JP6530243B2 - 玉縁縫いミシン - Google Patents

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Description

本発明は、玉縁縫いを行うミシンに関する。
従来の玉縁縫いミシンにより、芯地Sの縫い込みを伴う玉縁縫いを行う場合、図9に示すように、作業者は、布地(身生地及び玉布(いずれも図示略))の縫いを開始させたい位置(縫い開始位置)あるいは縫いを終了させたい位置(縫い終了位置)を、ミシンのテーブル上で予め定められたそれぞれの基準位置に合わせて布地のセットを行う。
玉縁縫いミシンは、水平なテーブルの上面において布地を上から押さえると共に縫い針のある縫製位置に向かって搬送する大押さえを有している。そして、縫い開始位置で位置合わせを行う場合には縫製位置に近い前基準位置Fに位置合わせを行い、縫い終了位置で位置合わせを行う場合には縫製位置から遠い後基準位置Rに位置合わせを行う。こられの前基準位置F及び後基準位置Rは、例えば、上方からマーキングライトでマーカーを表示することにより作業者に位置を示していた。
ところで、玉縁縫いにおいて、布地の裏側に帯状の芯地Sを縫い付ける場合、従来の玉縁縫いミシンは、作業台の上面の前基準位置に開口部を形成し、開口部から帯状の芯地Sの先端部を多少のぞかせた状態で待機し、縫製位置に前進移動する大押さえに捕捉させて、布地と共に芯地Sを縫製位置まで搬送し、縫い付けを行っていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−195806号公報
ところで、玉縁縫いミシンの前基準位置Fと後基準位置Rは、長めの玉布の縫製にも対応できるように搬送方向についてある程度離れた位置に設定されている。従って、一般的な長さの玉布を前基準位置Fと後基準位置Rとにそれぞれ位置合わせを行うと、後基準位置Rに位置合わせを行った場合には、布地のセット位置が前基準位置Fよりもかなり後方(縫製位置から遠い)となる。つまり、前基準位置Fから縫製位置Nまでの距離をFc、後基準位置Rから縫製位置Nまでの距離をRc、布地に施す縫い長さをcとすると、前基準位置Fの場合にはセット位置からFcだけ搬送すると縫いが開始され、後基準位置Rの場合にはセット位置から(Rc−c)だけ搬送すると縫いが開始される。
前述した芯地Sの供給を行う開口部は、前基準位置Fと後基準位置Rのいずれの場合でも芯地の供給が行えるように前基準位置Fに設けられており、前基準位置Fにセットされた布地を保持する大押さえが芯地を捕捉できるように、当該開口部から縫い始め側長さaだけ先端部を繰り出した状態で待機している。
このような前提において、後基準位置Rの縫製において芯地Sの供給を行うと、布地を保持する大押さえは、前基準位置Fにある開口部から繰り出された芯地Sを保持して搬送を開始するので、芯地Sは玉布よりもずっと前の位置から繰り出しが開始される。従って、芯地Sは必要以上の長さ(図9における斜線部)で縫い付けが行われることになり、縫製完了後に余分な芯地Sの切除を手作業で行う必要があった。
なお、上記の問題は、後基準位置Rをより前側に設定することで緩和することができるが、縫い長さcは(Rc−Fc)の範囲内でしか行うことができないので、縫製可能な玉布の長さの範囲が狭くなることから、後基準位置Rをより前側に設定することは事実上困難であった。
本発明は、後基準位置で縫製する際に余分な芯地の切除作業を不要とすることが可能なミシンを提供することをその目的とする。
請求項1記載の発明は、玉縁縫いミシンにおいて、
テーブルに載置された布地を上から押さえて縫製位置に向かって搬送する大押さえを有する大押さえ送り機構と、
前記布地に縫製を行うためのミシンモーターと、
前記テーブルの下方において芯地を巻回したロールを保持し、前記芯地を前記テーブルの上面の開口部から供給する芯地供給装置と、
前記テーブルの上面に設定された、前記布地の縫い開始位置を位置合わせする前基準位置又は前記布地の縫い終了位置を位置合わせする後基準位置のいずれに前記布地を配置したかに応じて、搬送される前記布地に対して前記縫い開始位置から前記縫い終了位置まで縫製を行わせる制御装置とを備え、
前記芯地供給装置は、前記芯地を前記大押さえの搬送に伴って供給可能な状態と供給不能な状態とを切り替えるアクチュエーターを備え、
前記制御装置は、前記後基準位置に前記布地が配置された場合に、前記大押さえにより搬送される前記布地に対して前記芯地の縫い開始位置の位置合わせが行われるように、前記アクチュエーターによる状態切り替えを制御することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の玉縁縫いミシンにおいて、
前記芯地供給装置の前記アクチュエーターは、前記大押さえの搬送に伴って供給可能な状態の前記芯地に対して、前記大押さえに抗して供給を阻止する状態と当該阻止を解除した状態とに切り替えることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の玉縁縫いミシンにおいて、
前記芯地供給装置の前記アクチュエーターは、前記大押さえの搬送に伴って前記芯地が供給可能となる位置への繰り出しを行うことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の玉縁縫いミシンにおいて、
前記制御装置は、前記大押さえに保持されて前記芯地が搬送を開始する際に、前記大押さえ送り機構による搬送速度を低減又は停止させるように当該大押さえ送り機構を制御することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の玉縁縫いミシンにおいて、
供給する前記芯地の長さを設定する長さ設定部を備え、
前記芯地供給装置は、供給した前記芯地を切断する切断部を有し、
前記制御装置は、前記大押さえにより、前記芯地が前記設定された長さ分引き出されると、前記芯地を切断するように前記切断部を制御することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の玉縁縫いミシンにおいて、
前記制御装置は、縫製開始前の前記布地の第一の搬送速度が縫製開始後の前記布地の第二の搬送速度よりも高速となるように前記大押さえ送り機構を制御し、
前記制御装置は、
前記長さ設定部により設定された前記芯地の長さから、前記切断部による前記芯地の切断が前記縫製開始前に行われるか否かを判定し、
前記芯地の切断が前記縫製開始前に行われる場合に、前記芯地の切断の際の搬送速度が前記第一の搬送速度よりも低速となるように前記大押さえ送り機構を制御することを特徴とする。
本発明は、制御装置が、前基準位置と後基準位置のいずれに布地を配置したかに応じて、大押さえに搬送される布地に対して芯地の縫い開始位置の位置合わせを行うように、芯地供給装置のアクチュエーターを制御するので、前基準位置と後基準位置のいずれで縫製する場合でも、布地に対して適正な位置で芯地を供給することができ、後基準位置で縫製を行う場合でも、余分な芯地の供給を抑えることが可能となる。さらに、これにより、縫製後の余分な芯地の切除作業を不要とすることが可能となる。
本実施形態に係る玉縁縫いミシンの斜視図である。 図1の玉縁縫いミシンの側面図である。 図1の玉縁縫いミシンの制御系を示すブロック図である。 芯地供給装置の斜視図である。 芯地供給装置の正面図である。 図4のV−V線に沿った断面図である。 芯地の供給が可能な状態の芯地供給装置の断面図である。 芯地の供給が不能な状態の芯地供給装置の断面図である。 前基準位置と後基準位置の芯地の位置関係を示す説明図である。 芯地供給制御を含む縫製動作のタイミングチャートである。 芯地供給制御を含む縫製動作のフローチャートである。 芯地の長さのパラメータ調節と動作タイミングとの関係を示す縫製動作のタイミングチャートである。 他の芯地供給制御を含む縫製動作のタイミングチャートである。 他の芯地供給制御を含む縫製動作のタイミングチャートである。 図14の芯地供給制御を含む縫製動作のフローチャートである。
[玉縁縫いミシンの全体構成]
以下、本発明の実施の形態である玉縁縫いミシン10について図1乃至図11に基づいて説明する。図1は玉縁縫いミシン10の全体の概略構成を示す斜視図を示し、図2は玉縁縫いミシン10の正面図、図3は玉縁縫いミシン10の制御系を示すブロック図である。なお、本実施の形態においては、各図中に示したXYZ軸を基準にしてミシン10の各部の方向を定めるものとする。ミシン10を水平面に設置した状態において、Z軸方向は鉛直方向となる方向を示し、X軸方向は水平且つ布送り方向と一致する方向を示し、Y軸方向は水平且つX軸方向に直交する方向を示す。
また、X軸方向であって、後述する大押さえ送り機構20が縫製時に布地を搬送する方向(搬送方向下流側)を前方とし、搬送方向上流側を後方とする。
かかる玉縁縫いミシン10は、布地としての身生地C及び玉布と芯地Sとを縫い合わせる縫製の作業台となる載置台としてのテーブル11と、テーブル11の載置された身生地Cの縫い基準となる前基準位置及び後基準位置を示すポイントマークをテーブル11上に照射するマーキング照射装置30と、身生地Cを保持すると共に身生地Cの送りを行う布送り機構としての大押さえ送り機構20と、身生地Cに縫着する長尺の玉布(図示略)の短手方向両端部を折り返すためのバインダー12を昇降させるバインダー機構と、大押さえ送り機構20によりX軸方向に沿って送られる身生地Cに二本の縫い針13により針落ちを行う針上下動機構と、二本の縫い針13の前側で動メス14を昇降させて身生地C及び玉布に直線状の切れ目を形成するメス機構と、各縫い針13からそれぞれ縫い糸を捕捉して下糸を絡ませる釜機構と、テーブル11上に設置されて針上下動機構とメス機構とを格納保持するミシンフレーム80と、直線状の切れ目の両端となる位置に略V字状の切れ目を形成するコーナーメス機構90と、テーブル11の下方において芯地Sを巻回したロールSrを保持し、芯地Sの先端部をテーブル11の上面の開口部111から繰り出す芯地供給装置40と、上記各構成の動作制御を行う制御装置60とを備えている。
なお、上記玉縁縫いミシン10は、縫製を開始すると、他の入力操作が要求されることなく、予め設定された玉縁縫いに要する各種のパラメータに従って一連の縫製動作が行われるいわゆる自動玉縁縫いミシンに相当する。
以下各部を詳説する。
[テーブル及びミシンフレーム]
テーブル11はその上面がX−Y平面に平行であって、水平な状態で使用される。そして、テーブル11における縫い針13による針落ち位置15aには針板15が装着されている。針板15には、二本の縫い針13が個別に挿入される針穴と、メス機構の動メス14が挿通されるスリットが形成されている。
また、テーブル11上には、凹部が形成されており、ミシンフレーム80のベッド部81が格納されている。さらに、テーブル11には、ミシンフレーム80の布送り方向下流側に大押さえ送り機構20とコーナーメス機構90とが配置され、布送り方向上流側にはバインダー機構(バインダー12以外は図示略)が配置されている。
また、玉縁縫いミシン10の縫製作業の際には、テーブル11の後端部側に作業者が立って身生地Cのセット作業を行う。
ミシンフレーム80は、主に、テーブル11に設置されるベッド部81とそこから立設された立胴部82とその上部から水平に延設されたアーム部83とから構成されている。
そして、ミシンフレーム80の下部にはミシンモーター16が配設され、ベッド部81の内部には釜機構の回転駆動力をミシンモーター16から伝達される下軸がY軸方向に沿った状態で支持されており、アーム部83の内部には針上下動機構の上下動駆動力をミシンモーター16から伝達する上軸がY軸方向に沿った状態で支持されている。
上軸と下軸にはそれぞれプーリが固定装備されると共に、ミシンフレーム80の立胴部82内を通されたタイミングベルトで連結されている。
[針上下動機構]
針上下動機構は、二本針を構成する二つの縫い針13と、二本針のそれぞれの縫い針13を下端部に保持する二本の針棒と、各針棒をその長手方向に沿って滑動可能に支持する上下のメタル軸受けと、二本の針棒を同時に保持する針棒抱きと、針棒の上下動駆動源となるミシンモーター16と、当該ミシンモーター16により回転駆動される上軸と、上軸の一端部に固定連結され回転運動を行う回転錘と、回転錘の回転中心から偏心した位置に一端部が連結されると共に他端部が針棒抱きに連結されたクランクロッドとを有する、周知の構成からなる。
上軸が回転されると、回転錘も同様に回転を行い、クランクロッドの一端部は上軸を中心として円運動を行い、他端部では、一端部の円運動のZ軸方向に移動成分のみが針棒抱きに伝達されて各針棒が往復上下動を行うようになっている。
そして、X軸方向に沿って搬送される身生地C及び玉布に対してX軸方向に沿った直線状の縫い目を形成する。
[メス機構]
メス機構は、直線状の切れ目を形成する動メス14と、動メス14を下端部に備えると共にアーム部83内で上下動可能に支持されたメス棒と、メス棒の上下動の駆動源となるメスモーター17と、メスモーター17からの回転駆動力を上下方向の往復の駆動力に替えて伝達する伝達機構とを備えている。
即ち、メスモーター17は、身生地Cの送り動作と共に回転駆動を行い、伝達機構により動メス14を上下動させて、メス幅に応じた切れ目を繰り返し形成して直線状の切れ目を形成する。
動メス14の刃先はX軸方向に沿って形成されており、X軸方向に沿って搬送される身生地C及び玉布に対してX軸方向に沿って切れ目を形成する。
[釜機構]
釜機構は、ミシンフレーム80のベッド部81内に設けられている。この釜機構は、二本の縫い針13に個別に対応する二つの水平釜と、各水平釜の回転軸に設けられた釜歯車と、下軸に固定装備されて各釜歯車に個別に回転駆動力を付与する伝達歯車とを備えている。
下軸は、タイミングベルトにより、ミシンモーター16の出力軸から回転駆動力が付与される。下軸が回転駆動されると、各伝達歯車を介して釜歯車に回転駆動力が伝達され、釜軸を介して各水平釜が回転を行うようになっている。各水平釜は、縫い針13の先端部が針板15の下側まで下降したときに、縫い針から縫い糸を捕捉し、回転することで縫い糸のループに水平釜にくぐらせて下糸を挿通させ、縫い糸と下糸とを絡ませる作業を行う。
[バインダー機構]
バインダー機構は、身生地Cの搬送方向から見た断面形状が逆さT字状であって玉布を巻き付けるようにセットして長手方向に沿って送り出すバインダー12と、バインダー12を昇降可能に支持する支持機構(図示略)とを有している。
上記バインダー12は、テーブル11の上面に対向する底板と当該平板の上面に垂直に立設された立板とからなり、断面視で逆T字状の形状を成している。
また、バインダー12は、縫い針13の後方に配置され、バインダー12が下降したときに、その前端部が縫い針13の接近した状態となるように支持機構に支持されている。
支持機構は、バインダー12の昇降動作の駆動源となる図示しないエアシリンダと、当該エアシリンダを駆動する電磁弁18と、エアシリンダの駆動力を上下方向の移動力に替えてバインダー12に付与する複数のリンク体とを備えている。
そして、縫製時には、バインダー機構は、エアシリンダによりバインダー12を下降させ、後述する大押さえ送り機構20の一対の大押さえ21との協働によりバインダー12の断面形状となるように玉布のY軸方向両端部をバインダー12の底板の上面に折り返した状態、即ち、バインダー12をくるんで逆さT字状に倣った状態で一対の大押さえ21に保持される。さらに、大押さえ21が前進すると、玉布は、逆さT字状に倣った状態を維持したままバインダー12から滑り出して身生地Cと共に前方に搬送され、玉布のバインダー12の底板に沿って折り返されて二重となった両端部にそれぞれ針落ちが行われて身生地Cへの縫着が行われる。
[大押さえ送り機構]
大押さえ送り機構20は、縫い針13を挟んだ両側の位置において上方から身生地Cを押さえる一対の大押さえ21(一方は図示略)と、これらの大押さえ21を昇降可能に支持する支持体22と、支持体22に対して大押さえ21を上下に移動させるエアシリンダ23と、エアシリンダ23の駆動を制御する電磁弁24と、大押さえ21により押さえた身生地Cを布送り方向に移動させる押さえモーター25と、押さえモーター25の回転駆動力をX軸方向に沿った直動駆動力に変換して支持体22に伝達するボールネジ機構26とを備えている。
各大押さえ21は、断面視で楔状であって平面視で長方形状の平板であり、それぞれが長手方向をX軸方向に沿わせた状態で支持体22に支持されている。そして、エアシリンダ23の駆動により上下の二位置に切替可能であり、上位置の時にはテーブル11の上面から離間し、下位置でテーブル11の上面高さ近くまで下降する。
ボールネジ機構26は、支持体22をテーブル11上においてX軸方向に沿って移動可能に支持しており、支持体22に支持された二つの大押さえ21の後端部が、テーブル11の後端部近傍から縫い針13よりも前側にあるコーナーメス機構90の近傍まで移動するようにその可動範囲が設定されている。
[コーナーメス機構]
コーナーメス機構90は、テーブル11の下方であって大押さえ送り機構20による大押さえ21の通過経路に配置されており、大押さえ送り機構20により一対のメス91a,91bからなるコーナーメス91の作業位置に搬送された身生地Cを下方からコーナーメス91を突き通すことで直線状の切れ目の両端となる位置に略V字状の切れ目Vを形成する。
即ち、コーナーメス機構90は、コーナーメス91を上下動させるエアシリンダ92と、エアシリンダ92の駆動を行う電磁弁93と、メス91aをX軸方向に沿って移動位置決めする駆動モーター94とを備えている。
上記コーナーメス91は、上方から見たその断面形状がV字状に形成され、下方から各身生地を突き通すことでV字状の切れ目を形成する。
即ち、縫い目と直線状の切れ目が形成された身生地Cが、大押さえ送り機構20により、布送り方向における動メス14よりも下流側の所定位置まで搬送されると、駆動モーター94の駆動によりメス91aを切れ目の一端側の下方位置に位置決めした上で双方のメス91a、91bを上昇させ、二つのV字状の切れ目を形成する。
[マーキング照射装置]
マーキング照射装置30は、ミシンフレーム80のアーム部83の先端部上面から布送り方向上流側に向かって片持ち状態で延設された長尺状の支持板31と、支持板31の一端部と他端部とにそれぞれ配設されたベルト用のプーリ32,32と、二つのプーリ32,32の間に掛け渡された搬送ベルト33と、一方のプーリ32を回転駆動するステッピングモーターである照射位置駆動手段としての目標位置決めモーター34と、ベルト33に固定され目標位置決めモーター34の回転により布送り方向に沿って任意に位置決めされる目標位置表示器35とを備えている。
目標位置表示器35は、例えば、LED、レーザ光源等を備え、例えば直線状のスポット光であるポイントマークを垂直下方に照射する。
かかるマーキング照射装置30は、二本の縫い針13の針落ち位置15aの中間点を通過するX軸方向に沿った線上に沿って、針落ち位置15aよりも布送り方向上流側の範囲を照射可能となるように目標位置表示器35を支持している。
具体的には、マーキング照射装置30は、二本の縫い針13の針落ち位置15a(縫製位置)より後方において、身生地C及び玉布に施す予定の二本の縫い目の縫い開始位置の位置合わせを行うための前基準位置Fと二本の縫い目の縫い終了位置の位置合わせを行うための後基準位置Rとを示すためにポイントマークの照射を行う。なお、前基準位置Fと後基準位置Rは、いずれも、縫製位置からの距離が既知である固定的な位置であり、縫製位置からの距離は制御装置60のメモリ内に記録されている。
そして、これらの基準位置をミシンの作業者に指示する際には、目標位置決めモーター34の駆動により、予め設定された前基準位置F又は後基準位置Rまで目標位置表示器35を搬送すると共にポイントマークの照射を行わせる。
これにより、ミシンの作業者は、テーブル11上において、身生地Cに付した基準位置をポイントマークの照射位置に合わせることで身生地を適正な配置でセットすることが可能となる。
[芯地供給装置]
図4は芯地供給装置40の斜視図、図5は正面図、図6は図4のV−V線に沿った断面図である。
これらの図に示すように、芯地供給装置40は、帯状の芯地Sを巻き回したロールSrを回転可能に保持する芯地保持部41と、芯地保持部41からテーブル11の開口部111まで帯状の芯地Sを案内するガイド部42と、帯状の芯地Sを開口部111まで繰り出す繰り出し駆動部44と、大押さえ21の搬送に伴って芯地Sが供給されることを阻止する状態と当該阻止を解除した状態とに切り替える状態切替部46と、開口部111の近傍で帯状の芯地Sを切断する切断部48とを備えている。
芯地保持部41は、芯地供給装置40の下部に位置し、ロールSrをY軸回りで回転可能に支持するロールカバー板411と、当該ロールカバー板411をテーブル11に固定するロール取付板412とを有している。
ロールSrは無端帯状の芯地Sを巻回してなるロールであり、供給の際には、必要長さ分だけ開口部111から供給すると後述する切断部48で切断される。
ガイド部42は、Y−Z平面に沿った平板状の第一のクロスガイド421と、当該第一のクロスガイド421に近接対向しY−Z平面に沿った平板状の第二のクロスガイド422と、第一のクロスガイド421の上端部から前斜め上の開口部111に向かう平板状の第三のクロスガイド423と、当該第三のクロスガイド423の上面に近接対向した平板状の第四のクロスガイド424と、第三と第四のクロスガイド423,424と開口部111との間に設けられた二枚のガイド板425,426とを備えている。
第一〜第四のクロスガイド421〜424は、いずれも芯地Sよりも幅広の金属平板である。
そして、第一のクロスガイド421は、下端部が前方に湾曲しており、その先端部は下方を向くように屈曲形成されている。そして、下方を向いて屈曲形成された先端部にはY軸方向に沿ったスリットが開口形成されている。
第二のクロスガイド422の下端部は第一のクロスガイド421の湾曲部とほぼ同じ高さで後方に湾曲しており、第二のクロスガイド422の上端部は第一のクロスガイド421の上端部よりも上方まで延出されると共に前方に湾曲している。
第一のクロスガイド421と第二のクロスガイド422とは、隙間を空けて近接対向した状態で後述する状態切替部46のクロスガイドベース461に固定支持されている。
ロールSrから繰り出された帯状の芯地Sは、第一のクロスガイド421のスリットを通り、第一のクロスガイド421と第二のクロスガイド422の間を通って第二のクロスガイド422の上端部の湾曲部より第三及び第四のクロスガイド423,424の後端部に案内される。
第三のクロスガイド423と第四のクロスガイド424は上下に並んで近接対向した状態で繰り出し駆動部44の支持ブロック441に固定支持されている。
第三及び第四のクロスガイド423,424の後端部は、第二のクロスガイド422の上端部に近接しており、第二のクロスガイド422の上端部と第三及び第四のクロスガイド423,424の後端部との間には、後述する繰り出し駆動部44の主動フィードローラー442が配置されている。そして、この主動フィードローラー442は、第二のクロスガイド422から第三及び第四のクロスガイド423,424に渡る芯地Sに対して外周面が接するように配置されている。
第一及び第二のクロスガイド421,422を通過した芯地Sは、第三及び第四のクロスガイド423,424により開口部111の手前まで案内される。
第三及び第四のクロスガイド423,424の延長線上にはテーブル11の開口部111があり、その手前には二枚のガイド板425,426が配置されている。これらのガイド板425,426は、第三及び第四のクロスガイド423,424側が開き、開口部111に近づくにつれて徐々に狭くなるようにテーブル11の下面側に固定装備されている。このように、二枚のガイド板425,426は、第三及び第四のクロスガイド423,424側が開いて、徐々に狭くなる配置なので、第三及び第四のクロスガイド423,424を通過した芯地Sを的確に開口部111に案内する。
なお、第三及び第四のクロスガイド423,424と二枚のガイド板425,426との間には、切断部48の動メス481と固定メス482とが配置されている。
繰り出し駆動部44は、芯地保持部41の上方でテーブル11に固定支持された支持ブロック441と、支持ブロック441の後端部においてY軸回りに回転可能に支持された主動フィードローラー442と、前述したクロスガイドベース461によりY軸回りに回転可能に支持された従動フィードローラー443と、芯地Sの繰り出し動作の駆動源となる繰り出しモーター444と、テーブル11に固定され、繰り出しモーター444を支持するモーター取付板445と、繰り出しモーター444の出力軸に設けられた主動スプロケット446と、主動フィードローラー442と同心で連結された従動スプロケット447と、主動スプロケット446と従動スプロケット447との間に掛け渡されたタイミングベルト448とを備えている。
繰り出し駆動部44は、芯地保持部41のロールSrから引き出された芯地Sの先端部がテーブル11の開口部111から所定の長さで延出された状態となるまでの送り動作を行う機構である。芯地Sは開口部111からある程度の長さで外側に延出されると、大押さえ21の下面又は大押さえ21の保持された布地の下面との摩擦により捕捉されて当該大押さえ21と共に搬送される。繰り出し駆動部44が開口部111から繰り出す芯地Sの先端部の所定の長さとは、大押さえ21が芯地Sを捕らえて搬送方向に引っ張り出すことを可能とする必要十分な長さを示す。
つまり、この繰り出し駆動部44は、芯地Sの先端部の繰り出しまでを行い、縫製中の芯地Sの搬送には寄与しない。
なお、芯地Sを繰り出す開口部111は、テーブル11の上面における前基準位置に形成されている。
上記繰り出し駆動部44では、繰り出しモーター444のトルクが主動スプロケット446からタイミングベルト448を介して従動スプロケット447に伝達され、主動フィードローラー442を回転させる。
従動フィードローラー443は、主動フィードローラー442よりも小径であって、当該主動フィードローラー442の外周面の上部に当接可能な配置となっている。従動フィードローラー443を支持するクロスガイドベース461は、当該従動フィードローラー443よりも前方となる位置でY軸回りに揺動可能となるように支持ブロック441に取り付けられている。これにより、従動フィードローラー443は上下に揺動可能となり、主動フィードローラー442の外周面に当接した状態と上方に離間した状態とに位置を切り替えることができる。
なお、芯地Sを開口部111まで送る際には、従動フィードローラー443は、クロスガイドベース461及び従動フィードローラー443の自重によって主動フィードローラー442に接した状態にあり、主動フィードローラー442と従動フィードローラー443とが適度な荷重で芯地Sを保持し、主動フィードローラー442が空転することなく芯地Sを搬送することができる。
状態切替部46は、前述した繰り出し駆動部44の支持ブロック441により揺動可能に支持されたクロスガイドベース461と、クロスガイドベース461を介して従動フィードローラー443を上方に押し上げる解放用エアシリンダ462と、クロスガイドベース461を介して従動フィードローラー443を下方に押し下げるロック用エアシリンダ463と、各エアシリンダ462,463を支持するシリンダーベース464とを備えている。
クロスガイドベース461は、Y−Z平面に沿った矩形平板である本体部461aと、本体部461aの前面上端部のY軸方向両端部から前方に延出された一対の腕部461bと、本体部461aの後面上端部近傍に設けられた、解放用エアシリンダ462のプランジャが当接する当接板461cとを備えている。
そして、一対の腕部461bの前端部は、繰り出し駆動部44の支持ブロック441に対してY軸回りに回動可能に連結され、一対の腕部461bの中間部は、従動フィードローラー443の両端部を個別に回転可能に支持している。
また、本体部461aは、その前面側で第一のクロスガイド421と第二のクロスガイド422を保持する。第一のクロスガイド421と第二のクロスガイド422は、本体部461aの下端部よりも下方まで延出されている。
解放用エアシリンダ462は、プランジャを上方に突出可能な状態でシリンダーベース464に固定支持されている。そして、クロスガイドベース461の本体部461aの後面上端部から後方に延出された当接板461cが解放用エアシリンダ462のプランジャの上方に配置されており、当該プランジャの突出により、当接板461cを介してクロスガイドベース461の後端部を上方に押し上げることができる。
その結果、図7に示すように、一対の腕部461bに支持された従動フィードローラー443を主動フィードローラー442から離間させることができ、これらのローラー442,443により拘束から芯地Sを解放することができる。芯地Sが大押さえ21に捕捉されて搬送される際に、このような解放状態とし、引き出される芯地Sに対して各ローラー442,443が抵抗を与えないようする。
ロック用エアシリンダ463は、プランジャを前方に突出可能な状態でシリンダーベース464に固定支持されている。そして、クロスガイドベース461の本体部461aの下端部から下方に延出された第二のクロスガイド422がロック用エアシリンダ463のプランジャの前方に配置されており、当該プランジャの突出により、第二のクロスガイド422を介してクロスガイドベース461の後端部を下方に押し下げることができる。
その結果、図8に示すように、一対の腕部461bに支持された従動フィードローラー443を主動フィードローラー442に圧接させることができ、これらのローラー442,443間を通る芯地Sを、大押さえ21に抗して拘束することができる。
このように、解放用エアシリンダ462をプランジャ後退状態、ロック用エアシリンダ463をプランジャ突出状態とすることにより、従動フィードローラー443が主動フィードローラー442に圧接した状態となり、芯地Sについて「供給不能状態」又は「供給を阻止する状態」を形成することができる。
また、解放用エアシリンダ462をプランジャ突出状態、ロック用エアシリンダ463をプランジャ後退状態とすることにより、従動フィードローラー443が上方に離間した状態となり、芯地Sについて「供給可能な状態」又は「阻止を解除した状態」を形成することができる。
また、解放用エアシリンダ462とロック用エアシリンダ463のいずれもプランジャ後退状態とすることにより、従動フィードローラー443が主動フィードローラー442に対して自重で接した状態となり、この状態を「中立状態」とする。
即ち、解放用エアシリンダ462及びロック用エアシリンダ463は、「芯地Sを大押さえ21の搬送に伴って供給可能な状態と供給不能な状態とを切り替えるアクチュエーター」として機能する。
切断部48は、繰り出し駆動部44の支持ブロック441の上側前端部において刃先を上方に向けて昇降を行う動メス481と、刃先を動メス481に対向させた状態でテーブル11の下面に固定された固定メス482と、支持ブロック441の上側前端部に装備された動メス481の昇降動作を付与するメス用エアシリンダ483とを備えている。
動メス481及び固定メス482は、前述したように、第三と第四のクロスガイド423,424の前端部と二枚のガイド板425,426の後端部との間に配設され、これらの間を通過する芯地Sを動メス481の上昇動作により切断することができる。
[玉縁縫いミシンの制御系]
図3に示すように、制御装置60には、縫製に関する各種の設定や現在のミシンの状態を表示する表示パネル64と、表示パネル64に併設された各種の設定を行うための画面選択やコマンド、数値の入力を行うための設定入力手段としての設定スイッチ65と、縫製の開始を入力する操作ペダル68とが図示しない入出力回路を介して接続されている。
操作ペダル68は、踏み込み操作により、縫製動作の駆動指令を制御装置60に入力する手段である。つまり、操作ペダル68の踏み込みが行われると、制御装置60は縫製を開始する動作制御を行う。
設定スイッチ65からは、玉縁縫いを行うための各種のパラメータ、例えば、縫いピッチ、ミシンモーター16の回転速度に加えて、図9に示す芯地Sを縫い込む際のパラメータである玉縁縫いの縫い長さc、身生地C及び玉布のセットを前基準、後基準のいずれで行うか、芯地Sの前端部から縫い開始位置までの長さである縫い始め側長さa、芯地Sの後端部から縫い終了位置までの長さである縫い終わり側長さb等の設定入力を作業者が行う。
なお、縫い長さcと縫い始め側長さaと縫い終わり側長さbの合計は、供給する芯地Sの長さに相当するので、上記設定スイッチ65は、「供給する前記芯地の長さを設定する長さ設定部」として機能する。
なお、図9に示す前基準位置Fから縫製位置Nまでの距離Fc及び後基準位置Rから縫製位置Nまでの距離Rcは固定値であり、制御装置60はその値を常に記憶している。
また、制御装置60には、その制御の対象となるミシンモーター16,押さえモーター25,メスモーター17,コーナーメスの駆動モーター94,目標位置決めモーター34,繰り出しモーター444がそれぞれドライバー16a,25a,17a,94a,34a,444aを介して接続されている。
また、押さえモーター25には、その回転量を検出するエンコーダー251が併設されており、当該エンコーダー251は、その出力パルスをカウントするカウンター251aを介して制御装置60に接続されている。
また、制御装置60には、バインダー12の上下動を行うエアシリンダ、大押さえ21の昇降を行うエアシリンダ23、コーナーメス91の昇降を行うエアシリンダ92、芯地供給装置40の解放用エアシリンダ462,ロック用エアシリンダ463及びメス用エアシリンダ483の作動を制御する電磁弁18,24,93,465,466,484がドライバー18a,24a,93a,54a,26a,27aを介して接続されている。
さらに、制御装置60には、目標位置表示器35の光源がドライバー35aを介して接続されている。
制御装置60は、各種の制御を行うCPU61と、玉縁縫いミシン10の後述する各種機能,動作を実行させる制御プログラム,制御データ又は各種縫製データが書き込まれているメモリ62とを備えている。
上記メモリ62には、設定スイッチ65から入力された玉縁縫いを行うための各種のパラメータ(縫いピッチ、ミシンモーター16の回転速度、身生地C及び玉布のセットを前基準、後基準のいずれで行うか、芯地Sの縫い始め側長さa、芯地Sの縫い終わり側長さb、等の設定)が全て記憶される。つまり、メモリ62は、記憶手段として機能する。
上記CPU61は、ROM62に格納された制御プログラムにより、後基準位置Rに身生地C及び玉布がセットされた場合に芯地Sが余分な長さで繰り出されて縫い付けが行われる問題を解消するために、後基準位置Rでの縫製時に、適正なタイミングで解放用エアシリンダ462とロック用エアシリンダ463とを制御して、芯地Sについて「供給を阻止する状態」から「阻止を解除した状態」に切り替えることで布地に対して芯地Sの先端部の位置合わせを行う芯地供給制御を行う。
[後基準位置の芯地供給制御を含む縫製動作]
上記後基準位置Rに布地を配置して縫製を行う場合の芯地供給制御を含む縫製動作制御について、図10のタイミングチャートと図11のフローチャートにより詳細に説明する。
なお、芯地Sは、縫製開始前に、その先端部が縫い始め側長さa(図9参照)だけ開口部111から前方に繰り出されており、芯地供給装置40の解放用エアシリンダ462はプランジャ後退状態、ロック用エアシリンダ463はプランジャ突出状態となるように制御され、従動フィードローラー443が芯地Sの供給を阻止する状態(図8の状態)にあることを前提とする。
上記の状態で、作業者から操作ペダル68により縫製の開始が入力されると、制御装置60のCPU61は、目標位置決めモーター34及び目標位置表示器35を制御して、テーブル11の上面の後基準位置を照射する(ステップS1)。
そして、作業者が後基準位置Rに布地の縫い終了位置を位置合わせしてテーブル11上にセットし、セット完了を示す操作ペダル68の再踏み込み操作が行われると(ステップS3)、CPU61は、エアシリンダ23を制御して大押さえ21を下降させ、布地を後基準位置で保持する(ステップS5)。
さらに、CPU61は、押さえモーター25の駆動を開始して、布地の縫製位置Nへの搬送を開始する(ステップS7,図10:T1)。
なお、制御装置60のCPU61は、縫製開始前(空送り)の布地の第一の搬送速度が高速となり、縫製開始後の布地の第二の搬送速度が低速となるように大押さえ送り機構20の押さえモーター25を制御する。つまり、搬送を開始して縫製を開始するまでの搬送は高速で行われる。
次に、CPU61は、押さえモーター25のエンコーダー251のパルスカウント値から布地が芯地供給位置に到達したか否かを判定する(ステップS9)。芯地供給位置は、布地の縫い開始位置が開口部111(前基準位置)に到達した状態なので、搬送開始から距離(Rc−c−Fc)だけ前進したか否かにより判定される。
布地が芯地供給位置に到達していなければ判定を繰り返し実行し、到達すると(図10:T2)、CPU61は、解放用エアシリンダ462をプランジャ突出状態、ロック用エアシリンダ463をプランジャ後退状態に制御し、従動フィードローラー443が上方に離間した状態となり、芯地Sの供給の「阻止を解除した状態」に切り替える(図7の状態、ステップS11)。
これにより、芯地Sは従動フィードローラー443による拘束が解かれ、大押さえ21に保持された布地との摩擦により前方に引き出され、布地と共に搬送される。
次に、CPU61は、押さえモーター25のエンコーダー251のパルスカウント値から布地の縫い開始位置が縫製位置Nに到達したか否かを判定する(ステップS13)。縫製位置Nの到達は搬送開始から距離(Rc−c)だけ前進したか否かにより判定される。
布地が縫製位置Nに到達していなければ判定を繰り返し実行し、到達すると(図10:T3)、CPU61は、押さえモーター25の駆動を瞬間的に停止させてから駆動を再開して、低速での搬送に切り替える(ステップS15)。また、押さえモーター25の停止にタイミングを合わせてミシンモーター16の駆動を開始して、二本の縫い針13の上下動による縫製を開始する。
なお、押さえモーター25は現実的には瞬時に停止することはできず、徐々に減速して停止するので、ステップS13における縫製位置Nの到達は、厳密には、縫製位置Nよりも押さえモーター25の停止に要する距離分だけ前の位置の到達を判定する。
次に、CPU61は、押さえモーター25のエンコーダー251のパルスカウント値から芯地Sの終端予定位置が芯地カット位置に到達したか否かを判定する(ステップS17)。
芯地カット位置とは、芯地Sの終端予定位置が切断部48の切断位置に到達したことを示す。芯地Sの終端予定位置は、縫い終了位置から縫い終わり側長さbだけ後方となる位置であり、切断部48の切断位置が開口部111(前基準位置)よりも距離nだけ後方であるとすると、芯地カット位置の到達は搬送開始から距離(Rc+b−Fc−n)だけ前進したか否かにより判定される。
布地が芯地カット位置に到達していなければ判定を繰り返し実行し、到達すると(図10:T4)、CPU61は、解放用エアシリンダ462をプランジャ後退状態、メス用エアシリンダ483をプランジャ突出状態に制御し、従動フィードローラー443を中立状態とし、芯地Sを切断する(図6の状態、ステップS19)。
次に、CPU61は、押さえモーター25のエンコーダー251のパルスカウント値から芯地Sの縫い終了位置が縫製位置Nに到達したか否かを判定する(ステップS21)。
縫い終了位置の縫製位置Nへの到達は、搬送開始から距離Rcだけ前進したか否かにより判定される。
芯地Sの縫い終了位置が縫製位置Nに到達していなければ判定を繰り返し実行し、到達すると(図10:T5)、CPU61は、ミシンモーター16の駆動を停止する(ステップS23)。
そして、大押さえ21の前進移動を継続し、布地をコーナーメス機構90まで搬送し、縫製箇所の両端部にV字状の切れ目を形成する(ステップS25、図10:T6)。
さらに、布地全体を開口部111よりも前方まで搬送すると(図10:T7)、CPU61は、次の縫製のための芯地の繰り出しを実行する。
この時、メス用エアシリンダ483のプランジャを後退させて芯地Sの通過を可能とする。また、従動フィードローラー443は既に中立位置にあるので、主動フィードローラー442の駆動により芯地Sの搬送は可能な状態にある。
芯地Sは縫い始め長さaだけ開口部111から前方に繰り出す必要があるので、前述した切断部48の切断位置から開口部111までの距離nとの合計の距離a+nだけ繰り出しモーター444を駆動させる(ステップS27)。
上記芯地Sの繰り出しが完了するタイミングで(図10:T8)、CPU61は、ロック用エアシリンダ463のプランジャを突出させ、芯地Sを拘束する(ステップS29)。
そして、その後、布地を搬送終了位置まで搬送すると、押さえモーター25の駆動を停止させて、縫製動作を終了する。
なお、芯地Sにおける縫い始め側長さaは、事前の繰り出し長さと一致させているが、これは、図12に示すように、芯地供給位置T2のタイミングを図中の矢印Lのように前後に変動させることで調節可能である。例えば、芯地供給位置T2をより早期に変更すると縫い始め側長さaは事前の繰り出し長さよりも長くすることができ、芯地供給位置T2をより遅滞させると縫い始め側長さaは事前の繰り出し長さよりも短くすることができる。
また、芯地Sにおける縫い終わり側長さbについても、図12に示すように、芯地カット位置T4のタイミングを図中の矢印Kのように前後に変動させることで調節可能である。例えば、芯地カット位置T4をより早期に変更すると縫い終わり側長さbは短くすることができ、芯地カット位置T4をより遅滞させると縫い終わり側長さbはより長くすることができる。
[前基準位置の芯地供給制御を含む縫製動作]
前基準位置Fに布地を配置して縫製を行う場合の芯地供給制御を含む縫製動作制御は、上述した後基準位置Rの芯地供給制御を含む縫製動作の一部を除いて同一となる。図10のタイミングチャート及び図11のフローチャートを参照しながらその異なる点を説明する。
玉縁縫いミシン10は、芯地Sが繰り出される開口部111が前基準位置Fに一致する配置なので、前基準位置の芯地供給制御を含む縫製動作の場合には、布地の搬送開始と共に芯地Sの供給も開始される。
従って、図10のタイミングチャートに対して、布地の搬送開始位置T1において、解放用エアシリンダ462をプランジャ突出状態とし、ロック用エアシリンダ463をプランジャ後退状態とするように変更し、布地の搬送開始位置T1から縫製位置T3までの期間をより短くするように変更すれば、前基準位置の芯地供給制御を含む縫製動作のタイミングチャートとなる。
また、図11のフローチャートに対して、ステップS9の芯地供給位置T2への到達の判断を省略し、ステップS11の解放用エアシリンダ462のプランジャ突出状態、ロック用エアシリンダ463のプランジャ後退状態への動作制御を、ステップS7の押さえモーター25の駆動開始と同時期に実行する内容に変更すれば、前基準位置の芯地供給制御を含む縫製動作のフローチャートとなる。
[実施形態の効果]
上記玉縁縫いミシン10は、テーブル11の上面に設定された、布地の縫い開始位置を位置合わせする前基準位置F又は布地の縫い終了位置を位置合わせする後基準位置Rのいずれに布地を配置したかに応じて、搬送される布地に対して縫い開始位置から縫い終了位置まで縫製を行うようにミシンモーター16及び大押さえ送り機構20を制御する制御装置60を備えている。
また、芯地供給装置40は、芯地Sを大押さえ21の搬送に伴って供給可能な状態と供給不能な状態とを切り替える解放用エアシリンダ462及びロック用エアシリンダ463を備え、制御装置60は、後基準位置に布地が配置された場合に、大押さえ21により搬送される布地に対して芯地Sの縫い開始位置の位置合わせが行われるように、解放用エアシリンダ462及びロック用エアシリンダ463による状態切り替えを制御している。
これにより、後基準位置に布地が配置された場合に、大押さえ21の搬送開始と共に芯地Sの供給が開始されて余分な長さの芯地Sの縫い付けが行われることを回避することができ、芯地Sに予定された位置に縫い目を形成することができる。従って、基準位置と後基準位置のいずれで縫製する場合でも、布地に対して適正な位置で芯地を供給することができ、縫製後に、余分な芯地を切除する作業を不要とすることが可能となる。
また、芯地供給装置40の解放用エアシリンダ462及びロック用エアシリンダ463は、大押さえ21の搬送に伴って供給可能な状態の芯地Sに対して、大押さえ21に抗して供給を阻止する状態と当該阻止を解除した状態とに切り替えるので、芯地Sの先端部を通常は退避状態として必要なタイミングで大押さえ21の下側に介挿させる場合に比べて、供給不良の発生を低減することができ、供給動作の信頼性を向上し、また、芯地の位置ズレを低減して精度の高い縫製を行うことが可能となる。
また、玉縁縫いミシン10は、長さ設定部としての設定スイッチ65を備え、芯地供給装置40は、供給した芯地Sを切断する切断部48を有し、制御装置60は、大押さえ21により、芯地Sが設定された長さ分引き出されると、芯地Sを切断するように切断部48を制御している。
これにより、玉縁縫いミシン10は、供給する芯地Sの長さを任意に設定することが可能となる。
また、設定スイッチ65は、縫い長さcと縫い始め側長さaと縫い終わり側長さbとを任意に設定するので、これらのパラメータの任意に調節することができ、必要に応じて多彩に芯地Sの縫い付けを行うことが可能となる。
[芯地供給制御の他の例(1)]
玉縁縫いミシン10では、芯地Sの先端部を予め開口部111から延出させた状態として前方に移動する大押さえ21に捕捉させて供給を行っているが、大押さえ21がある程度の高速で移動していると、芯地Sに滑りを生じて大押さえ21が捕捉できずに供給されないおそれがある。
従って、図13に示すように、CPU61は、布地が芯地供給位置に到達したときに(図13:T2)、押さえモーター25の駆動を瞬間的に停止させてから駆動を再開して、再び高速での搬送に戻すように制御してもよい。
これにより、芯地Sの先端部がより確実に大押さえ21に捕捉され、芯地Sの供給不良の発生を低減することが可能となる。
なお、図11や図13の例では、縫製の開始の時や布地の搬送速度の切り替えの時あるい芯地の供給の時に、押さえモーター25を瞬間的に停止させるように制御しているが、停止に限らず、一時的に減速するように制御してもよい。
[芯地供給制御の他の例(2)]
前述したように、玉縁縫いミシン10では、縫製を伴わない空送りの場合には高速で搬送し、縫製を伴う場合には低速で搬送するよう、押さえモーター25を制御している。
この場合、使用する芯地Sの長さが短いと、図14に示すように、縫製位置T3に到達するより先に、芯地カット位置T4に到達する場合がある。
そのような場合、布地及び芯地Sは空送りの速度、つまり、高速で送りを行いつつ、切断部48により芯地の終端の切断を行わなければならない。
しかしながら、高速で引き出される芯地Sの終端部を正確に切断することは難しく、芯地Sの長さや縫い終わり側長さbの形成精度が低減するおそれがある。
そこで、芯地Sの芯地カット位置T4への到達が縫い開始位置の縫製位置T3への到達よりも先となる場合に、布地の芯地供給位置T2への到達時に押さえモーター25の駆動を瞬間的に停止させる図13の制御をさらに改良した芯地供給制御を行っても良い。
具体的には、図14に示す通り、芯地供給位置T2に到達して、押さえモーター25の駆動を瞬間的に停止させてから駆動を再開する際に、この時点で、高速の空送り速度ではなく、縫製を伴う搬送時の低速の送り速度に切り替えるように押さえモーター25を制御する。
このように、芯地供給位置T2以降は、押さえモーター25による搬送を低速に切り替えることで、芯地カット位置T4が縫製位置T3よりも前となる場合であっても、切断部48における芯地Sの終端部の切断を低速状態で精度良く行うことが可能となる。
なお、縫製位置T3の到達よりも芯地カット位置T4の到達が先になるか否かは、玉縁縫いを行うための各種のパラメータの設定値から制御装置60のCPU61が事前に判定し、上記制御の実行を決定する。
即ち、縫製位置T3に到達する搬送距離(Rc−c)よりも芯地カット位置T4に到達する搬送距離(Rc+b−Fc−n)が小さければ、芯地供給位置T2以降の搬送速度を低速に切り替える制御を実行すべきである。実行条件をさらに単純にすると、Fc+n>b+cの時に、芯地供給位置T2以降の搬送速度を低速に切り替える制御を実行するように制御装置60は判定する。
図14の処理を実行するフローチャートを図15に示す。
CPU61は、操作ペダル68により縫製の開始の入力により、目標位置表示器35による後基準位置の照射を実行し(ステップS31)、これに基づく布地のセットが完了して、再び、操作ペダル68が踏み込まれると(ステップS33)、大押さえ21を下降させ(ステップS35)、押さえモーター25による高速搬送の駆動を開始させる(ステップS37,図14:T1)。
次に、CPU61は、布地が芯地供給位置に到達したか否かを判定し(ステップS39)、到達すると(図14:T2)、CPU61は、押さえモーター25の駆動を瞬間的に停止させてから駆動を再開して、低速での搬送に切り替える(ステップS41)。
さらに、CPU61は、解放用エアシリンダ462をプランジャ突出状態、ロック用エアシリンダ463をプランジャ後退状態に制御し、芯地Sの供給の「阻止を解除した状態」に切り替える(ステップS43)。これにより、芯地Sは布地と共に搬送される。
次に、CPU61は、芯地Sの終端予定位置が芯地カット位置に到達したか否かを判定し(ステップS45)、到達すると(図14:T4)、CPU61は、解放用エアシリンダ462をプランジャ後退状態、メス用エアシリンダ483をプランジャ突出状態に制御し、芯地Sを切断する(ステップS47)。
次に、CPU61は、布地が縫製位置Nに到達したか否かを判定し(ステップS49)、到達すると(図14:T3)、CPU61は、押さえモーター25の駆動を瞬間的に停止させてから駆動を再開して、再び、低速での搬送を実行する(ステップS51)。
その後、CPU61は、芯地Sの縫い終了位置が縫製位置Nに到達したか否かを判定し(ステップS53)、到達すると(図14:T5)、CPU61は、ミシンモーター16の駆動を停止する(ステップS55)。
そして、布地をコーナーメス機構90まで搬送し、縫製箇所の両端部にV字状の切れ目を形成する(ステップS57、図14:T6)。
さらに、布地全体を開口部111よりも前方まで搬送すると(図14:T7)、CPU61は、メス用エアシリンダ483のプランジャを後退させて、繰り出しモーター444により芯地の繰り出しを実行する(ステップS59)。
芯地Sの繰り出しが完了すると(図14:T8)、CPU61は、ロック用エアシリンダ463のプランジャを突出させ、芯地Sを拘束する(ステップS61)。
さらに、布地を搬送終了位置まで搬送すると、押さえモーター25の駆動を停止させて、縫製動作を終了する。
このように、制御装置60が、図13及び図14の芯地供給位置T2及び図15のステップS41のように、大押さえ21に保持されて芯地Sが搬送を開始する際に、大押さえ送り機構20による搬送速度を低減又は停止させるように当該大押さえ送り機構20を制御する構成としたので、滑り等を原因とする大押さえ21による芯地Sの捕捉不良の発生を低減することができ、供給動作の信頼性を向上し、また、芯地Sの位置ズレを低減して精度の高い縫製を行うことが可能となる。
また、制御装置60のCPU61は、前述したように、縫製開始前(空送り)の布地の第一の搬送速度が高速となり、縫製開始後の布地の第二の搬送速度が低速となるように大押さえ送り機構20の押さえモーター25を制御することを前提としている(図11のステップS15参照)。
そして、制御装置60は、長さ設定部により設定された芯地の長さ(a,b,c)により、切断部48による芯地Sの切断が縫製開始前に行われるか否か(縫製位置T3の到達よりも芯地カット位置T4の到達が先になるか否か)を判定すると共に、芯地Sの切断が縫製開始前に行われる場合に、縫い開始位置が芯地供給位置T2に到達した時点で、それ以降は減速して搬送するように押さえモーター25を制御することにより(図15のステップS41)、芯地Sの切断の際の搬送速度が第一の搬送速度よりも低速(第二の搬送速度と同じ速度)となるようにしている。
これにより、低速で引き出される芯地Sの終端部を切断することができ、より正確な長さで切断することが可能となり、芯地Sの長さや縫い終わり側長さbの形成精度の向上を図ることが可能となる。
[その他]
上記玉縁縫いミシン10は、開口部111から芯地Sの先端部を一部を延出させた状態として大押さえ21に捕捉可能な状態としつつも、解放用エアシリンダ462及びロック用エアシリンダ463を制御して、大押さえ21によって引き出されないように拘束し、必要なタイミングで拘束を解除して芯地Sを供給する制御を行っている。
しかしながら、芯地Sの供給は上記構成に限定されない。
例えば、芯地Sの先端部は開口部111から延出せず、大押さえ21が捕捉できない状態で待機すると共に、必要なタイミングで繰り出しモーター444を制御して開口部111から繰り出して、芯地Sを大押さえ21に捕捉させて供給する構成としても良い。
この場合には、繰り出しモーター444が供給可能な状態と供給不能な状態とを切り替えるアクチュエーターとして機能する。
なお、これにより、ロック用エアシリンダ463を不要とすることが可能となる。
また、解放用エアシリンダ462は残して、芯地Sが大押さえ21に捕捉されて搬送される間、従動ローラー443を解放状態に維持しても良い。また、解放用エアシリンダ462も除去して、芯地Sが大押さえ21に捕捉されて搬送される間、繰り出しモーター444も駆動させて、芯地Sの供給をサポートしてもよい。
なお、上記構成により芯地Sの供給を行う場合、芯地Sが軟らかい生地や薄い生地である場合に、開口部111から移動中の大押さえ21の下側に芯地を送り込むことが困難となる場合がある。
そのような場合には、開口部111の前側に、Y軸回りで回転可能に支持された補助ローラーを配置し、当該補助ローラーの外周面の上端部の高さをテーブル11の上面の高さとほぼ等しくして配置することが望ましい。この場合、補助ローラーがその外周面が大押さえ21の下面に当接して従動を生じるので、開口部111から繰り出される芯地Sの先端部を補助ローラーによって大押さえ21の下側に送り込むことができ、適正な芯地Sの供給を実現することが可能となる。
10 玉縁縫いミシン
11 テーブル
12 バインダー
13 縫い針
14 動メス
15 針板
16 ミシンモーター
20 大押さえ送り機構
21 大押さえ
25 押さえモーター
40 芯地供給装置
41 芯地保持部
42 ガイド部
44 駆動部
46 状態切替部
48 切断部
60 制御装置
61 CPU
62 メモリ
64 表示パネル
65 設定スイッチ(長さ設定部)
68 操作ペダル
90 コーナーメス機構
111 開口部
251 エンコーダー
441 支持ブロック
442 主動フィードローラー
443 従動フィードローラー
444 繰り出しモーター
462 解放用エアシリンダ(アクチュエーター)
463 ロック用エアシリンダ(アクチュエーター)
481 動メス
482 固定メス
483 メス用エアシリンダ
C 身生地(布地)
F 前基準位置
N 縫製位置
R 後基準位置
S 芯地
Sr ロール

Claims (6)

  1. テーブルに載置された布地を上から押さえて縫製位置に向かって搬送する大押さえを有する大押さえ送り機構と、
    前記布地に縫製を行うためのミシンモーターと、
    前記テーブルの下方において芯地を巻回したロールを保持し、前記芯地を前記テーブルの上面の開口部から供給する芯地供給装置と、
    前記テーブルの上面に設定された、前記布地の縫い開始位置を位置合わせする前基準位置又は前記布地の縫い終了位置を位置合わせする後基準位置のいずれに前記布地を配置したかに応じて、搬送される前記布地に対して前記縫い開始位置から前記縫い終了位置まで縫製を行わせる制御装置とを備え、
    前記芯地供給装置は、前記芯地を前記大押さえの搬送に伴って供給可能な状態と供給不能な状態とを切り替えるアクチュエーターを備え、
    前記制御装置は、前記後基準位置に前記布地が配置された場合に、前記大押さえにより搬送される前記布地に対して前記芯地の縫い開始位置の位置合わせが行われるように、前記アクチュエーターによる状態切り替えを制御することを特徴とする玉縁縫いミシン。
  2. 前記芯地供給装置の前記アクチュエーターは、前記大押さえの搬送に伴って供給可能な状態の前記芯地に対して、前記大押さえに抗して供給を阻止する状態と当該阻止を解除した状態とに切り替えることを特徴とする請求項1記載の玉縁縫いミシン。
  3. 前記芯地供給装置の前記アクチュエーターは、前記大押さえの搬送に伴って前記芯地が供給可能となる位置への繰り出しを行うことを特徴とする請求項1記載の玉縁縫いミシン。
  4. 前記制御装置は、前記大押さえに保持されて前記芯地が搬送を開始する際に、前記大押さえ送り機構による搬送速度を低減又は停止させるように当該大押さえ送り機構を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の玉縁縫いミシン。
  5. 供給する前記芯地の長さを設定する長さ設定部を備え、
    前記芯地供給装置は、供給した前記芯地を切断する切断部を有し、
    前記制御装置は、前記大押さえにより、前記芯地が前記設定された長さ分引き出されると、前記芯地を切断するように前記切断部を制御することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の玉縁縫いミシン。
  6. 前記制御装置は、縫製開始前の前記布地の第一の搬送速度が縫製開始後の前記布地の第二の搬送速度よりも高速となるように前記大押さえ送り機構を制御し、
    前記制御装置は、
    前記長さ設定部により設定された前記芯地の長さから、前記切断部による前記芯地の切断が前記縫製開始前に行われるか否かを判定し、
    前記芯地の切断が前記縫製開始前に行われる場合に、前記芯地の切断の際の搬送速度が前記第一の搬送速度よりも低速となるように前記大押さえ送り機構を制御することを特徴とする請求項5記載の玉縁縫いミシン。
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