JP6528475B2 - 感光性着色組成物、硬化物、着色スペーサー、及び画像表示装置 - Google Patents
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Description
このような着色スペーサーとしては、顔料に複数種の有機着色顔料を用いた着色スペーサー(例えば特許文献1参照)や、有機黒色顔料を用いた着色スペーサーが提案されている(例えば特許文献2参照)。
本発明者らが検討した結果、遮光性の高い有機黒色顔料を含む感光性着色組成物を用いて着色スペーサーを形成した場合、着色スペーサーの上層膜となる配向膜を形成する際の溶剤に、着色剤由来の不純物等の溶出も多く、LCDの表示信頼性を悪化させるといった問題があることが見出された。
そこで本発明は、遮光性に優れ、溶剤への不純物の溶出を抑制して高信頼性を確保できる感光性着色組成物を提供することにある。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[14]の構成を有する。
前記(a)着色剤が、下記一般式(1)で表される化合物、その幾何異性体、その塩、またはその幾何異性体の塩である有機黒色顔料を含み、
前記(c)光重合開始剤が、下記一般式(I)で表されるジフェニルスルフィド骨格を有するオキシムエステル系化合物を含むことを特徴とする感光性着色組成物。
R2、R3、R4、R5、R7、R8、R9およびR10は他の全てから互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、R11、COOH、COOR11、COO-、CONH2、CONHR11、CONR11R12、CN、OH、OR11、COCR11、OOCNH2、OOCNHR11、OOCNR11R12、NO2、NH2、NHR11、NR11R12、NHCOR12、NR11COR12、N=CH2、N=CHR11、N=CR11R12、SH、SR11、SOR11、SO2R11、SO3R11、SO3H、SO3 -、SO2NH2、SO2NHR11またはSO2NR11R12である;
且つ、R2とR3、R3とR4、R4とR5、R7とR8、R8とR9、及びR9とR10からなる群から選ばれる少なくとも1つの組み合わせは、互いに直接結合し、または酸素原子、硫黄原子、NH若しくはNR11ブリッジによって互いに結合することもできる;
R11およびR12は互いに独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルケニル基または炭素数2〜12のアルキニル基である。]
R24は、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
R25は、水酸基、カルボキシル基又は下記一般式(I−1)で表される基を表し、hは0〜5の整数を表す。
式(I)中に示されるベンゼン環はさらに置換基を有していてもよい。]
R25bは、置換基を有していてもよいアルキレン基を表す。
R25bのアルキレン部分は、−O−、−S−、−COO−又は−OCO−により1〜5回中断されていてもよい。R25のアルキレン部分は分岐側鎖があってもよく、シクロヘキシレンであってもよい。
R25cは、水酸基又はカルボキシル基を表す。]
[3] 前記橙色顔料が下記(a−1)に示す橙色顔料であり、かつ、前記青色顔料が下記(a−2)に示す青色顔料である、[2]に記載の感光性着色組成物。
(a−1) C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ72からなる群から選ばれる少なくとも1種
(a−2) C.I.ピグメントブルー60
[4] 前記(a)着色剤が、更に下記(a−3)に示す紫色顔料を含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の感光性着色組成物。
(a−3) C.I.ピグメントバイオレット23及びC.I.ピグメントバイオレット29からなる群から選ばれる少なくとも1種
[5] 前記(a)着色剤が、更に下記(a−4)に示す群から選ばれる少なくとも1種の有機着色顔料を含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の感光性着色組成物。
(a−4)
青色顔料:C.I.ピグメントブルー15:6
赤色顔料:C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド272
[7] 前記(a)着色剤の含有割合が、感光性着色組成物中の全固形分量に対して10質量%以上である、[1]〜[6]のいずれかに記載の感光性着色組成物。
[8] 前記(a)着色剤の含有割合が、感光性着色組成物中の全固形分量に対して50質量%以下である、[1]〜[7]のいずれかに記載の感光性着色組成物。
[9] 硬化した塗膜の膜厚1μm当たりの光学濃度が1.0以上である、[1]〜[8]のいずれかに記載の感光性着色組成物。
[10] 着色スペーサーを形成するために用いる、[1]〜[9]のいずれかに記載の感光性着色組成物。
[12] [1]〜[11]のいずれかに記載の感光性着色組成物を硬化して得られる硬化物。
[13] [12]に記載の硬化物から形成される着色スペーサー。
[14] [13]に記載の着色スペーサーを備える画像表示装置。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」とは「アクリル及び/又はメタクリル」を意味し、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリロイル」についても同様である。
本発明において「全固形分」とは、感光性着色組成物中又は後述するインク中に含まれる、溶剤以外の全成分を意味するものとする。
本発明において、「重量平均分子量」とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)をさす。
また、本発明において、「アミン価」とは、特に断りのない限り、有効固形分換算のアミン価を表し、分散剤の固形分1gあたりの塩基量と当量のKOHの質量で表される値である。なお、測定方法については後述する。一方、「酸価」とは、特に断りのない限り有効固形分換算の酸価を表し、中和滴定により算出される。
本発明の感光性着色組成物は、
(a)着色剤
(b)アルカリ可溶性樹脂
(c)光重合開始剤
(d)エチレン性不飽和化合物
(e)溶剤
(f)分散剤
を必須成分として含有し、必要に応じて、更にシランカップリング剤等の密着向上剤、塗布性向上剤、現像改良剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、顔料誘導体等、その他の配合成分を含むものであり、通常、各配合成分が、溶剤に溶解又は分散した状態で使用される。
本発明で用いる(a)着色剤は、下記一般式(1)で表される化合物、その幾何異性体、その塩、またはその幾何異性体の塩である有機黒色顔料(以下、「一般式(1)で表される有機黒色顔料」と略記する場合がある。)を含む。このように、特定の有機黒色顔料を含むことで、低誘電率かつ高遮光率を実現できると考えられる。
R2、R3、R4、R5、R7、R8、R9およびR10は他の全てから互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、R11、COOH、COOR11、COO-、CONH2、CONHR11、CONR11R12、CN、OH、OR11、COCR11、OOCNH2、OOCNHR11、OOCNR11R12、NO2、NH2、NHR11、NR11R12、NHCOR12、NR11COR12、N=CH2、N=CHR11、N=CR11R12、SH、SR11、SOR11、SO2R11、SO3R11、SO3H、SO3 -、SO2NH2、SO2NHR11またはSO2NR11R12である;
且つ、R2とR3、R3とR4、R4とR5、R7とR8、R8とR9、及びR9とR10からなる群から選ばれる少なくとも1つの組み合わせは、互いに直接結合し、または酸素原子、硫黄原子、NH若しくはNR11ブリッジによって互いに結合することもできる;
R11およびR12は互いに独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルケニル基または炭素数2〜12のアルキニル基である。
R2、R4、R5、R7、R9およびR10は互いに独立して好ましくは水素原子、フッ素原子、または塩素原子であり、さらに好ましくは水素原子である。
R3およびR8は互いに独立して好ましくは水素原子、NO2、OCH3、OC2H5、臭素原子、塩素原子、CH3、C2H5、N(CH3)2、N(CH3)(C2H5)、N(C2H5)2、α−ナフチル、β−ナフチル、SO3HまたはSO3 -であり、さらに好ましくは水素原子またはSO3Hである。
好ましくは、R1とR6、R2とR7、R3とR8、R4とR9、およびR5とR10からなる群から選ばれる少なくとも1つの組み合わせが同一であり、より好ましくは、R1はR6と同一であり、R2はR7と同一であり、R3はR8と同一であり、R4はR9と同一であり、かつ、R5はR10と同一である。
この有機黒色顔料は、好ましくは後述される分散剤、溶剤、方法によって分散して使用される。また、分散の際に前記一般式(2)のスルホン酸誘導体が存在すると、分散性や保存性が向上する場合がある。
その他の着色剤として含有してもよい顔料としては、橙色顔料及び青色顔料が挙げられる。このように橙色顔料と青色顔料を含有することにより、紫外領域の光透過率を確保しながら、可視領域の光吸収を大きくして遮蔽率を向上することができる傾向がある。
橙色顔料としては、紫外領域の光透過率及び可視領域の光吸収性の観点から、下記(a−1)に示す橙色顔料(以下、「(a−1)橙色顔料」と略記する場合がある)を好ましく用いることができる。
(a−1) C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ72からなる群から選ばれる少なくとも1種
(a−1)橙色顔料として、1種類の橙色顔料を用いてもよいが、複数種類を併用してもよい。具体的には、C.I.ピグメントオレンジ64とC.I.ピグメントオレンジ43の組み合わせ、C.I.ピグメントオレンジ64とC.I.ピグメントオレンジ72の組み合わせなどが挙げられる。
(a−2) C.I.ピグメントブルー60
(a−3) C.I.ピグメントバイオレット23及びC.I.ピグメントバイオレット29からなる群から選ばれる少なくとも1種
(a−3)紫色顔料として、1種類の紫色顔料を用いてもよいが、2種類併用してもよい。
(a−4)
青色顔料:C.I.ピグメントブルー15:6
赤色顔料:C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド272
(a−4)有機着色顔料として、1種類の有機着色顔料を用いてもよいが、複数種類を併用してもよい。具体的には、C.I.ピグメントブルー15:6とC.I.ピグメントレッド254の組み合わせ、C.I.ピグメントブルー15:6とC.I.ピグメントレッド177の組み合わせなどが挙げられる。
黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75、81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、117、129、138、139、150、154、155、180、185、更に好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、138、139、150、180を挙げることができる。
デグサ社製:Printex(登録商標、以下同じ。)3、Printex3OP、Printex30、Printex30OP、Printex40、Printex45、Printex55、Printex60、Printex75、Printex80、Printex85、Printex90、Printex A、Printex L、Printex G、Printex P、Printex U、Printex V、PrintexG、SpecialBlack550、SpecialBlack350、SpecialBlack250、SpecialBlack100、SpecialBlack6、SpecialBlack5、SpecialBlack4、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW18、Color Black FW200、Color Black S160、Color Black S170
キャボット社製:Monarch(登録商標、以下同じ。)120、Monarch280、Monarch460、Monarch800、Monarch880、Monarch900、Monarch1000、Monarch1100、Monarch1300、Monarch1400、Monarch4630、REGAL(登録商標、以下同じ。)99、REGAL99R、REGAL415、REGAL415R、REGAL250、REGAL250R、REGAL330、REGAL400R、REGAL55R0、REGAL660R、BLACK PEARLS480、PEARLS130、VULCAN(登録商標、以下同じ。) XC72R、ELFTEX(登録商標)−8
コロンビヤン カーボン社製:RAVEN(登録商標、以下同じ。)11、RAVEN14、RAVEN15、RAVEN16、RAVEN22RAVEN30、RAVEN35、RAVEN40、RAVEN410、RAVEN420、RAVEN450、RAVEN500、RAVEN780、RAVEN850、RAVEN890H、RAVEN1000、RAVEN1020、RAVEN1040、RAVEN1060U、RAVEN1080U、RAVEN1170、RAVEN1190U、RAVEN1250、RAVEN1500、RAVEN2000、RAVEN2500U、RAVEN3500、RAVEN5000、RAVEN5250、RAVEN5750、RAVEN7000
ことで、遮光性の良好な塗膜が得られる傾向がある。平均粒子径は数平均粒子径を意味し、電子顕微鏡観察により数万倍で撮影された写真を数視野撮影し、これらの写真の粒子を画像処理装置により2000〜3000個程度計測する粒子画像解析により求められる円相当径を意味する。
具体的な合成樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、グリプタル樹脂、エポキシ樹脂、アルキルベンゼン樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、変性ポリフェニレンオキサイド、ポリスルフォン、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリエーテルスルフォポリフェニレンスルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、等の熱可塑性樹脂が使用できる。カーボンブラックに対する樹脂の被覆量は、カーボンブラックと樹脂の合計量に対し1〜30質量%が好ましく、前記下限値以上とすることで被覆を十分なものとすることができる傾向がある。一方、前記上限値以下とすることで、樹脂同士の粘着を防ぎ、分散性が良好なものとすることができる傾向がある。
アゾ系染料としては、例えば、C.I.アシッドイエロー11、C.I.アシッドオレンジ7、C.I.アシッドレッド37、C.I.アシッドレッド180、C.I.アシッドブルー29、C.I.ダイレクトレッド28、C.I.ダイレクトレッド83、C.I.ダイレクトイエロー12、C.I.ダイレクトオレンジ26、C.I.ダイレクトグリーン28、C.I.ダイレクトグリーン59、C.I.リアクティブイエロー2、C.I.リアクティブレッド17、C.I.リアクティブレッド120、C.I.リアクティブブラック5、C.I.ディスパースオレンジ5、C.I.ディスパースレッド58、C.I.ディスパースブルー165、C.I.ベーシックブルー41、C.I.ベーシックレッド18、C.I.モルダントレッド7、C.I.モルダントイエロー5、C.I.モルダントブラック7等が挙げられる。
この他、フタロシアニン系染料として、例えば、C.I.パッドブルー5等が、キノンイミン系染料として、例えば、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー9等が、キノリン系染料として、例えば、C.I.ソルベントイエロー33、C.I.アシッドイエロー3、C.I.ディスパースイエロー64等が、ニトロ系染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー1、C.I.アシッドオレンジ3、C.I.ディスパースイエロー42等が挙げられる。
なお、本発明において、顔料の平均粒子径は、動的光散乱(DLS)により測定された顔料粒子径から求めた値である。粒径測定は、十分に希釈された感光性着色組成物(通常は希釈して、顔料濃度0.005〜0.2質量%程度に調製。但し測定機器により推奨された濃度があれば、その濃度に従う)に対して行い、25℃にて測定する。
本発明で用いる(b)アルカリ可溶性樹脂としては、カルボキシル基又は水酸基を含む樹脂であれば特に限定はなく、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系樹脂、アクリル系樹脂、カルボキシル基含有エポキシ樹脂、カルボキシル基含有ウレタン樹脂、ノボラック系樹脂、ポリビニルフェノール系樹脂等が挙げられるが、中でもエポキシ(メタ)アクリレート系樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。これらは1種を単独で、或いは複数種を混合して使用することができる。
エポキシ樹脂にα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルを付加させ、さらに、多塩基酸及び/又はその無水物を反応させることによって得られたアルカリ可溶性樹脂。
<アルカリ可溶性樹脂(b2)>
エポキシ樹脂にα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルを付加させ、さらに、多価アルコール、及び多塩基酸及び/又はその無水物と反応させることによって得られたアルカリ可溶性樹脂。
これらの内、感度の点から、特に好ましいものは(メタ)アクリル酸である。
α,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルの使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対し0.5〜1.2当量の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.7〜1.1当量の範囲である。α,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルの使用量が少ないと不飽和基の導入量が不足し、引き続く多塩基酸及び/又はその無水物との反応も不十分となる。また、多量のエポキシ基が残存することも有利ではない。一方、該使用量が多いとα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルが未反応物として残存する。いずれの場合も硬化特性が悪化する傾向が認められる。
カルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、通常、エポキシ樹脂とα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルとの反応物に、多塩基酸及び/又はその無水物を混合した後、もしくは、エポキシ樹脂とα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルとの反応物に、多塩基酸及び/又はその無水物及び多官能アルコールを混合した後に、加温することにより得られる。この場合、多塩基酸及び/又はその無水物と多官能アルコールの混合順序に、特に制限はない。加温により、エポキシ樹脂とα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルとの反応物と多官能アルコールとの混合物中に存在するいずれかの水酸基に対して多塩基酸及び/又はその無水物が付加反応する。
また、前述のカルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の一部を、他のバインダー樹脂に置き換えて用いてもよい。即ち、カルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂と他のバインダー樹脂を併用してもよい。この場合において、(b)アルカリ可溶性樹脂におけるカルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の割合を、50質量%以上、特に80質量%以上とすることが好ましい。
不飽和単量体(b1)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、けい皮酸の如き不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物;こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕の如き2価以上の多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル;ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートの如き両末端にカルボキシ基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート;p−ビニル安息香酸等を挙げることができる。
これらの不飽和単量体(b1)は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
これらの不飽和単量体(b2)は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
不飽和単量体(b1)と不飽和単量体(b2)の共重合体は、公知の方法により製造することができるが、例えば、特開2003−222717号公報、特開2006−259680号公報、国際公開第2007/029871号パンフレット等に開示されている方法により、その構造やMw、Mw/Mnを制御することもできる。
(c)光重合開始剤は、光を直接吸収し、分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する成分である。必要に応じて重合促進剤(連鎖移動剤)、増感色素等の付加剤を添加して使用してもよい。
本発明の感光性着色組成物における(c)光重合開始剤は、下記一般式(I)で表されるジフェニルスルフィド骨格を有するオキシムエステル系化合物を含む。このように、ジフェニルスルフィド骨格を有する特定のオキシムエステル系化合物を含むことにより、短波長の光吸収が強く、表面硬化性が向上するため、溶剤へ溶解しにくくなり耐溶剤性が高まると考えられる。特に、オキシムエステルに結合する基を、置換基を有していてもよいアルキル基とすることで、ラジカルの移動度が高く、感度が高いため、更に表面硬化性が向上すると考えられる。
また、溶剤の浸透を防ぐことで、塗膜内部からも着色剤などが溶け出すことを抑制できるようになると考えられる。そして、ジフェニルスルフィド骨格を有するオキシムエステル系化合物は共役系の長さが短く、分子全体のエネルギーが高くなり、熱分解によるラジカル生成効率が高く重合反応を促進し、さらに、開始剤の未反応物も少なく、開始剤自体の溶剤への溶出も抑制できるものと考えられる。
R24は、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
R25は、水酸基、カルボキシル基又は下記一般式(I−1)で表される基を表し、hは0〜5の整数を表す。
式(I)中に示されるベンゼン環はさらに置換基を有していてもよい。
R25bは、置換基を有していてもよいアルキレン基を表す。
R25bのアルキレン部分は、−O−、−S−、−COO−又は−OCO−により1〜5回中断されていてもよい。R25のアルキレン部分は分岐側鎖があってもよく、シクロヘキシレンであってもよい。
R25cは、水酸基又はカルボキシル基を表す。
アルキル基が有していてもよい置換基としては、芳香族環基、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アミノ基、アミド基などが挙げられ、アルカリ現像性の観点から水酸基、カルボキシル基が好ましく、カルボキシル基がより好ましい。また、合成容易性の観点からは、無置換であることが好ましい。
芳香族環基が有していてもよい置換基としては、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アミノ基、アミド基、アルキル基などが挙げられ、現像性の観点から水酸基、カルボキシル基が好ましく、カルボキシル基がより好ましい。
これらの中でも、現像性の観点から、R23が置換基を有していてもよいアルキル基であることが好ましく、無置換のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。
アルキル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基などが挙げられ、アルカリ現像性の観点から水酸基、カルボキシル基が好ましく、カルボキシル基がより好ましく、他方合成容易性の観点からは無置換であることが好ましい。
前記一般式(I−1)において、前述のとおり、R25aは、−O−、−S−、−OCO−又は−COO−を表すが、これらの中でも、感度及び現像性の観点から、−O−又は−OCO−が好ましく、−O−がより好ましい。
R25bにおけるアルキレン基の炭素数は特に限定されないが、感光性着色組成物への溶解性の観点から1以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましく、また、20以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましく、5以下であることがさらに好ましく、3以下であることが特に好ましい。
アルキレン基は、直鎖でもよく、分岐していてもよく、脂肪族環を含むものであってもよい。これらの中でも、感光性着色組成物への溶解性の観点から、直鎖であることが好ましい。
他方、合成容易性の観点からは、hは0であることが好ましい。
その他の光重合開始剤としては、例えば、特開昭59−152396号公報、特開昭61−151197号公報に記載のチタノセン化合物を含むメタロセン化合物;特開2000−56118号公報に記載のヘキサアリールビイミダゾール誘導体;特開平10−39503号公報記載のハロメチル化オキサジアゾール誘導体、ハロメチル−s−トリアジン誘導体、N−フェニルグリシン等のN−アリール−α−アミノ酸類、N−アリール−α−アミノ酸塩類、N−アリール−α−アミノ酸エステル類等のラジカル活性剤、α−アミノアルキルフェノン誘導体;特開2000−80068号公報、特開2006−36750号公報、国際公開第2008/075564号パンフレット、国際公開第2009/131189号パンフレット、特表2014−500852号公報等に記載されているオキシムエステル誘導体等が挙げられる。
光重合開始剤には、必要に応じて、感応感度を高める目的で、画像露光光源の波長に応じた増感色素、重合促進剤を配合させることができる。増感色素としては、特開平4−221958号公報、特開平4−219756号公報に記載のキサンテン色素、特開平3−239703号公報、特開平5−289335号公報に記載の複素環を有するクマリン色素、特開平3−239703号公報、特開平5−289335号公報に記載の3−ケトクマリン化合物、特開平6−19240号公報に記載のピロメテン色素、その他、特開昭47−2528号公報、特開昭54−155292号公報、特公昭45−37377号公報、特開昭48−84183号公報、特開昭52−112681号公報、特開昭58−15503号公報、特開昭60−88005号公報、特開昭59−56403号公報、特開平2−69号公報、特開昭57−168088号公報、特開平5−107761号公報、特開平5−210240号公報、特開平4−288818号公報に記載のジアルキルアミノベンゼン骨格を有する色素等を挙げることができる。
増感色素もまた1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の感光性着色組成物は、(d)エチレン性不飽和化合物を含む。(d)エチレン性不飽和化合物を含むことで、高感度となると考えられる。
本発明に用いられるエチレン性不飽和化合物は、分子内にエチレン性不飽和基を少なくとも1個有する化合物である。具体的には、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、アクリロニトリル、スチレン、及びエチレン性不飽和結合を1個有するカルボン酸と、多価又は1価アルコールのモノエステル、等が挙げられる。
多官能エチレン性単量体の例としては、例えば脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;脂肪族ポリヒドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ化合物と、不飽和カルボン酸及び多塩基性カルボン酸とのエステル化反応により得られるエステルなどが挙げられる。
多塩基性カルボン酸及び不飽和カルボン酸と、多価ヒドロキシ化合物のエステル化反応により得られるエステルとしては必ずしも単一物ではないが、代表的な具体例を挙げれば、アクリル酸、フタル酸、及びエチレングリコールの縮合物、アクリル酸、マレイン酸、及びジエチレングリコールの縮合物、メタクリル酸、テレフタル酸及びペンタエリスリトールの縮合物、アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオール及びグリセリンの縮合物等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレート類としては、例えば、DPHA−40H、UX−5000、UX−5002D−P20、UX−5003D、UX−5005(日本化薬社製)、U−2PPA、U−6LPA、U−10PA、U−33H、UA−53H、UA−32P、UA−1100H(新中村化学工業社製)、UA−306H、UA−510H、UF−8001G(協栄社化学社製)、UV−1700B、UV−7600B、UV−7605B、UV−7630B、UV7640B(日本合成化学社製)等が挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の感光性着色組成物は、(e)溶剤を含む。(e)溶剤を含むことで、(a)着色剤、(b)アルカリ可溶性樹脂、(c)光重合開始剤、(d)エチレン性不飽和化合物等を溶解又は分散させ、粘度を調節する機能を有することができる。
本発明の感光性着色組成物は、通常、(a)着色剤、(b)アルカリ可溶性樹脂、(d)エチレン性不飽和化合物、(f)分散剤、及び必要に応じて使用されるその他の各種材料が、溶剤に溶解又は分散した状態で使用される。溶剤の中でも、溶解性及び分散性の観点から有機溶剤が好ましい。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、メトキシメチルペンタノール、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテルのようなグリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルのようなグリコールジアルキルエーテル類;
エチレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサノールジアセテートなどのグリコールジアセテート類;
シクロヘキサノールアセテートなどのアルキルアセテート類;
アミルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジアミルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジヘキシルエーテルのようなエーテル類;
エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、メトキシメチルペンタノール、グリセリン、ベンジルアルコールのような1価又は多価アルコール類;
n−ペンタン、n−オクタン、ジイソブチレン、n−ヘキサン、ヘキセン、イソプレン、ジペンテン、ドデカンのような脂肪族炭化水素類;
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキセン、ビシクロヘキシルのような脂環式炭化水素類;
アミルホルメート、エチルホルメート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸アミル、メチルイソブチレート、エチレングリコールアセテート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、イソ酪酸メチル、エチルカプリレート、ブチルステアレート、エチルベンゾエート、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトンのような鎖状又は環状エステル類;
3−メトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸のようなアルコキシカルボン酸類;
ブチルクロリド、アミルクロリドのようなハロゲン化炭化水素類;
メトキシメチルペンタノンのようなエーテルケトン類;
アセトニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル類等。
これらの有機溶剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、グリコールアルキルエーテルアセテート類は、単独で使用してもよいが、他の有機溶剤を併用してもよい。併用する有機溶剤として、特に好ましいのはグリコールモノアルキルエーテル類である。中でも、特に組成物中の構成成分の溶解性からプロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。なお、グリコールモノアルキルエーテル類は極性が高く、添加量が多すぎると顔料が凝集しやすく、後に得られる感光性着色組成物の粘度が上がっていくなどの保存安定性が低下する傾向があるので、溶剤中のグリコールモノアルキルエーテル類の割合は5質量%〜30質量%が好ましく、5質量%〜20質量%がより好ましい。
好ましい高沸点溶剤として、例えば前述の各種溶剤の中ではジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサノールジアセテート、トリアセチンなどが挙げられる。
本発明の感光性着色組成物においては、(a)着色剤を微細に分散させ、且つその分散状態を安定化させることが品質の安定性確保には重要なため、(f)分散剤を含む。
(f)分散剤としては、官能基を有する高分子分散剤が好ましく、更に、分散安定性の面からカルボキシル基;リン酸基;スルホン酸基;又はこれらの塩基;一級、二級又は三級アミノ基;四級アンモニウム塩基;ピリジン、ピリミジン、ピラジン等の含窒素ヘテロ環由来の基、等の官能基を有する高分子分散剤が好ましい。中でも特に、一級、二級又は三級アミノ基;四級アンモニウム塩基;ピリジン、ピリミジン、ピラジン等の含窒素ヘテロ環由来の基、等の塩基性官能基を有する高分子分散剤が顔料を分散する際に少量の分散剤で分散することができるとの観点から特に好ましい。
これらの高分子分散剤は1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を併用してもよい。
これらのうち、分散安定性の観点から、(f)分散剤は官能基を有するウレタン系高分子分散剤及び/又はアクリル系高分子分散剤を含むことが好ましく、アクリル系高分子分散剤を含むことが特に好ましい。
また分散性、保存性の面から、塩基性官能基を有し、ポリエステル結合及び/又はポリエーテル結合を有する高分子分散剤が好ましい。
ウレタン系高分子分散剤として好ましい化学構造を具体的に例示するならば、例えば、ポリイソシアネート化合物と、分子内に水酸基を1個又は2個有する数平均分子量300〜10,000の化合物と、同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物とを反応させることによって得られる、重量平均分子量1,000〜200,000の分散樹脂等が挙げられる。これらをベンジルクロリド等の四級化剤で処理することで、3級アミノ基の全部又は一部を4級アンモニウム塩基にすることができる。
ポリエーテルグリコールとしては、ポリエーテルジオール、ポリエーテルエステルジオール、及びこれら2種類以上の混合物が挙げられる。ポリエーテルジオールとしては、アルキレンオキシドを単独又は共重合させて得られるもの、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン−プロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシヘキサメチレングリコール、ポリオキシオクタメチレングリコール及びそれらの2種以上の混合物が挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
活性水素、即ち、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子に直接結合している水素原子としては、水酸基、アミノ基、チオール基等の官能基中の水素原子が挙げられ、中でもアミノ基、特に1級のアミノ基の水素原子が好ましい。
このような同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物を例示するならば、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジプロピル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジブチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジプロピルエチレンジアミン、N,N−ジブチルエチレンジアミン、N,N−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジエチル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジプロピル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジブチル−1,4−ブタンジアミン等が挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ウレタン系高分子分散剤の重量平均分子量(Mw)は通常1,000〜200,000、好ましくは2,000〜100,000、より好ましくは3,000〜50,000の範囲である。この分子量が1,000未満では分散性及び分散安定性が劣り、200,000を超えると溶解性が低下し分散性が劣ると同時に反応の制御が困難となる。
該A−B又はB−A−Bブロック共重合体は、例えば、以下に示すリビング重合法にて調製される。
リビング重合法には、アニオンリビング重合法、カチオンリビング重合法、ラジカルリビング重合法があり、このうち、アニオンリビング重合法は、重合活性種がアニオンであり、例えば下記スキームで表される。
また、本発明で用いることができるA−Bブロック共重合体、B−A−Bブロック共重合体1g中の4級アンモニウム塩基の量は、通常0.1〜10mmolであることが好ましく、この範囲内にすることで良好な耐熱性と分散安定性を確保できる傾向がある。
ここで、これらのブロック共重合体等の分散剤のアミン価は、分散剤試料中の溶剤を除いた固形分1gあたりの塩基量と当量のKOHの質量で表し、次の方法により測定する。
100mLのビーカーに分散剤試料の0.5〜1.5gを精秤し、50mLの酢酸で溶解する。pH電極を備えた自動滴定装置を使って、この溶液を0.1mol/LのHClO4酢酸溶液にて中和滴定する。滴定pH曲線の変曲点を滴定終点とし次式によりアミン価を求める。
〔但し、W:分散剤試料秤取量[g]、V:滴定終点での滴定量[mL]、S:分散剤試料の固形分濃度[質量%]を表す。〕
また、このブロック共重合体の酸価は、該酸価の元となる酸性基の有無及び種類にもよるが、一般に低い方が好ましく、通常10mgKOH/g以下であり、その重量平均分子量(Mw)は、1000〜100,000の範囲が好ましい。前記範囲内とすることで良好な現像性と分散安定性を確保できる傾向がある。
同様に、上記式(ii)のR35及びR36における、置換基を有していてもよいアリール基としては、上記式(i)のR31〜R33として例示したものを好ましく採用することができる。また、上記式(ii)のR35及びR36における、置換基を有していてもよいアラルキル基としては、上記式(i)のR31〜R33として例示したものを好ましく採用することができる。
また、上記式(i)において、対アニオンのY-としては、Cl-、Br-、I-、ClO4 -、BF4 -、CH3COO-、PF6 -等が挙げられる。
R38における、アルキル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基等が挙げられる。また、アリール基又はアラルキル基が有していてもよい置換基としては、鎖状のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基等が挙げられる。また、R38で示される鎖状のアルキル基には、直鎖状及び分岐鎖状のいずれも含まれる。
本発明の感光性着色組成物には、上述の成分の他、シランカップリング剤等の密着向上剤、塗布性向上剤、現像改良剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、顔料誘導体等を適宜配合することができる。
本発明の感光性着色組成物には、基板との密着性を改善するため、密着向上剤を含有させてもよい。密着向上剤としては、シランカップリング剤、燐酸基含有化合物等が好ましい。
シランカップリング剤の種類としては、エポキシ系、(メタ)アクリル系、アミノ系等種々のものを1種単独で、或いは2種以上を混合して使用できる。
燐酸基含有化合物としては、(メタ)アクリロイル基含有ホスフェート類が好ましく、下記一般式(g1)、(g2)又は(g3)で表されるものが好ましい。
これらの燐酸基含有化合物も1種類を単独で用いても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の感光性着色組成物には、塗布性向上ため、界面活性剤を含有させてもよい。
このような界面活性剤としては、例えば、TSF4460(ジーイー東芝シリコーン社製)、DFX−18(ネオス社製)、BYK−300、BYK−325、BYK−330(ビックケミー社製)、KP340(信越シリコーン社製)、F−470、F−475、F−478、F−559(DIC社製)、SH7PA(トーレシリコーン社製)、DS−401(ダイキン社製)、L−77(日本ユニカー社製)、FC4430(住友3M社製)等が挙げられる。
なお、界面活性剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
本発明の感光性着色組成物には、分散性、保存性向上のため、分散助剤として顔料誘導体を含有させてもよい。
顔料誘導体としてはアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンズイミダゾロン系、キノフタロン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、アントラキノン系、インダンスレン系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、ジオキサジン系等の誘導体が挙げられるが、中でもフタロシアニン系、キノフタロン系が好ましい。
顔料誘導体の置換基としてはスルホン酸基、スルホンアミド基及びその4級塩、フタルイミドメチル基、ジアルキルアミノアルキル基、水酸基、カルボキシル基、アミド基等が顔料骨格に直接又はアルキル基、アリール基、複素環基等を介して結合したものが挙げられ、好ましくはスルホン酸基である。またこれら置換基は一つの顔料骨格に複数置換していてもよい。
光酸発生剤とは、紫外線により酸を発生することができる化合物であり、露光を行った際に発生する酸の作用により、例えばメラミン化合物等架橋剤があることで架橋反応を進行させることとなる。係る光酸発生剤の中でも、溶剤に対する溶解性、特に感光性着色組成物に使われる溶剤に対する溶解性が大きいものが好ましいものであり、例えば、ジフェニルヨードニウム、ジトリルヨードニウム、フェニル(p−アニシル)ヨードニウム、ビス(m−ニトロフェニル)ヨードニウム、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、ビス(p−クロロフェニル)ヨードニウム、ビス(n−ドデシル)ヨードニウム、p−イソブチルフェニル(p−トリル)ヨードニウム、p−イソプロピルフェニル(p−トリル)ヨードニウムなどのジアリールヨードニウム、あるいはトリフェニルスルホニウムなどのトリアリールスルホニウムのクロリド、ブロミド、あるいはホウフッ化塩、ヘキサフルオロフォスフェート塩、ヘキサフルオロアルセネート塩、芳香族スルホン酸塩、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート塩等や、ジフェニルフェナシルスルホニウム(n−ブチル)トリフェニルボレート等のスルホニウム有機ホウ素錯体類、あるいは、2−メチル−4,6−ビストリクロロメチルトリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビストリクロロメチルトリアジンなどのトリアジン化合物等を挙げることができるがこの限りではない。
本発明の感光性着色組成物には、さらに架橋剤を加えることができ、例えばメラミン又はグアナミン系の化合物を用いることができる。これら架橋剤としては、例えば、下記一般式(6)で示されるメラミン又はグアナミン系の化合物を挙げることができる。
ここで、炭素数6〜12のアリール基は典型的にはフェニル基、1−ナフチル基又は2−ナフチル基であり、これらのフェニル基やナフチル基には、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などの置換基が結合していてもよい。アルキル基及びアルコキシ基は、それぞれ炭素数1〜6程度であることができる。R68で表されるアルキル基は、上記のなかでも、メチル基又はエチル基、とりわけメチル基であるのが好ましい。
2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−4−メチルフェノール、4−tert−ブチル−2,6−ビス(ヒドロキシメチル)フェノール、5−エチル−1,3−ビス(ヒドロキシメチル)ペルヒドロ−1,3,5−トリアジン−2−オン(通称N−エチルジメチロールトリアゾン)又はそのジメチルエーテル体、ジメチロールトリメチレン尿素又はそのジメチルエーテル体、3,5−ビス(ヒドロキシメチル)ペルヒドロ−1,3,5−オキサジアジン−4−オン(通称ジメチロールウロン)又はそのジメチルエーテル体、テトラメチロールグリオキザールジウレイン又はそのテトラメチルエーテル体。
重合促進剤として、また、基板への密着性の向上のため、メルカプト化合物を添加することも可能である。
本発明の感光性着色組成物において、(a)着色剤の含有割合は、感光性着色組成物中の全固形分量に対して通常10質量%以上であり、20質量%以上であることが好ましく、25質量%以上であることがより好ましく、また、通常50質量%以下であり、45質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、35質量%以下であることがさらに好ましく、30質量%以下であることが特に好ましい。(a)着色剤の含有割合を前記下限値以上とすることで、十分な光学濃度(OD)が得られる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで十分な画像形成性が得られやすい傾向がある。
また、本発明の感光性着色組成物中に占める増感色素の配合割合は感度の観点から感光性着色組成物中の全固形分中、通常20質量%以下、好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。
本発明の感光性着色組成物は、着色スペーサー形成用に好適に使用することができ、着色スペーサーとして用いるとの観点からは黒色を呈していることが好ましい。また、その塗膜の膜厚1μm当たりの光学濃度(OD)が1.0以上であることが好ましく、1.2以上であることがより好ましく、1.5以上であることがさらに好ましく、通常4.0以下である。
本発明の感光性着色組成物(以下、「レジスト」と称することがある。)は、常法に従って製造される。
通常、(a)着色剤は、予めペイントコンディショナー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザー等を用いて分散処理するのが好ましい。分散処理により(a)着色剤が微粒子化されるため、レジストの塗布特性が向上する。
このように、レジストを製造する工程において、(a)着色剤、(e)溶剤、及び(f)分散剤を少なくとも含有する顔料分散液を製造することが好ましい。顔料分散液に用いることができる(a)着色剤、(e)有機溶剤、及び(f)分散剤としては、それぞれ感光性着色組成物に用いることができるものとして記載したものを好ましく採用することができる。
サンドグラインダーで(a)着色剤を分散させる場合には、0.1〜8mm程度の粒子径のガラスビーズ又はジルコニアビーズが好ましく用いられる。分散処理条件は、温度は通常0℃から100℃であり、好ましくは室温から80℃の範囲である。分散時間は液の組成及び分散処理装置のサイズ等により適正時間が異なるため適宜調節する。レジストの20度鏡面光沢度(JIS Z8741)が50〜300の範囲となるように、インキの光沢を制御するのが分散の目安である。レジストの光沢度が低い場合には、分散処理が十分でなく荒い顔料(色材)粒子が残っていることが多く、現像性、密着性、解像性等が不十分となる可能性がある。また、光沢値が上記範囲を超えるまで分散処理を行うと、顔料が破砕して超微粒子が多数生じるため、却って分散安定性が損なわれる傾向がある。
次に、上記分散処理により得られたインキと、レジスト中に含まれる、上記の他の成分を混合し、均一な溶液とする。レジストの製造工程においては、微細なゴミが液中に混じることが多いため、得られたレジストはフィルター等により濾過処理するのが望ましい。
本発明の感光性着色組成物を硬化させることで、硬化物を得ることができる。感光性着色組成物を硬化してなる硬化物は、着色スペーサーとして好適に用いることができ、特にフォトリソグラフィー法により高さの異なる着色スペーサーを一括形成するために好適に用いることができる。
次に、本発明の感光性着色組成物を用いた着色スペーサーについて、その製造方法に従って説明する。
着色スペーサーを形成するための支持体としては、適度の強度があれば、その材質は特に限定されるものではない。主に透明基板が使用されるが、材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスルフォンなどの熱可塑性樹脂製シート、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂などの熱硬化性樹脂シート、又は各種ガラスなどが挙げられる。この中でも、耐熱性の観点からガラス、耐熱性樹脂が好ましい。また、基板の表面にITO、IZO等の透明電極が成膜されている場合もある。透明基板以外では、TFTアレイ上に形成することも可能である。
透明基板の厚さは、通常0.05〜10mm、好ましくは0.1〜7mmの範囲とされる。また各種樹脂の薄膜形成処理を行う場合、その膜厚は、通常0.01〜10μm、好ましくは0.05〜5μmの範囲である。
本実施形態の感光性着色組成物は、公知のカラーフィルター用感光性着色組成物と同様の方法により使用されるが、以下着色スペーサー用途の場合について説明する。通常、着色スペーサーが設けられるべき基板上に、感光性着色組成物溶液を塗布等の方法により膜或いはパターン状に供給し、溶剤を乾燥させる。続いて、露光及び現像を行う。フォトリソグラフィー法などによりパターンを形成させる。その後、必要に応じて追露光や熱硬化処理を行うことにより、該基板上に着色スペーサーを形成させる。
(3−1)感光性着色組成物の塗布
本実施形態の感光性着色組成物は、通常溶剤に溶解或いは分散させた状態で、基板上へ供給される。着色スペーサー用の感光性着色組成物の透明基板上への塗布は、スピナー法、ワイヤーバー法、フローコート法、ダイコート法、ロールコート法、又はスプレーコート法などによって行うことができる。中でも、ダイコート法によれば、塗布液使用量が大幅に削減され、かつ、スピンコート法によった際に付着するミストなどの影響が全くなく、異物発生が抑制されるなど、総合的な観点から好ましい。
基板に感光性着色組成物を塗布した後の塗膜の乾燥は、ホットプレート、IRオーブン、又はコンベクションオーブンを使用した乾燥法により行うのが好ましい。乾燥の条件は、前記溶剤成分の種類、使用する乾燥機の性能などに応じて適宜選択することができる。乾燥時間は、溶剤成分の種類、使用する乾燥機の性能などに応じて、通常は、40〜200℃の温度で15秒〜5分間の範囲で選ばれ、好ましくは50〜130℃の温度で30秒〜3分間の範囲で選ばれる。
乾燥温度は、高いほど透明基板に対する塗膜の接着性が向上するが、高すぎると(b)アルカリ可溶性樹脂が分解し、熱重合を誘発して現像不良を生ずる場合がある。なお、この塗膜の乾燥工程は、温度を高めず、減圧チャンバー内で乾燥を行う、減圧乾燥法であってもよい。
画像露光は、感光性着色組成物の塗膜上に、ネガのマスクパターンを重ね、このマスクパターンを介し、紫外線又は可視光線の光源を照射して行う。露光マスクを用いて露光を行う場合には、露光マスクを感光性着色組成物の塗布膜に近接させる方法や、露光マスクを感光性着色組成物の塗布膜から離れた位置に配置し、該露光マスクを介した露光光を投影する方法によっても良い。また、マスクパターンを用いないレーザー光による走査露光方式によっても良い。この際、必要に応じ、酸素による光重合性層の感度の低下を防ぐため、光重合性の塗膜上にポリビニルアルコール層などの酸素遮断層を形成した後に露光を行ってもよい。上記の画像露光に使用される光源は、特に限定されるものではない。光源としては、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、蛍光ランプなどのランプ光源や、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミニウムレーザー、半導体レーザーなどのレーザー光源などが挙げられる。特定の波長の光を照射して使用する場合には、光学フィルターを利用することもできる。光学フィルターには、例えば薄膜で露光波長における光透過率を制御可能なタイプでも良く、その場合の材質としては、例えばCr化合物(Crの酸化物、窒化物、酸窒化物、フッ化物など)、MoSi、Si、W、Al等が挙げられる。
本発明に係る着色スペーサーは、感光性着色組成物による塗膜を、上記の光源によって画像露光を行った後、有機溶剤、又は、界面活性剤とアルカリ性化合物とを含む水溶液を用いる現像によって、基板上に画像を形成して作製することができる。この水溶液には、更に有機溶剤、緩衝剤、錯化剤、染料又は顔料を含ませることができる。
現像の後の基板には、熱硬化処理又は光硬化処理、好ましくは熱硬化処理を施す。この際の熱硬化処理条件は、温度は100〜280℃の範囲、好ましくは150〜250℃の範囲で選ばれ、時間は5〜60分間の範囲で選ばれる。
以上のように形成させた本発明の着色スペーサーの大きさや形状等は、カラーフィルターの仕様等によって適宜調整される。ただし、本発明の感光性着色組成物は、上述したようにフォトリソグラフィー法によりスペーサーとサブスペーサーの高さの異なる着色スペーサーを一括形成するのに有効であり、スペーサーの高さは通常2〜7μm程度であり、サブスペーサーは、スペーサーよりも通常0.2〜1.5μm程度低い高さを有する。
本発明のカラーフィルターは、上述のような本発明の着色スペーサーを備えるものであり、例えば透明基板としてのガラス基板上に、ブラックマトリクスと、赤色、緑色、青色の画素着色層と、オーバーコート層とが積層されて、着色スペーサーを形成した後配向膜を形成して製造される。配向膜としては、ポリイミド等の樹脂膜が好適である。
本発明の画像表示装置としては、画像や映像を表示する装置であれば特に限定は受けないが、後述する液晶表示装置や有機EL(Electro Luminesence)ディスプレイ等が挙げられる。
本発明の液晶表示装置は、上述の本発明の着色スペーサーを用いて作製されたものであり、カラー画素やブラックマトリクスの形成順序や形成位置等特に制限を受けるものではない。
例えば、TFT素子基板上に、ブラックマトリクスを設け、赤色、緑色、青色の画素を形成し、必要に応じてオーバーコート層を形成した後に、更にその上に、画像上にITO、IZO等の透明電極を形成して、カラーディスプレー、液晶表示装置などの部品の一部として使用される。また一部、平面配向型駆動方式(IPSモード)などの用途においては、透明電極を形成しないこともある。
周辺をシールされた液晶セルは、パネル単位に切断した後、真空チャンバー内で減圧とし、上記液晶注入口を液晶に浸漬した後、チャンバー内をリークすることによって、液晶を液晶セル内に注入する。液晶セル内の減圧度は、通常、1×10-2〜1×10-7Paであるが、好ましくは1×10-3〜1×10-6Paである。また、減圧時に液晶セルを加温するのが好ましく、加温温度は通常30〜100℃であり、より好ましくは50〜90℃である。減圧時の加温保持は、通常10〜60分間の範囲とされ、その後液晶中に浸漬される。液晶を注入した液晶セルは、液晶注入口を硬化させたUV硬化樹脂で封止することによって、液晶表示装置(パネル)が完成する。
以下の実施例及び比較例で用いた感光性着色組成物の構成成分は次の通りである。
BASF社製、Irgaphor(登録商標) Black S 0100 CF(下記式(2)で表される化学構造を有する)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート145質量部を窒素置換しながら攪拌し、120℃に昇温した。ここにスチレン10質量部、グリシジルメタクリレート85.2質量部およびトリシクロデカン骨格を有するモノアクリレート(日立化成社製FA−513M)66質量部を滴下し、および2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル8.47質量部を3時間かけて滴下し、更に90℃で2時間攪拌し続けた。次に反応容器内を空気置換に変え、アクリル酸43.2質量部にトリスジメチルアミノメチルフェノール0.7質量部およびハイドロキノン0.12質量部を投入し、100℃で12時間反応を続けた。その後、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)56.2質量部、トリエチルアミン0.7質量部を加え、100℃3.5時間反応させた。こうして得られたアルカリ可溶性樹脂−IのGPCにより測定した重量平均分子量Mwは約8400、酸価は80mgKOH/gであった。
日本化薬(株)製「ZCR−1642H」(MW=6500、酸価=98mg−KOH/g)
<アルカリ可溶性樹脂−III>
樹脂溶液が透明になったところで、メトキシブチルアセテートで希釈し、固形分50質量%となるよう調製し、酸価131mgKOH/g、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)4000のカルボキシル基含有エポキシアクリレート樹脂を得た。
ビックケミー社製「DISPERBYK−LPN21116」(側鎖に4級アンモニウム塩基及び3級アミノ基を有するAブロックと、4級アンモニウム塩基及びアミノ基を有さないBブロックからなる、アクリル系A−Bブロック共重合体)
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
<溶剤−II>
MB:3−メトキシブタノール
以下の化学構造を有する化合物を用いた。
DPHA:日本化薬(株)製 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
日本化薬(株)製、KAYAMER PM−21(メタクリロイル基含有ホスフェート)
東レ・ダウコーニング(株)製 SH6040
DIC(株)製 メガファック F−559
単位膜厚当たりの光学濃度は以下の手順にて測定した。
まず、調製した感光性着色組成物を最終的な膜厚が2μmとなるようにスピンコーターにてガラス基板に塗布し、1分間減圧乾燥した後に、ホットプレートで80℃にて70秒間乾燥した。230℃で20分間加熱する事で、レジスト塗工基板を得た。得られた基板の光学濃度(OD)を透過濃度計グレタグマクベスD200−IIによって測定し、膜厚を(株)菱化システム製非接触表面・層断面形状計測システム VertScan(R)2.0により測定し、光学濃度(OD)及び膜厚から、単位膜厚当たりの光学濃度を算出した。なお、OD値は遮光能力を示す数値であり、数値が大きい程高遮光性であることを示す。
N−メチルピロリドン(NMP)溶出試験は以下の手順にて行った。
まず、調製した感光性着色組成物を最終的な膜厚が2μmとなるようにスピンコーターにてガラス基板に塗布し、1分間減圧乾燥した後にホットプレート80℃で70秒間乾燥した。露光及び現像工程を経てからオーブン230℃で20分間加熱してレジスト塗工基板を得た。作製したレジスト塗工基板から測定用基板(2.5cm×1.0cm角)2枚を切り出してN−メチルピロリドン(NMP)8mL入りの10mL用バイアル瓶に浸漬した。そして、その測定用基板入りのバイアル瓶を80℃の熱浴に、40分間静置した状態でNMP溶出試験を実施した。40分静置後に熱浴からバイアル瓶を取り出して、そのNMP溶出溶液を分光光度計(島津製作所社製「UV−3100PC」)により300〜800nmの波長範囲で1nmおきに吸光度を測定した。光源には、ハロゲンランプ及び重水素ランプ(切り替え波長360nm)を使用して、検出器には、フォトマルを使用しており、スリット幅2nmを測定条件としている。また、液体の場合には、試料溶液を1cm角の石英セルに入れて測定する。吸光度とは、分光法において、ある物体を光が通過した際に光強度がどの程度減衰するかを示す無次元量であり、以下の式で定義される。
○: 30(nm)未満
△: 30(nm)以上50(nm)未満
×: 50(nm)以上
表1に記載の顔料、分散剤、アルカリ可溶性樹脂、及び溶剤を、表1に記載の質量比となるように混合した。この溶液をペイントシェーカーにより25〜45℃の範囲で3時間分散処理を行った。ビーズとしては、0.5mmφのジルコニアビーズを用い、分散液の2.5倍の質量を加えた。分散終了後、フィルターによりビーズと分散液を分離して、顔料分散液−1及び2を調製した。
上記調製した顔料分散液を用いて、固形分中の比率が表2の配合割合となるように各成分を加え、さらに固形分が17質量%となるようにPGMEAを加え、攪拌、溶解させて、感光性着色組成物を調製した。調製した組成物の固形分比率を表2に示す。また、前述の方法にて測定した単位OD値及びNMP溶出試験結果を表2に示す。なお、表2中の感光性着色組成物の質量部は、固形分の質量を示す。
Claims (14)
- (a)着色剤、(b)アルカリ可溶性樹脂、(c)光重合開始剤、(d)エチレン性不飽和化合物、(e)溶剤、及び(f)分散剤を含有する感光性着色組成物であって、
前記(a)着色剤が、下記一般式(1)で表される化合物、その幾何異性体、その塩、またはその幾何異性体の塩である有機黒色顔料を含み、
前記(c)光重合開始剤が、下記一般式(I)で表されるジフェニルスルフィド骨格を有するオキシムエステル系化合物を含むことを特徴とする感光性着色組成物。
R2、R3、R4、R5、R7、R8、R9およびR10は他の全てから互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、R11、COOH、COOR11、COO-、CONH2、CONHR11、CONR11R12、CN、OH、OR11、COCR11、OOCNH2、OOCNHR11、OOCNR11R12、NO2、NH2、NHR11、NR11R12、NHCOR12、NR11COR12、N=CH2、N=CHR11、N=CR11R12、SH、SR11、SOR11、SO2R11、SO3R11、SO3H、SO3 -、SO2NH2、SO2NHR11またはSO2NR11R12である;
且つ、R2とR3、R3とR4、R4とR5、R7とR8、R8とR9、及びR9とR10からなる群
から選ばれる少なくとも1つの組み合わせは、互いに直接結合し、または酸素原子、硫黄原子、NH若しくはNR11ブリッジによって互いに結合することもできる;
R11およびR12は互いに独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルケニル基または炭素数2〜12のアルキニル基である。]
R24は、メチル基を表す。
R25は、水酸基、カルボキシル基又は下記一般式(I−1)で表される基を表し、hは0〜5の整数を表す。
式(I)中に示されるベンゼン環はさらに置換基を有していてもよい。]
R25bは、置換基を有していてもよいアルキレン基を表す。
R25bのアルキレン部分は、−O−、−S−、−COO−又は−OCO−により1〜5回中断されていてもよい。R25のアルキレン部分は分岐側鎖があってもよく、シクロヘキシレンであってもよい。
R25cは、水酸基又はカルボキシル基を表す。] - 前記(a)着色剤が、更に橙色顔料及び青色顔料を含む、請求項1に記載の感光性着色組成物。
- 前記橙色顔料が下記(a−1)に示す橙色顔料であり、かつ、前記青色顔料が下記(a−2)に示す青色顔料である、請求項2に記載の感光性着色組成物。
(a−1) C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ72からなる群から選ばれる少なくとも1種
(a−2) C.I.ピグメントブルー60 - 前記(a)着色剤が、更に下記(a−3)に示す紫色顔料を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性着色組成物。
(a−3) C.I.ピグメントバイオレット23及びC.I.ピグメントバイオレット29からなる群から選ばれる少なくとも1種 - 前記(a)着色剤が、更に下記(a−4)に示す群から選ばれる少なくとも1種の有機着色顔料を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性着色組成物。
(a−4)
青色顔料:C.I.ピグメントブルー15:6
赤色顔料:C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド272 - 前記(a)着色剤が、更にカーボンブラックを含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性着色組成物。
- 前記(a)着色剤の含有割合が、感光性着色組成物中の全固形分量に対して10質量%以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の感光性着色組成物。
- 前記(a)着色剤の含有割合が、感光性着色組成物中の全固形分量に対して50質量%以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の感光性着色組成物。
- 硬化した塗膜の膜厚1μm当たりの光学濃度が1.0以上である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の感光性着色組成物。
- 着色スペーサーを形成するために用いる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の感光性着色組成物。
- フォトリソグラフィー法により高さの異なる着色スペーサーを一括形成するために用いる、請求項10に記載の感光性着色組成物。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の感光性着色組成物を硬化して得られる硬化物。
- 請求項12に記載の硬化物から形成される着色スペーサー。
- 請求項13に記載の着色スペーサーを備える画像表示装置。
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