JP6545227B2 - 歯車の空転を利用するストッパ - Google Patents

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Description

本発明は、回転体を回転可能な状態と回転不能な状態とに切り換えるストッパに関するものである。
建物の出入り口等には昇降動が可能なシャッターが取り付けられていることがある。このようなシャッターは、回転して壁面を昇降動即ち巻き上げ及び巻き下げる回転軸(回転体)と、昇降動が停止した際にシャッターの壁面が自重で巻き下がることを防止するストッパとを備えている。ストッパは、これに設けられた操作手段を操作することで回転体を回転可能な状態と回転不可能な状態とに切り換えることができる。
ストッパの一例として、本願の出願人は、特許文献1に記載されたストッパを創案した。これは、荷物運搬用の台車のキャスタ等に用いられるものであり、楔形空間内に配置されたローラーの噛み込み作用で回転体を停止させる、いわゆるローラー型の一方向クラッチの原理を応用したものである。このストッパについて図6により説明する。図6(a)はストッパの縦断面図、図6(b)及び(c)は後述するカバー部材Cを取り外した状態でのストッパの側面図である。
図6(a)に示すとおり、ハウジングHGが回転体RBの外周を取り囲んで設置され、その軸方向片端がカバー部材Cにより覆われている。図6(b)に示すとおり、ハウジングHGには、楔形の空間部、つまり、回転体RBの外周との距離Xが周方向に変化するカム面CSの形成された複数の空間部SPが設けられている。空間部SPの各々には、上記距離Xが減少する方向に板ばねSにより押圧された転動体(ローラー)REが設置されている。
複数の楔形の空間部SPは、隣接する空間部SPにおいて距離Xの周方向の変化が逆となるように設定されており、隣接する空間部SPが一対の組み合わせ空間部PSPをなしている。組み合わせ空間部PSPは回転体RBの外周に周方向に間隔を置いて3組配置されている。そして、一組の組み合わせ空間部PSPには、板ばねSによる押圧に抗して一対の転動体REを距離Xが増大する方向に相互に移動させる操作手段MMが設置されている。操作手段MMは、一対の転動体REの各々に当接する一対の押圧片PP、この一対の押圧片PPの中央に置かれた楕円形状のカム体CB、及びカム体CBに固着されたレバーLを備えている。
回転体RBを停止状態にするときは、レバーLを図6(b)に示す方向に動かす。これにより、レバーLに固着されたカム体CBは、その長径が図6(b)において垂直となるように回動され、一対の押圧片PPの周方向間隔はカム体CBの短径と同一、即ち最小となる。
この状態では、操作手段MMが設置された一組の組み合わせ空間部PSPにおいては、設置された転動体(ローラー)REは、板ばねSにより押圧されて距離Xの減少する方向への移動が可能となる。そのため、回転体RBが回転しようとしたときは、ローラー型の一方向クラッチと同様に、回転体RBの回転方向に応じていずれか一方の空間部SP内で、板ばねSにより押圧された転動体REが直ちにハウジングHGのカム面CSと回転体RBの外周面との間に噛み込むこととなる。他の組み合わせ空間部PSPおいても、回転体RBが回転しようとする方向に応じて、いずれか一方の空間部SP内で転動体REの噛み込みが生じる。これにより、回転体RBが正転するときも逆転するときも、組み合わせ空間部PSPを構成する一対の空間部SPのいずれかに設置された転動体REが噛み込み、回転体RBは停止状態となる。
一方、回転体RBを回転可能な状態にするときは、レバーLを図6(c)に示す方向に動かす。レバーLに固着したカム体CBは、その長径が図6(c)のように垂直な状態から傾斜するように回動され、一対の押圧片PPの周方向間隔が押し広げられる。
これにより、操作手段MMが設置された組み合わせ空間部PSPにおいては、各々の転動体REが押圧片PPによって板ばねSに抗して距離Xが増大する方向に各々の空間部SP内を移動させられ、転動体REのカム面CSと回転体RBの外周面との間での噛み込みが解除される。このとき、転動体REの噛み込みにより図の上方に撓んでいた回転体RBは、操作手段MMが設置された組み合わせ空間部PSPに向かって僅かに変位するため、操作手段MMが設置されていない組み合わせ空間部PSPにおいては、転動体REの噛み込み作用に必要な反力が喪失して、やはり転動体REと回転体RBとの間の噛み込みが解除される。従って、回転体RBは、正・逆どちらの回転方向であっても自由に回転可能な状態となる。
出願人の創案に係る図6のストッパは、楔形形状の空間に配置された転動体(ローラー)の噛み込み作用を利用するものであり、構造が簡素であることから製造及び設置コストを低く抑えることができる等の利点がある。
特開2015−232367号
上述のとおり、図6のストッパは一般的なストッパと比較すると多くの利点を有している。しかしながら、未だ改良の余地も残されており、本発明は、以下のような課題を解決するものである。即ち、図6のストッパを重量物であるシャッター等に適用した場合には、操作手段であるレバーの操作が困難となることがある。つまり、操作手段を操作して回転体を回転不能な状態にした際には、シャッターは重量物であることから、回転体には大きなトルクがかかり、転動体は回転体とカム面との間で強固に噛み込む。従って、再度操作手段を操作して回転体を回転可能な状態にする際には、上記したとおりの強固な噛み込みを解除させる必要があり、これには多大な力を要する。
上記の課題に鑑み、本発明は、回転体の外周を取り囲んで設置された固定部材に固定歯車を形成し、その固定歯車と噛み合う遊星歯車体に突出部を設けると共に、突出部が挿入される空間部を回転体に設け、空間部の縁部には突出部の外周面との距離が変化するカム面を形成し、操作手段を操作することで、遊星歯車体を軸支するキャリア体に所定の摩擦力を解除可能に付与するものである。すなわち、本発明は、
「回転体を回転可能な状態と回転不能な状態とに切り換えるストッパであって、
前記回転体の外周を取り囲んで設置された固定部材を備え、前記固定部材には固定歯車が形成され、かつ、前記固定部材の内側には、前記固定歯車と噛み合う遊星歯車を有する遊星歯車体と、前記遊星歯車体を軸支するキャリア体とが配置され、
前記遊星歯車体には、軸方向に突出し断面形状が円形の突出部が設けられると共に、前記回転体には、前記突出部が挿入される空間部が設けられ、前記空間部の縁部には、前記突出部の外周面との距離が変化するカム面が形成されており、さらに、
前記キャリア体に対し所定の摩擦力を付与する位置とその摩擦力を解除する位置とに切り換え可能な操作手段が設置され、
前記操作手段により前記キャリア体に所定の摩擦力を付与した場合は、前記回転体が回転しようとしたときに、前記回転体の前記カム面と前記遊星歯車体の前記突出部の外周面との間で噛み合いが生じて回転体が回転不能となり、摩擦力を解除した場合は、前記遊星歯車体の自転が許容されて回転体が回転可能となる」
ことを特徴とするストッパである。
本発明のストッパでは、以下のような実施形態を採用することができる。すなわち、
前記空間部の半径方向内側又は外側の縁部には、周方向に見て相互に離隔する方向にそれぞれ半径方向外側又は内側に傾斜して延びる一対のカム面が形成されている構成とすること、又は、前記回転体には、半径方向内側又は外側の縁部がそれぞれ周方向に見て相互に離隔する方向に半径方向内側又は外側に傾斜して延びるカム面を有する前記空間部が、対となって設置されている構成とすること。
前記カム面は前記空間部の径方向内側の縁部に設けられていること。
前記操作手段には、雄ねじが形成されていると共に、前記固定部材には、雌ねじが形成されており、前記雄ねじと前記雌ねじとのねじ結合により、前記操作手段の一部が前記固定部材の内側に進入して前記キャリア体に当接することで前記所定の摩擦力を付与すること。
前記キャリア体には、前記遊星歯車体を挟んで対向する位置に、キャリア補助板が一体的に結合されていること。
本発明のストッパは、回転体の外周を取り囲む固定部材を備え、固定部材には固定歯車を形成する。固定部材の内側には、固定歯車と噛み合う遊星歯車を有する遊星歯車体と、この遊星歯車体を軸支するキャリア体とを配置する。遊星歯車体には、軸方向に突出し且つ断面形状が円形である突出部を設け、回転体には、遊星歯車体の突出部が挿入される空間部を設ける。空間部の縁部には、遊星歯車体の突出部の外周面との距離が変化するカム面を形成する。そして、キャリア体に対して所定の摩擦力を付与する位置とその摩擦力を解除する位置とに切り換え可能な操作手段を設置する。
操作手段によってキャリア体に摩擦力が付与されていない場合には、後に図2を参照して詳述するとおり、回転体が回転するときは、そのカム面と遊星歯車体の突出部の外周面との接点には法線方向の押圧力が作用すると同時に、遊星歯車体の自転に伴う摩擦力が作用する。回転体の回転方向における押圧力の分力は、摩擦力の分力を上回るように設定されており、これにより、遊星歯車体の自転が可能となるとともに、回転体は、遊星歯車体の公転角速度と同一の角速度で回転することとなる。
一方、操作手段によってキャリア体に所定の摩擦力を付与した場合には、後に図3を参照して詳述するとおり、遊星歯車体には、回転体の回転方向と反対向きに、摩擦力の分力に加えて操作手段による摩擦力も作用する。この摩擦力の合計は、押圧力の分力よりも大きくなるように設定されており、遊星歯車体の公転及び自転が阻止されて、回転体は回転不能な状態となる。
本発明のストッパにおいては、回転体における空間部のカム面の傾斜を変更することにより、遊星歯車体に作用する摩擦力の分力を増減することが可能であり、この摩擦力の分力に、回転体の回転を阻止するときの抵抗トルクを分担させることができる。また、本発明の操作手段は、摩擦力を生じる遊星歯車体に対して直接的に作用するのではなく、これを軸支するキャリア体に対して作用、つまり遊星歯車体に対して間接的に作用するものであることから、回転体を回転不能な状態から回転可能な状態に切り換える際に、上記摩擦による噛み合いが強い場合でも容易に操作することができる。従って、本発明のストッパをシャッターのような重量物に適用した場合であっても操作手段を容易に操作することが可能となる。
本発明のストッパの第一実施例を示す構造図である。 図1に示すストッパにおいて、回転体が回転している状態を示す図である。 図1に示すストッパにおいて、回転体が回転不能な状態を示す図である。 図1に示すストッパの主要構成部品の単体図を示す図である。 本発明のストッパの第二実施例を示す構成図である。 従来のストッパの構造を示す図である。
以下、添付した図面に基づいて本発明のストッパについて説明する。図1には、本発明のストッパの第一実施例の全体図を示し、図2及び図3には、その作動の説明図を示し、図4には、主要構成部品を単体の状態で示す。
図1に示すストッパは、回転体2と、この回転体2の外周を取り囲んで設置された固定部材4とを備えている。固定部材4の内側には、遊星歯車体6と、この遊星歯車体6を軸支するキャリア体8とが配置されている(図1ではキャリア体8にのみハッチングを付している)。図1に示すストッパにはさらに、キャリア体8に対して所定の摩擦力を付与する位置と摩擦力を解除する位置とに切り換え可能な操作手段9、つまり、キャリア体8に所定の摩擦力を解除可能に付与する操作手段9が設置されている。
図1と共に図4を参照して説明すると、固定部材4は、円周壁部10と円環状の端板部12からなるカップ状部材であって、その中心軸oは回転体2及びキャリア体8の回転軸と同一である。円周壁部10の内側(即ち固定部材4の内側)には、第一の空間部14と、第二の空間部16と、第三の空間部18とが、端板部12から円周壁部10の開放端面に向かって軸方向に並列して設けられている。第一の空間部14及び第三の空間部18は共に断面円形であり、第二の空間部16の外周には内歯である固定歯車24が形成されている。円周壁部10の外周面には半径方向外方に突出する耳部20が周方向に等角度間隔をおいて3個設けられており、耳部20には軸方向に延びる貫通孔22が形成されている。端板部12の内周面には雌ねじ26が形成されている。
キャリア体8は、円環状の平板部材である基部28と、基部28に固着されて遊星歯車体6を軸支するキャリア軸30とを備えている。基部28の外径は固定部材4の内側に形成された第一の空間部14の径よりも僅かに小さい。キャリア軸30は断面円形であって軸方向に直線状に延びる棒状部材であり、その延出端部には僅かに縮径された嵌合部32が形成されている。このようなキャリア軸30は、基部28の外周縁部において周方向に等角度間隔をおいて4個設けられている。
遊星歯車体6は遊星歯車34と、この遊星歯車34の片端面から軸方向に突出し且つ断面形状が円形である突出部36とを備えており、遊星歯車体6には軸方向全体に渡って延びる軸孔38が形成されている。
回転体2は、断面円形で軸方向に直線状に延びる中実棒状の主部40と、この主部40の軸方向所定位置において主部40と直交する円板部42とを備えている。主部40と円板部42の回転中心は同一であり、円板部42の外径は固定部材4の第三の空間部18の径よりも僅かに小さい。円板部42の外周縁部には、遊星歯車体6の突出部36の断面よりも大きい空間部44が、周方向に等角度間隔をおいて4個設けられている。そして、空間部44の縁部には、後述するとおり突出部36の外周面との距離が変化するカム面が形成されている。図示の実施例においては、空間部44の径方向内側の縁部には、周方向に見て相互に離隔する方向にそれぞれ半径方向外側に傾斜して延びる一対のカム面48及び50が形成されている。カム面48及び50は共に直線状であって、線対称である。空間部44の縁部におけるカム面48又は50を除く部分の断面は円弧形状である。
操作手段9は円板形状のつまみ部54と、このつまみ部54の中央から軸方向に直線状に延びる軸部56とを備えており、操作手段9には軸方向全体に渡って延びる軸孔58が形成されている。軸部56の外周面には雄ねじ60が形成され、軸部56の延出端面には平坦な当接面62が形成されている。また、図示の実施例においては、操作手段9はスプリングワッシャーのような周知の緩み止め部材64を含んでいる(図1を参照されたい)。後述するとおり、操作手段9は、当接面62をキャリア体に対して所定の摩擦力を付与する位置と、その摩擦力を解除する位置とに切り換えることができる。
本実施例のストッパは以下のようにして組み合わされる。
固定部材4とキャリア体8とは、キャリア体8の基部28が固定部材4の第一の空間部14内に位置するようにして組み合わされる。遊星歯車体6は、軸孔38がキャリア軸30に対して回転可能に嵌合されると共に、遊星歯車34が固定部材4の固定歯車24と噛み合った状態で固定部材4の内側に配置される。回転体2は、主部40が固定部材4の端板部12の中央穴及びキャリア体8の基部28の中央穴を貫通すると共に、円板部42が固定部材4の第三の空間部18内に位置するようにして固定部材4と組み合わされる。このとき、円板部42の空間部44の夫々には、遊星歯車体6の突出部36と共にキャリア体8のキャリア軸30が挿入される。
図示の実施例においては、突出部36は、空間部44の周方向中央において、カム面48及び50と近接乃至当接している。そして、空間部44の径方向内側の縁部と突出部36の外周面との距離は、周方向中央から周方向両側に向かって小さくなる。
キャリア体8と遊星歯車体6と回転体2とが組み合わされた後、キャリア体8には、遊星歯車体6を挟んで対向する位置にキャリア補助板66が一体的に結合される。キャリア補助板66は円板状の板部材であって周方向に等角度間隔をおいて4個の嵌合穴68が形成されており、夫々の嵌合穴68をキャリア軸30の延出端部に形成された嵌合部32に嵌合させることでキャリア体6と一体的に結合される。そして、固定部材4の内側に回転体2、遊星歯車体6、キャリア体8、及びキャリア補助板66が配置された後に、固定部材4の開放された側の端面をシールド板70で閉塞する。
さらに、固定部材4の端板部12に操作手段9を、雄ねじ60と雌ねじ26とをねじ結合させて取り付ける。この際には、つまみ部54と固定部材4の端板部12との間に緩み止め部材64を配置して、振動等により、雄ねじ60と雌ねじ26との相対的位置が予期せず変化するのを防止する。
続いて、図1に示すストッパの作動について、図1と共に図2及び図3を参照して説明する。
雄ねじ60を緩めて操作手段9の当接面62をキャリア体8の基部28から離隔させると、操作手段9はキャリア体8に対して何らの摩擦力も付与しない。この場合において、回転体2を図1の中央縦断面図の右方向から見て時計方向に回転した状態を示すのが図2である。
図2において、回転体2を時計方向に回転させようとすると、回転体2のカム面48が遊星歯車体6の突出部36の外周面と当接し、接触部拡大図に示すとおり、回転体2のカム面48と突出部36の外周面との当接点Pにおいて突出部36には法線方向の力Nが作用し、周方向にはその分力であるNsinαが作用する(α:カム面48が周方向に対して傾斜する角度)。一方、遊星歯車体6は固定歯車24により反時計方向に自転させられるので、カム面48と突出部36の外周面との間には摩擦力μNが作用し(μ:静止摩擦係数)、周方向にはその分力のμNcosαが反時計方向に作用する。本発明のストッパでは、Nsinα>μNcosαとなるよう、カム面48の傾斜角や摩擦係数が設定されており、操作手段9がキャリア体8に対して摩擦力を付与しないときには、回転体2の回転が許容されることとなる。これは、回転体2が反時計方向に回転するときでも同様である。
これに対し、操作手段9を操作して当接面62をキャリア体8の基部28に当接させ、キャリア体8に対して摩擦力を付与した状態を示すのが図3である。この場合には、接触部拡大図に示すとおり、キャリア体8に付与された摩擦力が、キャリア軸30において反時計方向に向かう抗力Rとして作用する。そして、抗力Rの大きさが、
Nsinα<μNcosα+R
の式が成立する値となるとき、すなわち、時計方向向きの周方向の分力Nsinαが、反時計方向向きの摩擦力μNの分力と抗力Rとの合計値よりも小さい状態となるときは、回転体2は突出部36を時計方向に移動させることができない。このように、操作手段9によりキャリア体8に所定の摩擦力を付加した場合には、回転体2のカム面48と遊星歯車体6の突出部36の外周面との間で、摩擦力による噛み合いが生じた状態となり、遊星歯車体6の自転及び公転はロックされ、回転体2は回転不能となる。
本発明のストッパにおいては、上述のとおり、回転体2の回転を阻止するときは、カム面48と突出部36の外周面との間に働く摩擦力の分力μNcosαが、回転に対する抵抗力を分担している。この分力の大きさは、カム面48の傾斜αを変更することにより増大することが可能であり、また、分力の作用するカム面48は、回転体2の円板部42に形成されていて中心軸oとの距離が大きいので、この分力による中心軸oの回りのトルクは大きなものとなる。そのため、キャリア体8に付与された摩擦力に基づく抗力Rの値が小さい場合であっても、回転体2の回転を阻止することが可能となる。
そして、回転の許容と阻止を切り換える操作手段9は、遊星歯車体6に対して直接的に作用するのではなく、これを軸支するキャリア体8に対して作用するものであるから、回転体2を回転不能な状態から回転可能な状態に切り換える際に、カム面48と突出部36の噛み合い状態とは関係なく、容易に操作することができる。従って、本発明のストッパをシャッターのような重量物に適用した場合であっても操作手段を容易に操作することが可能となる。
続いて、図5を参照して、本発明の第二実施例について説明する。本実施例は、空間部の縁部に2個のカム面を形成する代わりに、縁部がそれぞれ反対方向に傾斜するカム面を有する空間部を、対となるようにして回転体に設置したものとなっている。従って、以下においては、上述した本発明の第一実施例との差異部分である空間部についてのみ詳細に説明し、その他についての説明は省略する。その際、本発明の第一実施例にかかるストッパと同一の部分については番号に「´(ダッシュ)」を付して表す。
第二実施例における回転体2´に固着された円板部42´の外周縁部には、縁部が夫々周方向に見て相互に離隔する方向に半径方向内側に傾斜して延びるカム面48´及び50´を有する空間部44´が対となって設置されている。図5に示すように、空間部44´は周方向に等角度間隔を置いて3対設けられ、カム面48´を有する空間部44´とカム面50´を有する空間部44´とは周方向に交互に配置されている。カム面48´は、周方向片側(図5右図において左側)に向かって突出部36´の外周面との距離が大きくなり、カム面50´は、周方向他側(図5右図において右側)に向かって突出部36´の外周面との距離が大きくなるように形成されている。カム面48及び50´は共に円弧状であり、カム面48´とカム面50´とは線対称である。
第二実施例では、操作手段9´がキャリア体8´に対して所定の摩擦力を付与している場合において、例えば、回転体2´を時計方向に回転させようとすると、カム面50´と遊星歯車体6´の突出部36´の外周面との間で噛み合いが生じて遊星歯車体6´の自転が停止され、回転体2´は回転不能な状態となる。操作手段9´がキャリア体8´に摩擦力を付与しないときは、遊星歯車体6´が自転することにより、回転体2´の回転が許容される状態となる。
以上詳述したように、本発明のストッパは、回転体の外周を取り囲んで設置された固定部材に固定歯車を形成し、その固定歯車と噛み合う遊星歯車体の自転を、遊星歯車体を軸支するキャリア体に所定の摩擦力を付与するか否かに応じて制御して、回転体の回転可能状態と回転不能状態を切り換えるようにしたものである。上記実施例においては、固定部材に形成された固定歯車は円周壁部の内周面に形成された内歯歯車であったが、これに替えて端板部の内側を内方に突出させてその外周面に外歯(太陽)歯車を設けるようにしてもよい。また、上記実施例においては、遊星歯車体と係合するカム面は回転体の半径方向内側に形成されていたが、半径方向外側に形成されていてもよい。その他、上記実施例に対し各種の変形が可能であるのは明らかである。
2:回転体
4:固定部材
6:遊星歯車体
8:キャリア体
24:固定歯車
26:雌ねじ
30:キャリア軸
34:遊星歯車
44:空間部
46:カム面
48:片側部分
50:他側部分
52:操作手段
60:雄ねじ

Claims (6)

  1. 回転体を回転可能な状態と回転不能な状態とに切り換えるストッパであって、
    前記回転体の外周を取り囲んで設置された固定部材を備え、前記固定部材には固定歯車が形成され、かつ、前記固定部材の内側には、前記固定歯車と噛み合う遊星歯車を有する遊星歯車体と、前記遊星歯車体を軸支するキャリア体とが配置され、
    前記遊星歯車体には、軸方向に突出し断面形状が円形の突出部が設けられると共に、前記回転体には、前記突出部が挿入される空間部が設けられ、前記空間部の縁部には、前記突出部の外周面との距離が変化するカム面が形成されており、さらに、
    前記キャリア体に対し所定の摩擦力を付与する位置とその摩擦力を解除する位置とに切り換え可能な操作手段が設置され、
    前記操作手段により前記キャリア体に所定の摩擦力を付与した場合は、前記回転体が回転しようとしたときに、前記回転体の前記カム面と前記遊星歯車体の前記突出部の外周面との間で噛み合いが生じて回転体が回転不能となり、摩擦力を解除した場合は、前記遊星歯車体の自転が許容されて回転体が回転可能となる、ことを特徴とするストッパ。
  2. 前記空間部の半径方向内側又は外側の縁部には、周方向に見て相互に離隔する方向にそれぞれ半径方向外側又は内側に傾斜して延びる一対のカム面が形成された請求項1に記載のストッパ。
  3. 前記回転体には、半径方向内側又は外側の縁部がそれぞれ周方向に見て相互に離隔する方向に半径方向内側又は外側に傾斜して延びるカム面を有する前記空間部が、対となって設置された請求項1に記載のストッパ。
  4. 前記カム面は前記空間部の径方向内側の縁部に設けられている、請求項1乃至3のいずれかに記載のストッパ。
  5. 前記操作手段には、雄ねじが形成されていると共に、前記固定部材には、雌ねじが形成されており、前記雄ねじと前記雌ねじとのねじ結合により、前記操作手段の一部が前記固定部材の内側に進入して前記キャリア体に当接することで前記所定の摩擦力を付与する、請求項1乃至4のいずれかに記載のストッパ。
  6. 前記キャリア体には、前記遊星歯車体を挟んで対向する位置に、キャリア補助板が一体的に結合されている、請求項1乃至5のいずれかに記載のストッパ。
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