JP5042806B2 - 金属酸化物微粒子の製造方法、金属酸化物微粒子の評価方法及び金属酸化物微粒子 - Google Patents

金属酸化物微粒子の製造方法、金属酸化物微粒子の評価方法及び金属酸化物微粒子 Download PDF

Info

Publication number
JP5042806B2
JP5042806B2 JP2007334749A JP2007334749A JP5042806B2 JP 5042806 B2 JP5042806 B2 JP 5042806B2 JP 2007334749 A JP2007334749 A JP 2007334749A JP 2007334749 A JP2007334749 A JP 2007334749A JP 5042806 B2 JP5042806 B2 JP 5042806B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coarse
metal oxide
oxide fine
particles
particle size
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007334749A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009155155A (ja
Inventor
敏行 榎並
武 楊原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Admatechs Co Ltd
Original Assignee
Admatechs Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Admatechs Co Ltd filed Critical Admatechs Co Ltd
Priority to JP2007334749A priority Critical patent/JP5042806B2/ja
Publication of JP2009155155A publication Critical patent/JP2009155155A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5042806B2 publication Critical patent/JP5042806B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)
  • Separation Of Solids By Using Liquids Or Pneumatic Power (AREA)
  • Oxygen, Ozone, And Oxides In General (AREA)
  • Silicon Compounds (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)

Description

本発明は、粗大粒子の存在量が制御された金属酸化物微粒子の製造方法、金属酸化物微粒子の評価方法及び金属酸化物微粒子に関する。
一般的に、半導体を封止する封止材には、無機材料である金属酸化物からなる充填材が採用されている。この充填材には一定以上の粒径をもつ粗大粒子の量をppmオーダーで制御することが求められる場合がある。
一定以上の粒径をもつ粒子が、封止材に採用する充填材中にどの程度含有されているかを測定する方法としては、粉体の粒度分布の測定方法として種々知られている方法が適用できる。例えば、分布を検査すべき目開きをもつ篩を用いて分級する方法、流体中におけるブラウン運動によるドップラー効果や光散乱をレーザ光などにより測定して粒径を算出する方法、粉体を分散させた流体を微小なオリフィスに通過させた際の電気抵抗の変化で測定する方法、粉体を撮影し画像解析を行い1つ1つの粒子径を測定する方法などがある。
これらの方法の中でppmオーダーでの測定に適した方法としては、実際に要求される粒径に相当する大きさをもつ目開きかその粒径以下の大きさをもつ目開きの篩を用い、その篩の上に残存する粉体の量を測定する方法が汎用されている。その他の方法では測定対象の粉体の殆どを占める粒径の小さな粒子の存在により、粗大粒子の含有量についての精密な粒度分布の測定が困難であった。また、篩による分級操作は簡便であって、敢えてその他の測定方法を採用する利点が少なかった。
しかしながら、半導体製造における更なる製造ルールの微細化を考慮すると、封止材に採用される充填材にも更なる精密な粒度分布が要求されるものと考えた。具体的には、充填材について混入を制限すべき粗大粒子の粒径も数μmから数百nmのオーダーと小さくなることが予想できる。
本発明者らは、充填材について、このような極めて微小な粒子が極めて少量(例えば、ppmオーダー)混入しているかどうかについて、迅速且つ精密に測定することについて鋭意検討を行った結果、篩を用いた測定方法の適用は困難であることを見出した。すなわち、篩の目開きの大きさの下限は、分級精度を考慮すると高々数μmのオーダーであり、誤差を考慮すると、篩による分級操作では充分な測定ができないからである。
本発明は上記実情に鑑み完成したものであり、従来よりも小さな粒径をもつ粗大粒子であっても、含有する量を制御できる金属酸化物微粒子の製造方法を提供することを解決すべき課題とする。また、金属酸化物微粒子に僅かに含まれる、従来よりも小さな粒径をもつ粗大粒子の含有する量を評価する方法及びそのような従来よりも小さな粒径をもつ粗大粒子の含有量を極めて低い量に制御された金属酸化物微粒子を提供することも解決すべき課題とする。
上記課題を解決する請求項1に記載の金属酸化物微粒子の製造方法は、5μm以下の値である所定粒径以上の粒径をもつ粗大粒子を金属酸化物粉末から除去して前記粗大粒子の含有量が目標値以下となった金属酸化物微粒子の製造方法であって、
前記粗大粒子を原料粉末から除去して被処理粉末を得る粗大粒子除去工程と、
前記被処理粉末に対して分級処理を施して、前記粗大粒子の含有量を相対的に向上させた粗大粒子分画を分離濃縮させる粗大粒子分離工程と、前記粗大粒子分画中に含まれる前記粗大粒子の含有量を測定する測定工程と、をもつ評価工程と、を有し、
前記評価工程にて得られた前記含有量が前記目標値以下になるまで、得られた前記被処理粉末を前記原料粉末として前記粗大粒子除去工程を繰り返し行うことを特徴とする。
上記課題を解決する請求項2に記載の金属酸化物微粒子の製造方法は、請求項1において、前記粗大粒子は球形度が0.8以上であり、
前記粗大粒子分離工程における前記分級処理は液体中の沈降速度の差を利用する工程であることを特徴とする。
上記課題を解決する請求項3に記載の金属酸化物微粒子の製造方法は、請求項2において、前記所定粒径は0.1μm〜3μmであり、
前記測定工程は前記液体中における前記粗大粒子を画像解析により測定する工程であることを特徴とする。
上記課題を解決する請求項4に記載の金属酸化物微粒子の製造方法は、請求項1〜3の何れかにおいて、前記粗大粒子分離工程の前記分級処理は前記被処理粉末が有する前記粗大粒子のすべてを実質的に分離濃縮する工程であることを特徴とする。
上記課題を解決する請求項5に記載の金属酸化物微粒子の製造方法は、請求項4において、前記粗大粒子分離工程の前記分級処理は分級を繰り返し行う工程であることを特徴とする。
上記課題を解決する請求項6に記載の金属酸化物微粒子の製造方法は、請求項4又は5において、前記粗大粒子分離工程の前記分級処理は、前記所定粒径未満の粒径にて原理的に分級を行う方法であることを特徴とする。
上記課題を解決する請求項7に記載の金属酸化物微粒子の評価方法は、5μm以下の値である所定粒径以上の粒径をもつ粗大粒子を金属酸化物粉末から除去して前記粗大粒子の含有量が目標値以下となった金属酸化物微粒子の製造方法であって、
前記粗大粒子を原料粉末から除去して被処理粉末を得る粗大粒子除去工程と、
前記被処理粉末に対して分級処理を施して、前記粗大粒子の含有量を相対的に向上させた粗大粒子分画を分離濃縮させる粗大粒子分離工程と、前記粗大粒子分画中に含まれる前記粗大粒子の含有量を測定する測定工程と、をもつ評価工程と、を有し、
前記評価工程にて得られた前記含有量が前記目標値以下になるまで、得られた前記被処理粉末を前記原料粉末として前記粗大粒子除去工程を繰り返し行うことを特徴とする。
上記課題を解決する請求項8に記載の金属酸化物微粒子の評価方法は、請求項7において、前記粗大粒子は球形度が0.8以上であり、
前記粗大粒子分離工程における前記分級処理は液体中の沈降速度の差を利用する工程であることを特徴とする。
上記課題を解決する請求項9に記載の金属酸化物微粒子の評価方法は、請求項8において、前記所定粒径は0.1μm〜3μmであり、
前記測定工程は前記液体中における前記粗大粒子を画像解析により測定する工程であることを特徴とする。
上記課題を解決する請求項10に記載の金属酸化物微粒子の評価方法は、請求項7〜9の何れかにおいて、前記粗大粒子分離工程の前記分級処理は前記被処理粉末が有する前記粗大粒子のすべてを実質的に分離濃縮する工程であることを特徴とする。
上記課題を解決する請求項11に記載の金属酸化物微粒子の評価方法は、請求項10において、前記粗大粒子分離工程の前記分級処理は分級を繰り返し行う工程であることを特徴とする。
上記課題を解決する請求項12に記載の金属酸化物微粒子の評価方法は、請求項10又は11において、前記粗大粒子分離工程の前記分級処理は、前記所定粒径未満の粒径にて原理的に分級を行う方法であることを特徴とする。
上記課題を解決する請求項13に記載の金属酸化物微粒子は、球形度が0.8以上であり、5μm以下の値である所定粒径以上の粒径をもつ粗大粒子の含有量の上限が請求項7〜12の何れかに記載の評価方法により保証され、前記粗大粒子を実質的に含有しないことを特徴とする半導体封止材フィラー用の金属酸化物微粒子である。
前記請求項1又は7に係る発明によれば、測定前に予め粗大粒子の含有量を分級操作により相対的に向上させることにより、レーザ光散乱や画像解析などの一般的な粒度分布測定法によっても、迅速且つ正確に粗大粒子の含有量を測定できるようになったものである。
従来、粗大粒子の含有量の測定が困難であった理由として、粗大粒子の含有量が低すぎたことにあることに想到し本発明を完成したものである。つまり、被処理粉末中の粗大粒子の含有量が極めて小さい範囲が想定されているため、その被処理粉末に対して粒度分布測定を行っても粗大粒子の存在が誤差の範囲に留まってしまって有意な測定ができなかったり、画像解析のように原理的には測定可能であっても必要な精度を確保できる個数まで粗大粒子の測定をを行ったときに莫大な数の粒子を解析する必要が生じて現実的な時間内に測定できないことを解消したものである。
ところで、従来技術で採用していた篩は、5μm以下などの小さな目開きの大きさでは精度良く作成できないことによる分級精度の低下の問題があり、また、目開きの大きさよりも大きな粒子が篩を通過したり、反対に目開きよりも小さな粒子が篩を通過できないといった篩自身に起因する問題があったが、本発明のように、その他の測定方法により測定された粒径とストークス径とがほぼ一致する球形度が高い粒子に対して流体内での沈降速度を用いた操作を採用することにより、極めて精度良く分級することができる。
従って、前記請求項2又は8に係る発明によれば、被処理粉末として球形度が高い粒子を使用しその粒子に対して流体内での沈降速度を用いた操作を採用することにより、極めて精度良く分級することができるため、金属酸化物微粒子における粗大粒子の含有量を非常に高精度に制御することが可能になる。
なお、「沈降速度」は流体中において、粗大粒子を含む被処理粉末のそれぞれに加わる均一な加速度に基づき、発生するものである。沈降を起こす原動力としては、重力、遠心力などの他、粗大粒子が帯電している場合などには静電力を採用することもできる。
前記請求項3又は9に係る発明によれば、粗大粒子として扱うことになる下限値である所定粒径を従来技術では測定しがたい0.1μm〜3μmとした上で、画像解析により測定することで更に精密な粗大粒子の測定を行うことができる。画像解析は個数濃度(単位質量あたりに含有される粗大粒子の数をいう。単位は(個/g)など)が低い粒子に対して精度良く粒径が測定できるという利点があると共に、球形度が高い粒子を採用すると粒径測定の誤差を小さくできるという利点もある。
請求項4又は10に係る発明によれば、粗大粒子分離工程において、含まれる粗大粒子のすべてを実質的に分離濃縮することで、粗大粒子の存在量をより精度良く制御乃至評価することができる。ここで、「すべてを実質的に分離濃縮」とは本願発明で問題とする粗大粒子の存在量(目標値)と比較して問題となりがたい量を除き、すべての粗大粒子が分離されていることを意味する。つまり、分離濃縮の操作により失われた粗大粒子の量としては、被処理粉末における含有量に対して小さい(例えば10分の1〜4分の1程度)ものである。
請求項5又は11に係る発明によれば、粗大粒子のすべてを実質的に分離する分離処理として、分級を繰り返し行う方法を採用することで、分離処理として容易に行うことができる操作を採用可能になって、簡単に分離処理を行うことができるようになる利点がある。分級を行う1つ1つの操作にて実現される粗大粒子の分離効率は小さくても繰り返し行うことにより目的とする分離処理が実現できる。
請求項6又は12に係る発明によれば、分級処理として、原理的に、所定粒径未満の粒径にて分級を行う方法を採用することで、分離濃縮した分画中から粗大粒子が損なわれるおそれを少なくできる。一般的な分級操作では、原理的に分級を行うことができる粒径で完全に分離処理が完了することは考えがたい。従って、分級処理として、粗大粒子の分級を行う所定粒径よりも小さい粒径にて分級を行う方法を採用することにより、粗大粒子を確実に評価工程に供することができるため、精度の向上が実現できる。
前記請求項13に係る発明によれば、請求項7〜12の何れかに係る評価方法にて粗大粒子の含有量の上限を保証することにより、従来の金属酸化物微粒子を半導体の封止材の充填材に採用した場合と比べて、より高い信頼性をもつ半導体を提供することが可能になる。
以下、本発明の金属酸化物微粒子の製造方法及び評価方法並びに金属酸化物微粒子について実施形態に基づき詳細に説明を行う。なお、本発明の金属酸化物微粒子の製造方法及び評価方法並びに金属酸化物微粒子は以下の説明にかかわらず、その趣旨の範囲において種々の変更を行っても良いことは言うまでもない。
〈金属酸化物微粒子の製造方法〉
本実施形態の金属酸化物微粒子の製造方法は、5μm以下の値である所定粒径以上の粒径をもつ粗大粒子を金属酸化物粉末から除去して前記粗大粒子の含有量が目標値以下となった金属酸化物微粒子を製造する方法である。本方法は原料粉末から粗大粒子を除去して粗大粒子の含有量(例えば、個数濃度)を目標値以下にする方法に特徴を持つ。本製造方法により製造された金属酸化物微粒子は粗大粒子の含有量が制御された粒子であり、例えば、半導体封止材フィラー用の金属酸化物微粒子や、研磨材などの用途に利用できる。
ここで、所定粒径とは、この粒径以上の粒径をもつか否かによって、本方法により含有量を問題としている粗大粒子か否かを判定する基準となる値である。この所定粒径としては本実施形態の金属酸化物微粒子の製造方法にて製造された金属酸化物微粒子が適用される用途により適正値が変化する値であり、5μmの他、3μm、2μm、1μm、0.5μm、0.3μm、0.2μm、0.1μmなどの任意の値が適用可能である。
また、目標値としては任意の値が採用可能である。含有量としては、ppmオーダー(質量基準:例えば、500ppm以下、200ppm以下、50ppm以下など)の値を設定できる。この程度の小さな目標値を設定すると、従来技術の方法では誤差範囲に含まれて充分な精度で測定できないか、現実的な時間での測定が困難になる。
そして、本実施形態の金属酸化物微粒子の製造方法は、粗大粒子除去工程と評価工程とをもち、評価工程により評価された粗大粒子の含有量が目標値以下になるまで、粗大粒子除去工程を繰り返す方法である。
・粗大粒子除去工程
粗大粒子除去工程は、前述したように、原料粉末から粗大粒子を除去するして被処理粉末を得る工程である。原料粉末から粗大粒子を除去する方法としては特に限定しないが、一般的な分級操作を挙げることができる。例えば、篩による方法や、液体中における沈降速度の差に基づく方法が採用できる。
原料粉末としては金属酸化物微粒子を用いる。金属酸化物としては特に限定しないが、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、そして、これらの混合物を挙げることができる。原料粉末は球形度が高いことが望ましい。球形度が高いと封止材の充填材として採用したときの流動性が高くなると共に、後述する評価工程や粗大粒子除去工程においても有利になる。球形度としては0.8以上が望ましく、0.9以上が更に望ましく、0.95以上又は0.98以上がより望ましい。球形度の測定は、SEMで写真を撮り、その観察される粒子の面積と周囲長から、(真球度)={4π×(面積)÷(周囲長)2}で算出される値として算出する。1に近づくほど真球に近い。具体的には画像処理装置(シスメックス株式会社:FPIA−3000)を用いて100個の粒子について測定した平均値を採用する。
球形度が高い粒子を製造する方法としては、酸化炎中などに金属粉末を投入して燃焼させることにより酸化させて金属酸化物を得る方法(爆燃法)、金属酸化物粉末を火炎中に投入して熔融させることにより球状化させた後、に冷却・固化させる火炎熔融法、ゾルゲル法、水ガラス法などを挙げることができる。これらの方法は得られる金属酸化物微粒子に求められる粒径や純度に応じて選択することができる。サブマイクロメートルオーダーからマイクロメートルオーダー程度の比較的大きな粒径をもつ金属酸化物微粒子を製造する場合にはVMC法や火炎熔融法を採用することが望ましく、それより小さな粒径をもつ金属酸化物微粒子を製造する場合にはゾルゲル法や水ガラス法を採用することが望ましい。また、純度の向上はVMC法やゾルゲル法を採用した方が容易である。
・評価工程
評価工程は粗大粒子分離工程と測定工程とをもつ。粗大粒子分離工程は被処理粉末に分離処理を行い、粗大粒子を分離濃縮する工程である。ここで、分離処理はすべての粗大粒子を実質的に分離濃縮することが望ましい。そのためには分級を繰り返し行ったり、所定粒径よりも小さい粒径にて分級を行うことが望ましい。
粗大粒子を分離濃縮する分離処理としては特に限定しないが、流体中における沈降速度の差を利用した方法や、篩による方法が例示できる。特に沈降速度の差を利用する方法が望ましい。
沈降速度の差を利用する方法を採用する場合には被処理粉末(特に粗大粒子について)は球形度が高い方が望ましい。球形度が高いことにより、沈降速度と粒径との相関性が高くなって、より精密に粗大粒子を分離濃縮することができるようになる。
具体的に、沈降速度の差を用いて粗大粒子を分離濃縮する粗大粒子分離工程について例示すると、有機溶媒や水などの液体のうちから選択される、親和性が高く且つ金属酸化物微粒子とは密度が異なる液体である分散媒中に被処理粉末(の全部乃至一部)を分散させて分散液を調製する。分散媒中への分散は超音波照射や撹拌などにより充分に行うものとする。
その後、分散液を静置したり、遠心分離器により処理したりすることにより、分散液中に分散させた金属酸化物微粒子を沈降させる。金属酸化物微粒子の沈降速度は粒径により変化し、粒径が大きいものほど早く沈降する。5μm以下の所定粒径を下限とする粒径をもつ粗大粒子の分離濃縮を問題とする場合にはストークスの抵抗則に従うものと考えることができる。具体的に粒径と沈降時間と沈降距離との関係は、(沈降距離)=[(粒径)2・{(金属酸化物微粒子の密度)−(分散媒の密度)}・(加速度)・(沈降時間)/18(分散媒の粘度)]で表される。
従って、粒径(所定粒径)と沈降時間とが決まれば、沈降距離も決定されるので、分散液の液面から決定された沈降距離までの深さには原理的に所定粒径以上の粒径をもつ粒子は存在しなくなるから、決定された沈降距離までの深さの分散液を除去することにより、残存する分散液中における所定粒径以上の粒径をもつ粒子(すなわち粗大粒子)の含有量が濃縮されることになる。以上の説明は金属酸化物微粒子の密度が分散媒の密度より大きい場合の説明である。金属酸化物微粒子の密度が分散媒の密度より小さい場合には、金属酸化物微粒子は沈降する代わりに浮上することになる。
この分離濃縮操作を繰り返すことにより、後述する測定工程で満足できる精度・速さにて粗大粒子の含有量(質量密度)を測定できるようになるまで分離濃縮を繰り返す。この繰り返し回数は予備実験により概ね決定することができる。
得られた分離濃縮した分散液を粗大粒子分画として、そのまま測定工程に供することができる。
測定工程としては粗大粒子の粒径及び個数を測定できる方法であれば特に限定しない。例えば、分散液をオリフィス中を通過させる様子を顕微鏡で観察して粒径を測定する方法(実際には電子的に撮影した後にコンピュータにより処理する画像解析により粒径の測定と個数の計数を行うことが望ましい)や、電圧を印加し且つ対向させている一対の電極により形成した微小な空間(オリフィス)中に分散液を通過させることにより、分散液中に存在する金属酸化物微粒子の体積に応じて、電気抵抗や、その他の電気的特性が変化するという原理に基づく測定方法がある。いずれの方法であっても、測定対象となる粗大粒子の形状が球に近い(すなわち、球形度が高い)方が、測定で得られた粒径の値と実際に問題になる粒径(フェレー径やマーチン径など)との相関性が高くなるものと考えられる。
評価工程にて得られた結果に基づき、被処理粉末中の粗大粒子の含有量が目標値以下になるまで粗大粒子除去工程を繰り返し行うことにより必要な粒度分布(粗大粒子の含有量が制御されること)をもつ金属酸化物微粒子を製造することができる。
〈金属酸化物微粒子の評価方法〉
本実施形態の評価方法は前述した製造方法における評価工程と概ね同じであるため、更なる説明は省略する。
〈金属酸化物微粒子〉
本実施形態の金属酸化物微粒子は半導体封止材フィラー用の金属酸化物微粒子として用いられる。本実施形態の金属酸化物微粒子は前述した評価方法により粗大粒子の含有量が保証されたものである。
・原料粉末の調製
実施例1の試験試料として、平均粒径0.5μmのシリカ粉末をスラリー(純水中に25質量%で懸濁)とした後、目開き5μmのふるいを通過させたものを使用した。実施例2の試験試料として、平均粒径0.3μmのシリカ粉末をスラリー(純水中に25質量%で懸濁)とした後、ビーズミルにて10分間粉砕したものを使用した。
実施例3の試験試料として、平均粒径0.1μmのシリカ粉末をスラリー(純水中に25質量%で懸濁)とした後、所定の遠心分離操作を行ったときの上澄みを分離して使用した。実施例4の試験試料として、平均粒径0.1μmのシリカ粉末をスラリー(純水中に25質量%で懸濁)とした後、所定の遠心分離操作(実施例3における操作と同じ)を行ったときの上澄みを分離する操作を3回繰り返したものを使用した。
・粗大粒子分離工程
それぞれの試験試料(スラリー)について、分散媒としての純水中に分散させて10質量%の分散液とした。分散は超音波照射により行い、その後、遠心分離管中に移した後、遠心分離機によって遠心分離を行った。
所定粒径(今回は1、3及び5μmの3種類とし、それぞれ別々に分離を行った)以上の粒子径をもつ粗大粒子を含まない部分(上層部)を分離・除去するため、所定粒径と沈降時間とから沈降距離を算出し、その沈降距離よりも上側の部分を除去した。この操作を繰り返して粗大粒子を分離濃縮して粗大粒子分画を得た。
・測定工程
粗大粒子分画について、画像解析装置にて粒径を測定し、粗大粒子に該当する粒子(粒径が1、3又は5μm以上の粒子)の含有量(質量密度:質量密度は(粗大粒子質量)÷(試料粒子全体の質量)で算出する。粗大粒子粒子質量及び試料粒子全体の質量は画像解析にて粒子径の測定を行ったときの各粒子(粗大粒子質量を測定するときは粗大粒子に該当する粒子:試料粒子全体の質量を測定するときは測定対象の全部)について、(4/3×π×(粒子半径)3×(粒子比重))で算出された質量を積算して求める。ここで、粒子半径は画像解析装置にて得られた円相当径である。)を算出した。結果を表1に示す。なお、括弧内の数値は測定値から設定可能と考えられるそれらの試験試料中に含まれる所定粒径以上の粗大粒子含有量の上限として保証可能と考えられる値である。
Figure 0005042806
表1に示したように、非常に精度良く粗大粒子の含有量を測定できることが分かった。例えば、実施例4のように、実施例3における操作(遠心分離)を繰り返すことにより、粗大粒子の含有量が少なくなっているという予想通りの結果が得られ、本評価方法(製造方法)の信頼性の高さが推認された。なお、従来のように、スラリーを直接測定する方法によっては粗大粒子の量を充分な精度で測定できなかった。
また、この方法により粗大粒子の含有量を濃縮する替わりに粗大粒子の含有量を少なくすることもでき、その場合には粗大粒子の含有量を減少させることができ、かつ、その値を測定することができる。つまり、粗大粒子の含有量を所定値以下に減らしたスラリーを得ることができる。また、粗大粒子が多数存在するスラリーにおいて粗大粒子の含有量を相対的に減らすことができるから、測定時の誤差を減らすことができる。

Claims (13)

  1. 5μm以下の値である所定粒径以上の粒径をもつ粗大粒子を金属酸化物粉末から除去して前記粗大粒子の含有量が目標値以下となった金属酸化物微粒子の製造方法であって、
    前記粗大粒子を原料粉末から除去して被処理粉末を得る粗大粒子除去工程と、
    前記被処理粉末に対して分級処理を施して、前記粗大粒子の含有量を相対的に向上させた粗大粒子分画を分離濃縮させる粗大粒子分離工程と、前記粗大粒子分画中に含まれる前記粗大粒子の含有量を測定する測定工程と、をもつ評価工程と、を有し、
    前記評価工程にて得られた前記含有量が前記目標値以下になるまで、得られた前記被処理粉末を前記原料粉末として前記粗大粒子除去工程を繰り返し行うことを特徴とする金属酸化物微粒子の製造方法。
  2. 前記粗大粒子は球形度が0.8以上であり、
    前記粗大粒子分離工程における前記分級処理は液体中の沈降速度の差を利用する工程である請求項1に記載の金属酸化物微粒子の製造方法。
  3. 前記所定粒径は0.1μm〜3μmであり、
    前記測定工程は前記液体中における前記粗大粒子を画像解析により測定する工程である請求項2に記載の金属酸化物微粒子の製造方法。
  4. 前記粗大粒子分離工程の前記分級処理は前記被処理粉末が有する前記粗大粒子のすべてを実質的に分離濃縮する工程である請求項1〜3の何れかに記載の金属酸化物微粒子の製造方法。
  5. 前記粗大粒子分離工程の前記分級処理は分級を繰り返し行う工程である請求項4に記載の金属酸化物微粒子の製造方法。
  6. 前記粗大粒子分離工程の前記分級処理は、前記所定粒径未満の粒径にて原理的に分級を行う方法である請求項4又は5に記載の金属酸化物微粒子の製造方法。
  7. 球形度が0.8以上である金属酸化物微粒子に対し分級処理を施して、5μm以下の値である所定粒径以上の粒径をもつ粗大粒子の含有量を相対的に向上させた粗大粒子分画を分離濃縮させる粗大粒子分離工程と、前記粗大粒子分画中に含まれる前記粗大粒子の含有量を測定する測定工程と、をもつ評価工程を有することを特徴とする金属酸化物微粒子の評価方法。
  8. 前記粗大粒子は球形度が0.8以上であり、
    前記粗大粒子分離工程における前記分級処理は液体中の沈降速度の差を利用する工程である請求項7に記載の金属酸化物微粒子の評価方法。
  9. 前記所定粒径は0.1μm〜3μmであり、
    前記測定工程は前記液体中における前記粗大粒子を画像解析により測定する工程である請求項8に記載の金属酸化物微粒子の評価方法。
  10. 前記粗大粒子分離工程の前記分級処理は前記被処理粉末が有する前記粗大粒子のすべてを実質的に分離濃縮する工程である請求項7〜9の何れかに記載の金属酸化物微粒子の評価方法。
  11. 前記粗大粒子分離工程の前記分級処理は分級を繰り返し行う工程である請求項10に記載の金属酸化物微粒子の評価方法。
  12. 前記粗大粒子分離工程の前記分級処理は、前記所定粒径未満の粒径にて原理的に分級を行う方法である請求項10又は11に記載の金属酸化物微粒子の評価方法。
  13. 球形度が0.8以上であり、5μm以下の値である所定粒径以上の粒径をもつ粗大粒子の含有量の上限が請求項7〜12の何れかに記載の評価方法により保証され、前記粗大粒子を実質的に含有しないことを特徴とする半導体封止材フィラー用の金属酸化物微粒子。
JP2007334749A 2007-12-26 2007-12-26 金属酸化物微粒子の製造方法、金属酸化物微粒子の評価方法及び金属酸化物微粒子 Active JP5042806B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007334749A JP5042806B2 (ja) 2007-12-26 2007-12-26 金属酸化物微粒子の製造方法、金属酸化物微粒子の評価方法及び金属酸化物微粒子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007334749A JP5042806B2 (ja) 2007-12-26 2007-12-26 金属酸化物微粒子の製造方法、金属酸化物微粒子の評価方法及び金属酸化物微粒子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009155155A JP2009155155A (ja) 2009-07-16
JP5042806B2 true JP5042806B2 (ja) 2012-10-03

Family

ID=40959563

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007334749A Active JP5042806B2 (ja) 2007-12-26 2007-12-26 金属酸化物微粒子の製造方法、金属酸化物微粒子の評価方法及び金属酸化物微粒子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5042806B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012193059A (ja) * 2011-03-15 2012-10-11 Admatechs Co Ltd 金属酸化物粒子の製造方法及び金属酸化物粒子配合樹脂組成物の製造方法
JP2014197649A (ja) * 2013-03-29 2014-10-16 株式会社アドマテックス 3次元実装型半導体装置、樹脂組成物及びその製造方法
JP6546386B2 (ja) * 2014-10-15 2019-07-17 株式会社アドマテックス 無機フィラー及びその製造方法、樹脂組成物、及び成形品

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000273443A (ja) * 1999-03-23 2000-10-03 Asahi Glass Co Ltd ディスプレイ用ガラス基板の研磨用砥材、研磨方法および砥材の品質評価方法
JP2001240460A (ja) * 1999-12-24 2001-09-04 Sumitomo Chem Co Ltd アルミナ・ジルコニア複合焼結体およびその製造方法
JP2002114576A (ja) * 2000-10-03 2002-04-16 Murata Mfg Co Ltd 粗大セラミック粒子の除去方法及び除去装置
JP4240796B2 (ja) * 2000-10-11 2009-03-18 電気化学工業株式会社 真球状シリカ超微粉、その製造方法及び用途
JP4296260B2 (ja) * 2003-01-29 2009-07-15 独立行政法人産業技術総合研究所 粒状物質の篩い分け法及びそれを利用した評価法
JP4395114B2 (ja) * 2005-09-07 2010-01-06 電気化学工業株式会社 球状金属酸化物粉末の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009155155A (ja) 2009-07-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Babick et al. How reliably can a material be classified as a nanomaterial? Available particle-sizing techniques at work
TWI403714B (zh) Determination of Particle Size Distribution of Microparticles in Metallic Materials
Babick Suspensions of colloidal particles and aggregates
Bowen Particle size distribution measurement from millimeters to nanometers and from rods to platelets
Howard On the challenge of quantifying man-made nanoparticles in the aquatic environment
Wohlleben Validity range of centrifuges for the regulation of nanomaterials: from classification to as-tested coronas
SG182164A1 (en) Method, system and apparatus for the deagglomeration and/or disaggregation of clustered materials
Mech et al. The NanoDefine methods manual
JP5042806B2 (ja) 金属酸化物微粒子の製造方法、金属酸化物微粒子の評価方法及び金属酸化物微粒子
Li et al. An effective approach for size characterization and mass quantification of silica nanoparticles in coffee creamer by AF4-ICP-MS
Lee et al. Characterization of colloidal nanoparticles in mixtures with polydisperse and multimodal size distributions using a particle tracking analysis and electrospray-scanning mobility particle sizer
Gaillard et al. A technique-driven materials categorisation scheme to support regulatory identification of nanomaterials
JP5277906B2 (ja) 微粒子の粒径分布測定方法
Dutschke et al. Optimisation of an extraction/leaching procedure for the characterisation and quantification of titanium dioxide (TiO 2) nanoparticles in aquatic environments using SdFFF-ICP-MS and SEM-EDX analyses
Motellier et al. Contribution of single particle inductively coupled plasma mass spectrometry and asymmetrical flow field-flow fractionation for the characterization of silver nanosuspensions. Comparison with other sizing techniques
Babick et al. Standard characterisation method for the granulometric state of intensely dispersed pigments and fillers based on an interlaboratory performance study
Villanueva-Valencia et al. Concentration and size effects on the size-selective particle purification method using the critical Casimir force
Li et al. Particle characterization in centrifugal fields: comparison between ultracentrifugation and sedimentation field-flow fractionation
JP6985112B2 (ja) 分析用試料埋込樹脂
JP4195243B2 (ja) 高純度シリカ粉末の製造方法
JP2009008584A (ja) 鋼中微粒子の分析方法
Dukhin Acoustic spectroscopy for particle size measurement of concentrated nanodispersions
JP6572598B2 (ja) ナノ粒子の粒径測定方法
Mech et al. The NanoDefine Methods Manual-Part 2: Evaluation of methods
Hodoroaba et al. Techniques evaluation report for selection of characterisation methods

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101104

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120418

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120424

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120703

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120711

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5042806

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150720

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250