JP6540494B2 - 車両位置検出装置、車両位置検出方法 - Google Patents

車両位置検出装置、車両位置検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、車両の位置を検出する技術に関する。
車両に設けられた各種センサーの出力を利用する自律航法によって、地図データ上の車両の位置(自車位置)を検出する技術が知られており、近年の車両には、このような技術を利用した種々のシステムが搭載されている。例えば、検出した自車位置を地図画像と共に車内に設けられたディスプレイに表示するシステムや、検出した自車位置に対応させて車両の走行制御(カーブの手前における減速制御など)を行うシステムなどが存在する(特許文献1)。
このようなシステムでは、直前までの自車位置の検出内容に基づいて現在の自車位置を検出している。これにより、自車位置を検出するまでの時間を短縮することができる。もっとも、車両の運転が開始される際(運転開始時)は、直前の自車位置が存在しないので、直前に検出した位置から現在の位置を検出することはできない。そこで、車両の運転が停止される際(運転停止時)の自車位置を不揮発性の記憶部に記憶しておき、この自車位置を運転開始時の自車位置として検出している。
特開2011−189803号公報
しかし、車両が他力で移動された場合は、運転停止時に記憶された自車位置は運転開始時の自車位置と異なるので、誤った自車位置が検出されてしまうという問題があった。すなわち、運転停止時の自車位置を記憶したとしても、運転が開始されるまでの間に車両が運搬される場合がある。また、自車位置として車両の方位も記憶していた場合は、運転停止後に駐車場内のターンテーブルによって移動される場合もある。そして、これらの場合は、運転停止時に記憶された自車位置は運転開始時の自車位置と異なることとなり、その結果、誤った自車位置が検出されてしまうという問題があった。
この発明は、従来技術が有する上述した課題に鑑みてなされたものであり、車両の運転が開始された際の車両の位置を適切に検出する技術の提供を目的とする。
上述した課題を解決するために本発明の車両位置検出装置は、車両の自車位置を検出する自車位置検出手段を備えており、車両の運転が停止される際の自車位置を記憶手段に記憶する。そして、車両の運転が停止されてから車両の運転が開始されるまでの間に車両が移動されたか否か(すなわち、車両が他力移動されたか否か)を、車両に設けられた車速センサーまたは方位センサーの出力値に基づいて判断し、該車両が他力移動されていると判断された場合は、記憶手段に記憶されている自車位置を用いることなく自車位置を検出する。また、車両のドアまたはトランクの開閉が検出されてから所定期間が経過するまでは、車速センサーまたは方位センサーの出力値に拘わらず、車両は移動されていないと判断する。
車両の運転が停止される際の自車位置は、その後に車両が他力移動されなければ、車両の運転が開始される際の自車位置と同じであり、車両が他力移動されれば、車両の運転が開始される際の自車位置と異なることとなる。本発明の車両位置検出装置は、この点に着目した発明であり、車両が他力移動されていれば、車両の運転が停止される際の自車位置を用いることなく自車位置を検出する。この結果、車両の運転が開始される際の自車位置適切に検出することができる。
本実施例の走行制御装置100の大まかな内部構成を示す説明図である。 本実施例の走行制御装置100が実行する他力移動検出処理のフローチャートである。 本実施例の走行制御装置100が実行する走行制御処理のフローチャートである。 変形例1の走行制御装置300の大まかな内部構成を示す説明図である。 変形例1の走行制御装置300が実行する他力移動検出処理のフローチャートである。 変形例2の走行制御装置400のハードウェア構成を示す説明図である。 変形例2のサブマイコン403によって実行される他力移動検出処理のフローチャートである。 変形例2のサブマイコン403によって実行される状態監視処理のフローチャートである。 変形例2のサブマイコン403によって実行される他力移動検出処理の態様をまとめて示す説明図である。 本実施例または変形例1のハードウェア構成を例示する説明図である。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために実施例について説明する。
A.装置構成 :
図1には、本実施例の「走行制御装置100」の大まかな構成が示されている。本実施例では、この走行制御装置100が本発明における「車両位置検出装置」に対応している。走行制御装置100は、車両1内(例えば、運転席前方のインストルメントパネルの奥側など)に搭載されており、走行制御装置100には、図示されるように、車速センサー101と、方位センサー102と、GNSS信号受信部103と、電力供給部104と、イグニッションスイッチ105と、駆動系システム200とが接続されている。また、走行制御装置100は、位置検出部11と、走行制御部12と、運転停止判断部13と、運転開始判断部14と、停止位置記憶部15と、他力移動判断部16とを備えている。尚、これら6つの「部」は、走行制御装置100の内部を便宜的に分類した抽象的な概念であり、走行制御装置100が物理的に6つの部分に区分されることを表すものではない。従って、これらの「部」は、CPUで実行されるコンピュータープログラムとして実現することもできるし、LSIやメモリーを含む電子回路として実現することもできるし、更にはこれらを組合せることによって実現することもできる。
車速センサー101は、車両1の走行速度を検出するためのセンサーであり、例えば、車両1のプロペラシャフトや車輪の回転量に基づいて車両1の走行速度を検出する。また、方位センサー102は、車両1が向いている方位(車両1の向き)を検出するためのセンサーであり、例えば、地磁気センサーやジャイロセンサーなどが方位センサー102として用いられる。GNSS信号受信部103は、衛星航法用の人工衛星(航法衛星)から送信される電波信号を受信する。尚、本実施例では、車速センサー101が本発明における「走行速度検出手段」に対応しており、方位センサー102が本発明における「方位検出手段」に対応している。
電力供給部104は、車両1に搭載されたバッテリー(鉛蓄電池あるいはリチウムイオン電池)やオルタネーターが有する電力を、上述した車速センサー101や、方位センサー102、GNSS信号受信部103、走行制御装置100に供給する。イグニッションスイッチ105は、車両1のエンジンを始動または停止させるためのスイッチである。詳しくは後述するが、本実施例では、イグニッションスイッチ105の状態によって、電力供給部104による電力供給先が異なる。
走行制御装置100内の位置検出部11は、GNSS信号受信部103が受信する航法衛星の電波信号に基づいて、車両1の位置や走行速度などを算出し、これをGNSS測位結果として検出する。このような衛星航法によるGNSS測位結果の検出方法としては、単独測位や相対測位などの多種多様の方法を採用可能である。また、位置検出部11は、車速センサー101の出力および方位センサー102の出力に基づいて、車両1の走行速度や向きを検出する。そして、車両1の走行速度や向きを積算することで、車両1の位置をINS測位結果として検出する。このような自律航法によるINS測位結果の検出方法としても、重力補正やコリオリカ補正を行う方法などの多種多様の方法を採用可能である。
位置検出部11は、上述したGNSS測位結果とINS測位結果を同じタイミングで(同期して)検出し、GNSS測位結果およびINS測位結果に基づいて(すなわち、衛星航法と自律航法を併用して)、現在の車両1の位置(以下「自車位置」という)を検出する。尚、本実施例では、位置検出部11が本発明における「自車位置検出手段」に対応している。
走行制御部12は、位置検出部11が検出した自車位置に対応する走行制御の内容(走行制御内容)を決定する。例えば、走行制御部12は、種々の自車位置(あるいは自車位置周辺の道路形状)に対応付けられた走行制御内容テーブルを記憶しており、この走行制御内容テーブルを参照して、自車位置に対応する走行制御内容を決定する。そして、決定した走行制御内容を示す走行制御信号を、駆動系システム200に向けて送信する。駆動系システム200は、ハンドル操舵角やアクセル開度、ブレーキ開度などを直接的に制御するシステムである。駆動系システム200は、走行制御部12から走行制御信号を受信すると、該走行制御信号に基づいて、ハンドル操舵角やアクセル開度、ブレーキ開度を調節する。例えば、位置検出部11が検出した自車位置がカーブの手前であった場合は、走行制御部12は、所定速度未満まで減速を行うことを指示する走行制御信号を駆動系システム200に向けて送信する。駆動系システム200は、該走行制御信号を受信すると、走行速度が所定速度以上であるか否かを判断し、所定速度以上であればアクセル開度やブレーキ開度を調節して車両1を減速させる。
運転停止判断部13は、運転者による車両1の運転が停止されたことを判断する。この判断は、イグニッションスイッチ105の状態に基づいて判断する。例えば、イグニッションスイッチ105がON(いわゆるIGON)からOFF(いわゆるIGOFF)に設定された場合に、車両1の運転が停止されたと判断する。尚、アクセサリースイッチがON(いわゆるACCON)からOFF(いわゆるACCOFF)に設定された場合に、車両1の運転が停止されたと判断してもよいし、エンジンの動作状態を直接監視して、エンジンが動作した状態から停止した状態となった場合に車両1の運転が停止されたと判断してもよい。
また、運転開始判断部14は、運転者による車両1の運転が開始されたことを判断する。この判断も、イグニッションスイッチ105の状態に基づいて判断する。例えば、イグニッションスイッチ105がOFF(いわゆるIGOFF)からON(いわゆるIGON)に設定された場合に、車両1の運転が開始されたと判断する。尚、アクセサリースイッチがOFF(いわゆるACCOFF)からON(いわゆるACCON)に設定された場合に、車両1の運転が開始されたと判断してもよいし、エンジンの動作状態を直接監視して、エンジンが停止した状態から動作した状態となった場合に車両1の運転が開始されたと判断してもよい。
停止位置記憶部15は、車両1の運転が停止された際の自車位置を記憶する記憶部である。この停止位置記憶部15は、フラッシュメモリー等の不揮発性のメモリーから構成されるので、電力供給部104から電力が供給されていない状態でも、車両1の運転が停止された際の自車位置を記憶することが可能である。本実施例では、停止位置記憶部15が本発明における「記憶手段」に対応している。
尚、運転が停止されると、位置検出部11に対する電力供給は停止されるので、位置検出部11は、このときの自車位置(車両1の運転が停止された際の自車位置)を停止位置記憶部15に記憶させることができない可能性がある。そこで、次のような方法を採用してもよい。すなわち、運転停止判断部13は、イグニッションスイッチがOFFに設定されてから位置検出部11への電力供給が完全に停止する前に、車両1の運転が停止されたと判断する。言い換えると、運転停止判断部13は、所定量以上の電圧低下を検出したら、車両1の運転が停止されたと判断する。そして、このような判断が行われたら、位置検出部11は、このときの自車位置を停止位置記憶部15に記憶させる。または、次のような方法を採用してもよい。すなわち、位置検出部11は、自車位置を検出するたびに該自車位置を停止位置記憶部15に記憶させておく。こうすると、位置検出部11および停止位置記憶部15への電力供給が停止された際に停止位置記憶部15に記憶されている自車位置のうち、最新の自車位置は、電力供給が停止される直前の自車位置であり、この自車位置は自ずと、車両1の運転が停止された際の自車位置となる。
他力移動判断部16は、車両1の運転が停止されている間に車両1が他力によって移動(他力移動)されたか否かを判断する。例えば、駐車場のターンテーブルによって車両1の向きが変更されたか否かや、船舶によって車両1が運搬されたか否かなどを判断する。この判断は次のように行われる。他力移動判断部16は、車両1の運転が停止されたと運転停止判断部13によって判断されてから、車両1の運転が開始されたと運転開始判断部14によって判断されるまでの間に、車速センサー101または方位センサー102の出力値が所定の閾値以上になったか否かを判断する。その結果、該所定の閾値以上になった場合に、車両1が他力移動されたと判断する。すなわち、車両1が他力移動されたのであれば、車両1の運転が停止されている間であっても、車両1の走行速度や向きに変化があるはずである。そこで、このような変化を車速センサー101や方位センサー102の出力値に基づいて検出することによって、車両1が他力移動されたことを検出する。本実施例では、他力移動判断部16が本発明における「移動判断手段」に対応している。
ここで、車両1の運転の停止に伴って電力供給が完全に停止されると、車速センサー101や、方位センサー102、他力移動判断部16等にも電力が供給されなくなり、上述したような判断(車両1の運転が停止されている間に車両1が他力移動されたか否かの判断)が出来なくなってしまう。
そこで、電力供給部104は、イグニッションスイッチ105の状態に基づいて、車両1の運転が開始されたか否かや、車両1の運転が停止されたか否かを判断し、車両1の運転が開始された場合は、上述した車速センサー101、方位センサー102、GNSS信号受信部103、位置検出部11、走行制御部12、運転停止判断部13、運転開始判断部14、停止位置記憶部15、他力移動判断部16に対して、電力供給を開始し(図中、実線の矢印)、車両1の運転が停止された場合は、これらのうち、車速センサー101、方位センサー102、他力移動判断部16に対して、電力供給を開始する(図中、点線の矢印)。すなわち、車両1の運転が停止されている場合であっても、車速センサー101、方位センサー102、他力移動判断部16には、電力を供給する。これによって、上述したような判断(車両1の運転が停止されている間に車両1が他力移動されたか否かの判断)を行うことが可能となる。
位置検出部11は、車両1の運転が開始されると(運転開始判断部14によって判断されると)、運転が停止されている間に車両1が他力移動されたか否かを、他力移動判断部16の判断結果に基づき判断する。そして、運転が停止されている間に車両1が他力移動されていなければ、車両1の運転が停止される際に停止位置記憶部15に記憶した自車位置(運転が停止される際の自車位置)を、車両1の運転が開始される際の自車位置(現在の自車位置)として検出する。これに対して、運転が停止されている間に車両1が他力移動されていれば、GNSS測位結果を検出し、GNSS測位結果に基づいて(すなわち、衛星航法を利用して)、現在の自車位置を検出する。
以下では、上述した走行制御装置100によって実行される「他力移動検出処理」および「走行制御処理」について説明する。
B.他力移動検出処理 :
図2には、走行制御装置100によって実行される他力移動検出処理のフローチャートが示されている。この処理は、車両1の運転が停止されている間に、タイマ割り込み処理として第1所定時間毎(例えば、1〜2秒毎)に実行される。
図示されるように、走行制御装置100は、他力移動検出処理を開始すると先ず、車速センサー101の出力値を取得する(S101)。そして、取得した車速センサー101の出力値の変化量が第1の閾値以上(車両1の走行速度の変化量が第1の量以上)であるか否かを判断する(S102、移動判断工程)。その結果、車速センサー101の出力値の変化量が第1の閾値以上(車両1の走行速度の変化量が第1の量以上)である場合は(S102:yes)、他力移動フラグをONに設定する(S103)。他力移動フラグは、車両1の運転が停止されている間に車両1が他力移動されたことを示す(記憶するための)フラグであって、走行制御装置100内のメモリーにその記憶領域が確保されている。従って、S103の処理では、車両1の運転が停止されている間に車両1が他力移動されたことが記憶される。その後、図2に示す他力移動検出処理を終了する。
これに対して、車速センサー101の出力値の変化量が第1の閾値以上(車両1の走行速度の変化量が第1の量以上)でない場合は(S102:no)、方位センサー102の出力値を取得する(S104)。そして、取得した方位センサー102の出力値の変化量が第2の閾値以上(車両1の向きの変化量が第2の量以上)であるか否かを判断する(S105、移動判断工程)。その結果、方位センサー102の出力値の変化量が第2の閾値以上(車両1の向きの変化量が第2の量以上)である場合も(S105:yes)、車両1が他力移動されたことを記憶すべく、他力移動フラグをONに設定する(S103)。その後、図2に示す他力移動検出処理を終了する。尚、車速センサー101の出力値の変化量が第1の閾値以上(車両1の走行速度の変化量が第1の量以上)でなく、且つ、方位センサー102の出力値の変化量が第2の閾値以上(車両1の向きの変化量が第2の量以上)でない場合は、他力移動フラグをONに設定することなく(車両1が他力移動されたことを記憶することなく)、図2に示す他力移動検出処理を終了する。
ここで、車両1が他力移動される場合としては、車両1の向きは変えられることなく前方または後方に移動される場合や、車両1が前方または後方に移動されることなく向きが変えられる場合がある。この点、本実施例の走行制御装置100では上述したように、車速センサー101の出力値の変化量が第1の閾値以上(車両1の走行速度の変化量が第1の量以上)になった場合、および、方位センサー102の出力値の変化量が第2の閾値以上(車両1の向きの変化量が第2の量以上)になった場合に、車両1の運転が停止されている間に車両1が他力移動されたことを検出する(他力移動されたと判断する)。従って、車両1が他力移動されたことを高い精度で検出することができる。
また、上述した他力移動検出処理は、車両1の運転が停止されている間に実行されるので、オルタネーターによる蓄電が行われない期間に実行されることとなる。このような期間に他力移動検出処理を高い頻度で実行すると、バッテリーやオルタネーターが有する電力を使い切ってしまう虞がある。また、車両1が他力移動される場合は、車両1の運転が行われている場合と比較して、該車両1が高速で移動される可能性は極めて低く、他力移動検出処理を低い頻度で実行することとしても、車両1が他力移動されたことを十分に検出することができる。そこで、他力移動検出処理は、後述する走行制御処理の実行頻度(第2所定時間毎(例えば、0.1〜0.5秒毎))よりも低い頻度(第1所定時間毎(例えば、1〜2秒毎))で実行することとしている。こうすると、電力の消費を抑えつつ、車両1の他力移動を検出することができる。
C.走行制御処理 :
図3には、走行制御装置100によって実行される走行制御処理のフローチャートが示されている。この処理は、車両1の運転が開始されてから停止されるまでの間に、タイマ割り込み処理として第2所定時間毎(例えば、0.1〜0.5秒毎)に実行される。
図示されるように、走行制御装置100は走行制御処理を開始すると先ず、車両1の運転が開始されたタイミングであるか否かを判断する(S201)。その結果、車両1の運転が開始されたタイミングでなければ(S201:yes)、衛星航法に基づいてGNSS測位結果を検出する(S202)。ここで、GNSS測位結果を検出するためには、多数の航法衛星(例えば30個)の中から、受信可能な電波信号を送信している航法衛星を所定個数(例えば3〜4個)探索する必要がある。そこで、本実施例の走行制御装置100は、直前まで電波信号を受信していた航法衛星を記憶しておき、該航法衛星(すなわち、受信可能な電波信号を送信している可能性の高い航法衛星)を優先的に探索することとしている。こうすると、受信可能な電波信号を送信している航法衛星を探索(発見)するまでの時間を短縮することができ、ひいては、GNSS測位結果を検出するまでの時間を短縮することができる。
続いて、自律航法に基づいてINS測位結果を検出する(S203)。INS測位結果は、車速センサー101の出力および方位センサー102の出力に基づいて、車両1の走行速度や向きを検出し、直前の自車位置に車両1の走行速度や向きを積算することによって検出する。こうして、GNSS測位結果およびINS測位結果を検出したら、これらの測位結果に基づいて(すなわち、衛星航法および自律航法を併用して)現在の自車位置を検出する(S204、自車位置検出工程)。そして、検出した現在の自車位置を停止位置記憶部15に記憶する(S205、記憶工程)。尚、このように現在の自車位置を検出するたびに該自車位置を停止位置記憶部15に記憶させておくことによって、車両1の運転が停止された際の自車位置が記憶されることとなる。すなわち、位置検出部11および停止位置記憶部15への電力供給が停止された際に停止位置記憶部15に記憶されている自車位置のうち、最新の自車位置は、該電力供給が停止される直前の自車位置であり、この自車位置は自ずと、車両1の運転が停止された際の自車位置となる。
こうして現在の自車位置を検出したら(S204)、この自車位置に対応する走行制御内容を決定する(S206)。例えば、図1を用いて前述したように、走行制御部12は、走行制御内容テーブルを参照して、現在の自車位置に対応する走行制御内容を決定する。当然ながら、自車位置によっては走行制御を必要としない場合もあるので、この場合は(例えば、現在の自車位置に対応する走行制御内容が走行制御内容テーブルに記憶されていない場合は)、該自車位置に対応する走行制御内容は決定されない。従って、次の処理では、走行制御内容が決定されたか否かを判断する(S207)。その結果、走行制御内容が決定されたと判断された場合は(S207:yes)、決定された走行制御内容を示す走行制御信号を駆動系システム200に送信した後(S208)、図3に示す走行制御処理を終了し、走行制御内容が決定されていない場合は、そのまま(S208の処理を省略して)図3に示す走行制御処理を終了する。
以上は、車両1の運転が開始されたタイミングでない場合の処理について説明した。これに対して、車両1の運転が開始されたタイミングである場合は、先ず、他力移動フラグがONに設定されているか否かを判断する(S209)。上述したように他力移動フラグは、車両1の運転が停止されている間に車両1が他力移動されたことを示す(記憶するための)フラグである。従って、S208の判断処理では、車両1の運転が停止されている間に車両1が他力移動されたか否かが判断される。
S208の判断処理の結果、車両1が他力移動されていないと判断された場合は(S209:no)、停止位置記憶部15に記憶されている自車位置、すなわち、車両1の運転が停止された際の自車位置を現在の自車位置として検出する(S211)。つまり、車両1の運転が停止されている間に車両1が他力移動されていないのであれば、車両1の運転が停止された際の自車位置と、車両1の運転が開始される際の自車位置とは、互いに同じはずである。そこで、車両1が他力移動されていない場合は、車両1の運転が停止された際の自車位置を、現在の自車位置(車両1の運転が開始された際の自車位置)として検出する(S211、自車位置検出工程)。こうして現在の自車位置を検出したら(S211)、車両1の運転が開始されたタイミングではない場合と同様に、この自車位置を停止位置記憶部15に記憶し(S205、記憶工程)、この自車位置に対応する走行制御内容を決定する(S206)。そして、この走行制御内容を示す走行制御信号を示す駆動系システム200に送信した後(S208)、図3に示す走行制御処理を終了する。尚、自車位置に対応する走行制御内容が決定されていない(記憶されていない)場合は(S207:no)、そのまま(S208の処理を省略して)図3に示す走行制御処理を終了する。
一方、S208の判断処理の結果、車両1が他力移動されていると判断された場合は(S209:yes)、先ず、次回の他力移動の検出(他力移動検出処理)に備えて他力移動フラグをOFFに設定する(S210)。そして、この場合は、次のような処理を行う。すなわち、車両1が他力移動された場合は、車両1の運転が停止された際の自車位置と、車両1の運転が開始される際の自車位置とは、互いに異なる可能性が高い。従って、この場合に、車両1の運転が停止された際の自車位置を、車両1の運転が開始される際の自車位置として検出すると、誤った自車位置が検出される可能性が高く、ひいては、誤った走行制御が行われてしまう可能性がある。そこで、車両1が他力移動されていると判断された場合は(S209:yes)、衛星航法に基づいてGNSS測位結果を検出する(S202)。
ここで、車両1の運転が開始されるタイミングでは、当然ながら、直前まで電波信号を受信していた航法衛星(電波信号を受信できる可能性の高い航法衛星)は記憶されていない。従って、該航法衛星(電波信号を受信できる可能性の高い航法衛星)を優先的に探索することはできず、あらためて、多数の航法衛星(例えば30個)の中から、受信可能な電波信号を送信している航法衛星を所定個数(例えば3〜4個)探索する必要がある。このように、車両1の運転が開始されるタイミングでは、既にGNSS測位結果が検出されている場合(電波信号を受信できる可能性の高い航法衛星を記憶している場合)と比較して、GNSS測位結果を検出するまでの時間が長くなってしまう。
こうして、GNSS測位結果を検出したら(S202)、自律航法に基づくINS測位結果は検出することなく(S203の処理を省略して)、該GNSS測位結果に基づいて、現在の自車位置を検出する(S204、自車位置検出工程)。すなわち、INS測位結果は、車両1の走行速度や向きを検出し、直前の自車位置に車両1の走行速度や向きを積算することによって検出するものである。しかし、車両1が他力移動されている場合において、車両1の運転が開始されるタイミングでは、直前の自車位置は不明であるので(車両1の運転が停止される際の自車位置とは異なるので)、INS測位結果を検出することはできない。そこで、INS測位結果は利用せず、GNSS測位結果に基づいて現在の自車位置(車両1の運転が開始された際の自車位置)を検出する。
こうして現在の自車位置を検出したら(S204)、車両1の運転が開始されたタイミングではない場合と同様に、この自車位置を停止位置記憶部15に記憶し(S205、記憶工程)、この自車位置に対応する走行制御内容を決定する(S206)。そして、この走行制御内容を示す走行制御信号を示す駆動系システム200に送信した後(S208)、図3に示す走行制御処理を終了する。尚、自車位置に対応する走行制御内容が決定されていない(記憶されていない)場合は(S207:no)、そのまま(S208の処理を省略して)図3に示す走行制御処理を終了する。
以上のように、車両1の運転が開始された際は、車両1の運転が停止されている間に車両1が他力移動されていなければ、車両1の運転が停止された際の自車位置と車両1の運転が開始される際の自車位置とは同じであるので、車両1の運転が停止された際の自車位置を、現在の自車位置(車両1の運転が開始された際の自車位置)として検出する。従って、GNSS測位結果に基づいてあらためて自車位置を検出する場合と比較して(航法衛星をあらためて探索する場合と比較して)、車両1の運転が開始された際の自車位置を正確に且つ速やかに検出することが可能となる。
これに対して、車両1の運転が停止されている間に車両1が他力移動されていれば、車両1の運転が停止された際の自車位置と車両1の運転が開始される際の自車位置とは異なるので、GNSS測位結果に基づいて、あらためて現在の自車位置(車両1の運転が開始された際の自車位置)を検出する。従って、車両1の運転が停止されている間に車両1が他力移動された場合であっても、車両1の運転が開始された際の自車位置を検出することができる。
これらの結果、本実施例の走行制御装置100は、車両1の運転が開始された際の自車位置を適切に検出することができ、ひいては、走行制御を適切に実行することができる。
D.変形例1 :
次に本発明の変形例1について説明する。
車両1の運転が停止されている間に車両1のドアの開閉が行われると、車両1は振動するので、これに伴って、車速センサー101や方位センサー102の出力値が変化することがある。従って、車速センサー101や方位センサー102の出力値に基づいて車両1が他力移動されたことを検出することとすると、単に車両1のドアの開閉が行われた場合も(実際には車両1が他力移動されなくても)、車両1が他力移動されたと判断してしまう虞がある。
そこで、変形例1では、車速センサー101や方位センサー102の出力値に基づいて車両1が他力移動されたことを検出するものの、車両1のドアの開閉が行われたことを検出した場合は、車速センサー101や方位センサー102の出力値に拘わらず、車両1は他力移動されていないものと判断する。
図4には、変形例1の「走行制御装置300」の大まかな構成が示されている。変形例1では、この走行制御装置300が本発明における「車両位置検出装置」に対応している。図4を図1と比較すると明らかなように、変形例1の走行制御装置300には、実施例の走行制御装置100に接続されているセンサー類に加えて、気圧センサー301(図中、太枠)が接続されている。
この気圧センサー301は、車両1の車室内に設けられており、車室内の気圧を検出可能である。車室内の気圧は、車両1のドアが開閉される時に変化し易い。例えば、車両1のドアが閉じられる時に車室内の気圧は瞬間的に高くなる。そこで、変形例1では、気圧センサー301の出力値に基づいて車両1のドアの開閉が行われたことを検出する。例えば、気圧センサー301の出力値の変化量が第3の閾値以上となった場合に、車両1のドアの開閉が行われたことを検出する。尚、変形例1では、気圧センサー301が本発明における「開閉検出手段」に対応している。
図5には、走行制御装置300によって実行される他力移動検出処理のフローチャートが示されている。この処理も実施例と同様に、車両1の運転が停止されている間に、タイマ割り込み処理として第1所定時間毎(例えば、1〜2秒毎)に実行される。図5を図2と比較すると明らかなように、変形例1の他力移動検出処理では、実施例の他力移動検出処理に加えて、S301およびS302の処理(図中、太枠)が行われる。
図示されるように、走行制御装置300は他力移動検出処理を開始すると先ず、車速センサー101の出力値を取得し(S101)、取得した車速センサー101の出力値の変化量が第1の閾値以上(車両1の走行速度の変化量が第1の量以上)であるか否かを判断する(S102)。その結果、車速センサー101の出力値の変化量が第1の閾値以上(車両1の走行速度の変化量が第1の量以上)である場合は(S102:yes)、直ちに他力移動フラグをONに設定するのではなく(車両1が他力移動されたことを記憶するのではなく)、気圧センサー301の出力値を取得する(S301)。
そして、取得した気圧センサー301の出力値の変化量が第3の閾値以上(車両1の車室内の気圧の変化量が第3の量以上)であるか否かを判断する(S302、移動判断工程)。その結果、取得した気圧センサー301の出力値の変化量が第3の閾値以上であれば(S302:yes)、今回の車速センサー101の出力値の変化は車両1のドアの開閉によるものであるとして、他力移動フラグをONに設定することなく(車両1が他力移動されたことを記憶することなく)、図5に示す他力移動検出処理を終了する。
これに対して、取得した気圧センサー301の出力値の変化量が第3の閾値以上でなければ(S302:no)、今回の車速センサー101の出力値の変化は車両1のドアの開閉によるものではないとして(車両1が他力移動されたことによるものであるとして)、他力移動フラグをONに設定する(車両1が他力移動されたことを記憶する)。
一方、S105の判断処理で、車速センサー101の出力値の変化量が第1の閾値以上(車両1の走行速度の変化量が第1の量以上)でないと判断された場合は(S102:no)、方位センサー102の出力値を取得し(S104)、取得した方位センサー102の出力値の変化量が第2の閾値以上(車両1の向きの変化量が第2の量以上)であるか否かを判断する(S105)。その結果、方位センサー102の出力値の変化量が第2の閾値以上(車両1の向きの変化量が第2の量以上)である場合も(S105:yes)、直ちに他力移動フラグをONに設定するのではなく(車両1が他力移動されたことを記憶するのではなく)、気圧センサー301の出力値を取得する(S301)。
そして、取得した気圧センサー301の出力値の変化量が第3の閾値以上(車両1の車室内の変化量が第3の量以上)であるか否かを判断する(S301)。その結果、取得した気圧センサー301の出力値の変化量が第3の閾値以上であれば(S302:yes)、今回の方位センサー102の出力値の変化は車両1のドアの開閉によるものであるとして、他力移動フラグをONに設定することなく(車両1が他力移動されたことを記憶することなく)、図5に示す他力移動検出処理を終了する。
これに対して、取得した気圧センサー301の出力値の変化量が第3の閾値以上でなければ(S302:no)、今回の気圧センサー301の出力値の変化は車両1のドアの開閉によるものではないとして(車両1が他力移動されたことによるものであるとして)、他力移動フラグをONに設定する(車両1が他力移動されたことを記憶する)。
尚、車速センサー101の出力値の変化量が第1の閾値以上(車両1の走行速度の変化量が第1の量以上)でなく、且つ、方位センサー102の出力値の変化量が第2の閾値以上(車両1の向きの変化量が第2の量以上)でない場合も、他力移動フラグをONに設定することなく(車両1が他力移動されたことを記憶することなく)、図2に示す他力移動検出処理を終了する。
以上のように、変形例1では、車速センサー101や方位センサー102の出力値に基づいて車両1が他力移動されたことを検出するものの、車両1のドアの開閉が行われたことを検出した場合は、車速センサー101や方位センサー102の出力値に拘わらず、車両1は他力移動されていないものとする。従って、実際には車両1が他力移動されていないにも拘わらず、車両1のドアの開閉に起因して車両1が他力移動されたと判断されてしまうことを抑制することができる。ひいては、実際には車両1が他力移動されていないにも拘わらず、車両1の運転が開始される際に(車両1の運転が停止された際の自車位置を現在の自車位置とせずに)あらためて現在の自車位置を検出することを抑制することができる。
ここで、上述した実施例のように走行制御を行う場合は、正確な自車位置を検出することができないと、誤った走行制御が行われてしまう。従って、安全面に鑑みて、車両1が他力移動されたことを確実に検出する必要があり、このために、車速センサー101や方位センサー102に係る閾値(上述の第1の閾値や第2の閾値)を厳格に設定することが求められる。しかし、これらの閾値を厳格に設定すると、車両1のドアの開閉(いわゆる外乱)に起因して車両1が他力移動されたと判断される可能性が高まってしまう。この点、変形例1では、上述のしたように車両1のドアの開閉に起因して車両1が他力移動されたと判断されてしまうことを抑制することができるので(効率よく外乱を排除できるので)、車速センサー101や方位センサー102に係る閾値(上述の第1の閾値や第2の閾値)を厳格に設定することができ、ひいては、走行制御に係る安全性を高めることが可能となる。
E.変形例2 :
次に本発明の変形例2について説明する。
上述した実施例および変形例1では、走行制御装置100や走行制御装置300の構成をその内部を便宜的に分類した抽象的な概念である「部」に区分して説明した。以下では、変形例2の走行制御装置400について説明するが、その内部を「部」に区分するのではなく、実際に搭載されているハードウェアに区分して説明する。
E−1.ハードウェア構成 :
図6は、変形例2の走行制御装置400のハードウェア構成を示す説明図である。変形例2では、この走行制御装置400が本発明における「車両位置検出装置」に対応している。
図6に示すように、変形例2の走行制御装置400は、各種マイコンや特定の機能を有する各種モジュール等を基板401に搭載することによって構成されている。詳しくは、メインマイコン402、サブマイコン403、電源モジュール404、加速度センサーモジュール405、ジャイロセンサーモジュール406、気圧センサーモジュール407、GNSS受信モジュール408、地図記憶モジュール409、CANドライバモジュール410等が基板401に搭載されている。これらのハードウェアは、当然ながら、各種ICチップや各種素子の組み合わせ等によって(例えばパッケージングされることによって)構成されている。
電源モジュール404には、車両1に搭載されたバッテリー(鉛蓄電池あるいはリチウムイオン電池)やオルタネーターが有する電力が常時供給されている(図6中「+B」)。そして、電源モジュール404は、イグニッションスイッチ(図6中「IG」)がONに設定されている場合は(車両1の運転が行われている間は)、上述した全てのハードウェアに電力を供給している。また、電源モジュール404は、イグニッションスイッチ(図6中「IG」)がOFFに設定されている場合は(車両1の運転が停止されている場合は)、メインマイコン402、サブマイコン403、加速度センサーモジュール405には電力を供給している。もっとも、車両1の運転が行われている間は、メインマイコン402は通常動作を行っており、サブマイコン403は通常動作より消費電力の小さいスタンバイ動作を行っている。また、車両1の運転が停止されている間は、メインマイコン402は通常動作より消費電力の小さいスタンバイ動作を行っており、サブマイコン403は通常動作およびスタンバイ動作の何れかを適宜選択して行っている。詳しくは後述するが、変形例2では、サブマイコン403のこのような動作(車両1の運転が停止されている間において通常動作およびスタンバイ動作の何れかを適宜選択して行うこと)に主な特徴を有している。
地図記憶モジュール409は、主に不揮発性の記憶回路(例えばフラッシュメモリー)によって構成されており、地図データ(道路情報)が記憶されている。また、GNSS受信モジュール408は、衛星航法用の人工衛星(航法衛星)から送信される電波信号を受信するためのモジュールである。メインマイコン402は、GNSS通信モジュール408が受信した航法衛星の電波信号に基づいて、車両1の位置や走行速度などを算出し、これをGNSS測位結果として検出する。尚、GNSS測位結果としては、上述した実施例と同様のものが検出される。
また、加速度センサーモジュール405は、車両1の加速度を検出するためのモジュールであり、ジャイロセンサーモジュール406は、車両1が向いている方位(車両1の向き)を検出するためのモジュールであり、気圧センサーモジュール407は、車両1の周辺の気圧を検出するためのモジュールである。メインマイコン402は、これらのモジュールと図6には図示しない車速センサーとの検出結果に基づいて、車両1の位置を算出し、これをINS測位結果として検出する。尚、INS測位結果としても、上述した実施例と同様のものが検出される。
メインマイコン402は、車両1の運転が行われている場合に(エンジンが駆動している場合に)通常動作を行うことによって、上述したGNSS測位結果とINS測位結果を同じタイミングで(同期して)検出し、GNSS測位結果およびINS測位結果に基づいて(すなわち、衛星航法と自律航法を併用して)、現在の車両1の位置(自車位置)を検出する。
サブマイコン403は、車両1の運転が停止されている場合に(エンジンの駆動が停止している場合に)通常動作を行うことによって、加速度センサーモジュール405の検出する加速度に基づいて、車両1が移動(他力移動)されたか否かを判断する。そして、車両1の運転が開始されると(エンジンの駆動が開始されると)、他力移動が行われたか否かを示す情報をメインマイコン402に送信する。
CANドライバモジュール410は、CAN(Controller Area Network)プロトコルに基づいて、他のシステム(特に駆動系システム200)とデータの送受信を行うためのモジュールである。
E−2.他力移動検出処理 :
サブマイコン403(移動判断手段)は、車両1の運転が行われている間は(イグニッションスイッチがONに設定されることに基づいて)スタンバイ動作を行っており、車両1の運転が停止されている間は(イグニッションスイッチがOFFに設定されることに基づいて)通常動作およびスタンバイ動作の何れかを適宜選択して行っている。ここで、スタンバイ動作とは、通常動作よりも消費電力が小さい動作であり、例えば、CPUが命令の実行を停止している動作や、演算部へのクロックの供給を停止している動作、クロックの発振自体を停止している動作などを挙げることができる。
このようにサブマイコン403は、運転が停止している間は通常動作およびスタンバイ動作の何れかを適宜選択して行っているが、なかでも、通常動作を行っている場合は、以下に説明する他力移動検出処理を行う。図7には、サブマイコン403によって実行される他力移動検出処理のフローチャートが示されている。
サブマイコン403は、通常動作を開始すると、図7に示す他力移動検出処理を実行する。他力移動検出処理では先ず、初期値を算出済みであるか否かを判断する(S501)。ここで、変形例2では、車両1の運転が停止されてから所定時間(変形例2では10秒)が経過するまで加速度センサーモジュール405の出力を取得し、その平均を初期値として算出する。すなわち、車両1の運転が停止されてから直ぐは(10秒間は)他力移動が行われていないと推定されるので、上述の初期値を他力移動が行われていないときの加速度センサーモジュール405の出力として記憶する。そして、後述する状態監視処理(S508)にて、この初期値(詳しくは初期値に基づいて設定された各種閾値)と、その後の加速度センサーモジュール405の出力とを比較することによって、他力移動が行われた否かを判定する(他力移動が行われたことを検出する)。
S501の判断処理の結果、未だ初期値を算出済みでない場合、すなわち、運転が停止されてから10秒が経過していない場合は(S501:no)、加速度センサーモジュール405の出力する加速度を取得する(S502)。続いて、運転が停止されてから10秒が経過したか否かを判断する(S503)。その結果、運転が停止されてから未だ10秒が経過していない場合は(S503:no)、他力移動検出処理を一旦終了する。
ここで、上述したように、他力移動検出処理はタイマ割り込み処理として(変形例2では0.05秒毎に)実行される。従って、S503の判断処理で、運転が停止されてから10秒が経過していないと判断された場合は、他力移動検出処理を一旦終了した後、次のタイマ割り込みで再び他力移動検出処理が実行される。そして、この他力移動検出処理でも、S502の処理で加速度センサーモジュール405の出力する加速度を取得する。このような処理を繰り返しているうちに、やがてS503の判断処理で、運転が停止されてから10秒が経過したと判断されるので(S503:yes)、この10秒間に取得された加速度を平均することで初期値を算出する(S504)。この初期値に基づいて、後述する各種閾値(高頻度切換閾値、連続切換閾値、他力判定閾値)が設定される。
こうして、初期値を算出したら(S504)、サブマイコン403の通常動作の間隔を1秒に設定する(S505)。ここで、変形例2では、後述する状態監視処理(S508)を実行するたびに、他力移動が行われたか否かの判定に利用する加速度(以下「監視用加速度」ともいう)を、加速度センサーモジュール405から取得する。もっとも、この「監視用加速度」を常時高い頻度で取得するわけではなく、他力移動が行われた可能性に対応する頻度で取得していく。従って、「監視用加速度」を取得するための状態監視処理(S508)も常時高い頻度で実行する必要はなく、他力移動が行われた可能性に対応する頻度で実行すればよい。ひいては、状態監視処理を有する他力移動検出処理(サブマイコン403の通常動作)も常時高い頻度で実行する必要はなく、他力移動が行われた可能性に対応する頻度で実行すればよい。換言すると、初期値を算出した後は、「監視用加速度」を取得するタイミングでサブマイコン403に通常動作(他力移動検出処理)を行わせ、その他のタイミングではサブマイコン403にスタンバイ動作を行わせればよく、こうすることで、サブマイコン403の消費電力を抑えることが可能となる。
そこで、S505の処理では、「監視用加速度」を低頻度で取得すべく、サブマイコン403の通常動作の間隔を1秒(低頻度)に設定する(S505)。続いて、「監視用加速度」を低頻度で取得する状態(車両1の状態を低頻度で監視する状態)であることを示す低頻度監視フラグをONに設定する(S506)。そして、自身(サブマイコン403)がスタンバイ動作へ移行するための処理を行った後(S507)、他力移動検出処理(S500)を一旦終了する。これによって、サブマイコン403はスタンバイ動作を行うこととなる。
その後、S505の処理で設定された1秒が経過すると、サブマイコン403は通常動作に復帰し、再び他力移動検出処理(S500)を開始する。そして、この他力移動検出処理においては、初期値が既に算出済みであると判断されて(S501:yes)、状態監視処理が行われる(S508)。
図8には、変形例2の状態監視処理のフローチャートが示されている。状態監視処理(S508)を開始すると、サブマイコン403は先ず、低頻度監視フラグがONに設定されているか否か、すなわち、「監視用加速度」を低頻度で取得する状態(車両1の状態を低頻度で監視する状態)であるか否かを判断する。この結果、「監視用加速度」を低頻度で取得する状態である場合は(S601:yes)、加速度センサーモジュール405が出力する「監視用加速度」を取得し(S602)、該「監視用加速度」が「高頻度切換閾値」以上であるか否かを判断する(S603)。「高頻度切換閾値」は、初期値に基づいて算出されるものであり、「監視用加速度」を高頻度で取得する状態(車両1の状態を高頻度で監視する状態)に切り換えるための閾値である。
S603の判断処理の結果、取得した「監視用加速度」が「高頻度切換閾値」未満である場合は(S603:no)、そのままスタンバイ動作に移行するための処理を行った後(S607)、状態監視処理(他力移動検出処理)を終了する。このような場合は、当然ながら、サブマイコン403は、スタンバイ動作に移行してから1秒後に通常動作に復帰し、再び、他力移動検出処理(S500)を行う。そして、再び、状態監視処理(S507)にて、「監視用加速度」を取得し(S602)、該「監視用加速度」が「高頻度切換閾値」以上であるか否かを判断する(S603)。このように、取得した「監視用加速度」が「高頻度切換閾値」未満であるうちは、サブマイコン403は、1秒間隔で通常動作(他力移動検出処理、状態監視処理)を行うことで、1秒間隔で「監視用加速度」を取得し、該「監視用加速度」が「高頻度切換閾値」以上であるか否かを判断することとなる。換言すると、低頻度(1秒間隔)で車両1の状態を監視することとなる。
そして、「監視用加速度」を低頻度で取得する状態(車両1の状態を低頻度で監視する状態)において、「監視用加速度」が「高頻度切換閾値」以上となったら(S603:yes)、すなわち、他力移動が行われた可能性が高まったら、「監視用加速度」を高頻度で取得する状態(車両1の状態を高頻度で監視する状態)とする。詳しくは、先ず、低頻度監視フラグをOFFに設定した後(S604)、サブマイコン403の通常動作の間隔を0.3秒(高頻度)に設定する(S605)。続いて、「監視用加速度」を高頻度で取得する状態(車両1の状態を高頻度で監視する状態)であることを示す高頻度監視フラグをONに設定する(S606)。そして、スタンバイ動作に移行するための処理を行った後(S607)、状態監視処理(他力移動検出処理)を終了する。
その後、S605の処理で設定された0.3秒が経過すると、サブマイコン403は通常動作に復帰し、再び状態監視処理(他力移動検出処理)を開始する。そして、この状態監視処理においては、高頻度監視フラグがONに設定されている、すなわち、「監視用加速度」を高頻度で取得する状態(車両1の状態を高頻度で監視する状態)であると判断されて(S608:yes)、S609以降の処理が行われる。
すなわち、「監視用加速度」を高頻度で取得する状態である場合は(S608:yes)、先ず、加速度センサーモジュール405が出力する「監視用加速度」を取得し(S609)、続いて、該「監視用加速度」が「連続切換閾値」以上であるか否かを判断する(S609)。「連続切換閾値」は、初期値に基づいて算出されるものであり、「監視用加速度」を連続で取得する状態(車両1の状態を連続で監視する状態)に切り換えるための閾値である。尚、「連続切換閾値」としては、「高頻度切換閾値」より大きな値が設定される。
S610の判断処理の結果、取得した「監視用加速度」が「連続切換閾値」未満である場合は(S610:no)、そのままスタンバイ動作に移行するための処理を行った後(S607)、状態監視処理(他力移動検出処理)を終了する。このような場合は、当然ながら、サブマイコン403は、スタンバイ動作に移行してから0.3秒後に通常動作に復帰し、再び、他力移動検出処理(S500)を行う。そして、再び、状態監視処理(S508)にて、「監視用加速度」を取得し(S609)、該「監視用加速度」が「連続切換閾値」以上であるか否かを判断する(S610)。このように、取得した「監視用加速度」が「連続切換閾値」未満であるうちは、サブマイコン403は、0.3秒間隔で通常動作(他力移動検出処理、状態監視処理)を行うことで、1秒間隔で「監視用加速度」を取得し、該「監視用加速度」が「連続切換閾値」以上であるか否かを判断することとなる。換言すると、高頻度(0.3秒間隔)で車両1の状態を監視することとなる。
そして、「監視用加速度」を高頻度で取得する状態(車両1の状態を高頻度で監視する状態)において、「監視用加速度」が「連続切換閾値」以上となったら(S610:yes)、すなわち、他力移動が行われた可能性が更に高まったら、「監視用加速度」を連続で取得する状態(車両1の状態を連続で監視する状態)とする。詳しくは、先ず、高頻度監視フラグをOFFに設定した後(S611)、「監視用加速度」を連続で取得する状態(車両1の状態を連続で監視する状態)であることを示す連続監視フラグをONに設定する(S612)。そして、スタンバイ動作に移行するための処理を行った後(S607)、状態監視処理(他力移動検出処理)を終了する。
その後、S605の処理で設定された0.3秒が経過すると、サブマイコン403は通常動作に復帰し、再び状態監視処理(他力移動検出処理)を開始する。そして、この状態監視処理においては、連続監視フラグがONに設定されている、すなわち、「監視用加速度」を連続で取得する状態(車両1の状態を連続で監視する状態)であると判断されて(S608:no)、S613以降の処理が行われる。
すなわち、「監視用加速度」を連続で取得する状態である場合は(S608:no)、先ず、加速度センサーモジュール405が出力する「監視用加速度」を取得し(S613)、続いて、該「監視用加速度」が「他力判定閾値」以上であるか否かを判断する(S614)。「他力判定閾値」は、初期値に基づいて算出されるものであり、他力移動が行われたことを判定(検出)するための閾値である。尚、「他力判定閾値」としては、「連続切換閾値」より大きな値が設定される。
S614の判断処理の結果、取得した「監視用加速度」が「他力判定閾値」未満である場合は(S614:no)、そのまま状態監視処理(他力移動検出処理)を終了する。すなわち、「監視用加速度」を連続で取得する状態である場合は(S608:no)、スタンバイ動作に移行することなく、タイマ割り込みのタイミングで(0.05秒毎に)、再び他力移動検出処理が行われて、状態監視処理(S507)にて、「監視用加速度」を取得し(S613)、該「監視用加速度」が「他力判定閾値」以上であるか否かを判断する(S614)。このように、取得した「監視用加速度」が「他力判定閾値」未満であるうちは、サブマイコン403は、タイマ割り込みのタイミングで(0.05秒毎に)で、
「監視用加速度」を取得し該「監視用加速度」が「他力判定閾値」以上であるか否かを判断することとなる。換言すると、連続で(実際には0.05秒間隔)で車両1の状態を監視することとなる。
そして、「監視用加速度」を連続で取得する状態(車両1の状態を連続で監視する状態)において、「監視用加速度」が「他力判定閾値」以上となったら(S614:yes)、他力移動が行われたと判定する。すなわち、連続監視フラグをOFFに設定した後(S615)、他力移動が行われたことを記憶すべく他力移動フラグをONに設定する(S616)。続いて、次のサブマイコン403の通常動作の開始を「次回の運転停止時」に設定する(S617)。そして、スタンバイ動作に移行するための処理を行った後(S607)、状態監視処理(他力移動検出処理)を終了する。このように通常動作の開始を「次回の運転停止時」に設定した後にスタンバイ動作に移行した場合は、当然ながら、次に車両1の運転が停止されるまで、サブマイコン403はスタンバイ動作を継続することとなる。
ここで、加速度センサーモジュール405の出力する加速度は、車両1が停止していても(他力移動が行われてなくても)、車両1の周辺環境や加速度センサーモジュール405の製造誤差などによって種々の値になり得る。そこで、変形例2では、上述したように車両1が停止された直後の加速度に基づいて初期値を算出し、該初期値に基づいて各種閾値(高頻度切換閾値や連続切換閾値、他力判定閾値)を決定することとしている。こうすると、車両1の周辺環境や加速度センサーモジュール405の製造誤差などに応じた各種閾値を決定することができ、この結果、高い精度で他力移動が行われた否かの判断を行うことが可能となる。
図9には、サブマイコン403によって行われる他力移動検出処理の態様がまとめて示されている。車両1の運転が行われている場合は、メインマイコン402は通常動作を行っており、サブマイコン403はスタンバイ動作を行っている。そして、図9に示すように、イグニッションスイッチがOFFに設定されること(車両1の運転が停止されること)に基づいて、メインマイコン402はスタンバイ動作を開始し、サブマイコン403は通常動作(他力移動検出処理)を開始する。この通常動作(他力移動検出処理)は10秒間継続され、その間に加速度センサーモジュール405が出力する加速度を取得する。そして、10秒経過後に、取得した複数の加速度を平均することで初期値を算出する。尚、この初期値に基づいて、高頻度切換閾値、連続切換閾値、他力判定閾値が設定される。
このように初期値を算出した後は、サブマイコン403は、スタンバイ動作と通常動作(他力移動検出処理)とを交互に行う(いわゆる間欠動作を行う)。詳しくは、初期値を算出してから直ぐは、1秒毎に通常動作(他力移動検出処理)を行うことで、1秒毎に、「監視用加速度」を取得すると共に該「監視用加速度」が高頻度切換閾値以上であるか否かの判断を行う(車両1の状態を低頻度で監視する)。そして、「監視用加速度」が高頻度切換閾値以上になったら、今度は、0.3秒毎に通常動作(他力移動検出処理)を行う。こうすることで、0.3秒毎に、「監視用加速度」を取得すると共に該「監視用加速度」が連続切換閾値以上であるか否かの判断を行う(車両1の状態を高頻度で監視する)。
そして、「監視用加速度」が連続切換閾値以上になったら、今度は、連続で通常動作(他力移動検出処理)を行う。こうすることで、連続で(実際にはタイマ割り込みのタイミングである0.05秒毎に)、「監視用加速度」を取得すると共に該「監視用加速度」が他力判定閾値以上であるか否かの判断を行う(車両1の状態を連続で監視する)。そして、「監視用加速度」が他力判定閾値以上になったら、他力移動されたと判定して(他力移動フラグをONに設定し)、スタンバイ動作に移行する。すなわち、他力移動されたと判定した場合は、車両1の運転が停止されている場合であっても(イグニッションスイッチがONに設定される前であっても)、サブマイコン403はスタンバイ動作に移行する。
尚、0.3秒毎に通常動作(他力移動検出処理)を行う状態(車両1の状態を高頻度で開始する状態)となってから所定の時間が経過しても「監視用加速度」が連続切換閾値以上にならなかった場合は(他力移動が行われた可能性が低くなったら)、再び、1秒毎に通常動作(他力移動検出処理)を行う状態(車両1の状態を低頻度で監視する状態)に移行することとしてもよい。また、連続で通常動作(他力移動検出処理)を行う状態(車両1の状態を連続で監視する状態)となってから所定の時間が経過しても「監視用加速度」が他力移動切換閾値以上にならなかった場合は(他力移動が行われた可能性が低くなったら)、再び、0.3秒毎に通常動作(他力移動検出処理)を行う状態(車両1の状態を高頻度で監視する状態)に移行することとしてもよい。
以上のように、サブマイコン403は、車両1の運転が停止されている場合は、通常動作を継続して行うのではなく、通常動作およびスタンバイ動作の何れかを適宜選択して行うことによって、他力移動を判定する。このため、サブマイコン403の消費電力を抑えつつ、他力移動を判定することができる。また、車両1の運転が停止されてから直ぐは、低頻度で車両1の状態を監視し、他力移動の可能性が高まったら車両の状態を監視する頻度を高めることとしたので、高い精度で他力移動が行われたか否かの判断を行うことができる。
E−3.走行制御処理 :
また、メインマイコン402は、図9に示すように、車両1の運転が停止されている間は(イグニッションスイッチがOFFに設定されることに基づいて)スタンバイ動作を行っており、車両1の運転が行われている間は(イグニッションスイッチがONに設定されることに基づいて)通常動作を行っている。なかでも、通常動作を行っている場合は、図3を用いて前述した走行制御処理と近似した処理を行っている。
簡単に説明すると、車両1の運転が開始されたタイミングでない場合は、メインマイコン402は、衛星航法に基づいてGNSS測位結果を検出すると共に、自律航法に基づいてINS測位結果を検出する。続いて、これらの測位結果に基づいて(すなわち、衛星航法および自律航法を併用して)現在の自車位置を検出する。そして、検出した現在の自車位置を、CANドライバモジュール410を介して駆動系システム200に送信する。駆動系システム200は、受信した自車位置に対応する走行制御内容を決定し、決定された走行制御内容に対応する走行制御を行う。
ここで、検出された自車位置の精度が低いにも拘わらず走行制御を実行すると、安全性が損なわれる虞がある。そこで、メインマイコン402は、検出された自車位置だけでなく、該自車位置の精度(以下「位置信頼度」という)も、駆動系システム200に送信している。駆動系システム200は、自車位置と位置信頼度を受信すると、受信した位置信頼度が高いか否かを判断し、該位置信頼度が所定のレベルより高ければ、受信した自車位置に対応する走行制御を行う。
以上は、車両1の運転が開始されたタイミングでない場合の処理について説明した。これに対して、車両1の運転が開始されたタイミングである場合は、メインマイコン402は、イグニッションスイッチがONに設定されることに基づいて通常動作を開始する。メインマイコン402は、通常動作を開始すると、他力移動フラグがONに設定されているか否か、すなわち、他力移動が行われたか否かを判断する。その結果、他力移動が行われている場合は、衛星航法に基づいてGNSS測位結果を検出する。
GNSS測位結果を検出したら、自律航法に基づくINS測位結果は検出することなく、該GNSS測位結果に基づいて、現在の自車位置を検出する。すなわち、INS測位結果は、車両1の走行速度や向きを検出し、直前の自車位置に車両1の走行速度や向きを積算することによって検出するものである。しかし、車両1が他力移動されている場合において、車両1の運転が開始されるタイミングでは、直前の自車位置は不明であるので(車両1の運転が停止される際の自車位置とは異なるので)、INS測位結果を検出することはできない。そこで、INS測位結果は利用せず、GNSS測位結果に基づいて現在の自車位置(車両1の運転が開始された際の自車位置)を検出する。
ここで、検出した自車位置の精度(位置信頼度)は、各種センサーの検出誤差の学習状況や、GNSS信号の受信状況等の種々の状況、前回検出した自車位置の位置信頼度などによって決定されるので、一旦位置信頼度が低くなると、位置信頼度が再び高くなるまでには時間を要してしまう。従って、上述のように他力移動された場合は、前回検出した自車位置と実際の自車位置は異なる可能性が極めて高くなるので、前回検出した自車位置の位置信頼度は極めて低くなる。そして、この場合は、位置信頼度が高くなるまでに多大な時間を要してしまう。この結果、駆動系システム200は、位置信頼度が高まるのを待ってから走行制御を行うこととなり、車両1の運転が開始されてから走行制御が行われるまでの時間が長くなってしまう。
これに対して、他力移動が行われていない場合は、GNSS測位結果を検出すると共にINS測位結果も検出し、これらに基づいて現在の自車位置を検出する。すなわち、他力移動が行われていない場合は、車両1の運転が停止された際の自車位置をそのまま前回の自車位置として利用できるのでINS測位結果を検出することが可能である。そして、この前回の自車位置の位置信頼度は少なくとも他力移動が行われた場合よりは高い。従って、この場合は、他力移動が行われた場合よりは位置信頼度が高くなるまでに時間を要しなくてすむ。この結果、車両1の運転が開始されてから走行制御が行われるまでの時間を短くすることができる。
以上、実施例および変形例について説明したが、本発明は上記の実施例および変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる。
例えば、上述した実施例および変形例1のハードウェア構成としては、次のようなものが採用できる。すなわち、図10(a)に示すように、図3を用いて上述した走行制御処理を行うCPUおよびプログラム(メモリー)と、図2または図5を用いて上述した他力移動検出処理を行うCPUおよびプログラム(メモリー)とを別々のユニット(製造プロセスまたは基板が異なるユニット)として搭載してもよいし、図10(b)に示すように、これらを同じユニット(製造プロセスまたは基板が同じユニット)として搭載してもよい。これらのようなハードウェア構成とした場合は、当然ながら、走行制御処理を行うCPUには車両1の運転が行われているときに電力が供給され、他力移動検出処理を行うCPUには車両1の運転が停止されているときに電力が供給される。また、図10(c)に示すように、走行制御処理および他力移動検出処理を同一のCPUが行うこととしてもよい。
また、上述した変形例1では、気圧センサー301を利用して、車両1のドアが開閉されたことを検出することとしたが、ドアが開放されたときと閉鎖されたときとでON/OFFが切り換わるドアスイッチを利用してもよい。
また、上述した変形例1では、車両1のドアが開閉されたことを検出することとしたが、車両1のトランクの開閉を検出し、車両1のトランクの開閉が検出された場合は、車両1が他力移動されていないと判断することとしてもよい。
また、上述した変形例1においては、車両1のドアの開閉が行われたことを検出してから例えば1〜2秒が経過するまでは、車速センサー101や方位センサー102の出力値に拘わらず、車両1は他力移動されていないと判断することとしてもよい。
また、上述した変形例2においても、車両1のドアの開閉が行われたことを検出した場合は、「監視用加速度」の値に拘わらず、車両1は他力移動されていないと判断することとしてもよい。
1…車両、 11…位置検出部、 12…走行判断部、
13…運転停止判断部、14…運転開始判断部、 15…停止位置記憶部、
16…他力移動判断部、100、300…走行性制御装置、
101…車速センサー、102…方位センサー、 103…GNSS信号受信部、
104…電力供給部、 105…イグニッションスイッチ、
301…気圧センサー、402…メインマイコン、403…サブマイコン。

Claims (1)

  1. 車両に設けられる車両位置検出装置(100、300)であって、
    前記車両の自車位置を検出する自車位置検出手段(11)と、
    前記車両の運転が停止される際の前記自車位置を記憶する記憶手段(15)と、
    前記車両の運転が停止されてから前記車両の運転が開始されるまでの間に前記車両が移動されたか否かを、前記車両に設けられた車速センサーまたは方位センサーの出力値に基づいて判断する移動判断手段(16)と
    前記車両のドアまたはトランクの開閉を検出する開閉検出手段と
    を備え、
    前記自車位置検出手段は、前記車両が移動されていると前記移動判断手段によって判断された場合は、前記記憶手段に記憶されている前記自車位置を用いることなく前記自車位置を検出する手段であり、
    前記移動判断手段は、前記車両のドアまたはトランクの開閉が検出されてから所定期間が経過するまでは、前記車速センサーまたは前記方位センサーの出力値に拘わらず、前記車両は移動されていないと判断する手段である
    車両位置検出装置。
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