JP6526109B2 - 画像形成装置及びカートリッジ - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ装置などの画像形成装置、その画像形成装置にて用いられるカートリッジに関するものである。
従来、電子写真方式を用いた画像形成装置において、感光体(電子写真感光体)を帯電させる方式として、感光体に接触させた帯電部材に電圧を印加することで感光体を帯電させる接触帯電方式がある。帯電部材としては、ローラ状の帯電ローラが用いられることが多い。帯電ローラは、例えば、導電性支持体の外周に導電性弾性体層が設けられ、該導電性弾性体層の表面に導電性の表層が被覆された構成とされる。
接触帯電方式では、感光体と帯電部材との間の微小空隙において発生する放電によって感光体の表面が帯電させられる。接触帯電方式には、帯電部材に直流電圧と交流電圧とを重畳した電圧を印加する「AC帯電方式」と、帯電部材に直流電圧のみを印加する「DC帯電方式」とがある。放電により感光体の表面を帯電させる構成では、感光体の表面に放電生成物が付着し、感光体の表面の摩擦係数が上昇する。これにより、感光体の表面と、感光体の表面に当接するクリーニング部材と、の摩擦力が増加し、感光体の表面の削れが増大することがある。
一方、従来、感光体の表面層として弾性変形率の高い「保護層」を設けるなどして感光体の表面層を高硬度化することで、感光体の表面の削れを抑制して感光体の長寿命化を図ることが行われている(特許文献1)。しかし、感光体の表面の削れを抑制し過ぎると、感光体の表面に付着した放電生成物が画像に影響することがある。これは、放電生成物が潮解性の高い特性を有することに起因する。
AC帯電方式を採用し感光体の表面層が高硬度化された構成では、主に高湿環境下で感光体の表面が低抵抗化して静電像を保持できなくなる「画像流れ」が発生することがある。そこで、放電生成物の除去などのために、感光体の表面を研磨する手段や、感光体の表面に潤滑剤を塗布する手段を設けた構成がある(特許文献2)。しかし、このように放電生成物の除去などのための構成を設けることは、画像形成装置の小型化や低コスト化を妨げる一因となる。
これに対し、DC帯電方式は、AC帯電方式よりも放電量が少ない。そのため、DC帯電方式を採用し感光体の表面層が高硬度化された構成とすれば、感光体の表面の削れを抑制して感光体の長寿命化を図ると共に、放電生成物の除去などのための構成を設ける必要性を低減して低コスト化を図ることができると考えられる。
特開2006−53168号公報 特開平11−2996号公報
しかしながら、DC帯電方式でも、AC帯電方式と比べて少ないものの、感光体の表面への放電生成物の付着は生じ、感光体の表面は低抵抗化する。そして、本発明者らの検討によると、DC帯電方式を採用し感光体の表面層が高硬度化された構成では、その放電生成物に起因して感光体と帯電部材との接触部において電荷注入現象が発生し、画像を乱してしまうことがあることがわかった。
したがって、本発明の目的は、DC帯電方式を採用し感光体の表面層が高硬度化された構成において、感光体と帯電部材との接触部における電荷注入現象に起因する画像不良を抑制することのできる画像形成装置及びカートリッジを提供することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置及びカートリッジにて達成される。要約すれば、本発明は、回転可能で有機材料を用いた感光体と、前記感光体に接触し前記感光体を帯電させる帯電部材と、前記帯電部材に直流電圧を印加する電源と、を有し、前記感光体の表面の、弾性変形仕事量を全仕事量で除した値が47%以上である画像形成装置であって、前記感光体と前記帯電部材とのニップ部における前記感光体の回転方向の幅を接触幅X[mm]、前記ニップ部における単位面積あたりの前記感光体と前記帯電部材とが接触している部分の面積の比率を接触面積率α、前記感光体の周速度を周速度v[mm/s]としたとき、次式、接触幅X×接触面積率α×(120[mm/s]/周速度v)≦0.1[mm]を満たすことを特徴とする画像形成装置である。
本発明の他の態様によると、画像形成装置の装置本体に対して着脱可能であり、回転可能で有機材料を用いた感光体と、前記感光体に接触し直流電圧が印加されて前記感光体を帯電させる帯電部材と、を有し、前記感光体の表面の、弾性変形仕事量を全仕事量で除した値が47%以上であるカートリッジであって、前記感光体と前記帯電部材とのニップ部における前記感光体の回転方向の幅を接触幅X[mm]、前記ニップ部における単位面積あたりの前記感光体と前記帯電部材とが接触している部分の面積の比率を接触面積率α、前記感光体の周速度を周速度v[mm/s]としたとき、次式、接触幅X×接触面積率α×(120[mm/s]/周速度v)≦0.1[mm]を満たすことを特徴とするカートリッジが提供される。
本発明によれば、DC帯電方式を採用し感光体の表面層が高硬度化された構成において、感光体と帯電部材との接触部における電荷注入現象に起因する画像不良を抑制することができる。
画像形成装置の模式的な断面図である。 画像形成部、感光ドラム及び帯電ローラの模式的な断面図である。 帯電ローラ印加電圧と感光ドラムの表面電位との関係を示すグラフ図である。 弾性変形率の測定方法を説明するためのグラフ図である。 固定電圧印加時の電荷注入量測定結果を示すグラフ図である。 複数電圧印加時の電荷注入量測定結果を示すグラフ図である。 画像形成時の電荷注入現象を説明するための模式図である。 接触面積率の測定器を説明するための模式図である。 接触面積率の数値化を説明するための模式図である。 帯電ローラの表層の模式的な断面図である。 接触幅と接触面積率との積と電荷注入電位との関係を示すグラフ図である。 帯電ローラの表面粗さと接触面積率との関係を示すグラフ図である。 感光ドラムの表面のフィッティング例を示す模式図である。 感光ドラムの表面の特定凹部の形状を説明するための模式図である。
以下、本発明に係る画像形成装置及びカートリッジを図面に則して更に詳しく説明する。
[実施例1]
1.画像形成装置の全体的な構成及び動作
図1は、本実施例の画像形成装置の模式的な断面図である。本実施例の画像形成装置100は、電子写真方式を用いてフルカラー画像を形成することのできる、中間転写方式を採用したタンデム型(インライン方式)の複写機、プリンタ、ファクシミリ装置の機能を備えた複合機である。本実施例の画像形成装置100は、接触帯電方式、特に、DC帯電方式を採用し、感光体の表面層として硬化系の保護層が設けられた構成とされている。そして、この画像形成装置100は、最大A3サイズの転写材Pに画像を形成することができる。
画像形成装置100は、複数の画像形成部として、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の画像を形成する第1、第2、第3、第4の画像形成部SY、SM、SC、SKを有する。なお、各画像形成部SY、SM、SC、SKにおいて同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、いずれかの色用の要素であることを表す符号の末尾のY、M、C、Kを省略して総括的に説明することがある。図2(a)は、代表して1つの画像形成部Sを示す模式的な断面図である。本実施例では、画像形成部Sは、後述する感光ドラム1、帯電ローラ2、露光装置3、現像装置4、一次転写ローラ5、ドラムクリーニング装置6などを有して構成される。
画像形成装置100は、像担持体としての回転可能なドラム型(円筒形)の感光体である感光ドラム1を有する。感光ドラム1は、駆動手段としての駆動モータ(図示せず)によって図中矢印R1方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。回転する感光ドラム1の表面は、帯電手段としてのローラ型の帯電部材である帯電ローラ2によって、所定の極性(本実施例では負極性)の所定の電位に一様に帯電処理される。帯電工程時に、帯電ローラ2には、帯電電源(高圧電源回路)E1から、直流電圧(DC電圧、DC成分)のみからなる帯電電圧(帯電バイアス)が印加される。帯電処理された感光ドラム1の表面は、露光手段(静電像形成手段)としての露光装置3によって走査露光され、感光ドラム1上に静電像(静電潜像)が形成される。露光装置3は、半導体レーザーを用いたレーザービームスキャナである。
感光ドラム1上に形成された静電像は、現像手段としての現像装置4によって現像剤を用いて現像(可視化)され、感光ドラム1上にトナー像が形成される。本実施例では、一様に帯電処理された後に露光されることで電位の絶対値が低下した感光ドラム1上の露光部に、感光ドラム1の帯電極性(本実施例では負極性)と同極性に帯電したトナーが付着する。つまり、本実施例では、現像時のトナーの帯電極性であるトナーの正規の帯電極性は負極性である。本実施例では、現像装置4は、現像剤としてトナー(非磁性トナー粒子)とキャリア(磁性キャリア粒子)とを備えた二成分現像剤を用いる。現像装置4は、現像剤4eを収容する現像容器4aと、現像容器4aの開口部から一部が外部に露出するように現像容器4aに回転可能に設けられた、非磁性の中空円筒部材で形成された現像スリーブ4bと、を有する。現像スリーブ4bの内部(中空部)には、マグネットローラ4cが現像容器4aに対し固定されて配置されている。また、現像容器4aには、現像スリーブ4bと対向するように規制ブレード4dが設けられている。また、現像容器4a内には2つの攪拌部材(攪拌スクリュー)4fが設けられている。現像容器4aには、トナーホッパー4gから適宜トナーが補給される。マグネットローラ4cの磁力により現像スリーブ4b上に担持された現像剤4eは、現像スリーブ4bの回転に伴って規制ブレード4dによって量が規制された後に、感光ドラム1との対向部(現像部)に搬送される。現像部に搬送された現像スリーブ4b上の現像剤4eは、マグネットローラ4cの磁力によって穂立ちして磁気ブラシ(磁気穂)を形成し、感光ドラム1の表面に接触又は近接させられる。また、現像工程時に、現像スリーブ4bには、現像電源(高圧電源回路)E2から、現像電圧(現像バイアス)として直流電圧(DC電圧、DC成分)と交流電圧(AC電圧、AC成分)とが重畳された振動電圧が印加される。本実施例では、直流電圧は−550V、交流電圧の周波数は8kHz、交流電圧のピーク間電圧Vppは1800Vである。これにより、感光ドラム1上の静電像に応じて、現像スリーブ4b上の磁気ブラシから感光ドラム1上にトナーが移動して、感光ドラム1上にトナー像が形成される。
各感光ドラム1と対向するように、中間転写体としての無端状のベルトで構成された中間転写ベルト7が配置されている。中間転写ベルト7は、複数の張架ローラとしての駆動ローラ71、テンションローラ72及び二次転写対向ローラ73に掛け渡されて所定の張力で張架されている。中間転写ベルト7は、駆動ローラ71が回転駆動されることで、図中矢印R2方向に感光ドラム1の周速度と略同一の周速度で回転(周回移動)する。中間転写ベルト7の内周面側には、各感光ドラム1に対応して、一次転写手段としてのローラ型の一次転写部材である一次転写ローラ5が配置されている。一次転写ローラ5は、中間転写ベルト7を介して感光ドラム1に向けて押圧され、感光ドラム1と中間転写ベルト7とが接触する一次転写部(一次転写ニップ)T1を形成する。上述のように感光ドラム1上に形成されたトナー像は、一次転写部T1において、一次転写ローラ5の作用によって中間転写ベルト7上に一次転写される。一次転写工程時に、一次転写ローラ5には、一次転写電源(高圧電源回路)E3から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性の直流電圧である一次転写電圧(一次転写バイアス)が印加される。本実施例では、一次転写電圧は+500Vに設定されている。例えば、フルカラー画像の形成時には、各感光ドラム1上に形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像が、中間転写ベルト7上に重ね合わされるようにして順次転写される。
中間転写ベルト7の外周面側において、二次転写対向ローラ73と対向する位置には、二次転写手段としてのローラ型の二次転写部材である二次転写ローラ8が配置されている。二次転写ローラ8は、中間転写ベルト7を介して二次転写対向ローラ73に向けて押圧され、中間転写ベルト7と二次転写ローラ8とが接触する二次転写部(二次転写ニップ)T2を形成する。上述のように中間転写ベルト7上に形成されたトナー像は、二次転写部T2において、二次転写ローラ8の作用によって、中間転写ベルト7と二次転写ローラ8とに挟持されて搬送される記録用紙などの転写材(シート、記録材)Pに二次転写される。二次転写工程時に、二次転写ローラ8には、二次転写電源(高圧電源回路)E4から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性の直流電圧である二次転写電圧(二次転写バイアス)が印加される。
転写材Pは、給送装置(図示せず)によって1枚ずつ送り出されてレジストローラ対9まで搬送され、レジストローラ対9によって中間転写ベルト7上のトナー像とタイミングが合わされて二次転写部T2へと供給される。また、トナー像が転写された転写材Pは、定着手段としての定着装置10に搬送され、定着装置10によって加熱及び加圧されることでトナー像が定着(溶融固着)される。その後、転写材Pは、画像形成装置100の装置本体110の外部に排出(出力)される。
一方、一次転写時に感光ドラム1上に残留したトナー(一次転写残トナー)は、感光体クリーニング手段としてのドラムクリーニング装置6によって感光ドラム1上から除去されて回収される。ドラムクリーニング装置6は、クリーニング部材としてのクリーニングブレード6aと、クリーニング容器6bと、を有する。ドラムクリーニング装置6は、感光ドラム1に当接して配置されたクリーニングブレード6aによって、回転する感光ドラム1の表面を摺擦する。これによって、感光ドラム1上の一次転写残トナーは感光ドラム1上から掻き取られてクリーニング容器6b内に収容される。また、中間転写ベルト7の外周面側において、駆動ローラ71と対向する位置に、中間転写体クリーニング手段としてのベルトクリーニング装置74が配置されている。二次転写工程時に中間転写ベルト7上に残留したトナー(二次転写残トナー)は、ベルトクリーニング装置74によって中間転写ベルト7上から除去されて回収される。
本実施例では、各画像形成部Sにおいて、感光ドラム1と、帯電ローラ2と、ドラムクリーニング装置6とは、一体的に装置本体110に対して着脱可能なカートリッジ(ドラムカートリッジ)11を構成している。
2.感光体及び帯電部材
次に、本実施例における感光体及び帯電部材について更に詳しく説明する。
<感光体>
図2(b)は、感光ドラム1及び帯電ローラ2の層構成を示す模式的な断面図である。本実施例では、感光ドラム1は、光導電性物質(電荷発生物質や電荷輸送物質)として有機材料を用いた、負帯電性のドラム状の有機感光体(OPC)である。本実施例では、感光ドラム1の外径は30mmであり、転写材Pとして普通紙に画像を形成する際には感光ドラム1は120mm/sの周速度(プロセススピード)で回転駆動される。図2(b)に示すように、感光ドラム1は、基体(導電性基体)1aの上に、電荷発生層1b、電荷輸送層1c、保護層1dがこの順番で下から設けられた積層構造を有する。本実施例では、基体1aは、アルミニウム製シリンダで構成されている。また、基体1aと電荷発生層1bとの間に、光の干渉を抑え上層の接着性を向上させる下引き層などが設けられていてもよい。
本実施例では、感光ドラム1の長寿命化を図るために、感光ドラム1の表面層(感光ドラム1の最表面に位置する層(最外層))の高硬度化が行われている。本実施例では、感光ドラム1の表面層として、結着樹脂として硬化性の樹脂を用いて形成される保護層1dが設けられている。特に、本実施例では、保護層1dは、結着樹脂として硬化性フェノール樹脂を用いて形成されている。なお、感光ドラム1の表面層の結着樹脂は、本実施例のものに限定されず、利用可能な任意の硬化性樹脂を用いることができる。例えば、炭素−炭素二重結合を有するモノマーを熱又は光のエネルギーを用いて硬化させて得られる硬化膜を感光ドラム1の表面層とする技術が知られている。また、本実施例では、感光ドラム1の表面層は保護層とされているが、この保護層は導電性粒子を含有していてもよい。また、感光ドラム1の表面層は、保護層としての機能の他、電荷輸送物質を含有した電荷輸送層(より下層の電荷輸送層とは別の電荷輸送層であっても、実質的に単一の電荷輸送層であってもよい。)の機能を有していてもよい。
<帯電部材>
図2(b)に示すように、帯電ローラ2は、支持体(導電性支持体、芯金)2aの回転軸線方向の両端部がそれぞれ軸受け部材(図示せず)により回転自在に保持されている。また、帯電ローラ2は、支持体2aの回転軸線方向の両端部の軸受け部材がそれぞれ付勢手段としての押圧ばね2eによって感光ドラム1の回転中心方向に付勢されることで、感光ドラム1の表面に所定の押圧力で圧接させられている。そして、帯電ローラ2は、感光ドラム1の回転に伴って従動して回転する。本実施例では、帯電ローラ2の回転軸線方向(長手方向)の長さは320mmである。
帯電ローラ2は、感光ドラム1の表面に接触して接触部(圧接部)を形成する。巨視的に見た場合の感光ドラム1と帯電ローラ2との接触部を「帯電ニップ部N」と呼ぶ。なお、微視的に見た場合の実際に感光ドラム1と帯電ローラ2とが接触している部分については後述する。帯電ニップ部Nから感光ドラム1の回転方向の上流側及び下流側に離れるにしたがって、感光ドラム1と帯電ローラ2との間の空隙(帯電ギャップ部)は広がっていく。感光ドラム1の回転方向において帯電ニップ部Nの上流側の微小空隙を「上流側帯電ギャップ部A1」と呼ぶ。また、感光ドラム1の回転方向における帯電ニップ部Nの下流側の微小空隙を「下流側帯電ギャップ部A2」と呼ぶ。
感光ドラム1の表面の帯電処理は、上流側帯電ギャップ部A1又は下流側帯電ギャップ部A2の少なくとも一方(本実施例では主に上流側帯電ギャップ部A1)における帯電ローラ2と感光ドラム1との間で発生する放電によって行われる。図3は、帯電ローラ2に印加する直流電圧と、感光ドラム1の表面電位と、の関係を示すグラフ図である。帯電ローラ2に絶対値が閾値電圧以上の負極性の電圧を印加することで、感光ドラム1の表面は放電により帯電処理される。本実施例では、帯電ローラ2に絶対値が約600V以上の負極性の電圧を印加すると、感光ドラム1の表面電位の絶対値が上昇を始める。帯電ローラ2に印加する電圧の絶対値が約600V以上の負極性の電圧の範囲では、帯電ローラ2に印加した電圧の絶対値に対して略線形の関係を保ちながら、感光ドラム1の表面電位の絶対値は上昇する。例えば、帯電ローラ2に−900Vを印加すると、感光ドラム1の表面電位は−300Vとなる。また、帯電ローラ2に−1100Vを印加すると、感光ドラム1の表面電位は−500Vとなる。この閾値電圧(−600V)を「放電開始電圧(帯電開始電圧)Vth」と呼ぶ。つまり、感光ドラム1の表面をVd(暗部電位)に帯電させるためには、帯電ローラ2にVd+Vthの直流電圧を印加する必要がある。具体的には、帯電電源E1からVd+Vthの直流電圧が帯電ローラ2の支持体2aに印加されることで、感光ドラム1の表面電位はVdとなる。本実施例では、帯電ローラ2によって帯電処理されて形成される感光ドラム1の表面電位Vd(暗部電位)は−700Vに設定されている。そのため、画像形成時には、帯電電源E1から帯電ローラ2に−1300Vの直流電圧が印加される。なお、本実施例では、露光装置3によりレーザー光が照射されて形成される感光ドラム1の表面電位VL(明部電位)は−150Vに設定されている。
ここで、帯電ローラ2が感光ドラム1を放電によって帯電させる帯電ギャップ部の感光ドラム1の回転方向の幅は、帯電ローラ2に印加される電圧によって変わる。つまり、帯電ギャップ部は、放電が発生することによって感光ドラム1を帯電させる部分を指すが、電圧を印加したときに放電が発生するための微小空隙はパッシェン則に従って変化する。なお、感光ドラム1の回転を停止させた状態で帯電ローラ2に電圧を印加した場合に帯電させられる感光ドラム1の表面に対応する感光ドラム1と帯電ローラ2との間の空隙が、帯電ギャップ部に相当する。
図2(b)に示すように、帯電ローラ2は、支持体(芯金)2aの上に、基層(導電性弾性体層)2b、表層(最外層)2cがこの順番で下から設けられた積層構造を有する。支持体2aは、本実施例では金属製(鉄にクロムメッキが施されたもの)のシャフトである。基層2bは、帯電部材の基層として適したゴムや熱可塑性エラストマーなどで形成することができる。具体的には、基層2bは、ヒドリン系のゴム材料(エピクロルヒドリン)やウレタン系のゴム材料(ポリウレタン)を使用して形成することができる。基層2bは、帯電ローラ2と感光ドラム1との接触状態を安定化させる。また、表層2cは、帯電部材の表面を形成する材料として適した樹脂材料で形成することができる。具体的には、表層2cは、アクリル系の樹脂材料やナイロン系の樹脂材料を使用して形成することができる。表層2cは、感光ドラム1に対する耐摺擦摩耗を帯電ローラ2に付与する。加えて、表層2cは、感光ドラム1上にピンホールなどがあった場合に電流リークを抑制する役割、トナーやトナーに外添された外添剤による帯電ローラ2の汚染を抑制する役割を有する。特に、本実施例では、基層2bはエピクロルヒドリンを使用して形成されており、表層2cはアクリル樹脂を使用して形成されている。なお、基層2b、表層2cには、それぞれ導電剤を添加することにより、導電性を付与又は調整することができる。
図10は、表層2cの模式的な拡大断面図である。表層2cを形成する材料には、表層粒子21が分散されている。この表層2cとなる導電性樹脂層中に添加する(含有させる)表層粒子21としては、上記導電剤以外の絶縁性粒子(1010Ω・cm以上)である有機粒子、あるいは無機粒子を用いることができる。有機粒子としては、アクリル樹脂、アクリル・スチレン共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーンゴム粒子、エポキシ樹脂粒子などが挙げられる。このうちアクリル樹脂あるいはアクリル/スチレンの共重合体樹脂を用いることが、表層2cの材料の剛性をあまり変化させないことから特に好ましい。無機粒子としては、例えば炭酸カルシウム、クレー、タルク及びシリカなどが挙げられる。なお、無機粒子を溶剤系塗料中で使用する場合は、塗料中に易分散するように疎水性の表面処理が施されていることが好ましい。また、有機粒子についても同様に、表層2cの樹脂材料との相溶性が良好なものを選択した方が、凝集を起こしにくいので好ましい。本実施例では、表層2cに分散させる表層粒子21によって、後述する接触面積率αを制御する。表層粒子21の平均粒子径は、2〜30μm程度の範囲内で適宜選択することができる。本実施例では、表層粒子21の平均粒子径は5μmである。
なお、上記表層粒子21の平均粒子径は、中心粒子径であり、次のような方法で測定することができる。測定装置としては、コールターカウンターのマルチサイザーII型(コールター社製)を用い、個数分布と体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びCX−1パーソナルコンピューター(キヤノン製)を接続し、電解液は特級又は一級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。測定法としては上記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、上記コールターカウンターのマルチサイザーII型により、アパーチャーとして、100μmアパーチャーを用いて測定する。測定対象粒子の体積、個数を測定して、体積分布と、個数分布とを算出する。そして、体積基準の粒子分布の50%の粒子径D50を平均粒子径たる中心粒子径として用いることができる。
表層2cの形成方法は、特に制限されるものではないが、各成分を含む塗料を調製し、この塗料をディッピング法やスプレー法により塗布して塗膜を形成する方法が好ましく用いられる。本実施例では、表層2cを形成する樹脂材料に表層粒子21を混ぜ、基層2bの表面にスプレーコートで塗布することで、表層2cを形成した。
3.感光ドラムの弾性変形率
本実施例では、感光ドラム1は、最表層に硬化系の保護層1dを有する。そして、本実施例では、感光ドラム1の表面の弾性変形率は47%以上(特に、本実施例では弾性変形率は48%)とされる。これにより、感光ドラム1とクリーニングブレード6aとの摩擦による感光ドラム1の表面の削れが抑制され、感光ドラム1の長寿命化が図られている。
感光ドラム1の表面の弾性変形率は、25℃/50%RH(相対湿度)の環境下で、微小硬さ測定装置フィシャースコープH100V(Fischer社製)を用いて測定した値である。このフィシャースコープH100Vは、測定対象(感光ドラム1の表面)に圧子を当接させ、この圧子に連続的に荷重をかけ、荷重下での押し込み深さを直読することにより、連続的硬さを求めることのできる装置である。圧子としては対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用い、圧子に連続的にかける荷重の最終(最終荷重)は6mNとし、圧子に最終荷重6mNをかけた状態を保持する時間(保持時間)は0.1秒とした。また、測定点は273点とした。
図4は、感光ドラム1の表面の弾性変形率の測定方法を説明するためのグラフ図である。図4において、縦軸は圧子にかけた荷重F(mN)を示し、横軸は圧子の押し込み深さh(μm)を示す。図4は、圧子にかける荷重を段階的に増加させて最終的に荷重を最大(ここでは6mN)とし(A→B)、その後段階的に荷重を減少させた(B→C)ときの結果を示している。弾性変形率は、圧子が測定対象(感光ドラム1の表面)に対して行った仕事量(エネルギー)、すなわち、圧子の測定対象(感光ドラム1の表面)に対する荷重の増減によるエネルギーの変化より求めることができる。具体的には、弾性変形仕事量Weを全仕事量Wtで除した値(We/Wt)が弾性変形率(百分率[%]で表すものとする。)である。なお、全仕事量Wtは図4中のA−B−D−Aで囲まれる領域の面積であり、弾性変形仕事量Weは図4中のC−B−D−Cで囲まれる領域の面積である。
感光ドラム1の表面の弾性変形率が小さすぎると、感光ドラム1の表面の弾性力が不足して、感光ドラム1とクリーニングブレード6aなどの当接部材との当接部での感光ドラム1の表面の摩耗が発生しやすくなる。上述の方法で測定した本実施例の感光ドラム1の表面の弾性変形率は48%である。この保護層1dを有し表面の弾性変形率が48%の感光ドラム1について所定の条件で耐久性の評価を行った。その結果、感光ドラム1の表面の削れは、プリント枚数10万枚あたり0.5μmであった。一方、保護層1dを有しておらず表面の弾性変形率が46%の比較例の感光ドラム1について同じ条件で耐久性の評価を行った結果、感光ドラム1の表面の削れは、プリント枚数1万枚あたり1.0μmであった。つまり、この比較例の感光ドラム1は、本実施例の感光ドラム1よりも20倍削れ易いことが分かった。本実施例では、保護層1dの膜厚は3.0μmである。したがって、本実施例では、感光ドラム1が寿命に達するプリント枚数は、50万枚程度となる。また、表面の弾性変形率を47%とした感光ドラム1について同じ条件で耐久性の評価を行った結果、比較例の感光ドラム1と比較して10倍以上削れ難く、十分に感光ドラム1の長寿命化を図れることがわかった。
この結果から、感光ドラム1の表面の弾性変形率が47%以上である場合、感光ドラム1の削れを十分に抑制して、感光ドラム1を十分に長寿命化することが可能となることが分かった。
また、感光ドラム1の表面の弾性変形率が大きすぎると、感光ドラム1の表面の塑性変形量も大きくなり、感光ドラム1とクリーニングブレード6aなどの当接部材との当接部で感光ドラム1の表面に細かい傷が発生しやすくなる。本発明者らの検討によれば、感光ドラム1の表面の弾性変形率は60%以下であることが好ましいことがわかった。なお、感光ドラム1の表面の弾性変形率は、材料及び製造条件の組合せにより調整することができる。
4.電荷注入現象
上述のように感光ドラム1に保護層1dを設けた構成では、感光ドラム1の表面の削れを抑制して感光ドラム1の長寿命化を図ることができる。しかし、このように感光ドラム1の表面の削れを抑制した場合、DC帯電方式を採用する場合でも、感光ドラム1の表面に付着した放電生成物に起因して電荷注入現象に起因する画像不良が発生することがある。
つまり、放電により感光ドラム1の表面に付着した放電生成物は、主に高湿環境下において水分を吸いやすい潮解性の高い性質を有し、水分を吸った放電生成物は感光ドラム1の表面を低抵抗化させる。特に、AC帯電方式を採用した構成では、放電量が比較的多いため、感光ドラム1の表面に比較的多くの放電生成物が付着して、感光ドラム1の表面が低抵抗化することで、静電像が流れてしまう「画像流れ」が発生することがある。一方、DC帯電方式では、AC帯電方式に比べて放電量が少ないため、感光ドラム1の表面に付着する放電生成物は比較的少ない。そのため、DC帯電方式を採用した構成では、感光ドラム1の表面の低抵抗化の程度は比較的低く、画像を大きく乱すほどの「画像流れ」は発生しない。しかし、感光ドラム1の表面への放電生成物の付着量が比較的少ないDC帯電方式を採用した構成でも、画像を乱す「電荷注入現象」が発生することがある。この電荷注入現象は、帯電ローラ2と感光ドラム1との接触部において、帯電ローラ2の表面電位と感光ドラム1の表面電位との間の電位差により、放電とは無関係に起こる現象である。なお、電荷注入現象は、巨視的に見た場合は帯電ニップ部Nにおいて起きるが、微視的に見た場合は該帯電ニップ部N内の帯電ローラ2と感光ドラム1とが実際に接触している部分で起きる。この点については後述して詳しく説明する。そして、本発明者らの検討によると、この電荷注入現象の発生の程度には、帯電ローラ2と感光ドラムとの間の電位差以外にも、帯電ローラ2と感光ドラム1とが実際に接触している部分の面積(接触面積)の大きさが大きく影響していることが分かった。この点についても後述して詳しく説明する。
上述のような電荷注入現象が発生しやすい環境は、主に高温高湿な環境である。例えば、画像形成装置100が温度30℃、相対湿度80%の環境下に置かれた場合などである。ここで、本実施例では、感光ドラム1の付近に設置されているヒータ(図示せず)により、感光ドラム1を約38℃に温めることで、感光ドラム1の表面の放電生成物が吸収する水分量を低減している。しかし、このようにヒータを設けた条件下でも、電荷注入現象が発生することがある。
保護層1dを有し表面の弾性変形率が48%の本実施例の感光ドラム1と、保護層1dを有しておらず表面の弾性変形率が46%の比較例の感光ドラム1とで、電荷注入現象に起因する画像不良の発生程度を確認した。その結果、本実施例の感光ドラム1では電荷注入現象に起因する画像不良が発生することがあった(この結果については表2を参照して後述して詳しく説明する)。一方、比較例の感光ドラム1では画像不良は発生しなかった。これは、比較例の感光ドラム1は、本実施例の感光ドラム1よりも表面が削れ易いため、クリーニングブレード6aなどによって感光ドラム1の表面に付着した放電生成物が除去され易いからである。
5.電荷注入量の測定方法
次に、電荷注入現象を数値化して解析する方法について説明する。
電荷注入現象は、放電とは無関係に起こるため、電荷注入量の測定は、放電によって感光ドラム1の表面電位が変化しない条件で行う必要がある。そのため、予め帯電ローラ2に印加する電圧と感光ドラム1の表面電位Vdとの関係を取得しておく。図3を参照して前述したように、本実施例では放電開始電圧Vthは−600Vである。したがって、電荷注入量を測定するために帯電ローラ2に印加する電圧は、絶対値が放電開始電圧より小さい電圧、例えば−100V、−300V、−500Vに設定する。電荷注入量を測定する手順を以下に説明する。
まず、感光ドラム1の表面電位を略0Vとする。このとき、除電手段(除電ランプなど)によって除電などすることで感光ドラム1の表面電位を略0Vとしてよい。その後、感光ドラム1の回転駆動を開始する。次に、帯電ローラ2に−100Vの電圧を印加する。そして、約2秒間にわたり帯電ローラ2に電圧を印加した際に変化する感光ドラム1の表面電位を電位センサによって測定する。このとき、感光ドラム1の回転方向において、帯電ニップ部Nよりも下流側、かつ、例えば現像部に相当する位置よりも上流側の位置で感光ドラム1の表面電位を測定する。
図5は、上述のようにして測定した感光ドラム1の表面電位の変化の一例を示すグラフ図である。電荷注入現象は、感光ドラム1の表面が帯電ニップ部Nを通過する際に発生する。そのため、ここでは、感光ドラム1の表面が帯電ローラ2との帯電ニップ部Nを通過する時間に換算した感光ドラム1の表面電位の変化量(ここでは、「電荷注入電位ΔVd」ともいう。)を算出する。この電荷注入電位ΔVd、すなわち、感光ドラム1の表面が帯電ニップ部Nを通過する時間あたりの感光ドラム1の表面電位の変化量は、感光ドラム1の表面電位が略線形に変化する期間における該表面電位の変化量の測定結果から求めることが好ましい。例えば、図5に示すように、感光ドラム1の回転駆動を開始してから感光ドラム1が1周回転するまでの時間に測定された感光ドラム1の表面電位の変化量の測定結果から、電荷注入電位ΔVdを求めることができる。また、感光ドラム1の表面が帯電ニップ部Nを通過する時間は、感光ドラム1の周速度と、感光ドラム1の回転方向における帯電ニップ部Nの幅から求めることができる。
次に、帯電ローラ2に印加する電圧を−300V、−500Vに変更して、上記と同じ手順を繰り返す。これにより、感光ドラム1の表面電位と帯電ローラ2の表面電位との間の電位差ΔVaと、電荷注入電位ΔVdとの関係が得られる。図6は、上述のようにして取得した電位差ΔVaと電荷注入電位ΔVdとの関係の一例を示すグラフ図である。
図7は、帯電ローラ2と感光ドラム1との間の放電現象及び電荷注入現象を説明するための模式図である。帯電ローラ2と感光ドラム1との間での放電は、ほとんど上流側帯電ギャップ部A1で行われる。帯電ローラ2に−1300Vの電圧を印加した場合は、上流側帯電ギャップA1で感光ドラム1の表面は−700Vに帯電する。このため、帯電ニップ部Nでは、帯電ローラ2の表面電位は−1300V、感光ドラム1の表面電位は−700Vとなり、帯電ローラ2の表面電位と感光ドラム1の表面電位との間の電位差Vaは600Vとなる。そして、電位差ΔVaと電荷注入電位ΔVとの関係(図6)から、帯電ニップ部Nにおいて帯電ローラ2の表面電位と感光ドラム1の表面電位(ここでは0V)との間の電位差が600Vとなるときの電荷注入電位ΔVdを算出することができる。
以上のような方法によって求めた、保護層1dを有し表面の弾性変形率が48%の本実施例の感光ドラム1の電荷注入電位ΔVdは、15.4Vであった。一方、保護層1dを有しておらず弾性変形率が46%の比較例の感光ドラム1の電荷注入電位ΔVdは、3.0Vであった。なお、このときの帯電ローラ2の外径は15mm、帯電ローラ2の表面粗さ(十点平均粗さRz)は1.0μmであった。また、電荷注入電位ΔVは、後述ものと同様の耐久試験を行った後に測定した値である。
6.電荷注入現象に起因する画像不良の抑制
本発明者らの検討により、電荷注入現象の発生の程度には、帯電ローラ2と感光ドラム1とが実際に接触している部分の面積(接触面積)の大きさが大きく影響していることが分かった。そこで、本発明では、帯電ローラ2と感光ドラム1との接触幅及び接触面積率を制御することによって、電荷注入現象に起因する画像不良を抑制する。
<接触幅及び接触面積率>
まず、帯電ローラ2と感光ドラム1との接触幅及び接触面積率について説明する。
帯電ローラ2と感光ドラム1とは、巨視的に見た場合、帯電ニップ部Nで接触している。ただし、微視的に見た場合、帯電ローラ2の表面の微細な凹凸の影響により、実際に帯電ローラ2と感光ドラム1とが接触している部分は帯電ニップ部Nの全体に対し少ない。
帯電ローラ2と感光ドラム1とが実際に接触している部分を測定する測定器及び測定方法について説明する。図8は、測定器の概略構成を示す模式図である。まず、平坦なガラス板(ガラス平板)に帯電ローラ2を画像形成時と実質的に同じ条件(特に、後述する接触幅Xが画像形成時の感光ドラム1の回転方向における帯電ニップ部Nの幅と略同一となる条件)で当接させる。ここでは、帯電ローラ2は、帯電ローラ2の支持体2aの回転軸線方向の両端部に設けられた押圧ばね2eにより、片側600gfの荷重でガラス板に当接させる。また、ガラス板に対し帯電ローラ2とは反対側にカメラを設置し、帯電ローラ2とカメラとを結ぶ直線に対して斜め方向から光を当てる。帯電ローラ2とガラス板とが接触している部分は光を吸収することで黒点として現れるので、帯電ローラ2と感光ドラム1とが接触していない部分と区別することができる。図9は、カメラで取り込んだ静止画を示す模式図である。
ここで、巨視的に見た場合の帯電ローラ2とガラス板との接触部の帯電ローラ2の回転方向に沿う方向(回転軸線方向と略直交する方向)の幅(距離)を「接触幅X[mm]」とする。この接触幅Xは、感光ドラム1の回転方向における帯電ニップ部Nの幅に対応する。そして、単位面積あたりの実際に帯電ローラ2とガラス板とが接触している部分(黒点)の面積の比率(割合)を「接触面積率α」とする。接触面積率αは、上述の測定器及び測定方法により取得された図9に示すような静止画から画像処理により算出することができる。このとき、接触幅X内の全面積(取得した画像における接触幅X内の全面積であってよい。)に対する黒点の面積の割合を計算することができる。あるいは、接触幅X内の接触面積率αを十分に代表できるように、所定の面積の一部分の接触面積率αを算出したり、所定の面積の複数の部分の接触面積率αを算出して平均値を求めたりしてもよい。例えば、接触幅X内の全面積が黒点である場合の接触面積率αは「1」であり、接触幅X内の半分の面積が黒点である場合の接触面積率αは「0.5」である。
<接触面積率・接触幅と電荷注入量>
次に、帯電ローラ2と感光ドラム1との間の接触面積率及び接触幅と電荷注入量との関係について説明する。
表1は、接触幅X、接触面積率αを振って電荷注入電位ΔVdを測定した結果を示す。なお、接触幅Xは、帯電ローラ2の外径を変更することで制御した。また、接触面積率αは、帯電ローラ2の表層2cに分散させる表層粒子21の量を変更することで制御した。また、便宜上、表2では、接触面積率αは百分率[%]で示している。
Figure 0006526109
図11は、接触幅Xと接触面積率αとの積と、電荷注入電位ΔVdと、の関係を調べた結果を示すグラフ図である。図11から、接触幅Xと接触面積率αとの積の対数を横軸、電荷注入電位ΔVdを縦軸にとった場合、接触幅Xと接触面積率αとの積と、電荷注入電位ΔVdとは略線形の関係性を有することが分かる。つまり、接触面積率αを小さくするほど電荷注入量も小さくすることができ、また接触幅Xを小さくするほど電荷注入量も小さくすることができる。
ここで、表2は、電荷注入電位ΔVdを異ならせた場合に実際に転写材P上に出力された画像に現れる画像不良の程度を調べた結果を示す。ここでは、高温高湿(30℃/80%RH)の環境下で画像比率5%の画像を10万枚連続プリントする耐久試験を行った。そして、耐久試験の後に、高温高湿(30℃/80%RH)の環境下で、評価用の画像として文字画像、ハーフトーン画像、べた画像の3種類の画像を出力して、電荷注入現象に起因するスジ状の画像濃度ムラ(白スジ)の発生の程度を目視で確認した。実用上許容できない程度の白スジが発生する場合を×(許容外)、軽微な白スジが発生することがあるが実用上許容できる程度の場合を▲(許容内)、白スジが発生しない場合を◎(良好)として評価した。
Figure 0006526109
表2から、電荷注入電位ΔVdの絶対値が13V以下であれば、電荷注入現象によって大きく画像が乱されることがないことが分かる。
表1、表2及び図11の結果から、接触幅X[mm]と接触面積率αとの積を0.1以下とすることで、電荷注入電位ΔVdの絶対値を13V以下とすることができ、電荷注入現象に起因する画像不良を十分に抑制することができる。つまり、次式、
接触幅X×接触面積率α≦0.1mm
を満たすように接触幅X[mm]及び接触面積率αを設定することで、電荷注入現象に起因する画像不良を十分に抑制することができる。また、表1、表2及び図11の結果から、より確実に電荷注入現象に起因する画像不良を抑制するためには、接触幅X[mm]と接触面積率αとの積を0.05mm以下とすることが好ましい。
なお、接触幅X[mm]と接触面積率αの積は、±0.03程度の差は誤差範囲と考えられ、また電荷注入電位ΔVdの絶対値[V]は±0.3V程度の差は誤差範囲と考えられる。また、帯電ギャップ部を安定させて感光ドラム1の帯電処理を安定させるなどのために、帯電ローラ2はある程度感光ドラム1の表面に押圧させることが好ましいなどの観点から、接触幅Xは、通常、0.2mm以上とされる。また、帯電ローラ2の製造上の理由などから、接触面積率αは、通常、0.0005(=0.5%)以上とされる。
<帯電ローラの表面粗さ>
図12は、上記同様にして接触面積率αを振った場合の帯電ローラ2の表面粗さ(十点平均粗さRz)と接触面積率αとの関係を調べた結果を示すグラフ図である(便宜上、同図中の接触面積率αは百分率で示している。)。図12から、帯電ローラ2の表面粗さRzと接触面積率αとの相関性は低く、帯電ローラ2の表面粗さRzを調整することのみによって電荷注入電位ΔVdを制御することは難しいことが分かる。これは、帯電ローラ2の表層2cに添加する表層粒子21の硬さの影響などを受けているものと考えられる。
なお、帯電ローラ2の表面粗さを測定する測定器及び測定条件は次のとおりである。測定器は、小坂研究所製の接触式粗さ測定器を用いた。測定条件は、JIS 1994に従い、縦倍率は5000倍、横倍率は50倍、測定長は8mm、速度0.5mm/s、測定方向は帯電ローラ2の回転軸線方向とした。
以上説明したように、本実施例では、帯電ローラ2の表面粗さRzを制御するのではなく、帯電ローラ2の外径や帯電ローラ2の表層2cに分散させる表層粒子21によって接触幅X及び接触面積率αを制御する。これにより、電荷注入現象を抑制して、電荷注入現象に起因する画像不良を十分に抑制することができる。
なお、本実施例では、帯電ローラ2の表層2cに表層粒子21を分散して帯電ローラ2の表面に凹凸を形成して接触面積率を制御したが、帯電ローラ2の表面に凹凸を形成する方法は表層粒子21を分散する方法に限定されるものではない。例えば、帯電ローラ2の表層2cの形成時又は形成後に型により凹凸を成型したり、帯電ローラ2の表面を研磨して凹凸を形成したりしてもよい。
[実施例2]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は実施例1の画像形成装置のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
本実施例では、感光ドラム1の保護層1dの表面に複数の各々独立した凹部(凹形状)が設けられている。そして、本実施例では、帯電ローラ2の外径や感光ドラム1の表面の凹部によって接触幅X及び接触面積率αを制御する。
感光ドラム1の表面層が高硬度化されると、感光ドラム1とクリーニングブレード6aとの摩擦力が大きくなり、クリーニングブレード6aのビビリ(異常振動)や捲れ(自由端が感光ドラムの回転方向に捲れる現象)、更には欠けや摩耗が発生しやすくなる。そこで、感光ドラム1とクリーニングブレード6aとの摩擦力を制御して上記不具合を抑制するなどのために、感光ドラム1の表面に複数の各々独立した凹部が形成されることがある(特許第4101278号公報)。
本実施例では、感光ドラム1の表面には、上述のような公知の技術に基づいて凹部を設けることができる。なお、感光ドラム1の表面に形成される凹部の具体的な態様については任意であり、様々な態様の凹部を備えた感光ドラム1を有する画像形成装置100に本実施例を適用できる。典型的には、この凹部は、感光ドラム1の表面の任意の位置に一辺が感光ドラム1の回転方向に対して平行である一辺500μmの正方形領域を配置したとき、該領域における所定条件を満たす特定凹部の面積率が所定値になるように設けられる。以下に説明する感光ドラム1の表面の凹部の態様は、好ましい一実施例を示すものであって、凹部の態様は以下のものに限定されるものではない。
まず、感光ドラム1の表面の特定凹部の観察方法について説明する。感光ドラム1の表面の特定凹部は、例えば、レーザー顕微鏡、光学顕微鏡、電子顕微鏡、原子間力顕微鏡などの顕微鏡を用いて観察することができる。
レーザー顕微鏡としては、例えば、以下の機器が利用可能である。(株)キーエンス製の超深度形状測定顕微鏡VK−8550、超深度形状測定顕微鏡VK−9000、超深度形状測定顕微鏡VK−9500、VK−X200、VK−X100。オリンパス(株)製の走査型共焦点レーザー顕微鏡OLS3000。レーザーテック(株)製のリアルカラーコンフォーカル顕微鏡オプリテクスC130。
光学顕微鏡としては、例えば、以下の機器が利用可能である。(株)キーエンス製のデジタルマイクロスコープVHX−500、デジタルマイクロスコープVHX−200。オムロン(株)製の3DデジタルマイクロスコープVC−7700。
電子顕微鏡としては、例えば、以下の機器が利用可能である。(株)キーエンス製の3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE−9800、3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE−8800。エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製の走査型電子顕微鏡コンベンショナル/Variable Pressure SEM。(株)島津製作所製の走査型電子顕微鏡SUPERSCANSS−550。
原子間力顕微鏡としては、例えば、以下の機器が利用可能である。(株)キーエンス製のナノスケールハイブリッド顕微鏡VN−8000。エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製の走査型プローブ顕微鏡NanoNaviステーション。(株)島津製作所製の走査型プローブ顕微鏡SPM−9600。
上記一辺500μmの正方形領域の観察は、一辺500μmの正方形領域が収まるような倍率で行ってもよいし、より高い倍率で部分的な観察を行った後、ソフトを用いて複数の部分画像を連結するようにしてもよい。
次に、上記一辺500μmの正方形領域における特定凹部について説明する。まず、感光ドラム1の表面を顕微鏡で拡大観察する。感光ドラム1の表面は周方向に曲がった曲面となっているため、その曲面の断面プロファイルを抽出し、曲線(円弧)をフィッティングする。図13は、フィッティングの例を示す。図13に示す例は、感光ドラム1が円筒状である場合の例である。図13中、実線101は感光ドラム1の表面(曲面、周面)の断面プロファイルであり、破線102は断面プロファイル101にフィッティングした曲線である。その曲線102が直線になるように断面プロファイル101の補正を行い、得られた直線を感光ドラム1の回転軸線方向(周方向に直交する方向)に拡張した面を基準面とする。感光ドラム1が円筒状ではない場合も、円筒状である場合と同様にして基準面を得る。得られた基準面よりも下方に位置する部分を当該正方形領域における凹部とする。基準面から凹部の最低点までの距離を凹部の深さとする。本実施例では、特定凹部の深さは1.0μmである。また、基準面による凹部の断面を開口部とし、開口部を感光ドラム1の回転軸線方向に横切る線分のうち、最も長い線分の長さを凹部の開口部の幅とする。
本実施例では、特定凹部の開口部の幅は40μmである。なお、本実施例では、特定凹部の開口部を感光ドラム1の周方向に横切る線分のうち最も長い線分の長さは80μmである。また、本実施例では、上記一辺500μm正方形領域における特定凹部の面積は125000μmであり、当該正方形領域における特定凹部の面積率は50%である。なお、特定凹部の面積率は、所定領域における特定凹部の開口面積の合計と特定凹部以外の部分の面積の合計との総和に対する、特定凹部の開口面積の合計の割合(百分率[%]で表すものとする。)である。
図14は、本実施例における特定凹部の形状を示す模式図であり、図14(a)は基準面における開口部の形状(基準面に対し略垂直方向から見た表面形状)を示し、図14(b)は特定凹部の感光ドラム1の周方向と略平行な断面形状を示す。なお、図14(b)に示す特定凹部の断面は、上記補正後の断面プロファイルである。
まず、本実施例における特定凹部の開口部の形状について説明する。特定凹部は、特定凹部が面一である場合に形成された仮想面である開口面を有する。図14(a)に示すように、本実施例における特定凹部の開口部は、感光ドラム1の周方向の一方は、2つの直線で形成された頂部(交点)を有し、他方は、半円形状を有する。また、本実施例における特定凹部の開口部は、上記頂部(交点)を通る感光ドラム1の周方向に引いた直線Aまでの距離が最も離れた2つの点(直線Aから矢印の点線で示した位置)から上記頂部(交点)に向かって、直線Aまでの距離が小さくなっている。本実施例では、上記2つの点(開口部の幅が最大になっている部分の両端)と上記頂部(交点)とを結ぶ2つの直線がそれぞれ感光ドラム1の回転軸線方向と成す角度θ1は53°である。これにより、感光ドラム1のクリーニングブレード6aによるクリーニングの安定性が低下すると高温高湿環境下で発生することのあるスジ状の画像不良(初期スジ)を低減できるようになっている。なお、凹部の開口部の輪郭を形成する線が曲線である場合、曲線と曲線がなす角度や曲線と直線がなす角度を求めるとき、該曲線に関してはその接線を用いればよい。
次に、本実施例における特定凹部の感光ドラム1の周方向と略平行な断面の形状について説明する。図14(b)に示すように、本実施例における特定凹部は、感光ドラム1の周方向の一方は、開口面から深さ方向に最も深い点から上記頂部(交点)に向かって深さが直線状に浅くなる形状を有し、他方は、ドーム状の形状を有する。本実施例では、特定凹部を感光ドラム1の回転軸線方向に投影したとき、上記頂部(交点)と深さ方向に最も深い点とを結ぶ直線が、開口面上の直線と成す角度θ2は2.9°である。
ここで、感光ドラム1の表面の凹部は、所定の形状を有する型を感光ドラム1の表面に圧接し形状転写を行う方法で形成することができる。例えば、モールド(型)を有する圧接形状転写加工装置により、感光ドラム1を回転させながら、その表面(周面)に連続的にモールドを接触させ、加圧することにより形成することができる。この他、レーザー照射により、所定の形状の凹部を感光ドラム1の表面に形成する方法なども知られている。
なお、感光体ドラムの周面に設けられる複数の特定凹部は、すべてが同一の形状、開口部最長径、深さであってもよいし、異なる形状、開口部最長径、深さのものが混在していてもよい。また、特定凹部の形状は(感光ドラム1の表面の法線方向から見た表面形状、感光ドラム1の周方向と略平行な断面形状のいずれも)、本実施例のものに限定されるものではなく、必要に応じて任意の形状であってよい。該形状としては、例えば、円形、楕円形、あるいは正方形、長方形、三角形、四角形、五角形、六角形といった多角形などが挙げられる。また、特定凹部は、整列して配置されていてもよいし、ランダムに配置されていてもよい。
本実施例では、上述のような形状の凹部を感光ドラム1の表面に設けることで、感光ドラム1と帯電ローラ2との接触面積率αを、実施例1におけるもののおよそ80%に低減することができた。なお、本実施例では、接触面積率αの測定は、感光ドラム1の表面層(保護層1d)を、感光ドラム1から剥がした後、実施例1で説明したガラス板(図8)に張り付けて、実施例1と同様にして測定した。
そして、帯電ローラ2の外径、感光ドラム1の表面の特定凹部の開口部の数によって接触幅X、接触面積率αを振って、電荷注入現象に起因する画像不良の発生程度を調べた。なお、本実施例では、帯電ローラ2の表層2cは、ナイロン樹脂を使用して形成され、表層粒子21は分散されない。その結果、実施例1の場合と同様に、接触幅X[mm]と接触面積率αとの積を0.1mm以下とすることで電荷注入現象に起因する画像不良を十分に抑制できることがわかった。また、接触幅X[mm]と接触面積率αとの積を0.05mm以下とすることでより確実に電荷注入現象に起因する画像不良を抑制できることがわかった。
以上説明したように、本実施例では、帯電ローラ2の表面粗さRzを制御するのではなく、帯電ローラ2の外径や感光ドラム1の表面の凹部によって接触幅X及び接触面積率αを制御する。これにより、電荷注入現象を抑制して、電荷注入現象に起因する画像不良を十分に抑制することができる。
なお、帯電ローラ2の表面の形状と感光ドラム1の表面の形状の両方を制御することで接触面積率αを制御してもよい。
1 感光ドラム
2 帯電ローラ
3 露光装置
4 現像装置
5 一次転写ローラ
6 ドラムクリーニング装置
7 中間転写ベルト

Claims (8)

  1. 回転可能で有機材料を用いた感光体と、前記感光体に接触し前記感光体を帯電させる帯電部材と、前記帯電部材に直流電圧を印加する電源と、を有し、前記感光体の表面の、弾性変形仕事量を全仕事量で除した値が47%以上である画像形成装置であって、
    前記感光体と前記帯電部材とのニップ部における前記感光体の回転方向の幅を接触幅X[mm]、前記ニップ部における単位面積あたりの前記感光体と前記帯電部材とが接触している部分の面積の比率を接触面積率α、前記感光体の周速度を周速度v[mm/s]としたとき、次式、
    接触幅X×接触面積率α×(120[mm/s]/周速度v)≦0.1[mm]
    を満たすことを特徴とする画像形成装置。
  2. 次式、接触幅X×接触面積率α×(120[mm/s]/周速度v)≦0.05[mm]を満たすことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記式を満たすように前記帯電部材の表層に粒子が分散されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記式を満たすように前記感光体の表面に独立した複数の凹部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  5. 画像形成装置の装置本体に対して着脱可能であり、回転可能で有機材料を用いた感光体と、前記感光体に接触し直流電圧が印加されて前記感光体を帯電させる帯電部材と、を有し、前記感光体の表面の、弾性変形仕事量を全仕事量で除した値が47%以上であるカートリッジであって、
    前記感光体と前記帯電部材とのニップ部における前記感光体の回転方向の幅を接触幅X[mm]、前記ニップ部における単位面積あたりの前記感光体と前記帯電部材とが接触している部分の面積の比率を接触面積率α、前記感光体の周速度を周速度v[mm/s]としたとき、次式、
    接触幅X×接触面積率α×(120[mm/s]/周速度v)≦0.1[mm]
    を満たすことを特徴とするカートリッジ。
  6. 次式、接触幅X×接触面積率α×(120[mm/s]/周速度v)≦0.05[mm]を満たすことを特徴とする請求項5に記載のカートリッジ。
  7. 前記式を満たすように前記帯電部材の表層に粒子が分散されていることを特徴とする請求項5又は6に記載のカートリッジ。
  8. 前記式を満たすように前記感光体の表面に独立した複数の凹部が設けられていることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載のカートリッジ。
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