JP6536120B2 - アニオン変性セルロースナノファイバーの濃縮物、その製造方法及びその分散液 - Google Patents
アニオン変性セルロースナノファイバーの濃縮物、その製造方法及びその分散液 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6536120B2 JP6536120B2 JP2015066587A JP2015066587A JP6536120B2 JP 6536120 B2 JP6536120 B2 JP 6536120B2 JP 2015066587 A JP2015066587 A JP 2015066587A JP 2015066587 A JP2015066587 A JP 2015066587A JP 6536120 B2 JP6536120 B2 JP 6536120B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- anion
- cellulose
- modified
- concentrate
- dispersion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
Description
しかしながら、この湿潤状態のアニオン変性CNFを安定に保つためには、アニオン変性CNFに対して数倍〜数百倍の質量の水が必要であり、保存スペースの確保、保存及び輸送コストの増大等、種々の問題点がある。この問題を解決する手段として、凍結乾燥法や臨界点乾燥法、また、有機溶剤で置換処理した後に乾燥する方法(特許文献1)などが提案されている。
[1] アニオン変性セルロースナノファイバーに対して、無機系凝集剤を1〜10質量%含有していることを特徴とするアニオン変性セルロースナノファイバーの濃縮物。
[2] 前記アニオン変性セルロースナノファイバーが、アニオン変性セルロースナノファイバーの絶乾質量に対して、カルボキシル基の量が0.6mmol/g〜2.0mmol/gであるカルボキシル化セルロースナノファイバーであることを特徴とする[1]に記載のアニオン変性セルロースナノファイバーの濃縮物。
[3] 前記アニオン変性セルロースナノファイバーが、アニオン変性セルロースナノファイバーのグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.01〜0.50であるカルボキシメチル化セルロースナノファイバーであることを特徴とする[1]に記載のアニオン変性セルロースナノファイバーの濃縮物。
[4] 前記無機系凝集剤がアルミニウム塩であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアニオン変性セルロースナノファイバーの濃縮物。
[5] [1]〜[4]に記載のアニオン変性セルロースナノファイバーの濃縮物を、pH8〜12の溶液に分散させたアニオン変性セルロースナノファイバー分散液。
[6] [1]〜[4]に記載のアニオン変性セルロースナノファイバーの濃縮物を、pH8〜12の溶液に分散させることを特徴とするアニオン変性セルロースナノファイバー分散液の製造方法。
本発明のアニオン変性CNFの濃縮物が優れた再分散性を発現する理由は明らかではないが、本発明者らは、以下のように推測している。水によって加水分解された無機系凝集剤は正の電荷を有した錯体を生じる。一方で、アニオン変性CNFは負の電荷を有している。このため、無機系凝集剤とアニオン変性CNFを混ぜ合わせると、アニオン変性CNFは凝集・沈殿する。アニオン変性CNFと無機系凝集剤の濃縮物を再分散する際の系内のpHを無機系凝集剤の電荷が負に転じるように調整することで容易に凝集が解かれ、優れた再分散性が発現すると推測される。
本発明において、アニオン変性セルロースナノファイバー(アニオン変性CNF)は、繊維幅が4〜500nm程度、アスペクト比が100以上の微細繊維であり、カルボキシル化したセルロース(酸化セルロースとも呼ぶ)、カルボキシメチル化したセルロース、リン酸エステル基を導入したセルロースなどのアニオン変性セルロースを解繊することによって得ることができる。
アニオン変性セルロースを製造するためのセルロース原料としては、例えば、植物性材料(例えば、木材、竹、麻、ジュート、ケナフ、農地残廃物、布、パルプ(針葉樹未漂白クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未漂白クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹未漂白サルファイトパルプ(NUSP)、針葉樹漂白サルファイトパルプ(NBSP)サーモメカニカルパルプ(TMP)、再生パルプ、古紙等)、動物性材料(例えばホヤ類)、藻類、微生物(例えば酢酸菌(アセトバクター))、微生物産生物等を起源とするものを挙げることができ、それらのいずれも使用できる。好ましくは植物又は微生物由来のセルロース繊維であり、より好ましくは植物由来のセルロース繊維である。
本発明において、アニオン変性セルロースとして、カルボキシメチル化したセルロースを用いる場合、カルボキシメチル化したセルロースは、上記のセルロース原料を公知の方法でカルボキシメチル化することにより得てもよいし、市販品を用いてもよい。いずれの場合も、セルロースの無水グルコース単位当たりのカルボキシメチル基置換度が0.01〜0.50となるものが好ましい。そのようなカルボキシメチル化したセルロースを製造する方法の一例として次のような方法を挙げることができる。セルロースを発底原料にし、溶媒として3〜20質量倍の水及び/又は低級アルコール、具体的には水、メタノール、エタノール、N−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、N−ブタノール、イソブタノール、第3級ブタノール等の単独、又は2種以上の混合媒体を使用する。なお、低級アルコールを混合する場合の低級アルコールの混合割合は、60〜95質量%である。マーセル化剤としては、発底原料の無水グルコース残基当たり0.5〜20倍モルの水酸化アルカリ金属、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを使用する。発底原料と溶媒、マーセル化剤を混合し、反応温度0〜70℃、好ましくは10〜60℃、かつ反応時間15分〜8時間、好ましくは30分〜7時間、マーセル化処理を行う。その後、カルボキシメチル化剤をグルコース残基当たり0.05〜10.0倍モル添加し、反応温度30〜90℃、好ましくは40〜80℃、かつ反応時間30分〜10時間、好ましくは1時間〜4時間、エーテル化反応を行う。
本発明において、アニオン変性セルロースとしてカルボキシル化(酸化)したセルロースを用いる場合、カルボキシル化セルロース(酸化セルロースとも呼ぶ)は、上記のセルロース原料を公知の方法でカルボキシル化(酸化)することにより得ることができる。特に限定されるものではないが、カルボキシル化の際には、アニオン変性セルロースナノファイバーの絶乾質量に対して、カルボキシル基の量が0.6〜2.0mmol/gとなるように調整することが好ましく、1.0mmol/g〜2.0mmol/gになるように調整することがさらに好ましい。
アニオン変性セルロースを解繊する際に用いる装置は特に限定されないが、高速回転式、コロイドミル式、高圧式、ロールミル式、超音波式などの装置を用いることができる。解繊の際にはアニオン変性セルロースの水分散体に強力なせん断力を印加することが好ましい。特に、効率よく解繊するには、前記水分散体に50MPa以上の圧力を印加し、かつ強力なせん断力を印加できる湿式の高圧または超高圧ホモジナイザーを用いることが好ましい。前記圧力は、より好ましくは100MPa以上であり、さらに好ましくは140MPa以上である。また、高圧ホモジナイザーでの解繊及び分散処理に先立って、必要に応じて、高速せん断ミキサーなどの公知の混合、攪拌、乳化、分散装置を用いて、前記水分散体に予備処理を施してもよい。
(無機系凝集剤)
本発明において、無機系凝集剤とは水溶液中で正の電荷を有した物質のことであり、一価、二価、三価の金属塩、あるいはそれらの複合金属塩を例示することができる。本発明で使用する無機系凝集剤は、アニオン変性セルロースナノファイバーを凝集させることができるものであれば、制限なく用いることができるが、凝集効果の点から三価の金属塩を用いることが好ましい。
具体的には硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、硫酸第一鉄、塩化第二鉄等を挙げることができる。これらの中では再分散の容易性、透明性の復元性からアルミニウム塩の硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウムを用いることが好ましい。より好ましくは低アルカリ度で凝集状態が解かれる硫酸アルミニウムを用いることが望ましい。
(水溶性高分子)
本発明において、再分散性向上の観点から水溶性高分子を併用することは好ましい。水溶性高分子としては、例えば、セルロース誘導体(カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース)、キサンタンガム、キシログルカン、デキストリン、デキストラン、カラギーナン、ローカストビーンガム、アルギン酸、アルギン酸塩、プルラン、澱粉、かたくり粉、クズ粉、加工澱粉(カチオン化澱粉、燐酸化澱粉、燐酸架橋澱粉、燐酸モノエステル化燐酸架橋澱粉、ヒドロキシプロピル澱粉、ヒドロキシプロピル化燐酸架橋澱粉、アセチル化アジピン酸架橋澱粉、アセチル化燐酸架橋澱粉、アセチル化酸化澱粉、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム、酢酸澱粉、酸化澱粉)、コーンスターチ、アラビアガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、ポリデキストロース、ペクチン、キチン、水溶性キチン、キトサン、カゼイン、アルブミン、大豆蛋白溶解物、ペプトン、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミノ酸、ポリ乳酸、ポリリンゴ酸、ポリグリセリン、ラテックス、ロジン系サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド・ポリアミン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアミン、植物ガム、ポリエチレンオキサイド、親水性架橋ポリマー、ポリアクリル酸塩、でんぷんポリアクリル酸共重合体、タマリンドガム、グァーガム及びコロイダルシリカ並びにそれら1つ以上の混合物が挙げられる。この中でも、セルロース誘導体は、アニオン変性セルロースナノファイバーとの相溶性の点から好ましく、カルボキシメチルセルロース及びその塩は特に好ましい。
アニオン変性セルロースナノファイバー及び無機系凝集剤を含有した水性懸濁液を脱水あるいは乾燥させることで、再分散性の良好なアニオン変性セルロースナノファイバーの濃縮物を得ることができる。
脱水方法としては、公知のものを用いることができ、例えば、遠心脱水式、真空脱水式、加圧脱水式のタイプの脱水装置を使用することができ、これらの複数を組み合わせて使用することもできる。
乾燥方法としては、公知のものを用いることができ、例えば、スプレイドライ、圧搾、風乾、熱風乾燥、及び真空乾燥を挙げることができる。乾燥装置は、特に限定されないが、連続式のトンネル乾燥装置、バンド乾燥装置、縦型乾燥装置、垂直ターボ乾燥装置、多重段円板乾燥装置、通気乾燥装置、回転乾燥装置、気流乾燥装置、スプレードライヤ乾燥装置、噴霧乾燥装置、円筒乾燥装置、ドラム乾燥装置、ベルト乾燥装置、スクリューコンベア乾燥装置、加熱管付回転乾燥装置、振動輸送乾燥装置、回分式の箱型乾燥装置、通気乾燥装置、真空箱型乾燥装置、及び撹拌乾燥装置等を単独で又は2つ以上組み合わせて用いることができる。
本発明のアニオン変性CNFの濃縮物は、一般的に添加剤が用いられる様々な分野、例えば、食品、飲料、個人ケア製品、化粧品、医薬品、各種化学用品、製紙、土木、塗料、インキ、コーティング組成物、農薬、建築、自動車、防疫薬剤、電子材料、電池、難燃剤、断熱材、家庭雑貨、洗浄剤、水処理、ドリル液、中性の機能性物質、シェールガス及びオイルの流出制御及び/又は回収における添加剤として使用することが出来る。具体的には、増粘剤、ゲル化剤、糊剤、食品添加剤、賦形剤、ゴム・プラスチック用補強材料、塗料用添加剤、接着剤用添加剤、製紙用添加剤、研磨剤、吸水材、防臭剤、防錆剤、保水剤、保湿剤、保冷剤、保形剤、泥水調整剤、ろ過助剤及び溢泥防止剤などとして使用することができ、それらを構成成分として含むゴム・プラスチック材料、塗料、接着剤、コート紙用塗剤、コート紙、バインダー、化粧品、潤滑用組成物、研磨用組成物、衣料用しわ低減剤、アイロンがけ用滑り剤などに応用できる。
(再分散)
本発明において、アニオン変性CNFと無機系凝集剤を含む濃縮物は、pH8〜12の水溶液を用いて再分散することが好ましい。分散液のpHが8未満であると再分散性が不十分となり、一方pHが12より高くなるとアニオン変性CNFの粘性(チキソトロピー性)が低下する。
本発明のアニオン変性CNFの濃縮物が優れた再分散性を発現する理由は明らかではないが、本発明者らは、以下のように推測している。水によって加水分解された無機系凝集剤は正の電荷を有した錯体を生じる。一方で、アニオン変性CNFは負の電荷を有している。このため、無機系凝集剤とアニオン変性CNFを混ぜ合わせると、アニオン変性CNFは凝集・沈殿する。アニオン変性CNFと無機系凝集剤の濃縮物を再分散する際の系内のpHを無機系凝集剤の電荷が負に転じるように調整することで容易に凝集が解かれ、優れた再分散性が発現すると推測される。
針葉樹由来の漂白済み未叩解クラフトパルプ(白色度85%)500g(絶乾)をTEMPO(Sigma Aldrich社)780mgと臭化ナトリウム75.5gを溶解した水溶液500mlに加え、パルプが均一に分散するまで撹拌した。反応系に次亜塩素酸ナトリウム水溶液を6.0mmol/gになるように添加し、酸化反応を開始した。反応中は系内のpHが低下するが、3M水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に調整した。次亜塩素酸ナトリウムを消費し、系内のpHが変化しなくなった時点で反応を終了した。反応後の混合物をガラスフィルターで濾過してパルプ分離し、パルプを十分に水洗することで酸化されたパルプ(カルボキシル化セルロース)を得た。この時のパルプ収率は90%であり、酸化反応に要した時間は90分、カルボキシル基量は1.6mmol/gであった。
カルボキシル化セルロースの0.5質量%スラリー(水分散液)60mlを調製し、0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.5とした後、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが11になるまで電気伝導度を測定し、電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(a)から、下式を用いて算出した:
カルボキシル基量〔mmol/gカルボキシル化セルロース〕=a〔ml〕×0.05/カルボキシル化セルロース質量〔g〕。
パルプを混ぜることが出来る撹拌機に、パルプ(NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)、日本製紙製)を乾燥質量で200g、水酸化ナトリウムを乾燥質量で111g加え、パルプ固形分が20%(w/v)になるように水を加えた。その後、30℃で30分攪拌した後にモノクロロ酢酸ナトリウムを216g(有効成分換算)添加した。30分撹拌した後に、70℃まで昇温し1時間撹拌した。その後、反応物を取り出して中和、洗浄して、グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度0.25のカルボキシルメチル化したパルプを得た。その後、カルボキシメチル化したパルプを水で固形分1%とし、高圧ホモジナイザーにより20℃、150MPaの圧力で5回処理することにより解繊し、カルボキシメチル化セルロース繊維とした。得られた繊維は、平均繊維径が50nm、アスペクト比が120であった。
カルボキシメチル化セルロース繊維(絶乾)約2.0gを精秤して、300mL容共栓付き三角フラスコに入れた。硝酸メタノール1000mLに特級濃硝酸100mLを加えた液100mLを加え、3時間振とうして、カルボキシメチルセルロース塩(CM化セルロース)を水素型CM化セルロースにした。水素型CM化セルロース(絶乾)を1.5〜2.0g精秤し、300mL容共栓付き三角フラスコに入れた。80%メタノール15mLで水素型CM化セルロースを湿潤し、0.1NのNaOHを100mL加え、室温で3時間振とうした。指示薬として、フェノールフタレインを用いて、0.1NのH2SO4で過剰のNaOHを逆滴定した。カルボキシメチル置換度(DS)を、次式によって算出した:
A=[(100×F’−(0.1NのH2SO4)(mL)×F)×0.1]/(水素型CM化セルロースの絶乾質量(g))
DS=0.162×A/(1−0.058×A)
A:水素型CM化セルロースの1gの中和に要する1NのNaOH量(mL)
F’:0.1NのH2SO4のファクター
F:0.1NのNaOHのファクター。
アニオン変性CNFの平均繊維径および平均繊維長は、電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて、ランダムに選んだ200本の繊維について解析した。なおアスペクト比は下記の式により算出した:
アスペクト比=平均繊維長/平均繊維径。
<凝集物の評価>
無機添加剤を添加して凝集が生じた場合は3、粘度に変化があった場合は2、変化が
(実施例1)
<濃縮物の製造および評価>
アニオン変性CNFとして、上記のカルボキシル化CNF(カルボキシル基量:1.6mmol/g、平均繊維径:40nm、アスペクト比:150)を用いた。このアニオン変性CNFの0.5質量%水性懸濁液に、硫酸アルミニウム水溶液(固形分5%)を、アニオン変性CNFに対して5質量%添加し、TKホモミキサー(600rpm)で5分間攪拌することにより、アニオン変性CNFの凝集物の分散液を調製した。
凝集物の分散液を遠心分離(10,000×g,15分)で濃縮した。遠心分離によって得られた濃縮物の固形分が10質量%以上の場合は3、5%質量以上10%未満の場合は2、5質量%未満の場合は1と評価した。
<濃縮物の再分散>
次に、上記で得られた濃縮物の再分散性を評価するために、濃縮物にpH8の1質量%水性懸濁液になるように水および水酸化ナトリウム水溶液(1%)を添加し、TKホモミキサー(6,000rpm)で60分間撹拌することによりアニオン変性CNFを再分散した水分散/懸濁液を得た。
<チキソトロピー性の測定>
アニオン変性CNFを再分散させた水分散/懸濁液について、撹拌直後のB型粘度(回転数30rpm、3分間)と、一日静置した後のB型粘度(回転数30rpm、3分間)を測定し、その比をとって比が2以上の場合は3、1.5以上2未満の場合は2、1より大きく1.5未満の場合は1と評価した。
<透明性の復元性>
目視による評価で、無機系凝集剤の添加によって生じた凝集物が残っていない場合は3、凝集物によって白濁している場合は2、凝集物が明らかに残っている場合は1と評価した。
(実施例2)
<乾燥固形物の製造>
実施例1の濃縮物に、水酸化ナトリウム水溶液(1%)を加え、再分散時のpHが8になるように調整した後、105℃の送風乾燥機にて重量が恒量になるまで乾燥させ、アニオン変性CNFの乾燥固形物を得た。
(実施例3)
再分散時のpHが12になるように調整した以外は実施例1と同様にして行った。
(実施例4)
アニオン変性CNFをアニオン変性CNFとして、上で得られたCM化CNF(カルボキシメチル置換度:0.25、平均繊維径:50nm、アスペクト比:120)を用いた以外は実施例1と同様にして行った。
(実施例5)
アニオン変性CNFをアニオン変性CNFとして、上で得られたCM化CNF(カルボキシメチル置換度:0.25、平均繊維径:50nm、アスペクト比:120)を用いた以外は実施例2と同様にして行った。
(実施例6)
再分散時のpHが9になるように調整した以外は実施例4と同様にして行った。
(実施例7)
再分散時のpHが9になるように調整した以外は実施例5と同様にして行った。
(実施例8)
再分散時のpHが12になるように調整した以外は実施例4と同様にして行った。
(実施例9)
再分散時のpHが12になるように調整した以外は実施例5と同様にして行った。
(実施例10)
再分散時のpHが13になるように調整した以外は実施例4と同様にして行った。
(実施例11)
無機系凝集剤に塩化アルミニウムを用いた以外は実施例4と同様にして行った。
(実施例12)
無機系凝集剤に塩化第二鉄を用いた以外は実施例4と同様にして行った。
(実施例13)
無機系凝集剤に硫酸カリウムアルミニウムを用いた以外は実施例4と同様にして行った。
(実施例14)
無機系凝集剤の添加量をアニオン変性CNFに対して1質量%添加した以外は実施例4と同様にして行った。
(実施例15)
無機系凝集剤の添加量をアニオン変性CNFに対して3質量%添加した以外は実施例4と同様にして行った。
(実施例16)
無機系凝集剤の添加量をアニオン変性CNFに対して10質量%添加した以外は実施例4と同様にして行った。
(比較例1、2)
濃縮物の製造において、硫酸アルミニウムを添加しなかった以外は実施例1及び4と同様にして行った。
(比較例3)
無機系凝集剤に塩化カルシウムを用いた以外は実施例4と同様にして行った。
(比較例4)
無機系凝集剤にメタクリル酸カルシウムを用いた以外は実施例4と同様にして行った。
(比較例5)
無機系凝集剤に炭酸水素ナトリウムを用いた以外は実施例4と同様にして行った。
(比較例6)
無機系凝集剤に硫酸ナトリウムを用いた以外は実施例4と同様にして行った。
(比較例7)
無機系凝集剤にグルコン酸ナトリウムを用いた以外は実施例4と同様にして行った。
Claims (2)
- アニオン変性セルロースナノファイバーに対して、無機系凝集剤を1〜10質量%含有していることを特徴とするアニオン変性セルロースナノファイバーの濃縮物を、pH8〜12の溶液に分散させたアニオン変性セルロースナノファイバー分散液。
- アニオン変性セルロースナノファイバーに対して、無機系凝集剤を1〜10質量%含有していることを特徴とするアニオン変性セルロースナノファイバーの濃縮物を、pH8〜12の溶液に分散させることを特徴とするアニオン変性セルロースナノファイバー分散液の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015066587A JP6536120B2 (ja) | 2015-03-27 | 2015-03-27 | アニオン変性セルロースナノファイバーの濃縮物、その製造方法及びその分散液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015066587A JP6536120B2 (ja) | 2015-03-27 | 2015-03-27 | アニオン変性セルロースナノファイバーの濃縮物、その製造方法及びその分散液 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016186018A JP2016186018A (ja) | 2016-10-27 |
JP6536120B2 true JP6536120B2 (ja) | 2019-07-03 |
Family
ID=57202437
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015066587A Active JP6536120B2 (ja) | 2015-03-27 | 2015-03-27 | アニオン変性セルロースナノファイバーの濃縮物、その製造方法及びその分散液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6536120B2 (ja) |
Families Citing this family (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109072552B (zh) | 2016-04-22 | 2022-03-18 | 菲博林科技有限公司 | 再分散的微纤化纤维素 |
JP6962777B2 (ja) * | 2016-10-28 | 2021-11-05 | 日本製紙株式会社 | 分散樹脂組成物及びその用途 |
JP6228707B1 (ja) | 2016-12-21 | 2017-11-08 | 日本製紙株式会社 | 酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバー及びその製造方法 |
CN108299701B (zh) * | 2017-01-11 | 2022-05-27 | 日立安斯泰莫株式会社 | 纤维材料及其制造方法以及复合材料及其制造方法 |
JP6948631B2 (ja) * | 2017-01-11 | 2021-10-13 | 日立Astemo株式会社 | 膨潤繊維材料及び膨潤繊維材料の製造方法並びに複合材料の製造方法 |
JP6931837B2 (ja) * | 2017-02-03 | 2021-09-08 | 株式会社片山化学工業研究所 | 乾燥セルロースナノファイバーの製造方法 |
JP7239294B2 (ja) * | 2018-10-11 | 2023-03-14 | 日本製紙株式会社 | アニオン変性セルロースナノファイバーの製造方法 |
CN113272333B (zh) * | 2018-12-27 | 2023-06-09 | 花王株式会社 | 改性纤维素纤维粉末 |
JP7260334B2 (ja) * | 2019-02-28 | 2023-04-18 | 花王株式会社 | 吸収体及びその製造方法 |
JP6968311B1 (ja) * | 2020-01-28 | 2021-11-17 | 日本製紙株式会社 | セルロースナノファイバー濃縮・乾燥品の製造方法及び減圧ベルト乾燥機 |
WO2021201114A1 (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-07 | 日本製紙株式会社 | 繊維含有クリア塗工層を備える紙 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010202856A (ja) * | 2009-02-06 | 2010-09-16 | Kao Corp | セルロース繊維の懸濁液とその製造方法 |
FI122548B (fi) * | 2010-09-17 | 2012-03-15 | Upm Kymmene Corp | Menetelmä vedenpoiston parantamiseksi |
KR101935619B1 (ko) * | 2011-03-08 | 2019-04-03 | 사피 네덜란드 서비시즈 비.브이. | 중성 및 음이온으로 개질된 셀룰로오스를 건식 방사하기 위한 방법 및 그 방법을 이용하여 제조한 섬유 |
EP2826792B1 (en) * | 2012-03-14 | 2022-01-05 | Nippon Paper Industries Co., Ltd. | Method for producing anion-modified cellulose nanofiber dispersion |
EP2897810B1 (en) * | 2012-09-24 | 2017-03-29 | Paper and Fibre Research Institute | Coating composition of nano cellulose, its uses and a method for its manufacture |
JP6095355B2 (ja) * | 2012-12-18 | 2017-03-15 | 花王株式会社 | セルロースナノファイバー分散液の製造方法 |
JP6755639B2 (ja) * | 2015-02-04 | 2020-09-16 | 日本ゼオン株式会社 | 含金属酸化セルロースナノファイバー分散液およびその製造方法 |
-
2015
- 2015-03-27 JP JP2015066587A patent/JP6536120B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016186018A (ja) | 2016-10-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6536120B2 (ja) | アニオン変性セルロースナノファイバーの濃縮物、その製造方法及びその分散液 | |
JP6479687B2 (ja) | アニオン変性セルロースナノファイバーの乾燥固形物及びその製造方法 | |
JP6237251B2 (ja) | アニオン変性セルロースナノファイバーの乾燥固形物の製造方法 | |
JP6601900B2 (ja) | セルロースナノファイバー分散体の製造方法およびセルロースナノファイバー乾燥固形物の再分散方法 | |
JP6876619B2 (ja) | セルロースナノファイバー乾燥固形物の製造方法 | |
JP4981735B2 (ja) | セルロースナノファイバーの製造方法 | |
JP7270194B2 (ja) | 乾燥セルロースナノファイバーの製造方法 | |
JPWO2017131084A1 (ja) | アニオン変性セルロースナノファイバー分散液およびその製造方法 | |
JP7095065B2 (ja) | 化学変性パルプ分散液の脱水方法 | |
JP7170380B2 (ja) | 化学変性パルプ乾燥固形物の製造方法 | |
JP7211048B2 (ja) | セルロースナノファイバー及び澱粉を含む組成物 | |
JP2010156069A (ja) | 抄紙用凝集剤 | |
JP6861972B2 (ja) | 乾燥セルロースナノファイバーの製造方法 | |
JP6570006B2 (ja) | セルロースナノファイバー分散体の製造方法および乾燥した化学変性セルロース繊維の分散方法 | |
JP6671935B2 (ja) | セルロースナノファイバーの乾燥固形物の製造方法 | |
JP2014193580A (ja) | 積層体 | |
JP7303794B2 (ja) | セルロースナノファイバー乾燥固形物の製造方法 | |
JP6968311B1 (ja) | セルロースナノファイバー濃縮・乾燥品の製造方法及び減圧ベルト乾燥機 | |
JP7203484B2 (ja) | チーズ | |
TW202106718A (zh) | 混合液 | |
JP7250455B2 (ja) | アニオン変性セルロースナノファイバーを含有する組成物 | |
JP2017008175A (ja) | セルロースナノファイバーの乾燥固形物の製造方法 | |
JP2022134120A (ja) | セルロースナノファイバー乾燥固形物及びその製造方法 | |
JP2024034568A (ja) | セルロースナノファイバー濃縮・乾燥品の製造方法及び減圧ベルト乾燥機 | |
JP2023050644A (ja) | セルロースナノファイバー水懸濁液の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180131 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190219 |
|
RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 Effective date: 20190326 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190415 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190507 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190520 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6536120 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R157 | Certificate of patent or utility model (correction) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R157 |
|
R157 | Certificate of patent or utility model (correction) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R157 |