。また、下限としては0.01質量部、0.05質量部、0.1質量部、0.2質量部、0.3質量部、0.5質量部が例示でき、上限としては3質量部、2.5質量部、2質量部、1.5質量部が例示できる。これらの上限・下限は任意に組み合わせ、又は、上限下限の何れかのみの採用を行うことが可能である。
微小粒子材料は疎水化された表面をもつ。ここで、疎水化された表面をもつかどうかは微小粒子材料を構成する材料自身と比べて疎水化されていれば充分である。疎水化の好ましい程度としては、疎水化度が20%以上であり、更には40%以上であることがより望ましい。疎水化度をこの範囲にすることにより、自身で凝集してしまうことが抑制でき、無機材料の表面への付着性が向上する。結果、無機材料からなる粒子の流動性を向上できる。
疎水化度の測定は以下の通りである。フラスコに攪拌子入れ、イオン交換水50mlを計量し水面に試料0.2gを静かに浮かせる。攪拌子を回転させ、メタノールを試料に直接かからないよう静かに滴下する。全ての試料が水面から沈降したときのメタノール量から疎水化度を算出する。
(疎水化度:%)=100×(メタノール滴下量(mL))÷(50mL+メタノール滴下量(mL))
表面を疎水化し、粉体流動性の値を低下する手段については特に限定しないが、以下の官能基を表面に導入する方法が例示できる。なお、以下の官能基の導入が行われていたり、表面処理が行われていたりする場合には前述の疎水化度の値に関わらず、表面が疎水化されているものとして扱う。
微小粒子材料は、式(A):−OSiXで表される官能基と、式(B):−OSiYで表される官能基とを表面にもつことが望ましい。(上記式(A)、(B)中;Xはフェニル基、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、イソシアネート基、又はアクリル基であり;X、Xは−OSiR及び−OSiYよりそれぞれ独立して選択され;YはRであり;Y、YはR及び−OSiYよりそれぞれ独立して選択される。YはRであり;Y及びYは、R及び−OSiRからそれぞれ独立して選択され;Rは炭素数1〜3のアルキル基から独立して選択される。なお、X、X、Y、Y、Y、及びYの何れかは、隣接する官能基のX、X、Y、Y、Y、及びYの何れかと−O−にて結合しても良い。)
嵩密度が450g/L以下であることが望ましい。本明細書における嵩密度の測定は筒井理化学器械(株)製:電磁振動式カサ密度測定器(MVD−86型)を使用して行う。具体的には試料槽としての上部500μm篩に測定対象のサンプルを投入し、加速度4Gの条件で電磁振動により上部・下部の2つの500μm篩を通してサンプルを分散させ100mLの試料容器に落下投入した後、質量を測定し、その質量と体積とからかさ密度を算出した。自重による嵩密度の低下を防止するため測定は落下投入後1時間以内に実施する。
嵩密度の好ましい上限としては400g/L、370g/L、350g/L、300g/L、280g/L、250g/Lが挙げられる。好ましい下限としては100g/Lが挙げられる。嵩密度をこれら上限よりも下の値にすることにより一次粒子の分離がより確実に行われる。また、嵩密度をこれら下限よりも上の値にすることで嵩が小さく取り扱いやすくなる。
微小粒子材料がシリカから形成される場合には所定の粒度分布を持つ原料シリカ粒子を解砕することにより製造される。必要に応じて表面処理などを行うことができる。解砕工程は原料シリカ粒子を概ね一次粒子に近い状態になるまで(一次粒子になっているかどうかは後述の判定方法にて判定する)行う。
解砕工程は特に方法は問わない。好ましくは凝集体の凝集を分離する程度の作用が加えられる方法が良く、凝集体を構成する一次粒子を破壊するような方法でない方が良い。例えば乾燥状態で行う粉砕に類する方法にて行うことができ、ジェットミル、ピンミル、ハンマーミルが例示できる。特に望ましくはジェットミルにて行う。工程の終期は原料シリカ粒子の嵩密度の値から判断する。適正な嵩密度後としては先述した範囲内から選択できる。ジェットミルは原料シリカ粒子を気流に乗せて粉砕を行う装置である。ジェットミルの種類は問わない。ジェットミルによる解砕は乾式にて行うことが望ましい。
原料シリカ粒子は一次粒径の体積平均粒径が100nm以下である。その他、上限としては70nm、50nmが挙げられる。原料シリカ粒子の製造方法は特に限定しない。例えば水ガラス法、アルコキシド法、VMC法が例示でき、水ガラス法を採用することが望ましい。水ガラス法は水ガラスに対して、イオン交換、化学反応による置換基の導入・脱離、pHや温度などの制御などを行うことにより原料シリカ粒子を析出させる方法である。例えば、水ガラスをイオン交換樹脂でイオン交換することによって、ナノメートルオーダーのシリカ粒子が分散された水性スラリーを調製することができる。原料シリカ粒子を構成する二次粒子の粒径は特に限定しないが、体積平均粒径が10μm以上、100μm以上などの値を示すこともある。更に、金属ケイ素をアルカリ溶液などに溶解させた後に析出させることで(水ガラス法類似の方法)、原料シリカ粒子を製造することが出来る。
原料シリカ粒子の調製には前処理工程を適用する。前処理工程は表面処理工程と液状媒体を除去する工程(固形化工程)とをもつ。表面処理工程は水を含む液状媒体(水、水の他にアルコールなどを含むもの)中でシランカップリング剤およびオルガノシラザンによって表面処理する工程である。シランカップリング剤は、3つのアルコキシ基と、フェニル基、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、イソシアネート基、又はアクリル基とをもつ。シランカップリング剤とオルガノシラザンとのモル比は、(シランカップリング剤):(オルガノシラザン)=1:2〜1:10である。
表面処理工程は、前述のシランカップリング剤で処理する第1の処理工程と、その後、オルガノシラザンで処理する第2の処理工程と、をもつ。
表面処理工程は、上述の方法にて得られたシリカ粒子に対して、式(A):−OSiXで表される官能基と、式(B):−OSiYで表される官能基とが表面に結合した原料シリカ粒子を得る工程である。以下、式(A)で表される官能基を第1の官能基と呼び、式(B)で表される官能基を第2の官能基と呼ぶ。
第1の官能基におけるXは、フェニル基、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、イソシアネート基、又はアクリル基である。X、Xは、それぞれ、−OSiR又は−OSiYである。YはRである。Y、Yは、それぞれ、R又は−OSiRである。
第2の官能基におけるYはRである。Y、Yは、それぞれ、−OSiR又は−OSiYである。
第1の官能基および第2の官能基に含まれる−OSiRが多い程、原料シリカ粒子の表面にRを多く持つ。第1の官能基および第2の官能基に含まれるR(炭素数1〜3のアルキル基)が多い程、原料シリカ粒子は凝集し難い。
第1の官能基に関していえば、X、Xがそれぞれ−OSiRである場合に、Rの数が最小となる。また、XおよびXがそれぞれ−OSiYであり、かつ、Y、Yがそれぞれ−OSiRである場合に、Rの数が最大となる。
第2の官能基に関していえば、Y、Yがそれぞれ−OSiRである場合に、Rの数が最小となる。また、YおよびYがそれぞれ−OSiYであり、かつ、Y、Yがそれぞれ−OSiRである場合に、Rの数が最大となる。
第1の官能基に含まれるXの数、第1の官能基に含まれるRの数、第2の官能基に含まれるRの数は、RとXとの存在数比や、原料シリカ粒子の粒径や用途に応じて適宜設定すれば良い。
なお、X、X、Y、Y、Y、及びYの何れかは、隣接する官能基のX、X、Y、Y、Y、及びYの何れかと−O−にて結合しても良い。例えば、第1の官能基のX、X、Y、及びYの何れかが、この第1の官能基に隣接する第1の官能基のX、X、Y、及びYの何れかと−O−にて結合していても良い。同様に、第2の官能基のY、Y、Y、及びYの何れかが、この第2の官能基に隣接する第2の官能基のY、Y、Y、及びYの何れかと−O−にて結合していても良い。さらには、第1の官能基のX、X、Y、及びYの何れかが、この第1の官能基に隣接する第2の官能基のY、Y、Y、及びYの何れかと−O−にて結合していても良い。
原料シリカ粒子において、第1の官能基と第2の官能基との存在数比が1:12〜1:60であれば、原料シリカ粒子の表面にXとRとがバランス良く存在する。このため、第1の官能基と第2の官能基との存在数比が1:12〜1:60である原料シリカ粒子は、樹脂に対する親和性および凝集抑制効果に特に優れる。また、Xが原料シリカ粒子の単位表面積(nm)あたり0.5〜2.5個であれば、原料シリカ粒子の表面に充分な数の第1の官能基が結合し、第1の官能基および第2の官能基に由来するRもまた充分な数存在する。したがってこの場合にも、樹脂に対する親和性および原料シリカ粒子の凝集抑制効果が充分に発揮される。
何れの場合にも、原料シリカ粒子の単位表面積(nm)あたりのRは、1個〜10個であるのが好ましい。この場合には、原料シリカ粒子の表面に存在するXの数とRの数とのバランスが良くなり、樹脂に対する親和性および原料シリカ粒子の凝集抑制効果との両方がバランス良く発揮される。
原料シリカ粒子においては、シリカ粒子の表面に存在していた水酸基の全部が第1の官能基または第2の官能基で置換されているのが好ましい。第1の官能基と第2の官能基との和が、原料シリカ粒子の単位表面積(nm)あたり2.0個以上であれば、原料シリカ粒子において、シリカ粒子の表面に存在していた水酸基のほぼ全部が第1の官能基または第2の官能基で置換されているといえる。
原料シリカ粒子は、表面にRを持つ。これは、赤外線吸収スペクトルによって確認できる。詳しくは、原料シリカ粒子の赤外線吸収スペクトルを固体拡散反射法で測定すると、2962±2cm−1にC−H伸縮振動の極大吸収がある。
また、上述したように原料シリカ粒子は凝集し難い。
なお、原料シリカ粒子は、例え僅かに凝集した場合にも、超音波処理することによって再度分散可能である。詳しくは、原料シリカ粒子をメチルエチルケトンに分散させたものに、発振周波数39kHz、出力500Wの超音波を照射することで、原料シリカ粒子を実質的に一次粒子にまで分散できる。このときの超音波照射時間は10分間以下で良い。原料シリカ粒子が一次粒子にまで分散したか否かは、粒度分布を測定することで確認できる。詳しくは、この原料シリカ粒子のメチルエチルケトン分散材料をマイクロトラック装置等の粒度分布測定装置で測定し、原料シリカ粒子の粒度分布があれば、原料シリカ粒子が一次粒子にまで分散したといえる。
原料シリカ粒子は、水を含む液状媒体中で、シランカップリング剤およびオルガノシラザンによってシリカ粒子を表面処理する工程(表面処理工程)にて処理される。シランカップリング剤は、3つのアルコキシ基と、フェニル基、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、イソシアネート基、又はアクリル基(すなわち上記のX)とを持つ。前述のN-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシランを採用することを妨げない。
シランカップリング剤で表面処理することで、シリカ粒子の表面に存在する水酸基がシランカップリング剤に由来する官能基で置換される。シランカップリング剤に由来する官能基は式(3);−OSiXで表される。式(3)で表される官能基を第3の官能基と呼ぶ。第3の官能基におけるXは式(A)で表される官能基におけるXと同じである。X、Xは、それぞれ、アルキコキシ基である。オルガノシラザンで表面処理することで、第3の官能基のX、Xがオルガノシラザンに由来する−OSiY(式(B)で表される官能基、第2の官能基)で置換される。シリカ粒子の表面に存在する水酸基の全てが第3の官能基で置換されていない場合には、シリカ粒子の表面に残存する水酸基が第2の官能基で置換される。このため、表面処理された原料シリカ粒子の表面には、式(A):−OSiXで表される官能基(すなわち第1の官能基)と、式(B):−OSiYで表される官能基と(すなわち第2の官能基)が結合する。なお、シランカップリング剤とオルガノシラザンとのモル比は、シランカップリング剤:オルガノシラザン=1:2〜1:10であるため、得られた原料シリカ粒子における第1の官能基と第2の官能基との存在数比は理論上1:12〜1:60となる。
表面処理工程においては、シリカ粒子をシランカップリング剤及びオルガノシラザンで同時に表面処理しても良い。または、先ずシリカ粒子をシランカップリング剤で表面処理し、次いでオルガノシラザンで表面処理しても良い。または、先ずシリカ粒子をオルガノシラザンで表面処理し、次いでシランカップリング剤で表面処理し、さらにその後にオルガノシラザンで表面処理しても良い。何れの場合にも、シリカ粒子の表面に存在する水酸基全てが第2の官能基で置換されないように、オルガノシラザンの量を調整すれば良い。なお、シリカ粒子の表面に存在する水酸基は、全てが第3の官能基で置換されても良いし、一部のみが第3の官能基で置換され、他の部分が第2の官能基で置換されても良い。第3の官能基に含まれるX、Xは、全て第2の官能基で置換されるのが良い。
なお、オルガノシラザンの一部を、第2のシランカップリング剤で置き換えても良い。第2のシランカップリング剤としては、3つのアルコキシ基と、1つのアルキル基とを持つものを用いることができる。この場合には、第3の官能基に含まれるX、Xが、第2のシランカップリング剤に由来する第4の官能基で置換される。第4の官能基は式(4);−OSiYで表される。Yは第2の官能基におけるYと同じRであり、X、Xはそれぞれアルコキシ基または水酸基である。第4の官能基に含まれるX、Xは、オルガノシラザンに由来する第2の官能基で置換されるか、または、別の第4の官能基で置換される。この場合には、原料シリカ粒子の表面に存在するRの量をさらに多くする事ができる。なお、オルガノシラザンの一部を、第2のシランカップリング剤に置き換える場合、第2のシランカップリング剤で表面処理した後に、再度オルガノシラザンで表面処理する必要がある。第4の官能基に含まれるX、Xを、最終的にはオルガノシラザンに由来する第2の官能基で置換するためである。
オルガノシラザンの一部を第2のシランカップリング剤で置き換える場合、上述した第1の官能基に含まれるX、Xは、オルガノシラザンに由来する第2の官能基で置換されるか、第2のシランカップリング剤に由来する第4の官能基で置換される。X、Xが第4の官能基で置換された場合、第4の官能基に含まれるX、Xは、第2の官能基で置換されるか、別の第4の官能基によって置換される。第4の官能基に含まれるX、Xが別の第4の官能基によって置換された場合、第4の官能基に含まれるX、Xは、第2の官能基で置換される。このため第2のシランカップリング剤は、第1のカップリング剤及びオルガノシラザンのみで表面処理する場合(オルガノシラザンを第2のシランカップリング剤で置き換えなかった場合)に設定されるオルガノシラザンの量(a)molに対して、最大限5a/3mol置き換えることができる。この場合に必要になるオルガノシラザンの量は、8a/3molである。
シランカップリング剤および第2のシランカップリング剤のアルコキシ基は特に限定しないが、比較的炭素数の小さなものが好ましく、炭素数1〜12であることが好ましい。アルコキシ基の加水分解性を考慮すると、アルコキシ基はメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基の何れかであることがより好ましい。
シランカップリング剤として、具体的には、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
オルガノシラザンとしては、シリカ粒子の表面に存在する水酸基およびシランカップリング剤に由来するアルコキシ基を、上述した第2の官能基で置換できるものであれば良いが、分子量の小さなものを用いるのが好ましい。具体的には、テトラメチルジシラザン、ヘキサメチルジシラザン、ペンタメチルジシラザン等が挙げられる。
第2のシランカップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
なお、表面処理工程において、シランカップリング剤の重合や第2のシランカップリング剤の重合を抑制するため、重合禁止剤を加えても良い。重合禁止剤としては、3,5−ジブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)、p−メトキシフェノール(メトキノン)等の一般的なものを用いることができる。
原料シリカ粒子は、表面処理工程後に固形化工程を備えても良い。固形化工程は、表面処理後の原料シリカ粒子を鉱酸で沈殿させ、沈殿物を水で洗浄・乾燥して、原料シリカ粒子の固形物を得る工程である。上述したように、一般的なシリカ粒子は非常に凝集し易いため、一旦固形化したシリカ粒子を再度分散するのは非常に困難である。しかし、原料シリカ粒子は凝集し難いため、固形化しても凝集し難く、また、例え凝集しても再分散し易い。なお、洗浄工程においては、原料シリカ粒子の抽出水(詳しくは、シリカ粒子を121℃で24時間浸漬した水)の電気伝導度が50μS/cm以下となるまで、洗浄を繰り返すのが好ましい。
固形化工程で用いる鉱酸としては塩酸、硝酸、硫酸、リン酸などが例示でき、特に塩酸が望ましい。鉱酸はそのまま用いても良いが、鉱酸水溶液として用いるのが好ましい。鉱酸水溶液における鉱酸の濃度は0.1質量%以上が望ましく、0.5質量%以上が更に望ましい。鉱酸水溶液の量は、洗浄対象である原料シリカ粒子の質量を基準として6〜12倍程度にすることができる。
鉱酸水溶液による洗浄は複数回数行うことも可能である。鉱酸水溶液による洗浄は原料シリカ粒子を鉱酸水溶液に浸漬後、撹拌することが望ましい。また、浸漬した状態で1時間から24時間、更には72時間程度放置することができる。放置する際には撹拌を継続することもできるし、撹拌しないこともできる。鉱酸含有液中にて洗浄する際には常温以上に加熱することもできる。
その後、洗浄して懸濁させた原料シリカ粒子をろ取した後、水にて洗浄する。使用する水はアルカリ金属などのイオンを含まない(例えば質量基準で1ppm以下)ことが望ましい。例えば、イオン交換水、蒸留水、純水などである。水による洗浄は鉱酸水溶液による洗浄と同じく、原料シリカ粒子を分散、懸濁させた後、ろ過することもできるし、ろ取した原料シリカ粒子に対して水を継続的に通過させることによっても可能である。水による洗浄の終了時期は、上述した抽出水の電気伝導度で判断しても良いし、原料シリカ粒子を洗浄した後の排水中のアルカリ金属濃度が1ppm以下になった時点としても良いし、抽出水のアルカリ金属濃度が5ppm以下になった時点としても良い。なお、水で洗浄する際には常温以上に加熱することもできる。
原料シリカ粒子の乾燥は、常法により行うことができる。例えば、加熱や、減圧(真空)下に放置する等である。
(無機フィラーの製造)
無機フィラーの製造は前記無機物粒子と前記微小粒子材料とを混合した後、前記粗大粒子を除去する分級工程と、前記分級工程を経た分級物に含まれる粒子の粒径を測定して0.5質量%に調製した分散液0.35μL中で前記粗大粒子の個数を算出する粗大粒子量評価工程と、前記粗大粒子量評価工程にて算出された粗大粒子の個数が、所定の個数未満になるまで前記分級工程と前記粗大粒子量評価工程とを繰り返し行う工程とを有する。これらの工程を行うことで粗大粒子の個数を制御した無機フィラーを得ることができる。ここで所定の個数とは前述した無機フィラーにて説明した個数を採用することができる。
・分級工程
分級工程を行う前に無機物粒子と微小粒子材料とを前述の比率にて混合する。その後、分級操作を行う。この混合から分級操作までは湿式・乾式を問わず行うことができる。分級操作は遠心分級、篩分けなどにより行うことができる。遠心分級は旋回しながら旋回中心に向けて移動する気体などの流体中に混合物を投入して行う。原理的にはある粒径を境に旋回流の中心に移動するか、外側に移動するかに別れることとなる。このある粒径は流体の移動速度と旋回速度との大きさを調節することにより制御可能である。ここで、流体の移動速度と旋回速度とは双方共に大きくできれば分級精度を向上することが可能であるが、本発明のように微小粒子材料の添加を行わないと、大きくした遠心力によって分級設備への無機物粒子の付着と詰まりが発生することで気流の乱れや閉塞が発生し粗大粒子を効果的に除去できなかった。
分級を篩にて行う場合としては所定の目開きをもつ篩により粗大粒子を除去することができる。所定の目開きとしては5μm、4.5μm、4μm、3.5μm、3μm、2.5μm、2μm、1.5μm、1μm、0.5μmなどが挙げられる。篩の目開きとしては目開きの大きなものから小さなものに順次変えることもできる。その場合には対応する目開き毎に粗大粒子の存在する個数を評価することができる。
・粗大粒子量評価工程
粗大粒子量評価工程は分級工程を経た分級物に含まれる粗大粒子の個数を測定する工程である。従来の測定方法としては篩法があるが5μm未満の目開きでは開口率が非常に低く、分級物を得ることが難しいため実施困難であった。粗大粒子法評価として画像解析による方法を実施した。画像解析による方法としては、赤外から紫外領域にいたる光を光学的に検出する光学式にて撮影した画像や、SEMやTEMなどの光学的な原理以外の方法で得られた画像を用いることができる。
本実施形態では一例として画像処理装置(シスメックス株式会社:FPIA−3000S)を用いた評価方法を記載する。粗大粒子量評価工程は、分級物について濃度が0.5質量%となるよう液中に分散させた分散液を形成する第1工程と、FPIAを用いて粒子を個別に撮影して解析する第2工程とを有する。本測定条件として0.5質量%分散液0.35μL中に含まれる粒子について粒径を測定し画像解析を実施した。
第1工程では分級工程を経た分級物の一部を液中に分散させた分散液を形成する。分散させる液体としては特に限定しない。無機物粒子と微小粒子材料とに親和性をもつ溶媒が望ましい。例えばイソプロパノールなどのアルコール系溶媒、ヘキサンなどのアルカン系溶媒、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒が挙げられる。分散させる場合には超音波照射、撹拌、振動などにより均一に分散させる。分散液の濃度は0.5質量%と限定する。濃度が高いと粒子の個数が多くなり他の粒子を重なりが生じ正確な粒子撮影が困難となり、濃度が低い場合では評価に必要な十分な粒子数を得るためには測定時間が非常にかかってしまう。
第2工程ではFPIAを用いて粒子を個別に撮影し画像解析により所定の粒子径以上の個数をカウントした。
本粗大粒子量評価工程では3μm未満の微小粒子を撮影するため、対物レンズは20倍率のレンズを使用し撮像倍率は40倍の設定値とする。倍率が不十分な場合は微小粒子が正確に撮影されず評価の信頼性が損なわれる。画像から粒径を算出する方法は特に限定しない。
第2工程としてはその他にも細胞の分析に用いられるフローサイトメーターに類似の原理にて測定を行う方法を採用することができる。粉粒体を分散させた分散液をシース液の流れに乗せることで粉粒体を構成する粒子を1つ1つ分離した状態にて狙った位置に高速で導くことが可能になるため、1つ1つの粒子を高速に観察することができる。
・分級工程と粗大粒子量評価工程とを繰り返し行う工程
粗大粒子量評価工程で得られた粒子の粒径から、所定粒径以上の粒子の数がどの程度の割合で存在するかを算出する。この値が目的の値以下になるまで前述の分級工程を繰り返し行う。
(樹脂組成物)
本発明の樹脂組成物について以下詳細に説明を行う。本実施形態の樹脂組成物は上述の無機フィラーと樹脂材料とを有する。この樹脂組成物は後に硬化可能であり、半導体素子の封止材、基板に好適に利用できる。
樹脂材料は最終的な樹脂組成物の状態で流動性を発現できるものが採用できる。樹脂材料は1以上の化合物を含み、加熱により溶融して流動性を発現するもの(熱可塑性樹脂など)、最初は液状であって反応により固化するもの(熱硬化性樹脂など)の何れであっても良い。好ましい樹脂材料としてはエポキシ樹脂と硬化剤との組み合わせが例示できる。
無機フィラーと樹脂材料との混合割合としては特に限定しないが、微小粒子材料の混合による流動性向上の結果、大量の無機フィラーを含有させることが可能になった。例えば全体の質量を基準としてフィラーが60%以上、更には75%以上、80%以上含有させることができる。上限としては特に限定しないが95%、90%、85%程度が挙げられる。これらの上限値下限値は任意に組み合わせることができる。
(成形体)
本発明の成形体は上述する樹脂組成物を硬化させたものである。上述したように半導体素子の封止体、基板などが例示できる。
本発明の無機フィラー、樹脂組成物、成形体について実施例に基づき詳細に説明を行う。
無機物粒子としてシリカとアルミナとを用いた。シリカは体積平均粒径が0.5μm〜6μmのものを用い、アルミナは体積平均粒径が0.6μmのものを用いた。無機物粒子についてそれぞれの粉体流動性の値を表1に示す。
Figure 0006546386
表1ではこれらの無機物粒子と上述の微小粒子との混合比率も合わせて示す。微小粒子材料としては粒径10nmフェニルシラン処理品(アドマテックス社製)、粒径10nmビニルシラン処理品(アドマテックス社製)、粒径10nmメタクリルシラン処理品(アドマテックス社製)、50nmフェニルシラン処理品(アドマテックス社製)のものを用いた。
無機物粒子と微小粒子を混合し粉粒体の表面にシリカ粒子を付着させることで各試験例の粉粒体を得た。混合物の粉体流動性も表1に示した。
これらの無機物粒子と上述の微小粒子とを混合した後、適正な分散媒(水やアルコール、ケトン系等の有機溶媒から選択)に分散させて目開き5μmの篩を通過させ、篩に捕捉された材料の乾燥質量を測定した。結果を表1に併せて示す。
更に、表面が疎水化されていない微小粒子材料としてトクヤマ社製アエロジルMT−10(体積平均粒径15nm)を添加した無機フィラーについて評価を行った結果、乾式では篩を通過させることができなかった。
試験例2−1〜2−6については通過しない部分があった。試験例2−7については分散媒(水やアルコール、ケトン系等の有機溶媒から選択)中に分散させた状態で上述の篩を通過させたところ全部通過したが、分散媒を除去・乾燥した結果、凝集してしまった。
フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの何れについても粗大粒子の量が少なくできた。
・無機物粒子の粉体流動性における微小粒子材料添加量依存性の検討
無機物粒子として粒径の異なるシリカ粒子について微小粒子材料を添加する量により粉体流動性の値がどのように変化するかを調べた。結果を表2に示す。シリカ粒子としては粒径0.3μm(アドマテックス社製:SO−C1)、0.5μm(アドマテックス社製:SO−C2)、1μm(アドマテックス社製:SO−C4)、2μm(アドマテックス社製:SO−C6)のものを用いた。微小粒子材料としては体積平均粒径が10nm、表面処理剤がフェニルトリメトキシシラン(微小粒子材料A)とした。比較のために表面が疎水化されていない微小粒子材料(微小粒子材料B:トクヤマ社製アエロジルMT−10)を用いた結果を併せて示す。
Figure 0006546386
それぞれの無機物粒子に対して微小粒子材料の添加量を増加させるにつれて粉体流動性の値が小さくなっていく傾向にあることが分かった。特に添加量が1%未満の領域において急激な粉体流動性の値の低下が認められた。なお、表面が疎水化されていない微小粒子材料については粉体流動性の値の低下の程度は疎水化された表面をもつ微小粒子材料に比べて緩やかであった。
(分級試験)
無機物粒子として、VMC法で製造したシリカ粒子を用いて以下の試験を行った。シリカ粒子は試験例A−1〜B−3が0.3μm、B-4が0.5μmである。
・無機フィラーの調製
目開き5μmの篩を通過させたものを試験例A−1の試験試料とした。
試験例B−1〜B−4それぞれの分級条件は試験例B−1が公称2μmフィルターを通過させたもの、試験例B−2が公称1μmフィルターを通過させたもの、試験例B−3が公称1μmフィルターを複数回通過させたもの、B−4が公称3μmフィルターを通過させたものとした。
・粒径の測定
各試験例の試験試料から500gを採取した。採取した500gの中から固形分0.3gを量り取り、0.5質量%の濃度(全体で60g)になるようにメチルエチルケトン中に分散させて分散液とした。分散は超音波ホモジナイザーにて30分間超音波を照射することにより行った。この分散液を0.035μLずつ10回粒径を測定した。解析結果を表3に示す。
Figure 0006546386
表3より明らかなように、試験例A−1では3μm以上の粒径をもつ粗大粒子が多数検出されたのに対して、試験例B−1〜B−4では3μm以上の粒径をもつ粗大粒子は検出されず、試験例B−1〜B−3では2μm以上の粒径をもつ粗大粒子も検出されなかった。更に試験例B−1〜B−4では1μm以上の粒径をもつ粒子についても試験例A−1と比べて少ないものだった。また、試験例B−3では1μm以上の粒径をもつ粒子も殆ど含有していなかった。

Claims (10)

  1. 3μm以上の粒径をもつ粗大粒子の個数が0.5質量%に調製したメチルエチルケトンを分散媒とする分散液0.35μL中で10個以下の無機フィラーであって、
    体積平均粒子径が0.1μm〜3μmの無機物粒子と、
    疎水化された表面を持ち、それぞれの粒子の粒子径が2〜100nmである微小粒子材料とを有し、
    前記微小粒子材料の含有量は、前記無機物粒子100質量部に対して0.1質量部超、3質量部以下であり、
    乾燥状態であり、
    下記(1)又は(2)を満たす無機フィラー。
    (1)前記微小粒子材料はシリカから構成され、前記無機物粒子を構成する無機物は、金属ケイ素、金属アルミニウム、金属チタン、金属ジルコニウム、金属鉄、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化鉄、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化チタン、窒化ジルコニウム、及び窒化鉄から選択される。
    (2)前記無機物粒子を構成する無機物は、前記微小粒子材料を構成する無機物と同じであり、前記微小粒子材料の表面は、前記無機物粒子よりも疎水化度が高い。
  2. 粒径が2μm以上の粒子の個数が0.5質量%に調製したメチルエチルケトンを分散媒とする分散液0.35μL中で100個以下である請求項1に記載の無機フィラー。
  3. 粒径が1μm以上の粒子の個数が0.5質量%に調製したメチルエチルケトンを分散媒とする分散液0.35μL中で3000個以下である請求項2に記載の無機フィラー。
  4. 粒径が2μm以上の粒子の個数が0.5質量%に調製したメチルエチルケトンを分散媒とする分散液0.35μL中で10個以下である請求項1〜3の何れか1項に記載の無機フィラー。
  5. 前記微小粒子材料は、一次粒子の体積平均粒子径が100nm以下、嵩密度が450g/L以下であり、式(A):−OSiXで表される官能基と、式(B):−OSiYで表される官能基とを表面にもつものである請求項1〜4の何れか1項に記載の無機フィラー。
    (上記式(A)、(B)中;Xはフェニル基、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、イソシアネート基、又はアクリル基であり;X、Xは−OSiR及び−OSiYよりそれぞれ独立して選択され;YはRであり;Y、YはR及び−OSiYよりそれぞれ独立して選択される。YはRであり;Y及びYは、R及び−OSiRからそれぞれ独立して選択され;Rは炭素数1〜3のアルキル基から独立して選択される。なお、X、X、Y、Y、Y、及びYの何れかは、隣接する官能基のX、X、Y、Y、Y、及びYの何れかと−O−にて結合しても良い。)
  6. 前記無機物粒子はシリカまたはアルミナである請求項1〜5の何れかに記載の無機フィラー。
  7. 体積平均粒子径が0.1μm〜3μmの無機物粒子をVMC法により製造する製造工程と、
    疎水化された表面を持ち、それぞれの粒子の粒子径が2〜100nmである微小粒子材料と前記無機物粒子とを混合した後、3μm以上の粒子径をもつ粗大粒子を乾式にて除去する分級工程と、
    前記分級工程を経た分級物に含まれる粒子の粒径を測定して0.5質量%に調製したメチルエチルケトンを分散媒とする分散液0.35μL中で前記粗大粒子の個数を算出する粗大粒子量評価工程と、
    前記粗大粒子量評価工程にて算出された前記粗大粒子の個数が、10個以下になるまで前記分級工程と前記粗大粒子量評価工程とを繰り返し行う工程と、
    を有する無機フィラーの製造方法。
  8. 前記分級工程は、前記無機物粒子と前記微小粒子材料とを混合し、気体中に分散させた状態で遠心分級を行う工程を有する請求項7に記載の無機フィラーの製造方法。
  9. 請求項1〜6の何れかに記載の無機フィラーと、
    前記無機フィラーを分散する硬化可能な樹脂材料と、
    を有する樹脂組成物。
  10. 請求項に記載の樹脂組成物を硬化させることで得られる成形品。
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