JP6532392B2 - 極低温冷凍機 - Google Patents

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Description

本発明は、極低温冷凍機に関する。
ギフォード・マクマホン(Gifford-McMahon;GM)冷凍機に代表される極低温冷凍機は、作動ガス(冷媒ガスともいう)の膨張機と圧縮機を有する。このような極低温冷凍機の膨張機はたいてい、駆動手段によって軸方向に往復動するディスプレーサとこれに内蔵された蓄冷器を有する。ディスプレーサは、その往復動を案内するシリンダに収容されている。シリンダに対するディスプレーサの相対移動により両者の間に形成される可変容積は、作動ガスの膨張室として用いられる。膨張機は、圧縮機から供給される高圧ガスを膨張室内で断熱膨張させ、これにより寒冷を発生させる。
特開2014−35098号公報 実開平2−4168号公報
ディスプレーサとシリンダとの間には軸方向において膨張室と反対側にもう1つの可変容積、いわゆる圧縮室、が形成されうる。シリンダに対するディスプレーサの相対移動によって圧縮室が狭くなるとき、そこに滞在するガスはディスプレーサによって圧縮されうる。ガス圧縮に伴う圧縮熱は、極低温冷凍機に熱損失をもたらしうる。とくに、極低温冷凍機の容量が大きいほど、圧縮熱による熱損失も大きくなる。
本発明のある態様の例示的な目的のひとつは、極低温冷凍機の膨張機に生じうる圧縮熱による熱損失を低減することにある。
本発明のある態様によると、極低温冷凍機は、ディスプレーサ上蓋と前記ディスプレーサ上蓋に軸方向に隣接する蓄冷器とを備え、軸方向往復動可能なディスプレーサと、前記ディスプレーサ上蓋から軸方向に前記蓄冷器と反対側に延在し、前記ディスプレーサとともに軸方向往復動可能なスプール弁体と、高圧ガス入口と低圧ガス出口とを備え、前記スプール弁体の軸方向往復動を案内するスプール弁スリーブと、前記ディスプレーサ上蓋から前記スプール弁体へと貫通形成され、前記スプール弁体の軸方向往復動により前記蓄冷器を前記高圧ガス入口または前記低圧ガス出口のいずれかに選択的に連通するガス流路と、を備える。
なお、本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、極低温冷凍機の膨張機に生じうる圧縮熱による熱損失を低減することができる。
本発明のある実施形態に係る極低温冷凍機の全体構成を概略的に示すとともに、極低温冷凍機の膨張機の断面を概略的に示す。 図1に示すスプール弁体のA−A線による断面図である。 ある実施形態に係るディスプレーサ駆動機構の一部を示す。 本発明の他の実施形態に係る極低温冷凍機の全体構成を概略的に示すとともに、極低温冷凍機の膨張機の断面を概略的に示す。 本発明の他の実施形態に係る極低温冷凍機の全体構成を概略的に示すとともに、極低温冷凍機の膨張機の断面を概略的に示す。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、以下に述べる構成は例示であり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
図1は、本発明のある実施形態に係る極低温冷凍機10を概略的に示す図である。図示される極低温冷凍機10は、単段式のGM冷凍機である。
極低温冷凍機10は、作動ガスを圧縮する圧縮機12と、作動ガスを断熱膨張により冷却する膨張機14とを備える。作動ガスは例えばヘリウムガスである。膨張機14はコールドヘッドとも呼ばれる。膨張機14には作動ガスを予冷する蓄冷器16が備えられている。極低温冷凍機10は、圧縮機12と膨張機14とを各々が接続する第1管18aと第2管18bを含むガス配管18を備える。また、膨張機14は、蓄冷器16を内蔵するディスプレーサ24と、ディスプレーサ24を収容するシリンダ28と、シリンダ28の末端に固定された冷却ステージ30と、を備える。
知られているように、第1高圧を有する作動ガスが圧縮機12の吐出口から第1管18aを通じて膨張機14に供給される。膨張機14における断熱膨張により、作動ガスは第1高圧からそれより低い第2高圧に減圧される。第2高圧を有する作動ガスは、膨張機14から第2管18bを通じて圧縮機12の吸入口に回収される。圧縮機12は、回収された第2高圧を有する作動ガスを圧縮する。こうして作動ガスは再び第1高圧に昇圧される。一般に第1高圧及び第2高圧はともに大気圧よりかなり高い。説明の便宜上、第1高圧及び第2高圧はそれぞれ単に高圧及び低圧とも呼ばれる。
詳細は後述するが、膨張機14は、典型的なロータリー弁方式の流路切替機構に代えて、スプール弁20を備える。スプール弁20は、スプール弁体21とスプール弁スリーブ22とを備える。
本書では説明の便宜上、軸方向、径方向、周方向との用語が使用される。軸方向は、矢印Cで図示されるように、膨張機静止部分に対する膨張機可動部分の移動方向を表す。径方向は軸方向に垂直な方向(図において横方向)を表し、周方向は軸方向を囲む方向を表す。膨張機14のある要素が軸方向に関して冷却ステージ30に相対的に近いことを「下」、相対的に遠いことを「上」と呼ぶことがある。よって、膨張機14の高温部及び低温部はそれぞれ軸方向において上部及び下部に位置する。こうした表現は、膨張機14の要素間の相対的な位置関係の理解を助けるために用いられるにすぎず、現場で設置されるときの膨張機14の配置とは関係しない。例えば、膨張機14は、冷却ステージ30を上向きにスプール弁20を下向きにして設置されてもよい。あるいは、膨張機14は、軸方向を水平方向に一致させるようにして設置されてもよい。
極低温冷凍機10の動作時において、蓄冷器16は、軸方向において一方側(図において上側)に蓄冷器高温部16aを有し反対側(図において下側)に蓄冷器低温部16bを有する。このように蓄冷器16は軸方向に温度分布を有する。蓄冷器16を包囲する膨張機14の他の構成要素(例えばディスプレーサ24及びシリンダ28)も同様に軸方向温度分布を有し、従って膨張機14はその動作時に軸方向一方側に高温部を有し軸方向他方側に低温部を有する。高温部は、例えば室温程度の温度を有する。低温部は、極低温冷凍機10の用途により異なるが、例えば約100Kから約10Kの範囲に含まれるある温度に冷却される。冷却ステージ30は、シリンダ28の低温部を外包するようにシリンダ28に固着されている。
膨張機14は、膨張機可動部分と膨張機静止部分とを備える。膨張機可動部分は、膨張機静止部分に対し軸方向(図1における上下方向)に往復動可能であるよう構成されている。膨張機可動部分の移動方向を図1に矢印Cで示す。膨張機静止部分は、膨張機可動部分を軸方向に往復動可能に支持するよう構成されている。また、膨張機静止部分は、膨張機可動部分を高圧ガス(第1高圧ガス及び第2高圧ガスを含む)とともに収容する気密容器として構成されている。
膨張機可動部分は、ディスプレーサ24とスプール弁体21とを含む。膨張機可動部分の軸方向上部がスプール弁体21であり、膨張機可動部分の軸方向下部がディスプレーサ24であり、これらは気密性を保つよう相互に堅く結合されている。膨張機静止部分は、シリンダ28とスプール弁スリーブ22とを含む。膨張機静止部分の軸方向上部がスプール弁スリーブ22であり、膨張機静止部分の軸方向下部がシリンダ28であり、これらは気密性を保つよう相互に堅く結合されている。また、膨張機静止部分の軸方向下端に冷却ステージ30が設けられている。
ディスプレーサ24の内部空間に蓄冷材が充填され、それによりディスプレーサ24内に蓄冷器16が形成されている。ディスプレーサ24は、ディスプレーサ上蓋24a、ディスプレーサ筒部24b、およびディスプレーサ下蓋24cを備える。ディスプレーサ上蓋24aは、蓄冷器16(蓄冷器高温部16a)と軸方向一方側で隣接し、ディスプレーサ下蓋24cは、蓄冷器16(蓄冷器低温部16b)と軸方向他方側で隣接する。ディスプレーサ筒部24bは、ディスプレーサ上蓋24aをディスプレーサ下蓋24cに接続するとともに、蓄冷器16を包囲する。
ディスプレーサ24は、例えば、軸方向に延在する実質的に円柱状の形状を有する。ディスプレーサ24は、軸方向において実質的に一様な外径及び内径を有する。よって、蓄冷器16も、軸方向に延在する実質的に円柱状の形状を有する。
シリンダ28は、ディスプレーサ24の往復動を案内するよう構成されている。シリンダ28は、軸方向において実質的に一様な内径を有し、よって、シリンダ28は、軸方向に延在する実質的に円筒の内面を有する。この内径は、ディスプレーサ24の外径よりわずかに大きい。よって、シリンダ28の内周面とディスプレーサ24の外周面との間にわずかなクリアランスが形成される。また、シリンダ28は、軸方向上端にフランジ部を有する。
冷却ステージ30は、軸方向においてスプール弁20と反対側でシリンダ28の末端に固定されている。冷却ステージ30は、膨張機14が生成する寒冷を他の物体に伝導するために設けられている。その物体は冷却ステージ30に取り付けられ、極低温冷凍機10の動作時に冷却ステージ30によって冷却される。
膨張機14における作動ガスの流路構成を説明する。スプール弁20に加えて、膨張機14は、高圧ガス入口32、低圧ガス出口34、第1ガス流路36、第2ガス流路38、及びガス膨張室40を備える。簡単に言うと、高圧ガスは、第1管18aから高圧ガス入口32、第1ガス流路36、蓄冷器16、第2ガス流路38を経てガス膨張室40に流入する。ガス膨張室40からの戻りガスは、第2ガス流路38、蓄冷器16、第1ガス流路36、低圧ガス出口34を経て、第2管18bに戻る。
第1ガス流路36は、膨張機静止部分と蓄冷器16(蓄冷器高温部16a)との間のガス流通のために設けられている。第1ガス流路36は、膨張機14の高温部に形成されている。第1ガス流路36の詳細は後述する。
第2ガス流路38は、蓄冷器低温部16bをガス膨張室40に連通するよう形成されたディスプレーサ下蓋24cの少なくとも1つの開口である。第2ガス流路38は、膨張機14の低温部に形成されている。第2ガス流路38は、ディスプレーサ筒部24bの軸方向下端部に形成されていてもよい。
ガス膨張室40は、蓄冷器低温部16bの側でシリンダ28とディスプレーサ24との間に形成されている。
スプール弁20は、ディスプレーサ24の往復動と同期してガス膨張室40の圧力を制御するよう構成されている。スプール弁20は、高圧ガスをガス膨張室40に供給するための吸気路の一部として機能するとともに、低圧ガスをガス膨張室40から排出するための排気路の一部として機能する。スプール弁20は、ディスプレーサ24が下死点またはその近傍を通過するとき低圧ガスの排出を終了し高圧ガスの供給を開始するよう構成されている。スプール弁20は、ディスプレーサ24が上死点またはその近傍を通過するとき高圧ガスの供給を終了し低圧ガスの排出を開始するよう構成されている。このように、スプール弁20は、ディスプレーサ24の往復動と同期して作動ガスの供給機能と排出機能とを切り替えるよう構成され、膨張機14の流路切替機構として機能する。
スプール弁体21は、ディスプレーサ上蓋24aから軸方向に蓄冷器16と反対側に(すなわち軸方向上方に)延在し、ディスプレーサ24とともに軸方向往復動可能である。スプール弁スリーブ22は、シリンダ28のフランジ部から軸方向上方に延在する。スプール弁スリーブ22は、スプール弁体21を収容し、スプール弁体21の軸方向往復動を案内する。スプール弁体21とスプール弁スリーブ22との間にはクリアランス42が形成されている。
スプール弁体21は、クリアランス42を径方向内側に拡張するよう形成されたくびれ部21aを備える。くびれ部21aとスプール弁スリーブ22との間に吸排気空間44が形成され、吸排気空間44は、クリアランス42より大きい径方向幅を有する。また、スプール弁体21は、上側大径部21bおよび下側大径部21cを備え、これらの間にくびれ部21aが形成されている。よって、くびれ部21aの径は上側大径部21bおよび下側大径部21cの径より小さい。上側大径部21bおよび下側大径部21cの径はスプール弁スリーブ22の内径よりわずかに小さいので、上述のクリアランス42が形成される。上側大径部21bおよび下側大径部21cは、軸方向に延在する実質的に円柱状の形状を有し、同径である。しかし、上側大径部21bと下側大径部21cとは、異なる径を有してもよい。
スプール弁体21の径は、ディスプレーサ上蓋24aの径の50%より大きく、好ましくはディスプレーサ上蓋24aの径の80%より大きい。つまり、くびれ部21a、上側大径部21b、および下側大径部21cの径は、ディスプレーサ上蓋24aの径の50%または80%より大きい。図示される実施形態においては、上側大径部21bおよび下側大径部21cの径がディスプレーサ上蓋24aの径に等しい。上述のようにディスプレーサ24は一定の径をもつから、スプール弁体21の径は、ディスプレーサ24の径の50%より大きく、ディスプレーサ24の径以下である。
スプール弁体21は、例えばボルト等の締結部材23によって、ディスプレーサ上蓋24aに結合されている。締結部材23は、くびれ部21a、上側大径部21b、および下側大径部21cを貫通してディスプレーサ上蓋24aに達している。
スプール弁スリーブ22は、高圧ガス入口32と低圧ガス出口34とを備える。低圧ガス出口34は、高圧ガス入口32に対し軸方向上方に配置されている。高圧ガス入口32は、ディスプレーサ24の下死点で吸排気空間44が高圧ガス入口32に連通するよう軸方向に位置決めされている。低圧ガス出口34は、図示されるように、ディスプレーサ24の上死点で吸排気空間44が低圧ガス出口34に連通するよう軸方向に位置決めされている。
第1ガス流路36は、ディスプレーサ上蓋24aからスプール弁体21へと貫通形成され、スプール弁体21の軸方向往復動により蓄冷器16を高圧ガス入口32または低圧ガス出口34のいずれかに選択的に連通する。
第1ガス流路36は、ディスプレーサ上蓋24aからくびれ部21aへと貫通形成された少なくとも1つの(例えば複数の)吸排気穴を有する。具体的には、吸排気穴は、ディスプレーサ上蓋24aの外周部から下側大径部21cの外周部へと貫通形成されている。吸排気穴のそれぞれは、軸方向に平行に直線的に形成されている。吸排気空間44は、第1ガス流路36の一部を形成する。吸排気空間44は、スプール弁体21の軸方向往復動により高圧ガス入口32または低圧ガス出口34のいずれかに選択的に連通される。
図2は、図1に示すスプール弁体21のA−A線による断面図である。図2に示されるように、第1ガス流路36は、8つの吸排気穴からなる。これらの吸排気穴は、スプール弁体21の下側大径部21cの外周部に等角度間隔に形成されている。また、スプール弁体21には4本の締結部材23が設けられている。なお図1に示されるのは、図2に示すB−B線による断面である。
図1に示されるように、スプール弁20は、高圧ガス入口32と低圧ガス出口34との間の直接のガス流れを遮断するようクリアランス42に配設されたスプール弁シール部46を備える。スプール弁シール部46は、第1シール部材46a、第2シール部材46b、第3シール部材46c、および第4シール部材46dを備える。これらシール部材はそれぞれ、スプール弁スリーブ22に装着され周方向に延在する。シール部材は、例えばスリッパーシールであるが、望まれるシール性能を有する限り、その他の接触シールまたは非接触シールであってもよい。
スプール弁シール部46は、クリアランス42を高圧区間48、中間区間50、低圧区間52に仕切る。高圧区間48は、第1シール部材46aと第2シール部材46bとの間に形成され、中間区間50は、第2シール部材46bと第3シール部材46cとの間に形成され、低圧区間52は、第3シール部材46cと第4シール部材46dとの間に形成される。高圧区間48には高圧ガス入口32を通じて第1管18aが接続され、低圧区間52には低圧ガス出口34を通じて第2管18bが接続される。
また、ディスプレーサシール部54が、クリアランス42とガス膨張室40との間の軸方向ガス流れを遮断するようディスプレーサ24とシリンダ28との間に配置されている。ディスプレーサシール部54は、ディスプレーサ上蓋24a、またはディスプレーサ筒部24bの上部に装着され周方向に延在する。ディスプレーサシール部54は、例えばスリッパーシールであるが、望まれるシール性能を有する限り、その他の接触シールまたは非接触シールであってもよい。
膨張機14は、ディスプレーサ24の軸方向往復動を駆動するディスプレーサ駆動機構56を備える。ディスプレーサ駆動機構56は、モータ56a及びスコッチヨーク機構56bを含む。スプール弁体21の上側大径部21bは、スコッチヨーク窓56cを有する。スコッチヨーク窓56cの中にはブッシュ56dが配設されている。ブッシュ56dの駆動軸56eは、クランク56fを介してモータ56aの出力軸と偏心接続されている。このようにして、スプール弁体21はスコッチヨーク機構56bの一部を形成する。モータ56aの回転がスコッチヨーク機構56bによりスプール弁体21の軸方向往復動に変換される。こうしてディスプレーサ24はスプール弁体21とともに軸方向に駆動される。
図3は、ある実施形態に係るディスプレーサ駆動機構56の一部を示す。図示されるように、ブッシュ56dは、凸の湾曲面58(例えば球状面)を上部および下部に有してもよい。これらの湾曲面58により、ブッシュ56dはスコッチヨーク窓56cの上辺および下辺に点接触または線接触することができる。ディスプレーサ駆動機構56の軸はスプール弁20の軸と理想的には直交するが、これらは製造誤差等により完全な直交から多少ずれうる。その場合、湾曲面58の作用によりブッシュ56dがわずかに傾くことで、軸間のずれを吸収することができる。
上記の構成をもつ極低温冷凍機10の動作を説明する。ディスプレーサ24がシリンダ28の下死点またはその近傍の位置に移動するとき、スプール弁20は、圧縮機12の吐出口をガス膨張室40に接続するよう切り替わる。高圧ガスが、高圧ガス入口32から吸排気空間44および第1ガス流路36を通じて蓄冷器高温部16aに入る。ガスは蓄冷器16を通過しながら冷却され、蓄冷器低温部16bから第2ガス流路38を通じてガス膨張室40に入る。ガスがガス膨張室40に流入する間、ディスプレーサ24はシリンダ28の上死点に向けて移動する。それによりガス膨張室40の容積が増加される。こうしてガス膨張室40は高圧ガスで満たされる。
ディスプレーサ24がシリンダ28の上死点またはその近傍の位置に移動するとき、スプール弁20は、圧縮機12の吸入口をガス膨張室40に接続するよう切り替わる。高圧ガスはガス膨張室40で膨張し冷却される。膨張したガスは、ガス膨張室40から第2ガス流路38を通じて蓄冷器16に入る。ガスは蓄冷器16を通過しながら冷却する。ガスは、蓄冷器16から第1ガス流路36および吸排気空間44を経て低圧ガス出口34から圧縮機12に戻る。ガスがガス膨張室40から流出する間、ディスプレーサ24はシリンダ28の下死点に向けて移動する。それによりガス膨張室40の容積が減少され、ガス膨張室40から低圧ガスが排出される。
以上が極低温冷凍機10における1回の冷却サイクルである。極低温冷凍機10は冷却サイクルを繰り返すことで、冷却ステージ30を所望の温度に冷却する。よって、極低温冷凍機10は、冷却ステージ30に熱的に結合された物体を極低温に冷却することができる。
この実施形態においては、スプール弁体21がディスプレーサ24と同じ太さをもち、ディスプレーサ24から軸方向上方に延在している。したがって、従来一般的な膨張機ではディスプレーサの軸方向上方に隣接して圧縮空間が形成されるのとは対照的に、膨張機14はそうしたガス空間を有しない。よって、実施形態に係る極低温冷凍機10の膨張機14は、従来のそれに比べて、圧縮熱による熱損失を大きく低減することができる。また、極低温冷凍機10の効率が向上される。こうした利点は、大容量の極低温冷凍機10に顕著である。従来構成を採用したとすると圧縮空間が大きくなるからである。
また、膨張機14は、典型的なロータリー弁方式の流路切替機構に代えて、スプール弁20を備える。これにより、膨張機14内のガス流路長さが比較的短くなりうる。ガス流路長さの短縮は死容積の低減につながる。
さらに、スプール弁20は、スプール弁シール部46を備え、これによりスプール弁体21の軸方向往復動が案内される。よって、従来一般的な膨張機が有するディスプレーサ用の軸受部品(例えばガイドブッシュ等)が不要となる。部品点数を削減することができる。
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
図4は、本発明の他の実施形態に係る極低温冷凍機10を概略的に示す図である。図示されるように、スプール弁体21の径は、ディスプレーサ24の径より小さくてもよい。この場合にも、図1を参照して説明した実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
図示されるように、スプール弁体21がディスプレーサ24より細いので、ディスプレーサ24とシリンダ28との間にガス空間60が形成される。スプール弁スリーブ22は低圧ガス出口34から分岐した低圧ガス流路62を追加的に有する。低圧ガス流路62がガス空間60を低圧ガス出口34に連通する。そのため、ガス空間60は常に低圧に維持される。したがって、ガス空間60は、従来一般的な膨張機と異なり、圧縮空間となり得ない。なお、低圧ガス流路62を設けることは必須ではない。
図4に示す実施形態においても、図1に示す実施形態と同様に、スプール弁体21の径は、ディスプレーサ24(例えばディスプレーサ上蓋24a)の径の50%(または、好ましくは80%)より大きくてもよい。このようにすれば、ガス空間60の容積をかなり小さくすることができるので、圧縮熱による熱損失は低減される。
スプール弁体21の径は、ディスプレーサ24の径の50%以下であってもよい。このようにすれば、スプール弁体21ひいては膨張機可動部分を軽量化することができる。その結果、ディスプレーサ駆動機構56の小型化も可能となる。
図5は、本発明の他の実施形態に係る極低温冷凍機10を概略的に示す図である。図示されるように、スプール弁体21は、くびれ部21aを有しなくてもよい。この場合、第1ガス流路36は、個別に形成された吸気路36aおよび排気路36bを備えてもよい。吸気路36aおよび排気路36bはそれぞれL字状に形成されている。ディスプレーサ24が上死点に位置するとき、排気路36bは低圧ガス出口34に連通され、吸気路36aは中間区間50に封じられる。ディスプレーサ24が下死点に位置するとき、吸気路36aは高圧ガス入口32に連通され、排気路36bは中間区間50に封じられる。このようにしても、図1を参照して説明した実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
図5に示す実施形態においても、図4に示す実施形態と同様に、スプール弁体21の径は、ディスプレーサ24の径より小さくてもよい。
上記においては、ディスプレーサ駆動機構56は、スプール弁体21に組み込まれたスコッチヨーク機構56bを有するが、これに代えて、公知のスコッチヨーク機構を備えてもよい。その場合、スコッチヨーク機構の往復動をスプール弁体21に伝えるために、ディスプレーサ駆動機構56は、スコッチヨーク機構をスプール弁体21に接続する接続ロッドを備えてもよい。
上記においては、単段式のGM冷凍機に言及して実施形態を説明した。本発明はこれに限られず、実施形態に係る作動ガス流路構成は、二段式または多段式のGM冷凍機、または、ディスプレーサ内蔵蓄冷器を有するその他の極低温冷凍機に適用可能である。
10 極低温冷凍機、 16 蓄冷器、 20 スプール弁、 21 スプール弁体、 21a くびれ部、 22 スプール弁スリーブ、 24 ディスプレーサ、 24a ディスプレーサ上蓋、 32 高圧ガス入口、 34 低圧ガス出口、 36 第1ガス流路、 44 吸排気空間。

Claims (3)

  1. ディスプレーサ上蓋と前記ディスプレーサ上蓋に軸方向に隣接する蓄冷器とを備え、軸方向往復動可能なディスプレーサと、
    前記ディスプレーサ上蓋から軸方向に前記蓄冷器と反対側に延在し、前記ディスプレーサと堅く結合され、前記ディスプレーサとともに軸方向往復動可能なスプール弁体と、
    高圧ガス入口と低圧ガス出口とを備え、前記スプール弁体の軸方向往復動を案内するスプール弁スリーブと、
    前記ディスプレーサ上蓋から前記スプール弁体へと貫通形成され、前記スプール弁体の軸方向往復動により前記蓄冷器を前記高圧ガス入口または前記低圧ガス出口のいずれかに選択的に連通するガス流路と、を備え
    前記スプール弁体は、前記高圧ガス入口および前記低圧ガス出口を越えて軸方向に前記蓄冷器と反対側に延在していることを特徴とする極低温冷凍機。
  2. 前記スプール弁体は、くびれ部を備え、
    前記ガス流路は、
    前記ディスプレーサ上蓋から前記くびれ部へと貫通形成された吸排気穴と、
    前記くびれ部と前記スプール弁スリーブとの間に形成され、前記スプール弁体の軸方向往復動により前記高圧ガス入口または前記低圧ガス出口のいずれかに選択的に連通される吸排気空間と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の極低温冷凍機。
  3. 前記スプール弁体の径は、前記ディスプレーサの径の50%より大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の極低温冷凍機。
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