JP6540125B2 - 発電素子及び発電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、発電素子及び発電装置に関する。
従来から、道路、橋、建築物等の構造体の振動、自動車、鉄道車両等の移動体の振動、及び人の運動による振動によるエネルギーを有効利用する試みがなされている。前記振動によるエネルギーを有効利用する方法としては、振動エネルギーを電気エネルギーに変換する方法が挙げられる。そのような方法としては、例えば、圧電素子を利用する方式、静電誘導を利用する方式などが挙げられる。
前記圧電素子を利用する方式は、主としてセラミックス系の圧電素子を用い、振動によって前記圧電素子に歪が加わる際に、前記圧電素子の表面に電荷が誘起される現象を利用するものである(例えば、特許文献1参照)。
前記静電誘導を利用する方式では、一般的に、半永久的に電荷を保持するエレクトレット誘電体が用いられる(例えば、特許文献2〜4参照)。これらの技術において用いられる前記エレクトレット誘電体とは、誘電体を帯電させて半永久的に静電場を発生させることを可能にした材をいう。前記エレクトレット誘電体と、これと距離を置いて配置された電極との相対位置を、振動等によって変化させることで、電荷が電極に静電誘導され、発電が行われる。
また、エレクトレット材として、アモルファスフッ素樹脂を用いて、短冊状のエレクトレット電極形状とすることで非常に高い電位を得ることができることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
さらに、第1の電極、第2の電極、第1の誘電体層、及び第2の誘電体層を有し、摩擦帯電を利用して発電する発電装置が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
前記特許文献1に記載の圧電素子を利用する方式は、主としてセラミックス系の圧電素子を用いるため、可撓性がなく壊れやすいという問題がある。
また、前記特許文献2〜4に記載の静電誘導を利用する方式は、用いられる前記エレクトレット誘導体を作製する際に、誘電体に帯電処理を行う必要がある。前記帯電処理の方法としては、例えば、コロナ放電、プラズマ処理などが挙げられる。しかし、このような処理では、多くの電力を必要とするという問題がある。また、可撓性が十分ではなく、かつ通常、機械的な容量変化機構を備えるため、フレキシブルな素子を実現するのが困難であるという問題がある。また、前記非特許文献1に記載のアモルファスフッ素樹脂を用いた場合、高い電圧がかかると放電が発生して、発電素子が壊れやすいという問題がある。
さらに、前記特許文献5に記載の摩擦帯電を利用する方式の発電装置は、外部から負荷が加わった場合に、発電装置が大きく変形し、発電効率が低下するという問題がある。
したがって、本発明は、外部から負荷が加わっても壊れることがなく、発電性能が高い発電素子を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の発電素子は、第1の電極と、中間層と、第2の電極とをこの順で積層してなる発電素子であって、前記中間層が、前記第1の電極及び前記第2の電極の少なくともいずれかと接し、前記中間層が、互いに固定されていない状態で、第1の電極面及び第2の電極面に対して垂直方向に加圧された際に、前記第1の電極面及び前記第2の電極面に対して平行方向に移動する。さらに、前記第1の電極及び前記第2の電極の少なくともいずれかが、前記中間層と接する面に、凸構造を有し、前記凸構造と柔軟な前記中間層により、前記第1の電極面及び前記第2の電極面に対して垂直方向へ加圧することにより、電極面と中間層の接触面積が広がり、電極面に沿った微小な意味での平行移動が促進される。
本発明によれば、外部から負荷が加わっても壊れることがなく、発電性能が高い発電素子を提供できる。
図1は、本発明の発電素子の一例を示す概略断面図である。 図2は、本発明の発電素子の他の一例を示す概略断面図である。 図3は、図2の発電素子を押しつけ部材を用いて押し付けた状態を示す概略断面図である。 図4は、本発明の発電素子の他の一例を示す概略断面図である。 図5は、本発明の発電素子の他の一例を示す概略断面図である。 図6は、図5の押しつけ部材に対して垂直方向に加圧した際の状態を示す概略断面図である。 図7は、本発明の移動による発電への影響を測定する発電装置の概略断面図である。 図8は、図7の測定する発電装置の上部電極が左側に動いた場合の概略断面図である。 図9は、図7の測定する発電装置の上部電極が右側に動いた場合の概略断面図である。 図10は、本発明の発電装置の他の一例を示す概略断面図である。 図11は、図7の構成の発電装置の発電効率の測定結果を示すグラフである。 図12は、比較例1で作製した発電素子を示す概略断面図である。
(発電素子)
本発明の発電素子は、第1の電極と、中間層と、第2の電極とをこの順で積層してなり、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
本発明の発電素子は、初期に帯電や内部電荷を有さず、前記中間層に、外部から垂直な負荷が加わることによって、横方向への応力が発生し、摩擦による帯電により荷電を発生させ発電できる。しかし、中間層と電極界面の摩擦は通常非常に大きく、大きな力をかけないと滑りが発生しない。柔らかい中間層に、凸凹の電極、特に凸形状の電極又は押しつけ部材を押しつけることにより、ゴムの表面積が、その伸縮特性により、可逆的に増減し、好適に第1の電極面及び第2の電極面に対して微視的に平行方向に移動することで、より高い発電効率を得ることができる。なお、微視的に平行方向に移動するとは、肉眼では識別できないほど微細に平行方向に移動することを意味する。
<第1の電極及び第2の電極>
前記第1の電極及び前記第2の電極の材質、形状、大きさ、及び構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記第1の電極及び前記第2の電極において、その材質、形状、大きさ、及び構造は、同じであってもよいし、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。また、移動促進手段を有することが好ましい。
前記第1の電極、及び前記第2の電極の材質としては、例えば、金属、炭素系導電材料、導電性ゴム組成物などが挙げられる。
前記金属としては、例えば、金、銀、銅、鉄、アルミニウム、ステンレス、タンタル、ニッケル、リン青銅などが挙げられる。
前記炭素系導電材料としては、例えば、黒鉛、炭素繊維、カーボンナノチューブなどが挙げられる。
前記導電性ゴム組成物としては、例えば、導電性フィラーと、ゴムとを含有する組成物などが挙げられる。
前記導電性フィラーとしては、例えば、炭素材料(例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、黒鉛、炭素繊維、カーボンファイバー(CF)、カーボンナノファイバー(CNF)、カーボンナノチューブ(CNT)等)、金属フィラー(例えば、金、銀、白金、銅、鉄、アルミニウム、ニッケル等)、導電性高分子材料(例えば、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、及びポリパラフェニレンビニレンのいずれかの誘導体、又は、これら誘導体にアニオン若しくはカチオンに代表されるドーパントを添加したもの等)、イオン性液体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ゴムとしては、例えば、シリコーンゴム、変性シリコーンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ポリサルファイドゴム、ウレタンゴム、イソブチルゴム、フロロシリコーンゴム、エチレンゴム、天然ゴム(ラテックス)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記第1の電極の形態、及び前記第2の電極の形態としては、例えば、シート、フィルム、薄膜、織布、不織布、メッシュ、スポンジなどが挙げられる。なお、繊維状の前記炭素材料が重なって形成された不織布であってもよい。
前記フィルムとしては、例えば、高分子フィルムなどが挙げられる。
前記高分子フィルムとしては、例えば、フィルムに金属箔を貼り付けたフィルムなどが挙げられる。前記高分子フィルムとしては、市販品を使用することができ、前記市販品としては、例えば、アルペット9−100、アルペット25−25(以上、パナック株式会社製)などが挙げられる。
前記第1の電極の形状、及び前記第2の電極の形状としては、特に制限はなく、発電素子の形状に応じて適宜選択することができる。
前記第1の電極の大きさ、及び前記第2の電極の大きさとしては、特に制限はなく、発電素子の大きさに応じて適宜選択することができる。
前記第1の電極の平均厚み、及び前記第2の電極の平均厚みは、発電素子の構造に応じて適宜選択することができるが、導電性及び可撓性の点から、0.01μm〜1mmが好ましく、0.1μm〜500μmがより好ましい。前記平均厚みが、0.01μm以上であると、機械的強度が適正であり、導電性が向上する。また、前記平均厚みが、1mm以下であると、発電素子が変形可能であり、発電性能が良好である。
<<移動促進手段>>
前記第1の電極及び前記第2の電極の少なくともいずれかの中間層と接する面、又は前記第1の電極の前記中間層と対向する面とは反対側の面に、前記中間層の移動を促進する移動促進手段を有することが好ましい。前記移動促進手段を有することで、中間層が前記第1の電極面及び前記第2の電極面に対して容易に平行方向に移動することができ、効率よく摩擦による帯電により電荷を発生させ発電できる。ここで、移動促進とは、第1の電極面及び第2の電極面に対して垂直に加圧した際に、中間層が第1の電極面及び第2の電極面に対して摩擦力等で変形しにくいものを、容易に中間層の位置の変化量を増進させることができることをいう。通常の平面に対する面積の増大効果、及び凸構造による垂直方向加圧成分の水平方向への分離効果による平行移動効果の増大が前記移動促進手段となる。
前記移動促進手段としては、前記中間層の移動を促進することができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記中間層と接する前記第1の電極面及び前記第2の電極面の少なくともいずれかに凸構造を有する手段、前記第1の電極の前記中間層と対向する面とは反対側の面に押しつけ部材を有する手段などが挙げられる。
−前記第1の電極面及び前記第2の電極面の少なくともいずれかに凸構造を有する手段−
前記中間層と接する前記第1の電極面及び前記第2の電極面の少なくともいずれかに凸構造を有する手段としては、前記中間層と接する前記第1の電極面及び前記第2の電極面の少なくともいずれかに凸構造を有することができる。
前記凸構造の形状としては、凸構造の頂部が角を有する形状、曲率を有する形状などが挙げられる。具体的には、凸構造の断面形状として、半円形、半楕円形、三角形、台形などが挙げられる。これらの中でも、移動をより促進できる点から、半円形が好ましい。
−押しつけ部材を有する手段−
前記押しつけ部材を有する手段としては、前記第1の電極の前記中間層と対向する面とは反対側の面に押しつけ部材を有することができる。前記押しつけ部材により、第一の電極を介して中間層を押すことができ、これにより、中間層の移動を引き起こすことができる。
前記押しつけ部材の材質、形状、大きさ、及び構造としては、前記第1の電極を介して、前記中間層を押しつけることができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記押しつけ部材の形状としては、効率よく、前記第1の電極を介して、前記中間層を押しつけることができる点から、前記第1の電極に対向する面に凸構造を有することが好ましい。前記凸構造の形状としては、凸構造の頂部が角を有する形状、曲率を有する形状などが挙げられる。具体的には、凸構造の断面形状として、半円形、半楕円形、三角形、四角形、台形などが挙げられる。
本発明においては、前記押しつけ部材を有する場合は、前記押し付け部材を含めて発電素子とする。
中間層と接する前記第1の電極面及び前記第2の電極面の間の材料の動摩擦係数としては、1.5以下が好ましく、0.8以下がより好ましい。前記動摩擦係数が、1.5以下であると、発電性能が良好である。
図1は、本発明の発電素子の一例を示す概略断面図である。この図1に示す発電素子1は、第1の電極2に、電鋳にて作製した円錐形状の凸構造を有するニッケル電極の例であり、前記凸構造を有することにより、第1の電極2面及び第2の電極3面に対して垂直方向に加圧された際に、前記凸構造により中間層4を押すことで、前記中間層4を前記第1の電極2面及び前記第2の電極3面に対して微視的により大きく平行方向に移動させることができる。なお、前記凸構造を有する電極としては、例えば、金属を複合化した電極(商品名:Sui−10−70、セーレン株式会社製)などが挙げられる。前記Sui−10−70(セーレン株式会社製)は、表面が凸構造を有するため、好適に用いることができる。
<中間層>
前記中間層は、前記第1の電極及び前記第2の電極の少なくともいずれかと接し、互いに固定されない状態で、垂直方向に加圧された際に、前記第1の電極面及び前記第2の電極面に対して平行方向に微視的に移動することができる。
なお、前記互いに固定されない状態とは、前記第1の電極及び前記第2の電極と、前記中間層との少なくともいずれかが動く状態をいい、前記第1の電極及び前記第2の電極と、前記中間層とが、周辺部で固定されたとしても、前記第1の電極及び前記第2の電極と、前記中間層とが、それぞれ可撓性を有するため、少なくても部分的に前記中間層が、前記第1の電極面及び前記第2の電極面に対して、平行方向に移動できることをいう。
前記中間層の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ゴムなどが挙げられる。前記ゴムとしては、例えば、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム(ラテックス)、ウレタンゴム、フッ素ゴム、エチレンプロピレンゴムなどが挙げられる。これらの中でも、シリコーンゴムが好ましい。
前記中間層は、各種機能性を付与するために、フィラーを含有してもよい。前記フィラーとしては、例えば、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化亜鉛、シリカ、炭酸カルシウム、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンファイバー、酸化鉄、PTFE、マイカ、粘土鉱物、合成ハイドロタルサイト、金属などが挙げられる。圧電性をもつフィラーや分極している高分子(ベース材料もしくはフィラー)を使用する場合、分極処理を施すことが好ましい。
前記中間層の硬さ(JIS−A硬さ)としては、60°未満であり、52°が好ましく、42°がより好ましい。前記硬さが、60°未満であると、移動を阻害することもないため、良好な発電を行うことができる。
前記中間層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、変形追従性の点から、1μm〜10mmが好ましく、50μm〜200μmがより好ましい。また、前記平均厚みが、好ましい範囲内であると、成膜性が確保でき、かつ変形を阻害することもないため、良好な発電を行うことができる。
前記中間層は、絶縁性であることが好ましい。前記絶縁性としては、10Ωcm以上の体積抵抗率を持つことが好ましく、1010Ωcm以上の体積抵抗率を持つことがより好ましい。
前記中間層は、複層構造であってもよい。
<<表面改質処理、及び不活性化処理>>
前記中間層において、移動量、又は表面硬度を異ならせる方法としては、例えば、表面改質処理、不活性化処理などが挙げられる。これらの処理は、両方を行ってもよいし、片方のみを行ってもよい。
−表面改質処理−
前記表面改質処理としては、例えば、プラズマ処理、コロナ放電処理、電子線照射処理、紫外線照射処理、オゾン処理、放射線(X線、α線、β線、γ線、中性子線)照射処理などが挙げられる。これらの処理の中でも、処理スピードの点から、プラズマ処理、コロナ放電処理、電子線照射処理が好ましいが、ある程度の照射エネルギーを有し、材料を改質しうるものであれば、これらに限定されない。
−−プラズマ処理−−
前記プラズマ処理の場合、プラズマ発生装置としては、例えば、平行平板型、容量結合型、誘導結合型のほか、大気圧プラズマ装置でも可能である。耐久性の観点から、減圧プラズマ処理が好ましい。
前記プラズマ処理における反応圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.05Pa〜100Paが好ましく、1Pa〜20Paがより好ましい。
前記プラズマ処理における反応雰囲気としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、不活性ガス、希ガス、酸素などのガスが有効であるが、効果の持続性においてアルゴンが好ましい。また、その際、酸素分圧を5,000ppm以下とすることが好ましい。前記反応雰囲気における酸素分圧が、5,000ppm以下であると、オゾンの発生を抑制でき、オゾン処理装置の使用を控えることができる。
前記プラズマ処理における照射電力量は、(出力×照射時間)により規定される。前記照射電力量としては、5Wh〜200Whが好ましく、10Wh〜50Whがより好ましい。前記照射電力量が、好ましい範囲内であると、前記中間層に発電機能を付与でき、かつ照射過剰により耐久性を低下させることもない。
−−コロナ放電処理−−
前記コロナ放電処理における印加エネルギー(積算エネルギー)としては、6J/cm〜300J/cmが好ましく、12J/cm〜60J/cmがより好ましい。前記印加エネルギーが、好ましい範囲内であると、前記中間層に発電機能を付与でき、かつ照射過剰により耐久性を低下させることもない。
−−電子線照射処理−−
前記電子線照射処理における照射量としては、1kGy以上が好ましく、300kGy〜10MGyがより好ましい。前記照射量が、好ましい範囲内であると、前記中間層に発電機能を付与でき、かつ照射過剰により耐久性を低下させることもない。
前記電子線照射処理における反応雰囲気としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アルゴン、ネオン、ヘリウム、窒素等の不活性ガスが充填し酸素分圧を5,000ppm以下とすることが好ましい。前記反応雰囲気における酸素分圧が、5,000ppm以下であると、オゾンの発生を抑制でき、オゾン処理装置の使用を控えることができる。
−−紫外線照射処理−−
前記紫外線照射処理における紫外線としては、波長365nm以下で200nm以上が好ましく、波長320nm以下で240nm以上がより好ましい。
前記紫外線照射処理における積算光量としては、5J/cm〜500J/cmが好ましく、50J/cm〜400J/cmがより好ましい。前記積算光量が、好ましい範囲内であると、前記中間層に発電機能を付与でき、かつ照射過剰により耐久性を低下させることもない。
前記紫外線照射処理における反応雰囲気としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アルゴン、ネオン、ヘリウム、窒素等の不活性ガスが充填し酸素分圧を5,000ppm以下とすることが好ましい。前記反応雰囲気における酸素分圧が、5,000ppm以下であると、オゾンの発生を抑制でき、オゾン処理装置の使用を控えることができる。
従来技術として、プラズマ処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理、電子線照射処理などにより励起又は酸化させることで活性基を形成し、層間接着力を高めることが提案されている。しかし、その技術は、層間への適用に限定され、最表面への適用はむしろ離型性を低下させるため好ましくないことがわかっている。また、反応を酸素リッチな状態下で行い、効果的に反応活性基(水酸基)を導入している。そのため、そのような従来技術は、本発明の前記表面改質処理とは本質が異なる。
本発明の前記表面改質処理は、酸素が少なく減圧された反応環境による処理(例えば、プラズマ処理)のため、表面の再架橋及び結合を促し、例えば、「結合エネルギーの高いSi−O結合の増加」に起因して耐久性が向上し、さらに加えて「架橋密度向上による緻密化」に起因して離型性が向上すると考えられる(なお、本発明においても一部活性基は形成されてしまうが、後述するカップリング剤や風乾処理にて、活性基を不活性化させている)。
前記表面処理により得られる表面処理層の平均厚みとしては、0.01μm〜50μmが好ましく、0.01μm〜20.0μmがより好ましい。前記平均厚みが、好ましい範囲内であると、前記中間層に発電機能を付与でき、かつ硬さが大きくなることを防止し、発電量を低下させることもない。
−不活性化処理−
前記中間層の表面は、各種材料を用いて、適宜不活性化処理が施されてもよい。
前記不活性化処理としては、前記中間層の表面を不活性化させる処理であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、不活性化剤を前記中間層の表面に付与する処理が挙げられる。前記不活性化とは、プラズマ処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理、電子線照射処理などによる励起又は酸化によって発生した活性基(例えば、−OHなど)を不活性化剤と反応させて、前記中間層の表面の活性度を下げることで、前記中間層の表面を、化学反応を起こしにくい性質に変化させることを意味する。
前記不活性化剤としては、例えば、非晶質樹脂、カップリング剤などが挙げられる。
前記非晶質樹脂としては、例えば、主鎖にパーフルオロポリエーテル構造を有する樹脂などが挙げられる。
前記カップリング剤としては、例えば、金属アルコキシド、金属アルコキシドを含む溶液などが挙げられる。前記金属アルコキシドとしては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物や、重合度2〜10程度のそれらの部分加水分解重縮合物又はそれらの混合物などが挙げられる。
(4−n)Si(OR・・・一般式(1)
ただし、前記一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状のアルキル基、アルキルポリエーテル鎖、及びアリール基のいずれかを表す。nは、2〜4の整数を表す。
前記一般式(1)で表される化合物の具体例としては、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシランなどが挙げられる。耐久性の面から特に好ましいのは、テトラエトキシシランである。
前記一般式(1)において、Rは、フルオロアルキル基であってもよく、更に酸素を介して結合したフルオロアルキルアクリレート、エーテルパーフルオロポリエーテルでもよい。柔軟性、及び耐久性の点で特に好ましいのは、パーフルオロポリエーテル基である。
さらに、前記金属アルコキシドとしては、例えば、ビニルシラン類〔例えば、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等〕、アクリルシラン類〔例えば、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等〕、エポキシシラン類〔例えば、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等〕、アミノシラン類〔N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等〕などが挙げられる。
また、前記金属アルコキシドとしては、金属原子として、Si以外に、Ti、Sn、Al、Zrであるものを単独又は2種以上を混合して用いることも可能である。
前記不活性化処理は、例えば、前記ゴムなどの中間層前駆体に、前記表面改質処理を行った後に、前記中間層前駆体の表面に前記不活性化剤を塗布又はディッピング等により含浸させることによって行うことができる。
また、前記中間層前駆体としてシリコーンゴムを用いた場合は、前記表面改質処理を行った後に、空気中に静置して風乾することにより、失活させてもよい。
<<空間>>
前記発電素子は、前記中間層と、前記第1の電極及び前記第2の電極の少なくともいずれかとの間に空間を有することが好ましい。前記空間を有することにより、弱い振動であっても発電素子の静電容量が変化して、発電量を増やすことができる。
前記空間を設ける方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記中間層と、前記第1の電極及び前記第2の電極の少なくともいずれかとの間にスペーサーを配置する方法などが挙げられる。
−スペーサー−
前記スペーサーとしては、その材質、形態、形状、大きさなどについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記スペーサーの材質としては、例えば、高分子材料、ゴム、金属、導電性高分子材料、導電性ゴム組成物などが挙げられる。
前記高分子材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。
前記ゴムとしては、例えば、シリコーンゴム、変性シリコーンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ポリサルファイドゴム、ウレタンゴム、イソブチルゴム、フロロシリコーンゴム、エチレンゴム、天然ゴム(ラテックス)などが挙げられる。
前記金属としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、ステンレス、タンタル、ニッケル、リン青銅などが挙げられる。
前記導電性高分子材料としては、例えば、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアニリンなどが挙げられる。
前記導電性ゴム組成物としては、例えば、導電性フィラーとゴムとを含有する組成物などが挙げられる。前記導電性フィラーとしては、例えば、炭素材料(例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、黒鉛、炭素繊維、カーボンファイバー、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ等)、金属(例えば、金、銀、白金、銅、鉄、アルミニウム、ニッケル等)、導電性高分子材料(例えば、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、及びポリパラフェニレンビニレンのいずれかの誘導体、又は、これら誘導体にアニオン若しくはカチオンに代表されるドーパントを添加したもの等)、イオン性液体などが挙げられる。前記ゴムとしては、例えば、シリコーンゴム、変性シリコーンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ポリサルファイドゴム、ウレタンゴム、イソブチルゴム、フロロシリコーンゴム、エチレンゴム、天然ゴム(ラテックス)などが挙げられる。
前記スペーサーの形態としては、例えば、シート、フィルム、織布、不織布、メッシュ、スポンジなどが挙げられる。
前記スペーサーの形状、大きさ、厚み、設置場所は、発電素子の構造に応じて適宜選択することができる。
<その他の部材>
前記その他の部材は、例えば、封止層などが挙げられる。
<<封止層>>
前記封止層としては、前記第1の電極及び前記第2の電極の中間層と対向する面とは反対側の面に設けることができる。
前記封止層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、セロハンテープなどが挙げられる。
前記中間層は、静置状態において初期表面電位を持たないことが好ましい。
なお、静置状態における初期表面電位は、以下の測定条件で測定できる。ここで、初期表面電位を持たないとは、下記測定条件で測定した際に、±10V以下を意味する。
[測定条件]
前処理:温度30℃、相対湿度40%の雰囲気に24時間静置後、除電を60秒間実施した(Keyence社製のSJ−F300を使用)
装置:Treck Model344
測定プローブ:6000B−7C
測定距離:2mm
測定スポット径:直径(φ)10mm
本発明の前記発電素子は、中間層が初期表面電位を持たないという点から、特許第5480414号公報、特開2014−027756号公報、及び特許第5126038号公報(特許文献2〜4)に記載の先行技術とは、発電の原理が異なると考えられる。
前記先行技術の発電素子に用いられるエレクトレット材料は、半永久的に初期から電荷を与えておくものである。一方、本発明の発電素子は、その発電メカニズムは正確にはまだわかっていないが、電極近傍の中間層が、外力又は振動などの負荷が加わることにより、第1の電極面及び第2の電極面と平行方向に対して移動することにより、摩擦帯電に誘起されるメカニズムで帯電する、又は中間層の内部に電荷が発生する。これに起因して、表面電位差が生じる。この表面電位差がゼロになるように電荷が移動して発電する、と推測される。
ここで、図2は、本発明の発電素子の他の一例を示す概略断面図である。この図2に示す発電素子10は、押しつけ部材15と、一対の電極(第1の電極12及び第2の電極13)と、中間層14と、封止層16a、16bとから構成され、第1の電極と中間層との間に、スペーサー(不図示)を介して空間19が設けられている。図3は、図2の発電素子を押しつけ部材を用いて押し付けた状態を示す概略断面図である。この図3に示すように、押しつけ部材15を用いて、前記第1の電極面及び前記第2の電極面に対して垂直に加圧すると、可撓性を有する第1の電極を介して、中間層14が押し付けられ、前記第1の電極面及び前記第2の電極面に対して微視的に平行方向に移動する。
図4は、本発明の発電素子の他の一例を示す概略断面図である。この図4に示す発電素子20は、図3の発電素子10における空間19がなく、第1の電極と中間層とが接した構成からなる。
図5は、本発明の発電素子の他の一例を示す概略断面図である。この図5に示すように、発電素子30は、第1の電極32、中間層34、第2の電極33を設け、前記第1の電極32の前記中間層34と対向する面に凸構造が設けられている。図6は、図5の第1の電極に対して垂直方向に加圧した際の状態を示す概略断面図である。この図6に示すように、発電素子30の第1の電極32の中間層34と対向する面上に設けられた凸構造により、中間層34が押しつけられることにより、中間層34が第1の電極32面及び第2の電極33面に対して微視的に平行方向に移動する。
(発電装置)
本発明の発電装置は、本発明の前記発電素子を少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。前記発電装置は、本発明の発電素子を採用しているので、動作時に高印加電圧を必要としない。
本発明の発電装置は、外部から負荷を加えることによって発電素子における中間層が第1の電極面及び第2の電極面に対して微視的に平行方向に移動して発電する。その発電メカニズムは正確にはまだわかっていないが、電極近傍の中間層が、外力又は振動などの負荷が加わることにより、第1の電極面及び第2の電極面と微視的に平行方向に対して移動することにより、摩擦帯電に誘起されるメカニズムで帯電する、又は中間層の内部に電荷が発生する。これに起因して、表面電位差が生じる。この表面電位差がゼロになるように電荷が移動して発電する。
<その他の部材>
前記その他の部材としては、例えば、カバー材、電線、電気回路などが挙げられる。
−カバー材−
前記カバー材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記カバー材の材質としては、例えば、高分子材料、ゴムなどが挙げられる。前記高分子材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。前記ゴムとしては、例えば、シリコーンゴム、変性シリコーンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ポリサルファイドゴム、ウレタンゴム、イソブチルゴム、フロロシリコーンゴム、エチレンゴム、天然ゴム(ラテックス)などが挙げられる。
前記カバー材の構成、形状、大きさ、厚みなどについては、特に制限はなく、発電装置に応じて適宜選択することができる。
−電線−
前記電線としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記電線の材質としては、例えば、金属、合金などが挙げられる。前記金属としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケルなどが挙げられる。
前記電線の構成、形状、太さなどについては、特に制限はなく、発電装置に応じて適宜選択することができる。
−電気回路−
前記電気回路としては、例えば、前記発電素子で発電した電力を取り出す回路であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記電気回路としては、例えば、整流回路、オシロスコープ、電圧計、電流計、蓄電回路、LED、各種センサ(超音波センサ、圧力センサ、触覚センサ、歪みセンサ、加速度センサ、衝撃センサ、振動センサ、感圧センサ、電界センサ、音圧センサなど)などが挙げられる。
<用途>
前記発電装置は、例えば、超音波センサ、圧力センサ、触覚センサ、歪みセンサ、加速度センサ、衝撃センサ、振動センサ、感圧センサ、電界センサ、音圧センサ等の各種センサ、特に高電圧を必要としないことからウェラブルセンサ用途に適している。更に、加工性に優れた圧電性フィルムとして、ヘッドホン、スピーカー、マイクロホン、水中マイクロホン、ディスプレイ、ファン、ポンプ、可変焦点ミラー、超音波トランスデューサ、圧電トランス、遮音材料、防音材料、アクチュエータ、キーボードなども適している。更に、前記発電装置は、音響機器、情報処理機、計測機器、医用機器、更には乗り物や建物,又スキーやラケット等のスポーツ用具に用いる制振材(ダンパー)その他の分野で利用することもできる。
更に、前記発電装置は、以下の用途にも適している。
・波力、水力、風力等の自然エネルギーによる発電
・靴、服、床、アクセサリーに埋め込まれ、人の歩行による発電
・自動車のタイヤ等に埋め込まれ、走行による振動発電
また、フレキシブル基板上に形成して、板状発電体や逆に電圧をかけて充電する二次電池や、新しいアクチュエータ(人工筋肉)としての活用も期待できる。
ここで、図7は、本発明の移動による発電への影響を測定する発電素子の概略断面図である。この構成では、移動促進の構成はとらずに、直接電極を移動している。この図7に示す発電装置40は、一対の電極(第1の電極42及び第2の電極43)と、中間層44と、封止層46a、46b、及び電線47a、47bから構成されている。
図8は、図7の測定する発電素子の上部電極が左側に動いた場合の概略断面図である。図9は、図7の測定する発電素子の上部電極が右側に動いた場合の概略断面図である。図8及び図9に示されるように、第1の電極面及び第2の電極面に対して垂直方向に加圧された際に、上部電極がどちらの平行方向にでも移動することができる。
<<平行方向への移動の有無>>
図7の構成の発電装置に、表面性測定機(HEIDON トライポギア、14DR)と30mm平面圧子を用いて、以下の測定条件で加圧、平行方向へ移動した場合のピーク電圧量をオシロスコープ(LeCroy社製、WaveAce1001)を用いて計測することができる。なお、前記表面性測定機は、平面圧子が移動せずに、荷重をかけることができ、それと相対するステージが移動することにより、材料が平行方向に移動した場合の特性を測定できる装置である。30mm平面圧子に第1の電極より上の構成を固定し、第2の電極以下は、下の移動台に固定する。これにより、第1の電極に対し、中間層を第1の電極面に対して平行方向に移動したときの発電性能を計測することができる。また、図11は、図7の構成の発電装置の発電効率の測定結果を示すグラフである。グラフの横軸は、移動距離、縦軸は電圧のピーク値である。これにより、移動量が大きいものがより高い電圧を得ることができる。
[測定条件]
荷重:100gf
テーブル移動速度:1mm/sで往復
図10は、本発明の発電装置の他の一例を示す概略断面図である。図10の発電装置50は、本発明の発電素子(第1の電極52、第2の電極53、中間層54、封止層56a、56b、押しつけ部材55)を複数連結し、第1の電極52と中間層54との間にスペーサー58が設けられ、電線57a、57b、中間層圧電計61、アース62が設けられている。発電素子を複数連結することで、発電量を増やすことができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。「部」は、特に明示しない限り「質量部」を表す。「%」は、特に明示しない限り「質量%」を表す。
(実施例1)
<発電素子の作製>
<<第1の電極、及び第2の電極>>
第1の電極及び第2の電極として、パナック社製のアルペット9−100(アルミ箔の厚み:12μm)を用いた。
<<中間層の作製>>
−中間層前駆体−
PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に、シリコーンゴムA(TSE3033:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を、平均厚み150±20μm、縦50mm×横70mmを狙いとして、ブレード塗装を実施し、中間層前駆体を得た。
−表面改質処理−
得られた中間層前駆体を、約120℃で30分間焼成した後、表面改質処理として、以下の条件でプラズマ処理を行った。
[プラズマ処理条件]
装置:ヤマト科学製:PR−500
出力:100W
処理時間:4分間
反応雰囲気:アルゴン99.999%
反応圧力:10Pa
−不活性化処理−
更に、表面改質処理後、中間層前駆体のプラズマ処理面に、フッ素系炭素化合物であるオプツールDSX(ダイキン工業株式会社製)をパーフルオロヘキサンで希釈した0.1%溶液を、引き上げ速度10mm/minのディッピング(Dip)工法にて塗布した。その後、相対湿度90%温度60℃の環境で30分間以上保持後、50℃で10分間の乾燥を実施し、不活性化処理を施した。
その後、PETフィルムを剥離した。
以上により、中間層を得た。
<発電素子の作製>
得られた中間層を、前記第1の電極及び前記第2の電極で挟み、リード線(太陽電線社製、C3/RV−90 0.75SQ)を取り付けて、さらに、セロハンテープ(ニチバン株式会社製、No.405 50mm幅)で封止層を形成した。さらに、第1の電極の表面に、前記第1の電極側にほぼ半円形断面の凸構造を有するアルミニウム製の押しつけ部材をシート上に配置し、図2で示される構造を有する実施例1の発電素子を作製した。なお、その際、前記第1の電極の前記中間層に面した端面に、スペーサーとして導電布テープ(星和電機社製、E05R1020)を5mm幅に切断したものを、平行に貼ることにより、前記第1の電極に凹凸を設け、前記第1の電極と前記中間層との間に空間(空気)が生じるような構成した。この空間は、前記導電布テープの厚み分(約0.12mm)で構成されるものであるが、垂直負荷により可変であり、無負荷時には隙間が維持されている。
また、前記押しつけ部材は、アルミニウム製(商品名:四角あやめ1号(薄)、サイトウエンヂニアーズ株式会社製)を用いた。前記中間層の平均膜厚(150±20μm)と同じである半径150±20μmの断面が半円形である、エンボス加工された凸構造を、隣合う凸構造の端から凸構造の端までの最短距離が約1,000μmとなるように配置したものである。本来前記押しつけ部材板は、エンボス加工のため両面加工であるが、ゴムとの接触面と反対側の凸構造は省略して記述している。
<発電装置の作製>
得られた発電素子に、オシロスコープ(LeCroy社製、WaveAce1001)を取り付けて、図2で示される構造を有する実施例1の発電装置を作製した。
<評価>
<<硬さ>>
中間層の元のゴムの硬さを、以下の測定条件で測定した。結果を、表1に示した。
[測定条件]
日本工業規格JIS K6253−3:2012加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−第3:
デュロメータ タイプA (JIS−Aゴム硬さ)
<<移動促進手段による面積比(%)>>
平面接触(例えば、図12でアルペット9−100)のみの場合の面積を1とした場合、本発明での押しつけ部材、または、凸電極での面積増大効果は、半楕円体が平面上にある場合と近似する。
楕円体の半軸a、半軸b、半軸cを与えるとき楕円体の表面積Sは、以下のようになる。
これを半分に計算して、平面部分と置き換えて、移動促進手段による面積比Srを求めた。
(ただし、F(x,k)は第一種楕円積分、E(x,k)は第二種楕円積分を表す)
ここで、平面の場合単位構造の面積SS=2×(a×b)となる。
また前記cは、高さとなる。よって、凸のある近似面積は、面積比Sr=(S/2+(SS−a×b×π))/SSとなる。これを表5に百分率で示した。
<<発電性能>>
作製した実施例1の発電装置に、重量が200gの鉄球を前記発電装置の最上面から10cmの高さから前記発電装置の上に落下させた。この時の両電極間に発生するピーク電圧量をオシロスコープにて5回計測した。前記計測を5回行い、前記5回の計測値の平均値を測定値とした。そして、後述する比較例7の測定値に対する倍率を求め、以下の評価基準で評価した。結果を表5に示した。
[評価基準]
◎:比較例7に対して10倍以上であり、発電性能大きく向上した
○:比較例7に対して5倍以上10倍未満であり、発電性能大きく向上した
×:比較例7に対して5倍未満であり、発電性能やや向上した
(実施例2)
<発電素子の作製>
反応雰囲気:アルゴン99.999%を、窒素に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の発電素子を作製した。
<発電装置の作製>
実施例1で作製した発電素子を、実施例2で作製した発電素子に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の発電装置を作製した。
(実施例3)
<発電素子の作製>
反応雰囲気:アルゴン99.999%を、酸素に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の発電素子を作製した。
<発電装置の作製>
実施例1で作製した発電素子を、実施例3で作製した発電素子に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の発電装置を作製した。
(実施例4)
<発電素子の作製>
反応雰囲気:アルゴン99.999%を、空気に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の発電素子を作製した。
<発電装置の作製>
実施例1で作製した発電素子を、実施例4で作製した発電素子に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の発電装置を作製した。
(実施例5)
<発電素子の作製>
表面改質処理であるプラズマ処理、及びプラズマ処理条件を、下記条件のコロナ放電処理に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例5の発電素子を作製した。
[コロナ放電処理条件]
印加電圧:100V
積算エネルギー500J/cm
反応雰囲気:空気
<発電装置の作製>
実施例1で作製した発電素子を、実施例5で作製した発電素子に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例5の発電装置を作製した。
(実施例6)
<発電素子の作製>
表面改質処理であるプラズマ処理、及びプラズマ処理条件を、下記条件の電子線照射処理に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例6の発電素子を作製した。
[電子線照射処理条件]
装置:浜松ホトニクス株式会社製、商品名:EBエンジン
照射源:ライン照射型低エネルギー電子線照射
照射量:1MGy
反応雰囲気:窒素(酸素分圧:5,000ppm以下)
<発電装置の作製>
実施例1で作製した発電素子を、実施例6で作製した発電素子に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例6の発電装置を作製した。
(実施例7)
<発電素子の作製>
第1の電極の中間層に対向する面の端部にスペーサーである導電布テープを貼らないこと以外は、実施例1と同様にして、第1の電極と中間層とが接しており、空間を有さない図4で示される構造を有する実施例7の発電素子を作製した。
<発電装置の作製>
実施例1で作製した発電素子を、実施例7で作製した発電素子に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例7の発電装置を作製した。
(実施例8)
<発電素子の作製>
第1の電極の中間層に対向する面の端部にスペーサーである導電布テープを貼らないこと以外は、実施例2と同様にして、第1の電極と中間層とが接しており、空間を有さない図4で示される構造を有する実施例8の発電素子を作製した。
<発電装置の作製>
実施例1で作製した発電素子を、実施例8で作製した発電素子に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例8の発電装置を作製した。
(実施例9)
<発電素子の作製>
第1の電極の中間層に対向する面の端部にスペーサーである導電布テープを貼らないこと以外は、実施例3と同様にして、第1の電極と中間層とが接しており、空間を有さない図4で示される構造を有する実施例9の発電素子を作製した。
<発電装置の作製>
実施例1で作製した発電素子を、実施例9で作製した発電素子に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例9の発電装置を作製した。
(実施例10)
<発電素子の作製>
第1の電極の中間層に対向する面の端部にスペーサーである導電布テープを貼らないこと以外は、実施例4と同様にして、第1の電極と中間層とが接しており、空間を有さない図4で示される構造を有する実施例10の発電素子を作製した。
<発電装置の作製>
実施例1で作製した発電素子を、実施例10で作製した発電素子に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例10の発電装置を作製した。
(実施例11)
<発電素子の作製>
第1の電極の中間層に対向する面の端部にスペーサーである導電布テープを貼らないこと以外は、実施例5と同様にして、第1の電極と中間層とが接しており、空間を有さない図4で示される構造を有する実施例11の発電素子を作製した。
<発電装置の作製>
実施例1で作製した発電素子を、実施例11で作製した発電素子に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例11の発電装置を作製した。
(実施例12)
<発電素子の作製>
第1の電極の中間層に対向する面の端部にスペーサーである導電布テープを貼らないこと以外は、実施例6と同様にして、第1の電極と中間層とが接しており、空間を有さない図4で示される構造を有する実施例12の発電素子を作製した。
<発電装置の作製>
実施例1で作製した発電素子を、実施例12で作製した発電素子に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例12の発電装置を作製した。
(実施例13)
<発電素子の作製>
シリコーンゴムA(TSE3033:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を、シリコーンゴムB(KE−1950−20、信越化学工業株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例13の発電素子を作製した。
<発電装置の作製>
実施例1で作製した発電素子を、実施例13で作製した発電素子に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例13の発電装置を作製した。
(実施例14)
<発電素子の作製>
シリコーンゴムA(TSE3033:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を、シリコーンゴムC(KE−1950−30、信越化学工業株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例14の発電素子を作製した。
<発電装置の作製>
実施例1で作製した発電素子を、実施例14で作製した発電素子に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例14の発電装置を作製した。
(実施例15)
<発電素子の作製>
シリコーンゴムA(TSE3033:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を、シリコーンゴムD(KE−1950−40、信越化学工業株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例15の発電素子を作製した。
<発電装置の作製>
実施例1で作製した発電素子を、実施例15で作製した発電素子に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例15の発電装置を作製した。
(実施例16)
<発電素子の作製>
シリコーンゴムA(TSE3033:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を、シリコーンゴムE(KE−1950−50、信越化学工業株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例16の発電素子を作製した。
<発電装置の作製>
実施例1で作製した発電素子を、実施例16で作製した発電素子に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例16の発電装置を作製した。
(実施例17)
<発電素子の作製>
<<第1の電極、及び第2の電極>>
金属を複合化した電極(商品名:Sui−10−70、セーレン株式会社製)を第1の電極とした。前記Sui−10−70は平織りであり、レーザ顕微鏡(商品名:VK9500、株式会社キーエンス製)により観察した表面は、400μmおきに30μm程度の導電性の半円筒上の突起を有していることが確認できた。
第2の電極として、パナック社製のアルペット9−100(アルミ箔の厚み:12μm)を用いた。
<<中間層の作製>>
実施例1と同様にして、中間層を得た。
<発電素子の作製>
得られた中間層を、前記第1の電極及び前記第2の電極で挟み、リード線(太陽電線社製、C3/RV−90 0.75SQ)を取り付けて、さらに、セロハンテープ(ニチバン株式会社製、No.405 50mm幅)で封止層を形成し、実施例17の発電素子を作製した。なお、その際、前記第1の電極の前記中間層に面した端面に、スペーサーとして導電布テープ(星和電機社製、E05R1020)を5mm幅に切断したものを、平行に貼ることにより、前記第1の電極に凹凸を設け、前記第1の電極と前記中間層との間に空間(空気)が生じるような構成した。この空間は、前記導電布テープを2枚重ね合わせ、2枚重ねの導電布テープの厚み分(約0.24mm、導電布テープの1枚の厚み:0.12mm)で構成されるものであるが、垂直負荷により可変であり、無負荷時には隙間が維持されている。
<発電装置の作製>
得られた発電素子に、オシロスコープ(LeCroy社製、WaveAce1001)を取り付けて、図5で示される構造を有する実施例17の発電装置を作製した。
(実施例18)
<発電素子の作製>
<<第1の電極、及び第2の電極>>
電鋳を用いて、0.5mm厚のニッケル板に、高さが0.1mm円錐形の凸構造を隣合う凸構造の端から凸構造の端までの最短距離が0.2mmとなるように設け、第1の電極を得た。
第2の電極として、パナック社製のアルペット9−100(アルミ箔の厚み:12μm)を用いた。
<<中間層の作製>>
実施例1と同様にして、中間層を得た。
<発電素子の作製>
得られた中間層を、前記第1の電極及び前記第2の電極で挟み、リード線(太陽電線社製、C3/RV−90 0.75SQ)を取り付けて、さらに、セロハンテープ(ニチバン株式会社製、No.405 50mm幅)で封止層を形成し、実施例18の発電素子を作製した。なお、その際、前記第1の電極の前記中間層に面した端面に、スペーサーとして導電布テープ(星和電機社製、E05R1020)を5mm幅に切断したものを、平行に貼ることにより、前記第1の電極に凹凸を設け、前記第1の電極と前記中間層との間に空間(空気)が生じるような構成した。この空間は、前記導電布テープの厚み分(約0.12mm)で構成されるものであるが、垂直負荷により可変であり、無負荷時には隙間が維持されている。
<発電装置の作製>
得られた発電素子に、オシロスコープ(LeCroy社製、WaveAce1001)を取り付けて、図1で示される構造を有する実施例18の発電装置を作製した。
(比較例1)
<発電素子の作製>
実施例1の発電素子の作製において、中間層を、前記第1の電極及び前記第2の電極で挟み、ギャップのない状態である。これは、最初からすべての層が接触しており、電極が離れた場合の帯電効果が小さいものである。最初から接触していること以外は、実施例1と同様にして、図12で示される構造を有する比較例1の発電素子を作製した。図12の発電素子80は、一対の電極(第1の電極82、及び第2の電極83)、中間層84、封止層86a、86bから構成される。
<発電装置の作製>
実施例1の発電素子を、比較例1の発電素子に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の発電装置を作製した。
(比較例2)
<発電素子の作製>
反応雰囲気:アルゴン99.999%を、窒素に変更した以外は、比較例1と同様にして、比較例2の発電素子を作製した。
<発電装置の作製>
実施例1で作製した発電素子を、比較例2で作製した発電素子に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の発電装置を作製した。
(比較例3)
<発電素子の作製>
反応雰囲気:アルゴン99.999%を、酸素に変更した以外は、比較例1と同様にして、比較例3の発電素子を作製した。
<発電装置の作製>
実施例1で作製した発電素子を、比較例3で作製した発電素子に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例3の発電装置を作製した。
(比較例4)
<発電素子の作製>
反応雰囲気:アルゴン99.999%を、空気に変更した以外は、比較例1と同様にして、比較例4の発電素子を作製した。
<発電装置の作製>
実施例1で作製した発電素子を、比較例4で作製した発電素子に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例4の発電装置を作製した。
(比較例5)
<発電素子の作製>
表面改質処理であるプラズマ処理、及びプラズマ処理条件を、下記条件のコロナ放電処理に変更した以外は、比較例1と同様にして、比較例5の発電素子を作製した。
[コロナ放電処理条件]
印加電圧:100V
積算エネルギー500J/cm
反応雰囲気:空気
<発電装置の作製>
実施例1で作製した発電素子を、比較例5で作製した発電素子に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例5の発電装置を作製した。
(比較例6)
<発電素子の作製>
表面改質処理であるプラズマ処理、及びプラズマ処理条件を、下記条件の電子線照射処理に変更した以外は、比較例1と同様にして、比較例6の発電素子を作製した。
[電子線照射処理条件]
装置:浜松ホトニクス株式会社製、商品名:EBエンジン
照射源:ライン照射型低エネルギー電子線照射
照射量:1MGy
反応雰囲気:窒素(酸素分圧:5,000ppm以下)
<発電装置の作製>
実施例1で作製した発電素子を、比較例6で作製した発電素子に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例6の発電装置を作製した。
(比較例7)
<発電素子の作製>
表面改質処理を行わなかった以外は、比較例1と同様にして、比較例7の発電素子を作製した。
<発電装置の作製>
実施例1で作製した発電素子を、比較例7で作製した発電素子に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例7の発電装置を作製した。
(比較例8)
<発電素子の作製>
シリコーンゴムA(TSE3033:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を、シリコーンゴムF(KE−1950−60、信越化学工業株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例8の発電素子を作製した。
<発電装置の作製>
実施例1で作製した発電素子を、比較例8で作製した発電素子に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例8の発電装置を作製した。
(比較例9)
<発電素子の作製>
シリコーンゴムA(TSE3033:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を、シリコーンゴムG(KE−1950−70、信越化学工業株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例9の発電素子を作製した。
<発電装置の作製>
実施例1で作製した発電素子を、比較例9で作製した発電素子に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例9の発電装置を作製した。
次に、表1〜表4には、実施例1〜18、及び比較例1〜9の中間層の組成、及び発電素子の構成をまとめて示した。
実施例2〜18、及び比較例1〜9で得られた発電素子、及び発電装置について、実施例1と同様に評価を行った。実施例1〜18、及び比較例1〜9の評価結果を表1〜表5に示した。
表5の結果から、実施例1〜6は、比較例1〜7と比較して、中間層が、第1の電極面及び第2の電極面に対して平行方向に移動可能な構造を有し、かつ第1の電極と中間層との間に空間を有することにより、発電性能が向上していることがわかった。
また、実施例7〜12は、比較例1〜7と比較して、中間層が、第1の電極面及び第2の電極面に対して平行方向に移動可能な構造を有することにより、発電性能が向上していることがわかった。さらに、中間層が、第1の電極面及び第2の電極面に対して平行方向に移動可能な別の構造を有する実施例17及び18についても、発電性能が高いことがわかった。
次に、ゴム強度が60°未満である実施例1〜18は、比較例8及び9と比較して、いずれも発電性能が高いことがわかった。ゴム硬度が高い場合は、押しつけ部材が有効にゴム中に入っていかないと考えられる。
以上の結果から、本発明の発電素子、及び発電装置は、動作時に高印加電圧を必要とせず、第1の電極面及び第2の電極面に対して、平行方向に移動することにより、高い発電性能を有することがわかった。また、外部から負荷が加わっても壊れないことがわかった。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 第1の電極と、中間層と、第2の電極とをこの順で積層してなる発電素子であって、
前記中間層が、前記第1の電極及び前記第2の電極の少なくともいずれかと接し、
前記中間層が、互いに固定されていない状態で、前記第1の電極面及び前記第2の電極面に対して垂直方向に加圧された際に、前記第1の電極面及び前記第2の電極面に対して微視的に平行方向に移動することを特徴とする発電素子である。
<2> 中間層の硬さが、デュロメータ タイプAで60°未満である前記<1>に記載の発電素子である。
<3> 中間層が、シリコーンゴムを含有するシリコーンゴム組成物からなる前記<1>から<2>のいずれかに記載の発電素子である。
<4> 中間層と、第1の電極及び第2の電極の少なくともいずれかとの間に空間を有する前記<3>に記載の発電素子である。
<5> 中間層が、静置状態においては表面電荷を有さない前記<1>から<4>のいずれかに記載の発電素子である。
<6> 第1の電極及び第2の電極の少なくともいずれかが、中間層と接する面に、凸構造を有する前記<1>から<5>のいずれかに記載の発電素子である。
<7> 第1の電極の中間層と対向する面とは反対側の面に、押しつけ部材を有する記<1>から<5>のいずれかに記載の発電素子である。
<8> 中間層が、表面改質処理されている前記<1>から<7>のいずれかに記載の発電素子である。
<9> 表面改質処理が、プラズマ処理、コロナ放電処理、及び電子線照射処理のいずれかである前記<8>のいずれかに記載の発電素子である。
<10> 前記<1>から<9>のいずれかに記載の発電素子を有することを特徴とする発電装置である。
特開2010−104105号公報 特許第5480414号公報 特開2014−027756号公報 特許第5126038号公報 米国特許出願公開20140246950号明細書
オムロン株式会社、「微小な振動で発電する小型の「環境振動発電デバイス」を開発」、[online]、2008年11月11日掲載、インターネット<URL:http://www.omron.co.jp/press/2008/11/c1111.html>
1、10、20、30:発電素子
2、12、22、32、42、52:第1の電極
3、13、23、33、43、53:第2の電極
4、14、24、34、44、54:中間層
19:空間
40、50:発電装置

Claims (10)

  1. 第1の電極と、中間層と、第2の電極とをこの順に有する発電素子であって、
    前記中間層が、表面改質処理されかつ表面に不活性化剤を有してなり、前記第1の電極及び前記第2の電極の少なくともいずれかと接し、かつ前記第1の電極及び前記第2の電極の少なくともいずれかとの間に空間を有し、前記第1の電極面及び前記第2の電極面に対して垂直方向に加圧された際に、前記第1の電極面及び前記第2の電極面に対して微視的に水平方向に移動することを特徴とする発電素子。
  2. 中間層の硬さが、デュロメータ タイプAで60°未満である請求項1に記載の発電素子。
  3. 中間層が、シリコーンゴムを含有するシリコーンゴム組成物からなる請求項1から2のいずれかに記載の発電素子。
  4. 中間層が、静置状態においては表面電荷を有さない請求項1から3のいずれかに記載の発電素子。
  5. 第1の電極及び第2の電極の少なくともいずれかが、中間層と接する面に、凸構造を有する請求項1から4のいずれかに記載の発電素子。
  6. 第1の電極の中間層と対向する面とは反対側の面に、押しつけ部材を有する請求項1から4のいずれかに記載の発電素子。
  7. 表面改質処理が、プラズマ処理、コロナ放電処理、及び電子線照射処理のいずれかである請求項1から6のいずれかに記載の発電素子。
  8. 不活性化剤が、非晶質樹脂及びカップリング剤から選択される請求項1から7のいずれかに記載の発電素子。
  9. 非晶質樹脂がパーフルオロポリエーテル構造を有する樹脂であり、カップリング剤が金属アルコキシドである請求項8に記載の発電素子。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の発電素子を有することを特徴とする発電装置。
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