JP6543965B2 - ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物及びそれよりなる複合体 - Google Patents
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ポリ(p−フェニレンスルフィド)(A−1)(以下、PPS(A−1)と記す。):溶融粘度80ポイズ。
ポリ(p−フェニレンスルフィド)(A−2)(以下、PPS(A−2)と記す。):溶融粘度400ポイズ。
ポリ(p−フェニレンスルフィド)(A−3)(以下、PPS(A−3)と記す。):溶融粘度190ポイズ。
ポリ(p−フェニレンスルフィド)(A−4)(以下、PPS(A−4)と記す。):溶融粘度350ポイズ。
エチレン−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル−無水マレイン酸共重合体(B−1)(以下、変性エチレン系共重合体(B−1)と記す。):アルケマ(株)製、(商品名)ボンダインAX8390。
エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体(B−2)(以下、変性エチレン系共重合体(B−2)と記す。):住友化学(株)製、(商品名)ボンドファースト7M。
エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル−酢酸ビニル共重合体(B−3)(以下、変性エチレン系共重合体(B−3)と記す。):住友化学(株)製、(商品名)ボンドファースト7B。
エチレン−α、β−不飽和カルボン酸−グリシジルエステル共重合体(B−4)(以下、変性エチレン系共重合体(B−4)と記す。):住友化学(株)製、(商品名)ボンドファーストE。
ガラス繊維(C−1);日東紡(株)製チョップドストランド、(商品名)CSG−3PA 830、繊維断面のアスペクト比4。
ガラス繊維(C−2);日東紡(株)製チョップドストランド、(商品名)CSG−3PL 830、繊維断面のアスペクト比2。
トリアジン系紫外線吸収剤(D−1);アデカ(株)製、(商品名)LA−F70、融点147℃。
トリアジン系紫外線吸収剤(D−2);BASF(株)製、(商品名)TINUVIN1577、融点149℃。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(D−3);アデカ(株)製、(商品名)LA−31、融点197℃。
カーボンブラック(D−4);三菱化学(株)製、(商品名)#950、融点 3550℃。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(D−5);アデカ(株)製、(商品名)LA−29、融点104℃。
脂肪酸アミド系滑剤(E−1);共栄社化学(株)製、(商品名)ライトアマイドWH−255。
カルナバワックス(E−2);日興リカ(株)製、(商品名)精製カルナバ粉末1号。
攪拌機を装備する15リットルオートクレーブに、フレーク状硫化ソーダ(Na2S・2.9H2O)1814g、粒状の苛性ソーダ(100%NaOH:和光純薬特級)8.7g及びN−メチル−2−ピロリドン3232gを仕込み、窒素気流下攪拌しながら徐々に200℃まで昇温して、339gの水を留去した。190℃まで冷却した後、p−ジクロロベンゼン2085g、N−メチル−2−ピロリドン1783gを添加し、窒素気流下に系を封入した。この系を2時間かけて225℃に昇温し、225℃にて1時間重合させた後、25分かけて250℃に昇温し、250℃にて2時間重合を行った。重合後、減圧下で重合スラリーからN−メチル−2−ピロリドンを蒸留操作で回収した。最終到達温度は170℃で圧力は4.7kPaであった。得られたケーキに80℃の温水を加えスラリー濃度20%として洗浄し、再度、同様に温水を加え175℃まで昇温してポリ(p−フェニレンスルフィド)を洗浄した。得られたポリ(p−フェニレンスルフィド)を105℃で一昼夜乾燥することによって、溶融粘度が80ポイズのPPS(A−1)を得た。
攪拌機を装備する15リットルオートクレーブに、フレーク状硫化ソーダ(Na2S・2.9H2O)1814g、粒状の苛性ソーダ(100%NaOH:和光純薬特級)8.7g及びN−メチル−2−ピロリドン3232gを仕込み、窒素気流下攪拌しながら徐々に200℃まで昇温して、340gの水を留去した。190℃まで冷却した後、p−ジクロロベンゼン2107g、N−メチル−2−ピロリドン1783gを添加し、窒素気流下に系を封入した。この系を2時間かけて225℃に昇温し、225℃にて1時間重合させた後、25分かけて250℃に昇温し、250℃にて2時間重合を行った。次いで、この系に250℃で蒸留水509gを圧入し、255℃まで昇温してさらに1時間重合反応を行った。重合後、減圧下で重合スラリーからN−メチル−2−ピロリドンを蒸留操作で回収した。最終到達温度は170℃で圧力は4.7kPaであった。得られたケーキに80℃の温水を加えスラリー濃度20%として洗浄し、再度、同様に温水を加え175℃まで昇温してポリ(p−フェニレンスルフィド)の洗浄を合計2回行った。得られたポリ(p−フェニレンスルフィド)を105℃で一昼夜乾燥することによって、溶融粘度が400ポイズのPPS(A−2)を得た。
攪拌機を装備する15リットルオートクレーブに、フレーク状硫化ソーダ(Na2S・2.9H2O)1814g、30%苛性ソーダ溶液(30%NaOHaq)48g及びN−メチル−2−ピロリドン3679gを仕込み、窒素気流下攪拌しながら徐々に200℃まで昇温して、380gの水を留去した。190℃まで冷却した後、p−ジクロロベンゼン2107g、N−メチル−2−ピロリドン985gを添加し、窒素気流下に系を封入した。この系を2時間かけて225℃に昇温し、225℃にて1時間重合させた後、25分かけて250℃に昇温し、さらに250℃にて3時間重合を行った。重合後、減圧下で重合スラリーからN−メチル−2−ピロリドンを蒸留操作で回収した。最終到達温度は170℃で圧力は4.7kPaであった。得られたケーキに80℃の温水を加えスラリー濃度20%として洗浄し、再度、同様に温水を加え175℃まで昇温してポリ(p−フェニレンスルフィド)の洗浄を合計2回行った。得られたポリフェニレンスルフィドを105℃で一昼夜乾燥した。次いで、乾燥したポリフェニレンスルフィドをバッチ式ロータリーキルン型焼成装置に充填し、窒素雰囲気下で240℃まで昇温し、1時間の保持による硬化処理を行うことによって、溶融粘度が190ポイズのPPS(A−3)を得た。
攪拌機を装備する15リットルオートクレーブに、フレーク状硫化ソーダ(Na2S・2.9H2O)1814g、粒状の苛性ソーダ(100%NaOH:和光純薬特級)8.7g及びN−メチル−2−ピロリドン3232gを仕込み、窒素気流下攪拌しながら徐々に200℃まで昇温して、339gの水を留去した。190℃まで冷却した後、p−ジクロロベンゼン2129g、N−メチル−2−ピロリドン1783gを添加し、窒素気流下に系を封入した。この系を2時間かけて225℃に昇温し、225℃にて1時間重合させた後、25分かけて250℃に昇温し、250℃にて2時間重合を行った。次いで、この系に250℃で蒸留水509gを圧入し、255℃まで昇温してさらに2時間重合反応を行った。重合終了後、室温まで冷却し、重合スラリーを遠心濾過器で固液分離した。ケーキを窒素気流下でN−メチル−2−ピロリドン、アセトンで順次3回繰り返し洗浄し、さらに、窒素気流下で0.2%塩酸、及び温水で順次洗浄した。得られたポリ(p−フェニレンスルフィド)を105℃で一昼夜乾燥することによって、溶融粘度が350ポイズのPPS(A−4)を得た。
直径1mm、長さ2mmのダイスを装着した高化式フローテスター((株)島津製作所製、(商品名)CFT−500)にて、測定温度315℃、荷重10kgの条件下で溶融粘度の測定を行った。
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を、シリンダー温度310℃、金型温度135℃とした射出成形機(住友重機械工業(株)製、(商品名)SE−75S)によって射出成形し、70mm×70mm×2mm厚の成形体とし、サンシャインカーボンアーク灯式耐候性試験機(スガ試験機(株)製、(商品名)サンシャインスーパーロングライフウェーザーメーター)を用いて、JIS D−205 WAN−1Sに準拠し100時間供し成形体の表面状態を目視にて判定した。
○:成形品表面に荒れが認められなかったもの。
×:成形品表面に荒れが認められるもの。
物理的処理及び/又は化学処理を施した表面を有する金属板(127mm(長辺)×12.7(短辺)mm×0.5mm(厚さ))を、金型温度150℃に設定した射出成形機金型内に装着し、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を310℃に加熱した射出成形機(住友重機械工業製、(商品名)SE75S)のホッパーに投入し、射出インサート成形を行い、127mm(長辺)×12.7mm(短辺)×3.2mm(厚さ)(複合体厚さに対する複合体長さの比40、複合体厚さに対する複合体長さの比4)の金属部材−ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物部材複合体を得た。
○:金属部材−ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物部材複合体の界面にはく離が認められなかったもの。
×:金属部材−ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物部材複合体の界面にはく離が認められるもの。
射出成形機(住友重機械工業(株)製、(商品名)SE75S)に、深さ1mm、幅10mmの溝がスパイラル状に掘られた金型を装着し、次いで、シリンダー温度を310℃、射出圧力を190MPa、射出速度を最大、射出時間を1.5秒、及び金型温度を135℃に設定した該射出成形機のホッパーにポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を投入し、射出した。そして金型内のスパイラル状の溝を溶融流動した長さを成形流動性として測定した。成形流動性として180mmを超えるものを実用上十分な値を示すと判断した。
合成例1で得られたPPS(A−1)100重量部に対し、変性エチレン系共重合体(B−2)20重量部、紫外線吸収剤(D−1)2.5重量部、及び離型剤(E−1)1.0重量部を予め均一に混合し、シリンダー温度300℃に加熱した二軸押出機(東芝機械製、(商品名)TEM−35−102B)のホッパーに投入した。一方、ガラス繊維(C−1)をPPS(A−1)100重量部に対して130重量部となるように該二軸押出機のサイドフィーダーのホッパーから投入し、溶融混練してペレット化したポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を得た。
合成例2で得られたPPS(A−2)100重量部に対し、変性エチレン系共重合体(B−1)7重量部、紫外線吸収剤(D−2)1.8重量部、及び離型剤(E−2)0.7重量部を予め均一に混合し、シリンダー温度300℃に加熱した二軸押出機(東芝機械製、(商品名)TEM−35−102B)のホッパーに投入した。一方、ガラス繊維(C−1)をPPS(A−2)100重量部に対して75重量部となるように該二軸押出機のサイドフィーダーのホッパーから投入し、溶融混練してペレット化したポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を得た。
合成例1で得られたPPS(A−1)100重量部に対し、変性エチレン系共重合体(B−3)28重量部、紫外線吸収剤(D−3)6重量部、及び離型剤(E−1)0.6重量部を予め均一に混合し、シリンダー温度300℃に加熱した二軸押出機(東芝機械製、(商品名)TEM−35−102B)のホッパーに投入した。一方、ガラス繊維(C−1)をPPS(A−2)100重量部に対して165重量部となるように該二軸押出機のサイドフィーダーのホッパーから投入し、溶融混練してペレット化したポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を得た。
合成例3で得られたPPS(A−3)100重量部に対し、変性エチレン系共重合体(B−4)15重量部、紫外線吸収剤(D−4)1.5重量部、及び離型剤(E−2)0.7重量部を予め均一に混合し、シリンダー温度300℃に加熱した二軸押出機(東芝機械製、(商品名)TEM−35−102B)のホッパーに投入した。一方、ガラス繊維(C−2)をPPS(A−1)100重量部に対して95重量部となるように該二軸押出機のサイドフィーダーのホッパーから投入し、溶融混練してペレット化したポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を得た。
合成例4で得られたPPS(A−4)100重量部に対し、変性エチレン系共重合体(B−1)17重量部、紫外線吸収剤(D−4)3.8重量部、及び離型剤(E−2)0.5重量部を予め均一に混合し、シリンダー温度300℃に加熱した二軸押出機(東芝機械製、(商品名)TEM−35−102B)のホッパーに投入した。一方、ガラス繊維(C−2)をPPS(A−1)100重量部に対して125重量部となるように該二軸押出機のサイドフィーダーのホッパーから投入し、溶融混練してペレット化したポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を得た。
PPS(A−1)、変性エチレン系共重合体(B−2)、紫外線吸収剤(D−1、D−5)及び離型剤(E−1)を表2に示す構成割合で配合して、二軸押出機のホッパーに投入し、ガラス繊維(C−1)を、表2に示す構成割合になるように、二軸押出機のサイドフィーダーのホッパーに投入し、実施例1と同様の方法により樹脂組成物を得た。
Claims (5)
- 直径1mm、長さ2mmのダイスを装着した高化式フローテスターにて、測定温度315℃、荷重10kgの条件下で測定した溶融粘度が50〜500ポイズであるポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100重量部に対し、エチレン−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル−無水マレイン酸共重合体である変性エチレン系共重合体(B)5〜30重量部、繊維断面アスペクト比2〜4を有するガラス繊維(C)70〜170重量部、並びにカーボンブラックである紫外線吸収剤(D)1〜10重量部を含んでなることを特徴とする耐候性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
- ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100重量部に対し、さらに、脂肪酸アミド系滑剤、カルナバワックスからなる群より選択される少なくとも1種以上の離型剤(E)0.1〜3重量部を含んでなることを特徴とする請求項1に記載の耐候性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
- 物理的処理及び/又は化学処理を施した表面を有する金属部材と、直径1mm、長さ2mmのダイスを装着した高化式フローテスターにて、測定温度315℃、荷重10kgの条件下で測定した溶融粘度が50〜500ポイズであるポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100重量部に対し、エチレン−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル−無水マレイン酸共重合体である変性エチレン系共重合体(B)5〜30重量部、繊維断面アスペクト比2〜4を有するガラス繊維(C)70〜170重量部、並びにカーボンブラックである紫外線吸収剤(D)1〜10重量部を含んでなる耐候性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物部材とを射出成形により直接一体化してなることを特徴とする金属部材−耐候性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物部材複合体。
- 金属部材が、アルミニウム製部材、アルミニウム合金製部材、銅製部材、銅合金製部材、マグネシウム製部材、マグネシウム合金製部材、鉄製部材、チタン製部材、チタン合金製部材及びステンレス製部材からなる群より選択される1種以上の金属部材であることを特徴とする請求項3に記載の金属部材−耐候性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物部材複合体。
- 金属部材−耐候性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物部材複合体が、0.3〜10mmの複合体厚さを含む複合体であって複合体厚さに対する複合体長さの比および/または複合体厚さに対する複合体幅の比が2以上の板状複合体を含むことを特徴とする請求項3または4に記載の金属部材−耐候性ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物部材複合体。
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